JP4071331B2 - 液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法 - Google Patents

液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法に係わり、特に液晶駆動基板に対向配置された電気光学素子の誘電体反射膜の表面画像に基づいて液晶駆動基板の動作状態を検査する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、液晶表示パネルは、液晶が封入されたガラス板に当該液晶に電界を加える液晶駆動基板を対向配置したものである。この液晶表示パネルは、液晶駆動基板の画素電極に加えるデータ電圧を制御して液晶に加える電界を調節し、この電界調節によって液晶の光透過率をコントロールして画像を表示するものである。このような液晶表示パネルに用いられる液晶駆動基板は、ガラス板上に行列状態に設けられた複数の画素電極を備え、これら画素電極に書込む電圧をTFT等のスイッチング素子を用いてコントロールするものである。
【0003】
図6は、このような液晶駆動基板の一種として、TFT(薄膜トランジスタ)を使用したアクティブマトリックス方式の液晶駆動基板Aの構成例を示す平面図である。この図において、ガラス基板a1の表面には、一定間隔を隔てて行列(マトリクス)状に多数の画素電極a2とTFTa3と保持容量a8とが形成されている。すなわち、画素電極a2とTFTa3と保持容量a8とは、当該液晶駆動基板Aによって表示される画像の水平方向と垂直方向とに一定間隔を隔ててマトリクス状に配置される。
【0004】
そして、これら画素電極a2とTFTa3と保持容量a8の間には、互いに平行な複数本のゲート配線a4が所定ピッチ間隔で布線されると共に、これらのゲート配線a4と直交するようにデータ配線a5が所定ピッチ間隔で布線されている。また、保持容量a8がゲート配線a4とは別の共通端子にまとめられるタイプの場合には、通常ゲート配線a4と平行にCs配線a9が所定ピッチ間隔で付線されている。各TFTa3は、ソース端子がデータ配線a5に接続され、ドレイン端子が画素電極a2に接続され、ゲート端子がゲート配線a4に接続されている。これら各TFTa3は、ゲート配線a4から各ゲート端子に所定電圧が印加されることによって導通状態となり、この時各データ配線a5を介してソース端子に印加される電圧を各画素電極a2に供給する。画素電極a2に供給される電圧は、TFTa3を非導通状態にしたときも、保持容量a8によって一定電圧に保持される。
【0005】
このような液晶駆動基板Aは、液晶表示パネルの製造工程の途中のものであり、各TFTa3を静電気等から保護するために、ゲート配線a4はショートバーa6にそれぞれ接続され、データ配線a5はショートバーa7にそれぞれ接続され、Cs配線a9はショートバーa10にそれぞれ接続されている。なお、この液晶駆動基板Aが液晶表示パネルとして完成する時点では、各ゲート配線a4及びデータ配線a5は各ショートバーa6,a7から分離され、駆動回路に接続される。
【0006】
このような液晶駆動基板Aの作動を検査する検査装置としては、例えば特開平5−256794号公報等に記載された電気光学素子板(モジュレータと称する)を用いるものがある。図7は、このようなモジュレータを用いた検査装置の構成例の概要図である。この図において、符号Bはモジュレータである。このモジュレータBは、内部に液晶が封入された液晶シートb1の片面に薄膜透明電極b2を貼り合わせ、またもう一方の面にモジュレータBに照射された光を反射する半導体反射膜b3を蒸着または貼り合わせて構成される。
【0007】
このモジュレータBは、図示しない検査装置本体に固定され、また液晶駆動基板AはモジュレータBに微小ギャップ(10μm〜数10μm)を隔てて対向配置される。液晶駆動基板Aは、ガラス基板a1上に多数の画素電極a2が行列状に設けられ、これら各画素電極a2への電圧の印加がTFTa3によって制御されるようになっている。
【0008】
モジュレータBの薄膜透明電極b2及び液晶駆動基板Aの各TFTのゲート電極とソース電極には、電圧印加装置Cによって液晶駆動基板Aの動作を検査するために必要な所定電圧が印加され、さらにモジュレータBの表面にはハロゲンランプDによって光が照射される。この状態において、CCDカメラEは、モジュレータBの表面からの反射光によってモジュレータBの表面の模様を画像として捉える。
【0009】
液晶駆動基板Aは微小間隔をおいてモジュレータBに対向して配置されているので、液晶シートb1内に封入された液晶は、薄膜透明電極b2と液晶駆動基板Aの各画素電極a2との間に発生する電界の影響を受けて分子の配向状態が変化することになる。この結果、該液晶の分子配向の状態に応じて液晶シートb1の光透過率が調節され、よってモジュレータBに照射された光の反射率が変化することになる。
【0010】
