JP4072646B2 - 上皮接着性乳酸桿菌 - Google Patents
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Description
発明の背景
生来の微生物相(microbiota)は、侵入した細菌によるコロニー形成(colonization)に対して、ヒトまたは動物の身体を保護する主要な防御メカニズムの1つである。免疫抑制されていたり、抗生物質で治療されていたり、非経口的に栄養供給されている患者は、正常の糞便ポピュレーション(fecal population)に主に由来する細菌の流布により引き起こされる敗血症、髄膜炎または尿路感染症のような感染症疾患のリスクを負う。このプロセスの背後にある1つのメカニズムは、細菌の移動(translocation)であり得、それは生存細菌の、胃腸管から腸間膜リンパ節および他の臓器への移動(passage)として定義される。
血液中毒、敗血症は、高い死亡率を有する、腹部手術に伴って今だ非常に頻発する手術合併症である。細菌または細菌産物は、機能不全となった腸管壁に入り込み、肺、肝臓、心臓等のような他の遠隔臓器に感染または機能不全を誘発するかもしれず、これは多臓器機能不全またはいわゆる集中治療疾患をもたらす。これらの患者は今日、抗生物質の投与および膿瘍が存在し得る範囲の外科的処置によって治療される。現在では、抗生物質が、手術後の感染及びそれによって生ずる疾病のリスクを減少させるために、腸の外科的手術の前に慣用的に投与されている。しかしながら、抗生物質による処置は、正常な腸内細菌叢の破損、および病原性のより高い細菌の異常増殖と関連する。
これらの知見は、例えば抗菌成分の産生により又は競合的増殖によって、宿主の微生物バランスに有利に影響し得る微生物種に対する関心を増大させた。乳酸桿菌(Lactobacillus)は、最も研究された種であり、ある場合には病原体の増殖を妨害することが示されている。
腸管に棲息する細菌は、コロニー形成された(colonized)宿主において腸管内で下痢のような疾患を引き起こすかもしれないし、或いは尿路または血流のような常態では無菌の部位に二次的にコロニー形成することによって尿路感染症または敗血症を引き起こす。
病原性細菌は、いわゆるビルレンス因子(virulence factor)を所有することによって疾病を引き起こさないものとは異なる。重要なビルレンス因子は、宿主細胞の炭水化物レセプター分子に接着する能力である。これはコロニー形成を可能とし、またトキシンや他の炎症原性(inflammatogenic)物質を宿主細胞に極めて接近して運搬可能とするが故に、重要なステップである。これらの毒性物質が接着性細菌によって運搬されると、例えば腸管腔に棲息する細菌によって分泌される場合よりも、局所的にかなり高い濃度に達する。
尿路感染症を引き起こす細菌は、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター属(Enterobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)およびプロテウス属(Proteus)を含み、それらは全て腸内細菌科に属する。これらの細菌の大多数は、1型フィムブリエ(type fimbriae)を有しており、これは、例えば、ヒト膣上皮細胞上のマンノース含有レセプターおよび尿細管タンパク質であるタム−ホースフォール・タンパク質(Tamm-Horsefall protein)に接着する能力を細菌に授ける。1型フィムブリエは、膀胱炎のビルレンス因子であることが示されており、それは膣および尿管周囲の上皮細胞に結合することによって付与される尿路内を上昇する能力の増大、並びに尿路内の上皮細胞に結合することによって生ずる刺激性効果の増大の両方に依存し得る[従って、1型フィムブリエを有する細菌のみが、培養された尿路上皮細胞中で、サイトカイン反応、即ち、炎症を誘発できた。]。
下痢を引き起こす細菌は、サルモネラ属(Salmonella)および赤痢菌属(Shigella)を含むが、クレブシエラ属またはエンテロバクター属の腸管内での過剰増殖もまた幼い乳児の下痢と関連している。マウスでは、1型フィムブリエがサルモネラ属により引き起こされる下痢性疾患のビルレンス因子であることが示されている。さらに、1型フィムブリエはまた他の細菌のコロニー形成を促進し、有毒物質の上皮近くへの運搬を強化し、それによって下痢を引き起こすようである。
従来技術
EP-A2-0 199 535は、ヒト糞便から単離され、インビトロの試験で粘膜細胞に接着することができる、アシドフィルス乳酸桿菌(L.acidophilus)(ATCC受託番号53 103)の生物学的に純粋な培養物について記載する。アシドフィルス乳酸桿菌は、上部胃腸管を通過して移動をうまく行う。しかしながら、インビボでの接着については実証されていない。
WO 89/05849は、ブタの胃腸管から単離され、とりわけ、インビトロでブタ由来の胃腸上皮細胞への接着ならびに酸および胆汁に対する耐性によって選択された乳酸細菌を記載する。該細菌は、ミルクの発酵に使用でき、これは、特に、大腸菌性の下痢を予防または治療するために子ブタに与えることができる。
WO 93/01823は、インビボでヒト腸粘膜に定着する(establish)能力と更に経口投与後少なくとも10日間そこに残存する能力を有する乳酸桿菌属の菌株の単離方法に関する。該出願は、特に、2つの新規な乳酸桿菌株に関し、該菌株は、ドイツ、ブラウンシュワイヒにあるデーエスエム(DSM)(ドイツ微生物収集細胞培養GmbH)に、ブタペスト条約に従って、1991年7月2日に寄託されている。それは、
ラクトバシラス・プランタラム299 DSM 6595
