JP4071277B2 - 核酸検出用ハイブリダイゼーションプローブ、共通ステム、方法およびキット - Google Patents

核酸検出用ハイブリダイゼーションプローブ、共通ステム、方法およびキット Download PDF

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Description

本発明は、核酸ハイブリダイゼーションプローブを含むアッセイの分野に関する。アッセイは、特定の遺伝子、遺伝子セグメント、RNA分子および他の核酸の検出に使用できる。このようなアッセイは、例えば組織、血液および尿のサンプル等のように臨床的に、また食物技術の分野、農業および生物学的研究の分野で用いられる。
発明の背景
複合混合物中の特異的標的配列を検出するために、核酸ハイブリダイゼーションプローブが用いられる。GillespieおよびSpiegelman(1965)に記載されたような従来の不均一なハイブリダイゼーションアッセイは、典型的に以下の工程、すなわち、キャプチャープローブを用いてあるいは用いずに、紙、ビーズもしくはプラスチック表面に対する少なくとも標的核酸の固定化;標的の配列に相補的な過剰の標識プローブの添加;ハイブリダイゼーション;ハイブリダイズしないプローブの除去;および固定された標的に結合した残存するプローブの検出を含む。
ハイブリダイズしないプローブは、ハイブリッドの大量の洗浄によって除去する。これは、一般的に最も時間のかかる工程の一部分であって、しばしばサンドウィッチハイブリダイゼーション等の複雑な構成を利用する。固体表面の使用により、標的の可動性または標的への接近を制限することによって、ハイブリダイゼーションにかかる時間が延びる。固体表面により提示された広いエリアは、非限定的にハイブリダイズしないプローブを維持し、バックグラウンドシグナルをもたらす。さらに、固体表面は、プローブからのシグナルに抵触する。プローブ−標的ハイブリッドが単離される要件が、in vivoでの検出および合成反応中における核酸の同時検出(リアルタイム検出)を妨げる。
時として不均一アッセイと称される、いくつかの溶液-相検出機構が知られている。“不均一(homogeneous)”により、プローブ-標的ハイブリッドからハイブリダイズしないプローブを分けることなく行われるアッセイを意味する。これらの機構は、多くの蛍光ラベルの蛍光は当面の化学的環境によって影響され得るという事実を利用している。このような機構の一つは、Hellerら(1983)およびCardulloら(1988)によて記述されている。これは、標的DNA鎖の連続領域に相補的な一対のオリゴデオキシヌクレオチドプローブを用いる。一方のプローブは、その5’末端に蛍光ラベルを含み、他のプローブはその3’末端に別の蛍光ラベルを含む。プローブが標的配列にハイブリダイズする際に、この二つのラベルが互いに非常に近接する。サンプルが適切な周波数の光で刺激されると、一方のラベルから他方へ蛍光共鳴エネルギー転移(fluorescence resonance energy transfer)(“FRET”)が起こる。このエネルギー転移は、標的の存在の間接的信号化するスペクトル反応における測定可能な変化をもたらす。しかしながら、変化したスペクトル特性は微妙であり、この変化はバックグラウンドシグナルに比べて小さい。モニタリングには精巧な装置が必要とされ、感度が制限されている。さらに、場合によっては、ハイブリダイゼーションシグナルがネガティブである、すなわち標的の存在により特定の波長で測定される蛍光の量が減少する。
この技術は、二つの会合していないプローブが一本鎖の標的配列に同時に結合することを必要とする。この3分子間ハイブリダイゼーションの機構は、この技術をリアルタイム検出に適合させるにはあまりにも遅い。標的が一本鎖であるという要件は、この技術を二本鎖の核酸のin vivo検出に不適切にしてしまう。
他の溶液-相機構も一対のオリゴデオキシヌクレオチドプローブを利用する。しかしながら、ここで二つのプローブは、互いにおよび標的DNAの相補鎖に対して完全に相補的である(Morrison,1987;Morrison,1989;Morrisonら,1989;MorrisonとStols,1993)。各プローブは、その3’末端に結合した発蛍光団およびその5’末端結合した消光分子を含む。
この二つのオリゴヌクレオチドプローブが互いにアニールされる際に、各プローブの発蛍光団は、他のプローブの消光分子に近接して保持される。蛍光ラベルが適切な周波数の光で刺激されれば、蛍光は消光分子によって消光される。しかしながら、各プローブが標的に結合すれば、相補プローブの消光効果はなくなる。このプローブは十分に長いので、標的に結合した際に自分で消光することはない。
この種のアッセイでは、二つの対立するデザインの考慮がある。標的に対するプローブのハイブリダイゼーションを確実に急速にする高濃度のプローブを有することが望ましい。標的に結合したプローブからのシグナルが、標的または他のプローブのいずれかにハイブリダイズしていないプローブからのバックグラウンドシグナルによって圧倒されないような低い濃度のプローブを有することも好ましい。この状況は、蛍光シグナルを読む前にバックグラウンドの蛍光を低下させるのに比較的長時間待つ必要がある。
この計画に係るアッセイは、プローブと標的配列を含むサンプルとの混合物を融解させることによって始まる。次いで温度を下げて、競合ハイブリダイゼーションを導く。あるプローブは標的にハイブリダイズし、存在すれば、あるものは相補プローブにハイブリダイズする;そしてあるものはハイブリダイズせずバックグラウンドシグナルを産する。平衡した対照アッセイ(a parallel control assay)は標的無しに行われ、蛍光のバックグラウンドレベルのみを与える。サンプルが十分な標的を含有するものであれば、検出可能なより高レベルの残余蛍光が得られる。
この計画では、ほとんど全ての過剰プローブがそれらの相補物にアニールさせるためにかなりの時間の間残余蛍光の読みとりを遅延させる必要がある。また、平衡した対照反応が行われなければならない。さらに、低濃度のプローブが、蛍光バックグラウンドを減少するために用いられる。しかして動力学が貧弱で、本質的に遅いアッセイになってしまう。これは、リアルタイムの検出を妨げる。プローブ並びに標的は、融解が必要であり、アッセイをin vivoでの使用に不適切なものとする。また、シグナルは残余のみならず、外部のコントロールとの比較とは別のシグナルである。
鎖置換(strand)として知られるこの現象を利用した他の溶液相計画は、Diamondら、1988によって記載されている。典型的に、これらのアッセイは、二分子核酸プローブ複合体を含む。標的配列のサブセットを含む短い方の一本鎖は、プローブの完全な標的結合領域を含む長い方のプローブの一本鎖にアニールする。しかして、報告されたプローブ複合体は、一本鎖と二本鎖の部位の両方を含む。この参考文献は、これらのプローブ複合体が、短い方の鎖に結合した32Pラベル、またはプローブ複合体が形成された際に互いに近接して保持される蛍光および消光剤をさらに含んでもよいことを提案している。
これらのプローブ複合体を利用するアッセイにおいて、標的検出が二段階の工程で行われることが述べられている。最初に、複合体の一本鎖部分が標的にハイブリダイズする。分岐点移動のメカニズムを介して、標的核酸がプローブ複合体から短いラベル保持鎖を移動させた後に、標的認識が行われることが記載されている。標的保持鎖は、溶液に放出されるとされており、溶液から単離および検出される。捕捉工程における32P標識プローブとして報告された選択的調整においては、二本の一本鎖核酸は単一分子に結合される。
これらの鎖置換プローブ複合体は、欠点を有している。このメカニズムは二段階であり、そこではプローブ複合体が最初に標的に結合しなければならず、次いで分岐点移動を介して、標的が認識されシグナルが産生される前に、鎖置換が起こらなければならない。二分子プローブ複合体は、高い効率で形成するとは報告されておらず、標的結合領域の大部分が標識鎖にアニールされないようにプローブを調製する。これは、同じ標的配列に対する、ラベル保持およびラベル無しの標的結合領域間の競合を導く。さらに、標識鎖の非特異的減少を伴う問題がある。さらに、置換された標識鎖は、シグナルが検出される前にハイブリダイズしていないプローブ複合体から分離される必要がある。この必要により、プローブ複合体が均一なアッセイに不適切なものとされる。
本発明の目的は、上述したような、従来のハイブリダイゼーションプローブとアッセイ、並びに現在の均一なハイブリダイゼーションプローブとアッセイの制限を克服することである。
本発明の他の目的は、標的核酸配列とハイブリダイゼーションしてシグナルを生成するが、ハイブリダイズしていないときには、ほとんどあるいは全くシグナルを生成しないハイブリダイゼーションプローブであり、これらのプローブを用いたアッセイである。
さらに、本発明の目的は、選択された標的配列に特異的な核酸プローブを作製するために用いられるキットである。
さらに、本発明の目的は、このようなプローブを用いた均一なアッセイである。
さらに、本発明の目的は、ハイブリダイゼーションプローブと、検出が早く遅延することなく行われる急速な方法である。
本願発明のさらなる目的は、ハイブリダイゼーションプローブと、in vivoで核酸を検出できる方法である。
本願発明のさらなる目的は、ハイブリダイゼーションプローブと、in situで核酸を検出できる方法である。
本発明の更なる目的は、リアルタイムで、核酸増幅および他の合成反応における核酸標的配列を検出できるハイブリダイゼーションプローブと方法である。
本発明の更なる目的は、高価な装置を使用することなく核酸標的を検出できるハイブリダイゼーションプローブおよびアッセイである。
診断および検索の分野におけるハイブリダイゼーション方法の十分な可能性を実現させるために、標的にハイブリダイズした際に検出できるシグナルを産生するまではほとんどあるいは全くシグナルを有しないプローブとの溶液内におけるハイブリダイゼーションを観察する技術が必要である。好ましくは、直線的または指数的動力学で核酸を産生する反応の進行を観察することができるものである。また、プローブは、組織または細胞を破壊することなくin vivo(およびin situ)で核酸の検出ができるものとすべきである。もちろん、プローブは従来のハイブリダイゼーションアッセイにも用いられる。さらに、このアッセイは、直接的にあるいは増幅技術と共に標的の非常に敏感な検出ができるべきである。また好ましくは、このプローブは、裸眼で検出可能なハイブリダイゼーションシグナルを生成するべきである。最後に、このプローブは、一度のアッセイで別の標的の検出が可能であるべきである。本発明の目的は、上記の要求の全てまたはほぼ全てを満たす核酸ハイブリダイゼーションアッセイおよびプローブである。
発明の概要
本発明は、形態的に検出できるハイブリダイゼーションプローブ、アッセイおよびキットを含む。また、共通ステム(universal stems)およびプローブを作製するために前記ステムを含むキットを含む。
