JP4075447B2 - 発振器、およびこの発振器を用いた電子機器 - Google Patents

発振器、およびこの発振器を用いた電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を利用したデバイスであるSAW共振子を搭載した発振器、この発振器を用いた電子機器および発振器の発振方法に関し、より詳細には、水晶片のカット方向の変更で周波数−温度特性を改善したSAW共振子を用いて高い周波数で発振させ、その発振周波数を内蔵の分周回路で分周した分周周波数を得る発振器、この発振器を用いた電子機器およびこの発振器を用いた発振器の発振方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は、従来のSTカット型SAW共振子を用いた水晶発振器の概略の構成を示したブロック図である。同図に示すように、水晶発振器1は、STカット型SAW共振子2を用いてコルピッツ発振回路などの発振回路3を発振させ、出力回路4によって波形整形した後に出力信号を送出している。STカット型SAW共振子2を用いた水晶発振器1は、100MHz〜数GHzの周波数をダイレクトに発振することが可能であり、耐衝撃性や水晶発振器のジッタ特性を改善した水晶振動子である。
【0003】
このようなSTカット型SAW共振子2を用いて構成された水晶発振器1は、100MHz帯でSAW共振子の大きさは5×1.5(mm)程度であり、STカット型SAW共振子2の発振周波数の発振信号がそのまま出力回路4を介して出力信号として外部に送出される。図の例では、STカット型SAW共振子2を用いて発振回路3で発振された低周波数106.25MHzの信号が、そのまま出力回路4から出力される(本願明細書においては、100MHz程度の周波数は低周波と呼ぶことにする)。出力回路4は、発振回路3から入力された信号波形を、矩形波に整形する機能を有している。STカット型SAW共振子2を用いた水晶発振器1を400MHz帯以上の高周波(本願明細書においては、400MHz以上の周波数を高周波と呼ぶことにする)で発振させる場合、水晶発振器1の高周波特性の測定は、出力回路4から送出される出力信号波形を直接測定することによって行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のSTカット型SAW共振子を用いて構成された水晶発振器は以下のような幾つかの問題点がある。第1の問題点は、従来のSTカット型SAW共振子の周波数−温度特性は、従来のAT振動子の周波数−温度特性と比べ、0℃〜70℃の温度範囲で60ppmぐらい周波数が変動してしまう。そのため、近年の高速ネットワーク通信機器を始めとする電子機器に求められている通信品質の高信頼化の要請、つまり、低ジッタで安定して発振することや、周波数−温度特性が良くて通信機器の実用温度範囲において周波数変動幅が小さいこと、といった要請に沿わないなどの不具合を生じる。
【0005】
第2の問題点は、100MHz帯の低周波数帯域においては、STカット型SAW共振子におけるチップサイズの小型化が困難であり、水晶発振器の超小型化という要請に沿わないことである。
【0006】
第3の問題点は、STカット型SAW共振子のCI値や発振回路の負性抵抗のバラツキが大きいため、出力回路から出力される出力信号波形のデューティ比のバラツキが大きくなり、高精度な電子機器に要求される仕様を満足することが困難であることである。特に、STカット型SAW共振子を用いた水晶発振器を400MHz帯以上の高周波領域に適用した場合においては、負性抵抗のバラツキ(つまり、出力信号波形のデューティ比のバラツキ)が著しく大きくなるという問題がある。
【0007】
以下にデューティ比について説明する。図2は、発振回路の負性抵抗のバラツキに伴う出力信号波形のデューティ比の変動を示す波形図であり、(a)は発振回路3の発振信号波形であり、(b)は出力回路4の出力信号波形である。また、実線は負性抵抗にバラツキのない場合の波形、破線は負性抵抗にバラツキを生じた場合の波形を示している。図2(a)に示す発振回路3の発振信号波形と出力回路4の入力スレッショルド電圧Vthとの交叉点において、同図(b)に示すように出力回路4の出力信号波形は反転を繰り返している。負性抵抗にバラツキのない実線波形の場合は、同図(b)に示すように出力回路4の出力信号波形のデューティ比(Th/T)は50%であるが、負性抵抗にバラツキがあると破線波形の場合は、デューティ比(Th’/T’)は50%以上となる。このように、負性抵抗にバラツキが生じると出力回路4の出力信号波形のデューティ比は50%からずれてしまう。
【0008】
第4の問題点は、STカット型SAW共振子を使用した水晶発振器を400MHz帯以上の高周波領域に適用した高周波用水晶発振器の高周波特性の測定においては、出力回路4からの出力信号の取り出しはできる限り配線を短くすると共に、出力回路4の出力端から高周波用測定器までの配線はストリップ線や同軸ケーブルなどを使用してインピーダンス整合をとる必要がある。特に、ソケットのコンタクトプローブは高周波領域ではインダクティブ(誘導性)になり易く、高周波領域での配線長に起因する伝送損失が発生するおそれがある。そのため、出力信号波形に反射波が重畳して波形変形を生じてしまうので、正確な周波数測定を行うことができないなどの問題もある。
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、水晶片のカット方向を改善した高周波用のSAW共振子を用いた発振器で発振した発振周波数を分周回路で分周させることにより、周波数−温度特性の優れた低周波用の発振器を実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、弾性表面波を利用したSAW( Surface Acoustic Wave )共振子を搭載した第1の発振器であって、前記SAW共振子を用いて高周波信号を生成する発振回路と、前記発振回路からの前記高周波信号に基づいて位相が互いに180°異なる2つの差動信号を生成する差動変換回路と、前記差動変換回路からの前記差動信号に基づいて周波数分周を行い、第1の低周波信号を生成する分周回路と、前記分周回路から受信した前記第1の低周波信号を波形整形して第2の低周波信号を得る出力回路とを備え、前記発振回路はコルピッツ型発振回路であり、前記コルピッツ型発振回路は、トランジスタのコレクタ−ベース間に前記SAW共振子と第1の抵抗とが並列接続され、前記トランジスタの前記ベース−エミッタ間に第1のコンデンサが接続され、前記トランジスタの前記コレクタ−前記エミッタ間に第2のコンデンサが接続され、前記トランジスタの前記コレクタ側が電源に接続され、 前記トランジスタの前記エミッタ側がグランドに接続された構成となっていることを特徴とする。
