JP4069166B2 - 塗装ステンレス鋼板およびそれを用いた積層パネルならびに積層パネルの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ステンレスの意匠性を損なわず、食品関連設備、医療関連設備等で行われる消毒、殺菌、清掃等に対して優れた耐性を示すとともに、パネル等の製造時における不良率を低減することができる塗装ステンレス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
HACCP(食品衛生管理手法)対応の設備等では、設備内外の環境を維持し食品の安全を確保する為に、熱湯消毒、蒸気殺菌、次亜塩素酸ソーダなどの塩素系消毒液による消毒、紫外線殺菌等が用いられている。そのような設備で使用されるパネルや扉類には、従来、SUS304を素地のまま使用したり、ソリッド系の塗膜で被覆された素材が用いられている。しかしながら、そのような材料は、上記のような衛生確保のための処理の全てに対して耐性があるとは言えなかった。
【0003】
また、上記のようなパネルや扉類は、例えば断熱性のあるウレタン樹脂、ハニカムコア、発泡プラスチック等の心材の一方の面(裏面)にカラー鋼板を積層し、他方の面(表面)にSUS304等の塗装ステンレス鋼板を積層して製造される。この場合、断熱材と塗装ステンレス鋼板とを接着する際に加える熱や、塗装ステンレス鋼板およびカラー鋼板で形成した枠材の内部に発泡ウレタンを充填する際の発熱により塗装ステンレス鋼板が大きく変形し、塗装ステンレス鋼板にソリや皺などが発生して不良率が高くなるという問題が多発していた。また、心材の両面にSUS304の塗装ステンレス鋼板を用いてもソリや皺の問題は解決されず、しかも製造コストがかなり増加してしまう。そして、そのような問題は、食品加工工程等での熱湯消毒及び蒸気消毒によっても同様に多発していた。
【0004】
さらに、発泡ウレタンの充填後に冷却されると、発泡ウレタンと塗装ステンレス鋼板との間で残留した空気が縮小し、塗装ステンレス鋼板が内側へ引き込まれてボイドが生じるという問題もあった。そのようなボイドは、塗装ステンレス鋼板が鏡面のような光沢を持っているため照明の当たり具合によって極めて目立ち、ステンレス鋼板の意匠性が損なわれるという問題がある。なお、ボイドを目立たなくするためにステンレス鋼板の光沢を下げることも試みられたが、その場合には、ステンレス鋼板の表面に指紋や油汚れが付き易く、しかも、付着した指紋等を拭い取るのが困難であるという新たな問題が発生していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ステンレス鋼の意匠性の一つである清潔感を維持し、消毒および殺菌法処理に対する耐性を有するとともに、パネル等の製造時における不良率を低減することができるパネル及び扉用表面素材を供するには、以下の条件が必要となる。
1)母材の耐食性がSUS304と同等かそれ以上であること。
2)パネル製造工程において、カラー鋼板等の鋼板類とステンレス鋼板との間にウレタン樹脂、ハニカムコア、あるいは発泡プラスチック等の心材を配置して積層する際に、ウレタン樹脂等の充填や接着材による接合を行う場合に加える加熱、あるいは熱湯消毒及び蒸気消毒による加熱により、パネルが変形したり、ソリ、皺等が発生することがないように、表面鋼板の熱膨張率がカラー鋼板等と同程度であること。
3)熱湯消毒及び蒸気消毒の際の熱膨張でパネルや扉の変形や剥離等が生じないように、母材の熱膨張が小さいこと。
4)ウレタン充填後にステンレス鋼板にボイドが生じても目立ち難いこと。
5)指紋や油汚れ、染み等が付かないよう表面処理が施されていること。
6)表面処理層に傷が付き難いこと。
7)表面処理層は、紫外線や次亜塩素酸水溶液や種々の薬品への耐性が高いこと。
8)表面処理層が透明または半透明であること。
