JP4075287B2 - フランジ付き管体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエンジンの排気マニホールド等に採用されるフランジ付き管体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のフランジ付き管体としては、例えば実開平3―41113号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
このフランジ付き管体は、図12に示されるように、管体100の端部に、同管体100とは別部材で形成されるフランジ部材101が設けられている。そして、このフランジ部材101は、フランジ部102と、同フランジ部102の中央部に一体形成される環状のボス103と、フランジ部102の外周の一部に一体形成される補強フランジ104とを備えている。ここで、ボス103の内径は管体100の外径よりも若干小さく形成されている。そして、管体100及びフランジ部材101を組付ける際には、フランジ部材101のボス103内に管体100を圧入し、次いで管体100の挿入端105をボス103の内周面の曲部106に沿うように拡径させる。更に、ボス103と管体100とをスポット溶接部107により固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにボス103と管体100とをスポット溶接部107により固定することで、これらを全周溶接する場合に比べれば、作業時間の短縮、製造コストの低減等が可能となる。
【0005】
しかし、スポット溶接とはいえこれが溶接である以上、溶接不良による歩留まりの悪化や溶接部の強度低下など、生産性や品質安定性の面での問題は避け得ないものとなっている。また、同フランジ付き管体では、管体100をボス103内に圧入するとともにその挿入端105を曲部106に沿うように拡径してはいるものの、上記スポット溶接によるシール精度とも相まって、その接合部に十分なシール性が確保されているとは言い難い。
【0006】
なお、上記排気マニホールドに採用される管体に限らず、端部にフランジ部材が接合されてなる管体にあっては、こうした実情も概ね共通したものとなっている。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フランジ部材と管体本体とを別体とする構成でありながらも、十分なシール性及び剛性を備え、しかも溶接を用いることなく製造することのできるフランジ付き管体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段及びその作用効果について以下に記載する。
請求項1に記載の発明は、管体の端部にフランジ部材が接合されてなるフランジ付き管体において、前記フランジ部材の貫通孔に嵌入された管体の端部が同フランジ部材の裏面を覆うかたちで全周にわたって折り曲げられてなることを要旨とする。
【0009】
上記構成によれば、折り曲げられた管体の端部がフランジ部材の裏面全体を覆うようにするため、フランジ付き管体のフランジは、折り曲げられた管体の端部とフランジ部材との2層構造となり、薄板材からなるフランジ部材を用いながらも、そのフランジの剛性を十分に確保することができる。この結果、ボルトの締め付けトルクを高め、フランジ付き管体の取付面とこの管体が取り付けられる被取付面とのシール性を十分に確保することができるようになる。
【0010】
また、フランジ付き管体は、管体とフランジ部材とを別体とする構成でありながらも、同管体の取付面と管体の内周面とが継ぎ目のない連続した面として形成されるため、ボルトの締め付けによってフランジ付き管体のシール性を確保することができるようになるとともに、溶接を用いずに同管体を形成することができるようになる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフランジ付き管体において、前記フランジ部材は前記管体の軸方向からみて略長円形状を有してなり、前記フランジ部材の貫通孔に嵌入された管体の端部は同フランジ部材の短径部においてその周縁を覆うかたちで更に折り返されてなることを要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、フランジ部材の貫通孔に嵌入された管体の端部をフランジ部材の裏面を覆うかたちで全周にわたって折り曲げると、折り曲げられた管体の端部におけるフランジ部材の短径部に対応する部分がフランジ部材からはみ出すようになる。