本発明に係るプローブは“ユニタリー(unitary)”であり、ユニタリーとは、ペアとして結合しかつ連結してアッセイで操作される二分子プローブ、あるいは単一の一本鎖を意味する。これらは、少なくとも、所望の標的核酸に相補的な一本鎖核酸配列、ここでは“標的相補配列”と称する;相補的な核酸配列または他の親和性ペアの結合部材によって可逆的に相互作用する前記標的相補配列に隣接する5’および3’領域;およびシグナルを生成する相互作用するラベル分子を含む。本発明の好ましいプローブは、標的相補配列が標的に結合していないときの検出条件下で互いにハイブリダイズすることによって可逆的に相互作用する相補的な核酸配列または“腕”を含む。ユニタリープローブが単一分子なら、上述の全ての成分が一分子である。ユニタリープローブが二分子であれば、標的相補配列の半分またはほぼ半分と、親和性ペアの一方と、ラベルペアの一方とが各分子中に存在する。
シグナル生成ラベル分子は、十分に離されたときではなく近接したときに、少なくとも一方のラベル分子が他のラベル分子の少なくとも一つの物理学的に測定可能な特性を変えることができるように適合した“ペア”である。ラベル分子は、ラベル分子の互いの近接が、親和性ペアの相互作用の状態によって制御されるようにプローブに結合される。標的がなければ、ラベル分子は、親和性ペアの結合相互作用により互いに近接に保持される。この形態を、“閉じた”状態と称する。閉じた状態では検出可能なシグナルが生成されない、これはほとんどの実施態様を伴う事実であり、閉じた状態を“オフ”の状態と称する。
標的相補配列がその標的にハイブリダイズすると、形態変化がユニタリープローブ内に起こり、親和性ペアを分離させ、結果としてラベル分子を分離させる。この形態を“開いた”状態と称し、ほとんどの実施態様において“オン”の状態である。分離は、標的相補配列−標的配列ヘリックスの形成の熱力学によって行われる。標的相補配列−標的配列ヘリックスの形成は、完全であっても切り込み(nicked)が入っていても、アッセイ条件下での親和性ペアの誘引を克服する。親和性ペアの分離がラベル分子の相互作用を変えるので、シグナルが生成され、その後、プローブに結合した少なくとも一つのラベル分子の少なくとも一つの特性における差異を測定することができる。本発明のプローブの重要な特徴は、非特異的に結合した場合には、開いた形態に変形しないことである。
本発明に係るプローブは、測定可能な特徴を備えており、しばしば“シグナル”と称し、プローブが開いているか閉じているかによって異なる。測定可能な特徴は、ラベル分子の相互作用の関数であり、これらの分子間の相互作用の度合いはこれらの分子の分離に応じて変化する。上述したように、本発明のユニタリープローブは、閉じた形態と開いた形態とを有する。ラベル分子は閉じた形態より開いた形態においていっそう分離しており、この差異は少なくとも一つの測定可能な特徴における検出可能な変化を生ずるのに十分である。閉じた状態ではラベル分子の形態は互いに“近接”しており、すなわち、相互作用するのにこれらが十分に近いので、測定できる特徴が、検出できる量、質、もしくはレベルにおいて、このように相互作用しない開いた形態と区別される。もちろん、この差はできるだけ大きい方が好ましい。場合によっては、“オフ”の状態で、測定可能な特徴ができるだけゼロに近いシグナルであることが好ましい。
測定可能な特徴は、蛍光共鳴エネルギー転移(fluorescence resonance energy transfer)(FRET)ペアの少なくとも一方を刺激するから得られる特有の光シグナルでもよい。それは、検出可能な産物を生成するために基質に対する酵素/抑制ペアまたは酵素/補助因子ペアの作用から得られる色変化でもよい。これらのどの場合においても、プローブは特有のシグナルを有し、そのレベルは、プローブが閉じた状態にあるためにラベル分子が近接しているか、またはプローブが開いた状態にあるためにラベル分子が離れているかに依存すると言える。
上述したように、検出できるシグナルは、開いたまたは閉じた形態にあるプローブによって生成される。ラベル分子の選択は、その状態でシグナルが生成されるか、あるいは異なるシグナルが各状態で生成されるかを支配する。最も好ましい相互作用ラベル分子は、発蛍光団/消光剤ペアであり、好ましくはプローブに共有結合しており、最も好ましくは標的に相補的でない腕部に共有結合したものである。しかして最も好ましいプローブは、開いた状態で標的に結合し、適切な光源で刺激された際に特定の波長の陽性蛍光シグナルを生成する。これらのプローブを称する際に、“オン”の状態のこの形態も称する。
本発明は、“共通ステム”とこれらを含むキットも含む。本発明に係る共通ステムは、所望の標的配列に相補的な配列を含むオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド類を共通ステムにリゲートあるいは共有結合させることにより、一つまたは他の標的配列を検出するための本発明に係るプローブを作製するために使用することができる。
本発明は、さらに本発明に係る少なくとも一つのユニタリープローブを利用するアッセイ方法を含む。本発明のアッセイは、一本鎖または二本鎖の標的に対して用いることができる。しかしながら、標的とは無関係に親和性ペアを分けるかもしれない一つのまたは複数の段階を含むアッセイでは、単一分子のプローブのみが適している。本発明に係るアッセイは、in vitroまたはin vivoで行うことができる。このアッセイは、組織を破壊することなく生物または固定された組織におけるin situで行うことができる。本発明の好ましいアッセイは、未結合のプローブを除去するために分離または洗浄を必要としないが、洗浄は性能を上げる。最も好ましいアッセイは、均一(homogeneous)アッセイである。
本発明に係るアッセイは、本発明に係る少なくとも一つのユニタリープローブを、標的配列を含む核酸鎖を含むと思われるサンプルに、プローブに適したアッセイ条件下で添加することを少なくとも含む。そして、標的配列がない同一条件下における特徴と比較して、プローブの測定可能な特徴における変化があるか否かを評価する。アッセイは、定性的または定量的とすることができる。ある実施態様では、標的を含まないコントロールを行い、コントロールでの反応とサンプルでの反応とを比較することが望ましい。シグナルのレベルは、定量的な定量として測定される。変化は単に定量的アッセイに検出される。コントロールが用いられれば、サンプルとコントロールとの間のシグナルの変化の差異が算出される。
本発明に係るアッセイは、本発明の少なくとも一つの単一分子プローブを、増幅または他の核酸合成反応と関連させてもよく、例えば:ポリメラーゼチェーン反応,PCR,(Erlichら,1991);Q-βレプリカーゼ仲介増幅反応,(Lomeliら,1989);鎖置換増幅反応,SDA,(Walkerら,1992);自己維持配列反応(self-sustained sequence reactions),3SR,(Guatelliら,1990);および転写並びに複製反応である。上述したように二分子プローブは、あらゆる反応において使用するには不適切であり、例えば親和性ペアが標的に依存して分けられるPCR等では不適切であるが、別の反応、例えば転写で用いることができる。しかしながら、上記のどの方法においても単一分子プローブが好ましい。これらは、合成された標的をリアルタイムに検出することができる。もちろん、本発明の単一分子または二分子プローブのいずれでも、完了した反応のアッセイで用いることができる。
この発明は、増幅された標的の位置決め(ロケーティング)および単離の手段も提供する。例えば、発蛍光団/消光剤ラベルペアを含む好ましいプローブを利用して、PCR産物が同定、定量そして任意にゲル電気泳動後にゲル中のハイブリダイズしたプローブを刺激することによって単離され、得られたシグナルの全てが、標的の存在、量および位置を示している。同様に、本発明は、核酸の混合物からあらゆる所望の核酸を同定もしくは単離する手段を提供するものであり、クロマトグラフィーまたは電気泳動等の物理的手段で分離される。
本発明は、本発明に係るアッセイを行うための試薬および高分子のキットも含む。
この記載において、“プローブ”、“標的”、“オリゴヌクレオチド”、“核酸”、“鎖”および他の用語をときとして単数で称している。分子を記載するのに用いられる多くの用語が単数形で用いられ、単一の分子あるいは複数を意味することが当業者に理解されている。例えば、標的配列はアッセイでプローブによって検出されるが(実際に個々のプローブ個々の標的配列と相互作用する)、アッセイはプローブの多くのコピーと標的の多くのコピーを必要とする。この場合には、用語は文脈で理解されるべきである。このような用語は、単一の分子または複数の分子のいずれかの意味に限定されない。
【図面の簡単な説明】
図1は、“閉じた”形態にある本発明の好ましい二分子プローブを示す図である。
図2は、“開いた”形態にある図1のプローブを示す図である。
図3は、最も好ましい単一分子プローブである実施例Iのプローブを示す図である。
図4は、実施例IIの共通ステムの使用を示す図である。
図5は、実施例IIIの単一分子プローブを示す図である。
図6は、実施例IおよびIIIのプローブの温度変性曲線を示す。
図7は、実施例Vの結果を示す写真である。
図8は、実施例Vのプローブのハイブリダイゼーションの動力学のグラフである。
図9は、標的配列に結合した、腕にヘアピン配列を備えた単一分子プローブを示す図である。
図10は、本発明に係る繋がれた単一分子プローブを示す図である。
発明の詳細な説明
本発明のハイブリダイゼーションプローブは、DNA、RNAまたはこれら二つの組み合わせからなる。プローブは修飾ヌクレオチドを含むこともできる。プローブにおけるヌクレオシド間の結合は、ホスホジエステル結合以外の結合を含んでもよい。図1は、ユニタリープローブ1の二分子バージョンを図式的に示す。プローブ1は、5’末端と3’末端とを有する一本鎖標的相補配列2を含み、二分子プローブ1に配列2aと配列2bとを含み、これらは共に核酸標的鎖内に含まれる予め選択された標的配列に相補的である。プローブ1は、一本鎖、すなわち単一分子バージョンと見なされ、単一標的相補配列2はそのほぼ中部に配されている。以下の記載は、プローブ1がこのように考えられたものとして、すなわち簡便のために単一分子バージョン考えられたものとして記載する。しかして、本記載は、二分子および単一分子バージョンの両方に適用される。
親和性ペアは、配列2から伸び、これに結合しており、ここではオリゴヌクレオチドの腕3、4として示されている。親和性ペアは、互いに親和性を備えた一対の分子である。図1に示すような相補核酸配列の方が好ましいが、他の親和性ペアを用いることができる。例えば、タンパク−リガンド、抗体−抗原、タンパクサブユニット類、および核酸結合タンパク−結合部位が含まれる。さらなる例は当業者にとって明らかであろう。ある場合には、一つ以上の親和性ペアの使用が、相互作用に適切な強度を与える。親和性ペアは、標的配列の存在しない検出条件下で近接した状態にプローブを維持するのに十分に強く、しかし、その標的相補配列とその標的配列のハイブリダイゼーションが熱力学的に親和性ペアの相互作用以上に支持されるのに十分に弱く可逆的に相互作用する。このバランスは、プローブを閉じた状態から開いた状態へと形態的に変化させる。さらに、親和性ペアが分離するのは、プローブが標的に結合した場合のみであって、プローブが非特異的に結合した場合ではない。
