JP2001333783A - メシチリン耐性黄色ブドウ球菌検出のためのオリゴヌクレオチド - Google Patents

メシチリン耐性黄色ブドウ球菌検出のためのオリゴヌクレオチド

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JP2001333783A
JP2001333783A JP2000163149A JP2000163149A JP2001333783A JP 2001333783 A JP2001333783 A JP 2001333783A JP 2000163149 A JP2000163149 A JP 2000163149A JP 2000163149 A JP2000163149 A JP 2000163149A JP 2001333783 A JP2001333783 A JP 2001333783A
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Toshitaka Taya
敏貴 田谷
Norihiko Ishiguro
敬彦 石黒
Juichi Saito
寿一 斉藤
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】MRSAが産生する細胞壁合成タンパク質PB
P―2’をコードするmecA遺伝子又はこれら遺伝子
に由来するRNAを特異的に切断したり、増幅したり、
これらの検出及び同定を高感度で行うための有用なオリ
ゴヌクレオチドの提供。 【解決手段】MRSAのmecA遺伝子又は該遺伝子に
由来するRNAを、切断、検出又は増幅するために有用
なオリゴヌクレオチドであって、mecA遺伝子又は該
遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能である、特
定な配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなる
オリゴヌクレオチド又はそれらのオリゴヌクレオチドと
相補的であるオリゴヌクレオチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臨床検査における
MRSA検出用のオリゴヌクレオチドに関するものであ
る。本発明で提供されるオリゴヌクレオチドは、RNA
やDNAの切断、増幅そして検出といった操作を行う遺
伝子診断用の試薬として、また、RNAの逆転写や翻訳
を阻害するための薬剤として有用である。特に、本発明
で提供されるオリゴヌクレオチドの配列は、MRSAの
定量や診断用の試薬等に有用である。
【0002】
【従来の技術】MRSAは、院内感染の主要な病原菌で
あり、メシチリンをはじめとするβ−ラクタム系の抗菌
薬全般に耐性を示す。また近年では、治療薬の切り札的
存在とみなされているバンコマイシンに軽度耐性を示す
菌株も検出されている。このように、MRSAは決定的
な抗菌薬がないために大きな医療問題となっている。従
って、臨床検査における正確・迅速な検出は、診断と治
療における重大な課題である。
【0003】通常、黄色ブドウ球菌が産生する細胞壁合
成タンパク質PBP(penicillin−Bind
ing Protein)はPBP−1からPBP−4
の4種類存在するが、MRSAではPBP−2’と名付
けられた新たなPBPも産生される。このPBPはβ−
ラクタム系の抗生物質への結合親和力の弱い特異的なタ
ンパク質であり、耐性の中心的な役割を果たすことが知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】PBP−2’をコード
する遺伝子mecAの配列は既に知られている(FEB
S Lett.221、167?171、1987年、
他)。そこで、MRSAの検出及び同定には、mecA
遺伝子に特異的な遺伝子プローブを用いるハイブリダイ
ゼーション法が試みられているが、試料の調製に患者検
体から採取した菌の培養が必要なため、迅速性に課題が
あった。
【0005】このように、MRSAの検出及び同定に
は、培養に長時間を要し、また短時間で試料中に存在す
る極微量のmecA遺伝子を検出することは困難であっ
たため、臨床診断の分野では迅速かつ高感度な検出法の
出現が望まれている。さらには、検査をより簡便にする
ために、自動検査装置の開発も望まれている。
【0006】検出を高感度で行うためには、検出及び同
定しようとする遺伝子や該遺伝子に由来するRNA(以
下これらを標的核酸とする)中の特定の配列を増幅した
うえで検出等することが好適である。
【0007】標的核酸がDNAである場合の増幅法とし
ては、ポリメレースチェインリアクション(PCR)法
が知られている。この方法は、標的DNA中の特定の配
列の両末端部に相補的及び相同な一組のプライマーと熱
耐性DNAポリメレース存在下で、熱変性、プライマー
