JP4071751B2 - 電動車両用制御装置 - Google Patents

電動車両用制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4071751B2
JP4071751B2 JP2004227791A JP2004227791A JP4071751B2 JP 4071751 B2 JP4071751 B2 JP 4071751B2 JP 2004227791 A JP2004227791 A JP 2004227791A JP 2004227791 A JP2004227791 A JP 2004227791A JP 4071751 B2 JP4071751 B2 JP 4071751B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
motor
rotational speed
generator
engagement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004227791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006050767A (ja
Inventor
裕介 多々良
広太 笠岡
尚良 高橋
修司 押田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2004227791A priority Critical patent/JP4071751B2/ja
Publication of JP2006050767A publication Critical patent/JP2006050767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4071751B2 publication Critical patent/JP4071751B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Description

この発明は、少なくも電動機を駆動源として備える電動車両の制御装置に関するものである。
電動機を駆動源として備える電動車両(例えば、電気車両やハイブリッド車両)には、前記電動機と車輪との間に動力を断接するクラッチを備えるものがある。従来、このクラッチが締結しているか否かを判断する場合、クラッチの上流と下流の回転数差やクラッチ油圧に基づいて判定している。
また、エンジンと電動機を駆動源として備えるハイブリッド車両において、前記電動機の回転数が所定値を超えたときにエンジンの出力を制限して、前記電動機の過回転を防止する技術も開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、エンジンと電動機を駆動源として備えるハイブリッド車両において、前記電動機の回転数を検出する回転数センサの故障判定を、該回転数センサで検出した回転数と、エンジン回転数や車輪速などに基づいて算出される前記電動機の回転数との比較に基づいて行う技術が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−209902号公報 特開2004−112982号公報
ところで、前述の如く電動機と車輪との間にクラッチを備えた電動車両では、クラッチ締結後の前記電動機の力行動作、回生動作を極力早く実施するために、クラッチの締結判断を迅速且つ確実に行う必要があり、また、締結判断の精度向上が望まれている。
そこで、この発明は、電動機と車輪の間に設けられたクラッチの締結判断の精度向上を図り、電動機を迅速に駆動(力行、回生)可能にする電動車両用制御装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、電動機(例えば、後述する実施例における第2モータ・ジェネレータ20)と車輪(例えば、後述する実施例における後輪26b、前輪10b)の間に動力を断接するクラッチ(例えば、後述する実施例における第3クラッチ22)を備える電動車両(例えば、後述する実施例におけるハイブリッド車両1)の制御装置であって、
前記クラッチの上流側の回転数を検出するクラッチ上流回転数検出手段(例えば、後述する実施例におけるモータ回転数センサ27)と、
前記クラッチの下流側の回転数を検出するクラッチ下流回転数検出手段(例えば、後述する実施例におけるクラッチ下流回転数センサ28)と、
車両走行中に前記クラッチを締結するのに先だって前記クラッチの上流側の回転数を下流側の回転数に近づけるように前記電動機の出力を制御する第1の電動機出力制御手段(例えば、後述する実施例におけるステップS104)と、
前記クラッチの上流側と下流側の回転数の差が第1の所定値以下のときに前記クラッチを締結するクラッチ締結処理手段(例えば、後述する実施例におけるステップS108,S109)と、
前記クラッチの締結処理後に前記電動機の出力をゼロまたはゼロに近似させる第2の電動機出力制御手段(例えば、後述する実施例におけるステップS110)と、
を備え、前記第2の電動機出力制御手段により出力を制御した後、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差が第2の所定値以下のときに前記電動機の力行または回生を行うことを特徴とする電動車両用制御装置である。
このように構成することにより、クラッチの上流側と下流側の回転数差が第1の所定値以下になってからクラッチを締結するので、クラッチ締結時に締結ショックが生じるのを防止することができる。
また、クラッチの締結処理後に電動機の出力をゼロまたはゼロに近似させる制御を行うことで、クラッチの上流側を下流側からの動力だけで回転させる状態にすることができ、その状態においてクラッチの上流側と下流側の回転数差が第2の所定値以下になったときに電動機を駆動(力行、回生)するので、電動機の過回転を確実に防止することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2の電動機出力制御手段により出力を制御した後、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第1の故障判定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS112,S117)を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、クラッチの締結処理後に電動機の出力をゼロまたはゼロに近似させる制御を行うことで、クラッチの上流側を下流側からの動力だけで回転させ、その状態においてクラッチの上流側と下流側の回転数差を求めてクラッチの故障判定を行うので、判定精度を高めることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、
前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS202)と、
前記締結状態検出手段によって前記クラッチが締結状態と判定され且つ前記電動機を力行動作または回生動作させているときに、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第2の故障判定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS205,S206)と、
