JP4067243B2 - 建設機械用空調機の外気導入装置 - Google Patents

建設機械用空調機の外気導入装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械における運転室内に搭載された空調装置に外気を取り込むための建設機械用空調機の外気導入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建設機械の運転室内に設けられる空調装置への外気導入ダクトについては、通常の車輌などにおける空調装置の場合と異なり、作業環境が一般的に良くないために、雨水や塵埃などの侵入を防止する方策に苦慮している。
【0003】
このようなことから、例えば特開平9−290624号公報によって開示されるように、運転室壁に開口される空調装置用の外気導入口の外側に、二重構造にされた外気導入ダクトを取付けて、この外気導入ダクトには外側ダクトに設けられる外気の吸込口と内側ダクトに設けられる透孔との開設位置が重ならないように設けた構成のものが記載されている。この外気導入ダクトでは外気の吸込口から流入する外気に雨水や塵埃が同伴しても、空気の流通経路を長くして、この間に衝突や方向変換によって内側ダクトの上部に設けられて開口する透孔を通過するまでに分離されるようにし、空調装置への導入部に設けられたフイルタが雨水や塵埃の侵入によって障害を受けないようにし、空調特性の劣化を長期間防止できる旨記載されている。
【0004】
また、特開平9−290631号公報では、運転室壁に開口される空調装置用の外気導入口の外側に、防塵フィルタを着脱可能に設けるとともに、その前側に下向き開口する外気導入フードを設けて、メンテナンスが容易な構造にして雨水や塵埃の侵入を防止できるようにされたものが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これら先行技術では、いずれも運転室の外側部に、空調装置への外気導入部での雨水や塵埃などの侵入防止対策を施した装置を設けるようにされている。しかしながら、これら方策は、比較的運転室の設置スペースにゆとりのある大型乃至中型の機種において実施可能であるが、例えば小旋回型の油圧ショベルのような機種では、運転室の設置スペースにゆとりがない。そのために、空調装置の設置スペースにも制限が加えられることなどから、前述のような構造の外気導入装置を採用することに問題がある。
【0006】
また、運転室が小型化すると、その外側部に空調用の外気導入部を突出させて設けることは、デザイン的にも不適当であるという問題点がある。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、構造上機器の設置スペースが取れない運転室外側後部を利用して、合理的に設けられる建設機械用空調機の外気導入装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述された目的を達成するために、本発明による建設機械用空調機の外気導入装置は、
機器の設置スペースを確保するために運転室後部の下半部にえぐられた部分を有する建設機械において、
前記えぐられた部分の外側面に沿ってエンジン部側を囲うように延設される運転室外側後部が外側板と内側板との二重壁構造にされ、それら外側板と内側板との間に外気導入ダクトが設けられ、前記外側板の上部にスリット状の外気導入口が設けられるとともに、前記内側板の下部で前記外気導入口と重なり合わない位置に導通孔が開口され、この導通孔を覆うように室内側にチャンバーが取り付けられ、このチャンバーの出口が運転室内設置される空調機外気導入部に接続されていることを特徴とするとするものである。
【0009】
このようにされる本発明によれば、設置スペースが狭小で上部旋回体上で運転室側に寄せられて据え付けられるエンジン部を囲うように形成される運転室の外側後部の延長部分に、運転室内設置の空調機への外気導入ダクトを内設するようにして、いわゆるエンジン部の側面カバーとしての役目を果すに過ぎなかった構造部を有効に利用することができるという利点がある。しかも、その外気導入ダクトに設けられるスリット状の外気導入口と導通孔が重なり合わない位置に設けられているので、外気導入口から運転室内設置される空調機外気導入部に接続されるダクト内で外気の流動経路に変化を起こさせることにより、流入する外気に同伴する雨水や塵埃を分離させて、前記空調機外気導入部に設けられるフィルタが目詰まりなどを起しにくいようにして、外観を損なわせることなく空調特性の劣化を長期間防止できるようにするという効果を奏するのである。また、外気導入口が音圧レベルの低いに設けられることで、運転室内での騒音が低減できるという効果がある。さらに、外気導入口を運転室外側面後部に設けることにより、高温のエンジン排気から外気導入口が隔離されるため、空調効率の向上という効果が得られる。
