JP4072628B2 - ロボットのキャリブレーション方法およびシステム - Google Patents

ロボットのキャリブレーション方法およびシステム Download PDF

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Description

[技術分野]
本発明は、ロボットのキャリブレーション装置および方法に関し、特にロボットの制御点の位置を一定に保って、ロボットの姿勢だけを変化させるような指令をロボットに与えた際に生じる制御点の位置ずれ量を測定することによって、ロボットのキャリブレーションを行なう装置および方法に関する。
[背景技術]
一般にロボット、特に多関節型ロボットでは、制御装置内部に持っているロボットパラメータすなわち、原点姿勢におけるリンク間角度、リンク間のねじれ角、リンク間の距離、リンク長さなどの、ロボットアームの幾何学的構成を記述する数値と、実際のロボットの数値との間に誤差があるので、前記制御装置が認識する前記ロボットの位置および姿勢と、前記ロボットの実際の位置および姿勢の間に誤差が生じる。前記制御装置が認識する前記ロボットの位置および姿勢を前記ロボットの実際の位置および姿勢と比較し、前記制御装置の持つロボットパラメータに補正を加えて、この誤差を修正することをロボットのキャリブレーションという。
このロボットのキャリブレーションの第1の従来技術の例として、日本特開平6−274213号公報に示された方法がある。これは次のような方法である。
ロボットの周囲に固定した複数の基準点を設け、この基準点ごとにロボットの手首部に取り付けたツールの先端の点がこの基準点に一致するような、複数の異なる姿勢を教示して、この教示点を登録する。これを繰り返して(基準点数×姿勢数)個の教示点を登録する。これら教示点のデータを用いて補正量を算出する。
しかし、この第1の従来技術では、操作者がツールの先端を確認しながら教示ボックスのキーを操作し、ロボットの微小位置決めを行なう必要があるため、操作が非常に煩雑であり、時間を要するという欠点があった。
この欠点を解消する第2の従来技術の例が、日本特開平5−261682号公報で提案されている。これは次のような方法である。
6軸の動作自由度を持ち、各自由度ごとに変位検出機能を持つキャリブレーション装置を、ロボットからの相対位置関係が既知であるか、または正確に測定出来るような場所に取り付け、前記キャリブレーション装置の先端部と前記ロボットの手首先端部を機械的に結合させ、前記キャリブレーション装置の変位検出手段から得られる位置データ、姿勢データからロボットの位置データ、姿勢データを逆算し、ロボットのキャリブレーションを行なう方法である。
ところが、この第2の従来技術でも、次の様な問題があった。
(1)前記キャリブレーション装置は6自由度の変位検出機能を要するので、複雑で高価になる。
(2)また前記キャリブレーション装置とロボットとの間の相対的位置と姿勢を正確に計測するのが困難である。
[発明の開示]
そこで本発明は、複雑な操作を伴わない、自動化が容易なキャリブレーション方法およびシステムを提供することを目的とする。
上記の問題を解決するために、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる第3の回転軸と、手首部を揺動させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首の先端部を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、を備えたロボットに対し、姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させる指令を与え、この結果生じた前記手首部先端に結合された自在継手の回動中心点の変位に基づいて前記第2の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーション方法において、前記第1と第3の回転軸とが平行になるような前記第2の回転軸の角度を前記第2の回転軸の原点としたとき、前記第1の姿勢は、前記原点から前記第2の回転軸を所定角度回転させた姿勢であり、前記第2の姿勢は前記第1の姿勢から、前記第3の回転軸を180度回転させ、前記第2の回転軸を前記原点から前記所定角度逆に回転させた姿勢であることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、第2のアーム部を旋回させる、鉛直な第6の回転軸と、前記第2のアーム部を前後方向に回転させる、第5の回転軸と、前記第2のアーム部先端に設けられて第1のアーム部を上下方向に回転させる、前記第5の回転軸に対して平行な第4の回転軸と、前記第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる、前記第4の回転軸に対して垂直な第3の回転軸と、前記第1のアーム部先端に設けられて手首部を回転させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首部の先端を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、を備えたロボットに対し、前記ロボットの手首部先端に結合された自在継手の回動中心点を動かさないように姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