を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、クラッチ締結中においてもクラッチの故障判定が可能になる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の発明において、
前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS212)と、
前記締結状態検出手段によって前記クラッチが締結状態と判定され且つ前記電動機を力行動作または回生動作させているときに、前記クラッチの上流側の回転加速度を推定する回転加速度推定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS214)と、
前記クラッチ上流回転数検出手段により検出した前記クラッチの上流側の回転数に基づいて上流側の実回転加速度を算出する回転加速度算出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS215)と、
前記回転加速度推定手段により推定された回転加速度と前記回転加速度算出手段により算出された実回転加速度の比較に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第3の故障判定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS216,S217)と、
を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、クラッチ締結中においてもクラッチの故障判定が可能になる。
請求項5に係る発明は、請求項3または請求項4に記載の発明において、前記第2または第3の故障判定手段により前記クラッチが故障と判定されたときに、前記電動機の力行および回生を禁止するとともに、前記電動機の回転数が所定回転数以下になったときに前記電動機を駆動するインバータの動作を停止することを特徴とする。
このように構成することにより、クラッチが故障と判定されたときには電動機の力行、回生を禁止するので、該電動機の過回転および該電動機への無駄なトルク印加を防止することができる。
また、電動機の回転数が所定回転数以下になるのを待ってからインバータの動作を停止するので、前記インバータのスイッチング素子の保護を図ることができるとともに、電力消費の削減を図ることができる。
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の発明において、
前記電動機とは別に車両を駆動する動力源(例えば、後述する実施例におけるエンジン2、第1モータ・ジェネレータ3)と、
前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS302)と、
前記締結状態検出手段によって前記クラッチが開放状態と判定されているときに前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第3の故障判定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS305,306)と、
前記第3の故障判定手段により故障と判定されたときに、前記車両の速度を、前記クラッチ締結状態での前記電動機の回転数が該電動機の許容回転数以下となる車速値以下に制限する速度制限手段(例えば、後述する実施例におけるステップS307)と、
を備えたことを特徴とする。
このように構成することにより、クラッチの開放中も故障判定が可能になる。また、クラッチの開放中にクラッチが故障と判定されたときに車両の速度を制限するので、クラッチ故障中も電動機の過回転を防止することができる。
請求項1に係る発明によれば、クラッチ締結時のショックを防止することができ、また、電動機の過回転を確実に防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、クラッチの故障判定精度を高めることができる。
請求項3または請求項4に係る発明によれば、クラッチ締結中においてもクラッチの故障判定ができる。
請求項5に係る発明によれば、クラッチの故障時に電動機の過回転および該電動機への無駄なトルク印加を防止することができる。また、前記電動機を駆動するインバータのスイッチング素子の保護を図ることができるとともに、電力消費の削減を図ることができる。
請求項6に係る発明によれば、クラッチの開放中も故障判定ができ、また、クラッチの開放中のクラッチ故障時に電動機の過回転を防止することができる。
以下、この発明に係る電動車両用制御装置の実施例を図1から図14の図面を参照して説明する。
図1は、この発明に係る電動車両用制御装置を備えたハイブリッド車両における動力伝達系の平面配置図であり、図2は同概略構成図である。
このハイブリッド車両1は、前輪駆動用の動力伝達系と後輪駆動用の動力伝達系を備えている。
前輪駆動用の動力伝達系は、エンジン2と、このエンジン2の出力軸2a上に配設されエンジン2に直結された発電可能な第1の電動機(以下、第1モータ・ジェネレータという)3と、エンジン2の出力軸2aに第1クラッチ4を介して断接可能に連結されたプーリ・ベルト式無段変速機(CVT)5と、無段変速機5の出力軸に第2クラッチ6を介して断接可能に連結された動力伝達ギヤ7a,7bと、動力伝達ギヤ7bに連結されたディファレンシャル機構8と、ディファレンシャル機構8に連結された左右のアクスルシャフト9a,9bと、アクスルシャフト9a,9bに連結された左右の前輪(車輪)10a,10bとから構成されている。エンジン2の出力軸2a上にはオイルポンプ11が設けられている。第1モータ・ジェネレータ3はPDU13を介して車載のバッテリ12から電力を供給されて運転可能になっている。
なお、この実施例では、変速機としてプーリ・ベルト式無段変速機を用いているが、有段変速機の採用も可能であり、さらに自動変速機あるいは手動変速機のいずれも採用可能である。
一方、後輪駆動用の動力伝達系は、発電可能な第2の電動機(以下、第2モータ・ジェネレータという)20と、第2モータ・ジェネレータ20の出力軸20aに連結された動力伝達ギヤ21a,21bと、動力伝達ギヤ21bに第3クラッチ22を介して断接可能に連結された動力伝達ギヤ23a,23bと、動力伝達ギヤ23bに連結されたディファレンシャル機構24と、ディファレンシャル機構24に連結された左右のアクスルシャフト25a,25bと、アクスルシャフト25a,25bに連結された左右の後輪(車輪)26a,26bとから構成されている。第2モータ・ジェネレータ20はPDU13を介して車載のバッテリ12から電力を供給されて運転可能になっている。
なお、PDU13は、第1モータ・ジェネレータ3を駆動するためのスイッチング素子からなるインバータと、第2モータ・ジェネレータ20を駆動するためのスイッチング素子からなるインバータを備えている。
第1クラッチ4、第2クラッチ6、第3クラッチ22はいずれも、締結することにより動力伝達が可能になり、開放することにより動力伝達を不能にする要素であり、図示しない油圧回路を介し、ソレノイドのON/OFFで油圧を制御することにより、これらクラッチ4,6,22の締結・開放が可能になっている。
