JP5958034B2 - 分子ビーコン型プローブを用いた標的核酸の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、標的核酸の検出方法およびキットに関する。
核酸増幅反応としては、温度変化を伴う核酸増幅反応(例、PCR)、等温核酸増幅反応がある。等温核酸増幅反応としては、リコンビナーゼを用いる方法であるRPA(Recombinase Polymerase Amplification)法が知られている。核酸増幅反応は、標的核酸を検出する際に利用されており、核酸増幅反応における標的核酸を検出するための検出用プローブとしては、ステム部分およびループ部分を有し、ステムループ構造を形成できる分子ビーコンプローブ(特許文献1)、RNaseHによる切断部位を有するサイクリングプローブ(特許文献2)が知られている。また、リコンビナーゼを用いる核酸増幅反応では、特殊な核酸プローブ、すなわち、蛍光物質および消光物質(quencher)で内部標識されており、かつ切断酵素による切断部位を有する核酸プローブが用いられている(非特許文献1)
WO1995/013399 WO89/10415
Piepenburg et al,PLoS Biology 2006,Volume 4,Issue 7,e204
ところで、リコンビナーゼを用いる核酸増幅反応では、リコンビナーゼの影響により、一般的に用いられている他の核酸増幅反応の条件でステムループ構造を形成するプローブが、その構造を形成することができない。したがって、リコンビナーゼを用いる核酸増幅反応の検出では、核酸増幅反応の検出系として一般的に用いられている、蛍光物質および消光物質(quencher)をその両末端にそれぞれ有する分子ビーコンプローブが使用できず、その代わり、蛍光物質および消光物質で内部標識されており、かつ切断酵素による切断部位を有する上述した特殊な核酸プローブが使用されている(非特許文献1)。
蛍光物質および消光物質をその両末端ではなく、その内部に有する核酸プローブの合成のためには、核酸プローブの内部に存在するヌクレオチド残基を、蛍光物質および消光物質で標識する必要がある。このような内部標識された核酸プローブの合成には、まずアミノ基などの官能基を有する核酸プローブを合成した後、この官能基を蛍光物質および消光物質と反応させなければならない。しかしながら、官能基に蛍光物質および消光物質を反応させるときには、加熱などの過酷な反応条件が必要となり、標識される物質によっては反応中に分解してしまう場合もある。したがって、このような標識に用いることができる標識物質の種類は限られている。また、このような核酸プローブの合成には特殊な技術が必要とされるため、合成が難しい、合成コストが高いという問題がある。
すなわち、本発明の目的は、リコンビナーゼを用いる測定系(例、核酸増幅反応)において、種々の標識物質を利用することができる汎用性の高い核酸プローブを用いた検出系を確立することである。
本発明者は、鋭意検討した結果、リコンビナーゼを用いる測定条件下では、リコンビナーゼの影響により、分子ビーコンプローブがステムループ構造を形成できないことを逆手に取って、新規な検出系を確立することに成功した(図1)。したがって、本発明者らは、上記課題を解決することに成功し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕以下(a)〜(c)の特徴を有するプローブ、切断酵素、およびリコンビナーゼを用いて標的核酸を測定することを含む、標的核酸の検出方法:
(a)互いに相補的に結合し得る一対の領域、および標的核酸と相補的に結合し得る領域を含む一本鎖核酸分子である;
(b)切断酵素により切断される部位を含む;かつ
(c)末端標識を有する。
〔2〕標的核酸の測定が、以下(1)および(2)により行われる、〔1〕の方法:
(1)前記プローブおよび切断酵素の存在下において、核酸試料を、リコンビナーゼを用いる標的核酸の核酸増幅反応に供すること:ならびに
(2)該核酸増幅反応において、前記プローブに起因して生じる検出シグナルを検出すること。
〔2〕標的核酸の測定が経時的に行われる、〔1〕の方法。
〔3〕標的核酸の測定が、以下(1)および(2)により行われる、〔1〕または〔2〕の方法:
(1)前記プローブおよび切断酵素の存在下において、核酸試料を、リコンビナーゼを用いる標的核酸の核酸増幅反応に供すること:ならびに
(2)該核酸増幅反応において、前記プローブに起因して生じる検出シグナルを検出すること。
〔4〕経時的な検出シグナルの変化に基づいて、標的核酸の存在もしくは非存在、または標的核酸の量を評価することをさらに含む、〔3〕の方法。
〔5〕前記プローブが、標的核酸と相補的に結合し得る領域中に、切断酵素により切断される部位を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかの方法。