させる指令を与え、この結果生じた前記回動中心点の変位に基づいて前記第3の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーション方法において、前記第2回転軸が水平になるような前記第3の回転軸の角度を前記第3の回転軸の原点としたとき、前記第1の姿勢は、前記原点から、前記第1のアーム部を前記第3の回転軸回りに90度回転させ、前記手首部を前記第2の回転軸回りに第1所定角度回転させ、前記第1の回転軸を水平とした姿勢であり、前記第2の姿勢は、前記第1の姿勢から、前記第1のアーム部および前記手首部を前記第6の回転軸回りに第2所定角度旋回させ、前記第1のアーム部を前記原点から前記第3の回転軸回りに90度逆に回転させた姿勢であり、前記第1と第2の姿勢における前記手首部が、前後方向のX軸、左右方向のY軸、および上下方向のZ軸で構成されるロボット座標系におけるXZ平面に関して、それぞれ鏡像の関係となることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、第2のアーム部を旋回させる、鉛直な第6の回転軸と、前記第2のアーム部を前後方向に回転させる、第5の回転軸と、前記第2のアーム部先端に設けられて第1のアーム部を上下方向に回転させる、前記第5の回転軸に対して平行な第4の回転軸と、前記第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる、前記第4の回転軸に対して垂直な第3の回転軸と、前記第1のアーム部先端に設けられて手首部を回転させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首部の先端を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、を備えたロボットに対し、前記ロボットの手首部先端に結合された自在継手の回動中心点を動かさないように姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させる指令を与え、この結果生じた前記回動中心点の変化に基づいて前記第4の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーション方法において、前記第3の回転軸が水平になるような前記第4の回転軸の角度を前記第4の回転軸の原点としたとき、前記第1の姿勢は、前記原点から、前記第1のアーム部を前記第4の回転軸回りに第3所定角度回転させ、前記手首部を前記第2の回転軸回りに第4所定角度回転させた姿勢であり、前記第2の姿勢は、前記第1のアーム部を前記原点から前記第4の回転軸回りに前記第3所定角度逆に回転させ、前記第1のアーム部を前記第3の回転軸回りに180度回転させた姿勢であり、前記第1と第2の姿勢における前記手首部および前記第1のアーム部が、それぞれ前記第4の回転軸を含む水平面に関して鏡像の関係となることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる第3の回転軸と、手首部を揺動させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首の先端部を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、から少なくとも構成されたロボットと、前記ロボットの手首部先端に結合される自在継手と、前記自在継手の回動中心点の変位を検出する変位検出手段と、を備え、前記ロボットの姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させた結果生じた前記回動中心点の変位に基づいて、前記第2の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーションシステムにおいて、前記第1と第3の回転軸とが平行になるような前記第2の回転軸の角度を前記第2の回転軸の原点としたとき、前記第1の姿勢は、前記原点から前記第2の回転軸を所定角度回転させた姿勢であり、前記第2の姿勢は、前記第1の姿勢から、前記第3の回転軸を180度回転させ、前記第2の回転軸を前記原点から前記所定角度逆に回転させた姿勢であることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、第2のアーム部を旋回させる、鉛直な第6の回転軸と、前記第2のアーム部を前後方向に回転させる、第5の回転軸と、前記第2のアーム部先端に設けられて第1のアーム部を上下方向に回転させる、前記第5の回転軸に対して平行な第4の回転軸と、前記第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる、前記第4の回転軸に対して垂直な第3の回転軸と、前記第1のアーム部先端に設けられて手首部を回転させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首部の先端を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、から少なくとも構成されたロボットと、前記ロボットの手首部先端に結合される自在継手と、前記自在継手の回動中心点の変位を検出する変位検出手段と、を