(第1の実施の形態)
以下、図1〜図8を用いて、本発明の写真処理装置をデジタルプリンタに適用した場合の第1の実施の形態について説明する。デジタルプリンタとは、デジタルカメラ等の撮影装置で撮像した写真画像を直接印画紙片上にプリントしたり、銀塩フィルム上に形成された写真画像を一旦スキャナで読み込み、印画紙片上にプリントするためのものである。図1は、第1の実施の形態に係るデジタルプリンタ(写真処理装置)の外観構成図である。
デジタルプリンタ1は、デジタルカメラやスキャナの撮像素子の各画素に対応する印画紙上の微小領域をR(赤)、G(緑)及びB(青)又はY(黄)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の三原色のいずれかの光で露光処理し、露光処理された印画紙を現像処理することによって写真画像を形成する画像形成部100と、入力された写真画像データに所定の処理を施して画像形成部100に出力する画像データ処理部200とで構成されている。
画像形成部100は、それぞれ幅の異なる複数種類(例えば2種類)の長尺印画紙を巻回収納したマガジン101,102と、マガジン101又は102から引き出した印画紙を所定サイズに切断し、切断された印画紙片上に画像データ処理部200から送信された画像を露光する露光ユニット103と、露光された印画紙片を現像、漂白、定着及び安定化処理する現像処理部104と、現像された印画紙片を乾燥する乾燥部105と、乾燥された印画紙片を例えばフィルム単位に仕分けて排出するソータ部106等とで構成されている。以下、この写真画像の露光、現像、乾燥、乾燥された印画紙片の排出の処理について、「プリント処理」と記載する。なお、画像形成部100は、従来のアナログ式の写真処理装置におけるフィルム上の画像を印画紙片上に拡大露光するための光源、レンズ及びシャッタ等は具備していない。
画像データ処理部200は、外部から写真画像データを読み込んだり、あるいは補正後の写真画像データを外部に出力するためのデータ記録読み出し装置201と、フィルムや印画紙上に形成された写真画像を直接読み込むためのスキャナ202と、読み込んだ写真画像をモニタ表示するためのディスプレイ203と、所定の画像処理やプリント処理の指示を入力するためのキーボード204及びマウス205と、プリントする写真画像データに所定の処理を施し、露光ユニット103を制御するための制御データに変換して画像形成部100に出力するための制御回路206等とで構成されている。
図2は、図1に示すデジタルプリンタの機能的構成を示す機能ブロック図である。デジタルプリンタ1は、操作部10、記録媒体20、入出力部30、表示部40、記憶部50、制御部60及びプリント処理部70を備える。
操作部10は、キーボード204及びマウス205等から実現され、オペレータから写真画像のプリントに関する各種設定事項の選択を、複数枚の写真画像について全コマ単位で乃至は1コマ単位で受け付けるものである。各種設定事項には、電子的に取り込まれた写真画像のプリントサイズ、プリント枚数、フロントプリントモード(以下、「FPモード」とする)等がある。なお、プリントサイズ、プリント枚数、FPモード等の所定の各種設定事項は、複数のプリントチャンネルから、オペレータが1のプリントチャンネルを選択することで、複数枚の写真画像について全コマ単位で乃至は1コマ単位で行う構成とすることができる。プリントチャンネルとは、プリントを行うラボ等で受け付け可能な注文内容に応じてオペレータによってデジタルプリンタ1に予め設定されており、1のプリントチャンネルの選択により複数種類の設定事項、例えばプリントサイズ、プリント枚数、FPモードの設定事項の選択を同時に行うことを可能にする制御パッケージである。なお、プリントチャンネルは、DPOF規格(Digital Print Order Format)で作成された写真画像データをプリント処理する場合には、1コマ単位で写真画像のプリントサイズ、FPモードの設定、プリント枚数等の各種設定事項を指定するプリント情報が付加されているため、各種設定事項は、オペレータに操作部10を用いて選択されなくても、プリント情報に基づいて自動的に選択される構成であってもよい。
FPモードは、写真画像にそのフロントプリントデータ(以下、「FPデータ」とする)の画像を合成するモードであり、複数枚の写真画像について全コマ単位で乃至は1コマ単位で設定可能である。FPモードが設定されない場合には、写真画像にそのFPデータの画像を合成しないフロントプリント無しモード(以下、「FP無しモード」とする)が設定される。FPデータとは、撮像日時等の写真画像の撮影関連情報を示すものであり、DPOF規格やExif規格等で写真画像が作成され、写真画像を撮像したデジタルカメラ等の撮像装置で付加する設定があった場合に写真画像データに付加されるものである。