・アニール、伸長反応からなるサイクルを繰り返し行う
ことによって前記特定の配列を増幅する方法である。こ
の時、前記特定の配列をPCR法で増幅するには前記特
定の配列との特異性が高いオリゴヌクレオチドが必要で
あり、更にその検出及び同定を高感度で行うためには、
標的DNAとの特異性が高いオリゴヌクレオチドが必要
である。そこで、特定の配列のオリゴヌクレオチドを用
いて、mecA遺伝子をPCR法で黄色ブドウ球菌の染
色体DNA上で検出する試みがなされている。しかしな
がら、試料の調製に患者検体から採取した菌の培養が必
要なため、前記のハイブリダイゼーション法と同様、迅
速性に課題があった。また、染色体DNA上のmecA
遺伝子を検出したとしても、実際にPBP−2’の発現
を同定したことにはならないために、臨床的意義上の問
題点も挙げられる。また、PCR法は急激な昇温・降温
を繰り返すという複雑操作が必要であり、そのことが自
動化への障害となる。
【0008】一方、標的核酸がRNAである場合の増幅
法としては、RT−PCR法の他、逆転写酵素及びRN
Aポリメレースの協奏的作用によって前記特定配列を増
幅するNASBA法や3SR法等が知られている。この
方法は、標的RNA中の特定の配列に対し、プロモータ
ー配列を含むプライマーと逆転写酵素、及びリボヌクレ
エースHにより、プロモーター配列を含む2本鎖DNA
を合成し、該2本鎖DNAを鋳型としてRNAポリメレ
ースにより、前記特定塩基配列を含むRNAを合成する
とともに、該RNAが引き続きプロモーター配列を含む
2本鎖DNA合成の鋳型となる連鎖反応を行うものであ
る。NASBA法や3SR法は一定温度での核酸増幅が
可能であり、自動化へ適している方法と考えられる。こ
の場合、PBP−2’をコードするmRNAを定性又は
定量等することにより、mecA遺伝子の存在、更には
その存在量を測定することが可能である。しかも、mR
NAは発現するPBP−2’の被翻訳遺伝子であるた
め、染色体DNA上のmecA遺伝子のコピー数と比較
して遙かに多量存在する。従って、検体から菌の培養を
経ることなくmecA遺伝子を検出することができ、迅
速診断として有用である。この時、前記特定の配列をN
ASBA法などで増幅するには前記特定の配列との特異
性が高いオリゴヌクレオチドが必要であり、更にその検
出及び同定を高感度で行うためには、標的RNAとの特
異性が高いオリゴヌクレオチドが必要である。そこで、
特定の配列のオリゴヌクレオチドを用いて、mecA遺
伝子をNASBA法で黄色ブドウ球菌の染色体DNA上
に検出する試みが知られている。しかし、NASBA法
などは比較的低温(例えば41℃)で増幅反応を行うた
めに、標的RNAが分子内構造を形成し、プライマーの
結合を阻害し、反応効率を低下させる可能性が考えられ
る。従って、増幅反応の前に標的RNAの熱変性を行う
ことで、標的RNAの分子内構造を壊し、プライマーの
結合効率を向上させるための操作が必要であった。ま
た、更には、低温でRNAの検出等を行う場合にも、前
記のような分子内構造を形成したRNAに対して結合し
得るオリゴヌクレオチドが必要であった。
【0009】そこで本願発明は、MRSAが産生する細
胞壁合成タンパク質PBP―2’をコードするmecA
遺伝子又はこれら遺伝子に由来するRNAを特異的に切
断したり、増幅したり、これらの検出及び同定を高感度
で行うために有用なオリゴヌクレオチドの提供を目的と
するものである。また、RNAの逆転写や翻訳を阻害す
るための薬剤として有用なオリゴヌクレオチドの配列を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
になされた本願請求項1の発明は、MRSAの遺伝子要
素であるmecA遺伝子(細胞壁合成タンパク質PBP
―2’をコードする)又は該遺伝子に由来するRNA
を、切断、検出又は増幅するために有用なオリゴヌクレ
オチドであって、mecA遺伝子又は該遺伝子に由来す
るRNAと特異的に結合可能である、配列番号1から1
7に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10
塩基以上からなるオリゴヌクレオチド又はそれらのオリ
ゴヌクレオチドと相補的であるオリゴヌクレオチドであ
る。
【0011】本願請求項2の発明は、前記請求項1の発
明に係り、前記オリゴヌクレオチドがDNA伸長反応の
ためのオリゴヌクレオチドプライマーであることを特徴
とする。本願請求項3の発明は、前記請求項1の発明に
係り、前記オリゴヌクレオチドの一部が修飾され又は検
出可能な標識物質により標識されたオリゴヌクレオチド
プローブであることを特徴とする。そして本願請求項4
の発明は、請求項3の発明に係り、前記オリゴヌクレオ
チドの塩基の一部がオリゴヌクレオチドプローブとして
の機能を損なわない範囲で変換された合成オリゴヌクレ
