JP4074107B2 - フレキシブルアンビルダイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒状のマグネットローラの外周表面に着脱自在に巻き付けて用いる、表面に押切刃を備えた薄いシート状のフレキシブルアンビルダイに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば連続用紙に各種形状の切り込みを形成したり、タック紙製品やラベル紙製品等にハーフカットを形成する等の技術として、表面に永久磁石が敷設されたマグネットロールと、このマグネットロールの表面上に、磁性材料からなるフレキシブルなシート材料を使用して、このシート材料に化学処理を施すことでシート表面に押切刃を形成した所謂フレキシブルアンビルダイを巻き付け、このフレキシブルアンビルダイをマグネットロールに対して磁力により吸着させて固定させて押切ロールを構成し、この押切ロールの下に接する受胴との間に用紙を通過させて切り込みを形成する、マグネットロールとフレキシブルアンビルダイを用いた切込装置が知られている。
【0003】
そして、従来のフレキシブルアンビルダイは、図6に示すように、このマグネットロール7に対してフレキシブルアンビルダイ20を巻き付けてセットした状態とした時には、通常マグネットロール7に巻き付けたフレキシブルアンビルダイ20の先端同士の間に、約0.5mm程度の隙間間隔、所謂ギャップがあくようにフレキシブルアンビルダイ20の長さ寸法が設定されている。
したがって、フレキシブルアンビルダイ20の表面側に連続状態で等間隔のアンカット部を有するミシン刃20aからなる押切刃が形成されている場合には、フレキシブルアンビルダイ20の先端同士の隙間による影響で、この先端同士の間の部分だけアンカット部の隙間間隔の広い部分が生じることになる。
【0004】
このフレキシブルアンビルダイ20の先端同士の隙間による影響で、例えば、図7に示すように、従来のフレキシブルアンビルダイ20を用いて、3枚の複写伝票21に接着部22と略平行に切り取りミシン目23を形成したとすると、切り取りミシン目23のカット部の内、フレキシブルアンビルダイ20の先端同士の間にくる部分のカット部23aとカット部23bの間のアンカット部23cの間隔が、他のアンカット部23cの間隔よりも広くなる。
【0005】
そして、複写伝票21に形成された切り取りミシン目23により、複写伝票21の右端側を摘まんで、左側の方向に切り取る場合に、アンカット部23cの間隔が広いのでカット部23bからカット部23aに破れがつながりにくく、予期しない方向に伝票が破れてしまう危険性があるという問題がある。
【0006】
このように、フレキシブルアンビルダイ20の先端同士の間にギャップがあると、切り取り用のミシン目などを加工する場合に、切り取り用のミシン目の一部にギャップ分だけ隙間の長いアンカット部が生じることとなり、加工用紙に形成した切り取り用のミシン目の一部にスムーズに切り取ることができない部分が生じ、用紙を切り取り用のミシン目から切り取る際に確実な切り取りができない危険性があるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、マグネットロールに巻き付けて使用するフレキシブルアンビルダイを用いて、用紙に切り込みを加工する場合において、マグネットロールに巻き付けた際に生じるフレキシブルアンビルダイの先端同士の間のギャップの影響を受けることなく切り込み加工を行なうことが可能な押切刃を表面側に形成することができるフレキシブルアンビルダイを提供する。
また、特に押切刃が切り取りミシン目加工用のミシン刃である場合に、用紙に形成された切り取りミシン目のアンカット部の一部に、このフレキシブルアンビルダイの先端同士の間のギャップ分だけ、隙間間隔が長いアンカット部が形成されることを防止して、全てのアンカット部が略等間隔を有する切り取りミシン目を形成することができるフレキシブルアンビルダイを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のフレキシブルアンビルダイは、円筒状のマグネットローラの外周表面に着脱自在に巻き付けて用いるもので、表面に押切刃を備えた薄いシート状のフレキシブルアンビルダイであって、前記フレキシブルアンビルダイの前記巻き付け方向に対する両端辺の一方の端辺の少なくとも一部が凸状に形成され、更に前記フレキシブルアンビルダイの他方の端辺に、前記フレキシブルアンビルダイをマグネットローラに巻き付けた状態とした場合に、前記凸状に形成