〔6〕前記プローブが、以下(c1)または(c2)により末端標識されている、〔1〕〜〔5〕のいずれかの方法:
(c1)前記プローブが、検出シグナル発生物質を5’末端に有し、かつ検出シグナル発生物質に干渉し得る物質を3’末端に有する;または
(c2)前記プローブが、検出シグナル発生物質に干渉し得る物質を5’末端に有し、かつ検出シグナル発生物質を3’末端に有する。
〔7〕検出シグナル発生物質が蛍光物質であり、かつ検出シグナル発生物質に干渉し得る物質が消光物質である、〔6〕の方法。
〔8〕検出シグナルの検出において、経時的な蛍光強度の減少をモニタリングすることにより、標的核酸の量が測定される、〔7〕の方法。
〔9〕切断酵素がRNaseHである、〔1〕〜〔8〕のいずれかの方法。
〔10〕60℃以下の温度条件下で標的核酸の増幅反応が行われる、〔2〕〜〔9〕のいずれかの方法。
〔11〕50℃以下の温度条件下で標的核酸の増幅反応が行われる、〔10〕の方法。
〔12〕核酸増幅反応が等温核酸増幅反応である、〔3〕〜〔11〕のいずれかの方法。
〔13〕等温核酸増幅反応がRPA法である、〔12〕の方法。
〔14〕以下(a)〜(c)の特徴を有するプローブ、切断酵素、およびリコンビナーゼを含むキット:
(a)互いに相補的に結合し得る一対の領域、および標的核酸と相補的に結合し得る領域を含む一本鎖核酸分子である;
(b)切断酵素により切断される部位を含む;かつ
(c)末端標識を有する。
〔15〕DNAポリメラーゼをさらに含む、〔14〕のキット。
本発明の方法は、種々の標識物質(例、検出シグナル発生物質および検出シグナル発生物質に干渉し得る物質)を利用することができる、合成難度が低い、合成コストが安いなどの利点を有するプローブを用いて行うことができるため、有用である。
図1は、分子ビーコン型プローブおよび切断酵素の存在下における、リコンビナーゼを用いる核酸増幅反応による標的核酸の検出の原理を示す図である。検出シグナル発生物質として蛍光物質、および検出シグナル発生物質に干渉し得る物質として消光物質を例に挙げて説明する。 (1)リコンビナーゼが存在する場合:分子ビーコン型プローブはそのままでは、リコンビナーゼを用いる核酸増幅反応による標的核酸の検出に直接的に使用できない。これは、(i)リコンビナーゼを用いる核酸増幅反応の条件下ではリコンビナーゼの影響でステムループ構造を形成できないため、ならびに(ii)ステムループ構造を形成できない場合、蛍光物質と消光物質との間の距離が離れているため、蛍光物質と消光物質とが相互作用し得ず、蛍光が消光されないためである。 (2)標的核酸が存在する場合:先ず、分子ビーコン型プローブ(一本鎖核酸)が標的核酸と二本鎖を形成する。次いで、形成された二本鎖が切断酵素により認識されて、分子ビーコン型プローブが切断される。最終的に、切断により生じた二本の互いに相補的に結合し得る領域がハイブリダイゼーションして二重鎖が形成されることで、蛍光が消光される。 (3)標的核酸が存在しない場合:分子ビーコン型プローブが標的核酸と二本鎖を形成しない。その結果、分子ビーコン型プローブが切断されないため、蛍光が消光されない。 図2は、分子ビーコン型プローブおよびRNaseH活性を有する酵素の存在下における、リコンビナーゼを用いる標的核酸の核酸増幅反応における、蛍光強度の変化を示す図である。HBV DNA:B型肝炎ウイルスDNA;DW:Distilled Water。 図3は、本発明の方法による、標的核酸添加量依存的な蛍光シグナルの消光を示す図である。標的核酸として、種々のコピー数のHBV DNAを用いた。 図4は、分子ビーコン型プローブを用いたRPA反応およびPCR反応の温度変化に対する蛍光強度の変化を示す図である。
本発明は、標的核酸の検出方法を提供する。
本発明の方法は、プローブ、切断酵素、およびリコンビナーゼを用いて標的核酸を測定することを含む。
本発明の方法で用いられるプローブは、以下(a)〜(c)の特徴を有し得る:
(a)互いに相補的に結合し得る一対の領域、および標的核酸と相補的に結合し得る領域を含む一本鎖核酸分子である;
(b)切断酵素により切断される部位を含む;かつ
(c)末端標識を有する。
特徴(a)について説明する。
本発明の方法で用いられるプローブは、ステム部分およびループ部分を有する分子ビーコンプローブと同様の構造を有する分子ビーコン型プローブであり得る(本発明の方法で用いられるプローブを、分子ビーコン型プローブと称する場合がある)。具体的には、本発明の方法で用いられるプローブは、分子ビーコンプローブのステム部分に相当し得る、互いに相補的に結合し得る一対の領域、および分子ビーコンプローブのループ部分に相当し得る、標的核酸と相補的に結合し得る領域を含む一本鎖核酸分子であり得る。本発明の方法で用いられるプローブは、上述のとおり標的核酸と相補的に結合し得る領域を含むため、標的核酸と二本鎖を形成できる。