(Lactobacillus plantarum 299)
カセイ乳酸桿菌 エスエスピー.ラムノサス271 DSM 6594
(Lactobacillus casei ssp. rhamnosus 271)、
及びそれらの変異体であり、胃腸管における細菌感染症の予防または治療とくに外科的手術に関連して抗生物質に代わるものとして使用されている。
SE 463 598は、細菌の胃腸管への接着を増大する調製物に関し、その調製物は、乳酸桿菌から得られたアドヘシン(adhesin)と名付けられた接着促進タンパク質を含むと言われている。
WO 90/09398は、病原体の接着、増殖および/または生存を阻害する生成物に関する。該生成物は、大腸菌、クロストリジウム属(Clostridium)、サルモネラ属、キャンピロバクター属(Campylobacter)および連鎖球菌属(Streptococcus)の菌株のような病原体を阻害する乳酸桿菌の代謝産物である。
発明の説明
現在、驚くべきことに、乳酸桿菌の特定の菌株が、D-マンノース被覆アガロース・ビーズに接着することが見出されている。その能力は、マンノース感受性様式で赤血球を凝集させる能力、並びにメチル-α-D-マンノシドにより阻害され得る様式でヒト結腸上皮細胞系HT-29に接着する能力と相互に関係している。HT-29細胞を過ヨウ素酸塩で処理すると、マンノース感受性接着が破壊され、細胞結合レセプターが炭水化物の性質を有するものであることが確認された。該細菌をプロテイナーゼKで処理しても、また接着が破壊され、結合が細菌細胞表面上のタンパク質構造と関連することが示された。従って、乳酸桿菌の接着部分、アドヘシンは、上皮細胞表面上のマンノース含有レセプターに接着するものと考えられる。この接着は、これら細菌が有する病原性細菌を妨害する能力および宿主防御メカニズムを刺激する能力に関連しているようにみえる。
特に、この接着は、病原性または潜在的に病原性である細菌の無傷の(intact)腸管上皮への移動を減じ、潜在的に病原性である細菌の直接的な上皮細胞表面への接着を阻害して有毒な炎症性物質を粘膜に運搬する能力を減じ、および粘膜の再構築に好ましい微小環境を創造することにより非特異的刺激物によって引き起こされる胃腸の炎症性障害を減じる能力をもたらす。上皮細胞との密接な関連はまた、免疫系と相互作用する細菌の能力を増大させるかもしれない。これらの乳酸桿菌属の菌株は、例えば、貪食細胞の活性化の引き金となり、抗原提示細胞を刺激して免疫の増強をもたらすかもしれない。
本発明は、マンノース特異的アドヘシン類を発現する病原性細菌の上皮細胞表面への結合を阻害する薬学的組成物を調製するための、マンノース特異的アドヘシンを有するラクトバシラス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)の使用に関する。これにより、侵入して有毒な炎症原性物質を粘膜上に運搬する病原性細菌の能力が減少される。
マンノース特異的アドヘシン類は、大腸菌、クレブシエラ属、赤痢菌属およびサルモネラ属の種、シュードモナス・エチノイデス(Pseudomonas ethinoides)、コレラ菌およびビブリオ・パラハエモリティクス(Vibrio parahaemolyticus)のような腸内細菌科のメンバーを含む、様々のグラム陰性細菌の中に記載されている。
大腸菌のマンノース特異的アドヘシンに関する最適なレセプターは明らかにされており、それは哺乳動物の糖タンパク質にみられる配列マンノースα1-4マンノースβを含むことが知られている。他の腸内細菌種のマンノース特異的アドヘシン類の正確なレセプター構造は、まだ明らかにされておらず、ラクトバシラス・プランタラム株のマンノース特異的アドヘシンのレセプター構造も明らかにされていない。しかしながら、そのレセプターはManα1-2Man配列を含むはずであると考えられている。マンノース特異的ラクトバシラス・プランタラム(L. plantarum)は、マンノース含有レセプターに結合する細菌に対して、他のレセプター構造物に結合する細菌に対する阻害効果と比較して、より強い阻害効果を有しているようである。
本発明は特に、マンノース特異的アドヘシン類を発現する病原性細菌の上皮細胞表面への結合を阻害する薬学的組成物を調製するための、D-マンノース被覆アガロース・ビーズに接着するラクトバシラス・プランタラムの使用に関する。
ラクトバシラス・プランタラムの好ましい株は:
ラクトバシラス・プランタラム299 DSM 6595
ラクトバシラス・プランタラム299v DSM 9843
ラクトバシラス・プランタラム79
ラクトバシラス・プランタラム105
ラクトバシラス・プランタラム107である。
本発明はまた、細菌性障害の予防的または治療的処置のための、マンノース特異的アドヘシン類を発現する病原性細菌の上皮細胞表面への結合を阻害する薬学的組成物を調製するための、慣用されている担体と組合せてなる、マンノース特異的アドヘシンを有するラクトバシラス・プランタラムの使用に関する。
2つの要因が、乳酸桿菌属の生態学的効果の発揮に重要であるようである。第1は、腸管にコロニーを形成する(colonize)能力、即ち、生細菌を最後に投与してからある期間、多数が生き残る能力である。この特性は、乳酸桿菌が有する病原性細菌の成長及び増殖を抑制する能力に重要であるかもしれないが、十分ではない。第2は、腸管上皮細胞に直接結合する能力である。これは、コロニー形成を促進する因子の1つであり得るが、コロニー形成に不可欠な因子ではない。上皮への接着能力は、その菌株がコロニー形成できることを保証するものではない。