オチドであることを特徴とする。以下、本願発明を詳細
に説明する。
【0012】本願発明のオリゴヌクレオチドは、前記し
たRNAの増幅に際して、標的RNAの分子内構造フリ
ーな領域に対して特異的に相補結合を形成するオリゴヌ
クレオチドであり、前記したような熱変性を行うことな
しに標的RNAと特異的に結合可能である。このように
本願発明は、比較的低温かつ一定温度(35℃〜50
℃、好ましくは41℃)で、PBP―2’をコードする
mecA遺伝子に由来するRNAの分子内構造フリー領
域に対して結合するオリゴヌクレオチドであり、mec
A遺伝子を特異的に切断、増幅、又は検出等するために
有用なオリゴヌクレオチドである。より具体的には、本
願発明はPCR法によって前記標的DNAを増幅するた
めのオリゴヌクレオチドプライマー、NASBA法等に
よって前記標的RNAを増幅するためのオリゴヌクレオ
チドプライマー、そしてかかる増幅なしに、或いはかか
る増幅の後に標的核酸を検出等するためのオリゴヌクレ
オチドプローブとして利用することで、迅速かつ高感度
な検出を達成するためのオリゴヌクレオチドである。な
お、最近、遺伝子検出技術向上のために、アデニン・グ
アニン・シトシン・チミン(又はウラシル)塩基塩基に
よる相補的配列の認識というオリゴヌクレオチドプロー
ブとしての機能を損なわない、新しい化学合成物質の開
発が進められている。一例として、核酸DNAの骨格構
造である糖およびリン酸の骨格をポリアミド骨格に置き
換えたPeptide NucleicAcid(PN
A)を挙げることができる。従って本発明の検出プロー
ブとしては、PNAのように塩基配列認識の機能を損な
わない範囲で変換されたものも含まれる。
【0013】配列番号1から17は、mecA遺伝子に
由来するRNAを切断、増幅又は検出等するために有用
な本願発明のオリゴヌクレオチドの一例を示すものであ
る。ここで、mecA遺伝子に由来するRNAとは、こ
れら遺伝子を鋳型として製造されるRNAをも含む。本
願発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号1から17と
してそれぞれ記載した全塩基配列を含むものであっても
良いが、mecA遺伝子等との特異的な結合には10塩
基程度あれば十分であることから、それぞれ記載した塩
基配列のうち少なくとも連続した10塩基以上からなる
オリゴヌクレオチドであれば良く、また更にはこれらの
相補的なオリゴヌクレオチドであっても良い。
【0014】本願発明のオリゴヌクレオチドは、例えば
核酸増幅用のオリゴヌクレオチドプライマーとして使用
できる。本願発明のオリゴヌクレオチドをプライマーと
して核酸増幅法を実施すれば、標的核酸、即ちmecA
のみを増幅可能である。増幅方法としてはPCR法、L
CR法、NASBA法、3SR法等が例示できるが、中
でもLCR法、NASBA法、3SR法等の一定温度で
実施できる核酸増幅法が好ましい。この増幅産物を種々
の方法により検出等することで、MRSAの検出が可能
となる。この場合、増幅で使用したオリゴヌクレオチド
以外の上記オリゴヌクレオチドをプローブとして使用し
ても良いし、増幅された特定配列の断片を電気泳動等に
より確認しても良い。
【0015】本願発明のオリゴヌクレオチドは、例えば
その一部を修飾し又は検出可能な標識物質により標識す
ることにより、プローブとして使用することができる。
標的核酸を検出しようとする場合、検出可能な標識物質
により標識された本願発明のオリゴヌクレオチドを一本
鎖の標的核酸とハイブリダイズさせ、ハイブリダイズし
たプローブについて前記標識を検出等すれば良い。標識
の検出等は、標識物質に適した方法を採用すれば良く、
例えば、オリゴヌクレオチドの標識にインターカレータ
ー性蛍光色素を用いた場合は、標的核酸とオリゴヌクレ
オチドプローブからなる二本鎖核酸にインターカレーシ
ョンすることで蛍光強度が増加する性質の色素等を用い
れば、標的核酸とハイブリダイズしていないプローブを
除去等することなく、ハイブリダイズしたプローブのみ
を検出することが容易に実施できる。通常の蛍光色素等
を標識として使用した場合には、標的核酸とハイブリダ
イズしていないプローブを除去等した後に検出すれば良
い。なお、検出に当たっては、試料中の標的核酸をPC
R法、NASBA法、3SR法などといった種々の核酸
増幅法により検出可能な量まで増幅させることが望まし
く、中でもNASBA法、3SR法等の一定温度核酸増
幅法が最も望ましい。ここで、上記オリゴヌクレオチド
を標識したプローブを増幅の際に反応液に中に共存させ
る場合は、プローブがヌクレオチドプライマーとして機
能しないように、例えばその3’末端にグリコール酸を
付加する等の修飾を行うことが特に望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を実施例により更
