JP4071751B2 - 電動車両用制御装置 - Google Patents
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Description
また、エンジンと電動機を駆動源として備えるハイブリッド車両において、前記電動機の回転数が所定値を超えたときにエンジンの出力を制限して、前記電動機の過回転を防止する技術も開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、エンジンと電動機を駆動源として備えるハイブリッド車両において、前記電動機の回転数を検出する回転数センサの故障判定を、該回転数センサで検出した回転数と、エンジン回転数や車輪速などに基づいて算出される前記電動機の回転数との比較に基づいて行う技術が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
そこで、この発明は、電動機と車輪の間に設けられたクラッチの締結判断の精度向上を図り、電動機を迅速に駆動(力行、回生)可能にする電動車両用制御装置を提供するものである。
前記クラッチの上流側の回転数を検出するクラッチ上流回転数検出手段(例えば、後述する実施例におけるモータ回転数センサ27)と、
前記クラッチの下流側の回転数を検出するクラッチ下流回転数検出手段(例えば、後述する実施例におけるクラッチ下流回転数センサ28)と、
車両走行中に前記クラッチを締結するのに先だって前記クラッチの上流側の回転数を下流側の回転数に近づけるように前記電動機の出力を制御する第1の電動機出力制御手段(例えば、後述する実施例におけるステップS104)と、
前記クラッチの上流側と下流側の回転数の差が第1の所定値以下のときに前記クラッチを締結するクラッチ締結処理手段(例えば、後述する実施例におけるステップS108,S109)と、
前記クラッチの締結処理後に前記電動機の出力をゼロまたはゼロに近似させる第2の電動機出力制御手段(例えば、後述する実施例におけるステップS110)と、
を備え、前記第2の電動機出力制御手段により出力を制御した後、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差が第2の所定値以下のときに前記電動機の力行または回生を行うことを特徴とする電動車両用制御装置である。
このように構成することにより、クラッチの上流側と下流側の回転数差が第1の所定値以下になってからクラッチを締結するので、クラッチ締結時に締結ショックが生じるのを防止することができる。
また、クラッチの締結処理後に電動機の出力をゼロまたはゼロに近似させる制御を行うことで、クラッチの上流側を下流側からの動力だけで回転させる状態にすることができ、その状態においてクラッチの上流側と下流側の回転数差が第2の所定値以下になったときに電動機を駆動(力行、回生)するので、電動機の過回転を確実に防止することができる。
このように構成することにより、クラッチの締結処理後に電動機の出力をゼロまたはゼロに近似させる制御を行うことで、クラッチの上流側を下流側からの動力だけで回転させ、その状態においてクラッチの上流側と下流側の回転数差を求めてクラッチの故障判定を行うので、判定精度を高めることができる。
前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS202)と、
前記締結状態検出手段によって前記クラッチが締結状態と判定され且つ前記電動機を力行動作または回生動作させているときに、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第2の故障判定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS205,S206)と、
を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、クラッチ締結中においてもクラッチの故障判定が可能になる。
前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS212)と、
前記締結状態検出手段によって前記クラッチが締結状態と判定され且つ前記電動機を力行動作または回生動作させているときに、前記クラッチの上流側の回転加速度を推定する回転加速度推定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS214)と、
前記クラッチ上流回転数検出手段により検出した前記クラッチの上流側の回転数に基づいて上流側の実回転加速度を算出する回転加速度算出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS215)と、
