JP4069815B2 - 精米装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン操作によって精米処理と研米処理とが可能な研米機能付き自動精米装置に関し、特に、簡易な構成により、精米処理と研米処理とを連続して迅速に処理しつつ、過大な昇温による品質低下を抑えることができる研米機能付き自動精米装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に記載された精米装置は、玄米の精米処理のみならず、その精米処理後の白米に付着している糠を取り除くために、白米をさらに低圧の精白圧により精米機内を循環させて研米処理するように構成している。この精米装置は2つに仕切ったタンクを備え、その一方側に投入された玄米を精米処理して他方側に受け、次に、精米条件を変えて研米処理しつつ元の側のタンクに受け、循環させることにより所定の研磨状態まで研米処理することができる。
【0003】
【特許文献1】
特公平8−24851号公報
【特許文献2】
特公昭54−28341号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように2つに仕切ったタンクの一方に原料玄米を供給し一度の精米処理後の白米は一旦他方のタンクに受けられるものであるから、原料玄米を多量に連続して供給すると、当該他方のタンクの収容量を超えてしまい、かといって上記一方のタンクに戻しては、原料玄米と一度精白処理した白米とが混在して後の研米処理を精度良く実施できないものとなる。
【0005】
本発明の目的は、簡易な構成により、精米処理と研米処理とを連続して迅速に処理しつつ、過剰の玄米供給を制限して機内残米の停滞などのトラブルを未然に防止しすることができる精米装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、原料穀粒を精白処理する精米機を備え、この精米機出口から取出される精白米を機外排出側とチャージタンク側貯留とに切り換える手段を備え、該チャージタンクの精白米を上記精米機に戻して研米する精米装置において、上記チャージタンクの収容量から換算される精白米量を超えて精米機に供給される原料穀粒の当該供給を制限する手段を構成したことを特徴とする精米装置の構成とする。
【0007】
これによって、原料穀粒は先ず精米機に供給されると精白処理され、精白米は一旦はチャージタンクに貯留される。原料穀粒の所定量、即ちチャージタンク容量から換算される量の原料穀粒が精白処理されると、原料穀粒の供給が制限される。ついでチャージタンクに貯留されている精白米は再び精米機に戻されて研米処理される。
【0008】
請求項2に係る発明は、上記構成において、投入ホッパにロータリバルブ、供給螺旋等の穀粒繰出手段を構成し、この穀粒繰出手段を停止制御することによって原料穀粒の供給を制限する手段とし、原料穀粒の精米機への供給量は、投入される貨幣金額によって予め設定した穀粒繰出手段の運転時間とする。従って、穀粒繰出手段の運転時間の経過によって原料穀粒の供給を制限することができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、投入ホッパにロータリバルブ、供給螺旋等の穀粒繰出手段を構成し、この穀粒繰出手段を停止制御することによって原料穀粒の供給を制限する手段とし、原料穀粒の精米機への供給量は、投入される貨幣金額によって予め設定した穀粒繰出手段の運転時間とすると共に、研米スイッチ操作によって運転時間の開始出力となす。従って、研米スイッチ操作が開始出力となって所定の運転時間が経過すると原料穀粒の供給を制限することができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、投入される貨幣金額から精白及び研米処理のために消費した金額を差し引いた残金を返却する返却手段を設けた。従って、過剰分の金額が返却されて次回の運転を改めて開始させる。
