JP2013181111A - 接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】イソシアネート化合物と組み合わされて接着剤として好適に用いられ、その接着剤のポットライフを損なわずに、顔料配合後の貯蔵安定性が良好であり、接着阻害成分含有木材でも特に優れた初期接着性、及び耐煮沸接着性を発揮する水性エマルジョンを提供する。
【解決手段】(A)(a)芳香族ビニル系単量体及びメタアクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる単量体、(b)アクリル酸エステル単量体、及び(c)ヒドロキシル基含有ビニル単量体を含む単量体組成物を乳化重合して得られるガラス転移点が5℃以上50℃以下の水性エマルジョン、並びに
(B)該単量体(a)、(b)、及び(c)含む単量体組成物を乳化重合して得られるガラス転移点が−30℃以上5℃未満の水性エマルジョン、を含んでなる接着剤用水性エマルジョン。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性エマルジョンに顔料を配合した時の貯蔵安定性が良好であり、かつ初期接着性、及び耐煮沸接着性に優れ、例えば木材用接着剤として好適な接着剤用組成物に関するものである。
水性エマルジョンに、イソシアネート系化合物を配合した接着剤は、水性高分子−イソシアネート系接着剤としてよく知られ、常温あるいは加温下に短時間で圧締するだけで、極めて高い接着強さが得られる。また、従来のアミノ・ユリア系接着剤とは異なりホルムアルデヒドの発生がないことから、近年室内の環境問題から注目されてきている。
この水性高分子−イソシアネート系接着剤は常態の接着性能ばかりでなく、耐煮沸性などの2次性能も良好であり、特に木材接着用に優れた性能を示す。例えば集成材、合板等に幅広く使用されている。しかしながら、近年の木材種の多様化により、例えばヤニ等の接着阻害成分を含む木材に対しては、従来の水性高分子−イソシアネート系接着剤において、常態接着性は問題ないものの、特に耐煮沸接着性が不十分になっている。また貼り合せた木材の使用環境も、従来に比べ長期に高温、高湿等に放置されるなど、より過酷な環境に置かれることがある。このような状況に対して、さらなる水性高分子−イソシアネート系接着剤の耐煮沸接着性の向上が市場で求められている。
さらに、多様化する要求性能を満足させるため、水性高分子−イソシアネート系接着剤に多種類の有機、無機の顔料が配合される。この顔料は一般に水性エマルジョンに配合されるが、近年その配合物の粘度が経時的に変化することによる貯蔵安定性の不足が問題となってきている。
接着性の向上を目的とした場合、どうしてもイソシアネート系化合物の硬化反応性を高めることが行われるが、これは貼り付け現場ではポットライフの短縮化に伴う作業性の低下につながり、好ましくない。
また、顔料配合後の貯蔵安定性向上のため、顔料分散剤が多量に添加されることがあるが、イソシアネート系化合物を配合した後のポットライフが不良となる。
したがって、先にあげた接着性の向上と、顔料配合後の貯蔵安定性の向上及びポットライフの延長との両立が大きく望まれている。
この問題に対して、例えば、特許文献1には、芳香族ビニル単量体、及び(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれる1種以上の単量体、ヒドロキシ基含有ビニル系単量体、及び不飽和カルボン酸単量体を、界面活性剤を用いて乳化重合した、粒子径が100〜400nmのエマルジョンが好ましく使用できることが開示されている。しかしながら、このエマルジョンは初期接着性、耐煮沸接着性は良好なものの、顔料配合後の貯蔵安定性向上、及びイソシアネート系化合物配合後のポットライフの延長が、望まれていた。
また、例えば、特許文献2には、芳香族ビニル単量体、及び(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれる1種以上の単量体とヒドロキシ基含有ビニル系単量体とを、特定の構造を有しかつラジカル重合性二重結合を有する化合物の存在下で乳化重合して得られる水性エマルジョンが好ましいことが開示されている。しかしながら、このエマルジョンは初期接着性、耐煮沸接着性、及びポットライフは良好なものの、顔料配合後の貯蔵安定性に関して、更なる性能向上が望まれていた。
また、例えば特許文献3には、芳香族ビニル単量体、及び(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれる1種以上の単量体、ヒドロキシ基含有ビニル系単量体、及び不飽和カルボン酸単量体を、界面活性剤を用いて乳化重合した、粒子径が200〜600nmのエマルジョンが好ましく使用できることが開示されている。しかしながら、このエマルジョンは初期接着性、耐煮沸接着性、接着阻害成分含有木材での接着性は良好なものの、やはり顔料配合後の貯蔵安定性に関して、更なる性能向上が望まれていた。
特開2002−129121号公報 特開2003−193010号公報 特開2005−330399号公報
本発明は、イソシアネート化合物と組み合わされて接着剤として好適に用いられ、(ア)その接着剤のポットライフを損なわずに、(イ)顔料配合後の貯蔵安定性が良好であり、(ウ)接着阻害成分含有木材でも特に優れた初期接着性、及び耐煮沸接着性を発揮する水性エマルジョンを提供することを目的とする。