プローブが閉じた形態から開いた形態に変形するメカニズムは、親和性ペアが相補的なオリゴヌクレオチドの腕である実施態様について記載するが、他の親和性ペアに対する一般論は示されていない。図1では、腕3、4は、検出温度を含む予め選択されたアッセイ条件下で互いにハイブリダイズし、腕ステムと称する場合があるステム二重鎖5を形成するように選択される。標的がなければ、腕3、4の連結は熱力学的に支持され、図1に示された閉じた形態にプローブ1を保持して、ステム二重鎖5を維持する。図2では、標的相補配列2(配列2aと2bを含む)は、標的核酸9の標的配列8にハイブリダイズする。このハイブリダイゼーションは、適切な長さの比較的厳密なダブルヘリックスを形成する。図2の二分子バージョンでは、切り込みの入ったヘリックスである。本発明のプローブでは、標的相補配列と標的配列との相互作用によるヘリックスの形成は、検出温度におけるアッセイ条件下で熱力学的に支持され、腕3、4を分離させ、結果的にステム二重鎖5を溶解させ、図2に示された開いた形態を維持する。腕領域3、4は、標的相補配列2が標的配列8にハイブリダイズした際には、ステム二重鎖を形成するように互いに相互作用することがない。標的相補配列2と標的配列8の相補作用が腕3と4の分離を誘導するので、このメカニズムを“スプリング(spring)”と称する場合がある。標的相互配列が標的配列にハイブリダイズしたときに起こる閉じた形態からの開いた形態への変化は、切り込みの存在または一つ以上の核酸のミスマッチの存在にもかかわらず成される。重要なのは、プローブの非特異的結合によっては、このような腕の結合が克服されないことである。この特徴は、不適切に“開けられた”プローブから非常に低いバックグラウンドシグナルに導く。
図1および2の好ましい実施態様に図示された親和性ペアは、一対の相補性核酸配列である。腕3、4は、ステム二重鎖5(図1)が標的相補配列2と標的配列8のハイブリッドより小さいハイブリッドである(図2)。二分子バージョンでは、ステム二重鎖5は、2aおよび2bを含む切り込みの入ったヘリックスの各部位より小さくあるべきである。この限定が満たされれば、2aおよび2bはそれぞれ標的相補配列2の“約半分”を含むと言える。他の親和性ペアは、上述したように、ある場合には非相補的な腕を介して、または非核酸の腕に、標的相補配列に結合される。適切な親和性ペアは、当該技術分野で知られた方法で標的相補配列に結合することができる。親和性ペアは、標的相補配列に直接的に共有結合していることが好ましい。
本発明に係るユニタリープローブは、ラベルペアによる特徴的なシグナルまたは単にシグナルと称する場合がある測定可能な特徴を備えている。プローブ1は、ステム二重鎖5の5’および3’末端のそれぞれにおいて、プローブ1に結合しかつプローブ1の一部を形成するラベル分子6、7を含む。ラベル分子6、7は、それらの近接、従ってそれらの互いの相互作用が、腕3、4の相互作用によって変えられるように配される。ラベル分子6、7は、腕3、4の他の場所に、あるいはステム5との結合に近い配列2、すなわち腕3、4の近くに結合させることができる。あるラベル分子は、腕に沿って内部的に結合した際に検知可能に高度に相互作用するであろう。これは、末端が解けないことによって影響されないからである。
一つ以上のペアのラベル分子を用いることができる。さらに、ラベルペアの要素間に一対一の分子の対応は必要ではなく、特に、一つの要素が、別の要素の一分子以上に影響し、影響されることができる。本発明のプローブの使用に適したラベル分子は、少なくとも一つの分子が、他のラベル分子の少なくとも一つの物理学的に測定可能な特徴を近接依存的に変えることができるように相互作用する。ラベルペアの特徴シグナルは、プローブが開いた形態か閉じた形態かに依存して検出可能に異なる。
例えば、図1および2を参照すると、好ましい標的分子はFRETペアであり、最も好ましくは発蛍光団7と消光剤6である。この実施態様では、特徴シグナルは、特定の波長の蛍光である。プローブ1が閉じた状態のとき(図1)、ラベル分子6は分子7から蛍光を消光する。分子7が適切な周波数の光で刺激されると、蛍光シグナルは最初のレベルでプローブから生成されるが、それはゼロであろう。プローブ1は、“オフ”である。プローブ1が開いた状態にある場合(図2)、ラベル分子6はラベル分子7から十分に離れおり、それらの間の蛍光共鳴エネルギー転移は、完全ではないにしても実質的に妨げられる。それゆえ、ラベル分子6は、ラベル分子7の蛍光を効果的に消光することができない。分子7が刺激されれば、第一レベルよりも高い第二レベルの蛍光シグナルが発生する。プローブ1は“オン”である。蛍光の二つのレベル間の違いは検出可能かつ測定可能である。このように蛍光および消光分子を用いて、プローブは“開いた”形態で“オン”になり、プローブが標的に結合したことが容易に検出可能なシグナルを発することにより示される。プローブの形態的状態は、ラベル分子間の相互作用を制御することにより、プローブから生じるシグナルを変える。
親和性ペアが相補的オリゴヌクレオチドの腕である実施態様では、標的相補配列および腕配列の長さは、計画されたハイブリダイゼーションアッセイの条件下でプローブの適切な熱力学的機能のために選択される。ハイブリダイゼーションアッセイの技術者であれば、適切な条件が、プローブ、標的および溶質濃度、検出温度、変性剤および体積排除剤(volume excluders)、並びに他のハイブリダイゼーション影響因子を含むことがわかるであろう。標的相補配列の長さは、10ヌクレオチドから約140ヌクレオチドの範囲とすることができる。二分子の実施態様では、標的相補配列の各部位は、少なくとも10ヌクレオチドの長さを有するべきである。低い方の限定は、プローブが閉じている場合にラベル分子間の相互作用によって影響される測定可能な特徴(または特徴的なシグナル)と、プローブが開いている場合の測定可能な特徴との間に検出可能な違いがない、最小の距離で決められている。しかして、適切なプローブにとっての標的相補配列2の最小の長さは、ラベルペアの個性とプローブへのその結合に依存する。ラベル分子は、蛍光分子5−[(2−アミノエチル)アミノ]ナフタレン−1−スルホン酸(EDANS)と消光分子4−(4−ジメチルアミノフェニラゾ)安息香酸(DABCYL)が最も好ましい。EDANSとDABCYLでは、消光は、長さが二重らせん核酸の約20ヌクレオチドペアに等しい、60オングストロームの分離によって必須に除去される。しかして、図1および2の好ましい実施態様では、2aと2bを含む標的相補配列2は、少なくとも20ヌクレオチドの長さとすべきである。短い配列2は、ハイブリダイズしたプローブからのシグナルを漸進的に弱め、開いたプローブと閉じたプローブとの間のシグナルレベルにおける違いを減少する。
プローブの最長は制限が少なく、二重らせん核酸分子の既知の柔軟性によって決定されている(Shoreら,1981)。プローブ−標的二重らせんの長さが約140ヌクレオチド対を超えると、プローブ−標的ハイブリッドの柔軟性により、二重らせん核酸分子の末端が互いに接触することが可能である。当業者にとって明らかなように、この距離は、二重らせん状の核酸(DNA:DNA、DNA:RNAまたはRNA:RNA)および形成された二重らせんの種類(A型、B型、Z型等)に依存して変えてもよい。例えば、標的相補配列2(図1)が140ヌクレオチドより長くA型のDNA:RNA二重らせんを形成するように標的に結合すれば、開いた形態で望ましくない消光が起こるであろう。時々の消光は、検出可能なシグナルを生成するプローブの能力を完全に破壊しないかもしれないが、プローブの性能を破壊してしまう。望ましくない消光は、腕または他の親和性ペアの末端以外の位置にラベルペアを結合することによって減少することができる。
標的相補配列の最大の長さは、プローブが標的に結合した際の熱力学的に支持された開いた形態を帯びる機能的要求により拘束される。過剰に長い標的相補配列は、プローブ−標的ヘリックスと腕ステムヘリックスの両方が同じ複合体で存在できるのに十分な柔軟性を備えたプローブ−標的二重らせんを形成してしまう。プローブは、閉じた状態のままである。それゆえ、標的相補配列の最大の長さは、標的に結合した際にプローブが開いた形態を帯びるのに十分に短く、かつ得られたプローブ−標的ヘリックスが十分に堅固なものでなければならない。以上の理由から、標的相補配列の最大の長さは、どんなことがあっても約140ヌクレオチドを超えないべきであり、これによって上述した因子に依存する数の10パーセント以内を意味する。
本発明のプローブを設計する際に、二本鎖DNAのらせんの性質に考慮が払われるべきである。単一分子プローブが開いた形態にある場合、分子がプローブ−標的二重らせんの反対側に位置していれば、ラベル分子の最大の分離がなされる。例えば、ラベル分子が、標的相補配列結合の末端のステム二重鎖の5’および3’末端に結合していれば、B型標的相補配列−標的配列二重らせんは、16−、26−、37−、47−、58−、68−または79−ヌクレオチド長の標的相補配列の選択は、ラベル分子6、7が図2に示されているように、二重らせんの逆側にトランス形態に標的分子を配向させることにより、最大の分離をなすと予想される。このサイズの範囲では、これらの長さの1〜3ヌクレオチド以内にある標的相補配列が好ましい。20〜60ヌクレオチドの範囲の長さを有する標的相補配列が好ましい。これまでに作製された最も好ましい実施態様の標的相補配列は、35ヌクレオチドである。
親和性ペア等の核酸配列を有する好ましい実施態様では、腕の配列は、アッセイの条件下および検出温度において、プローブが標的に結合していない場合に、腕が結合し、ラベル分子が互いに近接に保持されるのに十分な長さであるべきである。用いられるアッセイ条件に依存して、3−25ヌクレオチドの腕の長さこの機能を行うことができる。中間の範囲である6−15ヌクレオチドは、しばしば適切である。実際の長さは、標的のない状態ではプローブが閉じた形態をとり、標的に結合したときには開いた形態を帯びるように標的相補配列に関連して選択される。標的相補配列が長さで100ヌクレオチドまで含むのであれば、腕の長さは10−25ヌクレオチドまで増やすことができる。標的相補配列が100ヌクレオチド以上では、腕の長さをさらに増やすことはできない。
オリゴヌクレオチド配列が親和性ペアとして用いられるなら、腕の長さの上限は本発明に係るプローブの熱力学に関連した二つの基準によって支配される。まず、腕ステムの融解温度は、アッセイ条件下で、アッセイの検出温度より高いことが好ましい。アッセイ温度より少なくとも5℃、好ましくは少なくとも10℃高い融解温度を備えたステムが好ましい。