請求項5に記載の発明は、投入される貨幣金額から精白及び研米処理のために消費した金額を差し引いた残金の範囲で次回の精米処理及び研米処理を行わせるよう構成した。従って、研米スイッチ操作によってそのまま次の原料穀粒の処理を行うことができる。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、原料穀粒の所定量、即ちチャージタンク容量から換算される量の原料穀粒が精白処理されると、原料穀粒の供給が制限されるものとなって、チャージタンクへの供給が過剰となることがない。また、所定精白処理毎に研米行程に移行することができるから、早期に研米処理状況を把握できるし、チャージタンク内での長期滞留を防止して精白米の変質を防止する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、穀粒繰出手段の運転時間の経過によって原料穀粒の供給を制限することができるため、残量は投入ホッパの貯留状況をもって把握でき継続運転の要否を容易に確認できる。
請求項3に記載の発明は、研米スイッチ操作が開始出力となって所定の運転時間が経過すると原料穀粒の供給を制限することができるため、コイン投入してしばらく置いて研米スイッチ34操作する場合にも精度よく停止制御を行える。
【0013】
請求項4に記載の発明は、制限手段による供給停止に伴って過剰分の金額が返却されるから、継続運転の必要のときには改めての運転開始を直ちに行うことができる。
請求項5に記載の発明は、投入される貨幣金額から精白及び研米処理のために消費した金額を差し引いた残金の範囲で次回の精米処理及び研米処理を行わせるから、研米スイッチ操作によってそのまま次の原料穀粒の処理を継続して行うものであり、改めての貨幣投入を行わずともよく開始操作が簡単である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づき説明する。
図1および図2において、自動精米装置は、建屋内を操作室1と機械室2側とが仕切壁3にて仕切られ、機械室2側には、投入ホッパ4、石抜用昇降機5、石抜機6、異物除去装置7、精米用昇降機8、精米タンク9、精米機10、白米タンク11がこの順に接続して配置されている。なお操作室1側にはこの側から操作可能に操作盤31を設けている。
【0015】
上記投入ホッパ4の下部には穀粒繰出手段としてのロータリバルブ12を設け、投入ホッパ4の原料玄米を繰出す構成としている。該ロータリバルブ12の繰出し側を石抜用昇降機5のホッパ部に連通し、この石抜用昇降機5の排出口を投入した原料玄米中に含まれる石等の比較的比重の大きい異物を選別除去する石抜機6の投入口にのぞませている。
【0016】
前記異物除去装置7は篩網を張設してなり適宜に傾斜させた選別枠を揺動させながら投入した穀粒中に含まれる藁屑等を選別分離して傾斜下位側から各別に取出すもので、上記石抜機6の排出口を該異物除去装置の投入口側に、異物除去装置7の排出口を精米用昇降機8のホッパ部に夫々のぞませる。また精米用昇降機8の排出口は精米タンク9に連通させ、精米タンク9の玄米等の穀粒は下方の精米機10へ供給しうる構成である。
【0017】
精米機10は、従来公知の構成で、送穀螺旋と精白ロールとを一体化して精白筒内にて回転させることにより順次供給される玄米等の表層の糠を剥離除去する構成である。精米機10の出口部には圧迫板13を設けて精白圧力を加減調整できるよう構成し精白白度を数段に変更設定できる構成である。
【0018】
精米機10の排出口には、該排出口から排出された精白米を白米タンク11に排出案内する案内シュート15を設ける。この案内シュート15は前記白米タンク11に連通している。この案内シュート15の途中底部に開閉弁16を備え、該開閉弁16は白米の流下方向に直交する支軸16a回りで起伏自在に構成され、支軸16a周りに起立させると流下する白米を堰き止めて底部開口16bから排出される構成としている。この底部開口16bには、循環案内シュート17をのぞませ、該シュート17の下端側はチャージタンク18にのぞませる。
【0019】
即ち、循環案内シュート17は断面角筒状に構成され、上記案内シュート15の開口16b部下面に装着される。一方上記チャージタンク18の上面には一部膨出状に形成した蓋部材19を備え、循環案内シュート17の下端側はこの蓋部材19の膨出部に接続している。蓋部材19には膨出部頂面及び非膨出部頂面に夫々通気孔20,21を形成し、チャージタンク18の一側壁の開口に連通する吸引ファン22の作用によって通気孔21からタンク18内に外気を流通させると共に、循環案内シュート17の下部側に備える通気網23からシュート17内に進入して上記通気孔の一方側20から外部に抜ける構成としている。このように構成することによって、チャージタンク18内の白米、及び循環案内シュート17内の白米に冷却作用を付与する構成である。18aはタンクの開口に張設する通気性網体である。
【0020】
