JP4161128B2 - 水栓柱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、庭や公園等に設置される水栓柱に関する。
【0002】
【従来の技術】
水栓柱としては、中空柱状ケーシング内に、下端部が給水配管に接続されかつ上端部に給水栓が接続される給水用立上り管が収容されているものがよく知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
ところで、屋外において、水栓柱から水を取り出して自動灌水を行いたい場合がある。この場合、図7に示すように、水栓柱(91)に取り付ける給水栓として、吐水口(921)と分水口(922)とを備えたいわゆる双口水栓(92)が用いられるのが一般的である。図7において、双口水栓(92)の吐水口(921)は前向きに形成され、分水口(922)は下向きに形成されている。そして、分水口(922)に灌水制御装置(6)の水入口(62)が接続され、該装置の水出口(63)に分岐ホース(P2)が接続されている。
【0004】
【特許文献1】
登録実用新案第3062077号公報(図4)
【特許文献2】
登録実用新案第3043782号公報(図1、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示す水栓柱(91)にあっては、分岐ホース(P2)が双口水栓(92)の分水口(922)から垂れ下がった状態になるため、見栄えが良くなかった。
【0006】
また、双口水栓(92)の分水口(922)に灌水制御装置(6)が接続されるため、双口水栓(92)の吐水口(921)から水を吐出させて使用する際に上記装置(6)が邪魔になり、使い勝手が良くなかった。
【0007】
本発明の目的は、分水配管を見栄えよく配管することのできる水栓柱を提供することにある。また、本発明の他の目的は、灌水制御装置を給水栓からの吐水の邪魔にならないように設置することができる水栓柱を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明による水栓柱は、中空柱状ケーシング内に、下端部が給水管に接続されかつ上端部に給水栓が接続される給水用立上り管と、給水栓または立上り管から分岐しかつ下端部に分水配管が接続される分水用垂下管とが収容されていることを特徴とする。
【0009】
上記水栓柱によれば、分水用垂下管がケーシング内に収容され、その下端部に分水配管が接続されるので、見栄えがよい。また、分水配管への分岐栓を水栓柱に設けておくことにより、分水配管の水が無断で他人に使用されるのを防止することができる。
【0010】
本発明による水栓柱において、垂下管の長さ中間部に、灌水制御装置が介在されている場合がある。
【0011】
上記水栓柱によれば、灌水制御装置が、給水栓の吐水口から離れた位置に配されるため、給水栓からの吐水の邪魔にならず、使い勝手がよい。
【0012】
上記の場合において、灌水制御装置は、ケーシング内またはこれと一体に設けられたボックス内に収容されており、ケーシングまたはボックスに、灌水制御装置の操作部を露出させるための開口部が設けられているのが好ましい。
【0013】
灌水制御装置がケーシング内またはこれと一体のボックス内に収容されることにより、見栄えが良くなる。また、灌水制御装置が風雨にさらされないため、それだけ耐用年数が増す。ケーシングまたはボックスの開口部は、常時開放されていてよいが、開閉可能な蓋によって閉鎖するようにしてもよい。
【0014】
ケーシングは、その下部が地中に埋設されることにより地面に固定状に立てられる場合と、ケーシング下端に基台を設けることにより地面に移動可能に立てられる場合とがある。前者の場合、立上り管の下端部は、通常、地中に埋設された給水配管に接続される。後者の場合、立上り管の下端部は、地上に配設された給水ホース等の給水配管に接続される。
【0015】
垂下管の下端部に接続する分水配管は、地中に埋設してもよいし、地上に配設してもよい。特に前者の場合、分水配管が人目に触れないため見栄えがよく、また、分水配管が人や自動車等に踏まれて破損する心配がない。さらに、壁等で隔てられた箇所への分水配管も可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1〜6を参照して、以下に本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明において、図1および5の各右を「前」といい、同左を「後」というものとする。
【0017】
図1〜4は、本発明の第1の実施形態を示すものである。この実施形態の水栓柱(1)は、中空柱状ケーシング(2)内に、下端部が給水配管(P1)に接続されかつ上端部に給水栓(3)が接続される給水用立上り管(4)と、給水栓(3)から分岐しかつ下端部に分水配管(P2)が接続される分水用垂下管(5)とが収容されてなる。垂下管(5)の長さ中間部には、灌水制御装置(6)が介在されている。灌水制御装置(6)は、ケーシング(2)と一体に設けられたボックス(7)内に収容されている。ボックス(7)には、灌水制御装置(6)の操作部(61)を露出させるための開口部(71)が設けられている。
