JP4071283B2 - 滅菌保護剤及び滅菌方法 - Google Patents
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Description
本発明は、被滅菌材料と陽性荷電を有する三糖以上の多糖類を含む滅菌保護剤とからなる材料、該滅菌保護剤を用いる滅菌方法、及び該滅菌保護剤に関する。
背景技術
近年、生物学的作用物質(以下、単に作用物質又はリガンドということもある)を用いて同物質と相互作用をなす物質の選択的分離、分割、除去等の試みが成されており、かかる生物学的作用物質としてペプチド、蛋白質、合成物等のリガンドを、担体に固定してなる作用材料が研究されている。特に、酵素や抗体等の蛋白質を担体に固定した作用材料を用いて、血液細胞を特異的に除去したり、同作用材料をバイオリアクターに利用する技術が検討されている。しかしながら、これらの作用材料は滅菌処理に対して非常に不安定であり、とりわけ材料表面にリガンドを固定した作用材料の場合、リガンドが有する被作用物質との相互作用機能が滅菌処理により低下することが多く、リガンドの活性を損なうことなく作用材料に充分な滅菌を施すことが困難であった。
US−A−5283034には、滅菌処理に際して、表面安定化剤としてヒト血清アルブミン等の物質と、酸素ラジカル捕捉剤としてグルコース、スクロース、ラクトース、トレハロース、アミロース等の単糖類もしくは二糖類又はイムノグロブリン等の糖蛋白質の共存下での滅菌方法が開示されている。しかしながら、この滅菌方法では、水分含量1%未満の乾燥状態でのみ滅菌が可能であり、その結果、滅菌された後の材料を使用する際、プライミング性が悪く、取り扱いが難しかった。
JP−A−4−285561には、生理活性を有する蛋白質を主要構成要素として含む医療用具をソルビトール、マンニトール、キシリトール、トレハロース等の単糖類又は二糖類の存在下で滅菌する方法が開示されている。しかしこの方法は、被滅菌材料として、フィブリンのような水不溶性で、かつ滅菌処理に対して比較的安定な物質を対象としており、抗体のようなその三次構造が活性の発現に大きく影響するような物質を滅菌するに際しての、被滅菌材料の保護作用については一切不明であった。
すなわち、特異性を有する蛋白質等のリガンドの活性を維持したまま、湿潤状態でも滅菌可能とするような有効な滅菌保護剤はこれまで知られていなかった。
発明の開示
本発明は、上記の課題に鑑み、滅菌処理後においても生物学的作用物質がその作用機能を発揮できるような滅菌保護材を提供することを目的とし、また、生物学的作用物質の活性を維持したまま湿潤状態でも滅菌することができるような滅菌方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、多糖類、特に、陽性荷電を有する三糖以上の多糖類を含む滅菌保護剤が滅菌処理に非常に有効であることを見出した。さらに本発明者らは、上記滅菌保護剤を用いると、生物学的作用物質が滅菌処理に対して非常に不安定な抗体のような物質であっても、湿潤状態から乾燥状態に至るあらゆる状態の滅菌処理に対して驚くべき程に安定であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、被滅菌材料と滅菌保護剤とからなる材料であって、滅菌保護剤が陽性荷電を有する三糖以上の多糖類を含む材料に関する。
また本発明は、陽性荷電を有する三糖以上の多糖類を含む滅菌保護剤とともに被滅菌材料を滅菌することからなる被滅菌材料の滅菌方法に関する。
さらに本発明は、陽性荷電を有する三糖以上の多糖類を含む化合物からなる滅菌保護剤に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明でいう滅菌保護剤とは、滅菌処理後においても被滅菌材料がその活性を維持し、その作用機能を発揮することができるように、被滅菌材料を保護することのできる材料をいい、本発明においては、陽性荷電を有する三糖以上の多糖類を含む。
本発明の滅菌保護剤は、その陽性荷電により、滅菌処理時に発生したラジカルを素早くトラップすることができ、また三糖以上の多糖類としての糖骨格を有することにより、滅菌時の生物学的作用物質の安定性を高め、かつ効果としては弱いがラジカルをトラップすることができ、それにより高い滅菌保護効果を発揮すると考えられる。また、糖骨格を有する構造に陽性荷電が直接結合していることにより、更に高い滅菌保護効果が得られると考えられる。
本発明における陽性荷電を有する三糖以上の多糖類とは、陽性荷電を有する同一種類の単糖が直接三糖以上繰り返して結合してなるホモ多糖、又は陽性荷電を有する糖を三糖以上含み、かつ他の糖も含むヘテロ多糖をいう。すなわち、多糖類中に少なくとも陽性荷電を有する単糖が3つ以上あることが必要である。
本発明の滅菌保護剤を構成する多糖類の構成単糖として、例えば、3−アミノ−3−デオキシ−D−リボース、D−ガラクトサミヌロンサン、D−ガラクトサミン、D−グルコサミヌロン酸、D−グルコサミン、D−グロサミン、D−タロサミン、ネオサミンC、ノイモサミン、D−フコサミン、D−マンノサミン、ミカミノース、ミコサミン、ロドサミン等が挙げられる。本発明において多糖類は、上記のような少なくとも一種を三糖以上含む。上記の単糖(単量体)はいずれもアミノ基による陽性荷電を有している。多糖類の構成単糖は、上記単糖においてアミノ基がイミノ基で置換されたものであってもよい。
好ましい多糖類は、D−ガラクトサミン、D−グルコサミン、D−グロサミン、D−タロサミン、D−フコサミン、D−マンノサミン、ミコサミン及びロドサミンからなる群より選ばれる少なくとも一種を三糖以上含む多糖類である。
本発明においてより好ましい多糖類は、D−グルコサミンの多量体であるキトサン及び/又は部分キトサン化キチンである。ポリβ1−4−グルコサミンであるキトサンはアミノ基による陽性荷電を有している点で最も好ましく用いられる。部分キトサン化キチンは、キチンを加水分解等により脱アセチル化することにより部分的にポリβ1−4−グルコサミン構造を有する糖であり、β1−4−グルコサミン単位を3つ以上含むことが必要である。部分キトサン化キチンは、水溶性であることが好ましい。加水分解等によるβ1−4−グルコサミン構造への転換率はキチンの分子量に依存するが、その水溶性と陽性荷電の量の観点からできるだけ高い方が望ましく、好ましくは20%以上、さらに好ましくは50%以上、最も好ましくは80%以上である。
