JP4067756B2 - 接着剤用の水性エマルジョン及びその組成物 - Google Patents

接着剤用の水性エマルジョン及びその組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、常態接着性、耐水接着性、及び耐熱接着性に優れた例えば木材用接着剤として好適な接着剤用の水性エマルジョンに関するものであり、さらに詳しくは水溶性樹脂、水性エマルジョン、イソシアネート系化合物を含む組成物からなる接着剤に適し、その初期接着性が良好な水性エマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】
水性エマルジョンに、水溶性樹脂、及びイソシアネート系化合物を配合した接着剤は、従来のアミノ・ユリア系接着剤とは異なりホルムアルデヒドの発生がなく、常温或いは加温下に短時間で圧締するだけで、極めて高い接着強さが得られる。この接着剤は常態の接着性能ばかりでなく、耐水性、耐熱性などの2次性能も良好であり、特に木材接着用に優れた性能を示す。
【0003】
しかしながら、近年接着する対象物が木材以外へ拡大するとともに、接着した木材の使用環境も過酷な方向に向かっているため、現在よりさらに高度な性能が要求されてきている。例えば、さらなる耐水接着性の向上、長期高温放置下での接着性保持などが挙げられる。また、一般に水性エマルジョン、水溶性樹脂、及び顔料からなる組成物を主剤とし、イソシアネート化合物を架橋剤とする二液混合型の接着剤となっているため、架橋剤であるイソシアネート系化合物を混合した後のポットライフの延長は望まれている。しかしながら、特に最近では主剤と架橋剤は従来のポットでの混合ではなく、接着剤を塗布する直前にライン中で瞬時に混合するプロセスが中心であり、ポットライフは余り問題とならなくなってきている。ここに来て、ポットライフ延長の課題より、接着剤塗布・圧締直後の接着強さ、いわゆる初期接着性の向上が大きく望まれている。
【0004】
ところで、従来この接着剤に一般に使用されている水性エマルジョンとしてはポリビニルアルコールを分散剤とする酢酸ビニルエマルジョン、またはエチレン−酢酸ビニルエマルジョンなどが知られている。これらのエマルジョンを使うことにより、常態接着性、初期接着性は良好であるものの、耐水接着性が十分でないという問題を有している。
これは、酢酸ビニルエマルジョン、またはエチレン−酢酸ビニルエマルジョンの耐水性不良に起因していると言われている。
【0005】
これに対して、先のエマルジョンに比較して耐水性が良好である合成ゴム系エマルジョン、(メタ)アクリル酸エステル系、又はスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンがこの接着剤に使用されているが、酢酸ビニルエマルジョン、またはエチレン−酢酸ビニルエマルジョンに比べ初期接着性が十分でない。これについては、合成ゴム系エマルジョン、(メタ)アクリル酸エステル系、又はスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンに、酢酸ビニルエマルジョンまたはエチレン−酢酸ビニルエマルジョンをブレンドすることにより、初期接着性と耐水性をバランスすることが試みられているが、その接着性能はそれぞれのエマルジョンの中間となり、十分ではない。
【0006】
更にこの課題に対して、ブレンドではなく、単一のエマルジョンを改良する方法による解決が試みられている。例えば、特開平5−1270号公報では、酢酸ビニル単量体、1級水酸基含有ビニル化合物、及びそれらの共重合可能な疎水性のエチレン性不飽和単量体からなる共重合体であって、平均粒子径0.5μm以上のエマルジョンが開示されている。また、特開平5−279648号公報では、単量体組成にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレンなどを選択し、粒子径が0.2〜2.0μmであるエマルジョンが好ましいことが開示されている。
【0007】
しかしながら、これらで開示されたエマルジョンはポリビニルアルコール系重合体を保護コロイドとして乳化重合したエマルジョンであるため、初期接着性は改良されるものの、先に挙げた酢酸ビニルエマルジョン、エチレン−酢酸ビニルエマルジョンと同様に、現在求められている初期接着性と耐水性との高度なバランスを図ることはできていない。
したがって、初期接着性が良好で、かつ常態接着性、及び耐水接着性、耐熱接着性も良好な水性エマルジョン、及びその組成物が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水溶性樹脂、水性エマルジョン、イソシアネート化合物からなる接着剤において、初期接着性が良好で、かつ常態接着性、及び耐水接着性、耐熱接着性も良好であり、かつ実用上ポットライフが問題ない水性エマルジョン、及びその組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特定の単量体組成を界面活性剤を用いて乳化重合して得られるエマルジョンを、特定の粒子径にすることにより、前記課題を解決するため有効であることを見いだし、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれる1種以上の単量体、ヒドロキシエチルアクリレート及び/又はヒドロキシエチルメタクリレート及び不飽和カルボン酸単量体とを含む単量体組成物を、界面活性剤を用いて乳化重合して得られる水性エマルジョン(1)であって、そのエマルジョンの平均粒子径が219〜400nmであることを特徴とする接着剤用水性エマルジョン。