そして、折り曲げられた管体の端部における上記はみ出した部分をフランジ部材の短径部の周縁を覆うかたちで更に折り返すことでフランジ付き管体のフランジの剛性を更に高めることができるようになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、管体の端部にフランジ部材が接合されてなるフランジ付き管体において、前記フランジ部材はその貫通孔共々板材が折り返された二層構造を有し、前記管体は同フランジ部材の一方の貫通孔に内嵌されるとともに、その鍔状に形成された端部が前記折り返されたフランジ部材によって挟持されてなることを要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、フランジ付き管体のフランジは、折り返されて二層構造となったフランジ部材とこれに挟持される管体の鍔状に形成された端部からなるため、薄板材のフランジ部材を用いても、そのフランジの剛性を十分に確保することができるようになる。この結果、ボルトの締め付けトルクを高め、フランジ付き管体のフランジの取付面と同フランジが取り付けられる被取付面間のシール性を十分に確保することができるようになる。また、フランジ付き管体のフランジは、管体の鍔状に形成された端部が、折り返されて二層構造となったフランジ部材に挟持された状態で上記被取付面に締め付け固定されるため、溶接を用いることなくこれを形成することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載のフランジ付き管体において、前記管体が貫通孔に内嵌されたフランジ部材の他方のフランジ部材は、その貫通孔周縁が突出形成されてその突出部が前記管体に内嵌されるとともに、同内嵌された突出部の内径が前記管体の内径に略等しくなるように拡径成形されてなることを要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、管体とフランジ部材とが強固にかしめ接合され、接合部でのシール性も十分に確保されるようになる。したがって、ボルトの締め付けによってフランジ付き管体のフランジの取付面と同フランジが取り付けられる被取付面間をシールすることで、フランジ付き管体のシール性を確保することができるようになる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のフランジ付き管体において、前記管体は、前記フランジ部材を介してエンジンの排気ポートに締結されるエンジンの排気マニホールドであることを要旨とする。
【0018】
上記構成によれば、燃焼直後の高温な排気ガスが流通するとともに、その内部に大きな圧力がかかる排気マニホールドであっても、そのシール性を好適に確保することができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を内燃機関の排気マニホールドに採用されるフランジ付き管体として具体化した第1の実施の形態について、図1〜図6を参照して説明する。
【0020】
本実施の形態のフランジ付き管体は、図1に示されるような、円筒パイプとして形成された管体本体11とその管体本体11の端部に接合されるフランジ部材16とから製造されている。
【0021】
フランジ部材16は、プレスによる打ち抜き加工等によって形成された略長円形状の薄板材であって、その中央部には管体本体11を嵌入可能な貫通孔17が形成されている。貫通孔17の外縁18は、同孔17の全周にわたり、フランジ部材16の薄板材から垂直方向に突出するように形成されている。
【0022】
そしてフランジ付き管体の製造に際しては、まずその端部が所定長さだけ突出するように、管体本体11をフランジ部材16の貫通孔17に嵌入させる。そして、突出した管体本体11の端部を、プレス加工を通じて拡管するとともに、フランジ部材16の裏面を覆うかたちで全周にわたって折り曲げるようにしている。これにより、管体本体11の端部にフランジ部材16を接合することで、内燃機関の排気マニホールドとして採用されるフランジ付き管体が製造されている。
【0023】
本実施の形態では、こうした管体本体11とフランジ部材16との接合のためのプレス加工に、例えば図2及び図3に示すような治具20とスライド型25とを用いている。なお、図2にはプレス加工時におけるフランジ部材16の長径に沿った断面構造が、図3には同じくフランジ部材16の短径に沿った断面構造が各々示されている。
【0024】
治具20には、管体本体11を挿入可能な孔21が形成されている。また同孔21の開口端側には、フランジ部材16にあって上記のように突出形成された貫通孔17の外縁部18が嵌入可能なように、その内径が更に拡径された凹部22が形成されている。これにより、治具20は、管体本体11が孔21に嵌入された状態で、それら管体本体11及びフランジ部材16を固定可能となっている。