この結果、CCDカメラEによって捉えられるモジュレータBの表面画像は、液晶駆動基板Aの各画素電極a2に印加された電圧を反映させた輝度の画像(電圧イメージ)となる。画像処理装置Fは、この電圧イメージを2値化処理することによって正常な電圧が印加されていない画素電極a2(欠陥画素)を特定し、例えばその欠陥数等に基づいて液晶駆動基板Aの良否を検査する。そして、この検査結果は、モニタGに送られて表示される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図5(a)は電圧イメージの波形の一例を示すものである。電圧イメージは、モジュレータBに印加される画素電極a2からの電界つまり画素電極a2に書込まれた電圧に応じた画像となり、該波形の縦軸は画素電極a2の電圧を反映したレベルとなる。このような電圧イメージの波形においては、主に液晶駆動基板側における信号遅延や信号間ショート等により、液晶駆動基板A毎の非線形的な電圧イメージの傾斜が生じる場合がある。また、場合によっては、モジュレータBに封止された液晶の部分的な応答性のムラに起因して、モジュレータ単位での電圧イメージのムラが発生することもある。
【0012】
さらに、液晶駆動基板には、ドライバを搭載したものがある。このドライバ付液晶駆動基板は、画素電極数が従来のものと変わらないもののパネルサイズが比較的小さなものが多く、最初の画素電極への電圧の書込みから最後の画素電極への電圧の書込みまでの間に10数ms以上の時間を必要とする場合がある。このようなドライバ付液晶駆動基板の検査においては、パネルサイズが小さいのでモジュレータの1ショットによって電圧イメージを取得できるが、早く書込んだ電圧が減衰してしまうことによりモジュレータ単位での電圧イメージの傾斜が生じる場合がある。この電圧イメージの傾斜は、パネルサイズが小さい分、傾斜が急になる。
【0013】
以上の点から、電圧イメージを一定の閾値電圧を用いて2値化処理する場合に、該閾値電圧を設定するに際して上記傾斜やムラを加味する必要があり、したがって精度良く欠陥画素を検出することができない。
【0014】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、以下の点を目的とするものである。
(1)精度良く液晶駆動基板を検査することが可能な液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法を提供する。
(2)電圧イメージの波形に含まれる直流オフセットや極低い周波数の外乱を除去することが可能な液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、液晶駆動基板の検査装置に係わる手段として、画素電極に行列状に多数設けられた液晶駆動基板の検査装置において、平板状に封止された液晶または電気光学効果を有するシートと該シートまたは液晶の一面に備えられた透明電極と前記シートまたは液晶のもう一面に備えられた誘電体反射膜とからなり、前記シートまたは液晶を透明電極との間で挟込むように液晶駆動基板に対向配置される電気光学素子板と、画素電極と透明電極とに各々所定電圧を供給する電源装置と、誘電体反射膜から反射してくる画像を撮影して画像信号を出力する撮像手段と、画像信号を二値化処理して電圧が正常に印加されない欠陥画素電極を検出し、該検出結果を液晶駆動基板の検査結果として出力する画像処理装置とからなり、該画像処理装置は、画像信号について直流成分を含む低周波成分を除去する低周波成分除去処理を施した後、前記二値化処理を行うという手段を採用する。
また、上記手段において、電気光学素子板の表面について複数枚撮影された画像の各々に低周波成分除去処理を施し、該低周波成分除去処理によって得られた各画像信号の加算信号を二値化処理するという手段をも採用する。
一方、本発明では、液晶駆動基板の検査方法に係わる手段として、画素電極が行列状に多数設けられた液晶駆動基板に平板状に封止された液晶または電気光学効果を有するシートと該シートまたは液晶の一面に備えられた透明電極ともう一面に備えられた誘電体反射膜とからなる電気光学素子板を前記シートまたは液晶を透明電極との間に挟込むように対向配置し、前記画素電極と透明電極にも所定電圧を印加し、この際の誘電体反射膜から反射してくる画像に基づいて液晶駆動基板を検査する方法において、画像について直流成分を含む低周波成分を除去する低周波成分除去処理を施す行程と、低周波成分除去処理した画像を二値化処理する行程と、二値化処理によって得られた信号に基づいて電圧が正常に印加されない画素電極を欠陥画素電極として検出する行程とからなる手段を採用する。
また、液晶駆動基板の検査方法に係わる手段として、上記手段において誘電体反射膜の表面について複数枚画像を撮影し、各々の画像について低周波成分除去処理を施し、該低周波成分除去処理によって得られた各画像信号の加算信号に二値化処理を施すという手段をも採用する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わる液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は、上述した液晶駆動基板Aの検査に関するものであり、既に説明した部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0017】
