JP2004040509A - 発振回路及びこの発振回路を用いた電子機器 - Google Patents

発振回路及びこの発振回路を用いた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】ジッタ低減するために、新たな専用回路や部品を追加する事のない小型化され低コスト化が図られ、簡易にジッタを低減できる発振回路を得ることにある。
【解決手段】発振回路は、ECLラインレシーバーにより構成される差動増幅器21〜23と、スイッチ回路3と、入力信号の移相量を調整する電圧制御型移相回路4aと、所定の共振周波数を有するSAW共振子5と、インピーダンス回路(Zd)6とから構成される。少なくとも、発振用差動増幅器21,外部からエミッタ終端抵抗R1,R2により出力端子Q1,Q2が終端された帰還バッファ用差動増幅器23,電圧制御型移相回路4a,SAW共振子5とにより正帰還発振ループが形成されている。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波発振動作を行い、部品や専用回路の追加を伴うことなく簡易にジッタが低減できる発振回路及びこの発振回路を用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話などの通信機器では、発振器からのクロック信号に基づいて通信データの送受信が行われる。そして、通信ネットワークのブロードバンド化が進み、市場の要求が400MHzを超えた高周波帯におけるデータの送受信が行われるようになっている。近年の通信機器を始めとする電子機器においては、通信速度の高速化の要請から高周波発振回路に対して、▲1▼高周波帯域で安定して発振すること(周波数安定度が高いこと)、▲2▼通信機器の実用温度範囲において安定して発振すること(温度補償されていること)、さらに、▲3▼発振回路から出力されるクロック信号のジッタを軽減することが望まれている。
【0003】
特に、近年、急成長を見せているギガビット帯を使用したイーサネット(登録商標)やファイバーチャンネル等の高速ネットワーク市場において、高周波発振回路のジッタに起因する通信エラーの発生を防止するため、極めてジッタの少ない高周波発振回路が要求されている。
【0004】
高周波発振回路としては、AT振動子とPLL回路を組み合わせる回路やSAW共振子を用いた回路がある。SAW共振子は、弾性体の表面付近にエネルギーが集中して伝播する性質を利用した共振子である。SAW共振子は、圧電基板上にすだれ状の励振電極と梯子状の反射器を配置し、励振電極で励振された表面波を反射器で反射させることで定在波を発生させ、共振子として機能するものである。SAW共振子の共振周波数は数100MHz〜数GHzであり、高周波発振回路に用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7は、数MHz〜数10MHzの帯域で安定して共振する特性を有するAT振動子の信号をPLL回路で逓倍し、高周波信号を得る高周波発振回路のブロック図である。図7に示す高周波発振回路1Cは、AT振動子を使用した19.44MHzで発振する発振回路71からの出力信号S1と分周回路75で分周された帰還ループ用出力信号とを比較し、比較結果に基づいた位相差信号を生成する位相比較部72と、位相差信号を平滑化し制御電圧Vcfとして出力するループフィルタ73と、制御電圧Vcfに応じて出力信号の周波数が変化する電圧制御型発振回路(VCO)74とから構成される。電圧制御型発振回路(VCO)74から出力され逓倍化された高周波信号は、一つは、波形整形されてバッファ回路76から622.08MHzのクロック信号F1として出力され、他方は、分周回路75に入力し分周されて、周波数が19.44MHzの帰還ループ信号として出力される。
【0006】
上記の高周波発振回路1Cは、19.44MHzで発振する発振回路71からの出力信号S1に基づいて、電圧制御型発振回路(VCO)74により622.08MHzのクロック信号F1を生成している。そして、電圧制御型発振回路(VCO)74の発振周波数が電源ノイズ等により変動するとクロック信号F1の位相も変動してしまうため、いわゆるジッタが発生しやすい。特に、複数のCMOSインバータをリング状に接続してなるリングオッシレータにより構成されていると、電源ノイズ等に起因してジッタが発生し大きくなるという課題があった。
【0007】
又、近年の市場からは、ジッタを低減するために新たな部品や専用回路を追加することなく高周波発振回路の小型化、低価格化も要請されている。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、所望の高周波数を得るためにPLL回路のような逓倍回路や部品を追加する事のない小型化され低コスト化が図られ、かつ簡易にジッタを低減できる発振回路を得ることにある。