備え、前記回動中心点を動かさないように前記ロボットの姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させる指令を与え、この結果生じた前記回動中心点の変位に基づいて、前記第3の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーションシステムにおいて、前記第2回転軸が水平になるような前記第3の回転軸の角度を前記第3の回転軸の原点としたとき、前記第1の姿勢は、前記原点から、前記第1のアーム部を前記第3の回転軸回りに90度回転させ、前記手首部を前記第2の回転軸回りに第1所定角度回転させ、前記第1の回転軸を水平とした姿勢であり、前記第2の姿勢は、前記第1の姿勢から、前記第1のアーム部および前記手首部を前記第6の回転軸回りに第2所定角度旋回させ、前記第1のアーム部を前記原点から前記第3の回転軸回りに90度逆に回転させた姿勢であり、前記第1と第2の姿勢における前記手首部が、前後方向のX軸、左右方向のY軸、および上下方向のZ軸で構成されるロボット座標系におけるXZ平面に関して、それぞれ鏡像の関係となることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、第2のアーム部を旋回させる、鉛直な第6の回転軸と、前記第2のアーム部を前後方向に回転させる、第5の回転軸と、前記第2のアーム部先端に設けられて第1のアーム部を上下方向に回転させる、前記第5の回転軸に対して平行な第4の回転軸と、前記第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる、前記第4の回転軸に対して垂直な第3の回転軸と、前記第1のアーム部先端に設けられて手首部を回転させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首部の先端を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、から少なくとも構成されるロボットと、前記ロボットの手首部先端に結合される自在継手と、前記自在継手の回動中心点の変位を検出する変位検出手段と、を備え、前記回動中心点を動かさないように前記ロボットの姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させる指令を与え、この結果生じた前記回動中心点の変位に基づいて、前記第4の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーションシステムにおいて、前記第3の回転軸が水平になるような前記第4の回転軸の角度を前記第4の回転軸の原点としたとき、前記第1の姿勢は、前記原点から、前記第1のアーム部を前記第4の回転軸回りに第3所定角度回転させ、前記手首部を前記第2の回転軸回りに第4所定角度回転させた姿勢であり、前記第2の姿勢は、前記第1のアーム部を前記原点から前記第4の回転軸回りに前記第3所定角度逆に回転させ、前記第1のアーム部を前記第3の回転軸回りに180度回転させた姿勢であり、前記第1と第2の姿勢における前記手首部および前記第1のアーム部が、それぞれ前記第4の軸を含む水平面に関して鏡像の関係となることを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の実施例を示す構成図であり、図2は本発明の実施例におけるキャリブレーション装置の正面図であり、図3は本発明の実施例におけるキャリブレーション装置の側面図であり、図4は本発明の別の実施例における自在継手の正断面図である。図5は本発明の実施例におけるキャリブレーション方法の第1の説明図であり、図6は本発明の実施例におけるキャリブレーション方法の第2の説明図であり、図7は本発明の実施例におけるキャリブレーション方法の第3の説明図である。
[発明を実施するための最良の形態]
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例を示す構成図である。
図1において、1はロボットであり、キャリブレーションする対象である。11はロボット1のベースであり、12は旋回ヘッドである。旋回ヘッド12はベース11に垂直軸S回りに旋回自在に取り付けられている。13は下腕であり、旋回ヘッド12に水平軸L回りに揺動自在に取付けられている。水平軸Lは、図の紙面を表から裏へ貫く軸である。14aは上腕の固定部であり、下腕13に水平軸U回りに揺動自在に取付けられている。水平軸Uは、図の紙面を表から裏へ貫く軸である。14bは上腕の回転部であり、上腕の固定部14aに回転軸R回りに回転自在に取付けられている。回転軸Rは上腕の回転部14bの長さ方向にのびる軸であり、水平軸Uに直交する。15は手首部であり、上腕の回転部14bに揺動軸Bまわりに揺動自在に取付けられている。揺動軸Bは図の紙面を表から裏へ貫く軸であり、回転軸Rに直交する。16は手首先端部であり、手首部15に回転軸Tまわりに回転自在に取り付けられている。回転軸Tは、回転軸Bに直交する。
2はキャリブレーション装置である。ロボット1とキャリブレーション装置2は共に設置場所に固定されている。この時ロボット1の座標系1aとキャリブレーション装置2の座標系2aの方向が一致するようにロボット1とキャリブレーション装置2の向きを合わせている。ただし、座標系1aと座標系2aの原点は異なってもよい。