本発明はさらに、マンノース特異的アドヘシン類を発現する病原性細菌のヒト腸管上皮細胞表面への接着を阻害する薬学的組成物を調製するための、マンノース特異的アドヘシンを有し、またヒト腸粘膜にコロニー形成する能力を有するラクトバシラス・プランタラムの使用に関する。
マンノース特異的1型フィムブリエを発現する病原性腸内細菌は、特に、例えば肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)およびフレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)といったクレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、サルモネラ属および赤痢菌属エスピピー(spp)、並びに大腸菌が挙げられる。
乳酸桿菌は、上皮に近接する生態学的ニッチ(ecological niche)を占拠するので、上皮細胞に直接接着する能力は、乳酸桿菌の菌株が病原性細菌による移動と粘膜炎症の誘発を減少させる上で重要であるかもしれない。上皮との密接な関連はまた、乳酸桿菌に微小環境を変化させることを可能にし、これは腸上皮細胞に直接影響して、それにより刺激物質によって引き起こされた損傷の後の修復を促進する。
本発明はまた、病原性または潜在的に病原性である細菌の無傷の腸管上皮への移動を予防的および/または治療的に処置するための、上記のようなラクトバシラス・プランタラムの使用に関する。移動は、生存細菌が腸管上皮を通過して、その結果、それらが、例えば腸間膜リンパ節、血液または他の臓器から回収されることを意味する。
腸管内での細菌性障害の予防的または治療的処置のための薬学的組成物について慣用される担体は、例えば、問題の細菌によって発酵された生理学的に許容される物質、及び特にデンプンまたはミルクに基づく様々な種類の食料品、さらにそれだけでなく、不活性な固体あるいは食塩水または水のような液体である。好適な基質は、胃腸管で再吸収されず、また乳酸桿菌で発酵されるときカルボン酸を形成する、液体または固体の繊維を含むことが望ましい。好適なデンプン含有基質の例として、オート麦および小麦のような穀類、トウモロコシ、ジャガイモのような根菜類およびグリーンバナナのような特定の果物を挙げることができる。
本発明の組成物のための好ましい基質は、組成物に優れた栄養価を与えるものであり、例えばWO 89/08405に記載されるような、オートミールに基づく栄養液である。
本発明の組成物は、任意の好適な様式、好ましくは経口的または経直腸的、例えば注腸の形態で投与され得る。それはまた、胃を経て腸管に挿入されるカテーテルを介して、あるいは直接的に腸管に、経腸的に投与され得る。試験によれば、食物繊維が、例えばオートミール粥またはβ-グルカンの形態で供給される場合に、その効果が向上することが示されている。処置は、1〜2週間の間、日に1回または数回行なわれることが望ましい。
本発明はまた、マンノース特異的アドヘシン類を発現する病原性細菌、とくに1型フィムブリエを発現する大腸菌のヒト膣および尿道の上皮細胞への接着を阻害する薬学的組成物を調製するための、上述するラクトバシラス・プランタラムの使用に関する。
図面の説明
図1は、ピアソン乗積モーメント相関係数とUPGMAに基づく、REA-法で特徴づけられた種々の試験乳酸桿菌の菌株間での類似性を%で表すデンドログラムである。
乳酸桿菌属の菌株の単離
乳酸桿菌の菌株は、ヒト粘膜からサンプリングした。結腸の種々の部分からの生検が、腸内視鏡によって行われ、小腸、すなわち空腸および回腸からの腸管粘膜の細片が、外科的手術に伴って切除された。粘膜サンプルを、直ちに特性培地(0.9% NaCl、0.1% ペプトン、0.1% Tween 80および0.02% シスチン;全数値は%重量/容量を指す)に置き、超音波浴内で2分間ホモジナイズし、1分間攪拌して、ロゴサ寒天(Rogosa agar; ディフコ・ラボラトリーズ(Difco Laboratories)、デトロイト、ミシガン州、アメリカ合衆国)上に置いた。プレートを嫌気的に37℃で2日間インキュベートした(ガス・パックアネロビック・システム、BBL)。3個のコロニーにつき1個を各プレートから無作為に取り、ロゴサ寒天上で純粋培養物として5〜9倍に増殖させ、凍結緩衝液中に濃培養物として-80℃で保存した。この手順により、ラクトバシラス・プランタラムの菌株299および299v、並びに105、275および386; フェルメンタム乳酸桿菌(Lactobacillus fermentum)8704:3; レウテリ乳酸桿菌(Lactobacillus reuteri)108、8557:1、8557:3; ラムノサス乳酸桿菌(Lactobacillus rhamnosus)271; アギリス乳酸桿菌(Lactobacillus agilis)294を単離した。同様にして、乳酸桿菌の菌株をラットおよびブタの腸管から単離した。それは、それぞれレウテリ乳酸桿菌R2LCおよび1063、1068および1044である。
乳酸桿菌の菌株も、下記のようにして、ナイジェリアのオギ(ogi)またはピト(pito)から単離した。オリジナル・サンプルを、超音波浴中で5分間処理し、ボルテックス上で2分間混合し、希釈し、続いてロゴサ寒天(ディフコ)上で3日間、37℃でインキュベートした。無作為に採種した細菌コロニーを試験した。この手順により、ラクトバシラス・プランタラム株79および107、125、98、53、97M2、97、101、120および44が得られた。
乳酸桿菌属の菌株はまた、サイレージ(silage)、すなわちラクトバシラス・プランタラム36E、256およびATCC8014から単離された。So5は、ソッカーボラゲット、アーレヴ
から得られたプランタラム乳酸桿菌の出発培養物であり、レウテリ乳酸桿菌BRはBRA-ミルク(アーラ・エコノミスク・フェーレニング