したがって、このハイブリッド車両1では、前輪駆動用の動力伝達系において、第1クラッチ4および第2クラッチ6を締結させた状態で、エンジン2と第1モータ・ジェネレータ3の少なくとも一方の動力を、無断変速機5を介して前輪10a,10bに伝達することが可能となる。また、第1モータ・ジェネレータ3は、第1クラッチ4および第2クラッチ6を締結させた状態において、減速走行時に前輪10a,10b側からの回転駆動により回生動作を行ってバッテリ12の充電(エネルギー回収)を行うことが可能である。
さらに、このハイブリッド車両1では、第3クラッチ22を締結させた状態において、第2モータ・ジェネレータ20の動力を後輪26a,26bに伝達することが可能であり、また、第2モータ・ジェネレータ20は、第3クラッチ22を締結させた状態において、減速走行時に後輪26a,26b側からの回転駆動により回生動作を行ってバッテリ12の充電(エネルギー回収)を行うことが可能である。
なお、エンジン2の停止・運転・出力制御、および、第1モータ・ジェネレータ3、第2モータ・ジェネレータ20の停止・運転(力行・回生)・出力制御、および、第1〜第3クラッチ4,6,22の締結・開放に係る油圧制御は電子制御装置(ECU)50によって行われる。
また、このハイブリッド車両1では、後輪駆動用動力伝達系の第3クラッチ22の締結確認および故障判定を行うために、第2モータ・ジェネレータの回転数を検出するためのモータ回転数センサ(クラッチ上流回転数検出手段)27と、動力伝達ギヤ23aの回転数を検出するためのクラッチ下流回転数センサ(クラッチ下流回転数検出手段)28を備え、これら回転数センサ27,28で検出された回転数に対応する電気信号がECU50に入力される。
図3は、このハイブリッド車両1における前後輪駆動力切り替えと第3クラッチ22の締結・開放のオペレーションイメージである。なお、以下の説明において、エンジン走行には、エンジン2の動力だけで走行する場合だけでなく、エンジン2と第1モータ・ジェネレータ3の両方の動力で走行する場合を含むものとする。
時間t0において車両1の走行を開始すると、ECU50は、第1クラッチ4と第2クラッチ6を開放し、第3クラッチ22を締結し、第2モータ・ジェネレータ20を力行動作させて、後輪駆動のモータ走行(EV走行)により発進する。
そして、車速が所定速度に達すると(時間t1)、ECU50は、第2モータ・ジェネレータ20を停止するとともに第3クラッチ22を開放して後輪駆動を終了し、第1クラッチ4および第2クラッチ6を締結するとともにエンジン2を始動して、前輪駆動によるエンジン走行(ENG走行)に切り替える。
そして、所定の車速(低速)において定速走行に入ると(時間t2)、ECU50は、エンジン2を停止するとともに第1クラッチ4と第2クラッチ6を開放して前輪駆動のエンジン走行を終了し、第3クラッチ22を締結するとともに第2モータ・ジェネレータ20を力行動作させて、後輪駆動によるモータ走行(EV走行)に切り替える。
さらに、時間t3において加速要求があると、ECU50は、第2モータ・ジェネレータ20を停止するとともに第3クラッチ22を開放して後輪駆動を終了し、第1クラッチ4および第2クラッチ6を締結するとともにエンジン2を始動して、前輪駆動によるエンジン走行に切り替える。
そして、所定の車速(高速)において定速走行に入ると(時間t4)、ECU50は、前輪駆動によるエンジン走行を維持して定速走行を行う。
さらに、時間t5において減速要求があると、ECU50は、エンジン2を停止するとともに第1クラッチ4と第2クラッチ6を開放して前輪駆動のエンジン走行を終了し、第3クラッチ22を締結するとともに第2モータ・ジェネレータ20を回生動作させて、得られた電力をバッテリ12に充電する。
そして、時間t6において加速要求があると、ECU50は、第2モータ・ジェネレータ20の回生動作を停止するとともに第3クラッチ22を開放してバッテリ12の充電を終了し、第1クラッチ4および第2クラッチ6を締結するとともにエンジン2を始動して、前輪駆動によるエンジン走行に切り替える。
さらに、時間t7において減速要求があると、ECU50は、エンジン2を停止し、第1モータ・ジェネレータ3を回生動作させて、得られた電力をバッテリ12に充電する。その後、車速が所定値に達すると(時間t8)、ECU50は、第1モータ・ジェネレータ3の回生動作を停止するとともに第1クラッチ4と第2クラッチ6を開放し、第3クラッチ22を締結するとともに第2モータ・ジェネレータ20を回生動作させて、得られた電力をバッテリ12に充電する。
そして、時間t9において車速がゼロとなり、車両1は停止する。
なお、このオペレーションイメージでは、前輪駆動のエンジン走行時に合わせて第3クラッチ22を開放制御しているが、第2モータ・ジェネレータ20の回転数が許容回転数以下のときには第3クラッチ22を締結制御し、前記許容回転数を超えるときには第3クラッチ22を開放制御するようにしてもよい。むしろ、4輪駆動としての機能を優先させる場合には、第2モータ・ジェネレータ20の回転数が許容回転数以下の運転域においては、常に第3クラッチ22を締結しているのが望ましい。
このように、エンジン走行時には第3クラッチ22を開放しておき、エンジン走行から第2モータ・ジェネレータ20の力行動作、回生動作に切り替える場合には第3クラッチ22を締結するが、この第3クラッチ22の締結を素速く、確実に、ショックなく行うことにより、エンジン走行からモータ走行への切り替えが迅速且つスムーズに行うことができ、ドライバビリティおよび燃費の向上を図ることができる。
また、万が一、第3クラッチ22が故障している場合には、第2モータ・ジェネレータ20の駆動(力行および回生)を禁止するなど、状況に応じた措置を講ずる必要がある。
そこで、この電動車両用制御装置では、以下に説明する手順で、第3クラッチ22の締結処理、第3クラッチ22の故障判定処理を行っている。
初めに、クラッチ締結処理について、図4のフローチャートに従って説明する。
図4に示すフローチャートはクラッチ締結処理ルーチンを示すものであり、このルーチンはECU50によって一定時間毎に実行される。
まず、ステップS101において、第3クラッチONモードか否かを判定する。ここで、第3クラッチONモードとは第3クラッチ22に締結指令を出すべきモードを言い、この実施例では、第2モータ・ジェネレータ20を力行動作させて後輪駆動すべきとき、および、第2モータ・ジェネレータ20を回生動作させて後輪から伝達される運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリ12に充電すべきときに、ECU50は第3クラッチONモードと判定する。
ステップS101における判定結果が「NO」である場合(すなわち、第3クラッチONモードでない場合)は、ステップS102に進み、第1タイマーTM1、第2タイマーTM2、第3タイマーTM3を全て初期値にセットし、第1カウンターCNT1、第2カウンターCNT2を「0」にリセットし、回転合わせ終了フラグF(以下、単にフラグFという)を「0」として、本ルーチンの実行を終了する。
ここで、第1タイマーTM1の初期値には、第3クラッチ22に締結指令を出してから第3クラッチ22が締結完了するまでに必要な所要時間が予め設定されており、この所要時間は経験値に基づい決定されている。また、第2タイマーTM2の初期値は第1タイマーTM1の初期値よりも大きい値が、第3タイマーTM3の初期値は第2タイマーTM2の初期値よりも大きい値が設定されている(TM1の初期値<TM2の初期値<TM3の初期値)。