本発明の滅菌保護剤中の多糖類の分子量は、生物学的作用物質であるリガンドの機能を阻害せず、かつ滅菌処理時にリガンドが変質しないように、リガンドの分子量に対して適当な分子量比を有するような大きさであることが望ましい。リガンドの分子量に対する滅菌保護剤の分子量が1/2以上であると、リガンドと生物学的被作用物質(以下単に被作用物質ともいう)との相互作用を滅菌保護剤が立体的に阻害し好ましくない。一方、リガンド分子量に対する多糖類の分子量が1/500未満であると、十分な滅菌保護効果が得られず好ましくない。したがって、本発明の多糖類の分子量は、リガンドの分子量の1/500以上1/2未満であることが好ましく、リガンド分子量の1/400以上1/2未満であることがさらに好ましく、リガンド分子量の1/300以上1/2未満であることが最も好ましい。
特に抗体等の生体材料をリガンドとして用いる場合は、分子量600(三量体)以上100,000(467量体)以下のキトサン又は部分キトサン化キチンが多糖類として好ましく用いられる。より高い滅菌保護作用を有するという観点から、上記多糖類とリガンドの分子量の条件下で多糖類がリガンドに近い分子量を有することが好ましく、またリガンドと被作用物質との相互作用を滅菌保護剤が妨げないようにするため、滅菌保護剤の分子量が600以上90,000以下であることがより好ましい。最も好ましい滅菌保護剤の分子量は600以上80,000以下である。
本発明の滅菌保護剤を構成する多糖類は、非修飾の多糖類でもよく、末端又は側鎖が修飾された多糖類であってもよい。本発明の滅菌保護剤は多糖類とともに、添加剤を混合して含んでいてもよい。末端又は側鎖の修飾には、アルキル鎖、ポリエチレングリコール鎖等の滅菌処理に対して比較的強い構造体を適宜用いることができる。また、添加剤は、用途に応じていずれの化合物も用いることができるが、好ましくは、滅菌処理に対して耐性を有するものが用いられる。
本発明の滅菌保護剤は、滅菌対象物質としてのリガンド又はその担体の表面に結合していてもよいし、リガンドの近傍に存在して滅菌処理時にリガンドを安定に保護していてもよい。滅菌保護剤をリガンドの近傍に存在させるためには、滅菌対象物質に充填液を満たして滅菌する際に、その充填液中に本発明の滅菌保護剤を共存させればよい。本発明の滅菌保護剤を滅菌対象物質と共存させるために、該滅菌保護剤を滅菌対象物質に直接塗布してもよい。
本発明における表面とは、生物学的被作用物質が接触することができる表面をいう。したがって、滅菌保護剤が生物学的作用物質(リガンド)の担体の表面に結合していてもよい。
滅菌保護剤のリガンドへの結合、又は担体としての多孔質材料等の基材への結合は、直接共有結合であってもよいし、活性基を介する共有結合であってもよい。多孔質材料等の基材などの担体又はリガンドへの滅菌保護剤の結合には、置換反応、縮合反応、開環反応等を用いることができる。滅菌保護剤の結合のために担体の表面又はリガンドに設ける活性基として、ハロアセトアミノアルキル化剤を用いて活性化することにより形成された活性基、エピクロロヒドリン等を用いて活性化することにより形成されたエポキシ基、イソシアネート基、イソチアシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、ビニル基、ブロモシアンを用いて活性化することにより形成された活性基等が挙げられる。上記ハロアセトアミノアルキル化剤を用いて形成された活性基としては、N−ヒドロキシメチルハロアセトアミド等を用いて活性化することにより形成されたα−アセトアミノハロゲン基、N−ヒドロキシメチルジハロプロピオンアミド等を用いて活性化することにより形成されたα,β−プロピオンアミノハロゲン基、N−ヒドロキシメチルジハロアセトアミド等を用いて活性化することにより形成されたα,α−アセトアミノジハロゲン基、N−ヒドロキシメチルトリハロアセトアミド等を用いて活性化することにより形成されたα,α,α−アセトアミノトリハロゲン基等が挙げられる。
また、本発明における多糖類には、糖蛋白質のような糖鎖と陽性荷電とが分離して存在するものは含まれない。
本発明における被滅菌材料は、滅菌処理を施す対象となる材料であればよく、特に制限されない。好ましくは、被滅菌材料は、生物学的被作用物質と相互作用をなす生物学的作用物質及び同作用物質の担体からなる生物学的作用材料である。
本発明における生物学的作用物質(リガンド)とは、被作用物質と特異的又は選択的に相互作用を成す物質であり、被作用物質と親和力(アフィニティ)を有する物質、又は被作用物質に対して触媒、活性化、刺激、反応等の作用を成す物質である。リガンドの種類は被作用物質によりそれぞれ異なるが、一般的には、蛋白質及び/又はペプチド等が用いられる。
血液の血球成分である細胞、特に免疫関連細胞に対して親和力を有するリガンドの例として、体内に溶出した場合の免疫原性の低さの観点からは、アミノ酸残基数3〜50程度のペプチドが好ましく、被作用物質とのアフィニティの高さの観点からは、抗体等が好ましい。細胞へのアフィニティの高さの観点から、モノクローナル抗体がさらに好ましい。抗体をその機能により例示すると、抗CD4、抗CD8、抗CD3、抗CD2、抗CD1a、抗CD1b、抗CD5、抗CD3R、抗CD6、抗CD7、抗CD9、抗CD10、抗CD11a、抗CD18、抗CD19、抗CD20、抗CD21、抗CD22、抗CD23、抗CD24、抗CD37、抗CD40、抗CD72、抗CD77、抗CD16、抗CD32、抗CD33、抗CD34、抗CD35、抗CD64、抗CD65、抗CDw65、抗CD66b、抗CD66e、抗CD89、抗CDw90、抗CD56、抗CD57、抗CD94、抗CD105、抗CD106、抗CD46、抗CD31、抗CD36、抗CD41、抗CD42a、抗CD42b、抗CD63、抗CD11a、抗CD11b、抗CD11c、抗CD18、抗CD29、抗CD44、抗CD48、抗CD49a、抗CD49b、抗CD49c、抗CD49d、抗CD49e、抗CD49f、抗CD50、抗CD51、抗CD54、抗CD58、抗CD61、抗CD62E、抗CD62L、抗CD62P、抗CD103、抗CD26、抗CD30、抗CD69、抗CD70、抗CD71、抗CD95、抗CD25、抗CD117、抗CD122、抗CDw124、抗CD126、抗CD127等が挙げられる。これらの抗体は単独で用いてもよいし、複数の抗体を組み合わせて用いてもよい。さらにこれらの抗体の一部からなるペプチドもリガンドとして良好に用いることができる。
