JP4072638B2 - 混合水栓柱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、庭や公園等に設置される水栓柱に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
例えば庭や公園といった屋外での給水手段としては、従来より水栓柱が用いられている。ところが、屋外において、水ではなく、湯が必要となるケースも少なくない。例えば、冬季に屋外で洗車を行ったり、手等を洗う際には、水よりも湯の方が好ましい。しかしながら、水以外に湯も吐水できるような水栓柱は、今まで全くなかった。
【0003】
本発明の目的は、庭や公園等において、水以外に湯も吐水することができる水栓柱を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下端が給水管に接続される給水用立上り管と、下端が給湯管に接続される給湯用立上り管と、両立上り管を並列状に内蔵する中空柱状ケーシングと、ケーシングの上端部に設けられかつ両立上り管の上端が接続される混合水栓とを備えている、本発明の混合水栓柱によって達成される。
【0005】
即ち、上記混合水栓柱を庭や公園等に設置すれば、ケーシングの上端部に設けられた混合水栓から、必要に応じて水と湯を選択的に吐水し、これを使用することができる。
【0006】
本発明による上記混合水栓柱は、さらに、給水用立上り管の長さ中間部に通じるようにケーシングの一側部に設けられる分岐水栓を備えている場合がある。
【0007】
混合水栓柱がさらに上記のような分岐水栓を備えていれば、例えば、分岐水栓を常時ホースを接続したホース専用とし、混合水栓をフリーとするような使い方が可能となり、それだけ利便性が向上する。分岐水栓が設けられる高さは特に限定されないが、前述のようにホース専用とする場合には、例えば地面に載置されるホースリールまでの距離がなるべく短くなるような高さに設けられるのが好ましい。
【0008】
本発明による上記混合水栓柱において、下端が給湯管に接続される給湯用立上り管に代えて、下端部に地中埋設給湯管接続部を有しかつ長さ中間部に地上配設給湯管接続部を有する給湯用立上り管が備えられ、両接続部のうち一方がこれに対応する給湯管に接続され、同他方の外端開口が蓋で閉鎖されるようになっていてもよい。
【0009】
混合水栓柱が、上記のような2つの給湯管接続部を有する給湯用立上り管を備えていれば、給湯器等の給湯源から混合水栓柱の設置箇所まで配管する給湯管を地中に埋設する場合と、同管を地上に配設する場合の双方に容易に対応することができる。特に後者の場合には、給湯管を地中に埋設する必要がなく、その分だけ配管作業の負担が減るので、例えば既存の水栓柱に代えて混合水栓柱を設置するような場合に有利に適用することができる。
【0010】
また、本発明による上記混合水栓柱において、下端が給水管に接続される給水用立上り管に代えて、下端部に地中埋設給水管接続部を有しかつ長さ中間部に地上配設給水管接続部を有する給水用立上り管が備えられ、両接続部のうち一方がこれに対応する給水管に接続され、同他方の外端開口が蓋で閉鎖されるようになっている場合もある。
【0011】
混合水栓柱が、上記のような2つの給水管接続部を有する給水用立上り管を備えていれば、給水源から混合水栓柱の設置箇所まで配管する給水管を地中に埋設する場合と、同管を地上に配設する場合の双方に容易に対応することができる。
【0012】
上記の場合において、混合水栓柱が、さらに、給水用立上り管における上端と地上配設給水管接続部との間の部分に通じるようにケーシングの一側部に設けられる分岐水栓を備えている場合もある。
【0013】
この場合も、例えば、分岐水栓を常時ホースが接続されたホース専用とし、混合水栓をフリーとするような使い方が可能であって、便利である。
【0014】
上記混合水栓柱の給水用立上り管および給湯用立上り管は、通常、硬質塩化ビニル管等の合成樹脂管または銅管等の金属管から形成されるが、給湯用立上り管については、耐熱性を要するため、その点に配慮する必要がある。
【0015】