【0025】
また、スライド型25には、平面部26と、同平面部26上に設けられた凸部27とが形成されている。この凸部27は、管体本体11の内部に嵌入可能な略円柱状に形成されている。そして、その基端部には、平面部26に向かうにつれてその径が徐々に大きくなる曲部28が形成されており、これにより凸部27の外周面と平面部26とが連続した面となるようになっている。
【0026】
更に、図3に示されるように、スライド型25におけるフランジ部材16の短径部16a近傍に対応する部分には、平面部26に垂直をなす壁部29が形成されて、曲部30によってその壁部周面29aと平面部26とが連続した面となるように形成されている。
【0027】
そして、次のような手順で管体本体11の端部にフランジ部材16を接合するようにしている。
すなわち、先ずは図2(a)及び図3(a)に示されるように、管体本体11の端部が所定長さだけ突出するようにフランジ部材16の貫通孔17に嵌入した状態で、それら管体本体11及びフランジ部材16を治具20に固定する。そして、スライド型25を、その凸部27と治具20とが対向するように、且つ凸部27の軸線と上記内嵌された管体本体11の軸線とが一致するように配置する。
【0028】
続いて、図2(b)及び図3(b)に示されるように、上記のように配置された型25を同図中の矢印A1の方向、すなわち治具20に向かう方向に移動させる。このときの管体本体11は、その突出された端部が曲部28の形状に沿って徐々に押し広げられ、拡管されるようになる。そしてスライド型25を更に移動させると、拡径された管体本体11の端部はスライド型25の平面部26に当接し、同平面部26に沿って折り曲げられるようになる。
【0029】
そして、図2(c)及び図3(c)に示されるように、スライド型25を矢印A1の方向に更に移動させると、折り曲げられた管体本体11の端部がフランジ部材16の裏面に当接するようになる。このようにして管体本体11の端部はフランジ部材16の裏面を覆うようにして全周にわたって折り曲げられる。
【0030】
なお、フランジ部材16の貫通孔17に挿通したときに突出させた管体本体11の端部の長さは、このときに折り曲げられた端部先端が、ほぼフランジ部材16の長径部16bの周縁に位置するように設定されている。したがって、管体本体11の端部が全周にわたって同心円状に拡管されれば、フランジ部材16の短径部16a近傍などでは、折り曲げられた管体本体11の端部は、フランジ部材16の裏面を覆ってなおも、その周縁より外側にはみ出すようになる。そして、この周縁からはみ出した管体本体11の端部は、同図3(c)に示されるように、スライド型25の曲部30を介して壁部29に当接し、これら曲部30及び壁部29の形状に沿って徐々に管体本体11の軸方向へと更に折り返されるようになる。このようにしてフランジ部材16の短径部16a等においては、その周縁を覆うように更に管体本体11の軸方向に折り返されたリブ壁12が形成されるようになる。
【0031】
なお、本実施の形態ではこうしたプレス加工時に、排気マニホールドを内燃機関に固定するためのボルトが挿通されるボルト孔19(図4等を参照)が、フランジ部材16及びその裏面に折り返された管体本体11の端部を貫通するように打ち抜き形成されている。
【0032】
以上のようにして管体本体11の端部にフランジ部材16を接合することで、図4にその斜視構造を、図5にその平面構造を各々示すようなフランジ付き管体15が製造されている。このフランジ付き管体15は、ボルト孔19に挿通されるボルトによって内燃機関本体に取り付けられる。そしてこれにより、その裏面を覆うように折り曲げられた管体本体11の端部とフランジ部材16とが、ボルトによって一体に締め付け固定される。
【0033】
このフランジ付き管体15は、図6(a)及び(b)にその断面構造を各々示すように、ボルトによって内燃機関本体に締め付け固定されるフランジが、折り曲げられた管体本体11の端部とフランジ部材16との2層構造となっており、薄板材からなるフランジ部材16を用いながらも、そのフランジの剛性が十分に確保されている。このため、ボルトの締め付けトルクを高め、フランジ付き管体15と内燃機関本体との取付面間のシール性を十分に確保することができるようになっている。
【0034】