被作用物質が血漿成分である場合、該物質に対して相互作用を成すリガンドとしては、血漿成分に親和性をもつ全ての化合物又は天然物が包含される。そのようなリガンドの例として、抗LDL抗体等の血漿成分に対する抗体、荷電を有する合成化合物、アミノ酸残基数3以上50以下のポリペプチド(オリゴペプチド)、高分子重合体等が挙げられる。
また被作用物質に触媒作用を示し、これと選択的反応又は選択的改質等の作用を示すリガンドは、化合物、天然物、血液含有物等から見出すことができるがこれらに限定されるものではない。滅菌処理後の高い安定性に対する要求から、好ましくは、マイトジェン、サイトカイン、酵素等の生体由来の蛋白質がかかるリガンドとして挙げられる。また、被作用物質が細胞であり、これを活性化、不活化、分化、増殖させたり、また、細胞に対して免疫応答の制御作用、抗腫瘍作用、抗ウイルス作用、細胞増殖・分化調節作用を示す細胞刺激因子もリガンドとして例示できる。
マイトジェンは、細胞分裂誘発物質ともいわれ、細胞の分裂を誘発するだけでなく、細胞の分化を促し、細胞に特定の機能を誘導することができる物質である。その例として、フィトヘマグルチニン(PHA)、コンカナバリンA、インゲンマメレクチン(PHA)、ポークウィードマイトジェン(PWM)、リポポリサッカライド(LPS)、ストレプトリシンS、ツベルクリン蛋白(PPD)、プロテインA、肺炎双球菌多糖体(SIII)等が挙げられる。特に、リンパ球に対して強い活性を示すポークウィードマイトジェン(PWM)、リポポリサッカライド(LPS)等が良好に用いられる。
サイトカインとは、細胞から放出され、細胞間相互作用を媒介する蛋白質性因子であり、免疫応答の制御作用、抗腫瘍作用、抗ウイルス作用、細胞増殖・分化調節作用を示す物質である。その例として、インターロイキン1〜13、インターフェロンα,β,γ,腫瘍壊死因子、リンホトキシン、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)や顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子(GM−CSF)等のコロニー刺激因子、エリトロポエチン、上皮増殖因子、繊維芽細胞増殖因子等が挙げられる。特に、接触により作用するサイトカインが良好に用いられる。
酵素とは、生物が産生する触媒であり、温和な条件で反応に対する触媒作用を発揮することができる。酵素は主に酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、除去付加酵素、異性化酵素、合成酵素に分類することができ、何れの酵素も良好に用いられる。
本発明において、リガンドは担体としての多孔質材料等の基材又は滅菌保護剤に直接共有結合していてもよいし、活性基を介して共有結合してもよい。リガンドの担体又は滅菌保護剤への結合方法としては、リガンドの活性を維持できる限りいずれの反応も良好に用いることができるが、置換反応、縮合反応、開環反応等が好ましい。活性基としては、先に説明した本発明の滅菌保護剤をリガンド又は担体等に結合する場合と同様のものを用いることができるが、特にリガンドの活性を維持したまま温和な条件でリガンドを反応させることができるという観点から、ハロアセトアミノアルキル化剤を用いて形成された活性基、又はエポキシ基等が好ましく用いられる。特に抗体等の生体材料をリガンドとして用いる場合、ハロアセトアミノアルキル化剤を用いて形成された活性基が最も好ましい。
本発明におけるリガンドの担体としては、多孔質材料、フィルム材料、プレート材料、粒状材料、管状材料等が例示できるが、特に多孔質材料が好ましい。多孔質材料の形状は、被作用物質と接触できる多孔質体であれば何れの形状であってもよく、液層でリガンドと被作用物質との接触を高い接触頻度で実現するためには表面積が大きいことが好ましい。多孔質材料の好ましい形状として、繊維状、綿状、糸状、束状、簾状、織布状、不織布状等の繊維構造体、スポンジ等の高分子多孔質体、又はビーズ状、ゲル状、又は中空糸状等の形状が挙げられる。特に血液から細胞成分を分離、分割又は除去する場合、効率の点から、織布又は不織布が好ましく、制御のし易さの点から不織布が最も好ましい。
多孔質材料の形状が不織布である場合、平均繊維直径を適宜選択することができる。例えば、被作用物質が細胞であり、その細胞を特異的に除去する場合、平均繊維直径が3μm以上30μm未満の不織布が好ましく用いられる。平均繊維直径が3μm未満であると、被作用物質以外の成分の非特異的な吸着が増加するため好ましくなく、一方30μm以上であると、被作用物質との接触頻度が著しく低下するため作用効率が低くなり好ましくない。したがって、被作用物質が細胞であり、その細胞を特異的に除去する場合、平均繊維直径は3μm以上25μm未満が好ましく、3μm以上20μm未満が最も好ましい。