ケーシングは、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属や、ポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂等から形成される。ケーシングの形状は、少なくとも両立上り管を並列状に内蔵できる中空柱状のものであればよく、例えば、上下両端が塞がった柱の外観を呈するものの他、上下両端のうち少なくとも一方が開口した筒状のものであってもよい。ケーシングの横断面形状は、例えば、円形、方形等にすることができる。また、ケーシングと両立上り管との間に硬質発泡樹脂等の断熱材を介在させるためのスペースをケーシング内に設けるようにしてもよい。
【0016】
給水用立上り管が接続される給水管、および給湯用立上り管が接続される給湯管は、それぞれ、地中に埋設されている場合と、地上に配設されている場合とがある。両立上り管のうち少なくとも一方が地中に埋設された給水管または給湯管に接続される場合、ケーシングは、その下端側が所要長さだけ地中に埋設されることにより、地面に立てられる。一方、両立上り管がそれぞれ地上に配設された給水管と給湯管に接続される場合、ケーシングは、その下端側が所要長さだけ地中に埋設されることにより、地面に立てられる他、ケーシング下端部が地面に載置された支持台に支持固定されるか、あるいはケーシング下端部が同部分と一体的に設けられかつ地面に載置される外方突出状支持脚で支えられることにより、地面に移動自在に立てられる場合もある。
【0017】
給水用立上り管の下端と給水管、および給湯用立上り管の下端と給湯管とは、通常、エルボ等のL形管継手を介して接続される。この場合、両L形管継手の外端開口に対応するケーシング部分に連通用孔をあけておく。好ましくは、ケーシングにおける連通用孔の周縁部に、L形管継手の外端部を、例えばビスや雌ネジを有する固定金具等を用いて固定する。また、給水用立上り管の下端と給水管、および給湯用立上り管の下端と給湯管のうち少なくとも一方の組を、前記L形管継手に代えて、ソケット等のストレート形管継手を介して接続するようにしてもよい。
【0018】
ケーシングの上端部に設けられる混合水栓としては、2ハンドル式の他、シングルレバー式等であってもよい。混合水栓は、その構成部品のうち水栓本体がケーシングの上端部内に収容され、吐水管とハンドルまたはレバーとがケーシングの外に突出させられる場合と、混合水栓全体がケーシングの上端部に外付けされる場合とがある。前者の場合、好ましくは、水栓本体を上から覆うようにケーシングの上端部にキャップが嵌め被せられる。混合水栓を前者のように配置する場合には、水栓本体が直接風雨に曝されないので耐用年数が向上し、混合水栓柱の外観がすっきりしたものとなる。また、混合水栓を後者のように配置する場合には、任意の混合水栓をケーシング上端部に後付けする事が可能であり、混合水栓の取付作業や交換作業が簡単である。
【0019】
給水用立上り管および給湯用立上り管の上端は、混合水栓の水栓本体下面に両立上り管接続口が設けられている場合には、同接続口に直接またはストレート形管継手を介して接続される。また、両立上り管の上端は、エルボ等のL形管継手を介して、混合水栓の水栓本体後面に設けられた両立上り管接続口に接続される場合もある。この場合、L形管継手の外端開口に対応するケーシング部分に連通孔をあけておく。
【0020】
分岐水栓は、通常、その構成部品のうち分岐水栓本体が給水用立上り管の長さ中間部等に通じるようにケーシング内に収容され、ハンドルと吐水管とがケーシングの一側部に外付けされる。また、分岐水栓は、その全体がケーシングの一側部に外付けされていてもよいが、その場合、給水用立上り管の長さ中間部と分岐水栓本体とを接続する給水用分岐管が必要となる。吐水管の先端部には、ホース接続口を設けておくのが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1〜4は、本発明の第1の実施形態を示すものである。図1に示すように、本発明による混合水栓柱(1)は、下端が給水管(A)に接続される給水用立上り管(2A)と、下端が給湯管(B)に接続される給湯用立上り管(2B)と、両立上り管(2A)(2B)を並列状に内蔵する中空柱状ケーシング(3)と、ケーシング(3)の上端部に設けられかつ両立上り管の上端が接続される混合水栓(4)とを備えている。
【0022】
ケーシング(3)は、上下両端が開口した円筒状のものであって、ステンレス鋼製である。
【0023】