また、本発明の第1の発振器は、トランジスタの前記コレクタ側が電流制限用の第2の抵抗を介して前記電源に接続されていてもよい。
【0011】
また、本発明の第1の発振器の分周回路は、分周比を選択するための複数の外部端子を備え、前記複数の外部端子のいずれかに切替信号を選択的に供給することにより、前記分周回路の分周比を選択的に切り替えてもよい
【0012】
また、本発明の第1の発振器は、前記分周回路の分周比の設定情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記設定情報に基づいて、前記分周回路の前記分周比を切替制御する制御回路とを備え、前記制御回路に対して外部からシリアル信号を供給することにより、前記分周回路は前記分周比を切替制御してもよい
【0013】
また、本発明の第1の発振器の分周回路は、複数の2分周器が直列接続された構成であり、前記2分周器の直列接続数を切り替えることにより、前記分周回路の分周比を切り替えてもよい
【0022】
また、本発明の発振器のSAW共振子は、オイラー角が(0,113〜135、+(40〜49))にある面内回転STカット水晶板を用いてもよい
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明における水晶発振器の実施の形態を詳細に説明する。本発明における水晶発振器は、従来のSTカット型SAW共振子に比べて温度特性が良くなるようなカット角度でカットした水晶片を用いたSAW共振子(以下、単にSAW共振子という)によって構成された水晶発振器である。このSAW共振子は、2次温度係数βが−1.6×10-8程度となり、従来のSTカット型SAW共振子に比べて周波数−温度特性が2倍程度まで改善されている。このSAW共振子のデバイス技術については特許第3216137号公報に報告されている。以下にSAW共振子について簡単に説明する。
【0032】
図20は、本発明のSAW共振子に使用される水晶片のカット角度を示す図である。図20に示すように、水晶の結晶軸は、電気軸(X軸)、機械軸(Y軸)、光軸(Z軸)によって定義され、STカットとはオイラー角(φ、θ、ψ)が(0,0,0)の水晶Z板2を、電気軸(X軸)まわりにθ:113〜135度回転させた水晶板1からその結晶軸(X,Y’,Z’)に沿って切り出され、このSTカット水晶板1のZ’軸まわりにさらにψ=±(40〜49)度回転させ、弾性表面波の伝播方向がこの方向となるように作製された圧電振動子がZ’軸まわりに面内回転させたSTカットSAW共振子3である。なお、光軸とは水晶片に入射する2つの光の法線速度が等しくなる軸であり、電気軸とは水晶片の媒質における誘電率を表わすテンソル楕円体の主軸である。
【0033】
この面内回転STカットSAW共振子3は、周波数変化率が小さくて温度特性が極めてよいことが知られており、その温度特性は、変曲点が110°C近辺にある3次関数温度特性である。
この3次関数温度特性において、常温範囲に位置する極大値もしくは極小値温度を頂点温度とし、一次係数項の調整により常温範囲外に位置する変曲点まわりに温度特性を回転させて前記頂点温度を常温範囲の最適値に調整するように構成したものである。
即ち、水晶板を電気軸(X軸)まわりにθ=113〜135度回転させて得られるSTカット水晶板を更にZ’軸まわりにψ=±(40〜49)度だけ面内回転させたSTカット水晶板(水晶片)を設定する。その範囲内で、さらに温度特性が極値を持つ範囲を選定し、この範囲内で面内回転角を調整し、温度特性の極大値もしくは極小値温度を常温範囲の最適値に調整して温度特性を調整する。それを説明したものが図21である。
【0034】
図21は、本発明のSAW共振子の周波数温度特性を示す図である。今、図21に示しているように、Z’軸まわりに面内回転させたSTカットSAW共振子の温度特性は変曲点温度が約110℃であり、常用温度範囲は、温度領域−40〜+85℃であるので、変曲点より低い温度領域に位置する極大値を有する特性領域を使用する(図21において四角で囲んだ部分)。3次関数温度特性の場合には変曲点を移動することが困難であるので、一次係数項を調整し、特性線を変曲点まわりに回転させる。
【0035】
図21に示す実線が基本特性線である場合、その極大値P1を使用温度範囲Tzの中央に位置するように、特性線を変曲点まわりに回転させて新たに破線で示しているような特性線を得る。これにより、あたかも、使用温度範囲で頂点温度を平行移動したかの如く、極大値温度がP1からP2に移動し、使用温度範囲において周波数変化率を最小にすることができる。
【0036】
図22は、AT振動子、従来のSAW共振子、および本発明のSAW共振子の3つの温度特性を比較した図である。それぞれの周波数は80MHz,125MHz,625MHzのものを使用しているが、基本的な特性は周波数によらない。これから、本発明のSAW共振子はATカット型共振子に比べてその特性は劣るが、従来のSAW共振子に比べて温度領域全体で改善され、例えば−5℃において1/2程度に改善されているのが判る。
【0037】
上述の本発明のSAW共振子を使用した水晶発振器は、周波数−温度特性が大幅に改善される。しかし、そのSAW共振子は、400MHz以上の高周波帯域で動作するように設計を行う必要がある。それは、SAW共振子を低周波帯域(100MHz帯、たとえば106.25MHz)で設計すると、そのチップサイズがかなり大きくなり、電子機器に要求されている小型化が困難となる理由からである。そこで、本発明では、高周波帯域(400MHz以上)で発振する小型化されたSAW共振子を使用し安定して発振させる発振回路を小型の水晶発振器として実現している。また、小型化されたSAW共振子を使用した発振器において、その発振周波数を分周することによって低周波帯域の出力信号を得ることができ、デュ−ティ比のばらつきの少ない水晶発振器を実現している。つまり、本発明の水晶発振器では、高周波帯域用のSAW共振子を駆動する高周波発振回路を構成し、さらに分周回路を追加することにより低周波帯域から高周波帯域までの出力信号を得ることができ、周波数−温度特性の良好な水晶発振器を実現している。
【0038】