多孔質材料の基材の材質は、滅菌保護剤又はリガンドを共有結合させることができる材質又は官能基を導入することができる材質であれば、何れの材質でも良好に用いることができる。強度及び実用性の点より好ましい材質の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアルキルスチレン、ポリアルコキシスチレン、ポリビニルナフタレン等のポリスチレン誘導体、又はポリ芳香族置換エチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリベンジルメタクリレート等のポリメタクリル酸エステル又は同様のアクリレートエステル、ナイロン66、ナイロン6等のポリアミド、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリプロピレン−ポリスチレンブレンド材料等の共重合体又は複数の材料のブレンド、及び上記材質のアモルファス体等が挙げられる。基材の安定性又は官能基導入の容易さの観点から、材質としてポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体等が好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体がさらに好ましい。
本発明において生物学的被作用物質は、上述のリガンドにより作用を受ける物質全てを包含するが、リガンドにより特異的に作用されるような特有の性質を有している必要がある。生物由来の物質、特に血液成分又は細胞が被作用物質の例として挙げられる。またリガンド別に見た被作用物質の例として、リガンドが抗体である場合、その抗体に対する抗原、その抗原を有する細胞又は抗原として作用する血漿成分が挙げられ、また、リガンドが抗原に親和性を有するペプチドである場合、その抗原、その抗原を有する細胞又は抗原として作用する血漿成分が挙げられ、さらにリガンドが酵素、サイトカイン、細胞刺激因子である場合、酵素により作用を受ける基質、細胞刺激因子又はサイトカインにより活性化、不活化、分化、免疫応答等の作用を受ける細胞が挙げられる。
本発明における血液成分として、血液中に存在するリンパ球、顆粒球、単球、血小板、造血幹細胞等の血球成分、アルブミン、γグロブリン、塩基性蛋白質、免疫グロブリン、低密度リポ蛋白質、β2−ミクログロブリン、レチノール結合蛋白質、セルロプラスミン、トランスサイレチン等の血漿蛋白、ビリルビン等の血漿に含有される物質、構造体中に糖を含有する糖蛋白等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。さらにDNA又はRNA等の生体材料等も血液成分に包含される。特に好ましい血液成分の例として、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞等のT細胞、B細胞又は造血幹細胞等が挙げられる。
本発明における血液として、通常の血液のほかに、リンパ球浮遊液、単核球浮遊液、骨髄液、臍帯血、バフィーコート、血小板濃厚液、赤血球濃厚液、G−CSF等の造血因子を投与された末梢血等も包含される。また、これらの血液に、必要に応じて抗凝固剤や血液保存液等を加えることもできる。
本発明における生物学的作用材料(以下単に作用材料ともいう)とは、生物学的作用物質と担体とからなる被滅菌材料であり、該作用材料を滅菌するには、照射滅菌、湿熱滅菌、薬剤滅菌等公知の滅菌方法が用いられる。好ましくはγ線、電子線等の放射線を照射する照射滅菌が用いられる。放射線の照射量は、作用材料の密度及び滅菌前生菌数に依存するが、好ましくは少なくとも1kGy以上照射する。80kGy以上照射するとリガンド以外の材料が劣化する虞れがあり、好ましくない。滅菌効果の安定性の観点から、より好ましい照射量は2kGy以上65kGy以下、最も好ましい照射量は2kGy以上50kGy以下である。
本発明において作用材料は、使用時の操作性および滅菌時のリガンドの安定性の観点から、充填液と共に湿潤状態で滅菌することが好ましい。充填液としては、リガンドの劣化を起こさない液体であれば、いずれの液体も良好に用いられるが、使用時に充填液が残存した場合でも処理する被作用物質等に悪影響を及ぼさない水溶液であることが好ましい。血液成分等を被作用物質とした場合、塩を含有する水溶液に滅菌保護材を加えた液体が好ましく用いられる。充填液のpHは、4以上12未満であることが好ましい。4未満又は12以上のpHは、リガンドの劣化等が起こりやすいため、好ましいとはいえない。さらに好ましい充填液のpHは、4以上11未満、最も好ましくは5以上11未満である。
充填液中に滅菌保護剤を加える場合、滅菌保護剤の濃度は適宜選択される。リガンドとして抗体を用いた場合、好ましい滅菌保護剤の濃度は0.1重量%以上15重量%以下である。滅菌保護剤の濃度が0.1%未満である場合、十分な滅菌保護効果が得られにくくなり好ましいとはいえない。一方、滅菌保護剤の濃度が15%より高い場合、粘度が高くなり好ましくない。より好ましい濃度は0.1%以上10%以下、最も好ましい濃度は1%以上10%以下である。
本発明に係る作用材料は、非無菌的な状態はもとより、無菌的な環境で使用する場合特に有用である。本発明において作用材料は少なくとも入口と出口を有する容器に充填して用いることができ、細胞の特異的除去又は回収や、細胞の特異的除去を目的とする体外循環用途に用いることができる。さらにこの作用材料を、白血球、リンパ球、単球、顆粒球等の各細胞分画の特異的分離、吸着、除去等に活用することができる。さらにまた、血漿成分の特異的除去及び回収にも作用材料を用いることができる。また、酵素等をリガンドとして用いる場合は、作成材料をバイオリアクターに用いることができる。さらにまた、被作用物質の選択的反応及び/又は選択的改質能を有する材料をリガンドとして用いる場合は、作用材料を細胞の活性化等を行うために用いることができる。
以下に、本発明に係る作用材料の好ましい応用例を挙げる。
1.抗CD4モノクローナル抗体をリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した、血液中の特定血球成分のみを除去する特異的CD4陽性細胞除去器。
2.抗CD34モノクローナル抗体をリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した、血液中の特定血球成分のみを捕捉し、これを回収する特異的CD34分離器。