また、このフランジ付き管体15では、上記の如く折り曲げられた管体本体11の端部によってフランジ部材16の裏面全体を覆う構成となっている。すなわち、フランジ付き管体15の被取付面である内燃機関本体とフランジ部材16との対向面間の全体にわたって挟み込まれるように、フランジ部材16の貫通孔17に嵌入された管体本体11の端部が折り曲げられている。このため、管体本体11とフランジ部材16とを別体とする構成でありながらも、内燃機関本体への取付面と管体の内周面とが継ぎ目のない連続した面として形成されている。したがって、上記のようにボルトの締め付けによって内燃機関本体との取付面をシールすることで、フランジ付き管体15のシール性が確保されるようになる。
【0035】
更に本実施の形態のフランジ付き管体15では、上記のようにフランジ部材16の裏面を覆うように折り曲げられた管体本体11の端部を、略長円形状に形成された同フランジ部材16の短径部16aにおいてその周縁を覆うかたちで更に折り返すようにしている。そしてこれにより、リブ壁12を形成して、フランジ付き管体15のフランジにおける剛性を更に高めるようにしている。
【0036】
このように本実施の形態のフランジ付き管体15は、フランジ部材16と管体本体11とを別体とする構成でありながらも、十分なシール性及び剛性を備え、しかも溶接を用いることなく製造されている。
【0037】
なお、溶接を行わずに管体本体にフランジ部が設けられるフランジ付き管体として、例えば実開平6―63820号公報や特開平9―125948号公報に記載のものが提案されているが、これら各公報に記載のフランジ付き管体では以下のような不具合が生じていた。
【0038】
すなわち、前者の公報に記載のフランジ付き管体は、管体本体の端部を折り返して鍔を形成するとともに、フランジ部材の裏面において貫通孔の周囲に形成された凹部にその鍔を配設して、フランジ部材と内燃機関本体との間に挟み込んで固定する構成となっている。この構成では、フランジが上記本実施の形態のような2層構造となっておらず、また凹部を形成する必要があることから、フランジ部材の板厚を厚くする必要があり、プレス等によるその成形が困難となっている。また、管体本体の鍔を加工する際に要求される加工精度が高く、同鍔とフランジ部材の凹部との当接部のシール性の確保が困難でもある。
【0039】
また、後者の公報に記載のフランジ付き管体は、薄板材によって形成されたフランジ部材と管体本体とを、同フランジ部材の貫通孔の周囲でかしめ接合する構成となっているが、かしめ接合する以上、フランジ部材の板厚を十分に厚くすることができず、その剛性の確保が困難である。
【0040】
以上詳述したように、本実施の形態にかかるフランジ付き管体によれば、以下に示すような優れた効果が得られるようになる。
(1)折り曲げられた管体本体11の端部がフランジ部材16の裏面全体を覆うようにしたため、フランジ付き管体15のフランジは、折り曲げられた管体本体11の端部とフランジ部材16との2層構造となり、薄板材からなるフランジ部材16を用いながらも、そのフランジの剛性を十分に確保することができる。この結果、ボルトの締め付けトルクを高め、フランジ付き管体15と内燃機関本体との取付面間のシール性を十分に確保することができるようになる。
【0041】
また、フランジ付き管体15は、管体本体11とフランジ部材16とを別体とする構成でありながらも、内燃機関本体への取付面と管体の内周面とが継ぎ目のない連続した面として形成されるため、上記のようにボルトの締め付けによって内燃機関本体との取付面をシールすることで、フランジ付き管体15のシール性を確保することができるようになるとともに、溶接を用いずに同管体15を形成することができるようになる。
【0042】
(2)フランジ部材16を管体本体11の軸方向から見て略長円形状としたため、管体本体11の端部をフランジ部材16の裏面を覆うかたちで全周にわたって折り曲げると、管体本体11におけるフランジ部材16の短径部16aに対応する部分がフランジ部材16からはみ出すようになる。そして、管体本体11における上記はみ出した部分をフランジ部材16の短径部16aの周縁を覆うかたちで更に折り返してリブ壁12を形成し、フランジ付き管体15のフランジの剛性を更に高めることができるようになる。
【0043】
(3)燃焼直後の高温な排気ガスが流通するとともに、内部に大きな圧力がかかる排気マニホールドであっても、そのシール性を好適に確保することができるようになる。
【0044】
なお、上記第1の実施の形態は例えば、以下のようにその構成を適宜変更することもできる。
・上記第1の実施の形態において、リブ壁12の高さは、フランジ付き管体15のフランジに要求される剛性が満足される範囲内で適宜変更してもよい。
【0045】
・上記第1の実施の形態では、フランジ部材16は管体本体11の軸方向から見て略長円形状を有するようにしたが、このフランジ部材16の形状は略長円形状には限られない。これを例えば、略三角形状、略四角形状等の略多角形状を有するようにしてもよいし、略円形状を有するようにしてもよい。