本発明における水晶発振器には、基本的には、発振回路の種類から分類して、コルピッツ発振回路を使用した水晶発振器と移相回路を使用した水晶発振器の2種類がある。即ち、従来のコルピッツ型発振回路を変形し、寄生容量の影響を減らし高周波動作を安定化させた構成の変形コルピッツ型発振回路を用いた水晶発振器または移相型水晶発振器である。そして、それらのいずれかと接続する分周回路の周波数分周の制御方法で分類すると6つの実施の形態がある。第1の実施の形態の水晶発振器は、周波数−温度特性を改善したSAW共振子を用い、高周波動作を安定化させた変形コルピッツ型発振回路で高周波信号を生成し、この高周波信号を差動変換回路を介して分周回路で分周して低周波の出力信号を発生する構成である。第2の実施の形態の水晶発振器は、変形コルピッツ発振回路を用いた第1の実施の形態の構成において、分周回路から出力される複数の周波数の発振信号を外部端子によって切り替えるようにした構成である。第3の実施の形態の水晶発振器は、変形コルピッツ発振回路を用いた第1の実施の形態の構成において、分周回路から出力される複数の周波数の発振信号を外部から選択できるように制御回路およびメモリ(記憶手段)を設け、メモリ内に記憶させた情報に応じて制御回路を外部から制御し、所望の周波数の出力信号を送出できるようにした構成である。
【0039】
第4の実施の形態の水晶発振器は、SAW共振子を用いて移相型発振回路で高周波発振させ、その高周波信号を出力すると共に、正帰還発振ループ内のバッファ回路からの複数の出力信号のうち正帰還発振ループを構成しない出力信号の高周波信号を分周回路で分周して低周波信号を発生する構成である。第5実施の形態の水晶発振器は、移相型発振回路を用いた第4の実施の形態の構成において、分周回路から出力される複数の周波数の発振信号を外部端子によって切り替えるようにした構成である。第6の実施の形態の水晶発振器は、移相型発振回路を用いた第4の実施の形態の構成において、分周回路から出力される複数の周波数の発振信号を外部から選択できるように制御回路およびメモリを設け、メモリ内に記憶させた情報に応じて制御回路を外部から制御し、所望の周波数の出力信号を発生できるようにした構成である。以下に各実施の形態について説明する。
【0040】
第1の実施の形態
先ず、第1の実施の形態として、SAW共振子を変形コルピッツ型発振回路によって高周波発振させて高周波信号を生成し、さらに、この高周波信号を差動変換回路を介して分周回路で分周して低周波の出力信号を送出する水晶発振器であり、まず、変形コルピッツ型発振回路について説明する。
コルピッツ型の発振回路13には、従来型コルピッツ発振回路と変形コルピッツ発振回路とがある。図3は従来型コルピッツ発振回路を示す図であり、図4は本発明の水晶発振器に用いられる変形コルピッツ発振回路を示す図である。何れの発振回路の場合も、実線で示した回路部分が現実の発振回路であり、破線で示したコンデンサがパッケージや配線によって生じた寄生容量である。図3に示す従来型コルピッツ発振回路において、高周波帯域で安定発振させるためには、コンデンサC1,C2の値を小さくしてSAW共振子12の負荷容量を小さく抑え、高周波帯域における負性抵抗を高くしてQを大きくする必要がある。しかし、実際にはパッケージや配線の影響による寄生容量によって破線で示すコンデンサC3,C4,C5が付加された等価回路となる。つまり、SAW共振子12の端子間容量に相当するコンデンサC3が付加され、さらには、SAW共振子12の端子とグランド間の寄生容量に相当するコンデンサC5が付加される。すなわち、コンデンサC3,C5がSAW共振子12に並列接続される。また、コンデンサC2に出力端子とグランド間の寄生容量に相当するコンデンサC4が並列に付加された等価回路となるので、発振回路に使用するコンデンサの実質的な容量が大きくなってしまう。そのため、SAW共振子12に対する負荷容量が大きくなり、高周波帯域における負性抵抗が低下してQが小さくなってしまう欠点がある。
【0041】
そこで、本発明の水晶発振器に適用されるコルピッツ発振回路では、図4に示すような変形コルピッツ発振回路を採用している。図4の変形コルピッツ発振回路は、トランジスタTrのコレクタ−ベース間にSAW共振子12と抵抗R1とが並列に接続され、トランジスタTrのベース−エミッタ間にコンデンサC1が接続され、さらに、トランジスタTrのコレクタ−エミッタ間にコンデンサC2が接続され、電源Vccから電流制限用の抵抗R2を介してトランジスタTrのコレクタ側に接続され、エミッタ側がグランドに接続されている。図4のように構成された変形コルピッツ発振回路は、図3に示す従来型コルピッツ発振回路と交流的には(つまり、発振動作回路としては)全く等価な回路である。
【0042】
図4の変形コルピッツ発振回路においては、パッケージや配線によって生じる寄生容量は破線で示したコンデンサC3,C4,C5,C6である。つまり、寄生容量によって付加されたコンデンサは、SAW共振子12の端子間容量に相当するコンデンサC3と、SAW共振子12の両端の端子とグランド間の寄生容量に相当するコンデンサC5,C6と、出力端子とグランド間の寄生容量に相当するコンデンサC4である。
【0043】
図4の等価回路からSAW共振子12に対する負荷容量Ca1,Ca2をそれぞれ算出すると、図3の従来型コルピッツ発振回路の場合は、
Ca1=C1×(C2+C4)/(C1+C2+C4)+C3+C5
であり、図4の変形コルピッツ発振回路の場合は、
Ca2=((C1+C6)×(C2+C4+C5))
/(C1+C2+C4+C5+C6)+C3
となる。ここで、両者の比較を簡単にするために、C1=C2=5pF,C3=C4=C5=C6=1pFとすると、図3の場合の負荷容量Ca1は約4.7pF、図4の場合の負荷容量Ca2は約4.2pFとなる。このことから、図4の変形コルピッツ発振回路は、図3の従来型コルピッツ発振回路の場合に比べて本発明のSAW共振子12に対する負荷容量は小さくなることがわかる。そのため、図4に示す変形コルピッツ型発振回路では、高周波帯域における負性抵抗の低下の割合は図3の従来型コルピッツ発振回路の場合に比べて少なくすることができる。このようにして、図4のような変形コルピッツ型発振回路を採用することにより、寄生容量による影響を小さくし、負性抵抗を大きくすることができる。つまり、変形コルピッツ型発振回路を用いることにより、寄生容量の増加を最小限に抑えて高周波帯域における負性抵抗を比較的高くしてQを大きくすることができる。
【0044】
図4に示す変形コルピッツ型発振回路をIC化する際に、ICパッドとしてパッケージに接続される部分において寄生容量が形成され、等価的には破線で示すようなコンデンサC3,C4,C5,C6が付加され、負荷容量が増加したことになる。そして、この負荷容量の増加分と、図3に示す従来型コルピッツ型発振回路の寄生容量であるコンデンサC3,C4,C5による負荷容量増加分と比べれば、変形コルピッツ型発振回路の負荷容量は小さくなる。その結果、変形コルピッツ型発振回路は負性抵抗を大きく取れるので、高いQの値を保持して安定的に高周波発振を行うことができる。