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定
されるものではない。
【0017】実施例 1 mecA−RNAに対して、本願発明のオリゴヌクレオ
チドが41℃で特異的に結合するかを確認した。なお、
mecA−RNAは、mecAの塩基配列を含む二本鎖
DNAを鋳型としたインビトロ転写により合成、精製さ
れたRNAである。
【0018】まず、PBP―2’に由来するmecA−
RNAの塩基番号1〜2013(RNAの塩基番号は松
橋ら、FEBS Lett.221、167から171
頁に従った)を含む標準RNA(2016mer)を試
料とし、260nmの紫外部吸収により定量後、RNA
希釈液(10mM Tris−HCl (pH8.
0)、0.1mM EDTA、0.5U/μl RNas
e Inhibitor)を用い2.0×10-12mo
l/μlとなるよう希釈した。
【0019】次に、市販の0.5ml容PCR用チュー
ブ(商品名;Gene Amp Thin−Walle
d Reaction Tubes、パーキンエルマー
(株)製)に以下の各試薬を分注した。
【0020】 0.90μl 1M Tris−塩酸緩衝液(pH8.6) 0.20μl 1M 塩化マグネシウム 0.67μl 2M 塩化カリウム 0.15μl 0.1M DTT 0.33μl 119U/μl RNaseインヒビター 9.95μl 蒸留水 0.6μl 2pmol/μl mecA−RNA試料 1.2μl 1.0μMオリゴヌクレオチド溶液 なお、オリゴヌクレオチド溶液としては、以下の番号の
オリゴヌクレオチド溶液のうち、いずれか一つを用い
た。
【0021】1.mecA―RNAの塩基番号241か
ら261に相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号1) 2.mecA―RNAの塩基番号264から283に相
補的なオリゴヌクレオチド(配列番号2) 3.mecA―RNAの塩基番号296から315に相
補的なオリゴヌクレオチド(配列番号3) 4.mecA―RNAの塩基番号349から368に相
補的なオリゴヌクレオチド(配列番号4) 5.mecA―RNAの塩基番号402から421に相
補的なオリゴヌクレオチド 6.mecA―RNAの塩基番号425から444に相
補的なオリゴヌクレオチド 7.mecA―RNAの塩基番号456から475に相
補的なオリゴヌクレオチド(配列番号5) 8.mecA―RNAの塩基番号499から480に相
補的なオリゴヌクレオチド 9.mecA―RNAの塩基番号551から532に相
補的なオリゴヌクレオチド(配列番号6) 10.mecA―RNAの塩基番号556から575に
相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号7) 11.mecA―RNAの塩基番号581から600に
相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号8として記載し
た配列の5’端16番目から35番目までのオリゴヌク
レオチド) 12.mecA―RNAの塩基番号606から625に
相補的なオリゴヌクレオチド 13.mecA―RNAの塩基番号672から691に
相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号9) 14.mecA―RNAの塩基番号941から961に
相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号10) 15.mecA―RNAの塩基番号967から986に
相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号11) 16.mecA―RNAの塩基番号1134から115
3に相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号12) 17.mecA―RNAの塩基番号1154から117
3に相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号13) 18.mecA―RNAの塩基番号1221から124
0に相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号14) 19.mecA―RNAの塩基番号1656から167
5に相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号15) 20.mecA―RNAの塩基番号1701から172
0に相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号16) 21.mecA―RNAの塩基番号1852から187