図1は、本実施形態における検査装置の機能構成図である。この図において、符号1は電気光学素子板(モジュレータ)であって、内部に液晶が平板状に封入された液晶シート1aと薄膜透明電極1bと半導体反射膜1cとから構成されている。このモジュレータ1は、例えば方形状の液晶シート1aの片面に薄膜透明電極1bを貼り合わせ、かつもう一方の面に半導体反射膜1cを蒸着または貼り合わせて構成されている。
【0018】
このモジュレータ1は、その面が水平かつ半導体反射膜1cが下向きとなるように図示しない検査装置本体に固定され、その下方には微小ギャップ△d(10μm〜数10μm)を隔てて液晶駆動基板Aが対向配置されるようになっている。図2は、モジュレータBの電気光学特性を示すものであり、この電気光学特性つまり薄膜透明電極1bへの印加電圧に対する反射光量の関係は、その全体的な応答としては非線形特性を有する。この非線形応答の一部のほぼ線形的な応答特性の領域の中間点にバイアス電圧が設定される。
【0019】
符号2はX−Yステージであり、図示しない制御装置による制御の下に、水平面内で液晶駆動基板Aを移動させるものである。液晶駆動基板Aが比較的大型の場合には、液晶駆動基板Aの面積がモジュレータ1よりも大きくなる。この場合、すべての画素電極a2を一度にモジュレータ1と対向させることができないので、X−Yステージ2を作動させて液晶駆動基板Aを水平面内で移動させることによって、液晶駆動基板Aのすべての画素電極a2をモジュレータ1と対向させて検査を行う。
【0020】
符号3はビームスプリッタ、4は光源である。ビームスプリッタ3は、モジュレータ1の上方に対向状態に備えられ、その側方に備えられた光源4から照射された光を反射してモジュレータ1の全面に照射する。また、このビームスプリッタ3は、モジュレータ1からの反射光を上方に透過させる作用を持つものである。ここで、光源4は、例えばハロゲンランプ等の高輝度の光を放射するものが適用され、図示しない制御装置によってその発光がストロボ状に制御されるものである。
【0021】
符号5はフィルタ(光学フィルタ)であり、上記ビームスプリッタ3の上方に備えられ、該ビームスプリッタ3を透過したモジュレータ1の反射光から特定波長範囲の光のみをレンズ6に透過するものである。レンズ6は凸レンズであり、フィルタ5を透過した光を集光させてCCDカメラ7に導くものである。
【0022】
CCDカメラ7は、レンズ6から入射された光に基づいて上記モジュレータ1の表面の画像、すなわち画素電極a2への印加電圧に応じて変化する電圧イメージを撮像するものである。このCCDカメラ7は、例えば撮像時のフレーム周波数が30Hz、空間分解能が2.8CCD/100μm、画素数が1024kの性能を有し、撮像した電圧イメージをデジタル画像データとして画像処理装置8に出力する。なお、上記液晶駆動基板Aの画素電極a2のピッチは、例えば100μm程度であり、上記CCDカメラ7の分解能は、この画素電極a2のピッチに対して十分な性能を有している。
【0023】
画像処理装置8は、CCDカメラ7から入力されたデジタル画像データに所定のデジタル画像処理を施すことによって、上記電圧イメージから液晶駆動基板Aの欠陥画素(正常にデータ電圧が印加されていない画素電極a2)を検出し、その結果をモニタ9に出力する。例えば、モニタ9に表示される検査結果情報としては、欠陥部分と正常部分とを色分けしてその分布状態を示す画像や欠陥画素の個数を示す数値情報等である。
【0024】
符号10は電源装置であって、モジュレータ1の薄膜透明電極1bにバイアス電圧を印加すると共に、液晶駆動基板Aにゲート電圧及びデータ電圧を印加するためのものである。バイアス電圧は、例えば上記CCDカメラ7のフレーム周波数30Hzで±230Vp-pの両極性方形波である。この電源装置10は、図示しない制御装置による制御の下、上記ゲート電圧とデータ電圧及びバイアス電圧を出力する。
【0025】
次に、このように構成された液晶駆動基板の検査装置の動作について、図3〜図5を参照して説明する。
【0026】
まず、図3を参照して、バイアス電圧及びデータ電圧の印加について説明する。バイアス電圧は、図示するように±230Vp-pの両極性方形波がCCDカメラ7のフレーム周波数(30Hz)に同期するようにモジュレータ1の薄膜透明電極1bに印加される。そして、データ電圧は、当該バイアス電圧に同期し、かつバイアス電圧が正極性の+230Vの期間にのみ一周期毎に極性の変わるパルスa(電圧値=+5V)とパルスb(電圧値=−5V)としてショートバーa7に印加される。また、ショートバーa6には、上記パルスa,bの期間において各TFTa3を導通状態とするためのゲート電圧が印加される。