【0046】
・上記第1の実施の形態では、管体本体11の端部を折り返してリブ壁12を形成する構成としたが、管体本体11の端部を折り返さないでリブ壁12を形成しない構成としてもよい。
【0047】
(第2の実施の形態)
次に、本発明を4気筒の内燃機関の排気マニホールドに採用されるフランジ付き管体として具体化した第2の実施の形態について、図7〜図11を参照して説明する。
【0048】
本実施の形態のフランジ付き管体のフランジには、図9に示されるような、円筒パイプの端部に径方向に拡径された鍔42aを有する管体本体42と、図7及び図8に示されるような、管体本体42の鍔42aに接合されるフランジ部材44が用いられる。
【0049】
フランジ部材44は、プレスによる打ち抜き等によって略長方形の薄板材を加工することで形成されており、その短手方向を半分に折り返すことで、上記内燃機関の各気筒に対応する4本の管体本体11が接合されるようになっている。このフランジ部材44において、上記短手方向の折り返し線Pを挟んだ各側には、所定間隔をおいて4つの貫通孔45a、46aがそれぞれ形成されている。各貫通孔45a、46aの外縁45b、46bは、薄板材から垂直に突出するように各々形成されている。ただし、外縁45b、46bが突出される方向は、上記各側でそれぞれ反対方向となっている。また、上記折り返し線Pを挟んだ各側の一方に形成された貫通孔45aの内径は、管体本体11のパイプ部の外径とほぼ同じ径に、また他方に形成された貫通孔46aの外縁46bの外径は、管体本体11の内径とほぼ同じ径に、それぞれ形成されている。
【0050】
そして、フランジ付き管体の製造に際しては、図9に示されるような手順で行っている。なお図9は、上述のフランジ部材44を用いて一度に形成される4本のフランジ付き管体のうちの1本についてのみ示してある。
【0051】
まず図9(a)に示されるように、フランジ部材44の各貫通孔45aに管体本体42を鍔42aまで内嵌させる。次いで、フランジ部材44を折り返し線Pを中心に矢印A2の方向に折り返し、各外縁46bをそれぞれ対応する貫通孔45aに嵌入された管体本体42に内嵌させる。これにより、折り返されたフランジ部材44の各側によって管体本体42の鍔42aが挟み込まれるようになる。
【0052】
そして本実施の形態では、例えば図9(b)及び(c)に示すような受け型60とスライド型65とを用いてプレス加工することで、各管体本体42とフランジ部材44とを接合するようにしている。
【0053】
受け型60には、管体本体42が挿通可能な4つの孔61が形成されている。また各孔61の開口端側には、その開口端に向かうにつれて徐々に内径が拡径された傾斜部62が形成されている。各傾斜部62の開口端の内径は、フランジ部材44にあって上記のように突出形成された貫通孔45aの外縁46aの外径よりも僅かに大きくなるように形成されている。これにより、受け型60は、4本の管体本体42及びフランジ部材44を孔61に嵌入した状態で固定可能となっている。
【0054】
また、スライド型65には、フランジ部材44の各貫通孔45bに挿入可能な4本の略円柱状の凸部66が形成され、各凸部66の基端には、基端側に向かうにつれて徐々に外径が大きくなる傾斜部67が形成されている。傾斜部67は、受け型60の傾斜部62とほぼ同様の勾配となるように形成されるとともに、その基端部近傍の外径が管体本体42の内径と略同寸となるように形成されている。
【0055】
続いて、スライド型65を同図(b)中に矢印A3で示される方向に移動させ、上記折り返されたフランジ部材44によって挟み込まれた管体本体42の鍔42aの周辺部をプレスする。このとき、フランジ部材44と管体本体42とが重ね合わされた部分は、同図(c)に示されるように、その軸方向からプレスされるとともに、上記スライド型65の凸部66の基端に設けられた傾斜部67によって、管体本体42の内周から外周方向に向けて拡径されるようにもプレスされる。この結果、上記折り返されたフランジ部材44とそのフランジ部材44によって挟み込まれた管体本体42とは、非常に強固にかしめ接合されるようになる。
なお、スライド型65の傾斜部67の付け根の周囲には、管体本体42の鍔42aとほぼ同幅の環状をなす凹部68が形成されている。そしてこれにより、鍔42aと重ね合わされた部分以外においても、折り返されたフランジ部材44が強固にプレスされるようになっている。
【0056】