本発明の方法で用いられるプローブは、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)およびチミン(T)ならびにそれらの修飾核酸塩基(例、テトラヒドロフラン残基、イノシン、ウリジン、3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、ピリミジン誘導体、プリン誘導体)からなる群より選ばれる核酸塩基を有するヌクレオチド残基(DNAまたはRNA)を含む。
本発明の方法で用いられるプローブの全長は、例えば23個以上、好ましくは26個以上、より好ましくは32個以上のヌクレオチド長である。本発明の方法で用いられるプローブの全長はまた、例えば100個以下、好ましくは80個以下、より好ましくは60個以下のヌクレオチド長である。
互いに相補的に結合し得る一対の領域は、分子内での相補的な結合を可能にする任意のヌクレオチド残基から構成され、例えば、DNAである上述したヌクレオチド残基(例、DNAの通常の構成成分であるA、G、CおよびT)の1種以上(例、1種、2種、3種または4種)から構成される。互いに相補的に結合し得る一対の領域は、後述する切断誘導性残基を有しないことが好ましい。互いに相補的に結合し得る一対の領域は、それぞれ、プローブの5’末端領域および3’末端領域中に存在することが好ましい。互いに相補的に結合し得る各領域は、標的核酸とは相補的に結合しないように設計されることが好ましい。
互いに相補的に結合し得る一対の領域の個々の領域の長さは、例えば3個以上、好ましくは5個以上、より好ましくは6個以上のヌクレオチド長である。互いに相補的に結合し得る一対の領域の長さはまた、例えば25個以下、好ましくは20個以下、より好ましくは15個以下のヌクレオチド長である。
標的核酸と相補的に結合し得る領域は、プローブと標的核酸との結合を可能にする、相補的な結合を可能にする任意のヌクレオチド残基を含み、例えば、DNAである上述したヌクレオチド残基(例、DNAの通常の構成成分であるA、G、CおよびT)の1種以上(例、1種、2種、3種または4種)を含む。標的核酸と相補的に結合し得る領域は、互いに相補的に結合し得る一対の領域の間に存在することが好ましい。標的核酸と相補的に結合し得る領域はさらに、後述する切断誘導性残基を1個以上(例、1個、2個、3個または4個)有することが好ましい。標的核酸と相補的に結合し得る領域中の切断誘導性残基は、標的核酸中の所定のヌクレオチドと相補的に結合してもよく、相補的に結合しなくてもよい。切断誘導性残基は、標的核酸と相補的に結合し得る領域の一方の末端ヌクレオチド残基(標的核酸と相補的に結合し得る領域中の1番目のヌクレオチド残基)から数えて、1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、10番目、11番目、12番目、13番目、14番目、15番目、16番目、17番目、18番目、19番目または20番目のヌクレオチド残基の位置に、挿入されてもよい。
標的核酸と相補的に結合し得る領域の長さは、例えば20個以上、好ましくは30個以上のヌクレオチド長である。標的核酸と相補的に結合し得る領域の長さはまた、例えば50個以下、好ましくは40個以下のヌクレオチド長である。リコンビナーゼによる認識性の観点から、標的核酸と相補的に結合し得る領域の長さは、好ましくは20〜50ヌクレオチド長であり、より好ましくは20〜40ヌクレオチド長であり、さらにより好ましくは30〜34ヌクレオチド長である。
特徴(b)について説明する。
本発明の方法で用いられるプローブはまた、切断酵素により切断される部位を含み得る。
本発明において、「切断酵素」とは、本発明で用いられるプローブ(一本鎖核酸)が標的核酸と相補的に結合して、プローブおよび標的核酸から構成される二本鎖核酸を形成したときに、二本鎖核酸を形成する2つの核酸のうち、本発明で用いられるプローブのみを切断する活性を有する酵素を意味する。したがって、切断酵素は、本発明で用いられるプローブ(一本鎖核酸)が標的核酸と相補的に結合して、プローブおよび標的核酸から構成される二本鎖核酸を形成したときに、二本鎖核酸を形成する2つの核酸のうち、標的核酸を切断する活性を有し得ない。切断酵素としては、例えば、RNaseH活性を有する酵素が挙げられる。本発明において、「RNaseH活性を有する酵素」とは、DNA鎖/RNA鎖から構成されるハイブリッド二本鎖核酸におけるRNA鎖のみならず、DNA鎖/切断誘導性残基含有DNA鎖から構成される二本鎖核酸における切断誘導性残基含有DNA鎖もまた切断する能力を有する酵素をいう。具体的には、切断酵素としては、例えば、RNaseH、エキソヌクレアーゼIII、Nfo(例、E.coli由来)が挙げられる。