両立上り管(2A)(2B)は銅管からなり、ケーシング(3)内に左右並列状に配置されている。給水用立上り管(2A)の下端部に、L形管継手(地中埋設給水管接続部)(5A)の上向き内端部が嵌め被せられて接合され、同様に、給湯用立上り管(2B)の下端部に、L形管継手(地中埋設給湯管接続部)(5B)の上向き内端部が嵌め被せられて接合されている。各L形管継手(5A)(5B)の右向きまたは左向き外端部には、フランジ(51)が形成されている。そして、各L形管継手(5A)(5B)の外端開口に対応するケーシング(3)部分に円形の連通用孔(31)があけられ、同孔(31)の内縁部に、パッキン(6)を介して、L形管継手(5A)(5B)のフランジ(51)がビス(7)で固定されている。各L形管継手(5A)(5B)の外端部には雌ねじ部(52)が設けられており、同雌ねじ部(52)には、図3に示すように、ストレート形管継手(8A)(8B)の一端部に設けられた雄ねじ部(81)がねじ込まれる。両ストレート形管継手(8A)(8B)の他端部は、それぞれ給水管(A)および給湯管(B)の先端部内に挿入されて接合される。
【0024】
混合水栓(4)は、水栓本体(41)と、各々ハンドル(421)を有する水側開閉弁(42A)および湯側開閉弁(42B)と、吐水管(43)とを備えた2ハンドル式のものである。
【0025】
水栓本体(41)は、青銅鋳物製であって、ケーシング(3)の上端部内に収容されている。なお、水栓本体(41)は、黄銅製やステンレス製等であってもよい。水栓本体(41)は、その下面に下方突出筒状の給水用立上り管接続口(411A)および給湯用立上り管接続口(411B)を有している。これらの接続口(411A)(411B)に、両立上り管(2A)(2B)の上端部が差し込まれて接合されている。
【0026】
水栓本体(41)の前面には、前方突出筒状の吐水管接続口(412)が設けられている。水栓本体(41)内には、給水用立上り管接続口(411A)から吐水管接続口(412)までのびる水流路(413A)と、給湯用立上り管接続口(411B)から吐水管接続口(412)までのびる湯流路(413B)とが設けられている。水栓本体(41)の左右側面に、それぞれ側方突出筒状のスピンドル取り出し口(414A)(414B)が設けられている。ケーシング(3)の上端部における吐水管接続口(412)および左右スピンドル取り出し口(414A)(414B)に対応する部分に、ほぼU形の切欠き(32)が設けられている。これらの切欠き(32)を介して、吐水管接続口(412)および左右スピンドル取り出し口(414A)(414B)が、ケーシング(3)の外に突出させられている。吐水管接続口(412)および左右スピンドル取り出し口(414A)(414B)の周囲には、これらが通されている切欠き(32)の縁との隙間を塞ぐための略環状カバー(9)がそれぞれ嵌め被せられ、カバー(9)の周縁のうち上縁を除いた部分に形成された溝(91)に、ケーシング(3)の切欠き(32)の縁部が嵌め込まれている。
【0027】
水側開閉弁(42A)および湯側開閉弁(42B)は、水流路(413A)および湯流路(413B)の各途中に設けられた弁座(422)と、弁座(422)に対して当接または離間させられる弁体(424)を備えたこま(423)と、内端側にこま(423)が取り付けられかつ外端側がスピンドル取り出し口(414A)(414B)を通じて水栓本体(41)の外に突出させられているスピンドル(425)と、スピンドル(425)の先端部に取り付けられたハンドル(421)とをそれぞれ備えている。スピンドル(425)の内端側には、スピンドル取り出し口(414A)(414B)に設けられた雌ねじ部にねじ込まれる雄ねじ部(425a)が設けられている。スピンドル取り出し口(414A)(414B)は、これの外端部に設けられた雄ねじ部(図示略)に、スピンドル挿通孔(図示略)を有するナット(11)がねじ嵌められることにより、塞がれている。ハンドル(421)は、十字形のものであって、スピンドル(425)の先端部にビス止めされている。なお、ハンドル(421)の形状は、十字形に限らず、筒形や三角形等であっても勿論よい。
【0028】
吐水管(43)は、くの字形をした金属製のものであって、その基端部が水栓本体(41)の吐水管接続口(412)内に差し込まれ、吐水管接続口(412)に設けられた雄ねじ部(図示略)に吐水管挿通孔付きナット(16)がねじ嵌められることによって、吐水管接続口(412)に回動自在に接続されている。吐水管(43)の形状は、くの字形には限定されず、その他、例えばL形等であってもよい。