また、操作部10(外部操作部、合成禁止指示手段)は、FP無しモードが設定されているコマについてFPデータの画像の合成を個別に指示する合成指示や、FPモードが設定されているコマについてFPデータの画像の合成を個別に禁止する合成禁止指示の操作を外部から受け付けるものである。操作部10が合成指示の操作を受け付けた場合には、FP無しモードが設定されていても、FPデータの画像が写真画像に合成され、合成禁止指示の操作を受け付けた場合には、FPモードが設定されていても、FPデータの画像が写真画像に合成されない。また、操作部10は、オペレータの写真画像をプリント処理するプリント処理指令の操作を受け付ける。
記録媒体20は、メモリカードやCD−R等で実現され、デジタルカメラ等の撮像装置で撮像された写真画像の写真画像データやFPデータ等が記録されるものである。入出力部30は、データ記録読み出し装置201等で実現され、例えば操作部10でプリントチャンネル等の各種設定事項の選択がなされて制御部60で設定された後、記録媒体20に記録されている写真画像データやFPデータを入力し、記憶部50に読み込ませるものである。なお、入出力部30は、記録媒体20からではなく、モデムやLANボード及び通信回線などを介して、他の装置との間で直接データの送受信をすることで、写真画像データとFPデータとを入力する構成であってもよい。
表示部40は、ディスプレイ203等から実現され、プリントチャンネル等、操作部10を用いての各種設定の入力をオペレータに対してガイドするガイド画面や、デジタルプリンタ1の読み取った写真画像のイメージ画像を1コマ単位で乃至は所定数のコマ単位で表示する画面をジャッジ画面として表示するものである。このイメージ画像は、写真画像と同内容(同一コマ)で、より粗い画像である。表示部40は、プリントチャンネルの設定、写真画像データの読み込み等、所定の処理の実行後にジャッジ画面を表示し、イメージ画像の表示によって写真画像データに撮影日時等の撮影関連情報の画像データ(撮影関連情報)が予め含まれていないかをオペレータに確認させることができるようになっている。すなわち、デジタルカメラ等の撮影装置によっては、撮影時に写真画像に撮影日時等の撮影関連情報を焼き付ける設定を行うことができ、この設定で撮像されることで、写真画像データに撮影日時等の撮影関連情報の画像データ(以下、「撮影関連画像データ」とする)が予め含まれている場合がある。かかる場合に、FPモードが設定されてFPデータの画像が写真画像に合成されると、同内容の撮影関連情報が重複して印画紙片にプリントされることになり、商品価値のないプリントが出力されることになる。表示部40では、ジャッジ画面を表示することで、写真画像データに撮影関連画像データが含まれているか否か、オペレータに視覚的に確認させることが可能になっている。
また、表示部40は、ジャッジ画面の表示後、ジャッジ画面にイメージ画像として表示された写真画像に対する画像補正の指示及び合成指示や合成禁止指示等の操作部10への入力を、オペレータにガイドする設定変更用ガイド画面を表示するものである。これらの指示は、表示された写真画像について1コマ単位で(表示された写真画像のそれぞれに対して)入力可能になっている。これによって、ジャッジ画面で写真画像データに撮影関連画像データが含まれていると確認される場合であっても、再度プリントチャンネルの設定等でFPモード無しモードを設定し、写真画像データの読み込みを行う等の作業のやり直しをオペレータに対して要求することなく、撮影関連画像データが含まれるコマの写真画像データについてのみ合成禁止指示を入力するだけの簡易な作業で、FPデータの画像が写真画像に合成されることで、同内容の撮影関連情報が重複して印画紙片にプリントされる不具合を防止することが可能になっている。なお、画像補正には、色補正、露光量調整等が含まれ、イメージ画像は画像補正の指示の入力に応じて変更されるため、調整量をオペレータに確認させることが可能となっている。画像補正指示が入力されることにより、その内容を示す調整用データが生成されてコマ毎に対応して記憶され、調整用データはプリントデータ生成時に読み出されて反映されるため、調整量に応じたプリント処理が行われることになる。
記憶部50は、画像データ処理部200等で実現され、RAM(Random Access Memory)等で構成されることで、後述する制御部60の作業領域として機能するものである。記憶部50は、入出力部30を介して入力される写真画像データとFPデータとを読み込むと共に、プリントチャンネル等の各種設定の内容を示す情報である設定情報や、操作部10で合成指示や合成禁止指示を受け付けたことを示す設定変更情報等を記憶する。