上記チャージタンク18は、前後左右4側面のうち、一側面が略垂直状で他は下窄まり状に形成されている。このチャージタンク18の下部には前記投入ホッパ4のロータリバルブ12と同形態のロータリバルブ25を配設している。26は該ロータリバルブ20を回転連動するバルブモータである。
【0021】
上記チャージタンク18及びロータリバルブ25・バルブモータ26との一体物は、前記精米用昇降機8の下部側において、該昇降機8の下部プーリ軸27の軸支用メタル28の存在側側壁に対してコ字型連結金具29を介して着脱自在に装着されると共に、該昇降機8下部側及び連結金具29に開口を備えて精米昇降機8からの戻しシュート30を設けている。もって、バルブモータ26の繰出回転に伴ないチャージタンク18内の白米を精米用昇降機8に還元する構成である。このような構成によって、一旦精米機10を通過して白米状態とされた精白米はチャージタンク18にて一荷口分の第1回目の精白処理が完了するまで待機し、このチャージタンク18から再度精米用昇降機8に戻して循環させると、精米機10にて白米表層に付着した糠類を分離除去する構成である。なお、上記のように、チャージタンク18内の精白米や該チャージタンク18に供給すべく設ける循環案内シュート17部において冷却風を付与するため、研米処理設定された精米機10における研米処理に際しては、チャージタンク18から冷却済みの白米を受けることにより、過大な昇温を招くことなく研米処理することができる。したがって、上記研米機能付き自動精米装置は、精米処理から研米処理までを連続的に迅速処理しつつ、過大な昇温による品質低下を抑えることができる
前記操作室1内において、仕切り壁3には操作盤31を設けている。この操作盤31の盤面には、図8に示すように、コイン投入口32、紙幣挿入口33、「研米コース」選択用の研米スイッチ34、研米処理を行なわない「精米コース」選択時の白度選択スイッチ35,36及び37(上白、標準、8ぶ、の3段階としているが、任意に設定してもよい)、等を配設している。そしてこの操作盤31の内部には各部駆動モータの駆動出力を制御するマイクロコンピュータを備えている。
【0022】
図9に示すように、マイクロコンピュータの制御部38にはコインセンサ39、紙幣検出手段40、白度選択スイッチ35〜37からの白度選択情報、研米スイッチ34の選択情報等が入力される。一方、投入ホッパ4のロータリバルブ12駆動モータ41への制御信号、石抜用・精米用昇降機各駆動モータ42,43への制御信号、石抜機駆動モータ44、精米機駆動モータ45、異物除去装置駆動モータ47、及びチャージタンク用ロータリバルブ25駆動モータ26の穀粒搬送系及び穀粒処理用モータの制御信号のほか、開閉弁16用モータ16cなどの制御モータ駆動出力の制御信号がある。49は負荷電流表示メータである。
【0023】
次に、図10に基づいて投入ホッパ4から精米機10への原料玄米の投入制限の構成について説明する。
前記チャージタンク18の容量Vcは既知であり、原料玄米の繰出し量Vgによって精白された精白米を受けて該タンク18が満了となるものとする。またこの繰出し量Vgはロータリバルブ12の運転時間Tに見合うものとし、便宜上、投入コイン1個当たりのロータリバルブ12の繰出し時間tを1単位とし、T=3t、即ち3単価分の繰出し量が略Vgとなり、チャージタンク18を満了Vcとするよう設定する。研米処理は、原料玄米が一旦精白処理された後、再度精米機10に戻して精白処理することによって表層の糠類を除去しようとするものであるから、原料玄米が多量で順次精白処理するとチャージタンク18があふれたり、原料玄米と精白米とを同時に精米用昇降機8に供給すると混在によって所期の表面仕上げを行なえない。このため、以下の構成によってチャージタンク18満了あるいは略満了の状態になると投入ホッパ4のロータリバルブ12の駆動を制限して機内への原料玄米の供給を行なわせないように構成する。具体的には、研米スイッチ34操作にて研米コースが選択された場合には、精米処理工程が前記3単価に達するか否かを判定し、この3単価の繰出しを行なったものと判断されると、投入ホッパ4のロータリバルブ12に停止信号が出力され、投入コインと消費コインとが算出されて残金を返却口から返却し、コイン投入負荷の旨図外液晶表示部にメッセージ表記し、または投入不可の旨音声表示する。
【0024】