9)塗装された状態で成形性に優れていること。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の塗装ステンレス鋼板は、フェライト系ステンレス鋼板の表面に、透明または半透明のフッ素樹脂塗膜を1コート1ベイクで被覆した塗装ステンレス鋼板において、上記フッ素樹脂塗膜は、バインダーとして熱硬化性アクリル樹脂/ポリフッ化ビニリデン樹脂を重量比で20:80〜50:50含有し、このバインダー中に、平均粒径が1〜40μmのポリ四フッ化エチレン粉末を上記塗膜全体に対して1〜10重量%と、平均粒径が10〜40μmのテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体粉末を上記塗膜全体に対して1〜10重量%含有し、また、上記塗膜全体に対して、平均粒径が0.1〜10μmのシリカ粉末を0.1〜5重量%と、平均粒径が0.1〜10μmの銀ゼオライトで構成される無機系抗菌剤を0.2〜10重量%含有し、さらに、上記フェライト系ステンレス鋼板は、下記式で表される孔食指数Tが16〜40であり、かつ、炭素含有量が0.03重量%以下であり、上記塗膜の厚さが10〜30μmであることを特徴としている。
T=Cr+3.3Mo
(ただし、Cr,Moは、当該元素の重量百分率を示す。)
【0007】
上記構成の塗装ステンレス鋼板にあっては、母材がフェライト系ステンレス鋼であるために熱膨張係数が小さい。したがって、パネル製造工程において、カラー鋼板等の鋼板類とフェライト系ステンレス鋼板との間にウレタン樹脂、ハニカムコア、あるいは発泡プラスチック等の心材を配置して積層する際に、ウレタン樹脂等の充填や接着材による接合を行う場合に加える加熱、あるいは熱湯消毒及び蒸気消毒による加熱により、パネルが変形したり、ソリ、皺が発生するのが抑制される。
【0008】
また、フッ素樹脂塗膜のバインダーとして熱硬化性アクリル樹脂/ポリフッ化ビニリデン樹脂を重量比で20:80〜50:50含有しているから硬度が高いために傷付き難く、しかも紫外線や消毒液である次亜塩素酸水溶液に対する耐性を高めることができる。ただし、熱硬化性アクリル樹脂/ポリフッ化ビニリデン樹脂が重量比で20/80より小さいと、塗膜密着性が低下し、50/50より大きくなると、ポリ四フッ化エチレン粉末を塗膜中に均一に分散させることが困難になる。なお、熱硬化性アクリル樹脂/ポリフッ化ビニリデン樹脂は共重合体であることが望ましい。また、ポリフッ化ビニリデン樹脂には、ポリ2フッ化ビニリデン樹脂、ポリ3フッ化ビニリデン樹脂などが挙げられる。
【0009】
また、本発明では、平均粒径が1〜40μmのポリ四フッ化エチレン粉末を塗膜全体に対して1〜10重量%含有しているから、塗膜の摩擦係数が小さく、したがって、成形性に優れるとともに汚れや染み等が付き難い。ただし、ポリ四フッ化エチレン粉末の粒径が1μmより小さいと、そのような効果は得られない。一方、平均粒径が40μmより大きくなると、粉末が塗膜表面より突出して表面粗度が大きくなるため、表面外観が低下する。また、この粉末の含有量が1重量%より少ないと、摩擦係数低減上の効果が得られず、10重量%より多いと塗膜密着性が低下する。
【0010】
さらに、本発明では、バインダー中に、平均粒径が10〜40μmのテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体粉末を1〜10重量%含有しているから、塗膜の硬度をさらに高めることができ、傷に対する耐性を向上させることができる。ただし、この粉末の粒径が10μmより小さいと、硬度向上の効果が得られない。一方、平均粒径が40μmより大きくなると、粉末が塗膜表面より突出して表面粗度が大きくなるため、表面外観が低下する。また、この粉末の含有量が1重量%より少ないと、傷に対する耐性を向上させる効果が得られず、10重量%より多いと塗膜密着性が低下する。なお、本発明では、ステンレスの意匠性(清潔感)を発揮するために、塗膜には顔料を添加せずに透明または半透明とするのが好ましいが、顔料等を加えてカラーステンレス鋼板としても良い。
【0011】