キャリブレーション装置2は自在継手25を備え、ロボット1の手首先端部16とキャリブレーション装置2は自在継手25を介して機械的に結合されている。
3は演算手段であり、信号線4を介してキャリブレーション装置2と電気的に結合している。演算手段3は、例えばパーソナルコンピュータに所要のプログラムを搭載したものである。
5はロボット1の制御装置であり、信号線6を介して演算手段3と電気的に結合している。また前記制御装置5は給電ケーブル7を介して、ロボット1と電気的に結合している。
次にキャリブレーション装置2の詳細な構造を説明する。
図2は、キャリブレーション装置2の正面図であり、図3は前記キャリブレーション装置2の側面図である。
図において、21は固定台であり、固定台21には第1の直動案内レール211と第1の変位検出手段212が設けられている。第1の直動案内レール211はキャリブレーション装置2の前後方向(以下X軸とする)を向いている。
22は第1の摺動台であり、前記第1の直動案内レール211に摺動自在に保持されている。すなわち第1の摺動台22はX軸方向の移動自由度を持つ。また、第1の摺動台22の移動は、前記第1の変位検出手段212によって精密に計測される。また第1の摺動台22には第2の直動案内レール221と第2の変位検出手段222が設けられている。第2の直動案内レール221はキャリブレーション装置2の左右方向(以下Y軸とする)を向いている。
23は第2の摺動台であり、前記第2の直動案内レール221に摺動自在に保持されている。すなわち第2の摺動台23はY軸方向の移動自由度を持つ。また、第2の摺動台23の移動は、前記第2の変位検出手段222によって精密に計測される。さらに、第2の摺動台23には第3の直動案内レール231と第3の変位検出手段232が設けられている。第3の直動案内レール231はキャリブレーション装置2の上下方向(以下Z軸とする)を向いている。
24は第3の摺動台であり、前記第3の直動案内レール231に摺動自在に保持されている。すなわち第3の摺動台24はZ軸方向の移動自由度を持つ。また、第3の摺動台24の移動は、前記第3の変位検出手段232によって精密に計測される。
このようにして、第3の摺動台24は固定台21に対して、直交3軸すなわちX、Y、Zの各軸方向に自由に動き、その移動量は第1、第2および第3の変位検出手段212、222、232によって、各軸ごとに独立して精密に計測される。
また第1、第2および第3の変位検出手段212、222、232は距離の変化の精密な測定ができ、その測定結果を演算装置3が処理できるような形の信号で出力できるものであればよい。このような変位検出手段には、たとえばレーザー光を用いるもの、電磁気的手段によるものなどがある。
25は自在継手であり、その一端は第3の摺動台24に固定され、他端(自由端)は直交3軸回りに自由に回動する。251は基準点であり、自在継手の3つの回動軸の交点である。つまり基準点251は、自在継手25の自由端をどのように回動させても位置が変わらない中心点である。
26は治具であり、その一端は自在継手25の自由端にボルト252で締結され、他端はロボット1の手首先端部16に結合出来る構造を持つ。治具26はボルト252の着脱によって自在継手25と容易に結合、および分離できる。
なお、自在継手25は一般的に知られた構造の自在継手であるが、次の様に構成してもよい。
図4は本発明の別の実施例を示す自在継手の断面図である。
図において、25は自在継手であり、凹部253と球部254とからなる。凹部253は中央部に精密に加工された円錐台形の穴を設け、その底部に磁石255を組み込んだ金物であり、図示しないキャリブレーション装置の摺動台に固定されている。球部254は磁性金属からなる精密な球体256と継手部257とから構成さる。球体256は凹部253の穴を塞ぐように置かれ、磁石255の磁力によって保持される。継手部257は図示しないキャリブレーション装置の治具に連結される。
球部254は磁石255によって凹部253の円錐台形の穴に保持されているから、比較的小さな外力に対しては球体256の中心を一定の位置に保って、3軸方向に自由に回動する。すなわち一般的な自在継手と同様の挙動をする。
球部254に磁石255による磁力よりも大きな外力を加えると、球部254と凹部253の結合が解かれる。このためロボットとキャリブレーション装置の機械的な結合と分離が容易になる。
次に、本発明のキャリブレーション装置によるキャリブレーション方法の第1の実施例を説明する。ここでは、6軸の垂直多関節ロボットについて、原点姿勢におけるリンク角度を補正の対象とする場合すなわち原点誤差ベクトルΔΘを求める場合を取り上げるが、他のパラメータについて補正を行なう場合も原理と手順は同一である。
(1)キャリブレーション装置2をロボット1の動作範囲内の任意の場所に固定する。この時キャリブレーション装置2の座標系2aがロボット1の座標系1aと一致するような向きに、キャリブレーション装置2の姿勢を調整する。
(2)ボルト252を外し、治具26と自在継手25との結合を解いて、治具26をロボット1の手首先端部16に結合する。
(3)ロボット1を教示操作によって、姿勢を変化させ、ロボット1の手首先端部16に結合された治具26を自在継手25の位置に持っていき、治具26と自在継手25を再び結合する。このようにして、ロボット1とキャリブレーション装置2が結合する。
