JPH0890508A - 突板化粧板の製造方法 - Google Patents

突板化粧板の製造方法

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JPH0890508A
JPH0890508A JP23509894A JP23509894A JPH0890508A JP H0890508 A JPH0890508 A JP H0890508A JP 23509894 A JP23509894 A JP 23509894A JP 23509894 A JP23509894 A JP 23509894A JP H0890508 A JPH0890508 A JP H0890508A
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rubber latex
decorative board
synthetic rubber
weight
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JP23509894A
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English (en)
Inventor
Takeshi Ito
武志 伊藤
Kazuya Shinoda
一弥 新小田
Masao Kishi
岸  正夫
Akihiro Takahashi
昭博 高橋
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 突板化粧板用台板の表面に、アクリル系エマ
ルション、合成ゴムラテックス、ポバール水溶液、アミ
ノ系縮合樹脂、イソシアネート化合物、無機・有機充填
剤、金属架橋剤及び強酸の中から選ばれた接着剤組成物
を塗布したプライマー層をもうけ、突板を接着すること
を特徴とする、台板から突板への応力を緩和することに
より突板表面の干割れを生じない突板化粧板の製造方
法。 【効果】 本発明の方法で製造される突板化粧板は、耐
干割れ性、耐温水性、耐煮沸性等に優れ、突板化粧板の
製造方法として極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合板等のリグノセルロー
ス成型板を基板とした突板化粧板の製造方法に関する。
更に詳しくは、突板表面への接着剤の浸み出し汚染防止
と、寒熱繰り返し試験により突板が干割れを起こすこと
なく、耐温水及び耐煮沸接着力に優れた突板化粧板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、突板化粧板用接着剤又はバインダ
ーとしては、熱硬化性である尿素系縮合樹脂、メラミン
系縮合樹脂、メラミン−尿素系縮合樹脂又は尿素−メラ
ミン系縮合樹脂(以下アミノ系縮合樹脂と略称する)を
単独で用いる他、これ等アミノ系縮合樹脂と酢酸ビニル
系エマルション又はスチレン−ブタジエン系共重合体ラ
テックスの配合物が広く用いられている。通常これらの
接着剤又はバインダーの実際の使用に当たっては、水、
小麦粉、硬化剤等を配合後(以下配合糊と略称する)、
被着体に種々の方法で塗布し、加熱圧締され製造されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】突板化粧板は周知のご
とく床材、壁材、家具類等に多用されている。突板の厚
さが薄くなるほど突板表面への接着剤の浸み出し及び干
割れ(木目に沿って発生する細かい亀裂)が多発生する
問題がある。干割れの発生は、化粧板用台板が四季の温
度変化や、湿度の変化により木材繊維が膨張と収縮を繰
り返し、台板表面に微細な亀裂がはいり表面の突板にそ
のまま移行することが判明している。これらを改良する
接着剤として、特公昭53−21696号公報には、カ
ルボキシル基を有するゴムラテックスと、ブタジエン、
スチレン、マレイン酸のエトキシ化アルコールエステ
ル、エチレン系不飽和カルボン酸からなる共重合体とエ
ポキシ化合物を混合した接着剤が提案されている。
【0004】しかし、この変性合成ゴムラテックスとエ
ポキシ化合物の混合物接着剤においても、耐水接着力は
得られるが、台板の微細な亀裂の応力緩和ができない為
突板表面の干割れ防止は十分でない。また、特公昭56
−34196号公報では、ブタジエン又はイソプレンの
共役ジエンとこれらを共重合するビニルモノマーとアミ
ノ基やN−メチロール基などと反応する反応性モノマー
とを共重合した変性合成ゴムラテックスとアミノ系縮合
樹脂との混合物で接着する提案がなされているが、アミ
ノ系縮合樹脂を併用している関係上、耐温水性及び耐煮
沸性等の接着力は優れるものの、突板表面の干割れ防止
には限界がある。接着剤の改良以外に特公昭52−63
30号公報には、突板用接着剤に長さ1〜6mmのガラ
ス繊維または同効性の繊維を1〜8%混合して錯綜状に
分散させ、この接着剤にて化粧単板を台板に接着する提
案がなされているが、台板と突板の伸縮運動を完全に阻
止出来ていない為、相互移行を生じ突板の干割れが発生
する。従来の接着剤の改良に比べ、干割れ発生は減少す
るが十分ではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、突板表面
への接着剤の浸み出し汚染、耐水接着力、更には木材の