また、特に食品関連設備用・医療関連設備用に好適な、本発明の積層パネルは、心材の一方の面に鋼板を積層し、他方の面にステンレス鋼板を積層した積層パネルにおいて、ステンレス鋼板における線膨張係数(0℃〜100℃)の下限を9.0[10−6/℃]、上限を15.0[10−6/℃]としたことを特徴としている。好ましい下限は、9.5[10−6/℃]以上、10.0[10−6/℃]以上、10.2[10−6/℃]以上、さらに、10.5[10−6/℃]以上がより好ましい。好ましい上限は、14.5[10−6/℃]以下、14.0[10−6/℃]以下、13.5[10−6/℃]以下、13.0[10−6/℃]以下、12.5[10R−6/℃]以下、12.0[10−6/℃]以下、11.8[10−6/℃]以下であること。
【0012】
上記構成の、特に食品関連設備用・医療関連設備用に好適な、本発明の積層パネルにあっては、ステンレス鋼板における線膨張係数(0℃〜100℃)を9.0〜15.0[10−6/℃]としているから、パネル製造工程において、カラー鋼板等の鋼板類とフェライト系ステンレス鋼板との間にウレタン樹脂、ハニカムコア、あるいは発泡プラスチック等の心材を配置して積層する際に、ウレタン樹脂等の充填や接着材による接合を行う場合に加える加熱、あるいは熱湯消毒及び蒸気消毒による加熱におけるステンレス鋼板の熱膨張係数がカラー鋼板等の熱膨張係数と同程度である。したがって、パネル製造工程や食品・医療関連設備での使用においてパネルが変形したり、ソリ、皺等が発生するのを抑制することができる。
【0013】
なお、本発明のパネルの心材としては、例えば断熱性のある多孔質材料を用いることができ、ウレタン樹脂、ハニカムコア、発泡プラスチック、合板などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、以下に説明するフェライト系ステンレス塗装鋼板は、本発明の食品関連設備用・医療設備関連用積層パネルに用いることができる。また、本発明の積層パネルには、扉など全ての構造用部材として適用可能である。そして、熱湯消毒、蒸気消毒などの加熱消毒において変形しない積層パネルが提供できる。
【0014】
また、本発明の積層パネルは、心材の一方の面に鋼板を積層し、他方の面にフェライト系ステンレス鋼板を積層したであることを特徴としている。このような積層パネルにあっては、鋼板とフェライト系ステンレス鋼板の線熱膨張係数が近いから、パネル製造工程や食品・医療関連設備での使用においてパネルが変形したり、ソリ、皺等が発生するのを抑制することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を説明する。
本発明では、フェライト系ステンレス鋼板は、JISに規定する2Bまたは2D(ダルロール仕上)の表面のもの、あるいは研磨仕上されたものが好ましい。
フェライト系ステンレス鋼板の表面粗さを比較的粗くすることにより、塗膜との密着性を高めることができる。そして、上記のようなフェライト系ステンレス鋼板に、アルカリ脱脂、酸洗を施して表面を清浄にした後、好ましくはリン酸塩処理を施すことで表面の濡れ性を高め、クロメ−ト処理を施す。
【0016】
クロメ−ト処理は、クロメ−ト皮膜の全Cr量を5〜40mg/m2とすることが望ましい。全Cr量が5mg/m2より少ないと、塗膜密着性と耐食性が低下し、40mg/m2より多いと、クロメ−ト皮膜が6価クロムにより黄色に着色し、それが透明な塗膜を通して見えるため外観が損なわれる。
【0017】
本発明のフェライト系ステンレス鋼板あるはフェライト系ステンレス塗装鋼板は、JIS G 4305 で規定されるフェライト系ステンレス(JISハンドブック1・鉄鋼I・P736・表4フェライトの化学成分・2002年1月31日発行・発行所・日本規格協会)例えば、SUS405、SUS410L、SUS429、SUS430、SUS430LX、SUS430J1L、SUS434、などを適用できる。また、特に、耐食性を高めるために、フェライト系ステンレス鋼は高純度であることが望ましい。そのために、フェライト系ステンレス鋼板は、下記式で表される孔食指数Tが16〜40、好ましくは、18〜40であり、炭素含有量が0.03重量%以下であることが望ましく、下記のように限定することでSUS304と同等以上の耐食性を得ることができる。例えば、先のJIS G 4305でいう、SUS436L、SUS436J1L、SUS444、SUS445J1、SUS445J2、SUS447J1、SUSXM27、などが好適である。
【数3】
T=Cr+3.3Mo