本発明者は、前記(ア)〜(ウ)の課題を同時に解決するために、特定の単量体組成物を乳化重合することによって得られた2種類の水性エマルジョンからなる組成物を見いだし、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕(A)(a)芳香族ビニル系単量体及びメタアクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体、(b)1種以上のアクリル酸エステル単量体、及び(c)1種以上のヒドロキシル基含有ビニル単量体を含む単量体組成物を乳化重合して得られるガラス転移点が5℃以上50℃以下の水性エマルジョン、並びに
(B)(a)芳香族ビニル系単量体及びメタアクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体、(b)1種以上のアクリル酸エステル単量体、及び(c)1種以上のヒドロキシル基含有ビニル単量体から選ばれる1種以上の単量体、を含む単量体組成物を乳化重合して得られるガラス転移点が−30℃以上5℃未満の水性エマルジョン、を含んでなることを特徴とする接着剤用水性エマルジョン。
〔2〕前記水性エマルジョン(A)と前記水性エマルジョン(B)との質量比が95/5から70/30であることを特徴とする〔1〕に記載の接着剤用水性エマルジョン。
〔3〕〔1〕又は〔2〕に記載の接着剤用水性エマルジョン(1)と、イソシアネート系化合物(2)とを含むことを特徴とする接着剤組成物。
である。
本発明の接着剤用水性エマルジョン(1)及びイソシアネート系化合物(2)を含む接着剤組成物は、ポットライフを損なわずに、良好な初期接着性、常態接着性、特にヤニ等の接着疎外成分を多く含む木材に対して優れた耐煮沸接着性を発揮し、かつ良好な顔料配合後の貯蔵安定性を発現するという顕著な効果を有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の接着剤用水性エマルジョン(1)を構成する水性エマルジョン(A)及び水性エマルジョン(B)は、乳化重合によって得られる。乳化重合の方法に関しては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、水性媒体中で単量体組成物、ラジカル重合開始剤、反応性界面活性剤、必要に応じて非反応性界面活性剤、及び必要に応じて用いられる連鎖移動剤等の他の添加剤成分などを基本組成成分とする分散系において、単量体組成物を重合する方法を用いることができる。そして、重合に際しては、供給する単量体組成物の組成を全重合過程で一定にする方法や重合過程で逐次、あるいは連続的に変化させることによって生成するラテックス粒子に形態的な組成変化を与える方法など、所望に応じてさまざまな方法が利用できる。
接着剤用水性エマルジョン(1)を構成する水性エマルジョン(A)及び水性エマルジョン(B)の製造に用いられる芳香族ビニル系単量体(a1)としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン等が挙げられるがこれらには限定されない。好ましくはスチレンである。
また、水性エマルジョン(A)及び(B)の製造に用いられるメタアクリル酸エステル単量体(a2)としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート等が挙げられるがこれらには限定されない。好ましくはメチルメタクリレートである。
水性エマルジョン(A)及び(B)の製造に用いられる芳香族ビニル系単量体及びメタアクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体(a)としては、芳香族ビニル系単量体(a1)のみを使用してもよいし、メタアクリル酸エステル単量体(a2)のみを使用してもよい。また、芳香族ビニル系単量体(a1)、及びメタアクリル酸エステル単量体(a2)を、組み合わせて使用してもよい。
また、接着剤用水性エマルジョン(1)を構成する水性エマルジョン(A)及び水性エマルジョン(B)の製造に用いられるアクリル酸エステル単量体(b)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート等が挙げられるがこれらには限定されない。好ましくは、ブチルアクリレート、又は2−エチルヘキシルアクリレートである。
接着剤用水性エマルジョン(1)を構成する水性エマルジョン(A)及び水性エマルジョン(B)の製造に用いられる(c)ヒドロキシル基含有ビニル系単量体としては、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられるがこれらには限定されない。好ましくはヒドロキシエチルアクリレート、又はヒドロキシエチルメタクリレートである。
接着剤用水性エマルジョン(1)を構成する水性エマルジョン(A)及び水性エマルジョン(B)の製造に用いられる芳香族ビニル系単量体及びメタアクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体(a)は、全単量体中5〜80質量%であることが好ましい。5質量%以上で耐煮沸接着性が良好であり、80質量%以下で常態接着性が良好である。より好ましくは、10〜60質量%である。接着剤用水性エマルジョン(1)を構成する水性エマルジョン(A)及び(B)の製造に用いられるアクリル酸エステル単量体(b)は全単量体中5〜80質量%がよい。(メタ)アクリル酸エステル単量体が5質量%以上で耐煮沸接着性が良好であり、80質量%以下で常態接着性が良好である。より好ましくは、10〜60質量%である。接着剤用水性エマルジョン(1)に用いられるヒドロキシル基含有ビニル系単量体(c)は全単量体中0.5〜5質量%がよい。0.5質量%以上で常態接着性が良好であり、且つポットライフ、耐煮沸接着性も良好であり、また、5質量%以下でポットライフが良好であり、常態接着性、耐煮沸接着性も良好である。より好ましくは1〜4質量%である。