された一方の端辺と嵌まり込む状態となるように凹状が形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のフレキシブルアンビルダイは、前記押切刃が、前記マグネットローラの回転方向に対して等間隔で形成されたミシン刃からなり、前記フレキシブルアンビルダイの凸状に形成されている部分の表面側に前記ミシン刃の一部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るフレキシブルアンビルダイが適応される加工工程を概略的に示す構成図、図2は、本発明の実施形態に係るフレキシブルアンビルダイがマグネットロールに巻き付けられた状態を示す斜視図、図3は、本発明の実施形態に係るフレキシブルアンビルダイの平面図、図4は、図3のA−A線断面図、図5は、本発明の実施形態に係るフレキシブルアンビルダイを用いて切り取りミシン目を形成した伝票の平面図、図6は、従来のフレキシブルアンビルダイがマグネットロールに巻き付けられた状態を示す斜視図、図7は、従来のフレキシブルアンビルダイを用いて切り取りミシン目を形成した伝票の平面図である。
【0011】
まず、本発明のフレキシブルアンビルダイが適応される加工工程の一例を図1に基づいて説明する。
まず、この加工工程の一例では、連続用紙1を送りローラ2により搬送して印刷部3に送り込み、刷版ローラ3aと受胴ローラ3bとの間に挟み込んで連続用紙1の表面に所定の印刷を施した後、次に切込部4に連続用紙1を供給する。
【0012】
この切込部4には、表面側に押切刃5が形成されたフレキシブルアンビルダイ6が、マグネットロール7の表面側に敷設された永久磁石9により磁気吸着されて固定されている。
そして、フレキシブルアンビルダイ6が固定されたマグネットロール7は、その下側に設けられている受胴8との間に連続用紙1を挟み込んで通過させることで、フレキシブルアンビルダイ6に形成された押切刃5が連続用紙1に対して押し付けられて、連続用紙1に所望の切り込みを入れるものである。
【0013】
図2に示すように、マグネットロール7は、表面側に永久磁石9が敷設されており、またフレキシブルアンビルダイ6は、高透磁率の磁性材料からなるフレキシブルなシート状材料で形成されているので、フレキシブルアンビルダイ6をマグネットロール7の所望の位置に着脱自在に磁気吸着させて固定することができる。
そして、フレキシブルアンビルダイ6の表面側は、化学的な処理が施されて凸状の押切刃5が形成されている。
【0014】
フレキシブルアンビルダイ6の表面側に形成されている押切刃5の形状の一例を図3に基づいて説明する。
フレキシブルアンビルダイ6の表面側には、図3に示すように、切り取り用ミシン刃である押切刃5が設けられている。
この切り取り用ミシン刃である押切刃5は、マグネットローラ7に磁気吸着させて固定した状態の時に、マグネットローラ7の回転方向に対して直線状に形成されたミシン刃5aと、更に前記ミシン刃5aの各々の直線状に形成された刃型の一端を始点として、前記直線に対して傾斜した方向に形成された傾斜刃5bとから構成されている。
【0015】
また、フレキシブルアンビルダイ6をマグネットローラ7に巻き付けた状態とした場合に、その巻き付け方向に対するフレキシブルアンビルダイ6の両端辺において、傾斜刃5bが形成された部分の最も近くにある側のフレキシブルアンビルダイ6の一方の端辺には、その端辺の少なくとも一部が凸状に形成さた凸部6aが設けられている。
そして、このフレキシブルアンビルダイ6の凸部6aの表面側には、傾斜刃5bが形成されている。
【0016】
一方、フレキシブルアンビルダイ6の凸部6aが形成されていない側である他方の端辺には、マグネットローラ7にフレキシブルアンビルダイ6を巻き付けた状態とした場合に、前記凸状に形成された凸部6aが設けられた端辺と嵌まり込む状態となるように凹状が形成されている凹部6bが設けられている。
フレキシブルアンビルダイ6の両端辺に設けられた凸部6aと凹部6bは、マグネットローラ7に巻き付けると、図2に示すように、シブルアンビルダイ6の表面側に形成された1組みのミシン刃5aと傾斜刃5bとから構成されている複数の押切刃5が、フレキシブルアンビルダイ6の外周において、全て略等間隔で配置される状態となるように設けることができる。
【0017】
尚、フレキシブルアンビルダイ6に形成されている押切刃5は、図4に示すように押切刃5の刃先10の部分が鋭角となっていて、連続用紙1に対して押切刃5を押し付けた場合に、これらの刃先と同様の形状の切り取りミシン目を施すことができる。