耐膨張、耐収縮を具備した接着剤の開発及び干割れのメ
カニズム等の検討を重ねた結果、台板の表面に発生する
伸縮運動に対して、突板と台板の伸縮運動の相互移行を
阻止させるには、台板表面にプライマー層をもうけ、突
板を接着することにより突板表面の干割れを防止するこ
とを見いだした。プライマー層は、塗膜を形成するアク
リル系エマルション、合成ゴムラテックス、ポバール水
溶液及びアミノ系縮合樹脂を用いることで台板から突板
への応力が緩和され、突板表面の干割れを生じない。ア
クリル系エマルション及び合成ゴムラテックスの耐水性
は、樹脂のTgと、一般的に言われる官能基モノマーの
影響が極めて大きいことを見いだした。即ち、耐水接着
力を付与するためにはアミド基を有するアクリルモノマ
ーを共重合させることが最も効果的である。しかし、ア
ミド基を有するアクリルモノマーを共重合させる場合、
重合時の安定性が悪くなる為、不飽和カルボン酸を共重
合させることで重合時の安定性が改良され、目的が達成
されることを見いだした。また、接着剤組成物にイソシ
アネート化合物を含有することにより耐水接着力が向上
することを見いだした。
【0006】更にアクリル系エマルションと合成ゴムラ
テックス中の不飽和カルボン酸を亜鉛化合物で金属架橋
するか、強酸を含有することでアクリル系エマルション
及び合成ゴムラテックスが自己架橋反応し、耐水接着力
は著しく向上すると共に、突板と台板間の相互移行を防
止することを見いだした。接着剤組成物に無機又は有機
充填剤を含有することで、接着剤組成物中の固形分が上
がることにより乾燥性、造膜性が向上すると共に、台板
と表面の突板間の応力が緩和がされ耐干割れ性はさらに
向上する。
【0007】即ち本発明は、次の(1)〜(8)の通り
である。 (1)突板化粧板の台板と突板接着層の間に、アクリル
系エマルション(a)、合成ゴムラテックス(b)、ポ
バール水溶液(c)及びアミノ系縮合樹脂(d)の中か
ら選ばれた少くとも1種を含有してなる接着剤組成物を
台板の表面に塗布しプライマー層をもうけ、突板を接着
することを特徴とする突板化粧板の製造方法。 (2)接着剤組成物が、イソシアネート化合物もしくは
その重合物及び/又は金属架橋剤もしくは強酸を含有す
ることを特徴とする(1)記載の突板化粧板の製造方
法。 (3)接着剤組成物が、無機充填剤及び/又は有機充填
剤を含有することを特徴とする(1)又は(2)記載の
突板化粧板の製造方法。 (4)アクリル系エマルション(a)が、芳香族ビニル
系モノマー、不飽和カルボン酸エステルモノマー、アミ
ド基を有するアクリルモノマー及び不飽和カルボン酸の
共重合体からなることを特徴とする(1)、(2)又は
(3)記載の突板化粧板の製造方法。 (5)合成ゴムラテックス(b)が、ブタジエン、芳香
族ビニル系モノマー、不飽和カルボン酸エステルモノマ
ー及びアクリルニトリルの中から選ばれた少くとも1種
類のモノマー、アミド基を有するアクリルモノマー及び
不飽和カルボン酸の共重合体からなることを特徴とする
(1)、(2)又は(3)記載の突板化粧板の製造方
法。 (6)アクリル系エマルション(a)及び合成ゴムラテ
ックス(b)のガラス転移温度(Tg)が、いずれも−
30〜+90℃であることを特徴とする(1)、(2)
又は(3)記載の突板化粧板の製造方法。 (7)アクリル系エマルション(a)及び合成ゴムラテ
ックス(b)が、いずれもモノマー総量100重量部
中、アミド基を有するアクリルモノマーが1〜6重量部
共重合されたものであることを特徴とする(1)、
(2)又は(3)記載の突板化粧板の製造方法。 (8)アクリル系エマルション(a)及び合成ゴムラテ
ックス(b)が、いずれもモノマー総量100重量部
中、カルボキシル基を有するアクリルモノマーが1〜1
0重量部共重合されたものであることを特徴とする
(1)、(2)又は(3)記載の突板化粧板の製造方
法。
【0008】本発明の突板化粧板の製造方法は、接着剤
組成物をロールコーター、ナイフコーター等の種々の方
法で被着体へ塗布し、ドライヤー等で熱硬化させプライ
マー層をもうけ突板化粧板用接着剤を塗布し突板を接着
するか、接着剤組成物をロールコーター、ナイフコータ
ー等の種々の方法で被着体へ塗布し、プライマー層をも
うけ熱硬化させることなく突板化粧板用接着剤を塗布し
突板を接着する方法である。具体的には、従来の突板用
接着剤の接着層の下(台板表面)にプライマー層をもう
け台板から表面の突板への応力を緩和することにより突
板干割れを防止する。プライマー層をもうけた台板を使
用した場合、突板を接着する接着剤は特に限定は無い。
従来の突板接着用接着剤の塗布量を増やし突板を接着を
した場合、突板表面に接着剤が浸み出しを生じ製品価値
を著しく低下させる為、プライマー層をもうけてからの
突板接着とは方法は異なる。アクリル系エマルションの
重合法は一般的な製造方法として、一段重合からなる単
層構造、或いは多段重合からなる異相構造からなるアク
リル系エマルションがあるが、本発明に用いられるアク
リル系エマルション(a)はどちらの構造のものでも良
い。
【0009】アクリル系エマルション(a)の乳化重合
に用いる芳香族ビニル系モノマーとしは、スチレン、α
メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が、不飽和カルボ
ン酸エステルモノマーとしては、メチルメタアクリレー