ただし、Cr,Moは、当該元素の重量百分率を示す。
【0018】
より具体的には、本発明では、重量%で、C:0.12%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.04%以下、S:0.03%以下、Ni:1.0%以下、Cr:11〜32%を含有し、Fe:残部および不可避不純物からなるフェライト系ステンレス鋼板を用いることができる。より好適には、C:0.03%以下、0.025%以下、0.01%以下、Si:0.75%以下、0.5%以下、Mn:0.4%以下、0.3%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Ni:0.6%以下、Cr:16〜24%、16〜19%であればさらに好適である。
【0019】
また、必要に応じて、Mo:4.0%以下、N:0.1%以下、Nb:1.0%以下、Ti:1.0%以下、Al:1.0%以下を含有し、Cr+3.3Mo:16〜40%であると好適である。より好ましくは、Mo:3.0%以下、N:0.05%以下、Nb:0.5%以下、Ti:0.5%以下、Al:0.5%以下を含有すると好適であり、Mo:2.5%以下、N:0.03%以下、Nb:0.4%以下、Ti:0.4%以下、Al:0.1%以下を含有するとさらに好適である。なお、Nの含有量は0.025%以下、Alの含有量は0.05%以下であればさらに好適である。
【0020】
塗膜は、平均粒径が0.1〜10μmのシリカ粉末を塗膜全体に対して0.1〜5重量%含有することが望ましい。これにより、塗膜の光沢を向上させることができるとともに、硬度をさらに高めることができる。さらに、平均粒径が0.1〜10μmの無機系抗菌剤を上記塗膜全体に対して0.2〜10重量%含有することも好適な態様の一つである。無機系抗菌剤としては、銀ゼオライトなどを使用することができる。塗膜の厚さは10〜30μmであることが望ましい。塗膜の厚さが10μm未満では、上述したような塗膜の作用を得ることができず、逆に、塗膜の厚さが30μmを超えると、成形時等に傷が付き易くなる。
【0021】
塗膜は、60度鏡面光沢度が10〜55%であることが望ましい。60度鏡面光沢度が10%より小さいと、指紋や油汚れが目立つようになるとともに光沢が低く過ぎるため清潔感がなくなる。一方、60度鏡面光沢度が55%より大きくなると鏡面性が大きくなってボイドが目立ち易くなるとともに食品施設用、又は、医療設備用として相応しくなくなる。60度鏡面光沢度のより好ましい範囲は10〜50%である。これと同等の理由により、ヘイズグロスは300〜550の範囲が望ましい。なお、光沢度のより好適な範囲は10〜40%、さらに好適には10〜30%であり、10〜20%であればさらに好適である。また、ヘイズグロスのより好適な範囲は350〜500であり、400〜450であればさらに好適である。
【0022】
本発明における塗膜は、1コート1ベイクで形成されることが望ましい。プライマー層などを下地に設けると、塗膜を透過した紫外線により下地層が損傷され、母材からの剥離等の問題が生じる。塗布の方法は限定されるものではなく、ロールコート、ディッピング、粉体塗装など任意の方法を用いることができる。
【0023】
なお、上記塗装ステンレス鋼板の種々の特徴は、任意に組み合わせて本発明の積層パネルや以下に述べる積層パネルの製造方法に適用することができ、また、そのような積層パネルを用いて扉や壁を構成することができる。
【0024】
また、本発明は、積層パネルの製造方法をも提供するものであり、心材の一方の面に鋼板を積層し、他方の面にステンレス鋼板を積層する積層パネルの製造方法において、ステンレス鋼板における線膨張係数(0℃〜100℃)を9.0〜15.0[10−6/℃]とし、ステンレス鋼板と心材と鋼板とを30〜90℃の加温条件で積層することを特徴としている。このような積層パネルの製造方法によれば、カラー鋼板等の鋼板類とステンレス鋼板との間にウレタン樹脂等の心材を配置して積層する際に加える加熱により、パネルが変形したり、ソリ、皺が発生するのが抑制される。また、ステンレス鋼板の表面に、60度鏡面光沢度が10〜55%である塗膜を設けることにより、加温により塗装ステンレス鋼板にボイドが生じても、上記のような光沢度を有するためにボイドが目立たず、しかも指紋が油汚れが付き難いという利点がある。60度鏡面光沢度のより好ましい範囲は10〜50%である。