【0018】
ケーシング(2)は、方形の横断面を有している。ケーシング(2)の下端部には、外方に張り出した基台部(21)が設けられている。ケーシングの左右側壁(22)後半部および後壁(23)は、これらの上端側が長方形に切り欠かれている。つまり、ケーシング(2)の上部後半部に、横から見てL形の切欠部(24)が形成されている。
【0019】
ボックス(7)は、前壁、左右側壁および上下壁を有しており、ボックスの開口部(71)は後方を向いている。このボックス(7)の略前半部がケーシング(2)の切欠部(24)に嵌め込まれ、ボックス前壁(71)の4隅部がビス(図示略)によりケーシング(2)に固定されている。
【0020】
立上り管(4)は、ケーシング(2)内部の前側に収容されている。立上り管(4)の下端部には、エルボ(8)の一端部が接続されている。エルボ(8)の他端部は、ケーシング(2)の前壁下端部にあけられた孔(25)の縁に取り付けられている。立上り管(4)は、このエルボ(8)を介して、給水配管(P1)に接続される。
【0021】
給水栓(3)は、ケーシング(2)の上端に配されている。給水栓本体(31)は、下方に突出した水流入口(311)を有している。この水流入口(311)が、ケーシング(2)上壁の孔(26)に挿入されて、立上り管(4)の上端部に接続されている。給水栓本体(31)は、その上側および後側に水流出口(312)(313)を有している。上側の水流出口(312)には、吐水管(32)が回動自在に接続されている。後側の水流出口(313)は、分水口となされる。また、給水栓(3)には、それぞれハンドル(331A)(331B)を備えた吐水用開閉弁(33A)および分水用開閉弁(33B)が設けられている。
【0022】
垂下管(5)は、上部管(51)と下部管(52)とで構成されており、上部管(51)と下部管(52)との間に灌水制御装置(6)が介在されている。上部管(51)は、L形管よりなり、その上端部が給水栓本体(31)の分水口(313)に接続されている。上部管(51)の下端部は、ボックス(7)上壁の孔(71)を通じてボックス(7)内に挿入されている。下部管(52)は、直管よりなり、ケーシング(2)内部の後側に収容されている。下部管(52)の下端部にエルボ(8)の一端部が接続されている。エルボ(8)の他端部は、ケーシング(2)の後壁下端部にあけられた孔(27)の縁に取り付けられている。下部管(52)は、このエルボ(8)を介して、分水配管(P2)に接続される。下部管(52)の上端部は、ボックス(7)下壁を貫通してボックス(7)内に挿入されている。
【0023】
灌水制御装置(6)は、垂直通水部、電磁弁、電池収容部、弁制御ユニット等を内部に備えている(図示略)。そして、通水部の上端に水入口(62)が、同下端に水出口(63)が設けられている。水入口(62)には、垂下管(5)の上部管(51)の下端部が接続されている。水出口(63)には、垂下管(5)の下部管(52)の上端部が接続されている。前記装置(6)の操作パネル(61)は、開閉自在なカバー(64)で被覆できるようになっている。
【0024】
図3は、上記水栓柱(1)の設置例を示すものである。図3において、水栓柱(1)のケーシング(2)は、その下部が地中に埋設されることにより、地面に固定状に立てられている。給水用立上り管(4)の下端部は、地中埋設給水配管(P1)に接続されている。分水用垂下管(5)の下端部は、地中埋設分水配管(P2)に接続されている。分水配管(P2)は、例えばガレージのような、囲い壁(W1)によって水栓柱(1)と隔てられた箇所まで延びている。分水配管(P2)の先端は、前記箇所に設けられた散水ボックス(B)内の水栓(F1)に接続されている。そして、この水栓(F1)に接続されたホース(H)の先端から吐水することにより、例えば洗車等を行うことができる。また、灌水制御装置(6)を用いて自動灌水を行うことも勿論可能である。図3の場合、分水配管(P2)が外に露出しないため、見栄えがよく、水栓柱(1)の周りがスッキリとしている。
【0025】
図4は、上記水栓柱(1)のもう1つの設置例を示すものである。図4において、水栓柱(1)のケーシング(2)は、その下端の基台部(21)が地面に載置されることにより、地面に移動可能に立てられている。立上り管(4)の下端部は、建物の外壁(W2)に設置された水栓(F2)から延びる地上配設給水配管(ホース)(P1)に接続されている。垂下管(4)の下端部は、地上配設分水配管(ホース)(P2)に接続されている。分水配管(P2)の先端には、スプリンクラー(S)が接続されている。そして、水栓柱(1)に組み込まれた灌水制御装置(6)を用いて、スプリンクラー(S)からの自動灌水が行われる。
【0026】
