JP4075059B2 - 内燃機関のブリーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブローバイガスの気液分離が行われる内燃機関のブリーザ装置に関する。
一般に、内燃機関の圧縮工程又は膨張工程においてピストンとシリンダとの間からクランクケース内に漏出するブローバイガスは、霧状のオイル粒子と混合されてオイルミストになる。このようにオイル分とガス分を含むブローバイガスは、通常、気液分離が施された後、オイル分は回収され、ガス分は内燃機関側へ還元される。このとき、気液分離が不十分であると、オイル消費が増大するため、オイルセパレーターとして種々の気液分離構造や装置が提案されている。
このような気液分離装置の代表例として、内燃機関のシリンダヘッドカバー内に気液分離室が画成されて成るオイル分離装置としてのブリーザ装置が知られている。例えば、特許文献1には、シリンダヘッドカバーの上部に、複数の第1のじゃま板と複数の第2のじゃま板とで左右及び上下にジグザグに形成されたブローバイガス通路を有し、シリンダヘッドカバーの側壁に近い位置にガスの入口が設けられたオイル分離装置が開示されている。この従来装置は、底蓋体の中央部から下側に突出してガス入口の全体を覆い、且つシリンダヘッドカバーの側壁に向かって延びる囲い枠体とつば片とを備えることにより、動弁系によって飛散するオイル粒子のガス入口からの流入を防止することを企図したものである。
特開2000−45749号公報
しかし、上記従来装置の構造では、カムシャフト等から飛散してシリンダヘッドカバー側の上方に向かって飛来するオイル粒子が囲い枠体で散乱し、また、カムシャフト等から飛散したオイル粒子や散乱されたオイル粒子がシリンダヘッドカバーの側壁に当たって跳ね返るおそれがある。よって、そのようなオイル粒子がガス入口側におけるシリンダヘッドカバーの内壁に集中し易くなり、その結果、オイル粒子がガス入口からブローバイガス通路内へ侵入してしまう。こうなると、オイルの持ち去り量が増大してしまい、結果としてブローバイガスの気液分離が不十分となってブローバイガスの還元効率が不都合に低下してしまうので好ましくない。
特に、近年、エンジンの高出力化がますます進んでおり、シリンダ内の圧力が一層高められる傾向にあると共に、更なる低燃費化の要求からピストンリングの張力が低減される傾向にある等の理由により、ブローバイガス流量が増大する傾向にある。また、車両装置の高性能化を図るべく油圧駆動されるエンジン制御装置が増設される傾向にあり、オイルポンプの吐出量及び各油圧駆動装置からのオイル漏出量が増大する傾向にある。
さらに、更なる高性能化を達成すべく、多くの機能部材や装置をシリンダヘッドカバー内に搭載することが実施及び企図されており、ブリーザ装置構造を設けるためのスペースが縮小される傾向にある。一方、万一、車両等の衝突事故が発生した場合に歩行者保護を優先すべく、エンジンフードとエンジンとの間隙が拡張される傾向にある。これにより、エンジン全高の制約が非常に大きくなりつつあり、シリンダヘッドカバー自体の高さ及びその上に設置される構成部材が制限される傾向にある。そのため、ブリーザ装置を設けるためのスペースの縮小が一層望まれている。
したがって、このような状況から、より狭隘なスペースでも、ブローバイガスによるオイルの持ち去りを十分に抑制でき、気液分離効率を更に向上させることができるブリーザ装置が熱望されている。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、従来に比してオイル分の含有量が少ないブローバイガスを吸引することができ、これにより、オイル分の持ち去り(持ち出し)を抑制してブローバイガスの気液分離効率を向上させることが可能な内燃機関のブリーザ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明による内燃機関のブリーザ装置は、オイル分とガス分とを含むブローバイガスの気液分離が行われるものであって、シリンダヘッドカバーの内部においてブローバイガスが流通するように画成された気液分離室と、気液分離室と連通し且つブローバイガスが吸入されるガス吸入口と、気液分離室と連通し且つオイル分が分離されたブローバイガスが排出されるガス排出口とを備えており、ガス吸入口は、内燃機関に備わるカムシャフトに設けられた少なくとも一つのジャーナル部のうち最後方に位置するジャーナル部(カムシャフトジャーナル)の後端よりも後方に形成されており、且つ、カムシャフトの回動軸(長軸、中心軸)を仮想的に延長した軸線の近傍まで延設されて成るものである。