ガラス転移点が5℃以上50℃以下の水性エマルジョン(A)の製造にあたっては、所定のガラス転移点を得るために、芳香族ビニル系単量体及びメタアクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体(a)が、アクリル酸エステル単量体(b)より多いことが好ましい。ガラス転移点が−30℃以上5℃未満の水性エマルジョン(B)の製造にあたっては、所定のガラス転移点を得るために、芳香族ビニル系単量体及びメタアクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体(a)が、アクリル酸エステル単量体(b)より少ないことが好ましい。
上記単量体(a)から(c)に加えて、接着剤組成物に要求される様々な品質・物性を改良するために、上記以外の単量体成分を使用することができる。上記以外の単量体として、例えば不飽和カルボン酸単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又はそのモノエステル、フマル酸又はそのモノエステル、イタコン酸又はそのモノエステルなどを用いることができる。好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸の不飽和カルボン酸単量体であり、さらに好ましくはアクリル酸、メタクリル酸である。
また、アミド基含有ビニル単量体、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等を用いることができ、シアノ基含有ビニル単量体、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等を用いることもできる。
更に、架橋性単量体として、ラジカル重合性の二重結合を2個以上有している単量体や、又は重合中、重合後に自己架橋構造を与える官能基を有している単量体を用いることもできる。ラジカル重合性の二重結合を2個以上有している単量体としては、例えばジビニルベンゼン等のラジカル重合性の二重結合を2個以上有している芳香族化合物、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレート、ポリオキシプロピレンジアクリレート、ポリオキシプロピレンジメタクリレート等のポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート等のアルキルジオールジ(メタ)アクリレート等のジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のトリオールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等のテトラオール(メタ)アクリレート等の2個以上の(メタ)アクリル酸とのエステル化合物等を挙げることができるがこれらには限定されない。
重合中、重合後に架橋構造を与える官能基を有している単量体としては、例えばエポキシ基含有ビニル単量体、メチロール基含有単量体、アルコキシメチル基含有単量体、加水分解性シリル基を有するビニル単量体、例えばビニルトリクロロシラン、ビニリトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができるがこれらには限定されない。
また、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基などの官能基を有する各種のビニル単量体、さらには酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなども所望に応じて使用できる。
本発明の接着剤用水性エマルジョン(1)のガラス転移温度Tgは−40℃〜40℃が好ましい。−40℃以上で耐煮沸接着性が良好であり、40℃以下で常態接着性が良好である。好ましくは−30℃〜30℃である。
なお、ここで言う重合体のガラス転移温度は、単量体のホモ重合体のガラス転移温度と単量体の共重合比率より次式によって定義することが可能である。
1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・
Tg:単量体1、2・・・よりなる重合体のガラス転移温度(゜K)
、W・・:単量体1、単量体2、・・の質量分率
ここでW+W+・・=1
Tg、Tg・・:単量体1、単量体2、・・のホモ重合体のガラス転移温度(゜K)
また、本発明の接着剤用水性エマルジョン(1)のガラス転移温度Tgは、水性エマルジョン(A)及び(B)のガラス転移温度と質量比率より次式によって定義することが可能である。
1/Tg=W/Tg+W/Tg
Tg:水性エマルジョン(A)のガラス転移温度(゜K)
Tg:水性エマルジョン(B)のガラス転移温度(゜K)
:水性エマルジョン(A)の質量分率
:水性エマルジョン(B)の質量分率
ここでW+W=1