ト、エチルアクリレート、イソブチルメタアクリレー
ト、tertブチルメタアクリレート、酢酸ビニル、ア
クリルニトリル、イソブチルアクリレート、nブチルア
クリレート、2エチルヘキシルアクリレート、2エチル
ヘキシルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート
等の4〜12のアルキル基を有するアクリル酸もしくは
メタアクリル酸エステル等が挙げられるが、中でも経済
性、乳化重合のし易さからスチレン又はメチルメタアク
リレートが好ましい。
【0010】アクリル系エマルション(a)の乳化重合
に用いるアミド基を有するアクリルモノマーとしてはア
クリルアミド、メタアクリルアミド、マレイミド、N−
メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリ
ルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−イ
ソプロポキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチ
ルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルア
ミド、N−オクチロキシメチルアクリルアミド、N−カ
ルボキシメチルアクリルアミド等が挙げられ、中でも接
着力、耐水性、耐温水性、耐煮沸性等からメチロール基
を有するN−メチロールアクリルアミド及びN−メチロ
ールメタアクリルアミドが好ましい。
【0011】アクリル系エマルション(a)の乳化重合
に用いる不飽和カルボン酸としては、モノカルボン酸と
してアクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等が、ジ
カルボン酸としてイタコン酸、マレイン酸、フマール酸
等が挙げられる。前記不飽和カルボン酸中、アミド基を
有するアクリルモノマーとの共重合性と、乳化重合時の
安定性及び機械的安定性から見るとモノカルボン酸が、
機械的安定性を考慮するとジカルボン酸が好ましく、具
体的にはモノカルボン酸とジカルボン酸の併用が好まし
い。
【0012】合成ゴムラテックスの重合法は一般的な製
造方法として、一段重合からなる単層構造、或いは多段
重合からなる異相構造からなる合成ゴムラテックスがあ
るが、本発明に用いられる合成ゴムラテックス(b)は
どちらの構造のものでも良い。 合成ゴムラテックス
(b)の乳化重合に用いられるモノマーは、上記アクリ
ル系エマルション(a)に於いて用いられるモノマー及
びブタジエン、アクリルニトリルが挙げられる。
【0013】本発明のポバール水溶液(c)に使用され
るポバールは、ケン化度40〜100モル%、平均重合
度200〜4000の水溶性のもので、接着剤組成物に
含有させるため水に溶かした物を使用した方が良い。前
記ポバールの中でもケン化度60〜95モル%のものが
好ましい。
【0014】本発明の接着剤組成物に用いられるアミノ
系縮合樹脂(d)は、尿素樹脂、尿素−メラミン樹脂、
メラミン−尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。中
でも耐水性の面から、尿素−メラミン樹脂、メラミン−
尿素樹脂が好ましい。アミノ系縮合樹脂のホルマリンと
のモル比については特に限定はない。また、アミノ系縮
合樹脂を使用する場合、硬化剤として下記に挙げる強酸
の他、塩化アンモニウム水溶液又はアンモニウム塩の水
溶液を使用する方が好ましい。
【0015】接着剤組成物のアクリル系エマルション
(a)、合成ゴムラテックス(b)、ポバール水溶液
(c)及びアミノ系縮合樹脂(d)の含有は、任意でか
まわない。単独で使用したり或いは、下記に挙げるイソ
シアネート化合物の含有、無機又は有機充填剤の含有、
強酸又は金属架橋剤を含有し使用できる。中でもポバー
ル水溶液は単独で使用するより、無機又は有機充填剤の
含有及び/又はイソシアネート化合物の含有が好まし
い。
【0016】本発明に用いられるイソシアネート化合物
又はその重合物としては、例えばジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、
ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート
及びポリイソシアネート類のほか、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート(HDI)、リジンメチルエステルジイソ
シアネート類の脂肪族イソシアネート及びポリイソシア
ネート類、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネ
ート等の脂環式イソシアネート及びポリイソシアネート
類が挙げられるが、毒性や価格の面よりMDIの使用が
好ましい。接着剤組成物にイソシアネート化合物又はイ
ソシアネートを含有することにより、アクリル系エマル
ション、合成ゴムラテックス中のカルボキシル基、メチ
ロールアミド基と反応し耐水性が向上する。また、接着
剤組成物中にポバール水溶液が含有している場合にはポ
バールが持つ水酸基と反応し耐水性が向上する。実際の
使用に当たっては、接着剤組成物100重量部に対し、
0.1〜30重量部が良い。好ましくは、0.5〜20