図5および6は、本発明の第2の実施形態を示すものである。この実施形態の水栓柱(10)は、中空柱状ケーシング(20)内に、下端部が給水配管に接続されかつ上端部に給水栓(30)が接続される給水用立上り管(40)と、給水栓(30)から分岐しかつ下端部に分水配管が接続される分水用垂下管(50)とが収容されてなる。図5から明らかなように、水栓柱(10)には、灌水制御装置は組み込まれていない。
【0027】
ケーシング(20)は、その全長に渡って方形の横断面を有している。ケーシング(20)の下端部外周には、フランジ(201)が形成されている。ケーシング(20)の下端開口は、これに嵌め込まれた底蓋(202)によって閉鎖されている。
【0028】
立上り管(40)は、ケーシング(20)内部の前側に収容されている。立上り管(40)の下端部には、エルボ(8)の一端部が接続されている。エルボ(8)の他端部は、ケーシング(20)の前壁下端部にあけられた孔(203)の縁に取り付けられている。立上り管(40)は、このエルボ(8)を介して、給水配管に接続される。
【0029】
給水栓(30)は、ケーシング(20)の上端部に配されている。給水栓本体(301)は、ケーシング(20)の上端部内に収容されている。この給水栓本体(301)は、下方に突出した水流入口(301A)を有しており、これが立上り管(40)の上端部に接続されている。また、給水栓本体(301)は、その上側および後側に水流出口(301B)(301C)を有している。上側の水流出口(301B)は、雄ネジを有しており、ケーシング(20)上壁の孔(204)を貫通して上方に突出させられている。この水流出口(301B)の上方突出部分にナット(302)がねじ嵌められることにより、給水栓本体(301)がケーシング(20)上壁に固定されている。上側の水流出口(301B)には、吐水管(303)が回動自在に接続されている。後側の水流出口(301C)の先端は下方を向いており、これが分水口となされる。また、給水栓本体(301)には、吐水用開閉弁(304)および分水用開閉弁(305)が設けられている。両開閉弁のスピンドル(304A)(305A)は、ケーシング(20)の左右側壁上端部を貫通して外方に突出させられており、これらの先端にハンドル(304B)(305B)が取り付けられている。
【0030】
垂下管(50)は、ケーシング(20)内部の前側に収容されている。垂下管(50)の上端部は、給水栓本体(301)の分水口(301C)に接続されている。垂下管(50)の下端部にエルボ(8)の一端部が接続されている。エルボ(8)の他端部は、ケーシング(20)の後壁下端部にあけられた孔(205)の縁に取り付けられている。垂下管(50)は、このエルボ(8)を介して、分水配管に接続される。
【0031】
この水栓柱(10)は、図3に示す水栓柱(1)とほぼ同様に設置され、使用に供される。
【0032】
以上に挙げた2つの実施形態はあくまでも例示にすぎず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜に変更を加えた上で本発明を実施することは勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであって、水栓柱の側面図である。
【図2】図1の水栓柱の上部の分解斜視図である。
【図3】図1の水栓柱の設置例を示す垂直断面図である。
【図4】図1の水栓柱の他の設置例を示す垂直断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示すものであって、水栓柱の垂直断面図である。
【図6】図5の水栓柱の平面図である。
【図7】従来の水栓柱の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
(1)(10):水栓柱
(2)(20):ケーシング
(3)(30):給水栓
(4)(40):給水用立上り管
(5)(50):分水用垂下管
(6):灌水制御装置
(61):操作部
(7):ボックス
(71):開口部
(P1):給水配管
(P2):分水配管
Claims (2)
- 中空柱状ケーシング(2)内に、下端部が給水配管(P1)に接続されかつ上端部に給水栓(3)が接続される給水用立上り管(4)と、給水栓(3)または立上り管から分岐しかつ下端部に分水配管(P2)が接続される分水用垂下管(5)とが収容され、垂下管 (5) の長さ中間部に、灌水制御装置 (6) が介在されていることを特徴とする、水栓柱。
- 灌水制御装置(6)は、ケーシング(2)内またはこれと一体に設けられたボックス(7)内に収容されており、ケーシング(2)またはボックス(7)に、灌水制御装置(6)の操作部(61)を露出させるための開口部(71)が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の水栓柱。
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