前記回転加速度推定手段により推定された回転加速度と前記回転加速度算出手段により算出された実回転加速度の比較に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第3の故障判定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS216,S217)と、
を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、クラッチ締結中においてもクラッチの故障判定が可能になる。
このように構成することにより、クラッチが故障と判定されたときには電動機の力行、回生を禁止するので、該電動機の過回転および該電動機への無駄なトルク印加を防止することができる。
また、電動機の回転数が所定回転数以下になるのを待ってからインバータの動作を停止するので、前記インバータのスイッチング素子の保護を図ることができるとともに、電力消費の削減を図ることができる。
前記電動機とは別に車両を駆動する動力源(例えば、後述する実施例におけるエンジン2、第1モータ・ジェネレータ3)と、
前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS302)と、
前記締結状態検出手段によって前記クラッチが開放状態と判定されているときに前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第3の故障判定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS305,306)と、
前記第3の故障判定手段により故障と判定されたときに、前記車両の速度を、前記クラッチ締結状態での前記電動機の回転数が該電動機の許容回転数以下となる車速値以下に制限する速度制限手段(例えば、後述する実施例におけるステップS307)と、
を備えたことを特徴とする。
このように構成することにより、クラッチの開放中も故障判定が可能になる。また、クラッチの開放中にクラッチが故障と判定されたときに車両の速度を制限するので、クラッチ故障中も電動機の過回転を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、クラッチの故障判定精度を高めることができる。
請求項3または請求項4に係る発明によれば、クラッチ締結中においてもクラッチの故障判定ができる。
請求項5に係る発明によれば、クラッチの故障時に電動機の過回転および該電動機への無駄なトルク印加を防止することができる。また、前記電動機を駆動するインバータのスイッチング素子の保護を図ることができるとともに、電力消費の削減を図ることができる。
請求項6に係る発明によれば、クラッチの開放中も故障判定ができ、また、クラッチの開放中のクラッチ故障時に電動機の過回転を防止することができる。
図1は、この発明に係る電動車両用制御装置を備えたハイブリッド車両における動力伝達系の平面配置図であり、図2は同概略構成図である。
このハイブリッド車両1は、前輪駆動用の動力伝達系と後輪駆動用の動力伝達系を備えている。
なお、この実施例では、変速機としてプーリ・ベルト式無段変速機を用いているが、有段変速機の採用も可能であり、さらに自動変速機あるいは手動変速機のいずれも採用可能である。
なお、PDU13は、第1モータ・ジェネレータ3を駆動するためのスイッチング素子からなるインバータと、第2モータ・ジェネレータ20を駆動するためのスイッチング素子からなるインバータを備えている。
したがって、このハイブリッド車両1では、前輪駆動用の動力伝達系において、第1クラッチ4および第2クラッチ6を締結させた状態で、エンジン2と第1モータ・ジェネレータ3の少なくとも一方の動力を、無断変速機5を介して前輪10a,10bに伝達することが可能となる。また、第1モータ・ジェネレータ3は、第1クラッチ4および第2クラッチ6を締結させた状態において、減速走行時に前輪10a,10b側からの回転駆動により回生動作を行ってバッテリ12の充電(エネルギー回収)を行うことが可能である。
なお、エンジン2の停止・運転・出力制御、および、第1モータ・ジェネレータ3、第2モータ・ジェネレータ20の停止・運転(力行・回生)・出力制御、および、第1〜第3クラッチ4,6,22の締結・開放に係る油圧制御は電子制御装置(ECU)50によって行われる。
また、このハイブリッド車両1では、後輪駆動用動力伝達系の第3クラッチ22の締結確認および故障判定を行うために、第2モータ・ジェネレータの回転数を検出するためのモータ回転数センサ(クラッチ上流回転数検出手段)27と、動力伝達ギヤ23aの回転数を検出するためのクラッチ下流回転数センサ(クラッチ下流回転数検出手段)28を備え、これら回転数センサ27,28で検出された回転数に対応する電気信号がECU50に入力される。
そして、車速が所定速度に達すると(時間t1)、ECU50は、第2モータ・ジェネレータ20を停止するとともに第3クラッチ22を開放して後輪駆動を終了し、第1クラッチ4および第2クラッチ6を締結するとともにエンジン2を始動して、前輪駆動によるエンジン走行(ENG走行)に切り替える。