ステップS101における判定結果が「YES」である場合(すなわち、第3クラッチONモードである場合)は、ステップS103に進み、フラグFが「1」か否かを判定する。
ステップS103における判定結果が「NO」(F=0)である場合は、ステップS104に進み、クラッチ前後回転合わせ処理を実行する。このクラッチ前後回転合わせ処理とは、第3クラッチ22の上流側と下流側の回転数が一致していない状態で第3クラッチ22を締結すると締結ショックが生じるので、これを防止するために、第3クラッチ22の上流側(すなわち、動力伝達ギヤ21b)の回転数を下流側(すなわち、動力伝達ギヤ23a)の回転数に一致させるべく、第2モータ・ジェネレータ20の回転数を制御する処理である。
なお、第3クラッチ22の下流側回転数はクラッチ下流回転数センサ28により検出し、上流側回転数は、モータ回転数センサ27により検出された第2モータ・ジェネレータ20の回転数に基づき動力伝達ギヤ21a,21bのギヤ比から算出することができる。
次に、ステップS104からステップS105に進み、第3クラッチ22の上流側の回転数と下流側の回転数の差(前後回転差)が閾値Aよりも小さいか否かを判定する。ここで、閾値Aは、第3クラッチ22の締結時に締結ショックが生じない回転数差に設定する。
ステップS105における判定結果が「YES」(前後回転差<A)である場合は、ステップS106に進んでフラグFを「1」とし、さらにステップS107に進んで第1カウンターCNT1を「0」とし、さらにステップS108に進んで第3クラッチ22に締結指令を出して第3クラッチ22のソレノイドをON(すなわちクラッチON)とし、この締結指令と同時に第1,第2,第3タイマーTM1,TM2,TM3をスタートする。これにより、第3クラッチ22の上流側と下流側の回転数差を締結ショックが生じない回転数差にした状態で、第3クラッチ22を締結することができる。
なお、ステップS106でフラグFを「1」としたので、次回このルーチンを実行したときのステップS103における判定結果は「YES」となり、ステップS104のクラッチ前後回転合わせ処理を実行せずステップS105に進むことになる。
ステップS108からステップS109に進み、第1タイマーTM1がゼロ以下か否か、すなわち、第1タイマーTM1がタイムアップしたか否かを判定する。
ステップS109における判定結果が「YES」(TM1≦0)である場合は、第3クラッチ22が締結完了しているとみなし、ステップS110に進んで、第2モータ・ジェネレータ20のトルクをゼロまたはゼロに近似させるように制御する(以下、ゼロトルク制御という)。つまり、第2モータ・ジェネレータ20のトルクがゼロになるように第2モータ・ジェネレータ20を積極的に制御するか、あるいは、第2モータ・ジェネレータ20の励磁電流をゼロに制御することにより第2モータ・ジェネレータ20のトルクをゼロに近づけるか、いずれかの制御を行う。なお、以下の説明において、「第2モータ・ジェネレータ20のトルクをゼロにする」は、「ゼロに近似させる」場合を含むものとする。
ここで、第2モータ・ジェネレータ20のゼロトルク制御によって車両駆動力に生じるモータフリクション分の変化は、エンジン2のトルク補正によって補償することも可能である。
さらに、ステップS111に進んで第2タイマーTM2がゼロ以下か否か、すなわち、第2タイマーTM2がタイムアップしたか否かを判定する。なお、第2タイマーTM2の初期値は、第2モータ・ジェネレータ20のゼロトルク制御が完了するまでに必要な時間を経験的に求めた値が設定されている。したがって、第2タイマーTM2がタイムアップしたときには、第3クラッチ22の上流側は後輪26bから伝達された下流側の動力だけにより回転せしめられることとなる。
なお、ステップS109における判定結果が「NO」(TM1>0)である場合にも、ステップS111に進んで第2タイマーTM2がゼロ以下か否かを判定するが、TM2の初期値>TM1の初期値であるので、この場合にはステップS111における判定結果は「NO」となり、ステップS123に進む、ステップS123において第2カウンターCNT2を「0」にし、さらにステップS124に進んでTM3がゼロ以下か否かを判定するが、TM3>TM1であるので、ステップS124における判定結果は「NO」となって、本ルーチンの実行を終了する。
そして、ステップS111における判定結果が「YES」(TM2≦0)である場合は、ステップS112に進み、第3クラッチ22の上流側と下流側の回転数差(前後回転差)が閾値Bよりも小さいか否かを判定する。なお、閾値Bは、第3クラッチ22の故障判定閾値であり、前記閾値Aと同じかAよりも小さい値に設定されている(B≦A)。
ステップS112における判定結果が「YES」(前後回転差<B)である場合は、第3クラッチ22は正常であると判断して、ステップS113に進み、第2カウンターCNT2を「0」にリセットし、さらにステップS114に進んで第2モータ・ジェネレータ20の駆動を許可して、本ルーチンの実行を終了する。なお、第2モータ・ジェネレータ20の駆動には、力行動作および回生動作のいずれの動作も含まれる。
一方、ステップS112における判定結果が「NO」(前後回転差≧B)である場合は、ステップS115に進み、第2カウンターCNT2を「1」だけ加算する。さらに、ステップS116に進み、第2カウンターCNT2が所定値Cより大きいか否かを判定する。ここで、Cは予め設定された任意の整数である。ステップS116における判定結果が「NO」(CNT2≦C)である場合は本ルーチンの実行を終了し、ステップS116における判定結果が「YES」(CNT2>C)である場合は、ステップS117に進み、第3クラッチ22が故障であると判定し、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止し、第3クラッチ22に開放指令を出して、本ルーチンの実行を終了する。つまり、ステップS112における否定判定が(C+1)回連続した場合に第3クラッチ22が故障であると判定することで、誤判定を防止している。なお、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止した場合には、エンジン2あるいは第1モータ・ジェネレータ3による前輪駆動を継続して車両1を走行させる。
このように、第3クラッチ22の締結後に第2モータ・ジェネレータ20のゼロトルク制御を行い、第3クラッチ22の上流側を下流側からの動力だけで回転させる状態にしてから第3クラッチ22の上流側と下流側の回転数差を求め、第3クラッチ22の故障判定を行っているので、判定精度が極めて高い。
また、判定の結果、第3クラッチ22が故障であるときには第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止するので、第2モータ・ジェネレータ20の過回転および第2モータ・ジェネレータ20への無駄なトルク印加を防止することができ、第2モータ・ジェネレータ20を保護することができる。