【0029】
ケーシング(3)の上端部には、水栓本体を上から覆うように上キャップ(17)が嵌め被せられている。上キャップ(17)は、ドーム状の頂壁部(171)と、頂壁部(171)の周縁部から下方にのびてケーシング(3)の上端部外周面に重ねられる周壁部(172)とを備えている。頂壁部(171)の中心に、ビス挿通孔(171a)があけられており、同孔(171a)を通して、ビス(18)が、水栓本体(41)上面に設けられた上方突出筒状の雌ねじ部(415)にねじ込まれることにより、上キャップ(17)が水栓本体(41)に固定されている。
【0030】
ケーシング(3)の下端部には、下キャップ(19)が嵌め被せられている。下キャップ(19)は、円板状の底壁部(191)と、底壁部(191)の周縁から上方にのびてケーシング(3)の下端部外周面に重ねられる周壁部(192)とを備え、周壁部(192)が、ケーシング(3)の下端部にビス(7)で固定されている。
【0031】
図2〜4は、上記混合水栓柱(1)の設置例を示すものである。図2に示すように、建物の外壁(W)に設置された給湯器(H)に水を供給する給水主管(A1)が給湯器(H)の手間で分岐され、分岐された給水管(A)が混合水栓柱(1)の設置箇所まで地中を通るように配管されている。また、給湯器(H)からの湯を建物内に供給する給湯主管(B1)が建物内に入る手間で分岐され、分岐された給湯管(B)が混合水栓柱(1)の設置箇所まで地中を通るように配管されている。
【0032】
混合水栓柱(1)は、図2〜4に示すように、ケーシング(3)の下端側が所要長さだけ地中に埋設されることにより、地面に立てられている。ケーシング(3)に内蔵された両立上り管(2A)(2B)の下端は、前述したL形管継手(5A)(5B)およびストレート形管継手(8A)(8B)を介して、それぞれ給水管(A)および給湯管(B)に接続されている。
【0033】
上記のようにして屋外に設置された混合水栓柱(1)にあっては、混合水栓(4)の水側開閉弁(42A)のハンドル(421)を所要の方向に回すことにより吐水管(43)から水を吐出させることができ、混合水栓(4)の湯側開閉弁(42B)のハンドル(421)を所要の方向に回すことにより吐水管(43)から湯を吐出させることができる。
【0034】
図5〜7は、本発明の第2の実施形態を示すものである。図5に示すように、この実施形態では、混合水栓柱(10)の給湯用立上り管(20B)の長さ中間部に、地上配設給湯管接続部(202)が設けられている。給湯用立上り管(20B)は、上下2つの銅管(200)が横T形管継手(21)を介して接続されることにより形成されており、横T形管継手(21)が地上配設給湯管接続部(202)を構成している。給湯用立上り管(20B)の上管(200)の下端部および同下管(200)の上端部は、それぞれ横T形管継手(21)の上下端部内に嵌め込まれて接合されている。横T形管継手(21)の左向き外端部には、フランジ(211)が形成されている。そして、横T形管継手(21)の外端開口に対応するケーシング(3)部分に円形の連通用孔(31)があけられ、同孔(31)の内縁部に、パッキン(6)を介して、横T形管継手(21)のフランジ(211)がビス(7)で固定されている。横T形管継手(21)の外端部には雌ねじ部(212)が設けられており、同雄ねじ部(212)には、図5に示すように、ストレート形管継手(8B)の一端部に設けられた雄ねじ部(81)がねじ込まれる。ストレート形管継手(8B)の他端部は、地上配設給湯管(B)の先端部内に挿入されて接合される。給湯用立上り管(20A)の下端に設けられたL形管継手(5B)は、地中埋設給湯管接続部(201)を構成しており、同継手(5B)の左向き外端開口は、ケーシング(3)の連通用孔(31)を介して、同継手(5B)の雌ねじ部(52)にねじ込まれた雄ねじ付き蓋(22)によって閉鎖されている。なお、給水用立上り管(20A)についても、これの長さ中間部に、地上配設給湯管接続部(202)と同様の地上配設給水管接続部を設けるようにしてもよい。
【0035】