そして、所定の車速(低速)において定速走行に入ると(時間t2)、ECU50は、エンジン2を停止するとともに第1クラッチ4と第2クラッチ6を開放して前輪駆動のエンジン走行を終了し、第3クラッチ22を締結するとともに第2モータ・ジェネレータ20を力行動作させて、後輪駆動によるモータ走行(EV走行)に切り替える。
そして、所定の車速(高速)において定速走行に入ると(時間t4)、ECU50は、前輪駆動によるエンジン走行を維持して定速走行を行う。
さらに、時間t5において減速要求があると、ECU50は、エンジン2を停止するとともに第1クラッチ4と第2クラッチ6を開放して前輪駆動のエンジン走行を終了し、第3クラッチ22を締結するとともに第2モータ・ジェネレータ20を回生動作させて、得られた電力をバッテリ12に充電する。
さらに、時間t7において減速要求があると、ECU50は、エンジン2を停止し、第1モータ・ジェネレータ3を回生動作させて、得られた電力をバッテリ12に充電する。その後、車速が所定値に達すると(時間t8)、ECU50は、第1モータ・ジェネレータ3の回生動作を停止するとともに第1クラッチ4と第2クラッチ6を開放し、第3クラッチ22を締結するとともに第2モータ・ジェネレータ20を回生動作させて、得られた電力をバッテリ12に充電する。
そして、時間t9において車速がゼロとなり、車両1は停止する。
また、万が一、第3クラッチ22が故障している場合には、第2モータ・ジェネレータ20の駆動(力行および回生)を禁止するなど、状況に応じた措置を講ずる必要がある。
そこで、この電動車両用制御装置では、以下に説明する手順で、第3クラッチ22の締結処理、第3クラッチ22の故障判定処理を行っている。
図4に示すフローチャートはクラッチ締結処理ルーチンを示すものであり、このルーチンはECU50によって一定時間毎に実行される。
まず、ステップS101において、第3クラッチONモードか否かを判定する。ここで、第3クラッチONモードとは第3クラッチ22に締結指令を出すべきモードを言い、この実施例では、第2モータ・ジェネレータ20を力行動作させて後輪駆動すべきとき、および、第2モータ・ジェネレータ20を回生動作させて後輪から伝達される運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリ12に充電すべきときに、ECU50は第3クラッチONモードと判定する。
ここで、第1タイマーTM1の初期値には、第3クラッチ22に締結指令を出してから第3クラッチ22が締結完了するまでに必要な所要時間が予め設定されており、この所要時間は経験値に基づい決定されている。また、第2タイマーTM2の初期値は第1タイマーTM1の初期値よりも大きい値が、第3タイマーTM3の初期値は第2タイマーTM2の初期値よりも大きい値が設定されている(TM1の初期値<TM2の初期値<TM3の初期値)。
ステップS103における判定結果が「NO」(F=0)である場合は、ステップS104に進み、クラッチ前後回転合わせ処理を実行する。このクラッチ前後回転合わせ処理とは、第3クラッチ22の上流側と下流側の回転数が一致していない状態で第3クラッチ22を締結すると締結ショックが生じるので、これを防止するために、第3クラッチ22の上流側(すなわち、動力伝達ギヤ21b)の回転数を下流側(すなわち、動力伝達ギヤ23a)の回転数に一致させるべく、第2モータ・ジェネレータ20の回転数を制御する処理である。
なお、第3クラッチ22の下流側回転数はクラッチ下流回転数センサ28により検出し、上流側回転数は、モータ回転数センサ27により検出された第2モータ・ジェネレータ20の回転数に基づき動力伝達ギヤ21a,21bのギヤ比から算出することができる。
ステップS105における判定結果が「YES」(前後回転差<A)である場合は、ステップS106に進んでフラグFを「1」とし、さらにステップS107に進んで第1カウンターCNT1を「0」とし、さらにステップS108に進んで第3クラッチ22に締結指令を出して第3クラッチ22のソレノイドをON(すなわちクラッチON)とし、この締結指令と同時に第1,第2,第3タイマーTM1,TM2,TM3をスタートする。これにより、第3クラッチ22の上流側と下流側の回転数差を締結ショックが生じない回転数差にした状態で、第3クラッチ22を締結することができる。
なお、ステップS106でフラグFを「1」としたので、次回このルーチンを実行したときのステップS103における判定結果は「YES」となり、ステップS104のクラッチ前後回転合わせ処理を実行せずステップS105に進むことになる。