1に相補的なオリゴヌクレオチド 22.mecA―RNAの塩基番号1906から192
5に相補的なオリゴヌクレオチド 23.mecA―RNAの塩基番号596から615に
相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号8として記載し
た配列の5’端1番目から20番目までのオリゴヌクレ
オチド) 24.mecA―RNAの塩基番号577から615に
相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号8) 25.mecA―RNAの塩基番号1087から110
0に相補的なオリゴヌクレオチド(配列番号17) 次に、上記の反応液を、41℃で5分間保温後、AMV
―RTase(宝酒造(株)製、AMV―RTaseは
DNA/RNA二本鎖のRNAを切断する酵素である)
を含む溶液を1μl添加し、引き続きPCRチューブを
41℃に5分間保温した。
【0022】反応後の切断断片を確認するため、ポリア
クリルアミドゲル(アクリルアミド濃度は5%、尿素7
M)電気泳動を実施した。電気泳動後に市販の染色液
(商品名;SYBR Green II、宝酒造(株)
製)により染色を行った。標的RNAの特定部位にオリ
ゴヌクレオチドが結合すると、AMV―RTaseのリ
ボヌクレースH活性により、DNA/RNA二本鎖のR
NAが切断され、特定バンドが観察される。
【0023】電気泳動結果を図1に示した。各レーンに
おいて新たに出現したバンドのうち、用いた1つのオリ
ゴヌクレオチドにより特異的に切断された結果生じた2
つのバンドが観察されたレーンについて、長さが短いほ
うのバンドを矢印で示した。また、非特異的な切断バン
ドが顕著なものについてそのバンドを丸で囲んで示し
た。これより、上記オリゴヌクレオチドのうち、配列番
号1から17及び配列番号8を含むオリゴヌクレオチド
溶液を用いた場合のみ、いずれも顕著な非特異切断バン
ドの無い、特異的な切断バンドが確認できたため、これ
らのオリゴヌクレオチドはいずれもmecA−RNAに
41℃で強く結合している事が示された。
【0024】
【発明の効果】以上の説明のように、本願発明のオリゴ
ヌクレオチドは、RNAが分子内構造を形成し、プライ
マーやプローブの結合を阻害しかねない、比較的低温か
つ一定温度(35〜50℃、好ましくは41℃)条件下
でも、PBP―2’をコードするmecA遺伝子に由来
するRNAと相補的に結合するオリゴヌクレオチドであ
る。従って、標的RNAを熱変性することなく、オリゴ
ヌクレオチドを特異的に結合させることが可能となる。
このように本願発明のオリゴヌクレオチドは、MRSA
の遺伝子要素であるmecA遺伝子に由来するRNAを
切断、増幅又は検出等するため、すなわちRNAの増幅
で使用するオリゴヌクレオチドプライマーやオリゴヌク
レオチドプローブとして有用である。
【0025】上記以外にも、本願発明のオリゴヌクレオ
チドは、mecA遺伝子を増幅し又は検出等するために
有用である。また更には二本鎖DNAをPCR法等で増
幅したり、RNAを逆転写して得られるcDNAを検出
等するためには、上記した具体的なオリゴヌクレオチド
と相補的であるオリゴヌクレオチドも有用である。
【0026】本願発明のオリゴヌクレオチドは、配列表
に記載した塩基配列(20mer)のものに限られず、
これら配列中の少なくとも連続した10塩基以上からな
るオリゴヌクレオチドであれば良い。これは、比較的低
温(好ましくは41℃)条件下で、プライマー又はプロ
ーブの標的核酸への特異性を確保するためには10me
r程度の塩基配列があれば十分であることから明らかで
ある。
【0027】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> TOSOH Corporation <120> メシチリン耐性黄色ブドウ球菌検出のためのオリゴヌクレオチド <130> PA211-0187 <160> 17 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 1 ttttttattt tacgatcctg 20 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 2 ctcgtttttt atttttagat 20 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 3 gtagtttgtt ttaattttat 20 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 4 cacataccat cttctttaac 20 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 5 tgtttcggtc taaaatttta 20 