図10のフローチャート図において、「初期精米循環」は、精米機10に供給された初期少量の玄米は未精白部を含む関係で一旦圧迫板13を開き、開閉弁16を起立させてチャージタンク18を経て再度精米機10に戻すことによって上記未精白米を無くし得る作業行程を指す。また、「石抜残米処理」は、精米処理を終え研米処理行程に移行する際、石抜機6を運転継続して盤面に残る粒をチャージタンク18あるいは精米用昇降機8に接続する接続手段によって精米機10に供給する行程で、未処理残米を少なくし得るものとするための行程を指す。更に「初期研米循環」の行程は上記「初期精米循環」と同じ趣旨の行程で未研米処理を少なくしようとする。
【0025】
上例の作用について説明する。
投入ホッパ4に原料玄米を投入し、研米スイッチ34を押し操作すると、ロータリバルブ12の駆動モータ41、石抜機6や精米機10等各部が回転駆動する。なおこのとき精米機10の圧迫板13は上白設定状態に自動的にセットされる。
【0026】
原料玄米は投入ホッパ4からロータリバルブ12の回転に伴って石抜用昇降機5に至り、石抜機6にて石等の異物は傾斜網面の上位に移動し下方に流下する玄米と選別分離され、玄米は異物除去装置7に供給されて粗目面で藁屑類が捕捉されて分離され、最終玄米は精米用昇降機8に供給されて揚上され精米機10の玄米タンクに至る。
【0027】
玄米タンクの玄米は順次精米機10本体内に供給され、上白に設定され圧迫板13の抵抗作用によって精白処理される。後続する玄米の量が増加すると圧迫板13を開いて案内シュート15部に至る。精白開始時は未精白状態のまま排出される。この案内シュート15の開閉弁16は起立姿勢でしばらくの未精白米を循環案内シュート17からチャージタンク18に至り、更に駆動状態にあるロータリバルブ25を経て精米用昇降機8に戻され新たな玄米と共に精米機10に供給される(初期精米循環)。
【0028】
所定時間の初期精米循環処理が経過すると、ロータリバルブ25は停止する。精米機10による精白処理は継続し、精白米はチャージタンク18に貯留堆積される(精米処理)。ここでコイン投入枚数が3枚未満であると、精白処理量は3単価分の繰出し量未満であるから、この投入コイン枚数に見合う運転時間Tが経過するまで精白処理が行われ、精白処理され精白米は全部チャージタンク18内に貯留される。
【0029】
また、投入ホッパ4への投入量も多く投入コインが4枚以上で処理量が4単価以上の場合には、原料玄米投入制限処理がなされる。即ち3単価分に相当する原料玄米の処理が継続して行われるが、その時点でロータリバルブ12を停止する。また投入コイン数から消費コイン数(当該例では3枚)を差し引いた残金が返却口から返却される。さらにコイン投入不可の旨がメッセージ表示される。
【0030】
精米機10からの精白米は、循環案内シュート17を経てチャージタンク18に至るが、このチャージタンク18に貯留された精白米及び循環案内シュート17の途中の精白米は吸引ファン22の作用によって外気通風され冷却される。
チャージタンク18内に貯留された精白米は、投入ホッパ4側のロータリバルブ12が停止出力された後、所定時間経過するとチャージタンク18側のロータリバルブ12が起動し精米用昇降機8に供給される。玄米タンクから精米機10に再度供給され、研米作用を受ける。圧迫板13は上記の上白位置のままで待機し内部に供給される精白米の表層に付着し又は残る糠類を分離除去する。
【0031】
研米初期の精白米は未研米分があり、前記の精米初期循環行程と同じく、研米初期循環行程をおき、初期の未研米分はチャージタンク18に収容して待機させる。この研米初期循環行程を所定時間行うときは開閉弁16が起立姿勢で処理米を循環案内シュート17側に排出している。
【0032】
上記の研米初期循環行程を経過すると、精米機13排出側の案内シュート15は、開閉弁16が起立状態から倒伏の開口を閉じる状態に切り換えられて、研米処理された精白米は白米タンク11側に取り出されるものである。終了間際には先のチャージタンク18に未研米状態で貯留させた初期研米を再び精白米と共に精米機10に戻し、最終的に完全研米状態とさせるものである。
【0033】
このように3単価分の研米処理が終了すると、投入ホッパ4に残る原料玄米の処理を上記と同様の処理をもって行う。
なお、上記の研米スイッチ34による研米コース選択において、初回の精米処理や循環による研米処理の場合、圧迫板13は上白位置で処理を行う構成としているが、これらは任意に変更設定してもよい。また、白度センサ50a,50bを循環案内シュート17又はチャージタンク18の循環経路に設け、徐々に圧迫板13の圧力を上昇して白度が所定レベル以上にあるか否かを判定しながら所定の圧迫板13圧力を設定する構成としてもよい。このように循環経路を構成して白度をチェックしながら圧迫板13の圧力設定を調整できる手段に構成すると、常時適正な圧力設定で研米処理することができる。