一方、ステップS105における判定結果が「NO」(前後回転差≧A)である場合は、ステップS118に進み、第1タイマーTM1、第2タイマーTM2をいずれも初期値にセットし、さらにステップS119に進んで、第1カウンターCNT1を「1」だけ加算し、さらにステップS120に進んで第1カウンターCNT1が所定値(整数)Cよりも大きいか否かを判定する。
ステップS120における判定結果が「NO」(CNT1≦C)である場合は、ステップS121に進み、フラグFを「0」にし、さらにステップS111に進む。一方、ステップS120における判定結果が「YES」(CNT1>C)である場合は、ステップS122に進み、第2モータ・ジェネレータ20が故障であると判定し、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止して、本ルーチンの実行を終了する。つまり、ステップS105における否定判定が(C+1)回連続した場合には、第2モータ・ジェネレータ20の故障が原因でクラッチ前後回転合わせ処理が正常に実行できないと判断し、第2モータ・ジェネレータ20を駆動禁止にする。この場合にも、エンジン2あるいは第1モータ・ジェネレータ3による前輪駆動を継続して車両1を走行させる。
また、一度ステップS105における判定結果が「YES」となり、ステップS109における判定結果も「YES」となって、第2タイマーTM2のタイムアップを待っている間に、ステップS105における判定結果が「NO」となった場合には、ステップS118に進んで第1タイマーTM1と第2タイマーTM2は初期値にセットされ、ステップS121においてフラグFを「0」にされるが、第3タイマーTM3は初期値にセットされずタイマー計測を継続する。したがって、そのような場合には、再びステップS104におけるクラッチ前後回転合わせ処理を実行するようになり、第2タイマーTM2がタイムアップしていなくても(ステップS111における判定結果が「NO」であっても)、第3タイマーTM3がタイムアップする場合がある。
このようにステップS111で否定判定され、ステップS123を経てステップS124に進み、このステップS124における判定結果が「YES」(TM3≦0)である場合は、ステップS125に進み、第3クラッチ22が故障であると判定し、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止し、第3クラッチ22に開放指令を出して、本ルーチンの実行を終了する。この場合にも、エンジン2あるいは第1モータ・ジェネレータ3による前輪駆動を継続して車両1を走行させる。
図5は第3クラッチ22が正常に動作しているときにおけるタイムチャートであり、図6は、ステップS117において第3クラッチ22が故障であると判定されたときのタイムチャートである。
なお、この実施例において、ECU50がステップS104の処理を実行することにより第1の電動機出力制御手段が実現され、ステップS108,S109の処理を実行することによりクラッチ締結処理手段が実現され、ステップS110の処理を実行することにより第2の電動機出力制御手段が実現され、ステップS112,S117の処理を実行することにより第1の故障判定手段が実現される。
次に、クラッチ締結中におけるクラッチ故障判定処理について、図7のフローチャートに従って説明する。
図7に示すフローチャートはクラッチ故障判定処理ルーチンを示すものであり、このルーチンはECU50によって一定時間毎に実行される。
まず、ステップS201において第3クラッチ22が故障しているか否かを判定する。すなわち、前述したクラッチ締結処理の実行によりステップS117またはステップS125においてクラッチ故障と判定された場合には、このステップS201において肯定判定がなされ、ステップS207に進む。
ステップS201における判定結果が「NO」である場合は、ステップS202に進み、第3クラッチ22が締結中か否かを判定する。第3クラッチ22は図示しないソレノイドを励磁(ON)することにより締結し、前記ソレノイドを非励磁(OFF)にすることにより開放するので、この実施例においては第3クラッチ22の締結・開放の判定は前記ソレノイドのON/OFFに基づいて行う。
ステップS202における判定結果が「YES」(締結中)である場合は、ステップS203に進み、第2モータ・ジェネレータ20のトルクがゼロでないか否かを判定する。ここで、トルクがゼロでないということは第2モータ・ジェネレータ20が力行動作あるいは回生動作のいずれかを行っているということであり、第2モータ・ジェネレータ20のトルクがゼロであるということは第2モータ・ジェネレータ20が力行動作も回生動作もしていないということである。
ステップS203における判定結果が「YES」(モータトルク≠0)である場合は、ステップS204に進み、第3クラッチ22の下流側回転数と上流側回転数の差の絶対値ΔNCLを算出する。
次に、ステップS205に進み、回転数差の絶対値ΔNCLが閾値D以上か否かを判定する。
ステップS205における判定結果が「YES」(ΔNCL≧D)である場合は、ステップS206に進み、第3クラッチ22が故障であると判定し、第2モータ・ジェネレータ20の励磁電流をゼロにして、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止し、第3クラッチ22に開放指令を出す。これにより、第3クラッチ22の締結中も故障判定が可能になり、第3クラッチ22が故障していると判定されたときに、第2モータ・ジェネレータ20の過回転および第2モータ・ジェネレータ20への無駄なトルク印加を防止することができる。
なお、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止した場合には、エンジン2あるいは第1モータ・ジェネレータ3により前輪10a,10bを駆動して車両1を走行させる。
次に、ステップS207に進み、第2モータ・ジェネレータ20の回転数NMOTが所定回転数E以下か否かを判定し、ステップS207における判定結果が「YES」(NMOT≦E)である場合は、ステップS208に進み、ECU50による第2モータ・ジェネレータ20に対するインバータ(PDU13)のスイッチングを停止(ゲートOFF)して、本ルーチンの実行を終了する。
すなわち、ステップS206において第3クラッチ22が故障であると判定した場合には、第2モータ・ジェネレータ20の回転数が所定回転数E以下になるのを待ってから、第2モータ・ジェネレータ20とバッテリ12との間の電力授受を停止することにより、前記インバータのスイッチング素子の保護を図るとともに、電力消費の削減を図る。
また、ステップS202における判定結果が「NO」である場合(第3クラッチ締結中でない場合)、ステップS203における判定結果が「NO」(モータトルク=0)である場合、ステップS205における判定結果が「NO」(ΔNCL<D)である場合、ステップS207における判定結果が「NO」(NMOT>E)である場合も、本ルーチンの実行を終了する。
図8は、第3クラッチ締結中において第3クラッチ22が故障であると判定されたときのタイムチャートである。
なお、この実施例において、ECU50がステップS202の処理を実行することにより締結状態検出手段が実現され、ステップS205,S206の処理を実行することにより第2の故障判定手段が実現される。
次に、クラッチ締結中におけるクラッチ故障判定処理の別の実施例について、図9のフローチャートに従って説明する。