(4)変位検出手段212、222、232によって得られるキャリブレーション装置の座標値(X1,Y1,Z1)を、演算手段3に記憶させる。
(5)自在継手25の3つの回動軸の交点、すなわち基準点251を動かさないでロボット1の姿勢だけを変化させるような指令をロボット1に与えてロボット1の姿勢を変える。ロボット1の手首先端部16と基準点251との位置関係は、治具26と自在継手25の機械的寸法を計測することによって、予め十分精度良く決定できるので、この値を使えば、前記の指令は容易である。
(6)この時、変位検出手段212、222、232によって得られるキャリブレーション装置の座標値(X2,Y2,Z2)を、演算手段3に記憶させる。
次に、以上の作業で得られた座標値を用いてロボットパラメータの補正値を決定する計算手順を説明する。
ロボット1の制御装置5の内部の制御演算に使用しているロボットパラメータが実際のロボット1のロボットパラメータと一致していれば、(X1,Y1,Z1)と(X2,Y2、Z2)は同じ値を示すはずであるが、ロボットパラメータの誤差によって、本来動かない基準点251が動くので差を生じる。
ロボット1の座標系による基準点251の偏差ΔX,ΔY,ΔZは次の式で表せる。
ΔX=X2−X1
ΔY=Y2−Y1 (1)
ΔZ=Z2−Z1
いま、ロボットパラメータに誤差がない場合のキャリブレーション装置2の示す座標値を(X0,Y0,Z0)と仮定して、1回目の計測による座標値(X1,Y1,Z1)と(X0,Y0,Z0)の差と原点誤差ベクトルΔΘの間には、6軸ロボットの場合、一般に次の関係が成り立つ。
Figure 0004072628
上式の左辺の(3,6)行列はヤコビアン行列と呼ばれ、ロボットの直交座標(x,y,z)とリンク間角度(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6)の微小変位の関係を表すもので、冗長自由度のない一般の産業用ロボットでは一意に導出できる。この行列をJ1と置くと上式は次の様になる。
Figure 0004072628
同様にして、ロボット1の姿勢を変えて計測したキャリブレーション装置2の座標値(X2,Y2,Z2)についても、以下の式が成り立つ。
Figure 0004072628
式(4)から式(3)を減じて、次式が得られる。
(J2−J1)ΔΘ=(X2−X1,Y2−Y1,Z2−Z1)T
=(ΔX,ΔY,ΔZ)T (5)
従って原点誤差ベクトルΔΘは次式で得られる。
ΔΘ=(J2−J1)-1(ΔX,ΔY,ΔZ)T (6)
このようにして、キャリブレーション装置2で測定された座標値から、原点姿勢におけるリンク角度の補正量が決定される。
また、ロボット1の姿勢によっては、同一基準点に対する計測だけでは、式(3)、式(4)の要素となる各方程式が独立にならない場合があるが、その場合は、キャリブレーション装置2の動作の範囲で基準点251の位置を変えて同様の多姿勢の測定を行なって独立な関係式を導出できる。
以上の計算を演算手段3の内部で行い、原点誤差ベクトルΔΘの計算結果を制御装置5に信号線6を介して送り、ロボット1の原点姿勢におけるリンク間角度を補正して、キャリブレーションを完了する。
さらに、解の信頼性を上げるために、同一基準点での姿勢を多数取って、測定を繰り返したり、あるいは、基準点を移動させて、測定と演算を繰り返すなどして、複数の解を求めて平均化処理してもよい。
次に、本発明のキャリブレーション装置によるキャリブレーション方法の第2の実施例を説明する。
(1)ロボット1をキャリブレーション装置2に結合して、キャリブレーション装置2の座標値を計測する(1回目の計測)。
(2)基準点251が動かないようにして、ロボット1の姿勢を変える指令を与えてロボットを動かし、その時のキャリブレーション装置2の座標値を計測する(2回目の計測)。
(3)1回目の計測の座標値と2回目の座標値の差の分だけ、基準点251を動かす指令をロボット1に与えて動かす。
(4)キャリブレーション装置2の座標値を計測して、その測定値と1回目の測定値の差分だけ基準点251を動かす指令をロボット1にあたえて動かす。この操作をキャリブレーション装置2の測定値と1回目の測定値の差が所定の水準になるまで繰り返す。
以上の手順で、同一の基準点に対して別の姿勢を取らせた時の、ロボットの各軸のリンク間角度が得られる。この操作を、複数の基準点の複数の姿勢について実施して、リンク間角度のデータを集め、日本特開平6−274213号公報に示した方法により補正量を算出する。
次に、本発明のキャリブレーション装置によるキャリブレーション方法の第3の実施例を説明する。この第3の実施例においては、揺動軸Bから、回転軸R、水平軸U、水平軸Lの順にロボットの各軸を一つずつ個別にキャリブレーションする方法を示す。回転軸T及び垂直軸Sは、原点を任意に決定できるので説明を省略する。
図5は揺動軸Bのキャリブレーションの方法を示す説明図である。ここで、回転軸Tが回転軸Rと平行になるような揺動軸Bの角度を揺動軸Bの原点とし、手首部15を揺動軸Bまわりに、前記原点から90°だけ回転させた姿勢を開始姿勢とし、手首先端部16を治具26を介して、図示しないキャリブレーション装置に連結している。次にロボット1に、基準点251を動かさずに、上腕の回転部14bを回転軸Rまわりに180°だけ回転させ、手首部15を、揺動軸Bまわりに逆に90°まで、つまり開始姿勢での指令が+90°ならば、−90°まで回転するように指令して、終了姿勢をとらせる。この時、開始姿勢における基準点251と終了姿勢における基準点251’の差、つまり基準点251の変位は、揺動軸Bの原点が正しければ0であるはずである。また、上腕部の回転部14bの回転軸Rまわりの回転は、開始姿勢を基準に180°の回転であるから、回転軸Rの原点の位置は基準点251の変位には関係しない。キャリブレーション装置2で得られた基準点251のX軸方向の変位ΔXと、揺動軸Bの原点誤差ΔBの関係は次式のように表せる。