【0009】
また、本発明の目的は、上記したような低ジッタ化が図られた発振回路を用いた電子機器、例えば光ネットワーク用通信機器を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発振回路は、所定の周波数で発振する発振回路において、
所定のドライブレベルで発振するSAW共振子と、前記SAW共振子からの発振信号を入力し、増幅して出力する増幅器と、前記増幅器が備える出力端子からの出力信号を入力し、前記出力信号の位相を所定の移相量に調整し前記SAW共振子に出力する移相回路と、により正帰還発振ループを構成し、さらに、前記出力端子と接地との間に設けられ、前記出力端子に流れる出力電流を規定する電流可変手段を備え、前記電流可変手段を可変して前記出力端子に流れる出力電流を増減させることにより前記SAW共振子に電流を供給し前記ドライブレベルを増減させることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、所定のドライブレベルで発振するSAW共振子と、SAW共振子からの発振信号を増幅して出力する増幅器と、出力端子からの出力信号の位相を所定の移相値に調整し前記SAW共振子に出力する移相回路と、又、増幅器が備える出力端子とグランド(接地)との間に電流可変手段を設けて、電流可変手段に流れる電流を増減させてSAW共振子のドライブレベルを増減させる。即ち、SAW共振子のドライブレベルを増加させることにより、SAW共振子からの信号の振幅がこれに重畳するノイズに比べて相対的に大きくなる。言い換えるとSN比が大きくとれるので、SAW共振子からの信号に重畳されたノイズに起因するジッタを低減できるという効果を有する。
【0012】
請求項2に記載の発振回路は請求項1の構成において、前記電流可変手段は、抵抗素子であることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、正帰還発振ループの出力端として機能する出力端子に電流可変手段として抵抗素子を接続し、この抵抗素子という発振回路の基本的な構成要素を利用することにより、部品や専用回路を追加することなく、簡易にSAW共振子のドライブレベルを増減させることができるという効果を有する。
【0014】
請求項3に記載の発振回路は請求項1の構成において、前記増幅器は、反転出力端子及び非反転出力端子を有し、前記反転出力端子及び前記非反転出力端子のうちいずれか一方が前記正帰還発振ループの出力端として機能する差動増幅器であることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、ここに使用される差動増幅器は反転出力端子及び非反転出力端子を有しているので、いずれかの出力端子を選択して正帰還ループの出力端として機能させることができるという効果を有する。
【0016】
請求項4に記載の発振回路は請求項3の構成において、前記差動増幅器は、ECLラインレシーバーを用いた差動増幅器を備えることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、上記ECLラインレシーバを使用した差動増幅器は低消費電力かつ高周波発振回路のような高速で動作する必要がある回路に用いることができる。又、出力段における出力端、例えば、そのECLラインレシーバのようにトランジスタのエミッタが開放されているので、エミッタ端子とグランド(接地)との間にSAW共振子のドライブレベルを増減させることが可能な抵抗素子(電流可変手段)を設けることができるという効果を有する。
【0018】
請求項5に記載の電子機器は請求項1乃至請求項4の構成において、それらのいずれかに記載した発振回路を備えたことを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、電子機器、例えば、光インタフェース用モジュールに本発明に係るジッタが低減され安定化された発振回路を搭載する場合において、送受信データとクロック信号間におけるタイミングマージンが確保されるので、誤動作することなく光ネットワークを介して安定したデータの送受信を行うことができるという効果を有する。併せて、部品や専用回路の追加を抑制した発振回路を用いているので、小型化、低価格化が図られた光インターフェースモジュールを提供することができるという効果を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】
(1)第1の実施形態
(1−1) 第1の実施形態の構成
図1は、本発明の第1の実施形態による発振回路1Aの構成を示すブロック図である。
【0021】