【0045】
図5は、図3の来型コルピッツ発振回路と図4の変形コルピッツ型発振回路における負性抵抗の比較図である。図5に示す負性抵抗の比較特性図は、図3および図4において実線で示したコンデンサC1,C2をそれぞれ5pF、破線で示したコンデンサ(寄生容量)C3〜C6をそれぞれ1pFに設定して、シミュレーションによって取得したデータである。図5では、横軸に周波数(単位:MHz)を表わし、縦軸に負性抵抗(単位:Ω)を表わしている。
【0046】
図5に示すシミュレーションの結果から明らかなように、図3の従来型コルピッツ発振回路は、特性(a)に示すように負性抵抗は最大でも−100Ωである。しかし、図4の変形コルピッツ型発振回路の構成にすることによって、特性(b)のように負性抵抗が大きくなり、周波数帯が100MHz付近で負性抵抗は−240Ω程度とかなり大きくなっている。したがって、このような大きな負性抵抗を確保できる変形コルピッツ型発振回路を用いれば、本発明のSAW共振子のような高周波用のデバイスを100MHz付近の比較的低周波帯域において高いQを得ることができるので、SAW共振子12を安定的に発振させることができる。
【0047】
図6は、本発明の第1の実施の形態において、変形コルピッツ発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。この水晶発振器11は、周波数−温度特性を改善したSAW共振子12と、SAW共振子12を励振させる変形コルピッツの発振回路13と、発振回路13で生成された発振信号に基づいて180°位相の異なる2つの差動信号を生成する差動変換回路14と、差動変換回路14で分周された高周波信号を分周して低周波信号を生成する分周回路15と、分周回路15からの低周波信号を受けて波形整形された低周波信号を出力する出力回路16とによって構成されている。
【0048】
変形コルピッツ型の発振回路13が、SAW共振子12を高周波発振させて高周波信号を生成し、さらに、差動変換回路14が、高周波信号を受けて180°位相の異なる2つの差動信号を生成して分周回路15を分周駆動させる。分周回路15は、差動変換回路14からの180°位相の異なる2つの差動信号でトリガすることにより低周波信号を生成する。たとえば、SAW共振子12が400MHzの発振信号で発振しているとき、差動変換回路14は400MHzの2つの差動信号を生成し、分周回路15は4分周動作して100MHzの発振信号を生成する。負性抵抗のバラツキによって高周波信号のデュ−ティ比のバラツキが大きいと、差動変換回路14を通して差動信号のデュ−ティ比もバラツキが大きい信号となる。ところが、分周回路15を通すことで、差動信号の立ち上がり信号のみ、或いは立ち下がり信号のみに同期して、発振信号の立ち上がり信号、立ち下がり信号として生成されるので、デュ−ティ比はほぼ50%となり、デュ−ティ比のバラツキが非常に小さい出力信号を得ることができる。
【0049】
さらに、出力回路16は、入力された100MHzの発振信号を波形整形して、波形の立ち上がり立下りが急峻な100MHzの出力信号を生成し、たとえば、外部のトランジスタの駆動回路などに送信する。なお、出力回路16の出力形式には、シングルエンド動作による1出力信号形式と、差動動作による2出力信号形式とがある。1出力信号形式は、周波数帯域が200MHz以下でC−MOS、TTLなどの出力形式がある。一方、2出力信号形式は、周波数帯域が200MHz以上で一般的な差動増幅回路(PECL)に主に採用される。
【0050】
図7は、図6に示す差動変換回路14の具体的な回路の一例を示す図であり、図8は図7の差動変換回路における各部の波形を示す図である。図7に示すように、差動変換回路は一般的に用いられている回路であるのでその詳細な説明は省略するが、抵抗R3,R4,R5,R6からなる抵抗ブリッジを差動ICの入力回路とし、差動ICの入力端子の一端に、図6に示す発振回路13からの発振信号(a)を入力すると、差動ICの出力側から差動信号(b)、(c)が取り出せるようになっている。図7の(a)、(b)、(c)の各位置の信号波形がそれぞれ図8に示されている。発振回路13からの発振信号(a)を差動ICの入力端子の一端に入力すると、出力側には、入力側の発振信号(a)と同相の差動信号(b)と入力側の発振信号(a)と逆相の差動信号(c)とが一対の差動信号として取り出せる。
【0051】
図9は、入力発振信号を4分周させて周波数を低減させる分周回路の内部構成の一例を示す図である。図9において、分周回路が発振回路から400MHzの発振信号を入力端子Tで受信すると、インバータICを経由しない発振信号とインバータICを経由した反転発振信号のトリガによって、入力された発振信号はAND/ORのIC群で構成される分周回路によって4分周され、1/4の周波数に低減される。したがって、出力側の非反転Q端子と反転Q端子から100MHzの2出力の発振信号を得ることができる。
【0052】
図10は、図9のインバータを用いないで、差動信号を用いる場合の分周回路の内部構成の一例を示す図である。図6において、発振回路13から図8の波形(a)に示すような発振信号が出力されると、差動変換回路14によって図8の波形(b)、(c)に示すような一対の差動信号が生成される。これによって、図10の分周回路の非反転入力端子(T)には差動信号(b)が入力され、反転入力端子(反転T)には差動信号(c)が入力される。よって、図10の分周回路は、図9のようなインバータICを用いなくても、400MHzの発振信号が一対の差動信号によって4分周され、出力側の非反転Q端子と反転Q端子には100MHzの信号を出力することができる。
【0053】
第2の実施の形態
上記で説明した第1の実施の形態の変形として、分周回路の分周比を選択するための複数の外部端子を付加した第2の実施の形態を説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態における、コルピッツ型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態では、コルピッツ型発振回路を用いた図6の第1の実施の形態の構成において、分周回路15から出力される複数の周波数の発振信号を外部端子17によって切り替えるようにしている。そのため、図11に示すように、分周回路15の分周比を切り替えるための外部端子17を設け、外部端子17のそれぞれの信号を選択的にHレベルとLレベルに切り替えるようにしている。