なお、本発明で内燃機関の前後方とは、内燃機関において補機類及びプーリー類が設けられた側が「前方」であり、その反対側が「後方」である。また、本発明でカムシャフトの前後方とは、シャフトロッドにおいて駆動プーリーが接続された一方の軸端側が「前方」であり、他方の軸端側が「後方」である。よって、「最後方に位置するジャーナル部」とは、シャフトロッドにおいて駆動プーリーが接続されていない軸端に最も近い部位に配置された「ジャーナル部」を示し、その「後端」とは、シャフトロッドにおいて駆動プーリーが接続されていない軸端に最も近い端(面であれば端面)を示す。
このように構成された内燃機関のブリーザ装置では、ガス吸入口を起点とし気液分離室内を通ってガス排出口に至るブローバイガスの流路が形成される。内燃機関の爆発燃焼によって生じるオイル分とガス分を含む気液混合体としてのブローバイガスは、その流路を通る間に気液分離が行われ、分離されたオイル分は内燃機関内に戻入される一方で、ガス分は吸気系に還元される。
この際、通常、シリンダヘッドカバーの下方で且つカムシャフトの上方の空間領域にはオイル分が比較的多く飛散しているのに対し、カムシャフトの端部側方の空間領域へのオイル分の飛散量は比較的少ない。本発明のブリーザ装置では、ガス吸入口は、最後方のジャーナル部の後端よりも更に後方に形成されており、そのジャーナル部及びカムシャフトの回動軸によって、カムシャフト上方の空間領域から隠されるように配置される。よって、オイル分が比較的少ない空間領域からブローバイガスが吸引される。
また、カムシャフトの回動軸の端部側方では、オイル分の飛散が少ないが故にブローバイガスの周囲への拡散が十分に行われず、そのため換気が不十分となってブローバイガスが滞留し易く(淀み易く)、結果としてオイル劣化が生じ得る。これに対し、本発明では、ガス吸入口がカムシャフトの回動軸を仮想的に延長した軸線の近傍、すなわちカムシャフトの回動軸の端部側方まで延設されているので、ブローバイガスが淀み易い部位からガス吸引が行われる。
本発明の内燃機関のブリーザ装置によれば、従来に比してオイル分の含有量が少ないブローバイガスを吸引することができ、これにより、オイル分の持ち去りを抑制してブローバイガスの気液分離効率を向上させることができる。また、ブローバイガスの淀み(滞留)を抑止でき、これによりオイルの劣化を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限られるものではない。
図1は、本発明によるブリーザ装置の一例を備える内燃機関を構成するシリンダヘッドカバーの底面図、すなわちシリンダヘッドカバーが載置されるシリンダヘッドとの接合面(合わせ面)から見た状態を示す概略図である。
シリンダヘッドカバー50の外周壁51の下端には、シリンダヘッドとの界面を封止するためのシール材(図示せず)が嵌合される環状溝条53が形成されている。また、シリンダヘッドカバー50の上壁には、図示しない点火プラグホルダーが嵌着される筒状のホルダー保持部59a,59b,59cが、外周壁51の長尺方向に沿って並設されている。
外周壁51の内側には、それらのホルダー保持部59a〜59cを取り囲むように形成された内周壁55が、シリンダヘッドカバー50の上壁からシリンダヘッドへ向かって突出するように設けられている。また、図1において点状模様で示す内周壁55の下端面は、外周壁51の下端面(つまり環状溝条53の面)と平行にされており、且つ、外周壁51の下端面よりも、シリンダヘッドカバー50の上壁に近いところに位置している。
さらに、内周壁55の内側における図示矢印Bw方向寄りの角隅近傍には、ブローバイガスが排出されるガス排出口60が設けられている。なお、図において矢印Fw及び矢印Bwで示す方向が、内燃機関ひいてはシリンダヘッドカバー50のそれぞれ前方及び後方にあたる。また、外周壁51及び内周壁55のそれぞれの下端面は、内燃機関が設置された車両等が水平に保持されて傾斜していない正置状態(正規の姿勢となるように置かれた状態)において、図示矢印Mw又はHwで示す方向に傾いていることもある。