[2] ヒドロキシエチルアクリレート及び/又はヒドロキシエチルメタクリレートが全単量体組成物中0.5〜5質量%である[1]の接着剤用水性エマルジョン。
[3] [1]記載の水性エマルジョン(1)と、疎水性のイソシアネート系化合物(2)とを含むことを特徴とする組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明の水性エマルジョン(1)は、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれる1種以上の単量体、及びヒドロキシル基含有ビニル系単量体、不飽和カルボン酸単量体とを含む単量体組成物を界面活性剤を用いて乳化重合して得られる。
本発明の水性エマルジョン(1)に用いられる芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。好ましくはスチレンである。
【0011】
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート等が挙げられる。好ましくは、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレートである。
【0012】
また、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体としては、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。好ましくはヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートである。
また不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはそのモノエステル、フマル酸またはそのモノエステル、イタコン酸またはそのモノエステルなどが挙げられる。好ましくは、アクリル酸、メタクリ酸、イタコン酸の不飽和カルボン酸単量体であり、さらに好ましくはアクリル酸、メタクリル酸である。
【0013】
本発明の水性エマルジョン(1)に用いられる芳香族ビニル系単量体は全単量体中5〜80質量%である。芳香族ビニル系単量体が5質量%以上で耐水接着性に問題がなく、80質量%以下で耐熱接着性に問題がない。好ましくは、10〜60質量%である。
本発明の水性エマルジョン(1)に用いられる(メタ)アクリル酸エステル単量体は全単量体中5〜80質量%である。(メタ)アクリル酸エステル単量体が5質量%以上で常態接着性に問題がなく、80質量%以下で耐水接着性に問題がない。好ましくは、10〜60質量%である。
【0014】
本発明のエマルジョン(1)に用いられるヒドロキシル基含有ビニル系単量体は全単量体中0.5〜5質量%である。0.5質量%以上で常態接着性に問題なく、5質量%以下でポットライフに問題ない。好ましくは1〜4質量%である。本発明のエマルジョン(1)に用いられる不飽和カルボン酸単量体は全単量体中0.1〜4質量%である。0.1質量%以上で初期接着性に問題なく、4質量%以下で耐水性に問題ない。好ましくは0.5〜3質量%である。
【0015】
上記の単量体に加えて、本発明の水性エマルジョンに要求される様々な品質・物性を改良するために、上記以外の単量体成分を使用することもできる。それらの単量体としては、例えば、;アミド基含有単量体、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミドなどが挙げられ;メチロール基含有単量体、例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジメチロールアクリルアミド、ジメチロールメタクリルアミドなどが挙げられ;アルコキシメチル基含有単量体、例えば、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなどが挙げられ;エポキシ基含有単量体、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレートなどが挙げられ;多官能性単量体、例えば、ジビニルベンゼン、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレート、ポリオキシプロピレンジアクリレート、ポリオキシプロピレンジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートなどが挙げられ;シリル基含有単量体例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−2−メトキシエトキシビニルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられ;α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸のジエステル、例えば、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどが挙げられ;ビニルエステル、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられ;不飽和ニトリル、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
【0016】
本発明の水性エマルジョン(1)のガラス転移温度Tgは−40℃〜40℃が好ましい。−40以上で耐水接着性に問題がなく、40℃以下で常態接着性に問題がない。好ましくは−30〜30℃である。