ΔX=2lBsin(ΔB) (7)
したがって、ΔBは次式から得られる。
ΔB=sin-1{ΔX/(2lB)} (8)
ここで、lBは揺動軸Bから、基準点251までの距離であり、事前に計測された既知の値である。
図6は回転軸Rのキャリブレーションの方法を示す説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。ここで、揺動軸Bが水平になるような、回転軸Rの角度を回転軸Rの原点とし、上腕の回転部14bをR軸回りに90°だけ回転させ、手首部15をB軸回りに所定角度回転させ、治具26をY軸に平行にした姿勢を開始姿勢とし、手首先端部16を治具26を介して、図示しないキャリブレーション装置に連結している。次にロボット1に、基準点251を動かさずに、図示しない旋回ヘッドを旋回させ、水平軸L、水平軸Uはそのまま動かさず、上腕の回転部14bを、回転軸Rまわりに逆に90°まで、つまり開始姿勢での指令が+90°ならば、−90°まで回転するように指令して、終了姿勢をとらせる。前記終了姿勢は、前記開始姿勢に対して、ロボット座標のXZ平面を基準とする鏡像の関係になる。この時、開始姿勢における基準点251と終了姿勢における基準点251’の差、つまり基準点251の変位は、回転軸Rの原点が正しければ0であるはずである。キャリブレーション装置2で得られた基準点251のZ軸方向の変位ΔZと、回転軸Rの原点誤差ΔRの関係は次式のように表せる。
ΔZ=2lBsin(ΔR) (9)
したがって、ΔBは次式から得られる。
ΔR=sin-1{ΔZ/(2lB)} (10)
ここで、垂直軸Sの原点の位置は基準点251の変位には関係しない。
図7は水平軸Uのキャリブレーションの方法を示す説明図である。ここで、回転軸Rが水平になるような、水平軸Uの角度を水平軸Uの原点とし、上腕の固定部14aを水平軸Uまわりに前記原点からθUだけ回転させ、手首部15をB軸回りにθBだけ回転させた姿勢を開始姿勢とし、手首先端部16を治具26を介して、図示しないキャリブレーション装置に連結している。次にロボット1に、上腕の固定部14aを水平軸Uまわりに前記原点から−θUだけ回転させ、上腕の回転部14bを回転軸Rまわりに180°だけ回転させ、垂直軸S、水平軸L、揺動軸Bはそのまま動かないように指令して、終了姿勢をとらせる。前記終了姿勢の、上腕の固定部14より先端側の部分の姿勢は、水平軸Uを含む水平面を基準に、前記開始姿勢と鏡像の関係になるから、開始姿勢における基準点251と終了姿勢における基準点251’の差、つまり基準点251の変位のX軸方向の成分は、水平軸Uの原点が正しければ0であるはずである。キャリブレーション装置2で得られた基準点251のX軸方向の変位ΔXと、水平軸Uの原点誤差ΔUの関係は次式のように表せる。
ΔX=2{lU+lBcos(θB)}(cos(ΔU)−1)cos(θU
(11)
したがって、ΔUは次式から得られる。
△U=cos-1(1+ΔX/α) (12)
ただし、lUは水平軸Uから、揺動軸Bまでの距離であり、事前に計測された既知の値であり、α=2{lU+lBcos(θB)}cos(θU)である。
ある軸に対して、上記のキャリブレーションを行い、その結果に従って、前記軸の原点を修正し、再びキャリブレーションをする。これを、原点の誤差が所定水準より小さくなるまで繰り返せば、キャリブレーションの精度はさらに向上する。
また、演算手段に、このキャリブレーションの手順をロボット1の動作プログラムの選択機能を含めて、プログラムすれば、ロボット1とキャリブレーション装置2の結合、分離以外の作業を無人化、自動化できることは言うまでもない。以上述べたように、本発明によれば、次のような効果がある。
(1)キャリブレーション装置の測定の対象が3自由度だけなので、キャリブレーション装置の構造が比較的簡単であり、安価である。
(2)ロボットとキャリブレーション装置の間の位置関係を計測する必要がないので、キャリブレーション装置の設置が容易である。
(3)ロボットとキャリブレーション装置の結合および解除以外の作業を自動化するのが容易である。
(4)キャリブレーション操作において、ロボットが動作する範囲が小さいので、キャリブレーション装置の動作ストロークが小さくて済む。したがって、キャリブレーション装置はコンパクトで携帯性に優れる。そのため、例えば稼働中のロボットがワーク等にぶつかって原点がずれた場合にも、キャリブレーション装置を現場に持ち込んで、ロボットを現場に据えつけたまま、キャリブレーションを実行できる。
[産業上の利用可能性]
本発明は、多関節ロボットのキャリブレーション装置および方法に適用できる。

Claims (6)