3.抗CD3モノクローナル抗体をリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した、血液中の特定血球成分のみを捕捉し、これを回収する特異的CD3細胞除去器。
4.抗LDLモノクローナル抗体をリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した、血液中の特定血漿成分のみを捕捉する特異的LDL除去器。
5.CD4細胞親和性ペプチドをリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した、血液中の特定血球成分のみを除去する特異的CD4陽性細胞除去器。
6.LDL親和性ペプチドをリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した、血液中の特定血漿成分のみを捕捉する特異的LDL除去器。
7.マイトジェンをリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した、血液中の特定細胞成分のみを刺激する細胞刺激装置。
8.マイトジェンをリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した、血液中の特定細胞成分のみを活性化する細胞活性化装置。
9.酵素をリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した、溶液中の特定物質のみを改質するバイオリアクター装置。
10.サイトカインをリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した細胞増殖器。
11.細胞刺激因子又は細胞増殖因子をリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した細胞培養器。
12.抗CD4モノクローナル抗体をリガンドとして有する多孔質材料を入口と出口を有する容器に充填した血液中の特定血球成分のみを除去する特異的CD4陽性細胞除去器を血液回路中に含有する、血液中の特定白血球成分のみを除去する白血球除去システム。
以下、本発明を例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例により限定されるものではない。
実施例1
ガラス製のフラスコにN−ヒドロキシメチルブロモアセトアミド2.15g及びスルホラン100mlを加え撹拌し、さらにトリフルオロメタンスルホン酸25gを加え撹拌した。これにポリスチレンからなる不織布(平均繊維直径4.5μm)0.1gを入れ、25℃で4時間反応させた。反応後不織布を取り出し、純水で洗浄し、これを真空乾燥して、活性化不織布を得た。
この不織布を、直径0.6cmの円に切断した後、カルシウム、マグネシウムを含まないリン酸緩衝生理食塩液(以下、PBS(−)液と略す)500μlに抗ヒトCD4モノクローナル抗体(イムノテック社「抗CD4モノクローナル精製抗体」、分子量55,000)72μgを溶解した抗ヒトCD4モノクローナル抗体液(以下抗ヒトCD4液と略す)200μLに4℃で2.5時間浸し、モノクローナル抗体(以下抗体と略す)を不織布上に固定した。固定後、上記不織布をPBS(−)で洗浄した。次にキトサン(和光純薬社、分子量3,000−30,000:リガンド分子量の1/50−1/5)の5%PBS(−)溶液に上記不織布を浸漬し、4℃で2.5時間キトサンを固定した後、PBS(−)で洗浄し、目的の作用材料(フィルター)を得た。
次に、入口と出口を有する容量1mlのモビテック社製容器に上記フィルター5枚を充填液としてPBS(−)とともに充填し(充填密度0.1g/cm3)、CD4陽性細胞分離カラムを作成した。このカラムにコバルト60照射装置を用い、γ線25kGy(照射線量1.5kGy/h)を照射した。
得られたカラムに、ACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minでカラム入口より送液し、カラム出口より処理後の血液を回収した。
CD4陽性細胞の除去率は、フローサイトメトリー法により、処理前の血液と処理後の血液中のCD4陽性細胞数を求めることにより算出した。処理前のCD4陽性細胞数は4.0x105個、処理後のそれは4.0x104個であり、したがって、除去率は90%であった。またこのときのCD8陽性細胞の除去率、Bリンパ球の除去率、血小板の除去率を同様にして求めたところ、CD8陽性細胞の除去率は5%、Bリンパ球の除去率は8%、血小板の除去率は20%であり、CD4陽性細胞を特異的に除去でき、抗CD4抗体の活性が維持されていることが確認された。
さらにこのカラムが上記滅菌処理で充分に滅菌されていることを確認するために、日本薬局方の手順に従い滅菌処理後の充填液の菌数を確認した。滅菌処理を施した後の充填液中には菌が検出されなかった。
比較例1
5%キトサンを用いる代わりに単糖で陽性荷電を有さないフルクトース(和光純薬社製、分子量180:リガンド分子量の1/833)の5%PBS(−)溶液を用いた以外は全く実施例1と同様の実験操作を行った。この時のCD4陽性細胞の除去率は30%であった。このとき他の細胞は、CD8陽性細胞の除去率29%、B細胞の除去率は40%であり、抗CD4モノクローナル抗体固定不織布のCD4陽性細胞の特異的な除去能力はγ線照射により消失していた。
実施例2
ガラス製のフラスコにN-ヒドロキシメチルヨードアセトアミド2.15g及び濃硫酸50ml及びニトロベンゼン40mlを加え撹拌溶解し、氷浴中でパラホルムアルデヒド0.3gを加え撹拌した。これにポリプロピレンからなる不織布(平均繊維直径3.3μm)0.1gを入れ、25℃で3時間反応させた。反応後不織布を取り出し、エタノール及び純水で洗浄し、これを真空乾燥して、活性化不織布を得た。
この不織布を、直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、上記不織布をPBS(−)で洗浄した。次に実施例1と同じ5%キトサンPBS(−)溶液に上記不織布を浸漬し、さらに4℃で2.5時間キトサンを固定した後、PBS(−)で洗浄し、目的の作用材料(フィルター)を得た。