ストックホルム、スウェーデン)中で商業的に使用される菌株である。
菌株の同定
ATCC 14917TおよびDSM 20016Tは、それぞれラクトバシラス・プランタラムおよびレウテリ乳酸桿菌に対するタイプ株である。タイプ株は種を定義し、Tでマークされる。特定のタイプ株と70%以上のDNA:DNAホモロジーを有する全ての他の株は、特定の種に属すると言われる。
インターナショナル・ジャーナル・オブ・システマティックバクテリオロジー(1995)45:670-675ヨハンソン,エム−エルら(Johansson, M-L)には、単離された菌株についての、全染色体DNAの制限エンドヌクレアーゼ分析による分類が記載されている。得られた「フィンガープリント」において、比較としてトータルパターンの類似性を反映する遺伝子グループまたはクラスターが形成される。この分析法によると、ラクトバシラス・プランタラム株は図1に見られるように、異なる遺伝子グループ1a、1b、1cに分けることができた。クラスター1cに属する菌株は全て、ラクトバシラス・プランタラム299と>50%の類似性を有し、菌株299v、107、105および79は>70%の類似性を有する。
菌株299および299vは、共に健康なヒト腸粘膜から単離されたものであり、ドイツ微生物収集細胞培養GmbHにそれぞれ1991年7月2日および1995年3月16日に寄託され、寄託番号DSM 6595(299)およびDSM 9843(299v)が与えられている。
表現型同定
菌株299、299v、79、105および107は、グラム陽性の、pH5.5のロゴサ寒天上で生育するカタラーゼ陰性桿菌であり、グルコースから嫌気的に乳酸を産生することができる。それらの菌株が有する種々の炭水化物の発酵能力を表1に示す。試験は、製造業者の指示に従って、API 50 CHによって行った。
表現型的には、それらの菌株は、ラクトバシラス・プランタラムとして同定できる。
表 1
API 50CHを用い、30℃および37℃での、菌株L.プランタラム299、L.プランタラム299v、L.プランタラム107、L.プランタラム105、L.プランタラム275の発酵パターン
プラスミド・プロフィーリング
それらの菌株を、チャシー(Chassy)ら(1976)に記載される方法に従い、プラスミドの内容に関して試験を行った。ラクトバシラス・プランタラム299、299v、79および105は、同一のプラスミド・プロフィール、即ち、4、9、15、21、>30MDaの5個のプラスミドを有していた。ラクトバシラス・プランタラム107は、4、15および21MDaの3個のプラスミドを有していた。
ラクトバシラス・プランタラム299の培養
−-80℃の冷凍庫からの接種物(inoculate)を、50mlのラクトバシラス・キャリーング・メディウム(Lactobacillus Carrying Medium)(LCM、エフシミユ・アンド・ハンセン(Efthymiou & Hansen)、ジャーナル・オブ・インフェクシャスディジーズ(J. Infect. Dis.)、110: 258-267、1962)またはロゴサに加える、
−37℃にて約40時間インキュベートする、
−50mlを500ml LCM中に接種する、
−37℃にて約40時間インキュベートする、
−500mlを5リットル中に接種する、
−37℃にて約25〜30時間インキュベートする、
−10000rpmで10分間遠心する、
−生理食塩水中で1度洗浄する、
−ペレットを約1リットルの生理食塩水に溶解する。この量は、約400-500リットルのオートミール粥に十分であると評価される。培養培地は、最適化されない。恐らく、より優れた緩衝機能により、ロゴサはLCMよりも好適に作用した。2%グルコースをLCMに加えた。同じ手順が他の乳酸桿菌属の菌株を産生するのに使用することができる。
インビボでのラクトバシラス・プランタラムのコロニー形成(colonization)
インビボでのコロニー形成能力を評価するために、WO 93/01823に記載されるように、12人の健康なボランティアに10日間、8×107CFU/gの凍結乾燥した乳酸桿菌の菌株を含む100mlの液体オートミール粥を与えた。投与が完了してから10日後、ラクトバシラス・プランタラム299を、超粘膜上に優位に見い出すことができた。
別の試験で、ラクトバシラス・プランタラム105および107についてコロニー形成能力を評価した。各被験菌株を1.5×109CFU含む凍結乾燥試料が日に1度、8日間摂取された。投与を開始する1日前、および投与終了の1日および8日後に、直腸から生検材料を採取した。さらに、空腸からも生検材料を採取した。投与終了から8日後、投与された菌株は、全くロゴサ・プレートから再単離されなかった。
赤血球凝集反応試験
腸内細菌科の中、例えば、大腸菌株に存在するマンノース含有レセプターに関するアドヘシン類であって、1型フィムブリエと関連し結腸上皮細胞への結合を仲介するアドヘシン類に、乳酸桿菌の菌株のアドヘシン類が似ているかどうか調べるために、種々の起源の赤血球に対して赤血球凝集反応試験を行った。
洗浄した細菌をPBS中に2X1010/mlで懸濁し、細菌懸濁液の2倍希釈液を顕微鏡スライド上で、等量の3%赤血球懸濁PBS、または100mMのメチル-α-D-マンノシドを含むPBSと混合した。該スライドを一定の時間間隔で穏やかに傾斜させ、15分後に、裸眼および250倍の光学顕微鏡を用いて赤血球凝集をみた。15分以内に目に見える凝集を示す細菌懸濁液の最大稀釈率の逆数を、赤血球凝集力価として記録した。
赤血球の膜粘膜糖タンパク質は、マンノースを含んでおり、マンノース特異的アドヘシン類を有する大腸菌は、広範囲の赤血球をマンノース感受性様式で凝集させる。