図9に示すフローチャートはクラッチ故障判定処理ルーチンを示すものであり、このルーチンはECU50によって一定時間毎に実行される。
この実施例におけるステップS211〜S213の処理は、前述した図7に示すフローチャートにおけるステップS201〜S203の処理と同じであるので説明を省略する。ただし、ステップS211における判定結果が「YES」である場合は、ステップS218に進む。
ステップS213における判定結果が「YES」(モータトルク≠0)である場合は、ステップS214に進み、図10に示すクラッチ上流回転加速度テーブルを参照して、第2モータ・ジェネレータ20のトルクに応じた回転加速度(以下、推定回転加速度と称す)を検索する。第3クラッチ22が正常に作動している場合には、第2モータ・ジェネレータ20のトルク値に対応して第3クラッチ22の上流側の回転加速度が存在する。クラッチ上流回転加速度テーブルは、第2モータ・ジェネレータ20のトルク値と回転加速度の関係を予め実験的に求めてテーブルにしたものである。
次に、ステップS215に進み、モータ回転数センサ27で検出した第2モータ・ジェネレータ20の回転数に基づいて、第2モータ・ジェネレータ20の実際の回転加速度(実回転加速度)を算出する。
次に、ステップS216に進み、ステップS212で求めた第2モータ・ジェネレータ20の実回転加速度が、ステップS211で求めた推定回転加速度よりも大きいか否かを判定する。
ステップS216における判定結果が「YES」(実回転加速度>推定回転加速度)である場合は、回転加速度の過大の原因は第3クラッチ22の故障にあるとの推定に基づき、ステップS217に進み、第3クラッチ22が故障であると判定し、第2モータ・ジェネレータ20の励磁電流をゼロにして第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止し、第3クラッチ22に開放指令を出す。これにより、第3クラッチ22の締結中も故障判定が可能になり、第3クラッチ22が故障していると判定されたときに、第2モータ・ジェネレータ20の過回転および第2モータ・ジェネレータ20への無駄なトルク印加を防止することができる。
なお、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止した場合には、エンジン2あるいは第1モータ・ジェネレータ3により前輪10a,10bを駆動して車両1を走行させる。
次に、ステップS218に進み、第2モータ・ジェネレータ20の回転数NMOTが所定回転数E以下か否かを判定し、ステップS218における判定結果が「YES」(NMOT≦E)である場合は、ステップS219に進み、ECU50による第2モータ・ジェネレータ20に対するインバータのスイッチングを停止(ゲートOFF)して、本ルーチンの実行を終了する。なお、ステップS218,S219の処理は前述した図7に示すフローチャートにおけるステップS207,208の処理と同じであり、第2モータ・ジェネレータ20の回転数が所定回転数E以下になるのを待ってから、第2モータ・ジェネレータ20とバッテリ12との間の電力授受を停止することにより、前記インバータのスイッチング素子の保護を図るとともに、電力消費の削減を図る。
また、ステップS212における判定結果が「NO」である場合(第3クラッチ締結中でない場合)、ステップS213における判定結果が「NO」(モータトルク=0)である場合、ステップS216における判定結果が「NO」(実加速度≦加速度上限値)である場合、ステップS218における判定結果が「NO」(NMOT>E)である場合も、本ルーチンの実行を終了する。
なお、この実施例において、ECU50がステップS212の処理を実行することにより締結状態検出手段が実現され、ステップS214の処理を実行することにより回転加速度推定手段が実現され、ステップS215の処理を実行することにより回転加速度算出手段が実現され、ステップS216,S217の処理を実行することにより第3の故障判定手段が実現される。
次に、クラッチ開放中におけるクラッチ故障判定処理について、図11のフローチャートに従って説明する。
図11に示すフローチャートはクラッチ故障判定処理ルーチンを示すものであり、このルーチンはECU50によって一定時間毎に実行される。
まず、ステップS301において第3クラッチ22が故障しているか否かを判定する。すなわち、前述したクラッチ締結制御の実行によりステップS117またはステップS125においてクラッチ故障と判定された場合には、このステップS301において肯定判定がなされ、ステップS307に進む。
ステップS301における判定結果が「NO」である場合は、ステップS302に進み、第3クラッチ22が開放中か否かを判定する。第3クラッチ22の締結・開放の判定は第3クラッチ22のソレノイドのON/OFFに基づいて行う。
ステップS302における判定結果が「YES」(開放中)である場合は、ステップS303に進み、第3クラッチ22の下流側回転数NCL2が所定回転数F以上か否かを判定する。
ステップS303における判定結果が「YES」(NCL2≧F)である場合は、ステップS304に進み、第3クラッチ22の下流側回転数と上流側回転数の差の絶対値ΔNCLを算出する。
次に、ステップS305に進み、回転数差の絶対値ΔNCLが閾値G以下か否かを判定する。
ステップS305における判定結果が「YES」(ΔNCL≦G)である場合は、ステップS306に進み、第3クラッチ22が故障であると判定する。つまり、第3クラッチ22が正常に動作している場合には、第3クラッチ22を開放し、しかも第3クラッチ22の下流側回転数がF以上であるときには、第3クラッチ22の上流側と下流側との回転数差は閾値Gを超えるはずであり、回転数差がこの閾値Gを超えていないときには、第3クラッチ22の故障により第3クラッチ22の上流側が下流側に引きずられて回転していると推定する。
ステップS306の処理に続いてステップS307に進み、車速の上限値を、第3クラッチ22を締結しているときに第2モータ・ジェネレータ20の回転数が第2モータ・ジェネレータ20の許容回転数以下となる車速値に制限する処理(上限車速の制限処理)を実行して本ルーチンの実行を終了する。これにより、第3クラッチ22の開放中も故障判定が可能になり、第3クラッチ22の開放中に第3クラッチ22が故障している場合にも、第2モータ・ジェネレータ20が過回転するのを防止することができる。
また、ステップS302における判定結果が「NO」である場合(第3クラッチ開放中でない場合)、ステップS303における判定結果が「NO」(NCL2<F)である場合、ステップS305における判定結果が「NO」(ΔNCL>G)である場合も、本ルーチンの実行を終了する。
図12は、第3クラッチ開放中において第3クラッチ22が故障であると判定されたときのタイムチャートである。
なお、この実施例において、ECU50がステップS302の処理を実行することにより締結状態検出手段が実現され、ステップS305,S306の処理を実行することにより第3の故障判定手段が実現され、ステップS307の処理を実行することにより速度制限手段が実現される。
図13は、別の動力伝達系を備えたハイブリッド車両の平面配置図であり、図14はその動力伝達系の概略構成図である。