【0011】
また、キャブ(運転室)の製作時に外側板側にスリット状の外気導通口を、また内側板側に導通孔を、それぞれ設けておいて組み立てれば、そのまま外気導入ダクトが形成され、別途チャンバーを製作して運転室内に設置される空調機の設置位置との位置調整を行うようにして、そのチャンバーを内側板に形成された導通孔を囲うように取付ければ、組立作業を容易にして外気導入ダクトが形成されるという効果を奏する。そして、このようにされる外気導入ダクトにおいては、外側板の上部に設けられたスリット状の外気導入口からチャンバーを経て空調機の外気導入部に到るまでに、外気は内外側板間に形成される流通路を流下してから内側板に設けられた導通孔を通り、さらにチャンバー内で方向変換して空調機の外気導入部に導かれるので、複数回の方向変換と、それに伴なう壁面での衝突によって、同伴した雨水滴や塵埃が分離されてのちフィルタを透過して空調機内に流入することになる。したがって、フィルタの交換寿命を長める効果がある。
【0012】
本発明において、前記チャンバーの出口は、前記内側板に対するチャンバーの取付面と直交する向きの平坦面の中央部に開口され、このチャンバーの出口に外気を方向変換させる邪魔板が取り付けられるのが好ましい。
【0013】
このようにすれば、導通孔からチャンバー内に流入するエアを直進させることなく方向変換させて出口に導くことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による建設機械用空調機の外気導入装置の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1に本発明による空調機の外気導入装置を備える建設機械の運転室の外観図が、図2に図1の右側面図が、図3に要部平断面図が、図4にダクトの外気導入口とチャンバーへの導通口との関係を表す縦断端面図が、図5に運転室内側に取付けられるチャンバーとその取付部の一部切欠き斜視図が、それぞれ示されている。
【0016】
図1に示される運転室1は、建設機械、例えば小旋回型の油圧ショベルにおける上部旋回体(図示せず)上に設置されるものであって、その後部の下半部分2はその上部旋回体上で運転室の直後位置に設置されるエンジン等の機器の設置スペースを確保するためにえぐられた状態になっている。そして、その運転室1の左外側面後部3のみ本来の運転室後端面位置まで延設されて、据付時に前記えぐられた部分(下半部分2)に収まるエンジン等の機器を側面でカバーする構造とされている。
【0017】
このような運転室1内に設置される空調機に対する本実施例の外気導入装置10は、前記の運転室左外側面後部3を二重壁構造にされて、その内部に設けられている。すなわち、二重壁構造部がダクトの役目を兼ねるようにされている。
【0018】
前記運転室左外側面後部3における内外側板13,14間には、外気導入用のダクト11が所要の範囲で隔壁(図示せず)によって区画されて設けられる。そして、外気導入口12は、外側板13の上部位置に、適宜寸法の横向きスリットを複数上下方向に配設される。また、そのダクト11は、内側板14側の下部に前記外気導入口12と重なり合わない位置で適宜寸法の導通孔15が開口され、その導通孔15の外側(運転室内側)にチャンバー17が取付けられて空調機20の外気導入部21に繋がれるようにされている。符号22はエアフィルタである。
【0019】
前記チャンバー17は、図5によって示されるように、前記導通孔15を覆うように開口する変形箱型にされ、その開口部に隣接する上側と左右両側に内側板14に対する取付座17a,17b,17cを備え、かつ運転室床面に対する取付座17dをも下部側縁に設けられたものである。さらに、このチャンバー17の内部には、図3で示されるように、前記導通孔15を塞ぐことなく取囲むようにしてチャンバー17の出口18と反対の方向に外気が方向変換する邪魔板17eが取付られている。チャンバー17の出口18は、前記内側板14に対する取付面とほぼ直交する向きの平坦面17f中央部に開口されている。