計算に使用する単量体のホモ重合体のTg(゜K)は、例えばポリマーハンドブック(Jhon Willey & Sons)に記載されている。本願において用いた数値を例示する。カッコ内の値がホモ重合体のTgを示す。ポリスチレン(373゜K)、ポリメチルメタクリレート(378゜K)、ポリブチルアクリレート(219゜K)、ポリ2−エチルヘキシルアクリレート(205゜K)、ポリアクリル酸(379゜K)、ポリメタクリル酸(403゜K)、ポリアクリロニトリル(373゜K)、ポリ2−ヒドロキシエチルアクリレート(258゜K)、ポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレート(328゜K)である。
水性エマルジョン(A)のガラス転移温度は5℃以上50℃以下であり、好ましくは10℃以上40℃以下である。ガラス転移温度が5℃以上50℃以下のとき、常態接着性、耐煮沸接着性が良好である。
水性エマルジョン(B)のガラス転移温度は−30℃以上5℃未満であり、好ましくは−20℃以上0℃以下である。ガラス転移温度が−30℃以上5℃未満のとき、初期接着性、耐煮沸接着性が良好である。
接着剤用水性エマルジョン(1)は、ガラス転移温度が10℃以上40℃以下である水性エマルジョン(A)とガラス転移温度が−30℃以上5℃未満である(B)の質量比が95/5から70/30であることが好ましい。より好ましくは、90/10〜80/20である。この質量比を保っていると、耐煮沸接着性がより向上する。
乳化重合で好ましく用いられる界面活性剤とは、一分子中に少なくとも一つ以上の親水基と一つ以上の親油基を有する化合物を指す。この界面活性剤としては、工業的に使用しやすいことからエチレン性二重結合を有しない所謂「非反応性」界面活性剤が好ましく用いられる。また、更に耐煮沸性を向上させるためには、一分子中に少なくとも一つ以上のエチレン性二重結合を有する所謂「反応性」界面活性剤を用いることも好ましい。「非反応性」界面活性剤と「反応性」界面活性剤を併用してもよい。これらの界面活性剤は一種又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
非反応性界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。非反応性のアニオン性界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられるがこれらには限定されない。また非反応性のノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどが挙げられるがこれらには限定されない。
反応性界面活性剤の中でアニオン性界面活性剤としては、例えばスルホン酸基、スルホネート基又は硫酸エステル基及びこれらの塩を有するエチレン性不飽和単量体が挙げられる。特に、スルホン酸基、又はそのアンモニウム塩かアルカリ金属塩である基(アンモニウムスルホネート基、又はアルカリ金属スルホネート基)を有する化合物であることが好ましい。例えばアルキルアリルスルホコハク酸塩(三洋化成(株)エレミノール(商標)JS−2等)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル塩(第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)HS−10等)、α−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩(旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)SE−1025N等)、アンモニウムα−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン(第一工業製薬(株)製アクアロンKH−10等)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム(花王(株)製ラテムル(商標)PD−104等)、スチレンスルホン酸塩などが挙げられるがこれらには限定されない。
また、反応性界面活性剤でノニオン性界面活性剤としては、例えばα−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(旭電化工業(株)製アデカリアソープNE−20、NE−30、NE−40等)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル(第一工業製薬(株)製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50等)などが挙げられるがこれらには限定されない。
非反応性界面活性剤及び/又は反応性界面活性剤の量としては、単量体組成物100質量部に対してアニオン性界面活性剤0.1〜5質量部あるいはノニオン性界面活性剤0.1〜5質量部を用いることができる。
界面活性剤の添加は重合前、重合中、又は重合後いずれでもよい。