本発明において、「切断誘導性残基」とは、切断誘導性残基を含有する一本鎖核酸が標的核酸と相補的に結合して二本鎖核酸を形成したときに、上述した切断酵素により認識されて、当該一本鎖核酸の切断を誘発する残基をいう。切断誘導性残基には、DNAの通常の構成成分であるA、G、CおよびT(即ち、2’−デオキシアデノシン 5’−ホスフェート、2’−デオキシグアノシン 5’−ホスフェート、2’−デオキシシチジン 5’−ホスフェート、および2’−デオキシチミジン 5’−ホスフェート)は含まれない。切断誘導性残基としては、例えば、RNAの構成単位(糖部分としてリボースを有するヌクレオチド)、テトラヒドロフラン残基(一般的にdスペーサーとも呼ばれる)が挙げられる。RNAの構成単位としては、例えば、RNAの通常の構成単位であるA、G、C、U(即ち、アデノシン 5’−ホスフェート、グアノシン 5’−ホスフェート、シチジン 5’−ホスフェート、およびウリジン 5’−ホスフェート)が挙げられる。
切断酵素により切断される部位を含むプローブは、上述したような切断誘導性残基を含むキメラ一本鎖DNAであり得る。本発明において、キメラ一本鎖DNAとは、DNAの通常の構成成分である上述したA、G、CおよびTからなる群より選ばれる1種以上(例、1種、2種、3種または4種)のヌクレオチド残基を有し、かつ、切断誘導性残基を少なくとも1個有する一本鎖核酸分子をいう。
特徴(c)について説明する。
本発明の方法で用いられるプローブはさらに、末端標識を有し得る。末端標識とは、一本鎖核酸分子であるプローブが、その末端に標識物質を有することをいう。標識物質とは、標識物質により標識された化合物の検出を可能にする物質を意味し、例えば、検出シグナル発生物質、検出シグナル発生物質に干渉し得る物質が挙げられる。検出シグナル発生物質は、検出可能なシグナルを発生し得る化合物である。検出シグナル発生部分としては、例えば、蛍光物質が挙げられる。検出シグナル発生物質に干渉し得る物質は、検出シグナル発生物質と相互作用して、検出シグナルを変化させる化合物である。このような検出シグナルの変化としては、例えば、検出シグナルの消失および発生、ならびに検出シグナル波長のシフトが挙げられる。検出シグナル発生物質に干渉し得る物質としては、例えば、消光物質(quencher)、蛍光消光現象を示す核酸分子が挙げられる。
本発明の方法で用いられるプローブは、以下(c1)または(c2)により末端標識されていてもよい:
(c1)前記プローブが、検出シグナル発生物質を5’末端に有し、かつ検出シグナル発生物質に干渉し得る物質を3’末端に有する;または
(c2)前記プローブが、検出シグナル発生物質に干渉し得る物質を5’末端に有し、かつ検出シグナル発生物質を3’末端に有する。
一実施形態では、検出シグナル発生物質が蛍光物質である場合、検出シグナル発生物質に干渉し得る物質は、消光物質である。本実施形態で用いられる蛍光物質としては、例えば、6−FAM(6−カルボキシフルオレセイン)、TET(テトラクロロ−6−カルボキシフルオレセイン)、HEX(ヘキサクロロフルオレセイン)、6−JOE(6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン)、ROX(カルボキシ−6−ローダミン)、およびTAMRA((6−テトラメチルローダミン−5(6)−カルボキサミド)ヘキサノエート)が挙げられる。本実施形態で用いられる消光物質としては、例えば、BHQ−1([(4−(2−ニトロ−4−メチル−フェニル)−アゾ)−イル−((2−メトキシ−5−メチル−フェニル)−アゾ)]−アニリン)、BHQ−2(([(4−(1−ニトロ−フェニル)−アゾ)−イル−((2,5−ジメトキシ−フェニル)−アゾ)]−アニリン)、Dabcyl(4−[[4−(ジメチルアミノ)−フェニル]−アゾ]−安息香酸)、Eclipse(4−[[2−クロロ−4−ニトロ−フェニル]−アゾ]−アニリン)、TAMRA((6−テトラメチルローダミン−5(6)−カルボキサミド)ヘキサノエート)が挙げられる。
別の実施形態では、検出シグナル発生物質が蛍光物質である場合、検出シグナル発生物質に干渉し得る物質は、蛍光消光現象を示す核酸分子であってもよい。本実施形態で用いられる蛍光物質(蛍光消光現象を示す核酸分子との相互作用により消光する性質を有する蛍光物質)としては、例えば、グアニン塩基に近接した場合に蛍光シグナルが減少する蛍光物質が挙げられる。グアニン塩基に近接した場合に蛍光シグナルが減少する蛍光物質としては、例えば、Pacific Blue(2−オキソ−6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸)、BODIPY FL(N−[2−(ヨードアセチルアミノ)エチル]−5,7−ジメチル−4,4−ジフルオロ−3a−アゾニア−4−ボラ(IV)−4H−4a−アザ−s−インダセン−3−プロパンアミド)、5−CR6G(5−カルボキシローダミン)、TAMRA((6−テトラメチルローダミン−5(6)−カルボキサミド)ヘキサノエート)、6−JOE(6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン)、Alexa 488、Alexa 532、BODIPY TMR、BODIPY FL/C3が挙げられる。本実施形態で用いられる、蛍光消光現象を示す核酸分子としては、グアニン塩基を有する核酸分子(例、DNA、RNA)が挙げられる。