遺伝子グループ1cに属するラクトバシラス・プランタラム株は、ヒト、モルモット、ニワトリ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、ウマおよびブタに由来する赤血球を凝集させ、より稀にではあるが、ヒツジまたはウシの赤血球も凝集させる。ヒツジおよび雄ウシの赤血球を除いて、赤血球凝集反応は、メチル-α-D-マンノシドにより完全に阻害されるか、またはかなり減ぜられた。弱いマンノース感受性赤血球凝集反応が、1bグループに属する幾つかの菌株で見られたが、他の遺伝子グループは陰性であった。
ラクトバシラス・プランタラムのマンノース感受性赤血球凝集反応(MSHA)は、大腸菌のそれと非常に似ていたが、幾つかの相違点も観察された。例えば、ラクトバシラス・プランタラムでは、ニワトリ赤血球は最も高いMSHA力価を示すが、ウマ赤血球は、最も活性が低い赤血球種の1つであった。他方、大腸菌では、ウマ赤血球は、ニワトリ赤血球よりも僅かに高く、最も高い力価を示した。モルモット赤血球は、ラクトバシラス・プランタラムおよび大腸菌の両者に対して比較的強い赤血球凝集活性を示し、それに対してヒト赤血球は、大腸菌に対しては他の赤血球と比較すると低い活性であったが、ラクトバシラス・プランタラムとの赤血球凝集反応では比較的活性であった。
HT−29細胞への接着
種々の乳酸桿菌属の菌株について、ひと結腸癌細胞系HT-29の腸上皮細胞に接着するそれらの能力を試験した(ウォルド,エー(Wold, A)ら、インフェクション・アンド・イミュニティ(Infection and Immunity)、1988年10月、p.2531-2537に記載された方法)。ヒト腺癌細胞系HT-29の細胞を、10%ウシ胎児血清、2mM L-グルタミンおよび50μg/mlのゲンタマイシンを補足したイーグル培地(シグマ・ケミカル(Sigma Chemical Co.)、セントルイス、ミズーリ州、アメリカ合衆国)中で培養した。細胞がコンフルエンスに達してから数日後、それらをEDTA含有緩衝液(0.54mM)で剥がし、洗浄し、ハンクス平衡塩類溶液(HBSS:Hank's balanced salt solution)に5x106/mlで懸濁した。細菌を回収し、洗浄し、HBSSに5x109/ml(2x597nmでの光学密度1.5)で懸濁した。細胞、細菌およびHBSSを、1:1:3の比率で混合し、エンド・オーバー・エンド回転で、30分間4℃でインキュベートした。該細胞を、氷冷PBSで1度洗浄し、中性緩衝ホルマリン(ヒストフィックス(Histofix)、ヒストラボ(Histolab)、ゲーテブログ
スウェーデン)を用いて固定した。少なくとも40個の細胞のそれぞれに付着した細菌の数を、干渉位相差顕微鏡(500倍、ニコン・オプトフォト、干渉位相差装置付き、ベルクストロム・インスツルメント
ゲーテボルク
スウェーデン)を用いて測定し、細胞当りの細菌の平均数を計算した。接着阻害を調べるために、1.5%の種々の単糖(グルコース、マンノース、メチル-α-D-マンノシド)を接着アッセイに含めた。結果を下記の表2に示す。表中、表題、および株ならびに遺伝子グループは以下の通りである:
−HT-29 VHは、細菌/−細胞の数の平均値であり;実験数はカッコ内に示してある;
−α-メチルマンノシド、マンノース、およびグルコースはそれぞれ、α-メチルマンノシド、マンノース、およびグルコースそれぞれの存在下での細菌/細胞の数の平均値を指し;実験数はカッコ内に示してある;
−nは、α-メチルマンノシドを有する又は有しないアドヘシンの比較における対の値(paired values)の数である;
−dは、α-メチルマンノシドを有する又は有しない平均差である;陽性=マンノシドを有する阻害;
−pは、比較のためのp値であり;対の値に関するスチューデントT検定である。
これらの結果から、乳酸桿菌の菌株の最初の5株は、インビトロでHT-29細胞への強力な接着を示し、その接着は、糖α-メチルマンノシドによって阻害されることが判る。
接着試験を、ラクトバシラス・プランタラムの菌株ならびに5つの大腸菌株を用いて繰り返した。4つの野生型株をパキスタン人乳児の結腸叢から単離し、ベッテルハイム,エム.エフ.ら(Bettelheim, H.F.)、ジャーナル・オブ・マイクロバイオロジー(J. Med. Microbiol.)2:225-236、1969に記載されるように、バイオタイピング(biotyping)によって大腸菌であると同定した。大腸菌株を、37℃にて、0.1% CaCl2を含む静置ルリアブロス(static Luria broth)中で終夜培養し、マンノース特異的アドヘシン類を有する1型フィムブリエの発現を促進させた。1型フィムブリエおよびマンノース特異的アドヘシンを発現する形質転換株である大腸菌506MSを、クロラムフェニコール25μg/mlを含むトリプシン処理したダイズ寒天培地上で培養した。ラクトバシラス・プランタラムの菌株を、ロゴサ寒天上で24時間、37℃で嫌気的に培養した。
接着阻害を試験するために、単糖(D-グルコース(USB、クリープランド、オハイオ州、アメリカ合衆国)、メチル-α-D-グルコシド(シグマ(Sigma))、D-マンノース(メルク、アメリカ合衆国)、N-アセチル-グルコサミン(USB)、N-アセチル-ガラクトサミン(USB)およびN-アセチル-ノイラミン酸(シグマ))を接着アッセイ中に最終濃度60mMとなるように含めた。