【0054】
たとえば、図10の分周回路のリセット端子をHレベルに切り替えれば分周回路は動作し、リセット端子をLレベルに切り替えれば分周回路は停止する。このようなリセット端子を備えた2分周回路をn段直列に接続して図11の分周回路15を構成する。一方、外部端子17もn個配置して、それぞれの外部端子17を各2分周回路のリセット端子に接続する。これにより、それぞれの外部端子17をHレベル/Lレベルと適宜に切り替えることによってそれぞれの2分周回路をON/OFFして、分周回路15で複数の分周比を得ることができる。このように、1つの発振周波数のSAW共振子12に対して種々の分周比を設定することができる。
【0055】
第3の実施の形態
次に、上述した第2の実施の形態の変形として、制御回路からの制御信号によって分周回路の分周比を制御する第3の実施の形態を説明する。図12は、本発明の第3の実施の形態における、コルピッツ型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。図12に示すように、第3の実施の形態では、コルピッツ型発振回路を用いた図6に示す第1の実施の形態の構成を基本にして、分周回路15の分周比設定情報を記憶するEEPROMなどのメモリ19と、メモリ19に記憶されている情報に基づいて分周回路15の分周比を切替制御する制御回路18とが付加されている。このような構成によって、制御回路18がメモリ19内に記憶されている分周比の設定情報に応じて分周回路15の分周比を制御し、分周回路15から所望の周波数の信号を出力することができる。
【0056】
第3の実施の形態では、図12に示すように水晶発振器11に制御回路18とメモリ19を内蔵させ、外部制御端子20と制御回路18をシリアル通信させることによって1つの外部端子のみで外部から分周比の切り替え(つまり、所望の周波数への切り替え)を行うことができる。したがって、図11に示すような複数の外部端子を設ける必要がないので、端子間のノイズ干渉によって分周比切替時に誤動作を起こすおそれもなくなる。なお、外部制御端子20からメモリ19に記憶されている分周比設定情報を書き換えることもできる。また、外部制御端子20はシリアル通信用の端子となるため不用意な分周比の切り替えを防止することができる。
【0057】
次に、制御回路18によって分周回路15の分周比を切替制御する具体的な回路構成について説明する。図13(a)は複数の2分周器によって分周比を切替制御する分周回路の一例を示す図であり、図13(b)は分周比とスイッチモードとの対応関係を示す図である。図13(a)において、分周回路15は、複数の2分周器15a,15b,15c,15dが直列接続された構成となっている。初段の分周器15aを除く他の2分周器15b、15c、15dには、それぞれ、スイッチSWa,SWb,SWcが並列に接続されている。また、各スイッチSWa,SWb,SWcは、それぞれ、制御回路18からの制御信号a,b,cによってON/OFF制御されるように構成されている。一方、メモリ19には分周回路15の分周比設定情報が記憶されている。
【0058】
図13(b)の分周比とスイッチモードとの対応関係の図に示すように、分周回路15を2分周で動作させるときには、外部制御端子20からの制御信号a,b,cによってスイッチSWa,SWb,SWcをONさせれば、2分周器15aのみが動作して分周回路15から2分周された出力信号を得ることができる。同様にして、分周回路15を4分周で動作させるときには、外部制御端子20からの制御信号b,cによってスイッチSWb,SWcをONさせれば、2分周器15aと2分周器15bが動作して分周回路15から4分周された出力信号を得ることができる。以下、分周回路15を8分周で動作させるときには、スイッチSWcをONさせて2分周器15a,15b,15cを動作させ、分周回路15を16分周で動作させるときには、全てのスイッチSWa,SWb,SWcをOFFさせて全ての2分周器15a,15b,15c,15dを動作させればよい。
【0059】
図13の例では2分周器を4段直列で構成したが、2分周器をn段直列にして切替動作を行えば、分周回路15を2分周から2n分周まで切り替えることができる。また、図13の例では、制御回路18によってスイッチSWa,SWb,SWcを切替制御する例を説明したが、スイッチを設けなくても2分周器の切替制御を行うことができる。たとえば、制御回路18から、それぞれの2分周器15a,15b,15c,15dのリセット端子(図10参照)をHレベル/Lレベルに切り替える信号を送出してもよい。リセット端子がHレベルの信号を受信した2分周器は動作し、Lレベルの信号を受信した2分周器は停止するので、選択的に2分周器を動作させて分周回路15の分周比を制御することができる。
【0060】
第4の実施の形態
次に、移相型発振回路を用いて高周波発振させると共に、正帰還発振ループ内のバッファ回路からの複数の出力信号のうち正帰還発振ループを構成しない出力信号である高周波信号を分周回路で分周して低周波信号を発生する第4の実施の形態について説明する。この実施の形態の場合は、バッファ回路の正帰還発振ループを構成しない出力信号により発振信号を出力しているので、正帰還発振ループに影響を与えることなく周波数の異なる複数の発振信号を得ることができる。以下の説明では、移相型発振回路を用いて周波数の異なる2種類の発振信号を出力する水晶発振器について述べる。
【0061】
図14は、本発明の第4の実施の形態において、電圧制御型移相回路を用いて正帰還発振ループを構成した移相型発振回路による水晶発振器の一例を示す図である。図14の水晶発振器21は、SAW共振子12、電圧制御型位相回路31、スイッチ32およびインピーダンス33からなる移相型発振回路22と、差動バッファ34,35,36からなる第1出力回路23と、分周回路15と、第2出力回路24とから構成されている。なお、必要により分周回路15の前段に差動変換回路14を設けてもよい。
【0062】
図14の水晶発振器21に構成されているSAW共振子12、差動変換回路14および分周回路15は、前述の各実施の形態で述べたそれらと同じものであるのでその説明は省略する。また、電圧制御型移相回路31は、複数のCRを逆L型に多段構成して位相シフトさせて行く一般的な移相回路であるのでその説明も省略する。SAW共振子12から出力される発振信号は、インピーダンスZ33の両端に発生する電圧信号レベルとして差動バッファ34に入力される。さらに、出力用差動バッファ35を介して、出力用差動バッファ35の出力端子よりSAW共振子12の発振信号と同一周波数(以下、原発振周波数という)の第1出力信号が得られる。