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 6 ttataatctt ttttagatac 20 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 7 atacttagtt ctttagcgat 20 <210> 8 <211> 39 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 8 cccaattttg atccatttgt tgttgatata gtcttcaga 39 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 9 atttttttgc gaaatcactt 20 <210> 10 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 10 ttttcttttt ctctattaat g 21 <210> 11 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 11 gttagttgaa tatctttgcc 20 <210> 12 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 12 atttattata ttcttcgtta 20 <210> 13 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 13 ttctttttta tcttcggtta 20 <210> 14 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 14 tcattgctgt taatattttt 20 <210> 15 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 15 ctttgttttt cgtgtctttt 20 <210> 16 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 16 ttaatagatt gatattttct 20 <210> 17 <211> 14 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> mecA又は該遺伝子に由来するRNAと特異的に結合可能であるオリゴ ヌクレオチド <400> 17 gaaggtgtgc ttac 14
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、オリゴヌクレオチドの状態を示すため
の写真(白黒反転)であり、PBP−2’をコードする
mecA−RNAの分子内構造フリー領域に対し設計し
たオリゴヌクレオチドを用いて、41℃でのmecA−
RNAへの結合実験を行った後のサンプルの7M尿素−
5%ポリアクリルアミドゲルの電気泳動写真である。図
中、レーンMはRNAマーカー、レーン1からレーン2
5は、実施例1で示したオリゴヌクレオチド溶液の番号
であり、レーン26はオリゴヌクレオチドを用いなかっ
た場合である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メシチリン耐性黄色ブドウ球菌(Meth
    icillin−Resistant Staphyr
    ococcus Aureus、以下MRSAとする)
    の遺伝子要素であるmecA遺伝子又は該遺伝子に由来
    するRNAを、切断、検出又は増幅するために有用なオ
    リゴヌクレオチドであって、mecA遺伝子又は該遺伝
    子に由来するRNAと特異的に結合可能である、配列番
    号1から17に示したいずれかの配列中の少なくとも連
    続した10塩基以上からなるオリゴヌクレオチド又はそ
    れらのオリゴヌクレオチドと相補的であるオリゴヌクレ
    オチド。
  2. 【請求項2】前記オリゴヌクレオチドは、DNA伸長反
    応のためのオリゴヌクレオチドプライマーである、請求
    項1のオリゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】前記オリゴヌクレオチドは、その一部が修
    飾され又は検出可能な標識物質により標識されたオリゴ
    ヌクレオチドプローブである、請求項1のオリゴヌクレ
    オチド。
  4. 【請求項4】前記オリゴヌクレオチドは、その塩基の一
    部がオリゴヌクレオチドプローブとしての機能を損なわ
    ない範囲で変換された合成オリゴヌクレオチドである、
    請求項3のオリゴヌクレオチド。
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