このハイブリッド車両における動力伝達系が、図1および図2に示した動力伝達系と相違する点は、(1)第2モータ・ジェネレータ20の出力軸20aが第3クラッチ22を介して動力伝達ギヤ7aに断接可能に連結されていること、(2)クラッチ下流回転数センサ28は動力伝達ギヤ7aの回転数を検出するものであること、(3)後輪26a,26bは従動輪であること、にある。その他の構成は図1及び図2に示した動力伝達系と同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。つまり、このハイブリッド車両1は前輪駆動車であり、2つのモータ・ジェネレータ3,20はいずれも前輪10a,10bに連係されている。
図13および図14に示す動力伝達系における第2モータ・ジェネレータ20の停止・運転(力行・回生)方法は、図1および図2に示す動力伝達系における第2モータ・ジェネレータ20の停止・運転(力行・回生)方法と同じであり、この場合においても、前述した手順による第3クラッチ22の締結処理、第3クラッチ22の故障判定処理を実施することが可能である。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例ではハイブリッド車両における電動機と車輪との間に設置されたクラッチの例で説明したが、この発明は、駆動源としての内燃機関を備えず電動機のみを駆動源とする電気車両において電動機と車輪との間に設置されたクラッチに対する締結処理および故障判定処理にも適用可能である。
この発明に係る電動車両用制御装置を備えたハイブリッド車両の動力伝達系の平面配置図である。 前記動力伝達系の概略構成図である。 前記ハイブリッド車両における駆動力切り替えとクラッチ締結・開放のオペレーションイメージ図である。 電動車両用制御装置におけるクラッチ締結処理を示すフローチャートである。 クラッチが正常な場合のクラッチ締結時のタイムチャートである。 クラッチが故障している場合のクラッチ締結時のタイムチャートである。 クラッチ締結中におけるクラッチ故障判定処理を示すフローチャートである。 クラッチ締結中においてクラッチが故障であると判定されたときのタイムチャートである。 クラッチ締結中における別のクラッチ故障判定処理を示すフローチャートである。 クラッチ上流回転加速度テーブルの一例を示す図である。 クラッチ開放中におけるクラッチ故障判定処理を示すフローチャートである。 クラッチ開放中においてクラッチが故障であると判定されたときのタイムチャートである。 この発明に係る電動車両用制御装置を備えたハイブリッド車両の別の動力伝達系の平面配置図である。 前記動力伝達系の概略構成図である。
符号の説明
1 ハイブリッド車両(電動車両)
10b 前輪(車輪)
20 第2モータ・ジェネレータ(電動機)
22 第3クラッチ(クラッチ)
26b 後輪(車輪)
27 モータ回転数センサ(クラッチ上流回転数検出手段)
28 クラッチ下流回転数センサ(クラッチ下流回転数検出手段)

Claims (6)

  1. 電動機と車輪の間に動力を断接するクラッチを備える電動車両の制御装置であって、
    前記クラッチの上流側の回転数を検出するクラッチ上流回転数検出手段と、
    前記クラッチの下流側の回転数を検出するクラッチ下流回転数検出手段と、
    車両走行中に前記クラッチを締結するのに先だって前記クラッチの上流側の回転数を下流側の回転数に近づけるように前記電動機の出力を制御する第1の電動機出力制御手段と、
    前記クラッチの上流側と下流側の回転数の差が第1の所定値以下のときに前記クラッチを締結するクラッチ締結処理手段と、
    前記クラッチの締結処理後に前記電動機の出力をゼロまたはゼロに近似させる第2の電動機出力制御手段と、
    を備え、前記第2の電動機出力制御手段により出力を制御した後、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差が第2の所定値以下のときに前記電動機の力行または回生を行うことを特徴とする電動車両用制御装置。
  2. 前記第2の電動機出力制御手段により出力を制御した後、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第1の故障判定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動車両用制御装置。
  3. 前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段と、
    前記締結状態検出手段によって前記クラッチが締結状態と判定され且つ前記電動機を力行動作または回生動作させているときに、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第2の故障判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動車両用制御装置。
  4. 前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段と、
    前記締結状態検出手段によって前記クラッチが締結状態と判定され且つ前記電動機を力行動作または回生動作させているときに、前記クラッチの上流側の回転加速度を推定する回転加速度推定手段と、
    前記クラッチ上流回転数検出手段により検出した前記クラッチの上流側の回転数に基づいて上流側の実回転加速度を算出する回転加速度算出手段と、
    前記回転加速度推定手段により推定された回転加速度と前記回転加速度算出手段により算出された実回転加速度の比較に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第3の故障判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動車両用制御装置。
  5. 前記第2または第3の故障判定手段により前記クラッチが故障と判定されたときに、前記電動機の力行および回生を禁止するとともに、前記電動機の回転数が所定回転数以下になったときに前記電動機を駆動するインバータの動作を停止することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電動車両用制御装置。
  6. 前記電動機とは別に車両を駆動する動力源と、
    前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段と、
    前記締結状態検出手段によって前記クラッチが開放状態と判定されているときに前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第3の故障判定手段と、
    前記第3の故障判定手段により故障と判定されたときに、前記車両の速度を、前記クラッチ締結状態での前記電動機の回転数が該電動機の許容回転数以下となる車速値以下に制限する速度制限手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動車両用制御装置。