発振回路1Aは、発振用差動増幅器21,出力用差動増幅器22、帰還バッファ用差動増幅器23をそれぞれ内蔵するICチップ2aと、スイッチ回路3と、外部からの制御電圧Vcに基づいて移相量を調整する電圧制御型移相回路4aと、所定の共振周波数を有するSAW共振子5と、インピーダンス回路(Zd)6とから構成される。そして、外部から基準バイアス電圧VBBが発振用差動増幅器21の反転入力端子D2に供給され、少なくとも、発振用差動増幅器21,帰還バッファ用差動増幅器23,電圧制御型移相回路4a,SAW共振子5とにより正帰還発振ループが形成される。尚、本実施例では、スイッチ回路3も正帰還発振ループを形成する。
【0022】
又、前述した3つの差動増幅器21〜23は、ECLラインレシーバ(Emitter−Coupled Logic:エミッタ結合論理)を用いた差動増幅回路である。
【0023】
発振用差動増幅器21では、SAW共振子5を通過する所望の周波数f0の信号が発振用差動増幅器21の非反転入力端子D1に入力される。そして、相互の位相差が180度の出力信号が、非反転出力端子Q+と反転出力端子Q−から出力される。
【0024】
出力用差動増幅器22は、発振用差動増幅器21からの出力信号を波形整形し所望の周波数、例えば644MHzのクロック信号Fとして出力する。
【0025】
帰還バッファ用差動増幅器23はバッファ機能を有する差動増幅器であり、その出力は出力端子Q1,Q2に出力される。そして、それぞれの出力端子Q1,Q2にエミッタ終端抵抗(電流可変手段)R1,R2がICチップ2aの外付け用として接続されている。
【0026】
尚、説明上、エミッタ終端抵抗R1,R2は固定抵抗を実施例として説明するが、図2(a)に示す可変できる抵抗器としてレーザートリミング抵抗器VR1や(b)に示す可変抵抗器VR2であってもよい。ここで、エミッタ終端抵抗R1,R2のそれぞれの抵抗値を増減させることにより、ジッタが低減できる理由については、(1−2)第1の実施形態の動作で説明する。
【0027】
電圧制御型移相回路4aは、外部からの制御電圧Vcに基づいて発振回路1Aの位相条件を満足させるため、帰還バッファ用差動増幅器23からの出力信号SQ1又はSQ2を所定の移相量に調整する。
【0028】
スイッチ回路3は、帰還バッファ用差動増幅器23から出力される信号SQ1又はSQ2のいずれかの信号から、電圧制御型移相回路4aで調整すべき移相量がより小さくなる信号を選択するため、端子T1又はT2のいずれかと接続される。いずれの端子が選択されるかは、SAW共振子の周波数と回路部品及びこれを接続する配線パターンの構成によって決まる。
【0029】
電圧制御型移相回路4aを用いることによって、異なる所望の共振周波数を有する複数のSAW共振子についてほぼ同一の回路パターンが使用でき、設計上の簡略化が可能となる。
【0030】
尚、SAW共振子5の周波数や回路構成及びその部品点数がそれぞれ固定しているような場合においては、電圧制御型移相回路4aを省略して、帰還バッファ用差動増幅器23から出力される信号SQ1又はSQ2のうち、任意の信号について正帰還発振ループを構成するようにしてもよい。又、外部からの制御電圧により発振周波数が可変できる電圧制御型移相回路4aではなく、外部から制御するための制御用端子を持たない移相回路であってもよい。
【0031】
インピーダンス回路(Zd)6は、発振用差動増幅器21の反転及び非反転入力端子間に電位差が生じるように、発振用差動増幅器21の非反転及び反転のそれぞれの入力端子間に接続される。
【0032】
(1−2) 第1の実施形態の動作
ここで、本発明の第1の実施形態に係る動作について説明する。動作を説明するに当たり、最初に本発明の第1の実施形態に係る原理について説明する。
【0033】
本発明の第1の実施形態は、図1に示す発振回路1Aのジッタの増減を図るため、帰還バッファ用差動増幅器23の出力端子Q1,Q2のそれぞれに接続したエミッタ終端抵抗R1,R2のいずれかを利用するというものである。
【0034】
出力端子Q2に接続されているエミッタ終端抵抗R2の抵抗値を増減させてエミッタ電流を増減させると、電圧制御型移相回路4aを介して接続されるSAW共振子5に供給される電流も増減する。即ち、SAW共振子5を共振させるために供給される必要な電力、いわゆるドライブレベルを増減させることにより、発振回路1Aのジッタの増減を図るというものである。
【0035】
そして、SAW共振子を用いた場合、ドライブレベルを容易に増減させることができる理由は以下の通りである。
【0036】