このようにして、一体となった4本のフランジ付き管体が一度に形成される。なお、本実施の形態ではこうしたプレス加工時に、排気マニホールドを内燃機関に固定するためのボルトが挿通される図示しないボルト孔が、折り返されたフランジ部材44及び同フランジ部材44により挟持された管体本体42の鍔42aを貫通するように所定の位置にて打ち抜き形成されている。
【0057】
以上のようにして管体本体の鍔42aにフランジ部材44を接合することで、図10にその側面構造を、図11にその断面構造を各々示すようなフランジ付き管体43が製造されている。このフランジ付き管体43は、図示しないボルト孔に挿通されるボルトによって内燃機関本体50の排気ポートに取り付けられる。そしてこれにより、折り返されて二層構造となったフランジ部材44とこのフランジ部材44に挟持される管体本体42の鍔42aとが、ボルトによって一体に締め付け固定される。
【0058】
このフランジ付き管体43は、同図11に示すように、ボルトによって内燃機関本体50の排気ポートに締め付け固定されるフランジが、折り返されて二層構造となったフランジ部材44とこれに挟持される管体本体42の鍔42aからなり、薄板材のフランジ部材44を用いながらも、そのフランジの剛性が十分に確保されている。このため、ボルトの締め付けトルクを高め、フランジ付き管体43と内燃機関本体50の排気ポートとの取付面間のシール性を十分に確保することができるようになっている。
【0059】
また、このフランジ付き管体43では、管体本体42の鍔42aを上記の如く折り返されたフランジ部材44によって挟持した状態で、同フランジ部材44の貫通孔45bを拡径成形するようにしている。このため、それら管体本体42とフランジ部材44とが強固にかしめ接合され、接合部でのシール性も十分に確保されるようになる。したがって、上記のようにボルトの締め付けによって内燃機関本体50の排気ポートとの取付面をシールすることで、フランジ付き管体43のシール性が確保されるようになる。
【0060】
このように本実施の形態のフランジ付き管体43は、フランジ部材44と管体本体42とを別体とする構成でありながらも、十分なシール性及び剛性を備え、しかも溶接を用いることなく製造されている。
【0061】
以上詳述したように、本実施の形態にかかるフランジ付き管体によれば、以下に示すような優れた効果が得られるようになる。
(1)フランジ付き管体43のフランジは、折り返されて二層構造となったフランジ部材44とこれに挟持される管体本体42の鍔42aからなるため、薄板材のフランジ部材44を用いながらも、そのフランジの剛性を十分に確保することができるようになる。この結果、ボルトの締め付けトルクを高め、フランジ付き管体43と内燃機関本体50の排気ポートとの取付面間のシール性を十分に確保することができるようになる。また、フランジ付き管体43のフランジは、管体本体42の鍔42aが、折り返されて二層構造となったフランジ部材44に挟持された状態で内燃機関本体50の排気ポートにボルトによって締め付け固定されるため、溶接を用いることなくこれを形成することができる。
【0062】
(2)管体本体42の鍔42aをフランジ部材44によって挟持した状態で、同フランジ部材44の貫通孔45bを拡径成形したため、管体本体42とフランジ部材44とを別体とする構成でありながらも、フランジ付き管体43のシール性を確保することができるようになる。
【0063】
(3)燃焼直後の高温な排気ガスが流通するとともに、内部に大きな圧力がかかる排気マニホールドであっても、そのシール性を好適に確保することができるようになる。
【0064】
なお、上記第2の実施の形態は例えば、以下のようにその構成を適宜変更することもできる。
・上記第2の実施の形態では、図7に示したように、4本の管体本体42の端部に設けられるフランジ部材44を同一の板材で形成するようにしたが、このフランジ部材44を各管体本体42毎に各別の板材で形成するようにしてもよいし、4本のうちの何本かを同一の板材にて形成するようにしてもよい。また、同一のフランジ部材にてフランジが形成される管体本体42の本数は、内燃機関の気筒数に応じて適宜変更することもできる。
【0065】
・上記第2の実施の形態では、フランジ部材44に外縁46a、46bを設ける構成としたが、これら外縁46a、46bを省略することもできる。
・上記第2の実施の形態では、管体本体42の鍔42aに内嵌されたフランジ部材44の外縁46bを拡管成形したが、この外縁46bを拡管成形しない構成としてもよい。
【0066】
・上記各実施の形態において、フランジ部材16、44の板材の肉厚は、フランジ付き管体15、43のフランジに要求される剛性及びシール性が満足される範囲内で適宜変更してもよい。
【0067】
・上記各実施の形態では、エンジンの排気マニホールドに採用されるフランジ付き管体15、43の例を示したが、本発明は、その端部にフランジが形成される管体であれば適用することができる。