第二に、プローブの標的仲介開裂が熱力学的に支持されるように、ステムの形成によって放出されるエネルギーが、標的相補配列−標的配列ハイブリッドの形成によって放出されるエネルギーより小さくあるべきである。しかして、標的相補配列−標的配列ハイブリッドの融解温度はステムの融解温度より高い。それゆえ、腕の配列は標的相補配列より短くあるべきである。二分子の実施態様では、既に述べたように、腕の配列は各標的相補配列より短くあるべきである。
従って、標的相補配列が標的にハイブリダイズする前にプローブが開かないように、腕ステムの融解温度はアッセイ温度より高くなければならず、しかもなお、適切なプローブ機能およびそれによる検出可能なシグナルの生成を確実にするために、標的相補配列と標的配列の完全または切り込みの入ったハイブリッドの融解温度より十分低くなければならない。腕ステムの融解温度は、アッセイ温度より少なくとも5℃、さらに好ましくは少なくとも10℃高く、標的相補配列と標的配列とのハイブリッドの融解温度より少なくとも約20度低いことが好ましい。
当業者であれば、これらのパラメーターがハイブリダイゼーションアッセイの条件で変わるであろうこと、並びにこれらの条件が本発明のプローブの核酸配列を設計する際に考慮されなければならないことを理解するであろう。別の方法では、プローブは、本発明に係るプローブであるために用いられるアッセイ条件下で上述のように機能するように設計されなければならない。特定の作製物は、あるセットのアッセイ条件下では本発明に係るプローブであっても、別のセットのアッセイ条件では違うことがある。腕の長さおよびそれらのグアノシン−シチジン含有率はステム二重鎖の融解温度に影響する。所望の融解温度では、特定のアッセイ条件下で、腕の長さおよびグアノシン−シチジン含有率は、当業者に容易に算定される。プローブの二重ステムの融解温度は、以下の実施例IVに記載された方法を用いて所定のアッセイ条件用に経験的に決定することができる。
これらのパラメーターを、ガイドラインとして使用できる設計の考慮と見なす。複合溶液中のプローブの挙動が常に確実に予想できとは限らないので、特定のアッセイ条件下で最適に行うために、すなわちオフシグナルとオンシグナルの違いを最大にし、所望であればオフのシグナルレベルを最小にするために、本発明に係る作製プローブでは、経験的な試験が非常に有効である。
ある好ましい実施態様では、それぞれの腕の配列が、プローブが開いた際に、ヘアピンステム等の第二の内部構造を形成する。このデザインのユニタリープローブ90が、図9に例証されている。プローブ90は単一分子であるが、このデザインの特徴は、同様に二分子プローブに適用される。標的相補配列91が標的93の標的配列92に結合し、プローブ−標的ヘリックスを形成したら、腕94、95が分離し、シグナルがラベル分子96、97の分離によって精製される。開いた腕94、95が自分でホールドバックしてヘアピン98、99を形成するから、図9に示された開いた形態は安定である。ヘアピンは、長さにして少なくとも3つのヌクレオチドペアのステムを形成する隣接する相補配列を有する。これは、それぞれ分かれた腕94、95が内部ヘアピン構造を形成する際にさらなるエネルギーが放出されるので、開いた形態を安定させる。さらに、これらのヘアピン構造を含む腕は効果的に短くなり、互いに相互作用しそうもない。この特徴を備えることにより、10−25ヌクレオチドの範囲内の腕を用いることができ、これは、閉じた形態でラベル分子をよりしっかりとホールドするこの特徴を具備しない腕に適切な長さより比較的長い。結果的に、閉じた形態のバックグラウンドレベルがより低いために、この特徴を備えたプローブはよりシャープなシグナルを示すことができる。
開いた形態を安定化する別の方法は、一方または他方の腕の配列が、標的配列に隣接する配列に少なくとも部分的に相補的であることである。相補配列は、腕の内部の、腕と標的相補配列との接合部の近くまたは遠位に配置することができる。さらに、一方の腕の配列は、特定の標的に適合されたプローブのデザインに過度の限定をすることなく、標的に隣接する配列に完全に相補的であってもよい。この特徴は、開いた形態の熱力学的安定性を増す。腕の部分が標的に相補的であってもよいが、標的配列と標的相補配列との相互作用は、開いた形態にプローブを変形させるのに十分でなければならないことに注意すべきである。このデザインの特徴は、単一分子の実施態様と二分子の実施態様の両方に適用される。
図1−5は、蛍光分子(7、37、46、55)および消光分子(6、38、45、56)の好ましいラベルペアを示す。近接しているときには、ペアの一方がもう一方の少なくとも一つの物理学的に測定可能な特徴を検出可能に変更でき、分離したときには異なる程度になる、あらゆるラベルペアをシグナル生成のために使用できる。さらに、ラベル分子がプローブに結合していなければならない。
適切な消光分子と組み合わされる蛍光ラベル分子は、以下の既知の範囲、すなわち蛍光ラベル、放射性蛍光ラベル(a radioluminescent label)、化学蛍光ラベル(a chemiluminescent label)、生物蛍光ラベル(a bioluminescent label)および電気化学蛍光ラベル(an electrochemiluminescent label)のいずれかから選択することができる。単一の蛍光分子と多数の消光分子を使用すれば、消光が増すであろう。この場合には、一つのラベルペアは、いくつかの消光分子と“ペアになった”一つの蛍光分子を有する。他の使用できるラベルペアは、レポーター酵素と適切な阻害剤を含む。
好ましくはないが、閉じた形態でシグナルを生成し、開いた形態で不活性化されるラベルペアを使用することができる。このようなペアの例としては、酵素が活性化されるように互いに近づけられなければならない、酵素とその補助因子および酵素のフラグメントまたはサブユニットである。この種の実施態様においては、近づけられた形態は“オン”の状態である。
好ましいラベルは、蛍光共鳴エネルギー転移が二つのラベル間の相互作用のモデルであるように選択される。このような場合には、ラベルの測定可能な物理的特徴は、一方のラベルの励起状態の寿命の減少、一方のラベルの蛍光の完全または部分的な消光、一方のラベルの蛍光の増強、あるいは一方のラベルの蛍光の減極とすることができる。ラベルは、狭い波長帯の放射線または広い波長帯の放射線で励起されうる。同様に放射された放射線は、装置を用いて、あるいは直接的な視覚による観察により狭いまたは広い範囲の波長で観察することができる。このようなペアの例は、フルオレセイン/スルホローダミン101、フルオレセイン/ピレンブタノアート、フルオレセイン/フルオレセイン、アクリジン/フルオレセイン、アクリジン/スルホローダミン101、フルオレセイン/エテノアデノシン、フルオレセイン/エオシン、フルオレセイン/エリスロシンおよびアントラニルアミド−3−ニトロチロシン/フルオレセインである。この種の他のラベルペアは、当業者にとって明らかであろう。
実施例に特別に記載されている最も好ましいプローブ、単一分子および二分子の両方は、裸眼でハイブリダイゼーションの検出ができるものであり、励起装置として単なる紫外線ランプのみを必要とするものである。これらのプローブは以下の基準を満たす;すなわち一方のラベル分子のみが蛍光であって、その蛍光は裸眼で観察され;他方のラベル分子がこの蛍光を極度に効率的に消光し;核酸の二重らせんの約二回転以上離れるとあまり消光しないものである。もちろん、一方または他方のラベル分子の複数のコピーを用いることができる。
最も好ましい蛍光ラベルはEDANSであり、最も好ましい消光分子はDABCYLである。DABCYLの吸収スペクトルは、EDANS発光スペクトルと良好にオーバーラップするので、非常に効率的なエネルギー転移が行われる。オクタペプチドスペーサーを介してDABCYLに結合させることによりEDANSの蛍光を40倍減少できたこと、およびDABCYLに直接的にEDANSを結合することにより蛍光を200倍以上減少し得たことが示されている。また、60オングストローム以上離すとDABCYLによってEDANSの蛍光が消光されない。最後に、DABCYLは、それ自身では全く蛍光を有していない(Matayoshiら,1990;Wangら,1991)。
EDANSおよびDABCYLは、オリゴヌクレオチドの腕または他の親和性ペアの領域でプローブに結合される。これまで最も好ましいプローブとしては、EDANSおよびDABCYLが、腕と標的相補配列の結合の遠位であって腕の5’および3’末端に共有結合した、単一分子および二分子の両方である。それぞれ5’および3’末端に位置するEDANSとDABCYLの位置は、当然ながら逆にすることができる。EDANSとDABCYLの分子は、プローブが閉じた形態では互いに近接し、開いた形態では互いに十分に離れていさえすれば、プローブの末端部位にそったあらゆる場所に結合させることができる。
図1を参照すると、腕のフリーの5’および3’末端よりむしろ、ステム二重鎖5にそってラベル分子が位置されているので、プローブが閉じた形態にある場合に、ラベル分子間の相互作用を増幅する。二重らせんの末端ヌクレオチドが解かれ、温度に依存した速度で不規則的に再度ハイブリダイズすることが良く知られている。それゆえ、ステムに沿って内部に分子を配することにより、末端が解けることによる分子の分離を低減することができるであろう。
ステム二重鎖に沿って分子を配した際に、考慮すべきことは、ステム二重鎖のらせん構造に与えられる。この分子は、腕がアニールした際に分子がステム二重らせんの同じ側に来るように、各腕に沿って互い違いに配されたヌクレオチドに結合させてもよい。この位置づけは、閉じた形態におけるラベル分子の相互作用をさらに増強するであろう。
前にも述べたように、複数のラベル、例えば、多数のEDANSおよびDABCYL分子を用いることができる。多数のラベルは、時として、より高い厳密性でアッセイをすることを可能にする。例えば、親和性ペアがオリゴヌクレオチドの腕である場合に、腕ステムヘリックスが形成された際に、各EDANS分子がDABCYL分子に近接できるように、一方の腕にある数のEDANS分子を配し、他方の腕に対応する数のDABCYL分子を配することにより、ラベルの多重性が達成される。また、多重性は、ブドウの房に似た方法で、腕に多数のラベルを共有結合させることによってもなされる。ラベルの多重性は、自発的に消光するラベル分子と共に用いられるべきではない。好ましい適用では、ステムヘリックスが形成された際に、少なくとも一つのDABCYL分子がいつでもEDANS分子に隣接するように、一方の腕に一つのEDANS分子を配し、もう一方の腕に多数のDABCYL分子を配することにより、閉じた形態における消光を増幅することができる。
プローブのあらゆる位置に対するラベル分子の結合は、アッセイ条件下で安定でなければならない。結合は共有結合でもよく、これが好ましい。非共有結合の例は、限定されることなく、イオン結合、挿入、タンパク−リガンド結合並びに疎水性および親水性相互作用を含む。プローブに対するラベル分子の結合の適切に安定な手段は、当業者には明らかであろう。ここで“結合”という用語の使用は、使用条件下で安定なプローブに対するラベル分子の結合の全ての意味を包括する。安定に結合したラベル分子とは、それらが結合するプローブ分子の内部に含まれるものと考えられる。