制御部60は、制御回路206等で実現され、モード設定部61、画像表示制御部62、設定変更部63、画像処理部64及びプリント制御部65を有する。モード設定部61は、操作部10に受け付けられたプリントチャンネル、FPモード等の各種設定事項の選択に従って、各種設定を記憶部50に読み込まれた写真画像に全コマ単位で乃至は1コマ単位で対応づけて行い、該各種設定の内容を示す設定情報を記憶部50に記憶させる。また、モード設定部61は、合成モード設定手段として機能し、FPモードを設定することで、写真画像にそのFPデータの画像を合成する設定を行うものである。
画像表示制御部62は、ガイド画面やジャッジ画面等の表示画面を作成して、表示部40に表示させるものである。また、画像表示制御部62は、写真画像のイメージ画像を作成してジャッジ画面において表示させる。
設定変更部63は、上述したジャッジ画面の表示に基づいて、各種設定の変更の指示が操作部10に受け付けられた場合に各種設定を変更し、該変更内容を反映させて記憶部50の設定情報の内容を変更するものである。また、設定変更部63は、操作部10によって合成指示及び合成禁止指示の操作が受け付けられた場合に、これらの指示の受け付けを示す設定変更情報を写真画像に1コマ単位で乃至は全コマ単位で対応づけて記憶部50に記憶させるものである。設定変更情報は、例えば合成指示や合成禁止指示の受け付けによって立てられるフラグ等である。設定情報でFPモードの設定が示されている場合であっても、設定変更情報で合成禁止指示の受け付けが示されているときには、そのコマの写真画像にFPデータの画像を合成することが禁止されるため、設定変更部63は、合成禁止指示手段として機能し、設定変更情報を記憶部50に記憶させることで該禁止の指示を実行するものである。設定情報でFP無しモードの設定が示されている場合であっても、設定変更情報で合成指示の受け付けが示されているときには、そのコマの写真画像にFPプリントデータの画像が合成されるため、設定変更部63は、設定変更情報を記憶部50に記憶させることで該合成の指示を行うものである。
画像処理部64は、イメージ画像に基づいて入力された画像補正の指示に従って写真画像データを補正し、上述のように、設定情報及び設定変更情報に従って、補正された写真画像データの所定位置にFPデータを合成して乃至は合成せずにプリントデータとして生成するものである。すなわち、設定情報でFPモードの設定が示されている場合であっても、設定変更情報で合成禁止指示の受け付けが示されているときには、補正された写真画像データにFPデータが合成処理されない。設定情報でFPモードの設定が示されている場合であって、設定変更情報で合成禁止指示の受け付けが示されていないときには、補正された写真画像データにFPデータが合成処理される。設定情報でFP無しモードの設定が示されている場合であっても、設定変更情報で合成指示の受け付けが示されているときには、補正された写真画像データにFPデータが合成処理される。設定情報でFP無しモードの設定が示されている場合であって、設定変更情報で合成指示の受け付けが示されていないときには、補正された写真画像データにFPデータが合成処理されない。
プリント制御部65は、画像処理部64で生成されたプリントデータを制御データに変換して出力する等、設定情報及び設定変更情報に従った内容でプリント処理をさせるための制御信号をプリント処理部70に対して出力するものである。
プリント処理部70は、画像形成部100等で実現され、プリント制御部65からの制御信号が入力され、該制御信号に従ってプリント処理を実行するものである。すなわち、プリント処理部70は、入力された制御信号に従って、所定種類の印画紙を所定サイズの印画紙片に切断し、入力されたプリントデータを該印画紙片上にドット単位で露光して焼き付け、所定の薬液で現像処理した後に乾燥させ、仕上がりプリントとして排出するものである。ここで、FPデータを合成処理されたプリントデータが入力された場合には、写真画像にFPデータの画像を合成してなる合成画像が仕上がりプリントとして出力処理され、FPデータを合成処理されないプリントデータが入力された場合には、FPデータの画像を合成されない写真画像からなる非合成画像が出力処理されることになる。