本発明の水性エマルジョン(1)は、乳化重合法によって得られる。乳化重合の方法に関しては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、水性媒体中で前記の単量体、連鎖移動剤、界面活性剤、ラジカル重合開始剤および、必要に応じて用いられる他の添加剤成分を基本組成成分とする分散系で、単量体を重合することにより得ることができる。そして、重合に際しては、供給する単量体組成物の組成を全重合過程で一定にする方法や重合過程で逐次、あるいは連続的に変化させることによって生成するラテックス粒子の形態的な組成変化を与える方法など所望に応じてさまざまな方法が利用できる。
【0017】
本発明でいう界面活性剤とは一分子中に少なくとも一つ以上の親水基と一つ以上の親油基を有する物を指す。界面活性剤としては、例えば脂肪族セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤が挙げられる。これらのほかに親水基と親油基を有する界面活性剤の化学構造式の中にエチレン性二重結合を導入した、いわゆる反応性界面活性剤を用いても良い。
【0018】
界面活性剤の使用方法は特に限定されず、例えば乳化重合時に全量使用しても、また乳化重合後にさらに必要量を添加してもよい。
重合開始剤としては、熱または還元性物質によりラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであり、無機系開始剤および有機系開始剤のいずれも使用できる。このようなものとしては、水溶性、油溶性の重合開始剤が使用できる。水溶性の重合開始剤としては例えばペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、水溶性のアゾビス化合物、過酸化物−還元剤のレドックス系などが挙げられ、ペルオキソ二硫酸塩としては例えばペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(NPS)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)などが挙げられ、過酸化物としては例えば過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t―ブチルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオキシド、過酸化ベンゾイルなどが挙げられ、水溶性アゾビス化合物としては、例えば2,2−アゾビス(N−ヒドロキシエチルイソブチルアミド)、2、2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩化水素、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)などが挙げられ、過酸化物−還元剤のレドックス系としては、例えば先の過酸化物にナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、およびその塩、第一銅塩、第一鉄塩などの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いることもできる。
【0019】
この乳化重合における重合温度は、通常60〜100℃の範囲で選ばれるが、前記レドックス重合法等により、より低い温度で重合を行っても良い。また、例えば2段階重合においては、第1段での重合温度と第2段での重合温度は同じでも異なっていても良い。
本発明の水性エマルジョン(1)の平均粒子径は100〜400nmにコントロールする。平均粒子径が100nm以上でポットライフに問題がなく、400nm以下で初期接着性に問題がない。好ましくは平均粒子径が200〜400nmである。更に好ましくは平均粒子径が200〜350nmである。
【0020】
本発明の水性エマルジョン(1)の粒子径コントロール方法は特に限定されない。例えば、シードラテックス、界面活性剤の使用割合などによって調整することができ、一般にそれらの使用割合を高くするほど生成共重合体ラテックスの平均粒子径は小さくなり、その逆は平均粒子径が大きくなる傾向がある。なお、シードラテックスの重合は、本発明のラテックスの重合に先だって同一反応容器で行っても、異なる反応容器で重合したシードラテックスを用いても良い。
【0021】
本発明に用いられるイソシアネート系化合物(2)とは一分子中にイソシアネート基を2個以上含むものであればよく、例えばトリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビスジフェニルジイソシアネート、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート、水素化メチレンビスジフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。また、水、多価アルコール、水酸基含有ポリエーテル、または水酸基含有ポリエステルと、過剰のイソシアネート系化合物とを予め反応させて得られるイソシアネート系重合物であってもよい。好ましくは疎水性のイソシアネート系化合物であり、さらに好ましくはトリレンジイソシアネート、メチレンビスジフェニルジイソシアネート、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート、及びそれらの重合物である。
【0022】
水性エマルジョン(1)の固形分100質量部に対して、イソシアネート系化合物(2)は1〜150質量部である。1質量部以上で接着性能が良好となり、150質量部以下でポットライフに問題ない。好ましくは2〜100質量部である。