場合によって、スペーサー、好ましくは直鎖アルキルスペーサーを介した共有結合でプローブにラベル分子を結合する。スペーサーの性質は、臨界的ではない。例えば、EDANSとDABCYLは、当該技術分野において良く知られかつ一般的に用いられている6炭素長のアルキルスペーサーを介して結合することができる。アルキルスペーサーは、効率的な蛍光共鳴エネルギー転移、結果的には効率的な消光のために、互いに相互作用するのに十分柔軟なラベル分子を与える。適切なスペーサーの化学的成分は、当業者によって理解されるだろう。炭素鎖スペーサーの長さは、少なくとも1〜15炭素の間で変えることができる。しかしながら、“ブドウの房”状に腕に結合した多重性のラベルでは、多数の分岐したスペーサーが望ましい。
本発明のハイブリダイゼーションプローブおよび共通ステムは、一般的に知られた固相合成法、合成配列または制限フラグメントのリゲーション、もしくはこれらの技術の組み合わせによって組み立てるられる核酸分子を含む。最も簡単なプローブは、標的相補配列に隣接する腕配列を有する単一のオリゴヌクレオチドの合成によって組み立てることができる。次いで、オリゴヌクレオチドの末端にラベル分子が結合される。二分子プローブは、二つが別々に合成され、オリゴヌクレオチドがラベルされて調製される。二分子プローブを、標的相補配列部位に結合させ、副木上でリゲーションすることによって、対応する単一分子プローブに変形することができる。許容される収率で行われるならば、直接的な合成が特に適切である。
合成およびリゲーションの組み合わせの一つの使用は、単一分子DNAプローブを二つの直接的に合成されたオリゴデオキシヌクレオチドから組み立てることによって例証される。一方のオリゴヌクレオチドは、標的相補配列、ラベル分子の一方と共有結合した完全な第一の腕配列、および第二の腕配列の一部を含む。腕とこのオリゴヌクレオチドの腕の一部とは互いにハイブリダイズする。第二のオリゴヌクレオチドは、もう一方のラベル分子に共有結合した第二の腕配列の残部を含む。第二のオリゴヌクレオチドは、第一の腕配列のハイブリダイズしていない、すなわち突き出た領域に相補的である。二つのオリゴヌクレオチドは互いにアニールする。最後に、プローブはアニールした複合体のリゲーションによって組み立てられる。
あるいは、それぞれが、標的相補配列の本質的な部位すなわち“約半分”と称される部位、一方のオリゴヌクレオチドの5’および他方の3’に位置した腕配列、並びに適切なラベル分子を含有する二つのオリゴヌクレオチドを合成する。単一分子プローブが所望であれば、これらの二つのオリゴヌクレオチドを副木オリゴヌクレオチドでアニールさせてリゲートする。次いで、このプローブをゲル濾過または当該技術分野で知られた他の手段によって副木から精製する。二分子プローブが所望であれば、プローブは二つのオリゴヌクレオチドをアニールすることによって組み立てられる。
本発明は、共通ステム、並びに種々の予め選択された標的配列を検出するための本発明に係るプローブを調製するためにこの共通ステムを使用するための説明を含むキットを含んでいる。共通ステムは腕領域の部位を含み、それぞれラベルペアの要素に結合している。本発明に係る単一分子プローブを作製するのに使用するために、反応基を含む二重鎖の結合端が形成されるように、腕が互いにハイブリダイズした状態で、ステムはユニットとして提供および使用されてもよい。任意に、結合端はリゲートし得る平滑端または突き出た端部を含んでもよい。あるいは、他の生物学的結合剤、または化学的成分が、共通ステムの5’および3’結合端に存在してもよい。化学的リゲーションは、ヒドロキシル基、リン酸基、スルフヒドリル基、アミノ基、アルキルリン酸基、アルキルアミノ基またはヒドロキシアルキル基等の反応基を含むことができる。共有反応基が好ましい。
プローブの両端に同じ腕領域が結合することが自動的に避けられるため、プローブが調製される際に共通ステムがハイブリダイズされていると有利である。しかしながら、それぞれの腕部に相互に排他的な付着反応がなされるのであれば、共通ステムはプローブ調製中にハイブリダイズしている必要はない。この場合には、腕部は連続的な反応の間には分かれたままでよいが、腕部を共通ステムと称する。二分子プローブの調製における使用では、また二分子プローブのリゲーションによる単一分子プローブの調製における使用では、二つのステム部が別々に提供および使用されると好ましい。
共通ステムが、長さにして5〜20ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド腕部を含むことが好ましい。本発明に係る共通ステムの腕部のヌクレオチドは標的配列認識に無関係であり、このことが特別な場合でも適用されることは理解されるであろう。ステムは、ユニタリープローブの形状を制御することに関係することのみを必要とする。好ましい共通ステムは、ラベル分子としてFRETペア、最も好ましくはEDANSおよびDABCYLを含み、それぞれ以下に記載するように、結合端の遠位でステム二重鎖の一端に結合されている。二つの共通ステムオリゴヌクレオチドを固相合成法によって調製した。しかしながら、適切な長さおよび融解温度の天然配列もステムとしての使用に適用することができる。
当業者であれば理解できるように、自身に相補的な突出した配列を含有するオリゴヌクレオチドを有するステムは、二つのステムの望ましくない結合を導く。しかして、必要ではないが、このような二量体を形成するオリゴヌクレオチドの使用を避けることが好ましい。
本発明に係る共通ステムを使用することは、最終的なプローブの腕配列の残余部に隣接した標的相補配列を含むオリゴヌクレオチドの合成を含んでもよい。このオリゴヌクレオチドは、残余腕部を介して自己的にハイブリダイズして、結合しうる末端を作製する。共通ステムが突出部を含むのであれば、オリゴヌクレオチドは、共通ステムの突出部に相補的な突出部を備えているべきである。次いで、このオリゴヌクレオチドを、好ましくは上述したように酵素的または化学的リゲーションによって共通ステムに結合される。このようにして、共通ステムは、本発明に係る単一分子プローブの最終的なプローブステムに取り込まれる。
本発明に係る共通ステムは、種々の単一分子または二分子のプローブを設計することを望む研究者にとって特に利益がある。共通ステムは、一つ以上のステムと、適切な標的相補配列オリゴヌクレオチド、または適切な制限フラグメントを調製してステムに結合させるための説明を含むキットの一部とすることができる。この説明は、もし記載するとすれば、上述したように標的相補配列に隣接し適切な結合端を形成することが必要とされる、腕配列の一部について記載するべきである。キットは、形成すべき最終的なプローブステムの融解温度および/または長さによって変わる多重性共通ステムを含んでもよい。キットは、一つの共通なステムオリゴヌクレオチドおよび長さが違う多数の種類の他のステムオリゴヌクレオチドを具備することができる。しかして、種々のまたは異なる所定のアッセイ条件下で使用するために、種々の長さの標的配列または同じ標的配列を備えた、本発明のプローブの調製に適したステムを含むことができる。このようなキットの説明は、使用者を、ここで教示したことに関連する特定の標的相補配列とともに使用するための適切な共通ステムに向ける。また、キットの使用者が、本発明のプローブを設計および調製するのに共通ステムを容易に使用することができるように、キットが任意に酵素および試薬を含んでもよい。
定量的または定性的とされる本発明に係るアッセイは、非結合プローブを洗浄および除去する必要がない。しかして、本発明に係るアッセイは、本発明に係るユニタリープローブを標的配列を含む鎖を含有すると思われるサンプルに添加し、検出温度におけるアッセイ条件下において検出可能なシグナルが発生するか否かを確かめることをを含む。均質なアッセイが好ましいが、本発明に係るプローブを不均一なハイブリダイゼーションアッセイに用いてもよい。標的配列を含まないコントロールを同時に行っても良く、二つを測定して差異を算定することによって定量的または定性的にサンプルおよびコントロールのシグナル生成を比較することができる。本発明のアッセイは、核酸合成反応の特異的一本鎖または二本鎖産物のリアルタイムおよび終点検出を含み、例えば、転写、複製、ポリメラーゼチェーン反応(PCR)、自己維持配列反応(3SR)、鎖置換増幅反応(SDA)、およびQ-βレプリカーゼ仲介増幅反応等が挙げられる。ユニタリープローブが融解または他の変性にさらされるようなアッセイでは、プローブは単一分子でなければならない。
定量的アッセイは、当該技術分野で知られた定量的方法を用いることができる。サンプルの終点は、例えば、一連の標的の希釈物の終点と比較することができる。また、読みとりを時間中ずっと行い、陽性または陰性のコントロール、または両方の読みとりと比較しても、一つ以上の一連の標的希釈物の曲線と比較してもよい。
本発明に係るアッセイは、組織を破壊することなく、例えば固定された組織における核酸の定量的または定性的なin situ検出を含む。洗浄する必要なしにかつ大きなバックグラウンドシグナルを生成することなく大過剰のプローブを用いることができるため、本発明のin situアッセイは特に有益である。本発明に係るin situハイブリダイゼーションは、クロモソームマッピングを目的として、およびクロモソームの異常を検出するために“クロモソームペインティング”を含む(Lichterら,1990)。
本発明のアッセイはin vivoアッセイを含む。大過剰のプローブを、洗浄する必要無しに用いることができる。アッセイは、二重鎖標的のため、並びに一本鎖標的のためとすることができる。本発明に係るプローブは、in vivoでの標的の検出用アッセイにおいて“生体染色剤”(殺すことなく細胞の特異的成分を染色する試薬)として有用である。これらは、種々の生きた細胞内の特異的な核酸または生きた細胞内のオルガネラを位置を定めるアッセイにおいて使用できる。これらは、組織内または生きた生物内の特定の細胞の種類を同定するためのアッセイに用いることができる。本発明に係るアッセイにおいて、既知の技術、例えば、リポソームによりまたは核酸分子に対して浸透性の細胞膜を作製することによって、プローブを細胞の内部に輸送することができる。
例えば、異なる波長の蛍光または蛍光および着色したサンプル形成等の、異なる抵触しない検出可能なシグナルを生成する多重性プローブを用いることにより、本発明のアッセイは一回のアッセイで多数の標的を検出することができる。また、同じ標的核酸の異なる領域にそれぞれ特異的な多数のプローブは、シグナルを増強するために用いられる。多数のプローブが同じ標的に用いられれば、隣接するプローブが互いに消光しないように標的に結合するべきである。
さらに、本発明に係る特別なプローブを、多数の標的配列を検出するように設計することができる。多重する標的相補配列が一つのプローブに取り込まれれば、プローブのデザインは、標的に対するいずれか一つの配列のハイブリダイゼーションによって、プローブを閉じた状態から開いた状態に変形させるようなデザインでなければならない。