リコンビナーゼとしては、標的核酸の測定に利用することができる任意のリコンビナーゼを使用することができるが、リコンビナーゼを用いる標的核酸の核酸増幅反応に利用することができるリコンビナーゼが好ましい。本発明の方法に利用することができるリコンビナーゼとしては、例えば、UvsX、RecAおよびそれらのアナログが挙げられる。
標的核酸の測定は、経時的に行われてもよい。標的核酸の経時的な測定とは、異なる2以上の時点において、標的核酸を測定することを意味する。したがって、標的核酸の測定は、リアルタイムで行うことができる。異なる2以上の時点としては、例えば、異なる2、3、4、5、6、7、8、9および10の時点、ならびにそれよりも多くの時点(例、15、20、25、30、35、40、45および50の時点)が挙げられる。上記時点の時間間隔である測定間隔は、一定であっても、一定でなくてもよいが、一定であることが好ましい。測定間隔は、1分未満(例、10秒、15秒、20秒、30秒、40秒、50秒)であっても、1分以上(例、1分、1分30秒、2分、2分30秒、3分、4分、5分)であってもよく、標的核酸の測定目的に応じて適宜設定できる。
本発明の方法は、以下(1)および(2)により行われてもよい:
(1)プローブおよび切断酵素の存在下において、核酸試料を、リコンビナーゼを用いる標的核酸の核酸増幅反応に供すること:ならびに
(2)上記核酸増幅反応において、プローブに起因して生じる検出シグナルを検出すること。
核酸試料は、DNA、RNA等の核酸試料自体、またはそれを含有する任意の試料が用いられる。核酸試料は、特に限定されないが、例えば、哺乳動物等の動物、植物、昆虫、微生物(例、細菌、酵母)、ウイルス(例、HAV、HBV、HCV等の肝炎ウイルス、HIV等のレトロウイルス)に由来する核酸成分を含有する、または含有すると疑われる試料であってもよい。哺乳動物としては、例えば、霊長類(例、ヒト、サル、チンパンジー)、げっ歯類(例、マウス、ラット、モルモット)、ペット(例、イヌ、ネコ、ウサギ)、使役動物または家畜(例、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ)が挙げられる。核酸試料は、疾患に罹患している、または疾患に罹患していると疑われる哺乳動物に由来する生体試料(例、血液、唾液、毛髪、粘膜、組織サンプル)であってもよい。核酸試料は、必要に応じて、核酸の抽出後に、本発明の方法に用いられる。測定対象がDNAである場合、本発明の方法に直接的に用いられ得る。測定対象がRNAである場合、逆転写反応後に本発明の方法に用いられ得る。
リコンビナーゼを用いる核酸増幅反応は、任意の温度条件下で行うことができるが、約60℃以下の温度、例えば、約55℃、約50℃、約45℃または約40℃以下の温度で行われてもよい。リコンビナーゼを用いる核酸増幅反応の温度はまた、約25℃以上の温度、例えば、約30℃、約37℃または約40℃以上の温度で行われてもよい。
リコンビナーゼを用いる核酸増幅反応はまた、等温核酸増幅反応であってもよい。等温核酸増幅反応は、一般的に、50℃以上(例、50℃以上70℃未満)の中高温条件下で行われる等温核酸増幅反応、および50℃以下(例、25℃以上50℃以下)の低温条件下で行なわれる等温核酸増幅反応に分類することができる。リコンビナーゼを用いる等温条件下の核酸増幅反応は、例えば、約50℃以下の低温(例、約45℃または約40℃以下の温度)で行なわれてもよい。リコンビナーゼを用いる等温条件下の核酸増幅反応はまた、約25℃以上の温度、例えば、約30℃、約35℃または約37℃以上の温度で行われてもよい。
リコンビナーゼを用いる核酸増幅反応は、等温条件下の反応であってもよい。リコンビナーゼを用いる等温条件下の核酸増幅反応としては、例えば、RPA(Recombinase Polymerase Amplification)法、SIBA(Strand Invasion Based Amplification)法が挙げられる。
本発明の方法(例、核酸増幅反応)で用いられる反応液中のプローブの濃度は、例えば0.01〜2μM、好ましくは0.02〜1μM、より好ましくは0.04〜0.5μMである。
本発明の方法(例、核酸増幅反応)で用いられる反応液中の、切断酵素およびリコンビナーゼの濃度の濃度は、適宜調整することができる。
核酸増幅反応の他の条件(例、プライマー濃度、反応液に添加される核酸試料の量、反応時間)は、適宜設定することができる。