図6および7は、上記混合水栓柱(10)の施工の一例を示すものである。この施工例では、図6に示すように、屋外に設置されている既存の水栓柱(P)に代えて、図5の混合水栓柱(10)を設置するようになっている。水栓柱(P)のケーシング(P1)に内蔵された給水用立上り管(図示略)の下端には、建物の外壁(W)に設置された給湯器(H)に水を供給する給水主管(A1)から分岐された地中埋設給水管(A)が接続されている。施工に際しては、まず、水栓柱(P)の周囲の地面を掘り起こして、水栓柱(P)の立上り管下端から給水管(A)を外し、水栓柱(P)を取り出す。そして、混合水栓柱(10)の給水用立上り管(2A)の下端を、L形管継手(5A)およびストレート形管継手(8A)を介して給水管(A)に接続した後、混合水栓柱(10)のケーシング(3)の下端側を埋めて、地面に立てる。なお、混合水栓柱(10)の給湯用立上り管(20B)の下端部に設けられたL形管継手(5B)(地中埋設給湯管接続部(201))の外端開口は、予め蓋(22)で閉鎖しておく。そして、図7に示すように、給湯器(H)からの湯を建物内に供給する給湯主管(B1)を建物内に入る手間で分岐し、分岐された給湯管(B)を混合水栓柱(10)まで地上を這わせて配管する。最後に、給湯用立上り管(20B)の長さ中間部に設けられた横T形管継手(21)(地上配設給湯管接続部(202))に、ストレート形管継手(8B)を介して給湯管(B)を接続すれば、混合水栓柱(10)の施工が完了する。以上の通り、既存の水栓柱(P)に代えて本発明の混合水栓柱を設置する場合、図5に示す混合水栓柱(10)を使用すれば、給湯管(B)を地中に埋めて配管しなくてすむ分だけ配管作業の負担が減り、施工が楽になる。
【0036】
また、図5の混合水栓柱(10)は、図2に示すような施工の場合にも、使用することができる。この場合、給湯用立上り管(20B)の長さ中間部に設けられた横T形管継手(21)(地上配設給湯管接続部(202))の外端開口を蓋(22)によって閉鎖しておき、同管(20B)の下端にL形管継手(5B)等を介して地中埋設給湯管を接続すればよい。
【0037】
図8および9は、本発明の第3の実施形態を示すものである。この実施形態の混合水栓柱(1A)は、図1〜4に示す第1の実施形態の混合水栓柱(1)に、給水用立上り管(20A)の長さ中間部に通じるようにケーシング(3)の一側部に設けられる分岐水栓(400)を付加したものである。
【0038】
図9に詳しく示すように、分岐水栓(400)は、分岐水栓本体(401)と、ハンドル(421)を有する開閉弁(402)と、吐水管(403)とを備えている。
【0039】
分岐水栓本体(401)は、分岐水栓本体・立上り管長さ中間部形成用垂直部材(40)の一部によって形成されている。前記垂直部材(40)は、互いに隣接する立上り管長さ中間部形成部(40a)と、分岐水栓本体形成部(40b)とを備えており、例えば青銅鋳物等によって一体に形成されている。
【0040】
立上り管長さ中間部形成部(40a)は、上下に貫通した垂直中空部(400a)を有しており、中空部(400a)の上下両端に、給水用立上り管(20A)の上部および下部を構成する上下2つの銅管(200)が差込み接合されている。
【0041】
分岐水栓本体形成部(40b)は、立上り管長さ中間部形成部(40a)の垂直中空部(400a)に沿うように伸びかつ上下両端の2箇所で立上り管長さ中間部形成部と反対側に開口した垂直中空部(400b)を有している。立上り管長さ中間部形成部(40a)と分岐水栓本体形成部(40b)の中空部(400a)(400b)どうしは、これらを区画している垂直仕切壁(40c)の上端寄り部分にあけられた連通孔(40d)によって、互いに連通させられている。この連通孔(40d)は、分岐水栓本体(401)の水導入口(401A)を構成している。分岐水栓本体形成部(40b)の上側の開口(40e)には、スピンドル取り出し口部材(404)の内端部がねじ接合されている。スピンドル取り出し口部材(404)の外端側は、ケーシング(3)の対応箇所にあけられた上部孔(33)を介して外方に突出させられている。分岐水栓本体形成部(40b)の下側の開口(40f)には、吐水管接続口部材(405)の内端部がねじ接合されている。吐水管接続口部材(405)の外端側は、ケーシング(3)の対応箇所にあけられた下部孔(34)を介して外方に突出させられている。そして、分岐水栓本体形成部(40b)の中空部(400b)における連通孔(40d)と下側開口(40f)との間の部分が分水流路(401B)となされる。