図1に示したSAW共振子5を図示しないAT振動子に置き換えた場合には、主振動以外に副振動が励起されて所定の共振点以外にも数多く共振点が存在するためスプリアスやノイズが発生しやすい。一方、SAW共振子5の場合は、振動エネルギーがSAW共振子表面に局在し副振動と結合しにくく、反射器で振動エネルギーを閉じ込める。従って、所定の周波数以外には共振点は存在しないという大きな利点を有する。前述したように、AT振動子は、主振動以外に不要な振動が多く存在するためドライブレベルを上げることは難しく、むしろ、ドライブレベルを下げて設計することが一般的である。しかしながら、SAW共振子5の場合は、主振動以外に不要な振動が存在しないこと、そして、ドライブレベルの大きさによりSAW共振子自身の等価抵抗値が変化することがないので、SAW共振子5に供給する電流を増加させることができ容易に高ドライブレベルで動作させることができる。
【0037】
次に、エミッタ終端抵抗R2の抵抗値を増減させSAW共振子5を高ドライブで発振させたとき、図1の発振回路1Aのジッタを低減できる理由について、図3に示すECLラインレシーバの動作に基づいて説明する。
【0038】
ECLラインレシーバは、非反転入力端子IN+及び反転入力端子IN−に入力された信号の電圧差に応じて所定の位相差を有する出力信号を非反転出力端子OUT+及び反転出力端子OUT−のそれぞれに出力する回路形式である。
【0039】
図3に示すように、出力段のトランジスタTr3,Tr4のエミッタ端子である非反転出力端子OUT+及び反転出力端子OUT−のそれぞれに、前述した外付け用のエミッタ終端抵抗R1,R2のそれぞれの一端を接続し、他端は接地される。
【0040】
反転出力端子OUT−に接続されたエミッタ終端抵抗R2の抵抗値を小さくすると、エミッタフォロア型のトランジスタTr3のエミッタ電圧、つまり、反転出力端子OUT−端子の電圧は一定であるので、トランジスタTr3に流れるエミッタ電流(出力電流)Ie2が増加する。エミッタ電流Ie2が増えると、反転出力端子OUT−にエミッタ終端抵抗R2と並列に接続された電圧制御型移相回路4aを介してSAW共振子5に流れる電流Isも増えることになる。即ち、エミッタ電流Ie2が増えると、SAW共振子5に流れる電流Isも増えてSAW共振子5を高ドライブ動作させることができる。そして、高ドライブ動作によりSAW共振子5で得られる信号の振幅がこの信号に重畳するノイズより相対的に大きくなってSN比が大きくとれる。SN比が大きくとれる結果、SAW共振子5で得られる信号に重畳するノイズに起因するジッタが軽減されることになる。
【0041】
逆に、エミッタ終端抵抗R2の抵抗値を大きくした場合はエミッタ電流Ie2が減少し、SAW共振子5は低ドライブ動作となってSN比が小さくなる結果、SAW共振子5で得られる信号に重畳するノイズに起因するジッタが増加することになる。
【0042】
尚、もう一方のエミッタ終端抵抗R1の抵抗値は、通常、エミッタ終端抵抗R2と同一の抵抗値のものが使用される。
【0043】
(1−3) 第1の実施形態から得られる効果
次に、本発明の第1の実施形態から得られる効果について説明する。
【0044】
図4は、本発明の第1の実施形態によるSAW共振子5を使用した発振回路1Aにおいて、SAW共振子5が接続される側のエミッタ終端抵抗R2を可変させたときのジッタの測定値をプロットしたグラフである。即ち、1サイクルの周期を複数回測定したときの最大となる周期と最小となる周期との差(P−P)で表わしたグラフである。ジッタの測定を行ったときの発振周波数は644MHzである。
【0045】
図4に示した測定結果から、エミッタ終端抵抗R2を小さくすることによるエミッタ電流の増加がSAW共振子5のドライブレベルを増加させ、SAW共振子5で得られる信号の振幅がこの信号に重畳するノイズより相対的に大きくなって、そのノイズに起因するジッタが軽減されることが判る。
【0046】
半面、エミッタ終端抵抗R2の抵抗値を小さくすると発振回路1Aの消費電流が増加することになるので、ジッタに対する規格値(仕様)と消費電流の両者を考慮して、エミッタ終端抵抗R2の抵抗値を決定することが好ましい。
【0047】
SAW共振子5のドライブレベルを上げるに際し、図3に示すように、ラインレシーバで構成する帰還バッファ用増幅器23の出力段のエミッタ終端抵抗R1,R2はトランジスタTr3及びTr4を終端するための終端抵抗である。又、エミッタ終端抵抗R2の抵抗値を変えてエッミタ電流Ie2を増減させることで、出力端子OUT−に電圧制御型位相回路4aを介して流れる電流Isも併せて増減させることができる。エミッタ終端抵抗は、SAW共振子5のドライブレベルを増減させるために新たな部品や専用回路を追加したものではなく、エミッタ終端抵抗という基本的な回路構成を利用することで簡易にドライブレベルの増減を図ることができるとともに、コストの増加や発振回路の大型化を抑制できるという効果が得られる。
【0048】