重合開始剤としては、熱又は還元性物質によりラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであり、無機系開始剤及び有機系開始剤のいずれも使用できる。このような重合開始剤としては、水溶性、油溶性の重合開始剤が使用できる。水溶性の重合開始剤としては例えばペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、水溶性のアゾビス化合物、過酸化物−還元剤のレドックス系などが挙げられ、ペルオキソ二硫酸塩としては例えばペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(NPS)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)などが挙げられ、過酸化物としては例えば過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオキシド、過酸化ベンゾイルなどが挙げられ、水溶性アゾビス化合物としては、例えば2,2−アゾビス(N−ヒドロキシエチルイソブチルアミド)、2、2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩化水素、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)などが挙げられ、過酸化物−還元剤のレドックス系としては、例えば先の過酸化物にナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、及びその塩、第一銅塩、第一鉄塩などの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いることもできる。
乳化重合における重合温度は、通常60〜100℃の範囲で選ばれるが、前記レドックス重合法等により、より低い温度で重合を行ってもよい。また、例えば2段階重合においては、第1段での重合温度と第2段での重合温度は同じでも異なっていてもよい。
また連鎖移動剤としては、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン;テトラメチルチウラジウムジスルフィドなどのジスルフィド類;四塩化炭素などのハロゲン化誘導体;α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられ、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくはn−ドデシルメルカプタンである。
水性エマルジョン(A)及び(B)の光散乱法で測定される体積平均粒子径は100〜600nmであるとポットライフ、接着性が良好であり好ましい。より好ましくは250〜400nmである。粒子径コントロール方法は特に限定されず、当該技術分野において用いられる方法を適宜使用することができる。例えば、シード粒子、界面活性剤の使用割合などによって調整することができ、一般にそれらの使用割合を高くするほど生成するエマルジョンの平均粒子径は小さくなり、低くするほど平均粒子径が大きくなる傾向がある。なお、シード粒子の重合は、本発明のエマルジョンの重合に先だって同一反応容器で行っても、異なる反応容器で重合したシード粒子を用いてもよい。
接着剤用水性エマルジョン(1)には、pH調整のために塩基性化合物を含有させてもよい。塩基性化合物としては、例えば塩基性アルカリ金属化合物、アミン類が挙げられる。塩基性アルカリ金属化合物としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、有機カルボン酸塩などが挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。また炭酸水素塩、炭酸塩としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等を挙げることができる。またアルカリ金属の有機カルボン酸塩として、例えば酢酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。アミン類としては、例えばアンモニア、ジメチルアミノエタノールなどが挙げられる。
塩基性化合物の含有量は、例えば水性樹脂分散体のpHが4〜12の範囲に調整されるものであり、さらに好ましくは水性樹脂分散体のpHが5〜10の範囲に調整されるものである。
本発明の接着剤用水性エマルジョン(1)は、イソシアネート系化合物(2)と組み合わせて、接着剤組成物として使用することができる。イソシアネート系化合物(2)としては一分子中にイソシアネート基を2個以上含むものであればよく、例えばトリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビスジフェニルジイソシアネート、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート、水素化メチレンビスジフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられるがこれらには限定されない。また、水、多価アルコール、水酸基含有ポリエーテル、又は水酸基含有ポリエステルと、過剰のイソシアネート系化合物とを予め反応させて得られるイソシアネート系重合物であってもよい。好ましくは疎水性のイソシアネート系化合物であり、さらに好ましくはトリレンジイソシアネート、メチレンビスジフェニルジイソシアネート、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート、及びそれらの重合物である。
本発明の一実施形態である接着剤組成物において、水性エマルジョン(1)の固形分100質量部に対して、イソシアネート系化合物(2)は通常1〜150質量部である。1質量部以上で接着性能が良好となり、150質量部以下でポットライフが良好である。好ましくは2〜100質量部である。