さらにまた、内周壁55の下端面には、図2(A)〜(C)に示すバッフルプレート1が当接して接合される。ここで、図2(A)〜(C)は、それぞれ内周壁55の下端面に接合されるバッフルプレート1を模式的に示す平面図、側面図、及び底面図である。すなわち、図2(A)〜(C)は、バッフルプレート1が内周壁55に接合された状態において、それぞれ、シリンダヘッドカバー50を上方から、側方(矢印Hwの方向)から、及び下方から透視した図に相当する。
バッフルプレート1は、全体として略矩形状を成す底板2から主として構成されるものである。底板2は、シリンダヘッドカバー50の内周壁の下端における開放部を塞ぐように形成された閉塞部2aの周縁に、シリンダヘッドカバー50の下端面(図1において点状模様で示す面)と当接する接合部2bが形成されたものである。
また、底板2において、シリンダヘッドカバー50のホルダー保持部59a,59b,59cに対応する位置には、点火プラグホルダーが嵌入される貫通孔8a,8b,8cが形成されており、それらの周縁も接合部2bに含まれる。
さらに、閉塞部2aにおける矢印Hw方向及び矢印Bw方向(つまり後方)寄りの角隅部には、後述するガス吸入口から吸入されたブローバイガスが導入される連通口3が設けられている。またさらに、その連通口3を上方から覆うように傾斜設置された蓋板4が設置されている。さらにまた、蓋板4の矢印Mw方向寄りの側方には、隔壁板5が上方に向かって突設されている。
また、このバッフルプレート1の上方、つまり図2(A)に示す状態のバッフルプレート1の上方に、図3に示す補助プレート10が一定の距離を隔てて配置される。なお、両者の配置関係(状態)については、図6の一部に開示した(図6については後に詳述する。)。図3は、その補助プレート10を模式的に示す平面図である。すなわち、図3は、補助プレート10がバッフルプレート1の上方に設置された状態において、シリンダヘッドカバー50を上方から透視した図に相当する。
補助プレート10は、略L字状を成す平板状部材12で主に構成されており、矢印Fw方向寄りには、ブローバイガスが流通する連通口11が設けられると共に、一定面積の凹部12a,12bが所定の位置に形成されている。
図4(A)〜(C)は、バッフルプレート1及び補助プレート10が取り付けられたシリンダヘッドカバー50とその下方に設けられたカムシャフトのそれぞれ正面図(矢印Hw側から見た状態)、底面図(シリンダヘッド側から見た状態)、及び側面図(矢印Bw側から見た状態)である。同図において、矢印Uw及び矢印Dwは、それぞれ上方及び下方を示す。また、図5は、図4におけるV−V線に沿って要部を示す断面図である。さらに、図6は、カムシャフト7、バッフルプレート1及び補助プレート10の配置関係(状態)を示す斜視図である。
図4(A)〜(C)において、吸気側と排気側に設けられた二つのカムシャフト7,7は、それぞれ回動軸(心軸)としてのシャフトロッド7aに所定数のカムCmが一定間隔で配設されたものであり、シリンダ間を区切るような位置には、フロントジャーナルJ1、中間ジャーナルJ2,J3、及びリアジャーナルJ4(それぞれがジャーナル部)が配設されている。フロントジャーナルJ1が設けられたシャフトロッド7aの一方端に近い部位には駆動プーリー(図示せず)が接続されるようになっている。すなわち、カムシャフト7において、フロントジャーナルJ1が最前方に位置し、他方端に近い部位に設けられたリアジャーナルJ4が最後方に位置している。
また、本実施形態における気液分離室9は、シリンダヘッドカバー50の後段部51bに画成される。より具体的には、気液分離室9は、後段部51bの上壁56、その長尺側壁57、及び短尺側壁58、並びに、バッフルプレート1及び補助プレート10によって画成される空間内に形成される。さらに、気液分離室9は、補助プレート10によって、互いに連通する下方容積部S1と上方容積部S2とに隔てられており、換言すれば、これらの下方容積部S1及び上方容積部S2から気液分離室9が構成されている(図5参照)。
また、カムシャフト7のリアジャーナルJ4の後端面よりも後方(矢印Bw側)には、バッフルプレート1の連通口3(図2(A)〜(C)参照)更には下方容積部S1と連通するガス吸入口6が設けられている。このガス吸入口6は、バッフルプレート1の底面レベルから、二つのカムシャフト7,7のうち矢印Hw寄りに配置されたカムシャフト7の回動軸であるシャフトロッド7aの後方端近傍まで垂下するように開口している。すなわち、ガス吸入口6は、そのシャフトロッド7aを仮想的に後方(矢印Bw方向)に延長した軸線の近傍まで延設されている(図5及び図6参照)。