【0034】
上記のように原料玄米を精白処理から研米処理する研米スイッチ34を操作すると、精白処理行程中には、照光スイッチ形態とされた研米スイッチ34が点滅表示する構成としている。即ち、利用者には精白処理中であることを知らせることができる。なお、研米行程中は継続して照光状態とする。また、上記のほか、精米行程中は消灯し研米処理中は点滅又は継続照光する形態でもよい。なお、精米行程中であることを知らせる効果としては、処理終了までに研米処理時間以上を要することを知らせることができる。このほか音声装置によって精白処理乃至研米処理のいずれであるかを知らせることができるし、行程表示機能を持たせランプ点灯によって現在の状態を知らせることができる。
【0035】
研米処理が不要で、精白処理のみを行うときは、研米スイッチ34操作を行わず、白度選択スイッチ35〜37のいずれか好みの白度のものを操作する。
尚上記の例では原料玄米について説明したが、籾の場合についても同様である。
【0036】
図11は、前記の原料玄米の投入制限処理において、改良を加えたものである。即ち、ロータリバルブ12にその回転の有無を検出できる手段を設け、ロータリバルブ12の運転時間をもって所定積算時間に達するとロータリバルブ12をオフする構成である。このように構成すると、投入コイン枚数で判断する構成に比較して現実にロータリバルブ12の回転する時間を判定の基準とすることができるから、例えば、コイン投入してしばらく置いて研米スイッチ34操作する場合に都合がよい。
【0037】
図12は、更に改良を加えたもので、所定コインの消費あるいは運転時間の経過後、ロータリバルブ12は停止するが、図12の場合には、コインの返却は行なわず、所定の研米処理が終了すると、投入ホッパ4に堆積状態で待機する原料玄米は、所定量の精米・研米処理が終了すると、続いてロータリバルブ12が再回転して精米・研米を行なうものである。この場合には「しばらくおまちください」などの音声等のメッセージを発するものとしている。初回の精米・研米処理中にメッセージを発する都合上、音声によるとかき消される恐れがあるので、音声・液晶等表示の両者で行なうとよい。
【0038】
図13のうち(a)は、利用者を識別する識別手段を構成し、当該識別によって例えば精米機運転料金を変更設定するなどの差別化を行わせようとする。操作盤にテンキー55を追加して配設し、該テンキー55によって顧客識別番号を入力することによって特定顧客であることを認識し、制御部56はコインメック57からのコイン検出情報と相俟って、特定運転の適否判断と共に、精米機運転情報を出力する。即ち、米販売オーナ自身が精米運転するときは、各別に料金不要で運転させることができたり、特定顧客の場合には割引料金で精米機運転を行わせることができるように、例えば、顧客識別番号「0000」の場合は、コインメック57からのコイン投入枚数が「0」であっても精米機各部(ここで精米機とは上記の一連の石抜き機、昇降機、精米機…を指すものとする)に駆動信号を出力できる構成とし、顧客識別番号「***1」のように1桁部に「1」を付した識別番号においては、通常のコイン枚数nで所定時間tの運転をコイン枚数Nで運転する。ここで例えばN=n−1とする。
【0039】
なお、図13において、その他の入力とは、上記テンキー55操作のない場合であり、上例ではコイン枚数nで通常の運転を行う構成を示している。
図13(b)は、図13(a)におけるテンキー55入力に代えて、カード入力方式によるもので、カードリーダ58には顧客専用のカード59を挿入すると、コイン投入前に顧客情報を認識して前記のように異なる料金体系で精米機運転出力を行うことができる。
【0040】
上記のように、操作盤にテンキー55などの顧客情報入力手段を設け、コイン投入前に顧客情報を認識する制御部を構成し、予め記憶された顧客情報と照合して該当の顧客に対する料金体系(無料あるいは割引料金)で精米機に運転出力する構成とすることより、オーナ自身等の無料の連続運転や、得意客への料金サービスに配慮した料金体系で無人精米機提供サービスを行わせることができる。
【0041】