検出シグナルの検出は、当該分野における自体公知の任意の方法により行うことができる。標的核酸が存在する場合、先ず、プローブ(一本鎖核酸)が標的核酸と相補的に結合して、プローブおよび標的核酸から構成される二本鎖核酸を形成する。次いで、形成された二本鎖核酸が切断酵素により認識されて、二本鎖核酸を形成する2つの核酸のうち、プローブが切断される。最終的に、切断により生じた、分離した2つの互いに相補的に結合し得る領域がハイブリダイゼーションして二重鎖が形成されることで、検出シグナル発生物質および検出シグナル発生物質に干渉し得る物質が近接して相互作用し、検出シグナルに変化が生じる。変化した検出シグナルを検出することにより、標的核酸を測定することができる。このような検出シグナルは、切断酵素によるプローブの切断に起因して生じるため、検出シグナルの変化の程度は、切断酵素によるプローブの切断量に比例し得る。切断酵素によるプローブの切断量は、プローブと二本鎖核酸を形成し得る標的核酸の量に比例し得る。換言すれば、検出シグナルの変化の程度は、標的核酸の量に比例し得る。例えば、検出シグナル発生物質として蛍光物質、および検出シグナル発生物質に干渉し得る物質として消光物質または蛍光消光現象を示す核酸分子を用いた場合、蛍光の消光の程度は、標的核酸の量に比例し得る。
検出シグナルの検出は、経時的に行われてもよい。検出シグナルの経時的な検出とは、異なる2以上の時点において、検出シグナルを検出することを意味する。したがって、検出シグナルの検出は、リアルタイムで行うことができる。異なる2以上の時点としては、例えば、異なる2、3、4、5、6、7、8、9および10の時点、ならびにそれよりも多くの時点(例、15、20、25、30、35、40、45および50の時点)が挙げられる。上記時点の時間間隔である測定間隔は、一定であっても、一定でなくてもよいが、一定であることが好ましい。測定間隔は、1分未満(例、10秒、15秒、20秒、30秒、40秒、50秒)であっても、1分以上(例、1分、1分30秒、2分、2分30秒、3分、4分、5分)であってもよく、標的核酸の測定目的に応じて適宜設定できる。
検出シグナルの検出が経時的に行われる場合、経時的な検出シグナルの変化(例、減少、増加)がモニタリングされてもよい。このようなモニタリングの結果、経時的な検出シグナルの変化に基づいて、標的核酸の存在もしくは非存在、または標的核酸の量を評価することができる。本発明の方法では、このような評価工程が含まれていてもよい。例えば、本発明の方法は、上記工程(1)および(2)に加えて、このような評価工程を含んでいてもよい。具体的には、検出シグナルの値がベースラインレベルから実質的に経時的に変化しない場合、標的核酸は存在しないと評価することができる。一方、検出シグナルの値がベースラインレベルから実質的に経時的に変化する場合、標的核酸は存在すると評価することができる。また、例えば、検出シグナルの値がベースラインレベルから実質的に経時的に変化するまでの時間、および/または検出シグナルの値がベースラインレベルから実質的に変化した後の単位時間あたりの検出シグナルの変化の度合いに基づいて、標的核酸の量を評価することができる。検出シグナルの値がベースラインレベルから実質的に経時的に変化するかどうかは、例えば、本発明の方法で得られた検出シグナルの値を、後述するようなネガティブコントロールで得られる経時的な検出シグナルの値と比較することにより、決定することができる。また、本発明の方法で得られた検出シグナルの値を、後述するようなポジティブコントロール(例えば、検量線作成のための標的核酸の希釈系列溶液であってもよい)を用いて得られる経時的な検出シグナルの値と比較してもよい。
例えば、検出シグナル発生物質として蛍光物質、および検出シグナル発生物質に干渉し得る物質として消光物質または蛍光消光現象を示す核酸分子を用いた場合、経時的な蛍光強度の減少(即ち、蛍光の消光)に基づいて、標的核酸の存在もしくは非存在、または標的核酸の量を評価することができる。具体的には、検出強度がベースラインレベルから実質的に経時的に減少しない場合、標的核酸は存在しないと評価することができる。一方、蛍光強度がベースラインレベルから実質的に経時的に減少する場合、標的核酸は存在すると評価することができる。また、例えば、蛍光強度がベースラインレベルから実質的に減少するまでの時間、および/または蛍光強度がベースラインレベルから実質的に減少した後の単位時間あたりの蛍光強度の減少の度合いに基づいて、標的核酸の量を評価することができる。
本発明の方法は、標的核酸の測定に有用である。例えば、本発明は、定性的アッセイ(例、SNP、ハプロタイプ等の多型解析)および定量アッセイ(例、遺伝子の発現量、または試料中のゲノムの含量の解析)全般に有用であるが、実施例2、図3で実証されるように、定量的アッセイに好適に使用できる。本発明の方法はまた、ヒト等の動物の診断、治療モニタリングなどに有用である。
本発明はまた、キットを提供する。