接着剤組成物の性能を向上させるために、以下の材料を配合してもよい。例えば、水溶性樹脂、溶剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、分散剤、着色剤、耐水化剤、潤滑剤、防腐剤、無機顔料、有機顔料、界面活性剤、イソシアネート系化合物以外の架橋剤、例えばエポキシ系化合物、多価金属化合物などが挙げられる。
水溶性樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、エチレン性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、セルロース系樹脂(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、カルボキシセルロース等)、キチン、キトサン、デンプン類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ゼラチン、カゼイン類、シクロデキストリン類、水性硝化綿等を挙げることができるがこれらには限定されない。ポリビニルアルコールは完全けん化、部分けん化のいずれでもよい。特にポリビニルアルコールが好ましい。
無機又は有機の顔料としては、例えば無機顔料ではマグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、チタン、アルミニウム、アンチモン、鉛などの各種金属酸化物、水酸化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩又は珪酸化合物などが挙げられる。具体的には例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、石膏、バライト粉、アルミナホワイト、サチンホワイトなどを挙げることができるがこれらには限定されない。有機顔料ではポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの固体高分子微粉末などが挙げられるがこれらには限定されない。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。本発明は、これらによって限定されるものではない。なお、例中の部数はすべて有り姿での部数(即ち、水性エマルジョンは水を含有したそのものの部数である)を示した。また、「部」は特に断らない限り「質量部」を示すものである。
[特性、物性の測定]
各特性は次のようにして求めた。
(1)粒子径:
光散乱法により測定を行った。
測定装置としては粒径測定装置(LEED & NORTHRUP社製、MICROTRAC TMUPA150)を用い、体積平均粒子径を測定した。
(2)ポットライフ:
下記に示す配合組成の主剤(接着剤用水性エマルジョン(1)を含む)100質量部に、イソシアネート系化合物(2)としてMR−100(日本ポリウレタン(株)製、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート)(登録商標)を10部配合し、激しく5分間攪拌を行った。
その後、20℃に放置し、ゲル化するまでの時間を測定した。90分以上を合格とした。なお、ゲル化の判定は、15分毎にスパチュラで軽く攪拌を行い、攪拌できなくなった時点とした。
主剤の配合組成
接着剤用水性エマルジョン(1)(固形分50%):40質量部
ポリビニルアルコール(固形分15%):30質量部
炭酸カルシウム:30質量部
ポリビニルアルコールは(株)クラレ製PVA217(登録商標)を用いた。なお、主剤の製法は以下の通り。先ず、水性エマルジョンを攪拌しながら炭酸カルシウムを投入し、10分間攪拌を行う。次いで、ポリビニルアルコールを攪拌下に添加し、さらに10分間攪拌を行った。
(3)接着性試験:
a.初期接着性:(2)のポットライフ試験に用いた配合品(イソシアネート混合後10分以内に使用)を接着剤として使用した。試験片の作製条件はJIS K 6806に準拠した。圧締20分後、接着性試験(圧縮せん断接着強度)をJIS K 6852に基づいて測定した。4.0MPa以上を合格とした。
b.常態接着性 :(2)のポットライフ試験に用いた配合品(イソシアネート混合後10分以内に使用)を接着剤として使用した。試験条件はJIS K 6806に準拠した。但し、養生7日とした。15MPa以上を合格とした。
c.耐煮沸接着性試験:(2)のポットライフ試験に用いた配合品(イソシアネート混合後10分以内に使用)を接着剤として使用した。試験条件はJISK6806に準拠した。但し、沸騰水浸漬は次の条件とした。試験片を沸騰水中に4時間浸漬した後、60±3℃の空気中で20時間乾燥し、更に沸騰水に4時間浸漬する。その後再度60±3℃の空気中で20時間乾燥し、更に沸騰水に4時間浸漬し、その後濡れたままの状態で試験を行った。6.5MPa以上を合格とした。
d.接着性阻害成分含有木材を用いたときの接着強さ:市販ロジン樹脂を10%トルエン/ミネラルスピリット混合溶液とし、接着性試験に用いる木材表面に刷毛で2回塗布した。常温で1週間放置した。これを接着性阻害成分含有木材とした。その後、b.と同様に試験片を作製し、耐煮沸接着強さを測定した。6.0MPa以上を合格とした。
(4)顔料配合後の貯蔵安定性試験:
貯蔵安定性試験用に、下記に示す主剤配合品を作製した。なお、主剤作製は(2)で挙げた方法と同じであるが、全ての材料を投入したのち、攪拌を2時間行った。その後、60℃の乾燥機に4週間放置し、作製直後の20℃での粘度と4週間放置後の20℃での粘度の比(粘度(4週間放置後)/粘度(作製直後))を求めた。2.0以下を合格とする。