【0063】
この水晶発振器21の特徴は、SAW共振子12を用いて電圧制御型移相回路31を含むループ回路で高周波発振させて、第1出力回路23内に構成されている発振用差動バッファ34を介して出力用差動バッファ35より原発振周波数の第1出力信号を得ると共に、正帰還ループを構成する正帰還ループの帰還用差動バッファ36からの原発振周波数の発振信号を分周回路15で分周して低周波信号に変換し、第2出力回路24より低周波の第2出力信号を得る点である。つまり、第4の実施の形態の水晶発振器21の特徴は、正帰還ループ内の帰還用差動バッファ36を利用することによって、原発振周波数の第1出力信号とは別に、周波数を低減した第2出力信号を取り出せることが特徴である。
【0064】
なお、第1出力回路23側から分周回路15へ発振信号を取り出す場合は、帰還用差動バッファ36の2出力Q1,Q2の何れでもよいが、正帰還ループ系に影響を与えないようにするために、スイッチ32によって電圧制御型移相回路31が接続されていない側から取り出す必要がある。つまり、図14に示すように、スイッチがS1側に接続されているときは、発振信号を帰還用差動バッファ36の出力Q1から分周回路15へ取り出す必要がある。また、分周回路15の前段に差動変換回路14を設けて、帰還用差動バッファ36の出力Q1からの発振信号を差動信号に変換して分周回路15へ入力してもよいことは前述の第1の実施の形態で述べた通りである。
【0065】
図18は、図14に示す差動バッファ34,35,36の具体的な回路の一例を示す図である。この差動バッファの回路は一般的な回路であるので詳細な説明は省略し、図14の回路に用いられた場合の概略的な動作を述べる。プラス、マイナスの発振信号がそれぞれ入力端子IN+とIN−に入力されると、トランジスタTr1、Tr2が差動反転動作を繰り返し、トランジスタTr4のOUT−およびTr5のOUT+より増幅および波形整形された差動信号を取り出すことができる。なお、トランジスタTr3は発振信号のバイアスレベルを可変設定するための手段である。
【0066】
水晶発振器から周波数の異なる2つの出力信号を取り出す具体的な例を説明する。図15は、図14に示す第4の実施の形態の移相型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。移相型発振回路22が、SAW共振子12をたとえば400MHzで励振させると、第1出力回路23からは原発振周波数である400MHzの第1出力信号が得られる。一方、移相型発振回路22の正帰還ループから取り出された原発振周波数である400MHzの発振信号が分周回路15へ入力され、分周回路15はこの発振信号を4分周して100MHzの発振信号を生成して第2出力回路24へ供給する。これによって、第2出力回路24から波形整形された100MHzの第2出力信号が得られる。
【0067】
このようにして周波数の異なる2出力信号が得られる場合、第1出力信号の系統と第2出力信号の系統の間には差動バッファが介在しているので、それぞれの出力信号を個別の負荷に接続しても、第1出力信号と第2出力信号が相互干渉して信号波形が乱されるおそれはない。したがって、原発振周波数の第1出力信号と低周波数の第2出力信号をそれぞれ個別の機器に発振信号として供給することができる。また、第1出力信号のラインに直接プローブを接続して波形測定を行うと、第1出力信号の周波数が400MHz程度と高い場合は測定ラインのインピーダンスによって第1出力信号の波形が乱れてしまうおそれがある。そこで、差動バッファを介した第2出力回路の100MHzの第2出力信号を測定すれば第1出力信号の波形を乱すおそれはなくなる。つまり、高周波用の第1出力回路23の第1出力信号を機器に供給する発振信号とし、低周波用の第2出力回路24の第2出力信号を原発振信号を測定するための測定用信号とするような使い方もできる。
【0068】
第5の実施の形態
次に、移相型発振回路を用いた第4の実施の形態の変形として、分周回路の分周比を選択するための複数の外部端子を付加した第5の実施の形態を説明する。この実施の形態では、分周回路から出力される複数の周波数の発振信号を外部端子によって切り替えるように構成されている。図16は、本発明の第5の実施の形態において、移相型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。第5の実施の形態では、図15に示す第4の実施の形態の構成において、分周回路15から出力される複数の周波数の発振信号を外部端子17によって切り替えるようにしている。そのため、図16に示すように分周回路15の分周比を切り替えるための複数個の外部端子17を設け、外部端子17のそれぞれの信号を選択的にHレベルとLレベルに切り替えるようにしている。
【0069】
分周回路15の分周比の切替動作については第2の実施の形態で説明しているので重複する説明は省略する。なお、図16の第5の実施の形態では、第2の実施の形態の図11に比べて、スイッチSW1、SW2をON/OFFするための外部端子17'が追加されている。外部端子17'の切替モードによって、第1出力信号、第2出力信号を共に出力することもできるし、第1出力信号と第2出力信号を選択的に出力することもできる。たとえば、スイッチSW1をONして第1出力回路23から400MHzの第1出力信号を出力しているとき、測定時にスイッチSW2をONして第2出力回路24から100MHzの第2出力信号を出力して波形測定を行い、測定後はスイッチSW2をOFFにするという動作を外部から供給される切替信号によって行うことができる。
【0070】
第6の実施の形態
次に、上述した第5の実施の形態の変形として、制御回路からの制御信号によって分周回路の分周比を制御する第6の実施の形態を説明する。図17は、本発明の第6の実施の形態における、移相型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。図17に示すように、第6の実施の形態では、移相型発振回路を用いた図15に示す第4の実施の形態の構成を基本にして、分周回路15の分周比設定情報を記憶するEEPROMなどのメモリ19と、メモリ19に記憶されている情報に基づいて分周回路15の分周比を切替制御する制御回路18とが付加されている。
【0071】