  1. 第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる第3の回転軸と、手首部を揺動させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首の先端部を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、を備えたロボットに対し、
    姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させる指令を与え、この結果生じた前記手首部先端に結合された自在継手の回動中心点の変位に基づいて前記第2の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーション方法において、
    前記第1と第3の回転軸とが平行になるような前記第2の回転軸の角度を前記第2の回転軸の原点としたとき、
    前記第1の姿勢は、前記原点から前記第2の回転軸を所定角度回転させた姿勢であり、
    前記第2の姿勢は、前記第1の姿勢から、前記第3の回転軸を180度回転させ、前記第2の回転軸を前記原点から前記所定角度逆に回転させた姿勢であることを特徴とするロボットのキャリブレーション方法。
  2. 第2のアーム部を旋回させる、鉛直な第6の回転軸と、前記第2のアーム部を前後方向に回転させる、第5の回転軸と、前記第2のアーム部先端に設けられて第1のアーム部を上下方向に回転させる、前記第5の回転軸に対して平行な第4の回転軸と、前記第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる、前記第4の回転軸に対して垂直な第3の回転軸と、前記第1のアーム部先端に設けられて手首部を回転させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首部の先端を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、を備えたロボットに対し、
    前記ロボットの手首部先端に結合された自在継手の回動中心点を動かさないように姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させる指令を与え、この結果生じた前記回動中心点の変位に基づいて前記第3の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーション方法において、
    前記第2回転軸が水平になるような前記第3の回転軸の角度を前記第3の回転軸の原点としたとき、
    前記第1の姿勢は、前記原点から、前記第1のアーム部を前記第3の回転軸回りに90度回転させ、前記手首部を前記第2の回転軸回りに第1所定角度回転させ、前記第1の回転軸を水平とした姿勢であり、
    前記第2の姿勢は、前記第1の姿勢から、前記第1のアーム部および前記手首部を前記第6の回転軸回りに第2所定角度旋回させ、前記第1のアーム部を前記原点から前記第3の回転軸回りに90度逆に回転させた姿勢であり、
    前記第1と第2の姿勢における前記手首部が、前後方向のX軸、左右方向のY軸、および上下方向のZ軸で構成されるロボット座標系におけるXZ平面に関して、それぞれ鏡像の関係となることを特徴とするロボットのキャリブレーション方法。
  3. 第2のアーム部を旋回させる、鉛直な第6の回転軸と、前記第2のアーム部を前後方向に回転させる、第5の回転軸と、前記第2のアーム部先端に設けられて第1のアーム部を上下方向に回転させる、前記第5の回転軸に対して平行な第4の回転軸と、前記第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる、前記第4の回転軸に対して垂直な第3の回転軸と、前記第1のアーム部先端に設けられて手首部を回転させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首部の先端を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、を備えたロボットに対し、
    前記ロボットの手首部先端に結合された自在継手の回動中心点を動かさないように姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させる指令を与え、この結果生じた前記回動中心点の変位に基づいて前記第4の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーション方法において、
    前記第3の回転軸が水平になるような前記第4の回転軸の角度を前記第4の回転軸の原点としたとき、
    前記第1の姿勢は、前記原点から、前記第1のアーム部を前記第4の回転軸回りに第3所定角度回転させ、前記手首部を前記第2の回転軸回りに第4所定角度回転させた姿勢であり、
    前記第2の姿勢は、前記第1のアーム部を前記原点から前記第4の回転軸回りに前記第3所定角度逆に回転させ、前記第1のアーム部を前記第3の回転軸回りに180度回転させた姿勢であり、
    前記第1と第2の姿勢における前記手首部および前記第1のアーム部が、それぞれ前記第4の回転軸を含む水平面に関して鏡像の関係となることを特徴とするロボットのキャリブレーション方法。
