JP4076100B2 - 位置決め装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば航空機のフレーム部材等のような、押出し成形されしかも複数の曲率を有する部材の機械加工における位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来このような曲率を有する部材のクランプ装置または位置決め装置として特開平6−126567号公報、特開昭60−263673号公報が開示されている。
【0003】
特開平6−126567号公報の例を図5に示す。
この装置は、加工ワーク101を挟んでベース102上に複数個の位置決め装置103とクランプ装置104を対向配置し、各装置を一端に割り出し板105を固定した長尺のボールスクリュー106に螺合しベース102上で摺動可能に構成すると共に、位置決め装置103は位置決めバークランプシリンダー107によりクサビ形クランプ108で固定を行ない、クランプ装置104はクランプシリンダー109によって作動させワークをクランプしている。
【0004】
また特開昭60−263673号公報を図6に示す。
これは、第1駆動シリンダ装置201を駆動させピストン202を往復動させることにより、スライダ203をレール204に沿い往復動させ、押圧子205を前後方向へ移動調節させると共に、第2駆動シリンダ装置206を駆動しピストン207を往復動させることによりクランプアーム208を支点回り(図示矢印)で揺動させ、押圧子205を上下動させるもので、加工品上の一線上に任意の位置を押圧子205で押圧することができるクランプ装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述の特開平6−126567号公報によれば、様々な形状のワークに対応は可能であるがボールスクリューと複数個のシリンダーの組合わせであり、装置が複雑で高価になる。また、特開昭60−263676号公報の装置も複数個のシリンダーを使用するため、同様に装置が複雑で高価であるという問題がある。
【0006】
よって本発明はこのような従来技術の問題点を解消するため、押出し成形され複数の曲率を有する部材の機械加工における位置決め装置を簡単な構成により提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するための手段として、請求項1記載の発明は、
ベース上に固設され凹部を有する角板状のブロックと、
前記凹部に嵌合すると共に前記ベース上に配置されるサブベースと、
前記ブロック上に載置して着脱自在に係止し、ワークの曲率に応じて複数個の切欠を設けた板状のテンプレートと、
前記サブベース上に固設されると共に前記切欠に嵌合する固定ブロックと、
前記サブベースと一体的に結合しベースに固定する固定治具と、
前記サブベース上にあって前記固定ブロックと連係してワークをクランプする機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
また請求項2記載の発明は、
ベース上に立設されワークを位置決めするピンと、
ベース上に固設され凹部を有する角板状のブロックと、
このブロック上に載置して着脱自在に係止し、ワークの曲率に応じて複数個の切欠を設けた板状のテンプレートと、
前記凹部に嵌合すると共に前記ベース上に配置されるサブベースと、
このサブベース上に固設され前記切欠に嵌合する固定ブロックと、
この固定ブロックに対向配置し固定ブロックと連係してワークを挟持する可動ブロックと、
この可動ブロックに連結し、可動ブロックを前記サブベース上を直線的に移動させる空気圧シリンダと、
前記サブベースに一端を回動自在に係止され、中間部に設けられた長穴を前記可動ブロックに固定した軸に遊嵌され、他端で前記ワークを押圧する略Z字形状のレバーと、
前記サブベースと一体的に結合してベースに固定する固定治具と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ベースの材質を磁性体とし、前記クランプ装置の固定治具をマグネットホルダとすることを特徴とする。
【0011】
すなわち、本発明においてはベース上に凹部を有する角板状ブロックを固設し、該ブロック上に複数個の切欠を有するテンプレートを載置して着脱自在に係止する。次に複数個のクランプ装置をテンプレートの複数個の切欠に対応してテンプレートに対し直角方向にベース上に配置する。そして、クランプ装置のサブベースの一端を角板状ブロックの凹部に差し込み嵌合し、サブベース上の固定ブロックをテンプレートの切欠に差し込み嵌合し、クランプ装置に繋止された固定治具をベースに固定させて、クランプ装置の位置決めと固定をする。その後、ワークを固定ブロック上に載置する。
【0012】