ステップS109における判定結果が「YES」(TM1≦0)である場合は、第3クラッチ22が締結完了しているとみなし、ステップS110に進んで、第2モータ・ジェネレータ20のトルクをゼロまたはゼロに近似させるように制御する(以下、ゼロトルク制御という)。つまり、第2モータ・ジェネレータ20のトルクがゼロになるように第2モータ・ジェネレータ20を積極的に制御するか、あるいは、第2モータ・ジェネレータ20の励磁電流をゼロに制御することにより第2モータ・ジェネレータ20のトルクをゼロに近づけるか、いずれかの制御を行う。なお、以下の説明において、「第2モータ・ジェネレータ20のトルクをゼロにする」は、「ゼロに近似させる」場合を含むものとする。
ここで、第2モータ・ジェネレータ20のゼロトルク制御によって車両駆動力に生じるモータフリクション分の変化は、エンジン2のトルク補正によって補償することも可能である。
なお、ステップS109における判定結果が「NO」(TM1>0)である場合にも、ステップS111に進んで第2タイマーTM2がゼロ以下か否かを判定するが、TM2の初期値>TM1の初期値であるので、この場合にはステップS111における判定結果は「NO」となり、ステップS123に進む、ステップS123において第2カウンターCNT2を「0」にし、さらにステップS124に進んでTM3がゼロ以下か否かを判定するが、TM3>TM1であるので、ステップS124における判定結果は「NO」となって、本ルーチンの実行を終了する。
ステップS112における判定結果が「YES」(前後回転差<B)である場合は、第3クラッチ22は正常であると判断して、ステップS113に進み、第2カウンターCNT2を「0」にリセットし、さらにステップS114に進んで第2モータ・ジェネレータ20の駆動を許可して、本ルーチンの実行を終了する。なお、第2モータ・ジェネレータ20の駆動には、力行動作および回生動作のいずれの動作も含まれる。
また、判定の結果、第3クラッチ22が故障であるときには第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止するので、第2モータ・ジェネレータ20の過回転および第2モータ・ジェネレータ20への無駄なトルク印加を防止することができ、第2モータ・ジェネレータ20を保護することができる。
ステップS120における判定結果が「NO」(CNT1≦C)である場合は、ステップS121に進み、フラグFを「0」にし、さらにステップS111に進む。一方、ステップS120における判定結果が「YES」(CNT1>C)である場合は、ステップS122に進み、第2モータ・ジェネレータ20が故障であると判定し、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止して、本ルーチンの実行を終了する。つまり、ステップS105における否定判定が(C+1)回連続した場合には、第2モータ・ジェネレータ20の故障が原因でクラッチ前後回転合わせ処理が正常に実行できないと判断し、第2モータ・ジェネレータ20を駆動禁止にする。この場合にも、エンジン2あるいは第1モータ・ジェネレータ3による前輪駆動を継続して車両1を走行させる。
このようにステップS111で否定判定され、ステップS123を経てステップS124に進み、このステップS124における判定結果が「YES」(TM3≦0)である場合は、ステップS125に進み、第3クラッチ22が故障であると判定し、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止し、第3クラッチ22に開放指令を出して、本ルーチンの実行を終了する。この場合にも、エンジン2あるいは第1モータ・ジェネレータ3による前輪駆動を継続して車両1を走行させる。
なお、この実施例において、ECU50がステップS104の処理を実行することにより第1の電動機出力制御手段が実現され、ステップS108,S109の処理を実行することによりクラッチ締結処理手段が実現され、ステップS110の処理を実行することにより第2の電動機出力制御手段が実現され、ステップS112,S117の処理を実行することにより第1の故障判定手段が実現される。
図7に示すフローチャートはクラッチ故障判定処理ルーチンを示すものであり、このルーチンはECU50によって一定時間毎に実行される。
ステップS201における判定結果が「NO」である場合は、ステップS202に進み、第3クラッチ22が締結中か否かを判定する。第3クラッチ22は図示しないソレノイドを励磁(ON)することにより締結し、前記ソレノイドを非励磁(OFF)にすることにより開放するので、この実施例においては第3クラッチ22の締結・開放の判定は前記ソレノイドのON/OFFに基づいて行う。
次に、ステップS205に進み、回転数差の絶対値ΔNCLが閾値D以上か否かを判定する。
ステップS205における判定結果が「YES」(ΔNCL≧D)である場合は、ステップS206に進み、第3クラッチ22が故障であると判定し、第2モータ・ジェネレータ20の励磁電流をゼロにして、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止し、第3クラッチ22に開放指令を出す。これにより、第3クラッチ22の締結中も故障判定が可能になり、第3クラッチ22が故障していると判定されたときに、第2モータ・ジェネレータ20の過回転および第2モータ・ジェネレータ20への無駄なトルク印加を防止することができる。