本発明に係るアッセイのある好ましい実施態様は、本発明に係るプローブのサンプルへの添加と、複合混合物中の特定の標的核酸配列の検出を裸眼で視認することを含む。陽性のスタンダードと比較することにより、または陽性のスタンダードで得られた結果により、視認することにより大まかに定量できる。核酸のサイズの情報が所望されるある状況では、サンプルの核酸を先ず非変性ゲル電気泳動で分画し、次いでそのゲル自体を直接にアッセイすることができる。あるいは、ハイブリダイゼーションを、実施例VIのように、分画することなくまたは分画する前に、制限フラグメントで行うことができる。
しかして、本発明を用いて、サザンブロッティングやノーザンブロッティング(Sambrook,1989)等のしばしば用いられる工程に要求されるものを削除することができる。しかしながら、本発明のプローブは、不均一のアッセイ等でも非常に有益である。これらのアッセイの主な欠点、すなわち、標的にハイブリダイズしていないプローブからバックグラウンドシグナルを減少させるために過度の洗浄を必要とすることは、本発明のプローブの使用により改善される。
単一分子および二分子の両方において、標的に結合した場合、すなわち開いた形態の場合にのみ高レベルの陽性シグナルを発し、閉じた形態ではほとんどシグナルを発しないプローブが好ましい。さらに、標的に結合しなければ開いた形態を呈することがなく、非特異的に結合した場合には閉じたままであるようなプローブが好ましい。上述したように、このことによって、バックがラウンドシグナルが存在しなか、あるいは非常に低くなる。従って、これらのプローブを使用することによって、洗浄が全く不要であるか、あるいは、ハイブリダイゼーション後に存在するバックグラウンドシグナルをさらに減少させるために、やさしく、厳密性の低い洗浄が用いられればよいことから、従来の不均一なアッセイが非常に簡単になる。さらに、従来のハイブリダイゼーションを、一般的に低い厳密条件下で行うことができる。
本発明に係るプローブは、標的配列との相互作用で非常に早く開く。ハイブリダイゼーションアッセイの技術者であれば知っているように、相互作用の能力は濃度依存性である。アッセイ条件を、プローブが標的核酸の存在に反応してシグナルを非常に早く生成するように選択することができる。このため、本発明に係るアッセイは特定の核酸の生成のリアルタイムの観察を含む。転写、複製または増幅等の合成方法は、反応混合物中にプローブを含みかつ連続的または断続的に蛍光を測定することにより観察することができる。標的が相補鎖の結合によって隠される前に、相対的に豊かなプローブが、初期の核酸鎖中の標的を見つけだすことができるように、プローブは実質的に過剰に用いられる。
核酸増幅反応の産物の同定のためのアッセイにおける本発明のプローブの使用により、所望の産物を同定し、不要な副反応やバックグラウンドの産物から所望の産物を区別する増幅後分析の必要性が一般的に排除される。もちろん、本発明に係るプローブは、産物の終点検出のために、合成工程の最後に添加することができる。増幅反応の進行を監視するアッセイでは、プローブは合成中に存在することができる。プローブの存在により、標的核酸濃度の概算の正確さ、および動力学的レンジが改良される。閉ざされたチューブでの反応は、これまでのようにチューブを開けることなしに観察することができる。従って、これらのプローブを用いるアッセイでは、混入を制限することができるため、誤った陽性の数を制限することができる。
本発明に係る単一分子プローブは、本発明に係るプローブが温度サイクルの速さよりも速い速度で開閉できるため、追跡ポリメラーゼチェーン反応のアッセイに特に使用できる。プローブ、好ましくは閉じた状態“オフ”であって、所望の増幅産物に相補的な標的相補配列を含むプローブを、ポリメラーゼチェーン反応混合物中に含める。この実施態様では、プローブは、ポリメラーゼチェーン反応のアニーリング温度における反応条件下で閉じたままであるような融解点を備えている。必要ではないが、アニーリング温度より高ければ、延長温度においてプローブが閉じたままであってもよい。アニーリング温度では、標的相補配列がその標的にハイブリダイズし、プローブがシグナルを生成する。変性温度からアニーリング温度に下がる間並びにアニーリング温度において、標的を見つけだしていない融解された(すなわち開いた)プローブは、急速に分子内反応を介して閉じる。しかして、蛍光等のシグナルは、アニーリング温度において読むことができる。また、蛍光が読みとられる別個の温度を反応サイクル中に組み込んでもよい。PCR反応で用いるためのプローブを設計する際に、PCRプライマーの一つに相補的でない標的相補配列を自然に選択するであろう。
あるプローブは、PCRプライマーのような産物の相補鎖のアニーリングによって標的配列から除去されうる。これは、プローブの濃度を増すことによって、もしくはポリメラーゼチェーン反応における産物鎖の合成に非対称性を設計することによって克服することができる。非対称性増幅では、相補鎖の合成に比べて、標的を含むより多くの鎖が合成される。
同様に、本発明のプローブの実施態様を用いて、他の核酸増幅機構(Landegren,1993を参照)が、観察あるいはアッセイされる。増幅機構をなにも変更せずに、例えばQ-βレプリカーゼ仲介増幅反応、自己維持配列複製反応、転写増幅反応、および鎖置換増幅反応等において、適切なプローブを用いることができる。
本発明に係るアッセイのある実施態様では、固体表面に結合した複数のハイブリダイゼーションプローブを利用する。本発明のプローブが用いられているため、洗浄は不要である。プローブが固体表面に結合された場合、それらを“繋がれたプローブ”と称する。この種のプローブは、図10に示されており、標的相補配列104、相補的な腕105および106、並びに腕105、106に結合したラベルペア107、108を備えたプローブ101を示している。プローブ101は、結合分子102によって固体表面103に繋がれている。結合分子102は、共有結合であっても、非共有結合であってもよい。共有結合が好ましい。ビーズ、膜、ミクロタイターウェル、および計量棒を含むあらゆる種類の表面103を用いることができる。プローブの成分に関して中性な表面、すなわち、核酸と相互作用せず、ラベル分子と相互作用せず、かつプローブシグナルと抵触しない表面が好ましい。このような表面の例としては、シリコーン処理剤で被覆された表面である。
使用できる表面は、本質的に以下のものと抵触しない:a)閉じた形態を維持するためのプローブの親和性ペア、好ましくは腕の配列の能力;b)標的に対する標的相補配列のハイブリダイゼーション;c)開いた形態の場合に、親和性ペアが離れたままである能力、好ましくはプローブの腕配列が互いにハイブリダイズしていないままである能力;d)閉じた形態における近接したラベル分子の相互作用、好ましくは消光分子による蛍光分子の消光;およびe)開いた形態におけるラベル分子の作用、好ましくは適切な周波数の光で刺激された際に蛍光分子が蛍光を発する作用。このような表面は、当該技術分野で知られている。
本発明のプローブは、当業者に知られている巨大分子結合分子102によって繋ぐことができる。例えば、適切な結合分子102は、アルキル鎖またはオリゴヌクレオチド鎖(オリゴウリジン等)を含む。容易にプローブに取り込まれることから、オリゴヌクレオチド結合分子が好ましい。当業者が理解しているように、このようなオリゴヌクレオチド結合分子のヌクレオチド配列は、プローブ中の別のどの配列とも実質的に相補的であるべきではない。
繋がれたプローブは、予め決定されたセットの標的配列の同時の決定のためのアッセイに有利に使用できる。例えば、一連の蛍光プローブを調製することができ、それぞれが異なる標的相補配列を含有する。各プローブを、計量棒等の同じ支持表面に所定の位置に結合することができる。ハイブリダイゼーション条件下で支持体とサンプルとを接触させた後、支持体を適切な周波数の光で刺激することができる。繋がれたプローブがサンプルの標的分子とハイブリッドを形成した位置で、蛍光が発生する。
このようなアッセイは、例えば患者が明らかに感染しており、医師が早急に効果的な処置を処方するために感染性の作因の同一性を知る必要がある場合に、診療の状況において特に有益である。
本発明に係るアッセイキットは、本発明の少なくとも一つのプローブとアッセイを行うための説明を含む。またキットは、塩類、バッファー類、ヌクレアーゼ阻害剤、制限酵素および変性剤等のアッセイ試薬を含んでもよい。キットは陽性対照試験用の標的またはモデル標的、および陰性対照試験用の標的を含まない“サンプル”を含んでもよい。
増幅アッセイキットは、上記のいくつかまたは全てに加えて、アッセイ用および対照アッセイ用の、プライマー類、ヌクレオチド類、ポリメラーゼ類およびポリメラーゼ鋳型を含んでもよい。
生体染色キットは、プローブおよび説明に加えて、透過剤、リポソーム前駆体、バッファー類、塩類、カウンター染料類(counterstains)および光学的フィルター類を含んでもよい。
in situキットは、プローブと説明に加えて、固定液類、脱水素剤類、プロテアーゼ類、カウンター染料類、界面活性剤類、光学的フィルター類および被覆された顕微鏡スライド類を含んでもよい。
フィールド(携帯用)キットは、説明に加えて、本発明に係る繋がれたプローブを含む。少なくとも一つのプローブが、ビーズ、ウェルまたは計量棒に繋がれてもよい。未感作のサンプルの成分にハイブリダイズする陽性対照プローブを含む複数のプローブが含まれてもよい。
フィールドキットは、説明に加えて、本発明に係る繋がれていないプローブを含んでもよい。このようなキットは、感染性の作因または遺伝子用であってもよい。遺伝子用のキットは、陰性の、また時には陽性の標的を含んでもよい。
プローブの構成が、特定のアッセイ条件下で本発明のユニタリープローブであるか否かを決定するために試験が行われてもよい。プローブの構成に用いられた親和性ペアおよびラベル分子に適した試験を、設計することができる。この試験は、用いられるべき検出剤を用いて、ハイブリダイゼーションアッセイの条件下で行われるべきであり、一般的に以下の工程を含む:第一に、標的のない条件下で生成されるシグナルレベルを測定し、次いで検出を必要とする最小レベルの標的存在下でプローブが過剰に存在する場合に生成されるシグナルレベルを測定する。第一の測定のシグナルレベルが、近接したラベル分子から予測されるレベルと一致し、第二の測定のシグナルレベルがプローブの開裂によって予測されるレベルと一致し、かつ、検出剤が二つの測定のシグナルレベル間を確実に区別できるならば、その構成はそのアッセイにおいて本発明に係るプローブである。
プローブの構成が親和性ペアとしてオリゴヌクレオチドの腕を有する場合には、プローブの構成は、本発明に係るプローブであるためには、実施例IVに記載された試験をパスしなければならない。
以下の実施例は本発明のいくつかの実施態様を例証する。これらは、本発明を制限するものではなく、これらの特異的な実施態様に限定されるものではない。
実施例I:プローブAの合成