本発明のキットは、上述したプローブ、切断酵素、およびリコンビナーゼを含む。プローブ、切断酵素、およびリコンビナーゼは、それぞれ、上述したとおりである。本発明のキットは、例えば、上述した測定系(例、核酸増幅反応)に用いられる。
本発明のキットは、DNAポリメラーゼを含んでいてもよい。
本発明のキットはまた、一本鎖DNA結合蛋白質(SSB)を含んでいてもよい。本発明のキットは、dNTPsを含んでいてもよい。本発明のキットは、ATPを含んでいてもよい。
本発明のキットはまた、標的核酸に対するプライマーを含んでいてもよい。本発明のキットに含まれるプライマーの数は、例えば、2個(RPA法)または3個(SIBA法)である。
本発明のキットはまた、ポジティブコントロール〔例、正常な標的核酸(例、DNA、RNA)〕および/またはネガティブコントロール〔例、標的核酸を含まない溶液、もしくは異常な標的核酸(例、DNA、RNA)〕を含んでいてもよい。本発明のキットはさらに、定性的および/または定量的アッセイにおける比較用コントロールとして用いることができるハウスキーピング遺伝子(例、GAPDH、β−アクチン、β2−マイクログロブリン、HPRT1)に対する核酸(例、DNA、RNA)のような他のコントロールを含んでいてもよい。本発明のキットはまた、これらのコントロールに対するプライマーを含んでいてもよい。本発明のキットは、個々の容器(例、チューブ)に隔離された形態で各成分を含んでいてもよいが、2種以上の成分が同一容器中で予め混合されていてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例1:リコンビナーゼ、分子ビーコン型プローブ、および切断酵素を利用する核酸増幅反応による標的核酸の検出
核酸増幅アッセイには、TwistDx社製のRPA法を原理とするTwistAmp Basicキットを使用した。このキットは、核酸増幅反応に必要な成分として、DNAポリメラーゼ、リコンビナーゼ(UvsX)、dNTPs、ATPおよび一本鎖DNA結合蛋白質(SSB)を含む。したがって、以下に示すアッセイでは、これらの成分を利用した。標的核酸として、HBVのS抗原部位に相当する遺伝子をコードするDNAを使用した。標的核酸の増幅のため、フォワードプライマー:5’−ctggctatcgctggatgtgtctgcggcgtttta−3’(配列番号1)、リバースプライマー:5’−ttgcgaaagcccaggatgatgggatgggaatac−3’(配列番号2)を使用した。検出用プローブである分子ビーコン型プローブの配列は、5’−ccgtcgttgct[g]tacaaaaccttcggacgg−3’(配列番号3:括弧内のgはRNAである)とし、5’末端に6−FAM(蛍光物質)、3’末端にEclipse(消光物質)をそれぞれ標識したものを使用した。
Rehydration Bufferに、0.42μM フォワードプライマー、0.42μM リバースプライマー、0.1μM 分子ビーコン型プローブ、1U Ribonuclease Hとなるように添加した。次に、標的核酸(HBV DNA)を10コピー/50μLとなるように加えた後、調製した溶液をRPA Pelletに47.5μL加え、溶解した。同様に標的核酸の代わりにDistilled Water(DW)を使用した溶液も調製した。上記で調製した溶液に、280mM酢酸マグネシウム溶液を2.5μL添加し、良く撹拌した後、37℃で25分インキュベーションした。1分毎に蛍光シグナルを測定した。
その結果、リコンビナーゼ、分子ビーコン型プローブ、および切断酵素を利用する核酸増幅反応において、標的核酸が存在する場合に蛍光シグナルが消光されることが確認された(図2)。
実施例2:標的核酸の添加量についての検討
標的核酸(HBV DNA)添加量を10コピー/50μL、10コピー/50μL、10コピー/50μLとした以外は、実施例1と同様の方法で試験した。同様に標的核酸の代わりにDistilled Water(DW)を使用した溶液(0コピー)でも試験した。
その結果、標的核酸添加量依存的に、蛍光シグナルが消光される時間が変化することが確認された(図3)。したがって、本発明の方法が標的核酸の定量に使用できることが示された。
実施例3:RPA反応条件下での分子ビーコン型プローブの温度変化における挙動
Rehydration Bufferに、0.1μM 分子ビーコン型プローブ、14mM 酢酸マグネシウムとなるように添加した。調製した溶液をRPA Pelletに50μL加え、溶解した。
上記で調製した溶液を、37℃から30秒間隔で0.5℃ずつ温度を上昇させ、80℃に上昇するまでインキュベーションした。インキュベーション時には各温度で蛍光シグナルを測定した。