重量部である。0.1重量部未満の含有では接着力が向
上せず含有の意味がない。30重量部以上含有した場
合、接着剤組成物の可使時間が短くなりすぎてしまい、
接着剤組成物の被着体への安定的な塗布状態が得られな
かったり、場合によっては被着体へ塗布する前に硬化し
てしまう。
【0017】本発明に用いられる金属架橋剤としては、
例えば炭酸亜鉛アンモニウム、酢酸亜鉛アンモニウム、
ジルコニルアンモニウムカーボネート等が挙げられる。
中でも、使いやすさから炭酸亜鉛アンモニウムが好まし
い。例えば蒸留水112重量部に亜鉛12重量部と炭酸
アンモニウム20重量部を撹拌配合し、28%アンモニ
ア水を50重量部用い、pHが9〜10となるまで徐々
に添加することで、16%の炭酸亜鉛アンモニウムの透
明な水溶液が得られる。本炭酸亜鉛アンモニウムの含有
割合は、アクリル系エマルション及び合成ゴムラテック
ス中の不飽和カルボン酸総量に対し、亜鉛モル数比とし
て0.1〜1.0モル含有することにより、カルボキシ
ル基と亜鉛キレート反応により耐水接着力が著しく向上
する。0.1モル未満の場合十分な耐水接着力が得られ
ず、等モル(1.0)以上の場合接着剤組成物の固形分
及び粘度低下を起こすと同時に、耐水接着力は平衡状態
となり増量の意味はない。
【0018】強酸としては、有機又は無機の酸が有用で
あり、例えばマレイン酸、パラトルエンスルホン酸、硫
酸、塩酸、硝酸等を挙げられる。強酸の実際の使用に当
たっては、メチロール基を有するN−メチロールアクリ
ルアミド及びN−メチロールメタアクリルアミドを共重
合させたアクリル系エマルション及び合成ゴムラテック
スを使用する場合で、有効成分で30%以下に水で希釈
したものを用いる。30%を超えると添加時にアクリル
系エマルション及び合成ゴムラテックスがショックを生
じ、接着剤組成物の流動性が著しく低下してしまう。ま
た、部分的に凝集を生じ安定的な塗布状態が得られなか
ったり、接着剤組成物の硬化が速すぎ、台板との密着性
が悪くなり、突板化粧板成型品の常態強度は勿論、耐水
接着力も得られない。
【0019】強酸の含有割合は、接着剤組成物中のアク
リル系エマルション、合成ゴムラテックス100重量部
に対し、酸有効成分で0.2〜2.0重量部含有するこ
とで自己架橋反応により耐水接着力が向上する。0.2
重量部未満の場合は十分な硬化が進まず耐水接着力が得
られない。2.0重量部を超えるとアクリル系エマルシ
ョン及び合成ゴムラテックスがショックを生じ、接着剤
組成物の流動性が著しく低下してしまう。また、部分的
に凝集を生じ安定的な塗布状態が得られなかったり、接
着剤組成物の硬化が速すぎ、台板との密着性が悪くなり
突板化粧板成型品の常態強度は勿論、耐水接着力も得ら
れなくなる。
【0020】無機充填剤としては、例えばクレー、タル
ク、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硅砂、スレート
粉、マイカ粉、ガラス粉末、亜鉛華、二酸化チタン、カ
オリン、硅石粉(石英)、硅藻土、ベントナイト、雲
母、寒水、軽石、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、石膏、硫酸バリウム、水酸化マ
グネシウム等を挙げられる。有機充填剤としては、例え
ば小麦粉、スターチ、木粉、澱粉、大麦粉、米粉、塩ビ
粉、酢ビ粉、尿素樹脂填料、メラミン樹脂填料、尿素−
メラミン樹脂填料等が挙げられる。中でも原料の価格、
接着剤組成物の流動性を考慮するとクレー、タルク、炭
酸カルシウムが好ましい。無機又は有機充填剤の含有に
より、台板との密着性が向上する。また、接着剤組成物
の固形分が上がり、乾燥性及び造膜性も良くなる。実際
の無機又は有機充填剤の接着剤組成物中の含有量として
は、接着剤組成物(アクリル系エマルション、合成ゴム
ラテックス、ポバール水溶液、アミノ系縮合樹脂及びイ
ソシアネート化合物)の固形分が1〜60重量%になる
よう含有する。好ましくは、10〜50%である。
【0021】アクリル系エマルション(a)及び合成ゴ
ムラテックス(b)のTgが、−30〜+90℃であ
る。室温での該エマルションの造膜性、突板の干割れ性
及び耐水接着力の点より−15〜+60℃が好ましい。
Tgが−30℃未満の場合耐水接着力が得られず、+9
0℃を超える場合は乳化重合時の安定性に欠け、場合に
よっては乳化重合中ゲル化の危険性がある。また、突板
の干割れ防止効果も得られない。
【0022】アクリル系エマルション(a)及び合成ゴ
ムラテックス(b)のアミド基を有するアクリルモノマ
ー量は、モノマー総量100重量部中、1〜6重量部で
ある。乳化重合時の安定性及び耐水接着力より好ましく
は2〜5重量部である。1重量部より少い場合は耐水接
着力が得られず、6重量部より多い場合は乳化重合時の
安定性が著しく低下し乳化重合中にゲル化を起こす危険
性が高い。
【0023】アクリル系エマルション(a)及び合成ゴ
ムラテックス(b)の不飽和カルボン酸量は、モノマー
総量100重量部中、1〜10重量部である。好ましく
はモノマー総量100重量部中、モノカルボン酸とジカ
ルボン酸とで2〜5重量部であり、アミド基を有するア
クリルモノマーとの共重合性と、乳化重合時の安定性及
び機械的安定性から見るとモノカルボン酸、ジカルボン
酸併用が好ましい。モノカルボン酸とジカルボン酸を併