なお、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止した場合には、エンジン2あるいは第1モータ・ジェネレータ3により前輪10a,10bを駆動して車両1を走行させる。
すなわち、ステップS206において第3クラッチ22が故障であると判定した場合には、第2モータ・ジェネレータ20の回転数が所定回転数E以下になるのを待ってから、第2モータ・ジェネレータ20とバッテリ12との間の電力授受を停止することにより、前記インバータのスイッチング素子の保護を図るとともに、電力消費の削減を図る。
図8は、第3クラッチ締結中において第3クラッチ22が故障であると判定されたときのタイムチャートである。
なお、この実施例において、ECU50がステップS202の処理を実行することにより締結状態検出手段が実現され、ステップS205,S206の処理を実行することにより第2の故障判定手段が実現される。
図9に示すフローチャートはクラッチ故障判定処理ルーチンを示すものであり、このルーチンはECU50によって一定時間毎に実行される。
この実施例におけるステップS211〜S213の処理は、前述した図7に示すフローチャートにおけるステップS201〜S203の処理と同じであるので説明を省略する。ただし、ステップS211における判定結果が「YES」である場合は、ステップS218に進む。
次に、ステップS215に進み、モータ回転数センサ27で検出した第2モータ・ジェネレータ20の回転数に基づいて、第2モータ・ジェネレータ20の実際の回転加速度(実回転加速度)を算出する。
次に、ステップS216に進み、ステップS212で求めた第2モータ・ジェネレータ20の実回転加速度が、ステップS211で求めた推定回転加速度よりも大きいか否かを判定する。
なお、第2モータ・ジェネレータ20の駆動を禁止した場合には、エンジン2あるいは第1モータ・ジェネレータ3により前輪10a,10bを駆動して車両1を走行させる。
なお、この実施例において、ECU50がステップS212の処理を実行することにより締結状態検出手段が実現され、ステップS214の処理を実行することにより回転加速度推定手段が実現され、ステップS215の処理を実行することにより回転加速度算出手段が実現され、ステップS216,S217の処理を実行することにより第3の故障判定手段が実現される。
図11に示すフローチャートはクラッチ故障判定処理ルーチンを示すものであり、このルーチンはECU50によって一定時間毎に実行される。
ステップS301における判定結果が「NO」である場合は、ステップS302に進み、第3クラッチ22が開放中か否かを判定する。第3クラッチ22の締結・開放の判定は第3クラッチ22のソレノイドのON/OFFに基づいて行う。
ステップS302における判定結果が「YES」(開放中)である場合は、ステップS303に進み、第3クラッチ22の下流側回転数NCL2が所定回転数F以上か否かを判定する。
次に、ステップS305に進み、回転数差の絶対値ΔNCLが閾値G以下か否かを判定する。
ステップS305における判定結果が「YES」(ΔNCL≦G)である場合は、ステップS306に進み、第3クラッチ22が故障であると判定する。つまり、第3クラッチ22が正常に動作している場合には、第3クラッチ22を開放し、しかも第3クラッチ22の下流側回転数がF以上であるときには、第3クラッチ22の上流側と下流側との回転数差は閾値Gを超えるはずであり、回転数差がこの閾値Gを超えていないときには、第3クラッチ22の故障により第3クラッチ22の上流側が下流側に引きずられて回転していると推定する。
また、ステップS302における判定結果が「NO」である場合(第3クラッチ開放中でない場合)、ステップS303における判定結果が「NO」(NCL2<F)である場合、ステップS305における判定結果が「NO」(ΔNCL>G)である場合も、本ルーチンの実行を終了する。
なお、この実施例において、ECU50がステップS302の処理を実行することにより締結状態検出手段が実現され、ステップS305,S306の処理を実行することにより第3の故障判定手段が実現され、ステップS307の処理を実行することにより速度制限手段が実現される。