【0068】
その他、上記第1、第2の実施の形態、並びに以上の記載から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)管体の端部にフランジ部材が接合されてなるフランジ付き管体を製造する方法において、前記フランジ部材の貫通孔に管体を嵌入しつつ、その貫通された端部に型を当てて、同管体の端部が前記フランジ部材の裏面を覆うように全周にわたって折り曲げる工程を備えることを特徴とするフランジ付き管体の製造方法。
【0069】
(2)前記フランジ部材を前記管体の軸方向からみて略長円形状に形成し、前記フランジ部材の貫通孔に嵌入された管体の端部を、同フランジ部材の短径部においてその周縁を覆うように前記型を通じて更に折り返す工程を備える前記(1)記載のフランジ付き管体の製造方法。
【0070】
(3)管体の端部にフランジ部材が接合されてなるフランジ付き管体を製造する方法において、前記フランジ部材を共に貫通孔を備える板材にて略線対称に形成し、その一方の貫通孔に鍔状に形成された端部を有する管体を該鍔状部まで内嵌する工程と、前記フランジ部材を折り返し、両方の貫通孔が一致する状態で前記管体の鍔状部をそれら折り返したフランジ部材で挟持する工程とを備えることを特徴とするフランジ付き管体の製造方法。
【0071】
(4)前記管体が貫通孔に内嵌されたフランジ部材の他方のフランジ部材についてはその貫通孔周縁を突出形成しておき、前記折り返しに伴ってその突出部を前記管体に内嵌する工程と、同内嵌された突出部の内径が前記管体の内径に略等しくなるようにこれを拡径成形する工程とを更に備える前記(3)記載のフランジ付き管体の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のフランジ付き管体に用いられる管体本体とフランジ部材を示す斜視図。
【図2】同実施の形態のフランジ付き管体のフランジの形成手順を示す断面図。
【図3】同フランジの形成手順を示す断面図。
【図4】同フランジの側面図。
【図5】同フランジの正面図。
【図6】同フランジの断面図。
【図7】本発明の第2の実施の形態のフランジ付き管体に用いられるフランジ部材の斜視図。
【図8】図7のI―I線断面図。
【図9】同実施の形態のフランジ付き管体のフランジの形成手順を示す断面図。
【図10】同フランジ付き管体の側面図。
【図11】図10のII―II線断面図。
【図12】従来構成にかかるフランジ付き管体のフランジの断面構造を示す断面図。
【符号の説明】
11…管体本体、12…リブ壁、15…フランジ付き管体、16…フランジ部材、16a…短径部、16b…長径部、17…貫通孔、18…外縁、19…ボルト孔、20…治具、21…孔、22…凹部、25…スライド型、26…平面部、27…凸部、28…曲部、29…壁部、29a…壁部周面、30…曲部、42…管体本体、42a…鍔、43…フランジ付き管体、44…フランジ部材、45a、45b…貫通孔、46a、46b…外縁、50…内燃機関本体、60…受け型、61…孔、62…傾斜部、65…スライド型、66…凸部、67…傾斜部、68…凹部。
Claims (5)
- 管体の端部にフランジ部材が接合されてなるフランジ付き管体において、
前記フランジ部材の貫通孔に嵌入された管体の端部が同フランジ部材の裏面を覆うかたちで全周にわたって折り曲げられてなる
ことを特徴とするフランジ付き管体。 - 前記フランジ部材は前記管体の軸方向からみて略長円形状を有してなり、前記フランジ部材の貫通孔に嵌入された管体の端部は同フランジ部材の短径部においてその周縁を覆うかたちで更に折り返されてなる
請求項1記載のフランジ付き管体。 - 管体の端部にフランジ部材が接合されてなるフランジ付き管体において、
前記フランジ部材はその貫通孔共々板材が折り返された二層構造を有し、前記管体は同フランジ部材の一方の貫通孔に内嵌されるとともに、その鍔状に形成された端部が前記折り返されたフランジ部材によって挟持されてなる
ことを特徴とするフランジ付き管体。 - 前記管体が貫通孔に内嵌されたフランジ部材の他方のフランジ部材は、その貫通孔周縁が突出形成されてその突出部が前記管体に内嵌されるとともに、同内嵌された突出部の内径が前記管体の内径に略等しくなるように拡径成形されてなる
請求項3記載のフランジ付き管体。 - 前記管体は、前記フランジ部材を介してエンジンの排気ポートに締結されるエンジンの排気マニホールドである
請求項1〜4の何れか一項に記載のフランジ付き管体。
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