用する場合、モノカルボン酸がモノマー総量100重量
部中、0.5〜5重量部で、機械的安定性を考慮すると
ジカルボン酸がモノマー総量100重量部中、0.5〜
5重量部である。不飽和カルボン酸が、モノマー総量1
00重量部中、1重量部より少い場合は、乳化重合時の
安定性が悪くなり重合中にゲル化を生じたり、機械的安
定性が低下し、ロールコーター等の塗布時に塗布性が悪
くなり被着体への安定な塗布状態が得られない。10重
量部より多い場合は乳化重合速度が著しく低下し、所定
の乳化重合時間内に重合が完結せず、残モノマーが多く
なり実用性に欠け耐水接着力も得られない。
【0024】以上のごとく本発明の突板化粧板の製造方
法は、突板化粧板の接着に於いて従来の方法にはないプ
ライマー層をもうけることにより、特に薄くスライスし
た突板表面への接着剤の浸み出し汚染と干割れ発生率が
低いことから、突板化粧板製造方法としての実用価値は
極めて高くその意義は大である。
【0025】本発明に使用するアクリル系エマルション
(a)の重合方法は一般的乳化重合法で良い。また、合
成ゴムラテックス(b)の製造方法は通常の合成ゴムラ
テックスの乳化重合法で良い。アクリル系エマルション
(a)及び合成ゴムラテックス(b)の重合には水、上
記単量体混合物、界面活性剤、連鎖移動剤合度調節
剤)、ラジカル重合開始剤を基本構成とする乳化重合法
であり、界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、ロジン酸石
鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスル
ホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩等のアニオン
性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレ
ンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン性
界面活性剤が挙げられ、通常アニオン性界面活性剤単独
またはアニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の
混合系で用いられ単量体混合物に対する使用割合として
は0.01〜5重量%の範囲が一般的である。
【0026】連鎖移動剤としてはn−オクチルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカ
プタン、メルカプトエタノール等のメルカプタン類、四
塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
【0027】ラジカル重合開始剤としては過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイド
ロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の
過酸化物、2、2−アゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾビス化合物等が挙げられるが、特に過硫酸塩が最も好
ましい。
【0028】なお、重合温度は通常60〜90℃の範囲
が一般的であるが重亜硫酸ソーダ、アスコルビン酸
(塩)、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合開始剤
に組合わせた低温レドックス重合も用いることができ
る。また所望によっては水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等のpH調
節剤等の重合調節剤を添加することもできる。
【0029】具体的な本発明の接着剤組成物は、例えば
1リットルビーカーに固形分50%のアクリル系エマル
ション(a)及び/又は合成ゴムラテックス(b)、ポ
バール水溶液(c)及びアミノ系縮合樹脂(d)を採集
し、撹拌下無機又は有機充填剤を混合し、撹拌下16%
の炭酸亜鉛アンモニウム水溶液又は強酸の水溶液及びイ
ソシアネート化合物を混合し得られる。
【0030】実際の突板化粧板用台板用接着剤組成物
は、例えばアクリル系エマルション(a)、合成ゴムラ
テックス(b)、ポバール水溶液(c)及びアミノ系縮
合樹脂(d)の含有物100gに対して10〜100g
の無機充填剤又は有機充填剤と、場合によっては水を加
え均一混合して用いる。先の16%の炭酸亜鉛アンモニ
ウム水溶液及び強酸水溶液に関しては、場合によっては
無機・有機充填剤混合の前後に混合しても良い。また、
イソシアネート化合物は一番最後に混合した方が良い。
【0031】本発明のプライマー層用接着剤組成物は、
所望の効果を阻害しない範囲で防腐剤、水、分散剤、消
泡剤、造膜助剤、可塑剤、着色剤及び凍結防止剤等を併
用しても良い。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の接着剤組成物の製造例、実
施例及び比較例をあげて説明するが本発明はこれらに限
定されるものではない。また、例中の部及び%は特に指
定のない限り重量基準による。また、表中の数字は特に
指定のない限り重量部を表す。 乳化重合時の安定性表示 G : フラスコ内付着及び粗大粒子が極めて僅少