このハイブリッド車両における動力伝達系が、図1および図2に示した動力伝達系と相違する点は、(1)第2モータ・ジェネレータ20の出力軸20aが第3クラッチ22を介して動力伝達ギヤ7aに断接可能に連結されていること、(2)クラッチ下流回転数センサ28は動力伝達ギヤ7aの回転数を検出するものであること、(3)後輪26a,26bは従動輪であること、にある。その他の構成は図1及び図2に示した動力伝達系と同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。つまり、このハイブリッド車両1は前輪駆動車であり、2つのモータ・ジェネレータ3,20はいずれも前輪10a,10bに連係されている。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例ではハイブリッド車両における電動機と車輪との間に設置されたクラッチの例で説明したが、この発明は、駆動源としての内燃機関を備えず電動機のみを駆動源とする電気車両において電動機と車輪との間に設置されたクラッチに対する締結処理および故障判定処理にも適用可能である。
10b 前輪(車輪)
20 第2モータ・ジェネレータ(電動機)
22 第3クラッチ(クラッチ)
26b 後輪(車輪)
27 モータ回転数センサ(クラッチ上流回転数検出手段)
28 クラッチ下流回転数センサ(クラッチ下流回転数検出手段)
Claims (6)
- 電動機と車輪の間に動力を断接するクラッチを備える電動車両の制御装置であって、
前記クラッチの上流側の回転数を検出するクラッチ上流回転数検出手段と、
前記クラッチの下流側の回転数を検出するクラッチ下流回転数検出手段と、
車両走行中に前記クラッチを締結するのに先だって前記クラッチの上流側の回転数を下流側の回転数に近づけるように前記電動機の出力を制御する第1の電動機出力制御手段と、
前記クラッチの上流側と下流側の回転数の差が第1の所定値以下のときに前記クラッチを締結するクラッチ締結処理手段と、
前記クラッチの締結処理後に前記電動機の出力をゼロまたはゼロに近似させる第2の電動機出力制御手段と、
を備え、前記第2の電動機出力制御手段により出力を制御した後、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差が第2の所定値以下のときに前記電動機の力行または回生を行うことを特徴とする電動車両用制御装置。 - 前記第2の電動機出力制御手段により出力を制御した後、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第1の故障判定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動車両用制御装置。
- 前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段と、
前記締結状態検出手段によって前記クラッチが締結状態と判定され且つ前記電動機を力行動作または回生動作させているときに、前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第2の故障判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動車両用制御装置。 - 前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段と、
前記締結状態検出手段によって前記クラッチが締結状態と判定され且つ前記電動機を力行動作または回生動作させているときに、前記クラッチの上流側の回転加速度を推定する回転加速度推定手段と、
前記クラッチ上流回転数検出手段により検出した前記クラッチの上流側の回転数に基づいて上流側の実回転加速度を算出する回転加速度算出手段と、
前記回転加速度推定手段により推定された回転加速度と前記回転加速度算出手段により算出された実回転加速度の比較に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第3の故障判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動車両用制御装置。 - 前記第2または第3の故障判定手段により前記クラッチが故障と判定されたときに、前記電動機の力行および回生を禁止するとともに、前記電動機の回転数が所定回転数以下になったときに前記電動機を駆動するインバータの動作を停止することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電動車両用制御装置。
- 前記電動機とは別に車両を駆動する動力源と、
前記クラッチの締結・開放状態を検出する締結状態検出手段と、
前記締結状態検出手段によって前記クラッチが開放状態と判定されているときに前記クラッチの上流側の回転数と下流側の回転数の差に基づいて前記クラッチの故障判定を行う第3の故障判定手段と、
前記第3の故障判定手段により故障と判定されたときに、前記車両の速度を、前記クラッチ締結状態での前記電動機の回転数が該電動機の許容回転数以下となる車速値以下に制限する速度制限手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動車両用制御装置。
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