又、エミッタ終端抵抗R1,R2はICチップ2aの外付け用抵抗であるので、ジッタの規格値が異なってもエミッタ終端抵抗の抵抗値の増減、即ち、その抵抗値を変更させるだけでよく、ICチップ2aを変更する必要がないという効果が得られる。ICチップ2aの変更は、発振回路用のICを開発するための新たな開発工数やICを製造するための製造工数を発生させるが、外付用のエミッタ終端抵抗R1,R2の変更はICの開発工数や製造工数をなくすという効果も含まれる。
【0049】
又、帰還バッファ用差動増幅回路23の出力端子Q2に接続して終端するエミッタ終端抵抗、即ち、電流可変手段として、例えば、固定抵抗器やレーザートリミング抵抗器,可変抵抗器等、個別の非常に小さな抵抗器である受動素子をICチップ2aの外付け用として使用している。従って、発振回路をディスクリート部品で構成した場合、可変抵抗器等の実装面積の増加はわずか1.5mm以下であり、実質的には実装面積を増加させることなく、SAW共振子のドライブレベルを増減できるという効果が得られる。
【0050】
又、本発明に係る第1の実施形態について、発振用差動増幅器21の出力部に帰還バッファ用差動増幅器23を接続した実施例で説明したが、帰還バッファ用の差動増幅器23を省略して、同じくECLラインレシーバを用いた発振用差動増幅器21の出力端子にエミッタ終端抵抗R1,R2を接続し構成しても、上記したと同様の効果を得ることができる。
【0051】
尚、帰還バッファ用の差動増幅器23を省略する場合(但し、発振回路1Aをすべてディスクリート部品で構成した場合)は部品点数の削減ができるが、正帰還発振ループの出力側に影響を与えることになる。一方、帰還バッファ用差動増幅器23を設ける場合は部品点数の削減にはならないが、正帰還発振ループの出力側に与える影響を軽減することができる。
【0052】
(2)第2の実施形態
上記した各実施形態に係る発振回路1Aを通信機器に搭載させてもよい。
【0053】
図5は、本発明に係る発振回路を用いた光インターフェースモジュール50の概要を示す構成図である。光インターフェースモジュール50は、光ネットワークを介したデータ送受信などを実行するために、光信号と電気信号との信号変換を行う。例えば、10.3125Gbitの光信号と、3.125Gbit電気信号(4系統)との信号変換を行う。電気/光変換部56は、P/S(パラレル/シリアル)変換部54から出力された電気信号を光信号に変換し、光ネットワーク側に出力する。光/電気変換部57は、光ネットワーク側から出力された光信号を電気信号に変換しS/P(シリアル/パラレル)変換部55に出力する。
【0054】
発振回路101、102は、本発明に係る発振回路1Aであり、ジッタが極めて低減され安定化された一定周波数のクロック信号を出力する。そして、出力されたクロック信号を基準信号として、ビット符号変換部53を介して接続された3.215GbitのS/P変換部51およびP/S変換回路52、10.3125GbitのP/S変換部54およびS/P変換部55の各部に用いられる。
【0055】
以上説明したように、本発明に係るジッタが極めて低減され安定化された発振回路1Aを使用し、送受信データと発振回路1Aから出力されたクロック信号間におけるタイミングマージンが確保されるので、誤動作することなく光ネットワークを介して安定したデータ送受信を行うことができるという効果が得られる。
【0056】
又、部品や専用回路の追加を抑制した発振回路を用いているので、小型化、低価格化が図られた光インターフェースモジュール50を提供することができるという効果が得られる。
【0057】
又、動画像のような大量のデータが伝送できる10ギガビットの高速ネットワークシステムにおいて安定した動作を容易に確保することができるという効果が得られる。
【0058】
(3)変形例
(第1変形例)
以上の説明においては、増幅器として、複数の入力端子及び複数の出力端子を備えた差動増幅器を実施例として説明したが、図6(a)に示すような1入力・1出力形式の増幅器を用いて発振回路を構成してもよい。即ち、1入力・1出力形式の集積回路化された3つの増幅器61〜63のICチップ2bを用いる場合、図6(b)に示すように、増幅器63の出力段におけるトランジスタTr7の出力端子OUTに抵抗R8を外付けできる構成でIC化された増幅器を採用することが好ましい。その理由は、抵抗R8を外付け用として接続する構成であれば、ジッタの規格(仕様)に応じて低コストで簡易に変更することができるからである。
【0059】
又、上記した実施形態の増幅器は、バイポーラトランジスタを使用して構成した実施例を示し説明したが、トランジスタの種類が異なるMOSトランジスタにより構成してもよい。
【0060】
(第2変形例)
又、発振回路をネットワーク用の光インターフェースモジュールに用いる場合について説明したが、発振回路、特に高周波発振回路を必要とする携帯電話などの無線通信機器など各種電子機器に適用することが可能である。
【0061】
(第3変形例)