プローブAは、図3に示されている。図3は、標的相補配列31および相補性の腕を有する単一分子プローブ30のヌクレオチド配列を示している。図3に示された特定のプローブは、ヒト免疫不全ウイルスHIV−1のインテグラーゼ遺伝子の検出用である(Muesingら,1985)。ヌクレオチド32からヌクレオチド33まで5’から3’に伸びる標的相補配列31は、標的配列5’−AATGGCAGCAATTTCACCAGTACTACAGTTAAGGC−3’に相補的である。同じ長さの、他方の標的に相補的な標的相補配列が代用されることは、理解されるであろう。プローブ30は、上述した最初の二つのオリゴヌクレオチドをリゲーションする方法を用いて組み立てられた。二つのオリゴヌクレオチド34、35はいずれも、固相合成法によって調製された。図3で四角に囲まれたオリゴデオキシヌクレオチド34の合成中に、被修飾ヌクレオチドを5’末端に導入した。このヌクレオチドは、ヘキサアルキルスペーサーを介して5’リン酸塩に共有結合したスルフヒドリル基を有する。次いで、オリゴヌクレオチド34は、EDANSラベル分子37に結合される。参照としてここに取り込むConnolyとRider(1985)の方法を、チオエーテル結合を介してオリゴヌクレオチドにEDANS(1,5−IAEDANS、モレキュラープローブ(Molecular Probes)、Eugene、オレゴン)のスルフヒドリル反応性形態を結合するために用いた。次いで、オリゴヌクレオチド34を、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製した。オリゴヌクレオチド35の合成中に、参照としてここに取り込むNelsonら(1989)の方法を用いて、3’末端ヌクレオチドの3’酸素にヘキサアルキルスペーサーを介して共有結合された一次アミノ基を導入した。約2.5mgのオリゴヌクレオチド35は、その5’末端においてT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて32Pでリン酸基転移された。この32Pは、合成および精製中にオリゴヌクレオチドを追跡するために用いられた。次いで、リン酸基転移されたオリゴヌクレオチド35を3001の0.2M炭酸水素ナトリウム中に溶解し、3001の60mg/mlのラベル分子38、DABCYLスクシンイミジルエステル(モレキュラープローブ、Eugene、オレゴン)のアミノ反応性の形態と反応させた。アミノ反応性DABCYLを、72時間以上、それぞれ201の15の画分の連続的に撹拌された反応混合物に添加した。反応混合物をエチルアルコールで沈殿させた。次いで、オリゴヌクレオチド35をHPLCで精製した。オリゴヌクレオチド34および35を、互いにアニールし、16℃でT4DNAリガーゼとのインキュベーションによってリゲートした。リゲートされた産物を、7Mの尿素の存在下でポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製した。プローブAを含むバンドは、尿素の存在下で青白い蛍光を示し(EDANSによる)、オレンジ色を呈し(DABCYLによる)、放射活性を有していた(32Pによる)。精製されたプローブAをゲルから溶出し、1mMのEDTAを含む10mMTris−HCl、pH8.0(TEバッファー)に保存した。
実施例II:共通ステムとその使用方法
図4は、本発明にかかる共通ステムを用いて設計された、ここではプローブBと称するプローブを示す。図4を参照すると、明確にするために線42で描かれた共通ステム41は、以下に記載するあらゆる標的相補配列を含有する鎖をリゲートし得る腕領域43、44を含む。
共通ステム41を作成するために、二つのオリゴヌクレオチド43、44を固相合成法によって作成した。オリゴヌクレオチド43は、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてリン酸基転移された。オリゴヌクレオチド43、44は相補的である。一方、すなわちこの場合にはオリゴヌクレオチド43は、他方、すなわちオリゴヌクレオチド44より5ヌクレオチド長い。図4を参照すると、これらの5ヌクレオチドは5’−ATCCGである。オリゴヌクレオチド43は、その3’末端において、ラベル分子45、すなわちDABCYL分子に結合している。オリゴヌクレオチド44は、その5’末端において、ラベル分子46、すなわちEDANS分子に結合している。これらの結合を行い、結合したオリゴヌクレオチドを実施例Iで記載したように精製した。次いでオリゴヌクレオチド43、44をアニールし、それによってラベル分子45、46を互いに近接させた。
固相合成法によって調製されたオリゴヌクレオチド47は、図4で線で表示された、腕配列の残りの部分48、49を含む領域に隣接した、標的相補配列を含む。腕配列48、49を互いにアニールし、共通配列の突出部に相補的な突出部を形成した。この突出部、5’−ATCCGは、腕部48の最初の5ヌクレオチドを含む。次いで、実施例Iの条件下で、オリゴヌクレオチド47を共通ステム41にアニールし、リゲートした。プローブBを、ゲル電気泳動でリゲーション混合物から単離した。ステム配列43、44及び腕部48、49は混合前には別々にアニールされたが、混合後にはアニールされうる。プローブ40の最終的な腕ステムは、領域44及び48と領域43及び49の組み合わせをそれぞれ備えている。
実施例III:プローブCの合成
プローブC、図5に示された単一分子プローブを、上述した第二の二つのオリゴヌクレオチド方法で作成した。プローブ50の5’末端からヌクレオチド52にのびるオリゴヌクレオチド51、及びヌクレオチド54からプローブ50の3’末端にのびるオリゴヌクレオチド53を固相合成法によって調製した。オリゴヌクレオチド51は、その5’末端でEDANS55に結合され、オリゴヌクレオチド53はその3’末端においてDABCYL56に結合された。結合されたオリゴヌクレオチドの結合及び精製は、実施例Iに記載されたようにして行われた。
ここで、二つの分子、オリゴヌクレオチド51と53は、本発明の二分子プローブを形成するようにアニールすることができる。単一分子プローブは、これらのオリゴヌクレオチドから、配列5’−AATGGCAGCAATTTCACCAGTACTACAGTTAAGGC−3’のオリゴヌクレオチドの副木にこれらをアニールすることによって形成され、ヌクレオチド52と54の接合部においてリゲートされる。次いで、単一分子プローブを実施例Iに記載されたように電気的に精製した。プローブCは、異なる条件下で使用するように設計されているものの、プローブAと同じ標的相補配列を備えている。この標的相補配列は、ヌクレオチド57からヌクレオチド58に、5’から3’に伸びている。プローブCのステム二重鎖は、8塩基対の長さである。
実施例IV:プローブ作成物の試験
この実施例は、核酸腕配列を用いて構成されたプローブが、特定のアッセイ条件下で本発明のプローブであるか否かを調べる試験について記載する。このようなプローブ作成物、プローブAのデータについて、提供および評価する。プローブAは、塩を含まない20℃のアッセイにおいて本発明のプローブであることがわかった。
本発明のプローブは、二つのハイブリダイズした核酸鎖が温度エネルギーのために分離する、特徴的な融解温度Tmを示す。プローブAの融解温度は、所定のアッセイ条件下、すなわち塩が添加されていないTEバッファーで、10℃から80℃まで温度を上げながらその蛍光シグナルのレベルを観察することによって測定された。プローブの濃度は、2mlのTEバッファー当たり150pモルであった。温度による変性または転移曲線は、パーキンエルマーLS−5B蛍光測定器で記録された。プローブAのEDANS分子は336nmで励起され、480nmにおける蛍光が観察された。結果は図6に示されている。装置追跡60は、これらのアッセイ条件下におけるプローブAの温度変性曲線を示す。プローブのTmは、その温度変性曲線の屈曲点で示される。プローブAの融解点Tmは27℃であった。
以下のレベルのシグナル、すなわちここでは蛍光が、温度変性曲線からわかる:Tm−10℃の第一レベル、Tm+10℃の第二レベル、並びに所定のアッセイの検出温度における第三レベルである。もし検出温度において、過剰のモデル標的の添加により、Tm−10℃とTm+10℃におけるシグナルレベル間の差異の少なくとも10%に相当する量でTm+10℃のレベルの方向へのシグナルレベルの変化がもたらされるのであれば、そのプローブ作成物は、所定のアッセイ条件下における本発明のプローブである。“モデル標的”は、プローブ作成物の標的相補配列に相補的な配列を含有する核酸鎖であり、その5’または3’に直接的に隣接する付加的なヌクレオチドを一つも含まない。しばしば、実際の標的はこの定義に合う。モデル標的の存在下でシグナルレベルを測定するために用いられるプローブ作成物の濃度は、標的のない条件下でシグナルレベルを測定するために用いられた濃度、すなわち温度変性曲線を得るために用いられた濃度と同じである。
プローブAでは、シグナルレベルは、図6に示された装置追跡60から以下のように決定された。すなわち、Tm−10℃で2ユニットのレベル;Tm+10℃で16ユニットのレベル;並びに検出温度、すなわち20℃で2.5ユニットのレベルであった。以下に記載するような大過剰のモデル標的を用いて、検出温度における過剰の標的の添加により、3時間で2.5ユニットから14.5ユニットへと変化した。しかして、プローブAは、このような所定のアッセイ条件下で本発明のプローブである。
モデル標的は、固相合成法によって調製され、HPLCで精製された5’−CAGACAATGGCAGCAATTTCACCAGTACTACAGTTAAGGCCGCCTGT−3’の配列を有するDNA鎖であった。下線を施した配列は、プローブAの標的配列と同じである。モデル標的25nモルを、150pモルのプローブAを含有する2mlのTEバッファーに添加した。蛍光を、検出温度で維持した石英キュベットを備えたパーキンエルマーLS−5Bで連続して観察した。図8の装置による追跡82は、この結果を示している。図8は、蛍光の急速な変化が、早期に起こり、徐々に減少して、安定に至ることを示している。この場合では、“試験通過”レベルが早期になされるならば、そのように長く待つ必要はないが、試験の点は安定のレベルである。理解されるように、安定レベルまでの時間はモデル標的の濃度に依存する。例えば、モデル標的の濃度を5倍減少すれば、すなわち図8の装置の追跡81では、10時間後でさえ安定には到達しない。
もう一方の作成物、プローブCは、別の所定のアッセイ条件、37℃でTEバッファー中の10mMのMgCl2で試験した。その温度変性曲線、すなわち図6の装置の追跡61は、61℃のそのTmを与えた。装置の追跡61のデータ、および37℃での過剰なモデル標的の存在下におけるシグナルの測定から、プローブCが所定のアッセイ条件下で本発明のプローブであることがわかった。ユニタリープローブCの二分子の実施態様を、ユニタリープローブCの単一分子の実施態様を試験するために用いられたアッセイ条件と同じ条件下で試験した。二分子プローブが、本発明のプローブであることもわかった。二分子プローブは、実際にその単一分子の片割れと同じハイブリダイゼーションの動力学を示す。
実施例V:プローブ機能の論証