【0027】
この結果、画素電極a2の画素電圧は、図の破線で示すようにTFTa3が導通状態となってデータ電圧の各パルスa,bの電圧値になる。そして、画素電極a2に一度データ電圧が書き込まれた後、TFTa3が非導通状態となるようにゲート電圧を下げ、画素電圧を一定時間保持させた後を捉えてモジュレータ1の表面画像つまり電圧イメージをCCDカメラ7によって撮影する。本実施形態では、正極性のパルスaの印加時の電圧イメージをAフレームイメージ、負極性のパルスbの印加時の電圧イメージをBフレームイメージとして撮影する。そして、以下に説明するように、AフレームイメージとBフレームイメージからなる複数ペアのイメージを撮影する。
【0028】
図4は、上記AフレームイメージとBフレームイメージに対する画像処理装置8の処理行程を機能ブロック図として示したものである。なお、この画像処理装置8における処理は、実際にはプログラムに基づく画像処理として実現されるものである。
【0029】
まず始めに、モジュレータBの上記線形特性の部分における応答を抽出するために、上記各ペア(例えばnペア)について、Aフレームイメージのデジタル画像データからBフレームイメージのデジタル画像データが減算されて(ステップSa1,Sa2,……San)、サブイメージが生成される。そして、このサブイメージのデジタル画像データにはコンボリューション処理が施され(ステップSb1,Sb2,……Sbn)、該処理の結果得られたイメージがサブイメージから減算されて(ステップSc1,Sc2,……Scn)、補正イメージのデジタル画像データが生成される。なお、上記コンボリューション処理は、公知のデジタル画像処理であり、モジュレータBの表面各部について得られたデジタル画像データを近傍領域で加算してイメージを平滑化する処理である。
【0030】
図5は、上記各イメージの波形図であり、このうち(a)はサブイメージの波形、(b)はコンボリューション処理後のイメージの波形、(c)は補正イメージの波形を示している。サブイメージの波形は、上述したように液晶の部分的な応答性のムラに起因して、モジュレータサイズでの電圧のムラが発生する場合がある。
【0031】
このようなサブイメージに対してコンボリューション処理を施すことにより、該サブイメージは平均化されることになり、比較的空間周波数の高い成分が除去される。この結果、コンボリューション処理後のイメージの波形は、図5(b)に示すように、直流成分と該直流近傍の周波数成分のみからなる波形となる。すなわち、コンボリューション処理後のイメージの波形は、欠陥画素の情報を含まない低周波成分からなる波形として得られる。
【0032】
さらに、このようなコンボリューション処理によって得られたイメージをサブイメージから減算することにより、直流成分と該直流近傍の周波数成分のみがサブイメージから除去される。すなわち、補正イメージは、図5(c)に示すように、サブイメージについて低周波成分を除去する低周波成分除去処理を施したものとして得られる。そして、このように生成された全ての補正イメージが加算されて(ステップSd,Se)、最終補正イメージが生成される。
【0033】
そして、この最終補正イメージは、図5(c)に示すように、所定の検査閾値と比較されることにより2値化処理され、欠陥画素が検出される。この欠陥画素が検出されると、画像処理装置8は、その検出結果を欠陥画素の個数やその分布としてモニタ9に出力する。あるいは、画像処理装置8は、欠陥画素の個数を予め設定された判定基準と比較することにより欠陥画素の個数が判定基準を上回った場合に、当該検査対象である液晶駆動基板Aを不良品と判定し、その旨をモニタ9に出力する。
【0034】
なお、上記実施形態では、CCDカメラ7から出力されるデジタル画像データをデジタル画像処理することによって直流を含む低周波成分を除去しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、CCDカメラ7の出力がアナログ画像信号である場合には、広域通過フィルタのようにアナログ的な画像処理回路によって低周波成分を除去することも考えられる。
また、デジタル画像処理を用いる場合においても、上述したようにコンボリューション処理と該コンボリューション処理の出力を原信号から減算する処理の組合せに限定されるものではない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法によれば、画素電極に行列状に多数設けられた液晶駆動基板の検査装置であって、平板状に封止された液晶または電気光学効果を有するシートと該シートまたは液晶の一面に備えられた透明電極と前記シートまたは液晶のもう一面に備えられた誘電体反射膜とからなり、前記シートまたは液晶を透明電極との間で挟込むように液晶駆動基板に対向配置される電気光学素子板と、前記画素電極と透明電極とに各々所定電圧を供給する電源装置と、前記誘電体反射膜から反射してくる画像を撮影して画像信号を出力する撮像