ここで、「近傍」とは、距離が特に制限されるものではなく、シリンダヘッドカバー50や気液分離室9の寸法形状を勘案して、ガス吸入口6がシャフトロッド7aの仮想延長軸線側に偏設された状態を示す。例えば、本実施形態では、ガス吸入口6の開口中心が、二つのシャフトロッド7a,7aのうちいずれか一方に近接した状態をいう。また、ガス吸入口6が幾何学的に非対称な形状であれば、質量を有する同形状の平坦部材と仮定した場合の重心を実質的な開口中心と考えることができる。
具体的には、内燃機関の寸法形状、総排気量、シャフトロッド7a,7a間の距離等に依存するものの、例えば、ガス吸入口6の縁と上記の「仮想的に後方に延長した軸線」(仮想延長軸線)との最短距離dが、好ましくはシャフトロッド7a,7a間の距離の1/3以内、より好ましくは1/5以内とされる。また、絶対値で示せば、これも種々の条件に依存するものの、上記最短距離dが、数mm〜100mm程度、より好ましくは数mm〜50mm程度、更に好ましくは数mm〜30mm程度とされる。
このように構成されたブリーザ装置では、気液分離室9が、オイル粒子(オイル分)と燃焼ガス(ガス分)との気液混合体であるブローバイガスBが流通する間にそのオイル分が分離除去されるPCV(Positive Crankcase Ventilation)オイル分離通路として機能する。
まず、オイル分を含むブローバイガスBがガス吸入口6から吸入されると、バッフルプレート1の下方を側方(矢印Hw方向)へ流動し、連通口3の下方で流上(矢印Uw方向)し、連通口3から気液分離室9の下方容積部S1へ流入する(特に図6参照)。ブローバイガスBは、その直後に蓋板4に直接衝突するか、或いは、蓋板4によって流れが乱されて内周壁55等の周囲の壁面に衝突する。
ブローバイガスBに含まれる径が比較的大きいオイル粒子(液滴)は、そこで運動量を失い易く、ブローバイガスBから分離される。そのオイル粒子は壁を伝って流下し、やがてオイル排出口(図示せず)から気液分離室9の外部へ排出される。このとき、ガス吸入口6がオイル排出口を兼ねる場合には、オイル分はそこから排出される。
その後、ブローバイガスBは、内周壁55、蓋板4及び隔壁板5によって流路を制限され、下方容積部S1内を前方(矢印Fw方向)に流動する。補助プレート10の連通口11の下方に達したブローバイガスBは、連通口11に向かって流上(矢印Uw方向)し、連通口11から気液分離室9の上方容積部S2へ流入する。
そのブローバイガスBは、内周壁55によって流路を制限され、上方容積部S2内を後方(矢印Bw方向)へ流動する。それから、凹部12a上方を進んで角隅部へ到達したブローバイガスBは、側方(矢印Mw方向)へ進路を曲げられ、凹部12b上方を通過したところで、ガス排出口60へ向かって流上する。
この際、ブローバイガスBは、上述したように流路が曲折されることにより、また、それ加えて凹部12a,12bによって流れが撹乱されることにより、径が比較的小さい微小なオイル粒子が分離除去される。こうしてオイル分が分離除去されたブローバイガスBは、ガス排出口60から排出され、内燃機関の図示しない吸気系へ戻される。
このような本発明のブリーザ装置によれば、ガス吸入口6を起点とし気液分離室9内を通ってガス排出口60に至るブローバイガスBの流路が形成され、良好な気液分離が行われる。
ここで、通常、カムシャフト7上方の空間領域へは、オイル分が比較的多量に飛散する傾向にある一方で、カムシャフト7におけるシャフトロッド7aの後端部側方の空間領域へは、オイル分の飛散が比較的少ない。そして、本実施形態では、ガス吸入口6が最後方に位置するリアジャーナルJ4の後端面よりも更に後方に形成されているので、リアジャーナルJ4及びシャフトロッド7aの後端部に邪魔されてカムシャフト7の上方空間領域からのブローバイガスBの吸引が妨げられる。
よって、オイル分の飛散量が少ないシャフトロッド7aの後端部側方からブローバイガスBを吸引できる。したがって、従来に比して気液分離室9内へのオイル分の持ち込み量を格段に低減することができる。その結果、オイルの持ち去り(持ち出し)を抑制することができると共に、ブローバイガスBの気液分離効率ひいてはブローバイガスBの還元効率の低下を抑止できる。