実施例1と同様に入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター10枚と充填液として5%キトサンPBS(−)溶液を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線35kGyを照射した。
実施例1と同様に、ACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は81%であった。またこのときCD8陽性細胞の除去率は13%であり、Bリンパ球の除去率は13%であり、血小板の除去率は25%であり、CD4陽性細胞を特異的に除去でき、抗CD4抗体の活性が維持されていることが確認された。
比較例2
5%キトサンを使用する代わりに、固定液及び充填液として糖蛋白質であるヒトアルブミン(ベーリンガーマンハイム社製)の5%PBS(−)溶液を用いた以外は全く実施例2と同様の実験操作を行ったところ、この時のCD4陽性細胞の除去率は33%であったが、CD8陽性細胞の除去率も40%あり、B細胞の除去率も29%あり、細胞の特異的除去性能は認められなかった。
実施例3
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で洗浄した。
実施例1と同様に入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液としてグルコサミン3量体(和光純薬社製、分子量611;リガンド分子量の1/241)の3%PBS(−)溶液を充填し(充填密度0.1g/cm3)カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は、83%であった。またこのときCD8陽性細胞の除去率は31%であり、CD4陽性細胞を特異的に除去でき、抗CD4抗体の活性が維持されていることが確認された。
実施例4
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。
実施例1と同様に入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液としてグルコサミン5量体(和光純薬社製、分子量1006:リガンド分子量の1/149)の7%PBS(−)溶液を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は79%であった。また、このときCD8陽性細胞の除去率は27%であり、CD4陽性細胞を特異的に除去でき、抗CD4抗体の活性が維持されていることが確認された。
実施例5
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。
実施例1と同様に入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液としてグルコサミン7量体(和光純薬社製、分子量1401:リガンド分子量の1/107)の5%PBS(−)溶液を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は、83%であった。また、このときCD8陽性細胞の除去率は27%であり、CD4陽性細胞を特異的に除去でき、抗CD4抗体の活性が維持されていることが確認された。
比較例3
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。
実施例1と同様に入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液として陰性荷電を有する多糖であるデキストラン硫酸(シグマ社製、分子量50,000;リガンド分子量の1/3)の5%PBS(−)溶液を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は、19%であった。また、このときCD8陽性細胞の除去率は22%であり、抗CD4モノクローナル抗体固定不織布のCD4陽性細胞の特異的な除去能力はγ線照射により消失していた。
比較例4
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、PBS(−)に溶解した抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。
実施例1と同様に入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液として陰性荷電を有する多糖であるデキストラン硫酸(シグマ社製、分子量500,000;リガンド分子量の1/0.3)の3%PBS(−)溶液を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は、26%であった。また、このときCD8陽性細胞の除去率は22%であり、抗CD4モノクローナル抗体固定不織布のCD4陽性細胞の特異的な除去能力はγ線照射により消失していた。
比較例5
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。
実施例1と同様に入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液として陰性荷電を有する多糖であるヘパリン(ミドリ十字社製、分子量17,000−20,000;リガンド分子量の1/8−1/7.5)の7%PBS(−)溶液を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は16%であった。また、このときCD8陽性細胞の除去率は、26%であり、抗CD4モノクローナル抗体固定不織布のCD4陽性細胞の特異的な除去能力はγ線照射により消失していた。
比較例6
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。