次いでクランプ装置の空気圧シリンダに圧力を供給して可動ブロックを押動し、ワークを固定ブロックと可動ブロックで強く挟持する。同時に略Z字形状のレバーは可動ブロックの動きによって中間部に設けられた長穴を力点とし、サブベースに係止された一端を支点として回動し、他端を作用点としてワークを押圧する。
【0013】
このようにワークの曲率に沿ったテンプレートの複数個の切欠に複数個のクランプ装置の固定ブロックを嵌合して各クランプ装置の位置決めを行うため、複数の曲率を有するワークに対しても簡単に位置決め可能であり、また異なる曲率のワークに対してはテンプレートを交換することで対応可能である。更にワークのクランプは可動ブロック及び略Z字形状のレバーを空気圧シリンダ1個で作動させており、簡単な構造で安価な位置決め装置を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで図1は本発明の実施の形態に係る位置決め装置の斜視図を、図2はクランプ装置の斜視図を、図3はクランプ装置でワークをクランプする前の状態の正面図を、図4はクランプ装置でワークをクランプした後の状態の正面図を示す。
【0015】
図1において、ベース10は磁性を有する鋼板等の材質で構成し、ベース10の一辺側にブロック20が固設されている。ブロック20は角板状に構成し、この長辺には所定の長さの棚21が全長に渡って張り出している。ブロック20の上面には位置決め用に少なくとも2個所のガイドピン22を立設した板状のテンプレート30を載置して着脱自在に係止固定する。テンプレート30はワークWの種類に応じて異なるものが用いられる。すなわちテンプレート30の一側は、ワークWの曲率に沿った複数個の切欠31に形成される。これら複数個の切欠31に対し垂直方向に複数個(図1では3個だけ図示されている)のクランプ装置40がベース10上に配置される。そしてワークWはベース10に立設した位置決め用のピン11に係止されると共に、後に述べるようにクランプ装置40でクランプされる。なおワークWは一部輪郭を二点鎖線で図示してあるように、テンプレート30の長手方向にわたる長物である。
【0016】
図2にクランプ装置40を図示する。クランプ装置40はサブベース41上に固定された固定ブロック42と、サブベース41上を移動可能な可動ブロック43とを対向配置し、さらに可動ブロック43の後部には可動ブロック43を移動させる空気圧シリンダ44がロッド44aを介して連結している。空気圧シリンダ44は、サブベース41上に固定されたブラケット41bにより支持され、図示しない空気圧源からホース44bを介して空気圧が供給されている。よってロッド44aを介して可動ブロック43をリニアウェイ41a上で直線的に摺動させる。
【0017】
サブベース41の板厚は、図1に説明したブロック20の棚21とベース10面との間に形成される凹部23に嵌合する厚さに形成する。つまり個々のクランプ装置40をブロック20の棚21の下に差し込む形になっている(図4の破線参照)。
【0018】
このクランプ装置40の構成要素である固定ブロック42および可動ブロック43について、図3、図4も参照しながらさらに説明する。固定ブロック42は前記テンプレート30の切欠31に嵌合可能な凸部42aとワークWを挟持する上面42bとに形成され、サブベース41上に固定されている。固定ブロック42の上面42bの可動ブロック43に対向する縁は円弧状に形成された爪部42cを構成している。
【0019】
可動ブロック43は底部にガイド部43aを有して、サブベース41上に固定されたリニアウェイ41aに嵌合して空気圧シリンダ44の作用により摺動可能に構成されている。さらに、可動ブロック43は固定ブロック42の爪部42cと連係してワークWを挟持する爪部43cが円弧状に形成されている。
【0020】
可動ブロック43の移動に伴ないワークWを押えるために、レバー45が設けられている。レバー45は略Z字形状の2枚の板材から成り一端はサブベース41上に固定されたブロック41cを挟み、このブロック41cに装着された軸部材41dで回動自在に係止される。レバー45の中間部は長穴45aを形成して且つ可動ブロック43を挟み、可動ブロック43に装着された固定ピン43dと遊嵌している。更に他端は2枚の板材が一体的に連結され、先端にゴム部材で覆ったピン45bを有している。
【0021】
更にサブベース41の空気圧シリンダ44側の端部には、このクランプ装置40のサブベース41をベース10に固定するための固定治具としてのマグネットホルダ46が一体的に装着されている。
【0022】
上述した構成の本発明による位置決め装置の作用を説明する。
図1、図4に示すようにベース10上にブロック20を固設し、ブロック20上にテンプレート30をガイドピン22で位置決めして係止する。次にクランプ装置40のサブベース41の一端を、ブロック20の棚21とベース10面との間の空間で形成される凹部23に差込み嵌合する。クランプ装置40の上下方向の動きを規制し、且つ固定ブロック42の凸部42aをテンプレート30の切欠き31に差込み嵌合し、クランプ装置40の左右方向の動きを規制すると共に、クランプ装置40の位置決めをする。ワークWの寸法や形状に応じ、必要数のクランプ装置40の位置決めを行い、次に各クランプ装置40のマグネットホルダ46をベース10に吸着させて各クランプ装置40を固定する。以上でワークWをセットする準備が整う。