図13(c)は、上記図13(a)及び図13(b)と同様に特定顧客に対する料金サービスの一形態を示すものであるが、上例と異なる点は、精米機運転には必要コインを投入し利用運転後に所定の運転経過の出力記録と引き換えに現金乃至等価物に変換する構成である。たとえば顧客情報をテンキー、カードリーダ等から入力し、コイン投入する。精米機はコインメックからのコイン枚数に応じて標準の時間運転出力がなされる。作業終了すると、上記顧客情報の入力に応じて予め記憶した割引料金を参照して出力記録としてのカードや領収帳票を出力する。顧客は当該カードや領収帳票をもってオーナから所定割引料金に換金するものとなる。ここで、上記出力記録を換金する構成に代替して、制御部に返金手段を接続し釣銭として返金する形態でもよい。
【0042】
このように、精米機運転は通常のコイン枚数に応じた運転によって出力し、運転終了後に顧客識別手段からの識別情報によって顧客情報と照合して割引料金を記録出力するものであるから、精米機運転制御に関するコイン投入条件を変更する必要がなく、顧客識別情報と料金体系を頻繁に変更設定しても精米機運転制御に関する制御形態の変更を要しない。
【0043】
また、出力記録を換金する構成に代替して、制御部に返金手段を接続し釣銭として返金する形態の場合は、利用者の側に換金の必要がなく便利である。
図14,15は建屋の外装を示すもので、機械室2の開閉ドア60上部の壁部構成について、室内側面部61と室外側面部62とを適宜間隔(約50mm)をおいて設け、このうち室内側面部61は逆L形に成形してなり壁面61aから上部枠部61bに至る形状であり、室外側面部62は壁面62aから斜行62bして下位のU型補強枠部62cにつながる形状を呈する。上記の上部枠部61bと壁面62aとの間は外気導入口63になし、壁面61a下縁とU型補強枠部62cとの間は外気供給口64に形成される。このように構成すると、壁面61aと壁面62aとを上下に長く形成されるので(約300mm)、外気を導入しながらも鳥類の侵入を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 建屋全体平面図である。
【図2】 機械室内部の側面図である。
【図3】 機械室内部の一部断面した正面図である。
【図4】 精米機排出部の側断面図である。
【図5】 チャージタンクの分解斜視図である。
【図6】 チャージタンクの装着構造を示す斜視図である。
【図7】 チャージタンクの装着構造を示す側面図である。
【図8】 操作盤一例を示す正面図である。
【図9】 制御ブロック図である。
【図10】 フローチャートである。
【図11】 フローチャートである。
【図12】 フローチャートである。
【図13】 (a)(b)(c)フローチャートである。
【図14】 建屋側面図である。
【図15】 図14のA−A断面図である。
【符号の説明】
4…投入ホッパ、8…精米用昇降機、9…精米タンク、10…精米機、11…白米タンク、12…ロータリバルブ、13…圧迫板、15…案内シュート、16…開閉弁、17…循環案内シュート、18…チャージタンク、25…ロータリバルブ、32…コイン投入口、33…紙幣挿入口、34…研米スイッチ

Claims (5)

  1. 原料穀粒を精白処理する精米機を備え、この精米機出口から取出される精白米を機外排出側とチャージタンク側貯留とに切り換える手段を備え、該チャージタンクの精白米を上記精米機に戻して研米する精米装置において、上記チャージタンクの収容量から換算される精白米量を超えて精米機に供給される原料穀粒の当該供給を制限する手段を構成したことを特徴とする精米装置。
  2. 投入ホッパにロータリバルブ、供給螺旋等の穀粒繰出手段を構成し、この穀粒繰出手段を停止制御することによって原料穀粒の供給を制限する手段とし、原料穀粒の精米機への供給量は、投入される貨幣金額によって予め設定した穀粒繰出手段の運転時間とする請求項1に記載の精米装置。
  3. 投入ホッパにロータリバルブ、供給螺旋等の穀粒繰出手段を構成し、この穀粒繰出手段を停止制御することによって原料穀粒の供給を制限する手段とし、原料穀粒の精米機への供給量は、投入される貨幣金額によって予め設定した穀粒繰出手段の運転時間とすると共に、研米スイッチ操作によって運転時間の開始出力となす請求項2に記載の精米装置。
  4. 投入される貨幣金額から精白及び研米処理のために消費した金額を差し引いた残金を返却する返却手段を設けた請求項2又は請求項3に記載の精米装置。
  5. 投入される貨幣金額から精白及び研米処理のために消費した金額を差し引いた残金の範囲で次回の精米処理及び研米処理を行わせるよう構成した請求項2又は請求項3に記載の精米装置。
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