図3は、図2に示す写真処理装置の実行する処理の一例を示すフローチャートである。各種設定事項を入力するためのガイド画面であるプリントCH設定画面が表示部40に表示され、オペレータによるフロントプリントチャンネル等の各種設定事項の選択が操作部10に受け付けられると、モード設定部61によって各種設定がなされ、設定情報が記憶部50に記憶される(S1)。図4は、図3で示す処理のステップ1で表示されるプリントCH設定画面の一例を示す図である。プリントCH設定画面Sc1では、プリントチャンネル入力領域b1、フロントプリント指示領域b2、設定登録指示ボタンb3、設定キャンセル指示ボタンb4等が表示される。
プリントチャンネル入力領域b1は、プリントチャンネル番号を操作部10のテンキー等を用いてオペレータに入力されることによって、1のプリントチャンネルが選択されるものであり、例えば、プリントチャンネル番号「89」が入力されると、「デジカメ、L版プリント、FPモード」等が選択されることになり、プリントCH設定画面Sc1における所定の入力項目の設定が不要になる。また、例えば、別のプリントチャンネル「88」が入力されると「デジカメ、L版プリント、FP無しモード」が選択されることになる。フロントプリント指示領域b2は、FPデータの画像が写真画像に合成される位置の指定のためのものであり、例えば、「右詰め」、「左詰め」、「中央寄せ」等からオペレータが選択的に入力することが可能である。設定登録指示ボタンb3は、プリントCH設定画面Sc1で入力された各種設定事項の確定を指示するものであり、設定キャンセル指示ボタンb4は、再度入力し直すことを目的として、プリントCH設定画面Sc1で入力された各種設定事項のキャンセルを指示するためのものである。
図3に戻って、ステップ2では、記録媒体20から写真画像データやFPデータ等の読み込みが、入出力部30によって行われ、画像表示制御部62によってジャッジ画面が表示される(S3)。図5は、図3で示す処理のステップS3で表示されるジャッジ画面の一例を示す図である。ジャッジ画面Sc2には、各コマの写真画像のイメージ画像P1〜Pnのうち最初の6枚分のイメージ画像P1〜P6が表示されている。このうちイメージ画像P1、P2には撮影日時の画像p1、p2が表示されており、イメージ画像P1、P2に対応する写真画像データは予め撮影日時の撮影関連画像データを含むものであることが確認される。すなわち、FPモードが設定されている場合には、イメージ画像P1、P2に対応する写真画像には、撮影日時等のFPデータの画像が合成されるため、撮影日時が重複してプリントされることがオペレータに確認される。また、ジャッジ画面Sc2には、Fボタンb5と、スタートボタンb6が表示される。Fボタンb5は、イメージ画像P1〜Pnを見たオペレータが画像補正等の各種設定を変更したい場合や合成指示、合成禁止指示を入力したい場合に、設定変更用ガイド画面の表示を指示するためのものである。また、スタートボタンb6は、イメージ画像p1〜pnの内容でプリント処理の開始を指示するためのものである。なお、各種設定の変更や合成指示、合成禁止指示は、設定を変更するコマに対応するイメージ画像を選択することによってコマ単位で行うことが可能である。
図3に戻って、ステップS4では、表示部40に設定変更用ガイド画面が表示され、この表示にガイドされて、操作部10によって各種設定の変更指示の受け付けが有ったか設定変更部63で判断される。各種設定の変更指示の受け付けが有ったと判断される場合には(S4でYES)、設定変更部63によって各種設定の変更処理が行われ(S5)、設定情報の変更を行う。各種設定の変更指示の受け付けが有ったと判断されない場合には(S4でNO)、ステップ6が実行される。
図6は、図3で示す処理のステップS4で表示される設定変更用ガイド画面の一例を示す図である。設定変更用ガイド画面Sc3には、図5で示すFボタンb5がマウス等で選択されることで表示されるものであり、設定変更用ボタンが表示され、このうち1のボタンが選択されることで、選択されたボタンに対応する内容の設定変更用ガイド画面が表示されるようになっている。例えば、設定変更用ガイド画面Sc3には、設定変更用ボタンの一つとして、フロントプリント印字設定ボタンb7が表示されており、ここで、フロントプリント印字設定ボタンb7が選択されることで、合成指示・合成禁止指示入力用ガイド画面が表示されるようになっている。また、設定変更用ガイド画面Sc3には、キャンセルボタンb8が表示され、キャンセルボタンb8が選択されると、ジャッジ画面が再表示されるようになっている。
図3に戻って、ステップS6では、合成指示・合成禁止指示入力用ガイド画面が表示され、この表示にガイドされて、合成指示又は合成禁止指示が操作部10に受け付けられたか設定変更部63によって判断され、合成指示又は合成禁止指示が受け付けられたと判断される場合には(S6でYES)、設定変更部63によって設定変更情報としてフラグが立てられる(S7)。合成指示又は合成禁止指示が受け付けられたと判断されない場合には(S6でNO)、ステップS8が実行される。
図7は、図3で示す本処理のステップS6で表示される合成指示・合成禁止指示入力用ガイド画面の一例を示す図である。合成指示・合成禁止指示入力用ガイド画面Sc4には、設定変更指示領域b9と、適用コマ指示領域b10、b11と、登録指示ボタンb12と、キャンセル指示ボタンb13とが表示される。設定変更指示領域b9は、合成指示又は合成禁止指示を入力するための欄であり、「フロントプリント無し」、「右詰め」、「左詰め」、「中央寄せ」等の項目から1の項目がオペレータに選択されることで合成指示又は合成禁止指示の入力がなされる。すなわち、FPモードが設定されている場合には、「フロントプリント無し」が選択操作されることで、合成禁止指示が操作部10によって受け付けられ、設定変更情報としてフラグが立てられる。また、FP無しモードが選択されている場合には、「右詰め」、「左詰め」、「中央寄せ」のいずれかが選択操作されることで、合成指示が操作部10によって受け付けられ、設定変更情報としてフラグが立てられる。なお、FPモードが設定されている場合であって、「右詰め」、「左詰め」、「中央寄せ」のいずれかの設定が変更され、FPデータの画像を合成する位置の設定が変更される場合には、設定変更情報としてフラグが立てられることなく、該設定の変更に対応させて設定変更部63により設定情報の変更が行われる。適用コマ指示領域b10、b11は、合成指示又は合成禁止指示を適用するコマを指示するためのものであり、適用コマ指示領域b10が選択されると、選択したコマ単位で合成指示又は合成禁止指示が適用され、適用コマ指示領域11が選択されると、読み取られた写真画像の全てのコマで合成指示又は合成禁止指示が適用される。登録指示ボタンb12は、合成指示・合成禁止指示入力用ガイド画面Sc4に入力された変更事項の登録の指示を受け付けるためのものであり、選択操作されることで設定情報及び設定変更情報の変更が確定される。キャンセル指示ボタンb13は、変更事項を再入力するために、合成指示・合成禁止指示入力用ガイド画面Sc4に入力された変更事項のキャンセルの指示を受け付けるためのものである。
図3に戻って、ステップ8では、スタートボタンの選択操作等でプリント処理開始の指示が操作部10に受け付けられたかプリント制御部65で判断される。プリント処理開始の指示が受け付けられたと判断されない場合には(S8でNO)、再度ステップS4に戻り、プリント処理開始の指示が受け付けられたと判断される場合には(S8でYES)、ステップS9が実行される。ステップS9では、1コマ単位でプリントデータ生成処理が実行される。図8は、図3の処理で示すステップS9で実行されるプリントデータ生成処理の一例を示すフローチャートである。
まず、画像処理部64によってコマ単位で写真画像データの画像補正が指示されて、調整用データが記憶されているかどうかが判断され(ステップS91)、画像補正が指示されていると判断される場合には(S91でYES)、調整用データに基づいて補正処理がなされ(S92)、その後ステップS93が実行される。画像補正が指示されていないと判断される場合には(S91でNO)、ステップS93が実行され、FPデータの画像を写真画像に合成する設定がなされているか画像処理部64によって判断される。すなわち、FPデータの画像を写真画像データに合成する設定がなされている場合とは、FPモードが設定されている場合であって設定変更情報としてフラグが立てられていない場合と、FP無しモードが設定されている場合であって設定変更情報としてフラグが立てられている場合とであるため、設定情報及び設定変更情報に基づいて、かかる場合であるか否か画像処理部64によって判断される。
FPデータの画像を写真画像に合成する設定がなされていると判断されない場合には(S93でNO)、プリントデータ生成処理が終了し、FPデータを合成しない写真画像データがプリントデータとされる。FPデータの画像を写真画像に合成する設定がなされていると判断される場合には(S93でYES)、写真画像データにFPデータが付加されているか、すなわち写真画像データに対応するFPデータが記憶部50に記憶されているか画像処理部64によって判断され(S94)、記憶されていると判断されない場合には(S94でNO)、プリントデータ生成処理が終了し、FPデータを合成しない写真画像データがプリントデータとされる。FPデータが記憶部50に記憶されていると判断される場合には(S94でYES)、画像処理部64によって写真画像データの所定位置にFPデータが合成処理されて、プリントデータが生成され、プリントデータ生成処理は終了する。ここで写真画像データのFPデータを合成処理される位置は、設定情報の設定(例えば、左詰め、右詰め、中央部等の設定)に基づいて決定される。
図3に戻って、ステップ9の実行後、ステップS10が実行される。ステップS10では、プリント制御部65から出力された制御信号に従ってプリント処理がプリント処理部70で実行される。すなわち、ステップ9で生成されたプリントデータが制御データとして出力され、プリント処理のための制御信号が出力され、制御信号に従って所定の印画紙片に所定枚数だけ、入力されたプリントデータがドット単位で露光され、現像処理、乾燥処理、仕上がりプリント排出処理等の所定のプリント処理がなされる。その後、プリント制御部65で記憶部50に記憶されている写真画像データの全コマについてのプリント処理が終了したかどうか判断され(S11)、全コマのプリント処理が終了したと判断されない場合には(S11でNO)、ステップS9に戻り、全コマのプリント処理が終了したと判断される場合には(S11でYES)、本処理は終了する。
上述したデジタルプリンタ1では、ジャッジ画面の表示後、合成禁止指示の入力をガイドするための合成指示・合成禁止指示入力用ガイド画面が表示部40に表示され、ジャッジ画面に表示された写真画像について1コマ単位で乃至は全コマ単位で合成禁止指示を操作部10によって受け付け可能であり、合成禁止指示がなされた写真画像については、FPデータの画像が合成されることなくプリント処理部70でプリントされる。これによって、写真画像データに撮影関連画像データが含まれているとジャッジ画面の表示に基づいて確認される場合であっても、再度プリントチャンネル等を設定して写真画像データの読み込みを行う等の作業のやり直しをオペレータに対して要求することなく、撮影関連画像データが含まれるコマの写真画像データについてのみ合成禁止指示を入力するだけの簡易な作業で、FPデータの画像が写真画像に合成されることで同内容の撮影関連情報が重複して印画紙片にプリントされる不具合を防止することができる。また、合成禁止指示及び合成指示は、ジャッジ画面にイメージ画像として表示された写真画像について1コマ単位で受け付けられることが可能であるため、多数の写真画像がプリントされる場合に、撮影関連画像データが含まれる少数の写真画像データのために、再度多数の画像データについて各種設定事項の選択を行う操作上の煩をオペレータに与えないことができる。
なお、第1の実施の形態では、操作部10で合成指示を受け付ける構成であるが、本発明では合成指示を受け付けず、合成禁止指示のみ受け付けて、FP無しモードが設定された写真画像についてFPデータの画像の合成を指示できない構成であってもよい。
(第2の実施の形態)
以下、図9〜12を用いて、本発明の第2の実施の形態にかかるデジタルプリンタ1aを説明する。第2の実施の形態において、デジタルプリンタ1aは、予め、読み込んだ写真画像データに撮影関連画像データが含まれるか否かを自動で判断する構成を備える点が第1の実施の形態とは異なっている。図9は、第2の実施の形態にかかるデジタルプリンタの機能的構成を示す機能ブロック図である。図9では、図2に示す構成と同様の構成については同一の符号を付す。デジタルプリンタ1aは、記憶部500を記憶部50に代えて備え、制御部600を制御部60に代えて備える点のみがデジタルプリンタ1と異なっている。
記憶部500は、設定情報及び設定変更情報に加えて判定情報テーブルを更に記憶する。判定情報テーブルとは、撮影装置の機種(種類)と、撮影装置の機種に対応する(該機種で使用される)撮影関連画像データのフォントの特徴及び写真画像データにおける位置とを示すものである。制御部600は、モード設定部61、画像表示制御部62、設定変更部63、画像処理部64及びプリント制御部65に加えて画像データ判断部66(判断手段)を更に備える。
画像データ判断部66は、記憶部500に読み込まれた写真画像データの所定位置に撮影関連画像データが含まれるか否かを判断するものである。例えば、画像データ判断部66は、撮影日時等の撮影関連情報や撮影した撮影装置の機種等、写真画像についての所定の情報を示す写真画像情報をFPデータから取得し、取得した撮影装置の機種から判定情報テーブルを参照することで、その機種に対応する撮影関連画像データのフォントの特徴を取得する。画像データ判断部66は、取得したフォントの特徴と写真画像情報に含まれる撮影関連情報とから参照用撮影関連画像データを作成する。参照用撮影関連画像データとは、撮影関連画像データを想定して作成された画像データであり、例えば、写真画像情報に含まれる撮影関連情報の内容を、判定情報テーブルから取得された特徴のフォントで表したものである。そして、画像データ判断部66は、判定情報テーブルを参照して、撮影装置の機種に対応する撮影関連画像データの写真画像データにおける位置を取得して、取得した位置の写真画像データを抽出する。画像データ判断部66は、該抽出データと参照用撮影関連画像データとを比較して、その類似度を判断し、その類似度によって写真画像データの所定位置に撮影関連画像データが含まれるか否かを判断する。
図10は、図9に示す写真処理装置の実行する処理を示すフローチャートである。図3に示すステップと同内容の処理が実行されるステップについては同一の符号を付すものとする。第2の実施の形態における処理では、合成指示又は合成禁止指示の受け付けによってモード設定の変更を行うためのステップS6、ステップS7の処理が実行されない点と、プリント処理開始の指示が受け付けられた後に(ステップS8の実行後に)、データ判断・設定変更処理が、読み込まれた写真画像データについて1コマ単位で実行される点が異なっている。
図11は、図10に示す処理のステップS20で実行されるデータ判断・設定変更処理の一例を示すフローチャートである。まず、画像データ判断部66によって、FPモードが設定されているか設定情報に基づいて判断される(ステップS201)。FPモードが設定されていると判断されない場合には(S201でNO)、本処理は終了し、図10のステップ9が実行される。FPモードが設定されていると判断される場合には(S201でYES)、FPデータが写真画像データに付加されているか、すなわち記憶部500に記憶されているか画像データ判断部66によって判断される(S202)。FPデータが記憶されていると判断されない場合には(S202でNO)、本処理は終了して図10のステップS9が実行され、FPデータが記憶されていると判断される場合には(S202でYES)、写真画像情報が画像データ判断部66によってFPデータから取得される(S203)。そして、判定情報テーブルが参照されて(S204)、写真画像情報に含まれる写真画像の撮影装置の機種から、その機種に対応するフォントの特徴が取得される。
図12は、図11に示す処理のステップS204で参照される判定情報テーブルの一例を示す図である。判定情報テーブルTa1には、撮影装置の機種と、機種に対応するフォントの特徴として、フォント形状、フォントサイズ、フォント色、フォントの縁の有無及びフォントの縁の色が示されると共に、機種に対応する撮影関連画像データの写真画像データにおける位置とが示されている。判定情報テーブルTa1が参照されることで、写真画像情報に含まれる写真画像データの撮影装置の機種から、その機種に対応するこれらのフォントの特徴及び撮影関連画像データの写真画像データにおける位置が画像データ判断部66に取得される。
図11に戻って、ステップS205が実行され、フォントの特徴及び写真画像情報に含まれる撮影関連情報に基づいて、参照用撮影関連画像データが画像データ判断部66によって作成される。すなわち、写真画像情報に含まれる撮影関連情報の内容を、判定情報テーブルから取得された特徴のフォントで表した画像データが、参照用撮影関連画像データとして作成される。そして、写真画像データにおける所定位置のデータが、画像データ判断部66によって抽出される(S206)。ここで、写真画像データにおける所定位置とは、ステップS204で判定情報テーブルを参照することで取得された、写真画像の撮影装置に対応する写真画像データにおける撮影関連画像データの位置である。
画像データ判断部66で、抽出データと参照用撮影関連画像データとが比較される(S207)。そして、両データの類似度に基づいて、写真画像データに撮影関連画像データが含まれているか画像データ判断部66によって判断される(S208)。例えば、類似度が所定値以上(例えば、0〜1で表す場合に0.5以上)に高い場合には、写真画像データに撮影関連画像データが含まれていると判断され、類似度が所定値より(例えば、0〜1で表す場合に0.5以上)低い場合には、写真画像データに撮影関連画像データが含まれていないと判断される。そして、撮影関連画像データが含まれていると判断されたか設定変更部63で判断され(S209)、撮影関連画像データが含まれていると判断された事実がない場合には(S209でNO)、本処理は終了し、撮影関連画像データが含まれていると判断された事実がある場合には(S209でYES)、設定変更部63によって、設定変更情報としてフラグが立てられ、合成禁止指示の設定がなされる(S210)。
上記した第2の実施の形態において、デジタルプリンタ1aでは、コマ単位で写真画像データに撮影関連画像データが含まれていないか画像データ判断部66によって自動で判断され、含まれていると判断される場合には、設定変更情報としてフラグが立てられるため、FPモードが設定されていても合成画像ではなく非合成画像がプリント処理部70でプリントされる。これによって、第1の実施の形態における効果と同様の効果を奏するとともに、写真画像データに撮影関連画像データが含まれているか、オペレータに判断を委ねることなく自動で判断されるため、オペレータの確認ミスや操作ミスによって撮影関連情報が重複してプリントされることを効果的に防止することができる。また、写真画像データに撮影関連画像データが含まれることを示す情報が付加されていなくても自動で撮影関連画像データの有無を判断することができるため、撮影装置側の機能に依存することなくデジタルプリンタ1aの機能で判断することが可能となり、判断可能な写真画像データを可及的に多くすることができる。
また、撮影装置の機種と、その機種に対応する撮影関連画像データのフォントの特徴とが記憶され、これらの情報とFPデータから取得され写真画像の撮影装置の機種や撮影関連情報とから参照用撮影関連画像データが作成されることから、撮影関連画像データに近似した画像データが参照用撮影関連画像データとして作成されることが可能となり、可及的に正確に撮影関連画像データの有無を判断することができる。また、撮影装置の機種と、その機種に対応する撮影関連画像データの写真画像データにおける位置とが記憶され、これらの情報とFPデータから取得された写真画像の撮影装置の機種とから、写真画像データにおける撮影関連画像データが含まれると推測される位置が取得され、該位置のデータが抽出されて、抽出データと参照用撮影関連画像データとが比較されるため、撮影関連画像データが含まれる蓋然性の高いデータで撮影関連画像データの有無を判断することが可能となり、可及的に正確に撮影関連画像データの有無を判断することができる。
なお、第2の実施の形態では、参照用撮影関連画像データを作成して、所定位置の写真画像データと比較することで写真画像データに撮影関連画像データが含まれているか判断されているが、判断方法はこれに限定されず、参照用撮影関連画像データが作成されない構成であってもよい。かかる構成では、例えば、画像データ判断部66によって、写真画像データの所定位置に数字の画像データが含まれていることが判断された場合に、撮影日時の撮影関連画像データが含まれていると判断されることで判断されてもよく、また、写真画像データの所定位置に特定の色の画像データが含まれていることが判断された場合に、撮影関連画像データが含まれていると判断されてもよい。
また、判定情報テーブルが記憶部500に記憶されるに限定されず、テーブル以外の形式で情報を記憶する構成であってもよい。また、上述のように、参照用撮影関連画像データが作成されない構成であってもよいため、記憶部500が撮影装置の機種等の情報を記憶する構成でなくてもよい。なお、写真画像データにおいて撮影関連画像データが含まれていないか判断される位置は、判定情報テーブルを参照して取得されるに限られず、全ての写真画像データについて一律に同じ位置で判断されてもよい。さらに、プリントチャネル設定を行う工程のない場合、つまり各コマ画像を個別に表示して、撮影関連画像データの合成を指示する場合でも、画像中に撮影関連画像データが埋め込まれていることに操作者が気付かないときでも好適な対応が行えるメリットがある。
上記各実施の形態では、FPモードやFP無しモードの設定は、プリントチャンネルの設定によって行われるものとしたが、本発明では、これに限られず、個別に設定できる構成であってもよい。また、プリントチャンネルの設定ができない構成であり、各種設定事項の選択について全て操作部10を介して入力を要する設定であってもよい。なお、上記各実施の形態では、合成禁止指示を受け付けた場合に、設定変更情報としてフラグが立てられる構成であるが、これに限定されず、設定情報のFPモードの設定をFP無しモードの設定に変更する等の構成であってもよく、FPモードが設定された写真画像についてFPデータの画像が合成されることを禁止可能な構成であればよい。
また、上記各実施の形態では、DPOFやExifで作成された場合に付加されるFPデータを例として説明したが、本発明では、これに限定されず、写真画像に合成される撮影関連情報を示すデータであればよい。また、撮影関連情報は、撮影日時に限定されず、撮影場所等、写真画像についての説明的事項や記録的事項等であればよい。なお、上記各実施の形態ではデジタルプリンタを例にして説明したが、これに限定されるものではなく、パーソナルコンピュータ及びそれに接続されたカラープリンタ、例えば熱転写式カラープリンタ、インクジェット式カラープリンタ及びレーザ式カラープリンタなどであってもよい。