また、カムシャフト7のシャフトロッド7aの後端部側方では、オイル分の飛散が少ないが為にブローバイガスBの周囲への拡散が十分に行われず、そのためブローバイガスBの換気が不十分となってブローバイガスが淀み易い。こうなると、ブローバイガスBの滞留に起因してオイル劣化が促進されてしまう。
これに対し、本実施形態では、ガス吸入口6がシャフトロッド7aを仮想的に後方に延長した軸線の近傍(すなわちシャフトロッド7aの後端部側方)まで垂下するように延設されているので、ブローバイガスBが淀み易い部位からガス吸引を行うことが可能となる。よって、上述したように懸念されるオイル分の劣化及びその不都合な促進を防止することができる。その結果、オイル寿命を延長できると共に、内燃機関に対する所望の動作特性を長期に維持できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限度において様々な変形が可能である。ガス吸入口6の開口形状及び位置は図示に限られず、例えば、非矩形状に開口していてもよく、カムシャフト7のシャフトロッド7aにより近い位置に設けられていてもよい。また、補助プレート10を設けなくてもよい。このとき、下方容積部S1及び上方容積部S2は一つの空間容積部となるが、例えば、図示矢印Bw及び矢印Fw方向に延在する隔壁を底板2から突設してその空間容積を二分し、ブローバイガスBを折り返して流通させるような流路を画成しても好ましい。
本発明による内燃機関のブリーザ装置は、オイル分の持ち去りを抑制してブローバイガスの気液分離性能を向上させることができ、しかもブローバイガスの滞留(淀み)を解消できるので、更なる高出力化及び高性能化が図られ且つ更なる安全性が追求される内燃機関、及びそのような内燃機関を備える機器、動機、設備等に広く利用できる。
本発明によるブリーザ装置の一例を備える内燃機関を構成するシリンダヘッドカバーの底面図(すなわちシリンダヘッドカバーが載置されるシリンダヘッドとの接合面から見た状態を示す概略図)である。 図2(A)〜(C)は、それぞれ内周壁55の下端面に接合されるバッフルプレート1を模式的に示す平面図、側面図、及び底面図である。 補助プレート10を模式的に示す平面図である。 図4(A)〜(C)は、バッフルプレート1及び補助プレート10が取り付けられたシリンダヘッドカバー50とその下方に設けられたカムシャフトのそれぞれ正面図、底面図、及び側面図である。 図4におけるV−V線に沿って要部を示す断面図である。 カムシャフト7、バッフルプレート1及び補助プレート10の配置関係を示す斜視図である。
符号の説明
1…バッフルプレート、2b…接合部、2…底板、2a…閉塞部、3…連通口、4…蓋板、5…隔壁板、6…ガス吸入口、7…カムシャフト、7a…シャフトロッド、9…気液分離室、10…補助プレート、11…連通口、12a,12b…凹部、12…平板状部材、8a,8b,8c…貫通孔、50…シリンダヘッドカバー、51b…後段部、51…外周壁、53…環状溝条、55…内周壁、56…上壁、57…長尺側壁、58…短尺側壁、59a,59b,59c…ホルダー保持部、60…ガス排出口、B…ブローバイガス、Cm…カム、J1…フロントジャーナル(ジャーナル部)、J2,J3…中間ジャーナル(ジャーナル部)、J4…リアジャーナル(ジャーナル部)、S1…下方容積部、S2…上方容積部。

Claims (1)

  1. オイル分とガス分とを含むブローバイガスの気液分離が行われる内燃機関のブリーザ装置であって、
    シリンダヘッドカバーの内部において前記ブローバイガスが流通するように画成された気液分離室と、
    前記気液分離室と連通し、前記ブローバイガスが吸入されるガス吸入口と、
    前記気液分離室と連通し、前記オイル分が分離されたブローバイガスが排出されるガス排出口と、
    を備えており、
    前記ガス吸入口は、前記内燃機関に備わるカムシャフトに設けられた少なくとも一つのジャーナル部のうち最後方に位置するジャーナル部の後端よりも後方に形成されており、且つ、該カムシャフトの回動軸を仮想的に延長した軸線の近傍まで延設されている、
    内燃機関のブリーザ装置。
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