【0023】
その後、ワークWをクランプ装置40の固定ブロック42の上面42bに載置し(図3)、ベース10に立設した位置決め用のピン11にワークWを合わせて位置決めする(図1)。
【0024】
次に、空気圧シリンダ44を作動させロッド44aを介して可動ブロック43を押し、リニアウェイ41a上を直線的に摺動させて、ワークWを固定ブロック42の爪部42cと可動ブロック43の爪部43cとにより挟持する(図4)。同時に、レバー45は可動ブロック43の動きにより、軸部材41dを支点として、長穴45aを力点として摺動させ、ピン45bを作用点として回動させワークWを上方から押さえる。ここで爪部42c、43cは円弧形状を形成しているため(図2)、ワークWの曲率の違いに対して対応可能であり、またピン45bは先端を弾力性のあるゴム部材で覆っているため、ワークWの板厚誤差や装置の寸法誤差に対し、誤差を吸収して対応可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、ブロックの凹部及びワークWの曲率に沿った位置のテンプレートの切欠への嵌合でクランプ装置の位置決めをし、クランプ装置のベースに対する固定はマグネットホルダで行うため、複数の曲率を有するワークに対しても容易に対応可能であり、また曲率の異なる各種のワークに対してもテンプレートを交換することで容易に対応可能である。更にワークのクランプは固定ブロックと可動ブロックで横方向を強く押さえ、上下方向はゴム部材を介して予備的に押さえる構造としており、クランプ装置に油圧シリンダは1個で済み、簡単で安価な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るクランプ装置並びに位置決め装置の斜視図。
【図2】本発明の実施の形態に係るクランプ装置の斜視図。
【図3】本発明の実施の形態に係るクランプ装置並びに位置決め装置がワークをクランプする前の状態の正面図。
【図4】本発明の実施の形態に係るクランプ装置並びに位置決め装置がワークをクランプした後の状態の正面図。
【図5】従来技術の実施の形態に係る縦断面図。
【図6】他の従来技術の実施の形態に係る縦断面図。
【符号の簡単な説明】
10 ベース
20 ブロック
23 凹部
30 テンプレート
40 クランプ装置
41 サブベース
41d 軸部材
42 固定ブロック
42a 凸部
42b 上面
42c 爪部
43 可動ブロック
43a ガイド部
43c 爪部
43d 固定ピン
44 空気圧シリンダ
44a ロッド
45 レバー
45a 長穴
45b ピン
46 マグネットホルダ
W ワーク
Claims (3)
- ベース10上に固設され凹部23を有する角板状のブロック20と、
前記凹部23に嵌合すると共に前記ベース10上に配置されるサブベース41と、
前記ブロック20上に載置して着脱自在に係止し、ワークWの曲率に応じて複数個の切欠31を設けた板状のテンプレート30と、
前記サブベース41上に固設されると共に前記切欠31に嵌合する固定ブロック42と、
前記サブベース41と一体的に結合しベース10に固定する固定治具46と、
前記サブベース41上にあって前記固定ブロック42と連係してワークWをクランプする機構と、
を備えたことを特徴とする位置決め装置。 - ベース10上に立設されワークWを位置決めするピン11と、
ベース10上に固設され凹部23を有する角板状のブロック20と、
このブロック20上に載置して着脱自在に係止し、ワークWの曲率に応じて複数個の切欠31を設けた板状のテンプレート30と、
前記凹部23に嵌合すると共に前記ベース10上に配置されるサブベース41と、
このサブベース41上に固設され前記切欠31に嵌合する固定ブロック42と、
この固定ブロック42に対向配置し固定ブロックと連係してワークWを挟持する可動ブロック43と、
この可動ブロック43に連結し、可動ブロックを前記サブベース41上を直線的に移動させる空気圧シリンダ44と、
前記サブベース41に一端を回動自在に係止され、中間部に設けられた長穴45aを前記可動ブロック43に固定した軸43dに遊嵌され、他端で前記ワークWを押圧する略Z字形状のレバー45と、
前記サブベース41と一体的に結合してベース10に固定する固定治具46と、
を備えたことを特徴とする位置決め装置。 - 前記ベース10の材質を磁性体とし、前記クランプ装置の固定治具46をマグネットホルダとすることを特徴とする請求項1又は2記載の位置決め装置。
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