その結果、50℃付近まで蛍光シグナル強度が高く、50℃から60℃付近にかけて蛍光強度が低下し、約60℃の前後の温度において検出される蛍光強度の反転が観察された(図4の「RPA反応液組成」を参照)。このことは、約50℃以下の温度では、分子ビーコン型プローブがステムループ構造を形成していないこと、および50℃から60℃付近の温度ではリコンビナーゼの効果が温度依存的になくなり、徐々に分子ビーコン型プローブがステムループ構造を形成することを示す。60℃前後の温度における蛍光強度の反転は、温度上昇に伴って、分子ビーコン型プローブがステムループ構造を維持できなくなっていることを示す。
参考例1:PCR反応条件下での分子ビーコン型プローブの温度変化における挙動
ABI社製PCR Buffer(10mM Tris−HCl(pH=8.3)、50mM KCl、1.5mM MgCl、0.001% Gelatin)に、0.1μM 分子ビーコン型プローブとなるように添加した。
上記で調製した溶液を、37℃から30秒間隔で0.5℃ずつ温度を上昇させ、80℃までインキュベーションした。インキュベーション時には各温度で蛍光シグナルを測定した。
その結果、50℃付近の温度までは蛍光シグナルが低く、温度上昇と共に蛍光シグナルの上昇が認められた。これは、50℃付近までの温度において、分子ビーコン型プローブがステムループ構造を形成していることを示す(図4の「PCR反応液組成」を参照)。
本発明は、標的核酸の測定に有用である。例えば、本発明は、定性的および定量アッセイ、ならびにヒト等の動物の診断、治療モニタリングなどに有用である。

Claims (13)

  1. 以下(a)〜(c)の特徴を有するプローブ、切断酵素、およびリコンビナーゼを用いて標的核酸を測定することを含む、標的核酸の検出方法:
    (a)それぞれ5’末端および3’末端領域に存在する、互いに相補的に結合し得る一対の領域、ならびに標的核酸と相補的に結合し得る領域を含む一本鎖核酸分子である;
    (b)標的核酸と相補的に結合し得る領域中に、切断酵素により切断される部位を含み、ここで、切断酵素は、前記プローブが標的核酸と相補的に結合して、プローブおよび標的核酸から構成される二本鎖核酸を形成したときに、二本鎖核酸を形成する2つの核酸のうち、前記プローブのみを切断する活性を有するものであり;かつ
    (c)前記一対の領域のうち一方が蛍光物質による末端標識を有し、前記一対の領域のうち他方が消光物質による末端標識を有する。
  2. 標的核酸の測定が経時的に行われる、請求項1記載の方法。
  3. 標的核酸の測定が、以下(1)および(2)により行われる、請求項1または2記載の方法:
    (1)前記プローブおよび切断酵素の存在下において、核酸試料を、リコンビナーゼを用いる標的核酸の核酸増幅反応に供すること:ならびに
    (2)該核酸増幅反応において、前記プローブに起因して生じる検出シグナルを検出すること。
  4. 経時的な検出シグナルの変化に基づいて、標的核酸の存在もしくは非存在、または標的核酸の量を評価することをさらに含む、請求項3記載の方法。
  5. 前記プローブが、以下(c1)または(c2)により末端標識されている、請求項1〜のいずれか一項記載の方法:
    (c1)前記プローブが、蛍光物質を5’末端に有し、かつ消光物質を3’末端に有する;または
    (c2)前記プローブが、消光物質を5’末端に有し、かつ蛍光物質を3’末端に有する。
  6. 検出シグナルの検出において、経時的な蛍光強度の減少をモニタリングすることにより、標的核酸の量が測定される、請求項記載の方法。
  7. 切断酵素がRNaseHである、請求項1〜のいずれか一項記載の方法。
  8. 60℃以下の温度条件下で標的核酸の増幅反応が行われる、請求項2〜のいずれか一項記載の方法。
  9. 50℃以下の温度条件下で標的核酸の増幅反応が行われる、請求項記載の方法。
  10. 核酸増幅反応が等温核酸増幅反応である、請求項3〜のいずれか一項記載の方法。
  11. 等温核酸増幅反応がRPA法である、請求項10記載の方法。
  12. 以下(a)〜(c)の特徴を有するプローブ、切断酵素、およびリコンビナーゼを含むキット:
    (a)それぞれ5’末端および3’末端領域に存在する、互いに相補的に結合し得る一対の領域、ならびに標的核酸と相補的に結合し得る領域を含む一本鎖核酸分子である;
    (b)標的核酸と相補的に結合し得る領域中に、切断酵素により切断される部位を含み、ここで、切断酵素は、前記プローブが標的核酸と相補的に結合して、プローブおよび標的核酸から構成される二本鎖核酸を形成したときに、二本鎖核酸を形成する2つの核酸のうち、前記プローブのみを切断する活性を有するものであり;かつ
    (c)前記一対の領域のうち一方が蛍光物質による末端標識を有し、前記一対の領域のうち他方が消光物質による末端標識を有する。
  13. DNAポリメラーゼをさらに含む、請求項12記載のキット。
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