(良好) LP : 粗大粒子あり GL : ゲル化 NP : 未反応(残モノマー量大) モノマーの名称 ST : スチレン BD : ブタジエン nBA : nブチルアクリレート N−MAM : Nメチロールアクリルアミド N−MMAM : Nメチロールメタアクリルアミド MAM : メタアクリルアミド AA : アクリル酸 IA : イタコン酸 HEMA : ヒドロキシエチルメタアクリレート MMA : メチルメタアクリレート tDM : tertドテシルメルカプタン
【0033】製造例 アクリル系エマルション
(a) 表−1の1〜18に示す組成割合の混合モノマー100
部と連鎖移動剤(tDM)の混合物を別々に予め計量
し、各々蒸留水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ0.5部中に、撹拌条下で滴下しプレ乳化モノマー
とした。別途、1リットルフラスコに蒸留水95部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1部仕込み、窒素
シール下で撹拌しながら70℃に昇温後、0.5部の過
硫酸カリウムとエマルションの種とすべく、nブチルア
クリレート、メチルメタアクリレート及びヒドロキシエ
チルメタアクリレートの等量混合モノマーを仕込み、3
0分反応させエマルション粒子の種を形成させた。次い
で、前記プレ乳化モノマーを3時間かけて連続滴下し、
残モノマーの反応を3時間行った後、40℃に冷却し1
4%アンモニア水を用いpH5に調整し、100メッシ
ュの金網でろ過し、固形分50%のアクリル系エマルシ
ョンを得た。
【0034】製造例 合成ゴムラテックス(b) 表−1の19〜36に示す組成割合のブタジエンを除い
た混合モノマー(表中の数値の10倍)と連鎖移動剤
(tDM)の混合物を予め計量し、蒸留水500部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部中に、撹拌条件下
で滴下しプレ乳化モノマーとした。次いで、撹拌機付き
3リットルオートクレーブ中に、蒸留水500g、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ1g、過硫酸カリウム5
gを仕込み、密閉し、窒素にてオートクレーブ内圧を5
kg/cm2にし、5分間漏れテストを実施後500m
mHg迄減圧した。本操作を2回繰り返した後、窒素気
流中で、250rpmの回転スピードで撹拌し、65℃
まで昇温した。窒素シール下で撹拌しながら65℃に昇
温後、エマルションの種とすべく、ブタジエン及び前記
乳化モノマーを総量の0.5%仕込み、30分反応させ
エマルション粒子の種を形成させた。次いで、前記プレ
乳化モノマーとブタジエンを8時間かけて連続滴下し、
残モノマーの反応を12時間行った後、40℃に冷却し
14%アンモニア水を用いpH5に調整し、100メッ
シュの金網でろ過し、固形分50%の合成ゴムラテック
スを得た。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】実施例1〜4 製造例1、3で得たアクリル系エマルション(a)又は
製造例20、25で得た合成ゴムラテックス(b)を台
板にナイフコーターを用いて、12mm厚合板尺角当た
り10g塗布し60℃乾燥機にて3分間乾燥させ、突板
化粧板用台板とした。
【0040】実施例5〜8 製造例2、9で得たアクリル系エマルション(a)又は
製造例21、27で得た合成ゴムラテックス(b)を台
板にナイフコーターを用いて、12mm厚合板尺角当た
り10g塗布し突板化粧板用台板とした。
【0041】実施例9〜12 製造例4、5で得たアクリル系エマルション(a)又は
製造例19、24で得た合成ゴムラテックス(b)10
0重量部に、それぞれ撹拌下炭酸カルシウム(丸尾カル
シウム(株)製、商品名スーパーS、平均粒径2.7
μ)100重量部を均一混合した後、台板にナイフコー
ターを用いて、12mm厚合板尺角当たり10g塗布し
突板化粧板用台板とした。
【0042】実施例13〜18 製造例6、7、8で得たアクリル系エマルション(a)
又は製造例22、23、26で得た合成ゴムラテックス
(b)100重量部に、それぞれ撹拌下上記炭酸カルシ
ウム100重量部を均一混合した後、台板にナイフコー
ターを用いて、12mm厚合板尺角当たり10g塗布し
60℃乾燥機にて3分間乾燥させ突板化粧板用台板とし
た。
【0043】実施例19〜22 実施例9〜12の接着剤組成物200重量部に、イソシ
アネート化合物(MDI)(三井東圧化学(株)製、商
品名コスモネートM−200)10重量部をそれぞれ撹
拌下混合した接着剤組成物を使用した以外は、実施例9
と同様の処理をし突板化粧板用台板とした。
【0044】実施例23〜26 実施例19〜22の接着剤組成物を使用し、60℃乾燥
3分間した以外は、実施例19と同様の処理をし突板化
粧板用台板とした。
【0045】実施例27〜30 実施例19〜22接着剤組成物210重量部に、20%
ポバール水溶液20重量部(株式会社クラレ製、商品名
クラレポバール#205、ケン化度89モル%、平均重
合度1700を水にて溶解)を撹拌下混合させた以外
は、実施例19と同様の処理をし突板化粧板用台板とし
た。
【0046】実施例31〜34 実施例9〜12に下記に示す量の金属架橋剤(16%炭