主剤の配合組成
接着剤用水性エマルジョン(1)(固形分50%):40質量部
(貯蔵安定性用) ポリビニルアルコール(固形分15%):40質量部
炭酸カルシウム:40質量部
(5)ガラス転移温度(Tg)
水性エマルジョン(A)及び(B)のTgは、当該水性エマルジョンの原料となる各単量体のガラス転移温度、及び質量分率から、段落[0020]記載の式に従って計算した。
〔製造例1〜13〕
表1、表2に示す単量体組成物を用いて水性エマルジョン1〜13を得た。具体的方法は以下の通りである。
表1、又は表2に示す全単量体1000質量部に、エマルゲン150(花王(株)製、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)(登録商標)の20%水溶液40質量部、エマールD−3−D(花王(株)製、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムの25%水溶液)(登録商標)30質量部、ペルオキソ二硫酸アンモニウム5質量部、水440質量部を添加し、ホモミキサーで攪拌を行い、プレ乳化液を作製した。
別に攪拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた反応容器に、表1、表2に示すシード粒子(平均粒子径40nm メチルメタクリレート/ブチルアクリレート=50/45(質量比)系重合体 固形分35%)の水性分散体を所定量投入し、さらに水350質量部を仕込み、内温を80℃に昇温し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.5質量部を水25質量部に溶解したものを添加した。これに、前記のプレ乳化物を4時間かけて一定流速で添加した。その後80℃の温度のまま、1時間保ち、さらにペルオキソ二硫酸アンモニウム1質量部が水25質量部に溶解したものを添加し、同温度で1時間重合を続けた。1時間経過後、冷却し、濃度10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを7とした。その後、200メッシュの金網を用いてろ過を行い、次いで固形分が50質量%となるよう水を配合し、水性エマルジョンを得た。
Figure 2013181111
Figure 2013181111
〔実施例1〜12〕
表3に記載のエマルジョンを用いた主剤配合品を作製し、評価を行った。その評価結果も合わせて表3に示す。
Figure 2013181111
〔比較例1〜4〕
表4に記載のエマルジョンを用いた主剤配合品を作製し、評価を行った。その評価結果も合わせて表4に示す。
Figure 2013181111
実施例1〜4は、すべての項目で合格レベルにあり、優れている。
実施例5は、ポットライフが実施例1〜4に比べ劣るが、すべての項目で合格レベルにある。
実施例6は、ポットライフ、接着性阻害成分含有木材使用時の接着強さが実施例1〜4に比べ劣るが、合格レベルにある。
実施例7は、初期接着強さが実施例1〜4に比べ劣るが、合格レベルにある。
実施例8は、ポットライフ、接着性阻害成分含有木材使用時の接着強さが実施例1〜4に比べ劣るが、合格レベルにある。
実施例9、10は、ポットライフが実施例1〜4に比べ劣るが、すべての項目で合格レベルにある。
実施例11、12は、ポットライフ、初期接着強さ、接着性阻害成分含有木材使用時の接着強さが実施例1〜4に比べ劣るが、合格レベルにある。
比較例1では、水性エマルジョン(B)を含まないため、初期接着性に劣る。比較例2では、水性エマルジョン(A)を含まないため、耐煮沸接着性に劣る。比較例3では粒子径が小さくガラス転移点も低いため単独使用ではすべてに劣る。
本発明の水性エマルジョン及びその組成物は、合板、集成材などの木材用接着剤として好適である。それ以外にも例えばパーティクルボード用、段ボール用、あるいは金属箔接着用、紙用、布用、繊維加工用、さらには陶磁器用、無機板用、塩ビ、ポリプロピレンなどのプラスチックシート用、ガラス板用などの接着剤としても適用できる。

Claims (3)

  1. (A)(a)芳香族ビニル系単量体及びメタアクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体、(b)1種以上のアクリル酸エステル単量体、及び(c)1種以上のヒドロキシル基含有ビニル単量体を含む単量体組成物を乳化重合して得られるガラス転移点が5℃以上50℃以下の水性エマルジョン、並びに
    (B)(a)芳香族ビニル系単量体及びメタアクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体、(b)1種以上のアクリル酸エステル単量体、及び(c)1種以上のヒドロキシル基含有ビニル単量体を含む単量体組成物を乳化重合して得られるガラス転移点が−30℃以上5℃未満の水性エマルジョン、を含んでなる接着剤用水性エマルジョン。
  2. 前記水性エマルジョン(A)と前記水性エマルジョン(B)との質量比が95/5から70/30であることを特徴とする、請求項1に記載の接着剤用水性エマルジョン。
  3. 請求項1又は2に記載の接着剤用水性エマルジョン(1)と、イソシアネート系化合物(2)とを含むことを特徴とする接着剤組成物。
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