【0018】
フレキシブルアンビルダイ6をマグネットローラ7に巻き付けた場合には、通常フレキシブルアンビルダイ6の両端部同士の間の間隔が約0.5mm程のギャップを生じるが、直線状の各ミシン刃5a同士の間隔が約0.5mm以上ある押切刃5であれば、フレキシブルアンビルダイ6の端辺に設けられた凸部6aに傾斜刃5bを形成することで、これらのギャップの影響をほとんど受けることなく連続用紙1への切り込みを行なうことができる。
【0019】
図5は、本発明の実施形態に係るフレキシブルアンビルダイ6を用いて、3枚の複写伝票11に接着部14と略平行に切り取りミシン目12を形成した状態を示した平面図であるが、フレキシブルアンビルダイ6を用いた場合、切り取りミシン目12のカット部の内、カット部12aとカット部12bの間のアンカット部12cの間隔が、全て略同一寸法で形成することが可能となる。
【0020】
また、本発明のフレキシブルアンビルダイの表面側に形成される押切刃5は、上記の切り取り用ミシン刃に限らず、他の用途に用いる種々の形状の刃型を設けることができ、各刃型の一部をフレキシブルアンビルダイ6の一端側に設けた凹部6b上に形成することで、マグネットロールに巻き付けた際に生じるフレキシブルアンビルダイの先端同士の間のギャップの影響を受けることなく、用紙に切り込み加工を行なうことが可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフレキシブルアンビルダイは、フレキシブルアンビルダイの一方の端辺に形成された凸状の部分と、他方の端辺に形成された凹状の部分が嵌まり込む状態になるようにしてあるので、マグネットロールに巻き付けた際に生じるフレキシブルアンビルダイの先端同士の間のギャップの影響を受けることがなく切り込み加工を行なうことができるという効果がある。
更に、本発明のフレキシブルアンビルダイは、押切刃が切り取り用ミシン刃である場合に、用紙に形成された切り取りミシンの全てのアンカット部を等間隔とした切り取りミシンを形成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るフレキシブルアンビルダイが適応される加工工程を概略的に示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るフレキシブルアンビルダイがマグネットロールに巻き付けた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るフレキシブルアンビルダイの平面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るフレキシブルアンビルダイを用いて切り取りミシン目を形成した伝票の平面図である。
【図6】従来のフレキシブルアンビルダイをマグネットロールに巻き付けた状態を示す斜視図である。
【図7】従来のフレキシブルアンビルダイを用いて切り取りミシン目を形成した伝票の平面図である。
【符号の説明】
1 連続用紙
2 送りローラ
3 印刷部
3a 刷版ローラ
3b 受胴ローラ
4 切込部
5 押切刃
5a ミシン刃
5b 傾斜刃
6 本発明の実施形態に係るフレキシブルアンビルダイ
6a 凸部
6b 凹部
7 マグネットロール
8 受胴
9 永久磁石
10 刃先
11,21 複写伝票
12,23 切り取りミシン目
12a,12b,23a,23b カット部
12c,23c アンカット部
14,22 接着部
20 従来のフレキシブルアンビルダイ
Claims (2)
- 円筒状のマグネットローラの外周表面に着脱自在に巻き付けて用いるもので、表面に押切刃を備えた薄いシート状のフレキシブルアンビルダイであって、
前記フレキシブルアンビルダイの前記巻き付け方向に対する両端辺の一方の端辺の少なくとも一部が凸状に形成され、更に前記フレキシブルアンビルダイの他方の端辺に、前記フレキシブルアンビルダイをマグネットローラに巻き付けた状態とした場合に、前記凸状に形成された一方の端辺と嵌まり込む状態となるように凹状が形成されていることを特徴とするフレキシブルアンビルダイ。 - 前記押切刃が、前記マグネットローラの回転方向に対して等間隔で形成されたミシン刃からなり、前記フレキシブルアンビルダイの凸状に形成されている部分の表面側に前記ミシン刃の一部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルアンビルダイ。
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