酸亜鉛アンモニウム)及び/又は強酸(30%パラトル
エンスルホン酸水溶液)を撹拌下混合させた以外は、実
施例9と同様の処理をし突板化粧板用台板とした。 (実施例31−30%ハ゜ ラトルエンスルホン酸を200重量部に対
し10重量部) (実施例32−16%炭酸亜鉛アンモニウム0.8モル) (実施例33−30%ハ゜ ラトルエンスルホン酸を200重量部に対
し15重量部) (実施例34−16%炭酸亜鉛アンモニウム0.4モル) 上記16%炭酸亜鉛アンモニウムのモル数は、接着剤組成
物200重量部中のカルボキシル基を有するアクリルモ
ノマーに対しての亜鉛モル数比
【0047】実施例35〜36 製造例1で得たアクリル系エマルション(a)又は製造
例19で得た合成ゴムラテックス(b)100重量部
に、アミノ系縮合樹脂(c)(三井東圧化学(株)製、
ユーロイド310、尿素−メラミン樹脂、固形分50
%、粘度190cps)30部を撹拌下混合し、それぞ
れ撹拌下前記炭酸カルシウム100重量部を含有し均一
混合した後、それぞれ30%パラトルエンスルホン酸水
溶液を10重量部撹拌下混合させ、台板にナイフコータ
ーを用いて、12mm厚合板尺角当たり10g塗布し突
板化粧板用台板とした。
【0048】実施例37 製造例1で得られたアクリル系エマルション50重量部
と、製造例20で得られた合成ゴムラテックス50重量
部を撹拌下混合させた接着剤組成物を用いた以外は、実
施例1と同様の処理をし突板化粧板用台板とした。
【0049】実施例1〜37で得た台板に、突板用接着
剤としてスチレン−ブタジエンラテックス(SBR)
(三井東圧化学(株)製、商品名ポリラック750、固
形分48%、粘度100cps、pH7、Tg+8℃、
アクリル酸2%、N−メチロールアクリルアミド2%変
性)50部に対し、アミノ系縮合樹脂(三井東圧化学
(株)製、ユーロイド310、尿素−メラミン樹脂、固
形分50%、粘度190cps)20部を撹拌下混合し
た。次いで、小麦粉(日本製粉(株)製、商品名、赤牡
丹(グルテン高含有品))を30部撹拌下混合し、塩化
アンモニウム0.5部を混合し粘度5000〜1000
0cpsの突板化粧合板用接着剤に調整し、スプレッダ
ーで、12mm厚合板尺角当たり10g塗布し予め水中
に浸漬させて置いた0.25mm厚のホワイトオーク突
板を覆せ、115℃熱プレスを用いプレス圧10Kg/
cm2で1分間圧締し、室温迄冷却しアミノアルキッド
樹脂を焼き付け塗装した。下記に示す評価試験に供し結
果を表−2に示した。
【0050】<評価試験> 1.作業性 小麦粉配合時の流動性の有無を目視で観察し下記のごと
く表示した。 ○:配合が容易で流動性がありロールコーター塗布が十
分可能 △:配合可能、但し高粘度化し流動性に欠けるがロール
コーター塗布可能 ×:配合が困難で、まま粉状態になりロールコーター塗
布不可能 2.二類浸漬剥離試験 前記試料から1辺が75mmの正方形状のものを4片裁
断し、70℃温水に2時間浸漬後、60℃乾燥機で3時
間乾燥し、同一接着層における剥離しない部分の長さを
それぞれの側面で測定した。JAS適合基準に準じ判定
し合格片数を表示した。JAS適合基準とは、同一接着
層における剥離しない部分の長さがそれぞれの側面にお
いて50mm以上であることである。 3.一類浸漬剥離試験 前記二類浸漬剥離試験同様の試料を煮沸水に4時間浸漬
後、60℃乾燥機で20時間乾燥後、再度煮沸水に4時
間浸漬し、60℃乾燥機で3時間乾燥して、前記同様の
評価を行い同様に表示した。 4.寒熱繰り返し試験 前記試料から1辺が15cmの正方形状のものを2片裁
断し、80℃乾燥機で2時間、−20℃で2時間を1サ
イクルとして2サイクル(合計8時間)処理後室温に戻
し、突板表面の干割れの数を測定し表示した。JAS適
合基準とは、試験片に割れ、ふくれ、しわ等を生じない
ことである。 ○:面積当たりの干割れ数 なし △: 〃 1〜5ヶ所未満 ×: 〃 5ヶ所以上 5.接着剤浸み出し汚染 熱プレス直後のプレス盤からの剥がれ易さ及び突板表面
の接着剤浸み出しを観察し下記のごとく表示した。 ○:プレス盤からの剥がれ良好、且つ突板表面の接着剤
浸み出しなし △:プレス盤からの剥がれ良好、但し突板表面の若干の
接着剤浸み出しあり ×:プレス盤から剥がれ難く、且つ突板表面の接着剤浸
み出しあり 6.総合判定 評価試験1〜5のJAS適合基準で合否の判定を表示し
た。 ○:JAS適合基準に合格 ×:JAS適合基準に不合格
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】比較例1〜4 製造例10、15で得たアクリル系エマルション及び製
造例29、32で得た合成ゴムラテックスを用い、実施
例1と同様の処理をし、突板化粧板用台板とした。
【0054】比較例5〜8 製造例12、13で得たアクリル系エマルション及び製
造例30、31で得た合成ゴムラテックスを用い、実施
例5と同様の処理をし、突板化粧板用台板とした。
【0055】比較例9〜12 製造例11、14で得たアクリル系エマルション及び製
造例28、33で得た合成ゴムラテックスを用い、実施
例13と同様の処理をし、突板化粧板用台板とした。
【0056】比較例13 突板化粧板用台板にプライマー層をもうけずそのままの
台板を使用した。比較例1〜13で得た突板化粧板用台
板を使用し、実施例と同様の接着剤、熱圧プレス及びア