又、原則的に、SAW共振子→増幅器(帰還バッファ用増幅器も含む)→電圧制御型移相回路(または、単に移相回路)の順番で正帰還発振ループを形成している。正帰還発振ループ中において、SAW共振子と電圧制御型移相回路(または移相回路)の配置については入れ替えて、その正帰還発振ループを構成してもよい。
【0062】
(第4変形例)
水晶振動子、セラミック振動子やSAW共振子等の圧電振動子を構成する圧電材料について、水晶の他、他の圧電材料としてランガサイトや四ほう酸リチウムを用いた構成としてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、発振回路を構成する増幅器の出力段におけるトランジスタのエミッタ終端抵抗を小さくしエミッタ電流を増加させることにより、SAW共振子のドライブレベルが上昇しSAW共振子から得られる信号のSN比が改善されるので、本発明による発振回路のジッタが軽減できるという効果がある。
【0064】
又、SAW共振子のドライブレベルを上げるに際し、増幅器の出力段を終端するためのエミッタ終端抵抗を利用しているので、ジッタを軽減するために新たな部品、あるいは、その機能を実現するための専用回路を設ける必要がないので、コストの増加、発振回路としての大きさを抑制できる。又、併せて、エミッタ終端抵抗の抵抗値を変更させるだけで簡易にジッタの軽減を図ることができるという効果がある。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による発振回路の構成を示すブロック図である。
【図2】エミッタ終端抵抗としてレーザートリミング抵抗器や可変抵抗器の他の例として説明した図である。
【図3】ECLラインレシーバの回路構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る発振回路において、エミッタ終端抵抗を可変したときのジッタの測定値をプロットしたグラフである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る発振回路を用いた光インターフェースモジュールの概要構成図である。
【図6】1入力・1出力の増幅器を用いた発振回路の構成を示すブロック図である。
【図7】ATカット型水晶振動子を用い、PLL回路で逓倍し高周波信号を得る従来の発振回路のブロック図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C・・・発振回路、2a,2b・・・ICチップ、21,22,23・・・差動増幅器、61,62,63・・・増幅器、3・・・スイッチ回路、4a,4b・・・電圧制御型移相回路、5・・・SAW共振子、6・・・インピーダンス回路、R1,R2・・・エミッタ終端抵抗、VR1・・・レーザートリミング抵抗器、VR2・・・可変抵抗器、R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10・・・抵抗、Tr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5,Tr6,Tr7・・・バイポーラトランジスタ、50・・・光ネットワーク用光インタフェースモジュール。

Claims (5)

  1. 所定の周波数で発振する発振回路において、
    所定のドライブレベルで発振するSAW共振子と、
    前記SAW共振子からの発振信号を入力し、増幅して出力する増幅器と、
    前記増幅器が備える出力端子からの出力信号を入力し、前記出力信号の位相を所定の移相量に調整し前記SAW共振子に出力する移相回路と
    により正帰還発振ループを構成し、
    さらに、前記出力端子と接地との間に設けられ、前記出力端子に流れる出力電流を規定する電流可変手段を備え、
    前記電流可変手段を可変して前記出力端子に流れる出力電流を増減させることにより前記SAW共振子に電流を供給し前記ドライブレベルを増減させる
    ことを特徴とする発振回路。
  2. 前記電流可変手段は抵抗素子である
    ことを特徴とする請求項1に記載の発振回路。
  3. 前記増幅器は、
    反転出力端子及び非反転出力端子を有し、前記反転出力端子及び前記非反転出力端子のうちいずれか一方が前記正帰還発振ループの出力端として機能する差動増幅器である
    ことを特徴とする請求項1に記載の発振回路。
  4. 前記差動増幅器はECLラインレシーバを用いた差動増幅回路である
    ことを特徴とする請求項3に記載の発振回路。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発振回路を備
    える
    ことを特徴とする電子機器。
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