  4. 第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる第3の回転軸と、手首部を揺動させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首の先端部を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、から少なくとも構成されたロボットと、前記ロボットの手首部先端に結合される自在継手と、前記自在継手の回動中心点の変位を検出する変位検出手段と、を備え、前記ロボットの姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させた結果生じた前記回動中心点の変位に基づいて、前記第2の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーションシステムにおいて、
    前記第1と第3の回転軸とが平行になるような前記第2の回転軸の角度を前記第2の回転軸の原点としたとき、
    前記第1の姿勢は、前記原点から前記第2の回転軸を所定角度回転させた姿勢であり、
    前記第2の姿勢は、前記第1の姿勢から、前記第3の回転軸を180度回転させ、前記第2の回転軸を前記原点から前記所定角度逆に回転させた姿勢であることを特徴とするロボットのキャリブレーションシステム。
  5. 第2のアーム部を旋回させる、鉛直な第6の回転軸と、前記第2のアーム部を前後方向に回転させる、第5の回転軸と、前記第2のアーム部先端に設けられて第1のアーム部を上下方向に回転させる、前記第5の回転軸に対して平行な第4の回転軸と、前記第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる、前記第4の回転軸に対して垂直な第3の回転軸と、前記第1のアーム部先端に設けられて手首部を回転させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首部の先端を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、から少なくとも構成されたロボットと、
    前記ロボットの手首部先端に結合される自在継手と、
    前記自在継手の回動中心点の変位を検出する変位検出手段と、を備え、
    前記回動中心点を動かさないように前記ロボットの姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させる指令を与え、この結果生じた前記回動中心点の変位に基づいて、前記第3の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーションシステムにおいて、
    前記第2回転軸が水平になるような前記第3の回転軸の角度を前記第3の回転軸の原点としたとき、
    前記第1の姿勢は、前記原点から、前記第1のアーム部を前記第3の回転軸回りに90度回転させ、前記手首部を前記第2の回転軸回りに第1所定角度回転させ、前記第1の回転軸を水平とした姿勢であり、
    前記第2の姿勢は、前記第1の姿勢から、前記第1のアーム部および前記手首部を前記第6の回転軸回りに第2所定角度旋回させ、前記第1のアーム部を前記原点から前記第3の回転軸回りに90度逆に回転させた姿勢であり、
    前記第1と第2の姿勢における前記手首部が、前後方向のX軸、左右方向のY軸、および上下方向のZ軸で構成されるロボット座標系におけるXZ平面に関して、それぞれ鏡像の関係となることを特徴とするロボットのキャリブレーションシステム。
  6. 第2のアーム部を旋回させる、鉛直な第6の回転軸と、前記第2のアーム部を前後方向に回転させる、第5の回転軸と、前記第2のアーム部先端に設けられて第1のアーム部を上下方向に回転させる、前記第5の回転軸に対して平行な第4の回転軸と、前記第1のアーム部を長手方向の軸周りに回転させる、前記第4の回転軸に対して垂直な第3の回転軸と、前記第1のアーム部先端に設けられて手首部を回転させる、前記第3の回転軸に対して垂直な第2の回転軸と、前記手首部の先端を回転させる、前記第2の回転軸に対して垂直な第1の回転軸と、から少なくとも構成されるロボットと、
    前記ロボットの手首部先端に結合される自在継手と、
    前記自在継手の回動中心点の変位を検出する変位検出手段と、を備え、
    前記回動中心点を動かさないように前記ロボットの姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢へと変化させる指令を与え、この結果生じた前記回動中心点の変位に基づいて、前記第4の回転軸の原点位置を補正するロボットのキャリブレーションシステムにおいて、
    前記第3の回転軸が水平になるような前記第4の回転軸の角度を前記第4の回転軸の原点としたとき、
    前記第1の姿勢は、前記原点から、前記第1のアーム部を前記第4の回転軸回りに第3所定角度回転させ、前記手首部を前記第2の回転軸回りに第4所定角度回転させた姿勢であり、
    前記第2の姿勢は、前記第1のアーム部を前記原点から前記第4の回転軸回りに前記第3所定角度逆に回転させ、前記第1のアーム部を前記第3の回転軸回りに180度回転させた姿勢であり、
    前記第1と第2の姿勢における前記手首部および前記第1のアーム部が、それぞれ前記第4の軸を含む水平面に関して鏡像の関係となることを特徴とするロボットのキャリブレーションシステム。
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