ミノアルキッド樹脂塗装をした突板化粧板を実施例同様
の試験をし結果を表−3に示した。
【0057】
【表7】
【0058】
【発明の効果】本発明の突板化粧板の製造方法は、突板
化粧板用台板表面に、アクリル系エマルション、合成ゴ
ムラテックス、ポバール水溶液、アミノ系縮合樹脂、イ
ソシアネート化合物、無機・有機充填剤、金属架橋剤及
び強酸の中から選ばれた接着剤組成物を用い、プライマ
ー層をもうけることにより、耐温水性及び耐煮沸性等の
接着力に優れ、ロールコーター等の塗布時の機械的安定
性、作業性及び被着体への安定な塗布性を始め、特に薄
くスライスした突板表面への接着剤の浸み出し汚染が低
い。更に、プライマー層をもうけることにより、台板表
面から突板への応力が緩和され突板の干割れを生じない
ことから、とりわけ突板化粧板の製造方法としての実用
価値が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 161/22 JEW (72)発明者 高橋 昭博 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】突板化粧板の台板と突板接着層の間に、ア
    クリル系エマルション(a)、合成ゴムラテックス
    (b)、ポバール水溶液(c)及びアミノ系縮合樹脂
    (d)の中から選ばれた少くとも1種を含有してなる接
    着剤組成物を台板の表面に塗布しプライマー層をもう
    け、突板を接着することを特徴とする突板化粧板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】接着剤組成物が、イソシアネート化合物も
    しくはその重合物及び/又は金属架橋剤もしくは強酸を
    含有することを特徴とする請求項1記載の突板化粧板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】接着剤組成物が、無機充填剤及び/又は有
    機充填剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記
    載の突板化粧板の製造方法。
  4. 【請求項4】アクリル系エマルション(a)が、芳香族
    ビニル系モノマー、不飽和カルボン酸エステルモノマ
    ー、アミド基を有するアクリルモノマー及び不飽和カル
    ボン酸の共重合体からなることを特徴とする請求項1、
    2又は3記載の突板化粧板の製造方法。
  5. 【請求項5】合成ゴムラテックス(b)が、ブタジエ
    ン、芳香族ビニル系モノマー、不飽和カルボン酸エステ
    ルモノマー及びアクリルニトリルの中から選ばれた少く
    とも1種類のモノマー、アミド基を有するアクリルモノ
    マー及び不飽和カルボン酸の共重合体からなることを特
    徴とする請求項1、2又は3記載の突板化粧板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】アクリル系エマルション(a)及び合成ゴ
    ムラテックス(b)のガラス転移温度(Tg)が、いず
    れも−30〜+90℃であることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の突板化粧板の製造方法。
  7. 【請求項7】アクリル系エマルション(a)及び合成ゴ
    ムラテックス(b)が、いずれもモノマー総量100重
    量部中、アミド基を有するアクリルモノマーが1〜6重
    量部共重合されたものであることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の突板化粧板の製造方法。
  8. 【請求項8】アクリル系エマルション(a)及び合成ゴ
    ムラテックス(b)が、いずれもモノマー総量100重
    量部中、カルボキシル基を有するアクリルモノマーが1
    〜10重量部共重合されたものであることを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の突板化粧板の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008073272A1 (en) * 2006-12-08 2008-06-19 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method for the production of a multilayer structure
WO2008073273A3 (en) * 2006-12-08 2009-06-25 Du Pont Water-based coating composition
JP2010126616A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Nichiban Co Ltd アクリルエマルション粘着剤
JP2016124957A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 住友林業株式会社 ラッピング用水性接着剤組成物及びそれを用いた木質建材

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