ヒトのボランティアにコロニー形成することが既に示されていたラクトバシラス・プランタラムの菌株299および299vは、HT-29細胞に中程度(約10細菌/細胞)まで接着することが示された。これはまた、遺伝子グループ1cに属する他のラクトバシラス・プランタラムの菌株の1つを除く全てについてそうであった。メチル-α-D-マンノシドは、これらの菌株の接着を45-73%だけ減少させた。より低い程度の接着(2-5細菌/細胞)が、グループ1bに属する菌株の中で見られた。それらの接着は、メチル-α-D-マンノシドによって、33-58%だけ減少された。遺伝子グループ1bまたは1cに属しない他のラクトバシラス・プランタラムの菌株のうち接着したのは少数で、それらの接着はメチル-α-D-マンノシドによって阻害されなかった。
D-マンノースはまた、ラクトバシラス・プランタラム299および299vの接着を減少させたが、メチル-α-D-グルコシドよりも低い程度であった。試験された他の単糖、即ち、D-グルコース、メチル-α-D-グルコシド、L-フコース、ガラクトース、N-アセチル-グルコサミン、N-アセチル-ガラクトサミンおよびN-アセチル-ノイラミン酸のいずれも、ラクトバシラス・プランタラム299および299vのHT-29細胞への接着を阻害しなかった。
試験されたマンノース特異的アドヘシン類を有する大腸菌株は、15-45細菌/細胞のレベルで接着した。大腸菌506MSの接着は、メチル-α-D-マンノシドおよびD-マンノースの両方によって、同程度(94%)まで阻害された。
60mMのメチル-α-D-マンノシドの存在下又は不存在下でインキュベーションし、洗浄し、3回の実験(大腸菌345、253、810及び476については1回の実験のみ)の平均値を求めた、細菌のHT-29細胞への接着の結果を、下の表3に示す。
アガロース・ビーズに固定されたD−マンノースへの結合
D-マンノース被覆アガロース・ビーズへの細菌の結合試験を、サンチェスおよびジョンソン(Sanchez and Jonson)(APMIS., 1990, 98: 353-357)に従って、僅かに変更を加えて行った。PBS中に1010/mlの割合で懸濁された洗浄細菌を、D-マンノースを共有結合して含む市販のアガロース・ビーズ(アガロース-p-アミノフェニル-α-D-マンノピラノシド、シグマ、セントルイス、アメリカ合衆国)または無修飾のアガロース・ビーズ(4% ビーズ化アガロース、PL-バイオケミカル、ミルウォーキー、ウイスコンシン州、アメリカ合衆国)をPBS中に含む1:4懸濁液を等量用いて顕微鏡スライド上で混合した。スライドを2分間傾け、その後、干渉位相差顕微鏡(500倍、ニコン・オプティフォト)で観察した。マンノースで被覆されたビーズへの細菌の接着の観察は、無修飾アガロース・ビーズへの結合がない場合は、陽性反応と判断された。この試験の結果を、表3に示す。マンノース被覆アガロース・ビーズへの結合は、次のようにして評価した:
− マンノースを欠くコントロール・ビーズと比較して、結合に差違は無い;
+ 細菌は、薄層でビーズの表面領域の50%以上を覆っている;
± 細菌は、厚めの層でビーズの全表面領域を覆っており、時として多層コーティングとして現れる。
D-マンノースで被覆されたアガロース・ビーズへの結合は、HT-29細胞に接着し、マンノース感受性様式で赤血球を凝集する全てのラクトバシラス・プランタラム株、即ち、グループ1cに属する全菌株、およびATCC 14917T、グループ1bに属する256および36Eで観察された。大抵の陽性の菌株は、マンノース被覆アガロース・ビーズに強く反応した;弱い反応は、ラクトバシラス・プランタラム275およびATCC 14917Tおよび256で観察された。マンノース感受性接着に対して陰性であった全てのラクトバシラス・プランタラム株はまた、サブグループ1aに属するラクトバシラス・プランタラム97を除いて、マンノースで被覆されたビーズと陰性であった。しかしながら、ラクトバシラス・プランタラム97は、時として他の実験ではマンノース感受性接着を示した。
大腸菌506MSは、強度に陽性であるラクトバシラス・プランタラム株と殆ど同じレベルで結合した。
細菌およびHT−29細胞のメタ過ヨウ素酸塩による酸化並びに酵素処理
洗浄した細菌またはHT-29細胞を、0.1Mのクエン酸−リン酸緩衝液(pH4.5)中、0.01Mメタ過ヨウ素酸塩(メルク、アメリカ合衆国)に懸濁した。細菌は、37℃で1時間インキュベートし、一方HT-29細胞は室温で15分間または30分間インキュベートした。インキュベーション後、細菌または細胞をスピンダウンし、PBS中で2回洗浄し、HBSSに再懸濁した。コントロールのインキュベーションを、上記と同じ緩衝液中0.01Mのヨウ化ナトリウム(マリンクロット・ケミカルワークス(Mallinckrodt Chemical Works)、セントルイス、ミズーリ州、アメリカ合衆国)、あるいは緩衝液のみを用いて行った。
洗浄した細菌またはHT-29細胞を、2mg/mlのプロテイナーゼK(15単位/mg、シグマ)を含むPBSまたはPBSのみに懸濁し、37℃で1時間インキュベートし、洗浄して上記のように再懸濁した。
HT-29細胞を過ヨウ素酸塩で15分間または30分間処理すると、細胞崩壊が生じ;処理と下記の接着アッセイ後には細胞の5-10%しか残らなかった。さらに、15分間処理された細胞に対するラクトバシラス・プランタラムのマンノース感受性接着は、高く維持(緩衝液コントロールとの関係でp=0.41)されたが、それに対して30分間処理された細胞は、ラクトバシラス・プランタラムにマンノース感受性様式では結合せずに(緩衝液コントロールとの関係でp=0.033)、過ヨウ素酸塩での30分間処理によって、接着がほとんど破壊された(緩衝液コントロールとの関係でp=0.0005、ヨウ素酸塩コントロールとの関係でp=0.0067)。細菌細胞表面炭水化物の過ヨウ素酸塩による酸化は、結合にあまり影響しなかった。