本発明の水性エマルジョン、及び組成物には性能を向上させるために、以下の材料を配合してもよい。例えば、水溶性樹脂、溶剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、分散剤、着色剤、耐水化剤、潤滑剤、pH調整剤、防腐剤、無機顔料、有機顔料、界面活性剤、イソシアネート系化合物以外の架橋剤、例えばエポキシ系化合物、多価金属化合物などが挙げられる。
【0023】
本発明に用いられる水溶性樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、エチレン性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、セルロース系樹脂(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、カルボキシセルロース等)、キチン、キトサン、デンプン類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ゼラチン、カゼイン類、シクロデキストリン類、水性硝化綿等を挙げることができる。ポリビニルアルコールは完全けん化、部分けん化でも良い。特にポリビニルアルコールが好ましい。
【0024】
無機または有機の顔料としては例えば、無機顔料ではマグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、チタン、アルミニウム、アンチモン、鉛などの各種金属酸化物、水酸化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩または珪酸化合物などが挙げられる。具体的には例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、石膏、バライト粉、アルミナホワイト、サチンホワイトなどである。有機顔料ではポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの固体高分子微粉末などが挙げられる。
【0025】
本発明の水性エマルジョン及び組成物は、合板、集成材などの木材用接着剤として好適であるが、それ以外にも例えばパーティクルボード用、段ボール用、あるいは金属箔接着用、紙用、布用、繊維加工用、さらには陶磁器用、無機板用、塩ビ、ポリプロピレンなどのプラスチックシート用、ガラス板用などの接着剤としても適用できる。
本発明を実施例に基づいて説明する。本発明の実施態様は、これらによって限定されるものではない。また、「部」は特に断らない限り「質量部」を示すものである。
【0026】
各特性は次のようにして求めた。
(1)粒子径:
光散乱法により測定を行った。
測定装置は粒径測定装置(LEED&NORTHRUP社製、MICROTRACTMUPA150)を用い、体積平均粒子径を測定した。
【0027】
(2)ポットライフ:
下記に示す主剤配合品100質量部に、イソシアネート化合物としてMR−100(日本ポリウレタン(株)製、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート)を7.5〜15質量部配合し、激しく5分間攪拌を行う。
その後、20℃に放置し、ゲル化するまでの時間を観測する。90分以上を合格とする。なお、ゲル化の判定は、15分毎にスパチュラで軽く攪拌を行い、攪拌できなくなった時点とした。
Figure 0004067756
ポリビニルアルコールは(株)クラレ製PVA217を用いた。なお、主剤の製法は以下の通り。先ず、エマルジョンに攪拌しながら炭酸カルシウムを投入し、10分間攪拌を行う。次いで、ポリビニルアルコールを攪拌下に添加し、さらに10分間攪拌を行った。
【0028】
(3)接着性試験:
a.初期接着性 (2)のポットライフ試験に用いた配合品(イソシアネート混合後10分以内に使用)を接着剤として使用した。試験片の作製条件は以下の通り。3.0N/mm2以上の接着強さを合格とする。
被着材:カバ材(含水率質量8%)
接着剤塗布量:250g/m2
堆積時間:1分以内
圧締条件:温度20℃、150N/cm2、20分
接着性試験(圧縮せん断接着強度):JIS K 6852に基づいて測定
【0029】
b.常態接着性 初期接着性試験と同様に圧締した試験片を、養生した後、接着性試験を行った。
養生条件:20℃、7日
接着性試験(圧縮せん断接着強度):JIS K 6852に基づいて測定
c.煮沸繰り返し試験:b.で作製した試験片を用いて、JIS K 6852の煮沸繰り返し試験に基づいて測定した。
d.耐熱接着性:b.で作製した試験片を120℃の雰囲気下に120時間放置し、その後20℃に24時間放置し、圧縮せん断接着試験を行った。
【0030】
【製造例1〜8、10、11】
表1、表2に示す全単量体100質量部に、エマルゲン920(花王(株)製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)1.0質量部、レベノールWZ(花王(株)製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムの25%水溶液)4.0質量部、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.4質量部、水42質量部を添加し、ホモミキサーで攪拌を行いプレ乳化液を作製した。
【0031】