【0025】
【実施例】
第1実施例
[本発明例]
板厚0.5mmで表1に示す組成のN430LMステンレス鋼鈑に、アルカリ脱脂、水洗、乾燥工程を経て塗布型クロメート処理を施し、100℃で乾燥した。このN430LMステンレス鋼鈑の孔食電位を測定したところ、0.32(V vs S.C.E)であった。また、同鋼板の線膨張係数(0〜100℃)を測定したところ、10.8−6/℃であった。塗布型クロメート処理は、全Cr付着量として25mg/m2のクロメート皮膜を成形した。クロメート処理されたステンレス鋼板の表面に、透明フッ素樹脂塗料を塗布し、250℃×60秒で乾燥焼付けし、直ちに水冷して膜厚20μmの透明フッ素樹脂塗膜を成形した。使用した樹脂塗料は、ポリ2フッ化ビニリデン樹脂と熱硬化性アクリル樹脂を重量比7:3で混合した樹脂をベースに表2に示す粒径及び配合量で粉末を配合することにより調整した。
【0026】
[比較例1]
板厚0.5mmで表1に示す組成のSUS304ステンレス鋼鈑に、アルカリ脱脂、水洗、乾燥工程を経て塗布型クロメート処理を施し、100℃で乾燥した。このSUS304ステンレス鋼鈑の孔食電位を測定したところ、0.27(V vs S.C.E)であった。塗布型クロメート処理は、全Cr付着量として25mg/m2のクロメート皮膜を成形した。クロメート処理されたステンレス鋼板の表面に、透明フッ素樹脂塗料を塗布し、250℃×60秒で乾燥焼付けし、直ちに水冷して膜厚20μmの透明フッ素樹脂塗膜を成形した。使用した樹脂塗料は、ポリ2フッ化ビニリデン樹脂と熱可塑性アクリル樹脂を重量比7:3で混合した樹脂をベースに、表2に示す粒径及び配合量でポリ四フッ化エチレン粉末粉末を配合することにより調整した。
【0027】
[比較例2]
板厚0.5mmで表1に示す組成のSUS304ステンレス鋼鈑に、アルカリ脱脂、水洗、乾燥工程を経て塗布型クロメート処理を施し、100℃で乾燥した。このSUS304ステンレス鋼鈑の孔食電位を測定したところ、0.27(V vs S.C.E)であった。塗布型クロメート処理は、全Cr付着量として25mg/m2のクロメート皮膜を成形した。クロメート処理されたステンレス鋼板の表面に、下地コートとしてエポキシ樹脂系の塗料を5μm塗布し、210℃×20秒で乾燥焼付けし、直ちに水冷した後、トップコートとしてのポリエステル樹脂塗料を20μm塗布し、230℃×30秒で乾燥焼付けし、直ちに水冷して総膜厚25μmのエナメル系ポリエステル樹脂塗膜を成形した。本例は、現在食品工場などの内装材として使用されている塗膜と同じ樹脂で構成した材料の代表例である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
上記のようにして作製した塗装ステンレス鋼板に対して、JIS G 3320 に基づいてエンピツ硬度を測定した結果、本発明例は F、比較例1はFで結果は同等であったが、段ボール紙の切断面に擦りつけた時、外観上の差が確認された。以上により、本発明では、比較例1と比較して耐傷性に優れることが確認された。
【0031】
また、上記塗装ステンレス鋼板に対して、滑り性を試験した。その結果、本発明例は静摩擦係数が0.10、動摩擦係数が0.09、比較例1は、静摩擦係数が0.12、動摩擦係数が0.11となり、本発明ではテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体粉末を含有するため、比較例1と比べて滑り性に優れることが確認された。
【0032】
次に、上記塗装ステンレス鋼板の耐薬品性と耐候性を試験した。この試験の条件および結果を表3に示す。なお、耐薬品性の評価については、判定基準をクリア(損傷なし)した場合を「○」、クリアできなかった場合を「×」、クリアできなかったが判定基準に近い場合を「△」とした。表3に示すように、本発明例では、耐薬品性、耐候性に優れたフッ素樹脂を使用しているために、通常の内装パネル材である比較例2と比べてそれぞれに優れていることが確認された。尚、耐候性の結果は顔料添加の有無、種類で値が著しく違うため、紫外線照射試験に用いた材料は、両者とも顔料の入っていないクリア系で比較した。紫外線照射試験のGR%の比較につき発明例は照射前48であった値が168時間照射後は49でありほとんど変化がなかった。これに対し、比較例は、照射前60であったものが168時間照射後は41まで変化しており劣化が激しいことがわかった。