【0042】
開閉弁(402)は、分水流路(401B)に設けられた弁座(402A)と、弁座(402A)に対して当接または離間させられる弁体(424)を備えたこま(423)と、内端側にこま(423)が取り付けられかつ外端側がスピンドル取り出し口部材(404)を通じて外方に突出させられているスピンドル(425)と、スピンドル(425)の先端部に取り付けられたハンドル(421)とを備えている。弁座(402A)は、連通孔(40d)における分岐水栓本体形成部(40b)側の周縁部に形成されている。スピンドル(425)の内端側には、スピンドル取り出し口部材(404)に設けられた雌ねじ部にねじ込まれる雄ねじ部(425a)が設けられている。スピンドル取り出し口部材(404)の外端部は、同部分に設けられた雄ねじ部(図示略)に、スピンドル挿通孔(図示略)を有するナット(11)がねじ嵌められることにより、塞がれている。ハンドル(421)は、十字形のものであって、スピンドル(425)の先端部にビス止めされている。
【0043】
吐水管(403)は、くの字形をした金属製のものであって、その基端部が吐水管接続口部材(405)内に差し込まれ、吐水管接続口部材(405)に設けられた雄ねじ部に吐水管挿通孔付きナット(16)がねじ嵌められることによって、吐水管接続口部材(405)に回動自在に接続されている。吐水管(403)の先端部には、ホース接続口部(403a)が設けられている。
【0044】
前記垂直部材(40)は、その上下2箇所でケーシング(3)にビス(406)で固定されていると共に、垂直部材(40)に取り付けられたスピンドル取り出し口部材(404)および吐水管接続口部材(405)にねじ嵌められた締め付けリング(407)によって、内外各2つの環状スペーサ(408)(409)を介して、ケーシング(3)における上部孔(33)周縁部および下部孔(34)周縁部に締め付け固定されている。
【0045】
上記の混合水栓柱(1A)にあっては、分岐水栓(400)を常時ホースを接続したホース専用とし、混合水栓(4)をフリーとするような使い方が可能となり、便利である。なお、分岐水栓(400)は、ホースリールを介してホースが接続される場合を考慮すると、該分岐水栓(400)の吐水管(403)とホースリールの水導入口とを繋ぐ連結用ホースの長さをできるだけ短くし得るように、例えば地上から約30cm程度の高さに吐水管が配置されるように設けておくのが好ましい。もっとも、分岐水栓(400)の配置は上記に限定されず、設置箇所の状況等に応じて適宜に決めればよい。
【0046】
図10は、本発明の第4の実施形態を示すものである。この実施形態は、以下の点を除いて、図8および9に示した第3の実施形態と同じである。即ち、図10の混合水栓柱(1B)にあっては、給湯用立上り管(2B)の下端が地面と混合水栓(4)との中間に位置するように、該立上り管(2B)が短くなされている。また、これに伴い、給湯用立上り管(2B)の下端部に接合されるL形管継手(5B)に対応する連通用孔(図示略)も、ケーシング(3)の長さ中間部にあけられている。前記L形管継手(5B)およびこれの外端部に接続されたストレート形管継手(8B)を介して給湯用立上り管(2B)の下端に接続される給湯管(B)は、図10に示すように、地上に配管されている。以上の構成から明らかなように、この混合水栓柱(1B)を既設の水栓柱と取り替えて設置する場合、給湯管(B)については、新たに地中に埋めて配管することなく、屋外の給湯器等から簡易に地上配管することが可能であり、それだけ施工が楽になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであって、混合水栓柱の全体を示す斜視図である。
【図2】図1の混合水栓柱の設置例を示す斜視図である。
【図3】混合水栓柱の拡大垂直縦断面図である。
【図4】混合水栓柱の上端部の水平横断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示すものであって、混合水栓柱の垂直縦断面図である。
【図6】図5の混合水栓柱の施工の1過程を示す斜視図である。
【図7】図5の混合水栓柱の設置状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示すものであって、混合水栓柱の設置状態を示す垂直縦断面図である。