手段と、前記画像信号を二値化処理して電圧が正常に印加されない欠陥画素電極を検出し、該検出結果を液晶駆動基板の検査結果として出力する画像処理装置とからなり、該画像処理装置は、画像信号について直流成分を含む低周波成分を除去する低周波成分除去処理を施した後、前記二値化処理を行うので、液晶駆動基板内部の信号遅延や信号間短絡によって発生する非線形の電圧の傾斜やモジュレータ単位で発生する極低い周波数の外乱が除去されて、精度良く液晶駆動基板を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願に係わる液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法の一実施形態において、液晶駆動基板の検査装置の構成概要を示す平面図である。
【図2】 本願に係わる液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法の一実施形態において、モジュレータの光電変換特性を示すグラフである。
【図3】 本願に係わる液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法の一実施形態において、各部印加電圧のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】 本願に係わる液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法の一実施形態において、画像処理装置におけるデジタル画像処理の手順を示す機能ブロック部である。
【図5】 本願に係わる液晶駆動基板の検査装置及びその検査方法の一実施形態において、電圧イメージの波形処理を示す波形図である。
【図6】 液晶駆動基板の構成の一例を示す平面図である。
【図7】 従来の液晶駆動基板の検査装置の構成を示す概要図である。
【符号の説明】
1……モジュレータ
1a……液晶シート
1b……薄膜透明電極(透明電極)
1c……半導体反射膜
2……X−Yステージ
3……ビームスプリッタ
4……光源
5……フィルタ
6……レンズ
7……CCDカメラ(撮像手段)
8……画像処理装置
9……モニタ
10……電源装置
A……液晶駆動基板
a1……ガラス板
a2……画素電極
a3……TFT(薄膜トランジスタ)
a4……ゲート配線
a5……データ配線
a6,a7,a10……ショートバー
a8……保持容量
a9……Cs配線

Claims (4)

  1. 画素電極に行列状に多数設けられた液晶駆動基板の検査装置であって、
    平板状に封止された液晶または電気光学効果を有するシートと該シートまたは液晶の一面に備えられた透明電極と前記シートまたは液晶のもう一面に備えられた誘電体反射膜とからなり、前記シートまたは液晶を透明電極との間で挟込むように液晶駆動基板に対向配置される電気光学素子板と、
    前記画素電極と透明電極とに各々所定電圧を供給する電源装置と、
    前記誘電体反射膜から反射してくる画像を撮影して画像信号を出力する撮像手段と、
    前記画像信号を二値化処理して電圧が正常に印加されない欠陥画素電極を検出し、該検出結果を液晶駆動基板の検査結果として出力する画像処理装置とからなり、
    該画像処理装置は、画像信号について直流成分を含む低周波成分を除去する低周波成分除去処理を施した後、前記二値化処理を行うことを特徴とする液晶駆動基板の検査装置。
  2. 請求項1記載の液晶駆動基板の検査装置において、電気光学素子板の表面について複数枚撮影された画像の各々に低周波成分除去処理を施し、該低周波成分除去処理によって得られた各画像信号の加算信号を二値化処理することを特徴とする液晶駆動基板の検査装置。
  3. 画素電極が行列状に多数設けられた液晶駆動基板に平板状に封止された液晶または電気光学効果を有するシートと該シートまたは液晶の一面に備えられた透明電極ともう一面に備えられた誘電体反射膜とからなる電気光学素子板を前記シートまたは液晶を透明電極との間に挟込むように対向配置し、前記画素電極と透明電極にも所定電圧を印加し、この際の誘電体反射膜から反射してくる画像に基づいて液晶駆動基板を検査する方法であって、
    前記画像について直流成分を含む低周波成分を除去する低周波成分除去処理を施す行程と、
    低周波成分除去処理した画像を二値化処理する行程と、
    二値化処理によって得られた信号に基づいて電圧が正常に印加されない画素電極を欠陥画素電極として検出する行程と、
    からなることを特徴とする液晶駆動基板の検査方法。
  4. 請求項3記載の液晶駆動基板の検査方法において、誘電体反射膜の表面について複数枚画像を撮影し、各々の画像について低周波成分除去処理を施し、該低周波成分除去処理によって得られた各画像信号の加算信号に二値化処理を施すことを特徴とする液晶駆動基板の検査方法。
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