実施例1と同様に入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液として糖蛋白質であるグロブリンの5%PBS(−)溶液(ベーリンガーマンハイム社製)を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は、30%であった。また、このときCD8陽性細胞の除去率は26%であり、抗CD4モノクローナル抗体固定不織布のCD4陽性細胞の特異的な除去能力はγ線照射により消失していた。
比較例7
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。
入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液として蛋白質である5%ヒトアルブミン(シグマ社製)及び陽性荷電を有さない多糖である5%デキストラン(和光純薬社製:分子量10,000;リガンド分子量の1/15)PBS(−)溶液を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は、28%であった。また、このときCD8陽性細胞の除去率は、26%であり、抗CD4モノクローナル抗体固定不織布のCD4陽性細胞の特異的な除去能力はγ線照射により消失していた。
比較例8
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。
入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液として糖蛋白質であるマウスモノクローナル抗体(イムノテック社製)のPBS(−)溶液(72μg/500μl)を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は、29%であった。また、このときCD8陽性細胞の除去率は29%であり、抗CD4モノクローナル抗体固定不織布のCD4陽性細胞の特異的な除去能力はγ線照射により消失していた。
比較例9
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。
入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液として陽性荷電は有するが単糖であるグルコサミン塩酸塩(和光純薬社製、分子量216;リガンド分子量の1/694)の5%PBS(−)溶液を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射し滅菌した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は、35%であった。また、このときCD8陽性細胞の除去率は24%であり、抗CD4モノクローナル抗体固定不織布のCD4陽性細胞の特異的な除去能力はγ線照射により消失していた。
実施例6
実施例2と同じ活性化不織布を直径0.68cmの円に切断し、PBS(−)に溶解した抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。
入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚と充填液としてガラクトサミン10量体(和光純薬社製、分子量;1,621;リガンド分子量の1/92)の0.5%PBS(−)溶液を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線25kGyを照射し滅菌した。
実施例1と同様にACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は、81%であった。また、このときCD8陽性細胞の除去率は、23%であり、CD4陽性細胞を特異的に除去でき、抗CD4抗体の活性が維持されていることが確認された。
実施例7
ガラス製のフラスコにN-ヒドロキシメチルヨードアセトアミド2.15g及び濃硫酸50ml及びニトロベンゼン40mlを加え撹拌溶解し、氷浴中でパラホルムアルデヒド0.3gを加え撹拌した。これにポリプロピレンからなる不織布(平均繊維直径3.3μm)0.1gを入れ、25℃で2時間反応させた。反応後不織布を取り出し、エタノール及び純水で洗浄し、これを真空乾燥して、活性化不織布を得た。
この不織布を、直径0.55cmの円に切断し、PBS(−)に溶解したアルカリフォスファターゼ液100μL(0.0125μg/μl)に4℃で2.5時間浸し、酵素を固定した。固定後、PBS(−)で不織布を洗浄した。キトサン(和光純薬社製、分子量3,000−30,000)の1%PBS(−)溶液に上記不織布を浸漬し、キトサンを更に4℃で2.5時間固定した後、PBS(−)で洗浄し、目的の作用材料(バイオリアクター)を得た。
上記バイオリアクターを96穴マイクロプレートに挿入し、充填液として1%キトサン溶液を充填し、これにγ線5kGyを照射した。
滅菌後、充填液をPBS(−)液と置換し、パラニトロフェニルリン酸ジエタノールアミンバファー液(濃度2mg/ml)を100μL入れ、25℃で5分間放置し、不織布を除去後、405nmにて吸光度を測定した。吸光度は1.5であり、酵素の活性が維持されていることが確認された。このときキトサンのみを固定した対照の系では吸光度が0.1であった。
比較例10
1%キトサンの代わりに陽性荷電を有さない単糖であるフルクトース(和光純薬社製、分子量180:リガンド分子量の1/833)の1%PBS(−)液を用いること以外は全く実施例8と同様の実験操作を行ったところ、25℃で5分後の吸光度は0.2であり、明らかに酵素活性が低下していることが解った。
実施例8
キチン(和光純薬社、分子量3,000−30,000:リガンド分子量の1/50−1/5)1gを5%水酸化ナトリウム100mlに加え、50℃で5時間加水分解し、部分キトサン化キチンを得た。この部分キトサン化キチンを1N塩酸で滴定してキトサン化率を求めたところ、キトサン化率は70%であった。