【図9】図8の混合水栓柱の一部を拡大して示す垂直縦断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態を示すものであって、混合水栓柱の設置状態を示す垂直縦断面図である。
【符号の説明】
(1)(1A)(1B)(10):混合水栓柱
(2A)(20A):給水用立上り管
(2B)(20B):給湯用立上り管
(201):地中埋設給湯管接続部
(202):地上配設給湯管接続部
(22):蓋
(3):ケーシング
(4):混合水栓
(400):分岐水栓
(A):給水管
(B):給湯管
Claims (6)
- 下端が給水管に接続される給水用立上り管と、下端が給湯管に接続される給湯用立上り管と、両立上り管を並列状に内蔵する中空柱状ケーシングと、ケーシングの上端部に設けられかつ両立上り管の上端が接続される混合水栓とを備えてなり、
混合水栓は、ケーシングの上端部内に収容される水栓本体と、各々ハンドルを有する水側開閉弁および湯側開閉弁と、吐水管とを有しており、
水栓本体の前面に設けられた前方突出筒状の吐水管接続口および水栓本体の左右側面にそれぞれ設けられた側方突出筒状のスピンドル取り出し口が、これらに対応するケーシングの上端部に設けられたほぼU形の切欠きを介して、ケーシングの外に突出させられ、
吐水管接続口に吐水管が回動自在に接続され、スピンドル取り出し口を通じて水栓本体の外に突出させられた各開閉弁のスピンドルの先端部にハンドルが取り付けられている、混合水栓柱。 - 吐水管接続口および左右スピンドル取り出し口の周囲に、これらが通されている切欠きの縁との隙間を塞ぐための略環状カバーがそれぞれ嵌め被せられ、カバーの周縁のうち上縁を除いた部分に形成された溝に、ケーシングの切欠きの縁部が嵌め込まれている、請求項1記載の混合水栓柱。
- ケーシングの上端部に、水栓本体を上から覆うように上キャップが嵌め被せられており、
上キャップは、頂壁部と、頂壁部の周縁部から下方にのびてケーシングの上端部外周面に重ねられる周壁部とを備えたものであって、頂壁部の中心にあけられたビス挿通孔を通して、ビスが、水栓本体上面に設けられた上方突出筒状の雌ねじ部にねじ込まれることにより、水栓本体に固定されている、請求項1または2記載の混合水栓柱。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の混合水栓柱において、下端が給湯管に接続される給湯用立上り管に代えて、下端部に地中埋設給湯管接続部を有しかつ長さ中間部に地上配設給湯管接続部を有する給湯用立上り管が備えられ、両接続部のうち一方がこれに対応する給湯管に接続され、同他方の外端開口が蓋で閉鎖されるようになっている、混合水栓柱。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の混合水栓柱において、下端が給水管に接続される給水用立上り管に代えて、下端部に地中埋設給水管接続部を有しかつ長さ中間部に地上配設給水管接続部を有する給水用立上り管が備えられ、両接続部のうち一方がこれに対応する給水管に接続され、同他方の外端開口が蓋で閉鎖されるようになっている、混合水栓柱。
- ケーシングに内蔵された給水用立上り管の下端に地中埋設給水管が接続されている既存の水栓柱の周囲の地面を掘り起こして、水栓柱の立上り管下端から給水管を外し、水栓柱を取り出す工程と、
給水用立上り管と、下端部に地中埋設給湯管接続部を有しかつ長さ中間部に地上配設給湯管接続部を有する給湯用立上り管と、両立上り管を並列状に内蔵する中空柱状ケーシングと、ケーシングの上端部に設けられかつ両立上り管の上端が接続される混合水栓とを備えた混合水栓柱を用意して、その地中埋設給湯管接続部の外端開口を蓋で閉鎖するとともに、その給水用立上り管の下端を給水管に接続した後、混合水栓柱のケーシングの下端側を埋めて、地面に立てる工程と、
給湯器からの湯を建物内に供給する給湯主管を建物内に入る手前で分岐し、分岐された給湯管を混合水栓柱まで地上を這わせて配管する工程と、
給湯用立上り管の地上配設給湯管接続部に給湯管を接続する工程とを含んでいる、混合水栓柱の施工方法。
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