このような構成によって、制御回路18がメモリ19内に記憶されている分周比の設定情報に応じて分周回路15の分周比を制御し、分周回路15から所望の周波数の出力信号を得ることができる。第6の実施の形態では、図17に示すように水晶発振器21’に制御回路18とメモリ19を内蔵させ、外部制御端子20と制御回路18をシリアル通信させることによって1つの外部端子のみで外部から分周比の切り替え(つまり、所望の周波数への切り替え)を行うことができる。制御回路18による分周回路15の分周比の切り替え動作について、前述の第3の実施の形態で説明したので重複する説明は省略する。
【0072】
次に、本発明の水晶発振器を用いた電子機器について説明する。図19は、本発明の水晶発振器を用いた10Gビットの光ネットワーク用インタフェースモジュールの概略構成図である。この光ネットワーク用インタフェースモジュール41は、たとえば、サーバ用コンピュータと光ネットワークとの間で光/電気変換または電気/光変換を行うためのインタフェース機能を実現するためのモジュールである。また、図19では、光ネットワーク用インタフェースモジュール41の図示左側が電気信号の系統、図示右側が光信号の系統を表わしている。
【0073】
光ネットワーク用インタフェースモジュール41は、3.125Gビットの信号をシリアル/パラレル変換するS/P変換部42およびパラレル/シリアル変換するP/S変換部43と、多重化または分離化のために電気信号のビット符号変換を行うビット符号変換部44と、10.3125Gビットの電気信号をパラレル/シリアル変換するP/S変換部45およびシリアル/パラレル変換するS/P変換部46と、電気信号を光信号に変換する電気/光変換部47と、光信号を電気信号に変換する光/電気変換部48と、625MHzの原発振クロック信号を生成する原発振器49と、原発振器49から625MHzの高周波クロック信号を受けて2分周した312.5MHzの低周波クロック信号を生成する2分周器50とによって構成されている。
【0074】
原発振器49および2分周器50としては、たとえば、図15に示すような、高周波の第1出力信号と低周波の第2出力信号の2出力信号を取り出せる水晶発振器を用いることができる。原発振器49から625MHzの高周波クロック信号がP/S変換部45およびS/P変換部46へ供給され、2分周器50から312.5MHzに2分周された低周波クロック信号がS/P変換部42およびP/S変換部43へ供給される。
【0075】
原発振器49および2分周器50が、それぞれ、625MHzおよび312.5MHzのクロック信号を各変換部へ供給することによって、図示左側から入力された複数の電気信号は、S/P変換部42、ビット符号変換部44、P/S変換部45を介して多重化された後、電気/光変換部47によって光信号に変換されて図示右側の光ネットワーク側へ送出される。さらに、図示右側から入力された光信号は、光/電気変換部48によって電気信号に変換された後、S/P変換部46、ビット符号変換部44、P/S変換部43を介して分離化され、図示左側の電気ネットワーク側へ送出される。
【0076】
このように、光ネットワーク用インタフェースモジュール41は2種類の周波数の発振源を必要とするが、図19においては、1個の水晶発振器が、SAW共振子によって625MHzの高周波クロック信号を生成する原発振器49と、原発振器49からの高周波クロック信号を分周して312.5MHzの低周波クロック信号を生成する2分周器50とを一体化して有している。したがって、光ネットワーク用インタフェースモジュール41の装置全体の小型化を図ることができる。これによって、たとえば、動画のような大量のデータを伝送できる10Gビットイーサネット(登録商標)に代表されるようなネットワークシステムを、小型かつ容易に構築することができる。
【0077】
以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。例えば、コルピッツ型発振回路は図4のような回路に限定されるものではなく、水晶発振器をパッケージに構成したときの寄生容量をできるだけ小さくできるような発振回路であれば、どのような発振回路であっても本発明の水晶発振器を実現することができる。また、分周回路は図9や図10の回路に限定されるものではなく、たとえば、シフトレジスタによって分周回路を構成してもよい。さらに,差動バッファの回路は図7のような回路に限定されるものではなく、どのような差動回路であってもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、SAW共振子のもつ良好な周波数−温度特性と低ジッタ特性を生かし、かつ、寄生容量の影響を軽減し、高周波動作を高い安定度で得られる高周波発振器を実現することができる。また、SAW共振子を低周波で発振させようとするとチップサイズは大きくなってしまうが、本発明の発振器によれば、高周波用として小型化されたSAW共振子を高周波発振回路で原発振させた後、この原発振の周波数を分周することによってデュ−ティ比のバラツキが少ない小型化された低周波用の発振器を実現することができる。
【0079】
また、本発明の発振器によれば、移相型発振回路の正帰還ループにおいて、この正帰還発振ループに影響を与えることなく分周回路を接続することによって、高周波用の出力信号と低周波用の出力信号とを同時に取り出し、または、これらを任意に選択して取り出すことができる。また、高周波の発振回路と分周回路との間に差動変換回路を介在させることにより、位相が180°異なる2つの差動信号を生成することができるので、差動増幅回路以降の分周回路や出力回路のコモンモードノイズをキャンセルすることができる。さらに、差動増幅回路からの差動信号によって分周回路をトリガすることにより、分周回路は非反転入力と反転入力の2入力によって構成されるので、分周回路の内部にインバータ回路を構成する必要がなくなり、たとえば図10に示すように分周回路の回路規模を簡素化することができる。
【0080】
また、本発明の発振器によれば、400MHz帯以上で発振する発振器の高周波特性を測定する場合は、バッファ回路を介して周波数を分周し、低周波数の測定信号を取り出すことによって、配線の長さに起因する伝送損失をなくすことができる。このため、測定信号波形が変形することがなくなり正確に周波数測定を行うことができる。さらに、本発明の発振器によれば、制御回路とメモリを備えることにより、発振器の原発振の周波数が一種類であっても、ユーザ側の電子機器の仕様に基づいた周波数の出力信号を任意に選択して取り出すことができる。また、1個の発振器から2出力信号を取り出すことができるので、高周波領域と低周波領域の両方の仕様に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のSTカット型SAW共振子を用いた水晶発振器の概略の構成を示したブロック図である。