【0033】
【表3】
【0034】
第2実施例
バインダーに銀ゼオライト(抗菌剤)を1w%含有した以外は第1実施例と同じ条件で本発明の塗装ステンレス鋼板を作製した。次いで、抗菌剤無添加品、抗菌剤添加品、をJIS Z 2801に基づいて抗菌試験を行った。抗菌試験結果を表4に、次式により算出した抗菌活性値を表5に、試験に用いた試験片(抗菌剤無添加品(検体1)、抗菌剤添加品(検体2)および菌液の概要を表6に示した。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
表4に示すように、本発明の第2実施例では、バインダー中に抗菌剤を含有したものは、大腸菌の数が極めて少なく、食品関連設備、医療設備関連に好適であることが判る。
【0039】
第3実施例
心材として発泡ウレタンを用い、その片面にカラー鋼板(母材:一般スチール材)、他面に実施例1の本発明例で作製したフェライト系ステンレス塗装鋼板を接着してパネルを作製した。また、比較のために、心材として発泡ウレタンを用い、その片面にカラー鋼板(母材:一般スチール材)、他面にSUS304ステンレス塗装鋼板(オーステナイト系ステンレス塗装鋼板)を接着してパネルを作製した。これら2つのパネルに熱湯をかけて消毒を行う模擬テストを行ったところ、本発明例のパネルは変形しなかったが、比較例のパネルは変形してしまった。
【0040】
表7に示すように、N430LMのようなフェライトステンレス鋼は、線熱膨張係数がカラー鋼板などの熱膨張係数と近いため、本発明例で用いたパネルは変形しにくい構造となっているのに対して、比較例のパネルのように、カラー鋼板と熱膨張係数が大きく異なるSUS304塗装鋼板(オーステナイト系ステンレス)を使用した場合には、熱湯消毒などをした場合に変形してしまうのである。なお、本発明でいう鋼板とは、一般的なスチール、普通鋼、例えば、JIS G3141のSPCC、SPCD、SPCEやこれらをメッキ、塗装、コーティング等したカラー鋼板などがその一例である(表7において、スチール一般、440N、570Nとしてその線熱膨張係数を示した)。
【0041】
なお、本発明の鋼板、カラー鋼板としては、JIS G 3302,3312,3313,3314,3317,3318,3321,3322,K 6477等の鋼材、表面処理鋼板、カラー鋼板を使用することができる。これらの素材の線膨張係数を例示すると(0〜100℃)、9.4〜13.5[10−6/℃]であり、好ましい下限は9.5[10−6/℃]、10.0[10−6/℃]、11.0[10−6/℃]、11.5[10−6/℃]であり、上限は、13.0[10−6/℃]、12.5[10−6/℃]、12.0[10−6/℃]である。
【0042】
【表7】
【0043】
第4実施例
本発明よる製造方法として、心材として発泡ウレタンを用い、その片面にカラー鋼板(母材:一般スチール材)、他面に実施例1の本発明例で作製したフェライト系ステンレス塗装鋼板を50℃に加温ながら接着して本発明のパネルを作製した。本発明法で作成した積層パネルには、そり、しわ、などの変形が生じなかった。
【0044】
比較例として、心材として発泡ウレタンを用い、その片面にカラー鋼板(母材:一般スチール材)、他面にSUS304ステンレス塗装鋼板(オーステナイト系ステンレス塗装鋼板)を50℃に加温ながら接着して積層パネルを作製した。この比較パネルは、そり、および、表面にしわ、が発生していた。
【0045】
さらに、比較例として、心材として発泡ウレタンを用い、その両面にSUS304ステンレス塗装鋼板(オーステナイト系ステンレス塗装鋼板)を50℃に加温ながら接着して積層パネルを作製した。この比較パネルでは、そりは発生しなかったが、表面にしわが発生していた。