別に攪拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた反応容器に、表1、2に示すシード粒子の水性分散体、さらに水35質量部を仕込み、内温を80℃に昇温し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.04質量部を水5質量部に溶解したものを添加した。これに、前記のプレ乳化物を4時間かけて一定流速で添加した。その後80℃の温度のまま、1時間保ち、さらにペルオキソ二硫酸アンモニウム0.1質量部、水5質量部の溶解したものを添加し、同温度で1時間重合を続けた。1時間後、冷却し、10質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを7とした。その後、200メッシュの金網を用いてろ過を行い、次いで固形分が50質量%となるよう水を配合し、エマルジョンを得た。
【0032】
【製造例9】
表2に示す全単量体100質量部に、エマルゲン920(花王(株)製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)1.0質量部、レベノールWZ(花王(株)製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムの25%水溶液)4.0質量部、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.4質量部、水42質量部を添加し、ホモミキサーで攪拌を行いプレ乳化液を作製した。
【0033】
別に攪拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた反応容器に、水35部、エマルゲン920を0.5質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.0質量部を仕込み、内温を80℃に昇温し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.04質量部を水5質量部に溶解したものを添加した。これに、前記のプレ乳化物を4時間かけて一定流速で添加した。その後80℃の温度のまま、1時間保ち、さらにペルオキソ二硫酸アンモニウム0.1質量部、水5質量部の溶解したものを添加し、同温度で1時間重合を続けた。1時間後、冷却し、25質量%濃度のアンモニア水溶液を添加して、pHを7とした。その後、200メッシュの金網を用いてろ過を行い、次いで固形分が50質量%となるよう水を配合し、エマルジョンを得た。
【0034】
【製造例12】
攪拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた反応容器に、水55質量部を仕込み、ポリビニルアルコール(PVA217)を5質量部添加し内温を80℃に昇温し、溶解させた。次にペルオキソ二硫酸アンモニウム0.04質量部を水5質量部に溶解したものを添加した。
表2に示す全単量体100質量部に、t−ドデシルメルカプタン0.1部からなる混合単量体溶液と、水23.5質量部、エマルゲン920(花王(株)製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)0.5質量部、レベノールWZ(花王(株)製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムの25%水溶液)2.0質量部、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.6質量部からなる開始剤系水溶液をそれぞれ、5時間および6時間かけて一定流速で添加した。その後80℃の温度のまま、1時間保ち、さらにペルオキソ二硫酸アンモニウム0.1質量部、水5質量部の溶解したものを添加し、同温度で1時間重合を続けた。1時間後、冷却し、25質量%濃度のアンモニア水溶液を添加して、pHを7とした。その後、200メッシュの金網を用いてろ過を行い、次いで固形分が50質量%となるよう水を配合し、エマルジョンを得た。
【0035】
【実施例1〜10】
表3に記載のエマルジョンを用いた主剤配合品を作製し、評価を行った。その評価結果も合わせて表3に示す。実施例1〜10のポットライフはすべて90分以上であり、実用上問題はなかった。
【0036】
【比較例1〜
表4に記載のエマルジョンを用いた主剤配合品を作製し、実施例と同様に評価を行った。その評価結果も合わせて表4に示す。比較例、及びはポットライフ60分であり、実用上問題であったが、比較例は90分以上であった。
【0037】
【表1】
Figure 0004067756
【0038】
【表2】
Figure 0004067756
【0039】
【表3】
Figure 0004067756
【0040】
【表4】
Figure 0004067756
【0041】
【発明の効果】
本発明の水性エマルジョンとイソシアネート系化合物を含む組成物を用いることにより、初期接着性が良好で、かつ常態接着性、耐水接着性、かつ耐熱接着性が良好であり、実用上ポットライフに問題がない接着剤を提供することができる。

Claims (3)

  1. 芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれる1種以上の単量体、ヒドロキシエチルアクリレート及び/又はヒドロキシエチルメタクリレート及び不飽和カルボン酸単量体とを含む単量体組成物を、界面活性剤を用いて乳化重合して得られる水性エマルジョン(1)であって、そのエマルジョンの平均粒子径が219〜400nmであることを特徴とする接着剤用水性エマルジョン。
  2. ヒドロキシエチルアクリレート及び/又はヒドロキシエチルメタクリレートが全単量体組成物中0.5〜5質量%である請求項1の接着剤用水性エマルジョン。
  3. 請求項1記載の水性エマルジョン(1)と、疎水性のイソシアネート系化合物(2)とを含むことを特徴とする組成物。
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