【図2】 発振回路の負性抵抗のバラツキに伴う出力信号波形のデューティ比の変動を示す波形図であり、(a)は発振回路の発振信号波形を示し、(b)は出力回路の出力信号波形を示す。
【図3】 従来型のコルピッツ発振回路を示す図である。
【図4】 本発明の水晶発振器に用いられる変形コルピッツ発振回路を示す図である。
【図5】 図3の従来型コルピッツ発振回路と図4の変形コルピッツ型発振回路における負性抵抗の比較図である。
【図6】 本発明の第一の実施の形態における、コルピッツ型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。
【図7】 図6に示す差動変換回路の具体的な回路の一例を示す図である。
【図8】 図7の差動変換回路における各部の波形を示す図である。
【図9】 入力発振信号を4分周して周波数を低減させる分周回路の内部構成の一例を示す図である。
【図10】 インバータを用いないで、差動信号を用いる場合の分周回路の内部構成の一例を示す図である。
【図11】 本発明の第2の実施の形態における、コルピッツ型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。
【図12】 本発明の第3の実施の形態における、コルピッツ型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。
【図13】 (a)は複数の2分周器によって分周比を切替制御する分周回路の一例を示す図であり、(b)は分周比とスイッチモードとの対応関係を示す図である。
【図14】 本発明の第4の実施の形態における、電圧制御型移相回路を用いて正帰還発振ループを構成した移相型発振回路による水晶発振器の一例を示す図である。
【図15】 図14に示す第4の実施の形態の移相型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。
【図16】 本発明の第5の実施の形態における、移相型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。
【図17】 本発明の第6の実施の形態における、移相型発振回路を用いた水晶発振器の構成を示すブロック図である。
【図18】 図14に示す各差動バッファ34,35,36の具体的な回路図の一例を示す図である。
【図19】 本発明の水晶発振器を用いた10Gビットの光ネットワーク用インタフェースモジュールの概略構成図である。
【図20】 本発明のSAW共振子に使用される水晶片のカット角度を示す図である。
【図21】 本発明のSAW共振子に使用される水晶片の周波数温度特性を示す図である。
【図22】 AT振動子、従来のSAW共振子、および本発明のSAW共振子の3つの温度特性を比較した図である。
【符号の説明】
1,11,21,21’…水晶発振器、2…STカット型SAW共振子、12…SAW共振子、3,13…発振回路、14…差動変換回路、15…分周回路、15a,15b,15c,15d…2分周器、4,16…出力回路、17、17’…外部端子、18…制御回路、19…メモリ、20…外部制御端子、22…移相型発振回路、23…第1出力回路、24…第2出力回路、31…電圧制御型移送回路、32…スイッチ、33…インピーダンス、34,35,36…差動バッファ、41…光ネットワーク用インタフェースモジュール、42,46…S/P変換部、43,45…P/S変換部、44…ビット符号変換部、47…電気/光変換部、48…光/電気変換部、49…原発振器、50…2分周器

Claims (7)

  1. 弾性表面波を利用したSAW(Surface Acoustic Wave)共振子を搭載した発振器であって、
    前記SAW共振子を用いて高周波信号を生成する発振回路と、
    前記発振回路からの前記高周波信号に基づいて位相が互いに180°異なる2つの差動信号を生成する差動変換回路と、
    前記差動変換回路からの前記差動信号に基づいて周波数分周を行い、第1の低周波信号を生成する分周回路と、
    前記分周回路から受信した前記第1の低周波信号を波形整形して第2の低周波信号を得る出力回路と
    を備え、
    前記発振回路はコルピッツ型発振回路であり、
    前記コルピッツ型発振回路は、
    トランジスタのコレクタ−ベース間に前記SAW共振子と第1の抵抗とが並列接続され、
    前記トランジスタの前記ベース−エミッタ間に第1のコンデンサが接続され、
    前記トランジスタの前記コレクタ−前記エミッタ間に第2のコンデンサが接続され、
    前記トランジスタの前記コレクタ側が電源に接続され、
    前記トランジスタの前記エミッタ側がグランドに接続された構成となっている
    ことを特徴とする発振器。
  2. 前記トランジスタの前記コレクタ側が電流制限用の第2の抵抗を介して前記電源に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の発振器。
  3. 前記分周回路は、分周比を選択するための複数の外部端子に接続され
    前記複数の外部端子のいずれかに切替信号を選択的に供給することにより、前記分周回路の分周比を選択的に切り替えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発振器。
  4. 前記分周回路の分周比の設定情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている前記設定情報に基づいて、前記分周回路の前記分周比を切替制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路に対して外部からシリアル信号を供給することにより、前記分周回路は前記分周比を切替制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発振器。
  5. 前記分周回路は複数の2分周器が直列接続された構成であり、前記2分周器の直列接続数を切り替えることにより、前記分周回路の分周比を切り替えることを特徴とする請求項または請求項に記載の発振器。
  6. 前記SAW共振子は、オイラー角が(0,113〜135、+(40〜49))にある面内回転STカット水晶板を用いる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の発振器。
  7. 請求項1乃至請求項の何れかに記載の発振器を備えたことを特徴とする電子機器。
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