【0046】
したがって、単に、線熱膨張係数が一致する素材を心材の両面に接着すればよいのではなく、本発明法が開示する特定の低い熱膨張係数を有するステンレス鋼(例:N430LMフェライトステンレス鋼)と鋼板(例:一般スチール材)との組み合わせが重要である。参考までに、SUS304の線膨張係数(0℃〜100℃)は17.1[10−6/℃]である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ステンレスの意匠性を損なわず、食品関連設備、医療関連設備等で行われる消毒、殺菌、清掃等に対して優れた耐性を示すとともに、パネル等の製造時における加熱に起因する不良率を低減することができる等の効果が得られる。
Claims (10)
- フェライト系ステンレス鋼板の表面に、透明または半透明のフッ素樹脂塗膜を1コート1ベイクで被覆した塗装ステンレス鋼板において、
上記フッ素樹脂塗膜は、バインダーとして熱硬化性アクリル樹脂/ポリフッ化ビニリデン樹脂を重量比で20:80〜50:50含有し、
このバインダー中に、平均粒径が1〜40μmのポリ四フッ化エチレン粉末を上記塗膜全体に対して1〜10重量%と、平均粒径が10〜40μmのテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体粉末を上記塗膜全体に対して1〜10重量%含有し、
また、上記塗膜全体に対して、平均粒径が0.1〜10μmのシリカ粉末を0.1〜5重量%と、平均粒径が0.1〜10μmの銀ゼオライトで構成される無機系抗菌剤を0.2〜10重量%含有し、
さらに、上記フェライト系ステンレス鋼板は、下記式で表される孔食指数Tが16〜40であり、かつ、炭素含有量が0.03重量%以下であり、
上記塗膜の厚さが10〜30μmであること
を特徴とする塗装ステンレス鋼板。
T=Cr+3.3Mo
(ただし、Cr,Moは、当該元素の重量百分率を示す。) - 前記塗膜は、60度鏡面光沢度が10〜55%であることを特徴とする請求項1に記載の塗装ステンレス鋼板。
- 前記フェライト系ステンレス鋼板の線膨張係数(0℃〜100℃)は9.0〜15.0[10−6/℃]としたことを特徴とする請求項1または2に記載の塗装ステンレス鋼板。
- 前記塗装ステンレス鋼板は、食品関連設備用又は医療関連設備用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗装ステンレス鋼板。
- 前記フェライト系ステンレス鋼板は、重量%で、C:0.12%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.04%以下、S:0.03%以下、Ni:1.0%以下、Cr:11〜32%を含有し、Fe:残部からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗装ステンレス鋼板。
- 心材の一方の面に鋼板を積層し、他方の面にステンレス鋼板を積層した積層パネルにおいて、
上記ステンレス鋼板は、前記請求項1〜5のいずれかに記載の塗装ステンレス鋼板であることを特徴とする積層パネル。 - 前記フェライト系ステンレス鋼板の表面にフッ素樹脂塗膜を被覆し、上記塗膜の60度鏡面光沢度が10〜55%であることを特徴とする請求項6に記載の積層パネル。
- 前記積層パネルの鋼板にカラー鋼板を使用することを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の積層パネル。
- 請求項6〜8のいずれかに記載の積層パネルの製造方法であって、
心材の一方の面に鋼板を積層し、他方の面にステンレス鋼板を積層するにあたり、上記ステンレス鋼板における線膨張係数(0℃〜100℃)を9.0〜15.0[10−6/℃]とし、上記ステンレス鋼板と心材と上記鋼板とを30〜90℃の加温条件で積層することを特徴とする積層パネルの製造方法。 - 前記ステンレス鋼板の表面に、60度鏡面光沢度が10〜55%である塗膜を設けることを特徴とする請求項9に記載の積層パネルの製造方法。
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