プローブAを用いたさらなる試験を、プローブ機能を論証するために行った。プローブAを、過剰のDNA標的及び過剰のRNA標的を用いて試験した。DNA標的は、上述のモデル標的である。RNA標的は、HIV−1のインテグラーゼ遺伝子に対応する880ヌクレオチドRNAであった(Muesingら、1985)。DNAモデル標的の配列は、RNA標的の配列の内部に含まれている。
この標的核酸及びプローブAを、TEバッファーに懸濁した。5つの0.5mlのプラスティックスナップキャップチューブを、以下を含むように調製した:1)1000pモルのDNA標的;2)80pモルのRNA標的;3)80pモルのRNA標的及び15pモルのプローブA;4)1000pモルのDNA標的及び15pモルのプローブA;及び5)15pモルのプローブA。各試験の最終体積を、TEバッファーで6μlに調整した。
トランシルミネーター(Model No.3-3100,Fotodyne,New Berlin,Wisconsin)からの紫外線でチューブを照射しながら、チューブをギルソン(Gilson)マイクロピペッターで二度優しくピペッティングして混合した。プローブAによる標的の検出を意味する、強く青い蛍光が目で観察され、撮影された。チューブ1−5に対応する、結果71−75は、それぞれ図7に示されている。
蛍光シグナルの外観は、DNA標的を含むチューブで実際に瞬間的であり、RNA標的を有するチューブでは数分で起こった。RNA標的における遅れは、RNA中の周辺配列によって標的配列が隠されたためかもしれないが、使用された標的が低量であったためと考えられる。対照試験では、無関係の核酸がプローブAと混合された。これらの対照では蛍光が全く観察されなかった(データは示さず)。
これらの実験の結果から、a)標的のない条件では、本発明のよく設計されたプローブは大変低いレベルのバックグラウンドシグナルを有する;b)プローブ−標的ハイブリダイゼーションは、ヒトの目によって検出可能なシグナル変化を生ずることができる;c)本発明のプローブはRNAまたはDNA標的のいずれかと作用する;およびd)標的の存在下では、本発明のプローブは、数分以内に非常に急速に“オン”になることができる、ことが推論される。さらに、標的配列のない条件下でプローブAを急速に熱しかつ冷却することにより、プローブが非常に速く、実際には瞬間的に“オフ”になることが示された。
図8で報告された試験に用いられたサンプル、追跡82は、95℃に熱せられ、アイスバスで急速に冷却され、検出温度である20℃で再度インキュベートされた。シグナル生成の動力学は、上述のようであった。20℃でのインキュベーション中の追跡は、実際に追跡82と区別できなかった。これは、親和性ペアとしてオリゴヌクレオチドの腕を有する本発明のよく設計された単一分子プローブを用いて、プローブ−標的ハイブリッドが可逆的に温度的に変性し得ることを証明している。しかして、このような実施態様は、増幅産物のリアルタイム検出のためのPCR等のサイクル反応への取り込みに適している。
実施例VI:アッセイ
本発明のプローブを利用するアッセイは、ハイブリダイゼーションのための条件下で、調べるべき物質にプローブを添加することによって簡単に開始する。サンプルの処理方法及び蛍光シグナルの観察方法は、サンプルの性質によって変えてもよい。組織は、機械的に、またはカオトロピック塩類とのインキュベーションによって分裂されてもよい。ほとんどの分裂組織は、アッセイに直接的に用いることができる。しかしながら、ある組織は、シグナルの検出と抵触し得る天然の蛍光物質を含む。このような場合には、核酸をハイブリダイゼーションの前後で蛍光物質から単離してもよい。開裂したプローブの蛍光は、蛍光測定器によって観察することができる。
本発明の好ましいユニタリープローブは、感染性疾患のためのフィールド(携帯)試験で有益である。例えば、マラリアの試験は、細胞を溶かすために血液サンプルにグアニジンチオシアナートを添加することによって開始し、細胞を解毒し、成分を変性してもよい。次いで、マラリア虫のリボソームRNAに相補的な大過剰のプローブ(期待される最大の標的濃度と比べて)を加えて、ハイブリダイゼーションさせる。開いたプローブ蛍光は、視覚的にまたは蛍光測定器の補助を伴って観察することができる。陽性蛍光シグナルの検出は、マラリア虫による感染を示す。
本発明にかかるプローブは、例えば特定の核酸のサイズの情報が所望とされるような場合に、ゲルまたは他の媒体における特定の核酸フラグメントを位置づけるために用いることができる。サンプル中の核酸を最初にゲル電気泳動で分画し、次いでゲル自体をプローブを含有する溶液中に浸してもよい。標的核酸が移動したゲルにおける位置は、ハイブリダイゼーションの結果として特徴的なシグナルによって検出されるだろう。
好ましくは単一分子、好ましくはラベル分子として蛍光剤と消光剤を有する、本発明のプローブは、標的核酸を有する細胞の検出のための生体染色として用いることができる。このようなプローブのために修飾されたヌクレオチドが特に有益である。プローブを細胞中に輸送するために、トルエン等の透過剤を、プローブを添加する前に組織に加える。あるいは、プローブをリポソームに内包させ、これらのリポソームを細胞と融合させることができる。プローブの輸送後に、ハイブリダイゼーションが細胞の内部で行われる。組織を蛍光顕微鏡で観察すると、標的核酸を含有する細胞が蛍光を発して見えるであろう。標的核酸の細胞下の位置も、これらの実験で見つけることができる。
合成反応における核酸の生成は、適切に設計されたプローブを反応混合物中に含み、蛍光等のシグナルレベルをリアルタイムで観察することによって観察することができる。このプローブは、生成される核酸のセグメントに相補的であるように設計されるべきである。このような反応の例は、DNA依存RNAポリメラーゼ及びQ−βレプリカーゼによるRNA合成である。単一分子プローブは、この反応で用いられる温度サイクルのスピードより速いスピードで開閉するために、ポリメラーゼチェーン反応を追跡するのに特に有益である。プローブのステムの溶解温度より5−12℃低い、各サイクルにおけるさらなる温度を、検出温度として含むことができる。各サイクルにおいて、蛍光のレベルは標的DNA鎖の存在量を示す。過剰なPCRプライマーとして、反応混合物における過剰なプローブを用いるべきである。PCRは非対称でもよい。終点検出に対し、正しい産物のリアルタイム観察は、ポリメラーゼチェーン反応による標的核酸の濃度の概算の正確さ及び動的範囲を改良し、増幅後の分析の必要性をなくす。
本発明のプローブは、鎖置換増幅反応及び自己維持配列複製反応等の他の核酸増幅反応を観察するためにも用いることができる。使用できるプローブは、ポリメラーゼチェーン反応の産物のプローブと類似の方法で設計および使用される。
実施例VII:繋がれたプローブ
本発明のプローブは、上述しかつ図10に示したような固体の支持体に繋がれたアッセイで用いることができる。
好ましい実施態様としては、多重プローブを調製する。各プローブは、独特の標的相補配列を含む。全てが、同じラベルペア、すなわち発蛍光団及び消光剤を含んでもよい。また、各プローブは、一方の腕の端部から伸びるオリゴヌクレオチド鎖も含む。
各プローブは、それに割り当てられた計量棒上の特定の位置にオリゴヌクレオチド鎖を介して繋がれる。この設計は、均一なハイブリダイゼーションができるように標的相補配列を自由にさせる。この実施態様を利用するアッセイでは、計量棒を、一つまたはいくつかの異なる標的配列を含むサンプルと接触させる。
次いで、繋がれたプローブが、対応する標的配列と相互作用する。このように相互作用したプローブは、開いた状態に変形するであろう。計量棒を、適切な周波数の光で照らす。計量棒の特定の位置からの蛍光は、対応する標的配列の存在を示す。繋がれたプローブアッセイのさらなる構成は、当業者には明らかであろう。
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Claims (10)

  1. 核酸増幅反応の少なくとも一つの増幅産物(当該増幅産物はDNAに由来する)を検出する方法であって、以下の工程:
    閉じた形態と開いた形態の二つの形態を呈するオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを核酸増幅反応混合物に添加する工程であって、ここで、前記プローブは前記少なくとも一つの増幅産物にハイブリダイズする標的相補配列と、当該標的相補配列に隣接して共有結合した親和性ペアとを含み、当該親和性ペアは蛍光ラベル、および蛍光共鳴エネルギー転移による前記蛍光ラベルからの蛍光を吸収する非蛍光消光剤を有する;
    前記核酸増幅反応を行う工程;
    前記蛍光ラベルを励起する工程;および
    前記標的相補配列が前記少なくとも一つの増幅産物にハイブリダイズする検出温度において、前記少なくとも一つの増幅産物の存在の指標として、前記蛍光ラベルからの蛍光増加を検出する工程;
    を含み、
    ここで、前記検出工程において、前記プローブの親和性ペアは前記プローブを閉じた形態に保持するのに十分に相互作用して前記消光剤が蛍光ラベルからの蛍光放出を吸収可能にするが、プローブが少なくとも一つの増幅産物と接触した場合には、プローブの標的相補配列への瞬間的なハイブリダイゼーションが親和性ペアを圧倒して、プローブを開いた形態に変化させて蛍光ラベルを消光剤から引き離し;かつ、
    前記増幅反応を行う工程および少なくとも一つの増幅産物を検出する工程が密閉反応容器内で実施される方法。
  2. 前記親和性ペアが抗体と抗原を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記親和性ペアが、前記プローブが閉じた形態である場合にハイブリダイズしてステム二重鎖を形成する一対の相補的ヌクレオチドアーム配列を含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記検出工程が増幅反応中にリアルタイムで行われる、請求項3記載の方法。
  5. 前記増幅反応が、変性温度、アニーリング温度、および伸長温度の反復温度サイクルを含むポリメラーゼ連鎖反応であり、変性温度からアニーリング温度に変化させる際に、少なくとも一つの増幅産物にハイブリダイズしていないプローブが急速にステム二重鎖を形成する、請求項4記載の方法。
  6. 検出が前記温度サイクルのアニーリング時に行われる、請求項5記載の方法。
  7. 前記蛍光ラベルおよび消光剤がプローブの末端ヌクレオチドに結合している、請求項3ないし6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記プローブが修飾されたヌクレオチドを含む、請求項3ないし7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記プローブがホスホジエステル結合以外のヌクレオチド間結合を含む、請求項3ないし8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記非蛍光消光剤がDABCYLである、請求項3ないし9のいずれか一項に記載の方法。
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