1%キトサンPBS(−)液の代わりに、上記部分キトサン化キチンの1%PBS(−)液を滅菌保護剤として用い、γ線照射量を25kGyにした以外は全く実施例7と同様の実験操作を行ったところ、25℃で5分後の吸光度は0.9であり、滅菌処理によっても酵素活性が維持されていることが確認された。
比較例11
上記1%部分キトサン化キチンPBS(−)液の代わりに陽性荷電を有さない多糖である1%デキストランPBS(−)液を用いること以外は全く実施例9と同様の実験操作を行ったところ、25℃で5分後の吸光度は0.05であり酵素活性が低下していた。
実施例9
ガラス製のフラスコにN−ヒドロキシメチルヨードアセトアミド2.15g及び濃硫酸50ml及びニトロベンゼン40mlを加え撹拌溶解し、氷浴中でパラホルムアルデヒド0.3gを加え撹拌した。これにポリプロピレンからなる不織布(平均繊維直径3.3μm)0.1gを入れ、25℃で3時間反応させた。反応後不織布を取り出し、エタノール及び純水で洗浄し、これを真空乾燥して、活性化不織布を得た。
この不織布を直径0.68cmの円に切断し、抗ヒトCD4液200μL(72μg/500μl)に4℃で2.5時間浸し、抗体を固定した。固定後、PBS(−)で上記不織布を洗浄した。次に実施例1と同じ5%キトサンPBS(−)に上記不織布を4℃で2.5時間浸しコーティング後、フィルターを−80℃で3時間冷凍し、さらに凍結乾燥し、目的の作用材料(ドライフィルター)を得た。
実施例1と同様に入口と出口を有する容量1mlの容器に上記ドライフィルター10枚を充填し(充填密度0.1g/cm3)、カラムを作成した。このカラムにγ線15kGyを照射した。
PBS(−)液5mlでカラムをプライミングした後、実施例1と同様に、ACD−A加ヒト新鮮血液3ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプを用いて流速1ml/minで送液したときのCD4陽性細胞の除去率は、80%であった。またこのときCD8陽性細胞の除去率は12%であり、CD4陽性細胞を特異的に除去でき、抗CD4抗体の活性が維持されていることが確認できた。
産業上の利用の可能性
本発明の滅菌保護剤によれば、従来は充分な滅菌をすることができなかった生物学的作用物質を含む材料を滅菌することが可能となり、滅菌後においても生物学的活性物質がその作用機能を発揮することができる作用材料が提供される。
この作用材料は、細胞の特異的除去又は回収や、細胞の特異的除去を目的とする体外循環用途に用いることができる。この作用材料は、白血球、リンパ球、単球、顆粒球等の各細胞分画の特異的分離、吸着、除去等に活用できる。さらに、血漿成分の特異的除去及び回収にも用いることができる。また、酵素等をリガンドとして用いる場合は作用材料をバイオリアクターに用いることができる。さらに、被作用物質の選択的反応及び/又は選択的改質能を有する材料をリガンドとして用いる場合は細胞の活性化等を行うことができる。
さらに、本発明によれば、生物学的作用物質の活性を維持したまま湿潤状態でも滅菌することを可能とする滅菌方法を提供する。この方法によれば、生化学的作用物質を有する材料を充填した作用器又は作用装置を湿潤状態で滅菌することができるので、使用に際しては、プライミング等の操作が簡便に行うことができる。
本願は1996年2月5日に出願された日本国特許出願第8−40297号に基づいて優先権を主張しており、その全内容は参照することにより本明細書中に取り込まれる。
Claims (19)
- 照射滅菌を施す対象となる被滅菌材料と陽性荷電を有する三糖以上の多糖類を含む滅菌保護剤とからなる材料において、該被滅菌材料が、生物学的被作用物質と相互作用をなす蛋白質及び/又はペプチドと、該蛋白質及び/又はペプチドの担体とからなる生物学的作用材料である上記材料。
- 前記担体が多孔質材料であり、前期蛋白質及び/又はペプチドが該多孔質材料の表面に保持されている請求項1記載の材料。
- 前記多糖類の分子量が前記蛋白質及び/又はペプチドの分子量の1/500以上1/2未満である請求項1記載の材料。
- 前記多糖類の陽性荷電がアミノ基によるものである請求項1〜3のいずれか一項記載の材料。
- 前記多糖類がグルコサミン及び/又はその誘導体の三糖以上を含む請求項1〜3のいずれか一項記載の材料。
- 前記多糖類がキトサン及び/又は部分キトサン化キチンである請求項5記載の材料。
- 前記多孔質材料の表面に前記滅菌保護剤が結合されている請求項2記載の材料。
- 前記蛋白質及び/又はペプチドが細胞表面抗原に対する抗体及び/又は細胞表面抗原に親和性を有するペプチドである請求項1記載の材料。
- 前記抗体がモノクローナル抗体及び/又はその一部である請求項8記載の材料。
- 前記細胞が血液細胞である請求項8記載の材料。
- 前記蛋白質及び/又はペプチドが酵素、サイトカイン及び細胞刺激因子からなる群より選ばれるいずれかである請求項1記載の材料。
- 前記多孔質材料が不織布である請求項2記載の材料。
- 前記生物学的被作用物質が血液成分である請求項1記載の材料。
- 陽性荷電を有する三糖以上の多糖類を含む滅菌保護剤とともに被滅菌材料を照射滅菌することからなる被滅菌材料の照射滅菌方法において、該被滅菌材料が、生物学的被作用物質と相互作用をなす蛋白質及び/又はペプチドと該蛋白質及び/又はペプチドの担体とからなる生物学的作用材料である上記方法。
- 前記滅菌保護剤を被滅菌材料に結合させて照射滅菌を行う請求項14記載の方法。
- 前記被滅菌材料を湿潤状態で照射滅菌する請求項14記載の方法。
- 前記滅菌保護剤を被滅菌材料を充填する溶液中に存在させて照射滅菌する請求項16記載の方法。
- 前記照射滅菌がγ線滅菌である請求項17記載の方法。
- 陽性荷電を有する三糖以上の多糖類を含む化合物からなる滅菌保護剤であって、被滅菌材料として、生物学的被作用物質と相互作用をなす蛋白質及び/又はペプチドと該蛋白質及び/又はペプチドの担体とからなる生物学的作用材料を照射滅菌時に保護することができる上記滅菌保護剤。
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