ラクトバシラス・プランタラムをプロテイナーゼKで処理すると、それらのHT-29細胞への接着能力が完全に破壊されたが(p=0.0008、表5)、大腸菌506MSをこの酵素で処理した後には、該細菌の接着にいかなる減少も観察されなかった。HT-29細胞のプロテイナーゼK処理は、ラクトバシラス・プランタラム299vの接着に明確な効果を有しない(P=0.36)が、1型フィムブリエを有する大腸菌506MSの接着を減少させる傾向(p=0.15、表4)があった。
これらの実験は、細胞結合レセプターが炭水化物の性質を有しており、細菌細胞表面上のタンパク質構造が該レセプターへの接着に関連することを確認する。
ネズミチフス菌のHT−29細胞への接着
サルモネラ属は、下痢性疾患の主要な病原体である。多くのサルモネラ属の菌株は、1型フィムブリエを有しており、それはマンノース感受性赤血球凝集反応によって検出できる。
胃腸疾患を有する患者由来のサルモネラ属の菌株であって、赤血球のマンノース感受性凝集反応を示すネズミチフス菌11014(Salmonella typhimurium)が、この接着試験のために選ばれた。そのサルモネラ属の菌株を、炭酸緩衝液、pH9.6中で、細菌とFITC(フルオレセインイソチオシアネート、シグマ)を終夜冷却下でインキュベートすることにより、蛍光プローブFITCで標識化した。該細胞は、接着アッセイに使用する前に、3回洗浄した。
接着のために、0.1ml HT-29細胞(5.106/ml)を、5.108蛍光サルモネラおよび5.108非標識ラクトバシラス・プランタラム299または299vと混合した。該混合物を、エンド・オーバー・エンド回転で、冷却しながら30分間インキュベートした。細胞を洗浄した後、接着している細菌を蛍光検出装置付きの顕微鏡でカウントした。結果を、下記の表に示す。
上の表から、サルモネラ菌株がマンノース感受性メカニズムを介して、ヒト結腸細胞であるHT-29細胞に接着したことが明らかである。このマンノース感受性接着は、ラクトバシラス・プランタラムによって高い程度までブロックされ得た。細菌は、同時に等しい量で存在していた。
乳酸桿菌属の菌株が、病原性菌株より先に加えられていたならば、それがマンノース特異的アドヘシン類を有する病原性細菌に代わって、それらの部位を占拠し、これにより病原性細菌が定着し、疾病を引き起こすことを不可能にするようである。
急性肝不全は、高い死亡率を有し、その死のかなりの割合が、敗血症の高い発生率に起因し得る。非常に具合が悪いか又は免疫無防備状態の患者では、殆どの感染症は患者自身の微生物叢によって引き起こされ、敗血症または多臓器不全で死亡する多くの患者は腸内細菌を有するが、これらの感染症が腸に由来したかもしれないことを示すいかなる敗血症巣も同定されない。劇症性肝不全の際、臨床的に重要な細菌性敗血症が高い頻度で起こるがゆえに、予防的処置の可能性が提起されてきた。急性肝不全においてまたは生命の危機を伴う肝臓手術の後では、腸からの細菌移動の増加があり、これから、これらの状況下で見られる感染症合併症の幾つかを説明できるかもしれない。そのメカニズムを明らかにし、可能な予防手段を見い出すために、下記のモデルがデザインされた。
ラットにおける試験
急性肝臓障害不全における乳酸桿菌の補給の効果
この実験の目的は、急性肝臓障害モデルにおいて、細菌移動の範囲に対する種々の乳酸桿菌の菌株の直腸補給の効果を研究するためものである。結腸および盲腸の腸内細菌の数に対する、そのような投与の影響についても調べた。
体重が200-300gの範囲の雄スプラグーダウリー(Sprague-Dawley)ラットを、6匹ずつ7群に分けた(正常、コントロールの急性肝臓障害(ALI)、レウテリ乳酸桿菌R2CLを補給されたもの(SR)、ラムノサス乳酸桿菌271を補給されたもの(SS)、ラクトバシラス・プランタラム299vを補給されたもの(SP)、発酵乳酸桿菌8704:3を補給されたもの(SF)。およびレウテリ乳酸桿菌108を補給されたもの(ST))。全動物は、実験を通して通常のラット用餌(R3、ラクタミン・エービー(Lactamin AB)、ストックホルム)および水を随意に与えられ、12時間の明暗サイクルで22℃の室温で飼育された。異なる乳酸桿菌属の菌株が、1日に1回、8日間、直腸から投与された。乳酸桿菌属の菌株の1日の補給は、動物1匹につき3ml中約3x109CFUであった。8日目に、1.1g/体重kgのD-ガラクトセアミン(シグマ・ケミカルCo.、セントルイス、アメリカ合衆国)を腹腔内注射することにより、急性肝臓障害を誘発した。それにより腸管腔から遠位の臓器への細菌漏出の増大をがもたらされる。急性肝臓コントロール群では、普通の食塩水が8日間毎日補給され、肝臓障害が8日目に誘発された。肝臓障害の喚起から24時間後に、サンプルを集めた。エーテル麻酔下に、正中切開によって無菌的に開腹術を行った。門脈と大動脈の血液を、細菌学的試験のために集めた。肝臓の尾状葉および腸間膜リンパ節(MLN)のサンプルを、細菌学的研究用に取得して、盲腸および直腸の内容物を細菌カウント用に取得した。
細菌学的分析において、組織サンプルを5mlの滅菌輸送培地中においた。サンプルを、超音波浴内に5分間置き、チルターン((Chiltern)、ターマグラス(Terma-Glas)、スウェーデン)上で2分間攪拌した。ブレインハートインフュージョン寒天BHI(Brain heart infusion agar BHI)(オキソイド(Oxoid))上に1.0mlのサンプルを置くことにより、全嫌気的プレート・カウント(total aerobic plate count)が行われ、37℃で3日間インキュベートされた。全嫌気的プレート・カウントは、サンプルをBHI上に置き、嫌気的条件下で37℃でインキュベートすることによって行われた。3日後、各プレート上に形成されたコロニー数をカウントし、最初の組織重量に対して修正した。組織サンプルは、組織グラム当りで表示した。全数値は、平均値±SEMで示されている。結果は、不対スチューデントt検定を用いて、統計学的に評価する。0.05未満の確立(probability level)が、優位であると判断された(p<0.05)。