JP2004227791A 2004-08-04 2004-08-04 電動車両用制御装置 Expired - Fee Related JP4071751B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004227791A JP4071751B2 (ja) 2004-08-04 2004-08-04 電動車両用制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004227791A JP4071751B2 (ja) 2004-08-04 2004-08-04 電動車両用制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006050767A JP2006050767A (ja) 2006-02-16
JP4071751B2 true JP4071751B2 (ja) 2008-04-02

Family

ID=36028661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004227791A Expired - Fee Related JP4071751B2 (ja) 2004-08-04 2004-08-04 電動車両用制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4071751B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104093616A (zh) * 2012-02-14 2014-10-08 丰田自动车株式会社 混合动力车的控制装置

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4915233B2 (ja) * 2006-12-20 2012-04-11 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP5747081B2 (ja) * 2011-07-14 2015-07-08 本田技研工業株式会社 自動車用駆動システム
JPWO2013121525A1 (ja) * 2012-02-14 2015-05-11 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP6102182B2 (ja) * 2012-10-29 2017-03-29 三菱自動車工業株式会社 ハイブリッド車の制御装置
WO2014087857A1 (ja) * 2012-12-07 2014-06-12 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両のモード切り替え制御装置
JP6383324B2 (ja) * 2015-05-22 2018-08-29 本田技研工業株式会社 変速機
JP6668845B2 (ja) * 2016-03-15 2020-03-18 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP7052262B2 (ja) * 2017-09-08 2022-04-12 トヨタ自動車株式会社 四輪駆動車用駆動装置
US20220063588A1 (en) * 2019-01-23 2022-03-03 Aisin Corporation Vehicle driving device and hybrid vehicle

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104093616A (zh) * 2012-02-14 2014-10-08 丰田自动车株式会社 混合动力车的控制装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006050767A (ja) 2006-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5348662B2 (ja) ハイブリッド車両のクラッチ特性補正方法
EP2631133B1 (en) Hybrid vehicle rapid deceleration control device
JP3715272B2 (ja) 車両の動力伝達装置
EP3006247B1 (en) Malfunction determination device and malfunction determination method for hybrid vehicle
KR101393562B1 (ko) 하이브리드 차량의 주행 모드 변환 제어 방법 및 시스템
KR101765594B1 (ko) 듀얼 클러치 변속기를 구비한 하이브리드 차량의 제어 방법 및 장치
WO2016181634A1 (ja) 内燃機関の再始動制御装置
US9199637B1 (en) Engine autostop control system and method for hybrid powertrain
JP2003092804A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2007055493A (ja) 車両およびその制御方法
JP5428330B2 (ja) 車両の急減速制御装置及び急減速制御方法
JP6852802B2 (ja) ハイブリッド車両の制御方法および制御装置
JP4071751B2 (ja) 電動車両用制御装置
JP2004224110A (ja) ハイブリッド車両の回生発電制御装置
JP4453653B2 (ja) ハイブリッド車両のトルク配分制御装置
US11642969B2 (en) Regenerative braking control apparatus for electrically-powered vehicle
JP2010185466A (ja) 車両のクラッチ制御装置
US20220063588A1 (en) Vehicle driving device and hybrid vehicle
KR101806961B1 (ko) 마일드 하이브리드 차량용 크루즈 제어 방법 및 장치
JP2006194263A (ja) 自動車およびその制御方法
JP2008213717A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP5816957B2 (ja) 車両の制御装置
JP2012218689A (ja) 車両制御装置
JP2013180698A (ja) ハイブリッド電気自動車の制御装置
KR101449323B1 (ko) 하이브리드 차량의 클러치 제어 장치 및 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4071751

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110125

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110125

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120125

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120125

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140125

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees