JP4069820B2 - 自動販売機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、貯蔵ゾーンと待機ゾーンとに区画された商品収容室を有する自動販売機において、缶飲料などの商品を加熱(ホット商品)または冷却(コールド商品)して販売する自動販売機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば缶飲料を加熱して販売する自動販売機においては、一般に商品を例えば52〜53℃の高温で商品収容室内に貯蔵しているが、長時間高温貯蔵すると中身飲料が変質する可能性がある。そこで、その対応策として、商品収容室を商品を常温で収容する貯蔵ゾーンと、商品をヒータにより適温に加熱して収容する販売待機ゾーンとに区画しておき、商品の販売状況に応じて貯蔵ゾーンから販売待機ゾーンに商品を送り出して加熱するようにして、加熱状態で貯蔵する商品の数をできるだけ抑えることが考えられている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−66415号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、やはり、商品によって売れる数が異なるため、販売待機ゾーンの商品収容数を変更したい場合がある。この場合、通常、販売待機ゾーンの満杯数に設定されているが、現在の満杯数より減らしたいときには、別途収容数を設定し、差分をテスト販売スイッチなどを利用して、手計算で1本ずつ払い出すようにしていたため、作業効率が悪く、簡単に作業できることが望まれている。
【0005】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、収容数を変更した際に、実際の収容数を簡単に補正することができる自動販売機の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、少なくとも、商品を常温で収容する貯蔵ゾーンと商品を加熱または冷却して収容する待機ゾーンとに区画された複数の商品収容室と、前記貯蔵ゾーン内の商品を前記待機ゾーンに移動させる商品移動機構と、販売指令に基づいて前記待機ゾーン内の商品を搬出する商品搬出機構と、前記待機ゾーンの商品収容数を設定する待機ゾーンの商品収容数設定手段と、該商品収容数設定手段により設定された商品収容数を記憶するとともに、現在の商品収容数も記憶手段と、を備えた自動販売機の制御装置において、前記待機ゾーンの収容数を変更できる設定手段と、該設定数が変更された際に現在の待機ゾーンの商品収容数との差を演算する演算手段と、待機ゾーンの商品収容数が変更された際に現在の待機ゾーンの商品収容数を補正するためのスイッチと、を備え、前記演算手段により、新たな設定数が現在の待機ゾーンの商品収容数より少ない場合で、かつ前記スイッチが操作された際に、待機ゾーンの商品収容数が新たな設定数となるように待機ゾーンから商品を払い出すことを特徴とする。
【0009】
さらに、前記スイッチは所定時間オンされることにより有効とすることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記スイッチは待機ゾーン満杯スイッチであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる実施の形態を図1ないし4を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
図4は、この発明の対象とする自動販売機を示す縦断面図である。図4において、自動販売機本体1内には、断熱壁により囲まれた前面(図4の左面)が開閉可能な商品収容庫2が構成され、この商品収容庫2内には、多数の円弧状のセグメント3により上下に蛇行する商品収容室4が前後4列(4コラム)形成されている。
【0013】
また、図示はしていないが、庫内は一般に断熱隔壁を介して左右に並ぶ複数の部屋に間仕切りされており、冷却専用室、冷却(コールド)/加熱(ホット)の商品室として使い分けるようになっている。各商品収容室4には、前面の商品投入口5から投入された円筒状の商品(缶飲料商品)6が、横倒し姿勢で積み重ねられて多数収容されている。
【0014】
ここで、各商品収容室4は、上部の貯蔵ゾーン7と下部の待機ゾーン8とに区画され、その間は回動自在に片持ち支持された断熱性のフラッパ9により仕切られている。待機ゾーン8の下端部には、公知の電磁ソレノイド式の商品搬出機構10が設置され、待機ゾーン8の一番下の商品6は、その下フラッパ10aにより落下しないように支えられている。また、貯蔵ゾーン7の下端部には、商品搬出機構10と同一構成の商品移動機構11が設置され、貯蔵ゾーン7の一番下の商品6は、その下フラッパ11aにより落下しないように支えられている。
【0015】
商品搬出機構10あるいは商品移動機構11は、図示しない電磁ソレノイドに通電されると、下フラッパ10aあるいは下フラッパ11aが後退して一番下の商品6を開放落下させ、図示しない上フラッパを突出して下から2番目の商品6を支える。その後、上記電磁ソレノイドの通電が絶たれると、図示しない復帰ばねの作用により、下フラッパ10aあるいは下フラッパ11aが再び突出するとともに、上記上フラッパが後退し、商品6の全体が下降して図示した販売待機状態に復帰する。
【0016】
待機ゾーン8の下方には、搬出された商品6を前方の商品取出口12に導くシュータ13が配置され、その内側にはヒータ14、冷却器15および庫内空気を待機ゾーン8に循環通風するファン16が配置されている。また、この下方には、図示しない凝縮ユニットが設置されている。
【0017】
循環する冷却/加熱空気の温度は、ファン16の前方(吸込側)に配置された庫内温度センサ17により検知される。一方、商品搬出機構10内には、待機ゾーン8内の一番下の商品温度を直接検知する商品温度センサ18が配置されている。
【0018】
また、商品搬出機構10および商品移動機構11内には、待機ゾーン8内および貯蔵ゾーン7内の商品6の有無を検知する待機ゾーン売切スイッチ19および貯蔵ゾーン売切スイッチ20がそれぞれ組み込まれ、各々のアクチュエータ19a,20aが商品6で押されるようになっている。
【0019】
自動販売機本体1の前面は外扉21で閉塞され、その下部には商品取出口12が設けられている。また、外扉21前面には、後述する図2に示すように、周知の商品選択スイッチ25、商品価格などをデジタル表示する表示器28やコイン投入口などが配設されているとともに、当該商品選択スイッチ25の近傍には、販売可能状態であることを表示する販売可ランプ26、商品売り切れ時に点灯する売切ランプ27が配設されている。
【0020】
このように構成された自動販売機において、ホット商品を販売する場合には、待機ゾーン8内の商品6は、ファン16によりヒータ14を通して循環される高温の空気により加熱され、適温で販売待機する。一方、コールド商品を販売する場合には、待機ゾーン8の商品6は、ファン16により冷却器15を通して循環される冷気により冷却され、適温で販売待機する。
【0021】
また、断熱性のフラッパ9で待機ゾーン8から仕切られた貯蔵ゾーン7では、商品6はほぼ常温で貯蔵され、待機ゾーン8の商品数が販売により減少すると、商品移動機構11により貯蔵ゾーン7内の商品6が待機ゾーン8に移される。これにより、冷却あるいは加熱状態に置かれる待機ゾーン8の商品数は、販売状況に応じて必要最小限に留められ、商品6の変質が抑えられる。
【0022】
図1は、自動販売機の制御装置を示すブロック図である。自動販売機全体を制御するCPU22の制御プログラムはROM23に格納され、制御データ、商品の収容数、残数、補給数などのデータはRAM24に記憶されている。
【0023】
CPU22には、図示しない入出力インターフェースを介して、上述した庫内温度センサ17、商品温度センサ18、待機ゾーン売切スイッチ19、貯蔵ゾーン売切スイッチ20、商品選択スイッチ25、販売可ランプ26、売切ランプ27、表示器28、制御データを設定入力あるいはデータ確認用のキーボード29、待機ゾーン満杯スイッチ30が接続されている。
【0024】
また、CPU22には、駆動回路31介して上述した商品搬出機構10、商品移動機構11、ヒータ14、冷却器15、ファン16が接続されている。
【0025】
次に、制御動作について図2のフローチャートに基づいて説明する。
【0026】
まず、現在、待機ゾーン8内には加熱されたホット商品が収容され、販売されているものとする。ここで、現在、待機ゾーン8における商品の満杯収容数は5本に設定されているものとし、かつ、待機ゾーン8には5本の商品が収容されているものとする(S21)。このときの商品6の種類としては、たとえば、コーヒー、お茶等である。
【0027】
次に、待機ゾーン8の満杯収容数が変更されたかを判断し(S22)、変更されたと判断すると(S22、Yes)、ステップS2に進み、新たな満杯収容数が設定され、この場合は例えば、3本と設定されたものとする(S23)。
【0028】
次に、待機ゾーン満杯スイッチ33がオンされたか否かを判断し(S24)、待機ゾーン満杯スイッチがオンされたと判断すると(S24、Yes)、待機ゾーン満杯スイッチが所定時間オン(例えば、2秒)されたか否かを判断し(S25)、所定時間オンされたと判断すると(S25、YES)、5本から3本に変更になることで、待機ゾーン8から何本搬出するかを演算して、この場合、待機ゾーン8から2本の商品を搬出して(S26)、処理を終了する。
【0029】
次に、図3のフローチャートを用いて、別の制御動作について説明する。
【0030】
まず、現在、待機ゾーン8内には加熱されたホット商品が収容され、販売されているものとする。ここで、現在、待機ゾーン8における商品の満杯収容数は3本に設定されているものとし、かつ、待機ゾーン8には3本の商品が収容されているものとする(S31)。このときの商品6の種類としては、たとえば、コーヒー、お茶等である。
【0031】
次に、待機ゾーン8の満杯収容数が変更されたかを判断し(S32)、変更されたと判断すると(S32、Yes)、ステップS2に進み、新たな満杯収容数が設定され、この場合は例えば、5本と設定されたものとする(S33)。
【0032】
次に、待機ゾーン満杯スイッチ33がオンされたか否かを判断し(S34)、待機ゾーン満杯スイッチ33がオンされたと判断すると(S34、Yes)、待機ゾーン満杯スイッチ33が所定時間オン(例えば、2秒)されたか否かを判断し、(S35)、所定時間オンされたと判断すると(S35、Yes)、3本から5本に変更になることで、貯蔵ゾーン7から待機ゾーン8から何本搬出するかを演算して、この場合、貯蔵ゾーン7から待機ゾーン8から2本の商品を移動して(S36)、処理を終了する。
【0033】
なお、通常時には、待機ゾーン8から販売から行なわれると、貯蔵ゾーン7から1本の商品が補充されるものであり、この図4のフローチャートによる制御動作の場合、販売とは関係なく、貯蔵ゾーン7から販売ゾーン8に商品が2本補充されるため、販売数管理のためには貯蔵ゾーン7に2本しておく必要がある。
【0034】
また、待機ゾーン8に、満杯収容数を検知するための満杯検知スイッチを設け、この検知スイッチを基準に収容数を設定してもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、少なくとも、商品を常温で収容する貯蔵ゾーンと商品を加熱または冷却して収容する待機ゾーンとに区画された複数の商品収容室と、前記貯蔵ゾーン内の商品を前記待機ゾーンに移動させる商品移動機構と、販売指令に基づいて前記待機ゾーン内の商品を搬出する商品搬出機構と、前記待機ゾーンの商品収容数を設定する待機ゾーンの商品収容数設定手段と、該商品収容数設定手段により設定された商品収容数を記憶するとともに、現在の商品収容数も記憶手段と、を備えた自動販売機の制御装置において、前記待機ゾーンの収容数を変更できる設定手段と、該設定数が変更された際に現在の待機ゾーンの商品収容数との差を演算する演算手段と、待機ゾーンの商品収容数が変更された際に現在の待機ゾーンの商品収容数を補正するためのスイッチと、を備え、前記演算手段により、新たな設定数が現在の待機ゾーンの商品収容数と差がある場合で、かつ前記スイッチが操作された際に、新たな設定数となるように待機ゾーン商品を制御し、具体的には、前記演算手段により、新たな設定数が現在の待機ゾーンの商品収容数より少ない場合で、かつ前記スイッチが操作された際に、待機ゾーンの商品収容数が新たな設定数となるように待機ゾーンから商品を払い出すことにより、待機ゾーンの商品収容数を設定数に簡単な操作のみで合わせることができ、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動販売機の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に係る自動販売機の制御動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に係る自動販売機の別の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の対象とする自動販売機の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
4 商品収容室
6 商品
7 貯蔵ゾーン
8 待機ゾーン
10 商品搬出機構
11 商品移動機構
30 待機ゾーン満杯スイッチ

Claims (3)

  1. 少なくとも、商品を常温で収容する貯蔵ゾーンと商品を加熱または冷却して収容する待機ゾーンとに区画された複数の商品収容室と、前記貯蔵ゾーン内の商品を前記待機ゾーンに移動させる商品移動機構と、販売指令に基づいて前記待機ゾーン内の商品を搬出する商品搬出機構と、前記待機ゾーンの商品収容数を設定する待機ゾーンの商品収容数設定手段と、該商品収容数設定手段により設定された商品収容数を記憶するとともに、現在の商品収容数も記憶する記憶手段と、を備えた自動販売機の制御装置において、
    前記待機ゾーンの収容数を変更できる設定手段と、該収容数が変更された際に現在の待機ゾーンの商品収容数との差を演算する演算手段と、待機ゾーンの商品収容数が変更された際に現在の待機ゾーンの商品収容数を補正するためのスイッチと、を備え、前記演算手段により、新たな設定数が現在の待機ゾーンの商品収容数より少ない場合で、かつ前記スイッチが操作された際に、待機ゾーンの商品収容数が新たな設定数となるように待機ゾーンから商品を払い出すことを特徴とする自動販売機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動販売機の制御装置において、前記スイッチは所定時間オンされることにより有効とすることを特徴とする自動販売機の制御装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の自動販売機の制御装置において、前記スイッチは待機ゾーン満杯スイッチであることを特徴とする自動販売機の制御装置。
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