ラットをラクトバシラス・プランタラム299vで予め処理すると、腸からの細菌移動が有意に減少し、肝臓の状態が改善された。
細菌の微生物叢は、盲腸および結腸の内容物からサンプルを採取することによって調べられた。それらのサンプルは、前述するように、直ちに5ml滅菌輸送培地に置かれ、超音波浴に入れられ、チルターン上で先のように攪拌された。嫌気的に37℃で24時間インキュベートされたバイオレット赤-胆汁-グルコース寒天VRBG(Violet red-bile-glucose agar VRBG)(オキソイド)から、生存腸内細菌の総数が得られた。
上記の表は、結腸ならびに盲腸の腸内細菌総数が、乳酸桿菌を補給された全ての群で減少したことを示す。
臨床試験
プロビバ((Pro Viva);ラクトバシラス・プランタラム299vで発酵されたオート麦を基礎とするバラの実スープ、スカネメジェリエルナ・エコノミスク・フェーレニング
マルモ
スウェーデン)を、ポーランド、スゼゼチンの病院で急性胃腸炎を患っている26人の子供に、平均5.5日間与えた。この製品は、朝200mlと夜200ml、1日につき400mlの量で与えられた。
処置前、全ての子供は、1日に3〜9回のゆるい便があり、処置後には、それが1日に1〜2回の便の頻度に減った。治療前、6人の患者は便培養物中に病原体を有しており、それは、3人の子供についてサルモネラ、、2人の子供について腸内病原性大腸菌、各1人の子供についてエンテロバクター・アエレモナス(Enterobacter aeromonas)およびジアルジア・インテスティナリス(Giardia intestinalis)であった。処置後、全てのこれらの病原体が便培養物から消失した。ジアルジア・インテスティナリスを除いて、これら全ての病原体は、1型フィムブリエを有し、マンノース特異的メカニズムを介して腸管上皮細胞に接着することが知られている。上皮細胞上または粘着層内でマンノース含有糖タンパク質の結合部位に関して病原体と競合するラクトバシラス・プランタラム299vの能力が、ラクトバシラス・プランタラム投与後に便培養物からこれらが細菌の消失した原因となったようである。
結論
腸管に棲息するグラム陰性細菌間でのマンノース特異的アドヘシン類の広範囲な存在は、これらのアドヘシン類が腸管のコロニー形成に重要であることを示唆する。マンノース特異的アドヘシンは、これまでラクトバシラス・プランタラムのようなグラム陽性種には確認されなかった。マンノース含有レセプターに接着する能力が、この細菌が有する明白なコロニー形成能力に重要あると推測され得る。しかしながら、粘膜レセプターに接着する能力を欠く細菌、例えば腸上皮細胞に接着しない菌株271も、腸管の優れたコロニー形成体であり得る。
上皮上でマンノース含有レセプターに結合する能力が、病原性細菌の効力を妨害する特別な能力をラクトバシラス・プランタラムに与えるようである。第1に、それは優れた腸管のコロニー形成体である。第2に、それは、病原性細菌のコロニー形成能力に重要であるレセプター部位、即ち、マンノース含有粘膜レセプターに対して、病原性細菌と競合する。第3に、腸管上皮細胞上に存在するレセプターに結合することによって、ラクトバシラス・プランタラムは、上皮細胞の即座の微細環境(micromilieu)に影響し得る。従って、乳酸桿菌によって付与された微細環境の変化は、乳酸桿菌属の細菌が上皮からより遠く離れた箇所に棲息する場合よりも、より一層上皮細胞に影響するらしい。第4に、上皮細胞上のマンノース含有レセプターに結合することによって、ラクトバシラス・プランタラムは病原性細菌の付着を妨げることができ、それにより、これら細菌の病原性作用にしばしば必須となる、有毒な、さもなければ上皮細胞を直接刺激する物質を運搬するそれらの能力を減少させる。
Claims (4)
- 1型フィムブリエを発現し且つクレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、サルモネラ属、赤痢菌属および大腸菌からなる群から選択される細菌によって引き起こされる急性胃腸炎の前記病原性細菌の接着を阻害することによる処置のための薬学的組成物の調製のための、マンノース特異的アドヘシンおよびヒト腸粘膜にコロニー形成する能力を有するラクトバシラス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)299v(寄託番号DSM9843)の使用。
- 1型フィムブリエを発現し且つクレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、サルモネラ属、赤痢菌属および大腸菌からなる群から選択される細菌によって引き起こされる尿路感染症の前記病原性細菌のヒト尿道の上皮細胞への接着を阻害することによる処置のための薬学的組成物の調製のための、マンノース特異的アドヘシンおよびヒト腸粘膜にコロニー形成する能力を有するラクトバシラス・プランタラム299v(寄託番号DSM9843)の使用。
- 薬学的組成物の調製のための、慣用されている担体と組み合わせてなる、ラクトバシラス・プランタラム299v(寄託番号DSM9843)の請求項1または2に記載の使用。
- 前記細菌が1型フィムブリエを発現する大腸菌である、請求項1−3のいずれかに記載の使用。
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