【0020】
前記チャンバー17の出口18を有する平坦面17fの上部には、空調機の外気導入部と接続するための取付片19が設けられ、この取付片19に設けられた取付ボルト穴19aを通じて空調機20の外気導入部21側と出口18を備える平坦面17fとを、クッション性の高いガスケット23を介在させてボルト締結することにより接続されるようになっている。
【0021】
このように構成される本実施例の外気導入装置10は、前述の運転室1における左外側面後部3に構成されるダクト11が、運転室1の製作時に、予め所定の位置に外気導入口12や導通孔15を設けた内外側板13,14を組合せて溶接することによって形成される。したがって、別途チャンバー17を製作しておけば、運転室1の外殻が形成された後にそのチャンバー17を取付けて運転室内に設置される空調機20の外気導入部21とチャンバー17の出口18を有する平坦面17fとをガスケット23を挟んで接続することにより簡単に外気の導入路(ダクト)が組立てられるのである。
【0022】
しかも、このようにされた外気導入路(ダクト)では、外気導入口12が上部に位置して、取り入れられた外気が下部に開口する導通孔15まで内外両側板13,14間に形成されるダクト11部分を流下して、その導通孔15からチャンバー17内に移動する間で、流動状態が変化するので同伴した塵埃や水滴を分離され、さらにチャンバー17内において邪魔板17eによって流れの方向を急激に変更されるので、浮遊粒子が隔壁に衝突して分離されることになり、結果的にチャンバー出口18では同伴する塵埃などが殆ど除かれて空調機20の外気導入部21に導かれることになる。したがって、空調機20の外気導入部21に設けられるフィルタでは塵埃などによる目詰まりの発生が著しく低減され、長期間空調機能の劣化を防止できる。
【0023】
図6(a)(b)に外気導入装置の他の実施例における要部構成図が示されている。
【0024】
この実施例における外気導入装置10Aは、基本的構成において前記実施例のものと同様である。したがって、前記実施例と同一もしくは同様の部分については、その詳細な説明を省略して同一の符号を付すに留める。
【0025】
外気導入装置10Aのダクト11は、前記実施例と同様に、運転室左外側面後部3を、外側板13と内側板14とによる二重壁構造にされて、その内部に設けられている。このダクトの外気導入口12aは、外側面後部における下部位置(図示省略するが図1における前記実施例での外気導入口の下方位置)に複数の横向きスリットを上下方向に配列形成して設けられる。
【0026】
また、ダクト11は、内側板14の下部で底部11aより適宜量上がって前記外気導入口12と重なり合わない位置に、適宜寸法の導通孔15Aが開口され、その導通孔15Aの外側(運転室内側)にチャンバー17Aが取付けられて空調機の外気導入部21に繋がれるようにされている。
【0027】
この実施例でのチャンバー17Aは、内側板14に対する取付座部を備える側と底部とが開口する形状の変形箱型にされ、図6(b)で示されるように、ダクト11側に設けられた導通孔15Aがチャンバー17A内の上側に位置して、内側板14の延長部に相当する部分が仕切板(隔壁)14aを呈するように取付けられる。なお、図6(b)では説明の都合上外気導入口12aが導通孔15Aと近接した位置で表されている。
【0028】
そして、このチャンバー17Aの一側面には出口18aが設けられ、その出口を含む側面を平坦面にして比較的厚手の弾性材にてなるガスケット23を介在させて運転室内に設置される空調機の外気導入部21に接続されるようにされている。
【0029】
このように構成される外気導入装置10Aは、前記実施例の外気導入装置10と同様に製作時における工作性が容易で、運転室としてその内部に機器などの設置ができなかったスペースに空調機への外気取り入れダクトを設けて、いわゆるデットスペースを有効に利用することができる。
【0030】
しかも、このようにされた外気導入路(ダクト)では、外気導入口12aが下部に位置しているが、取り入れられた外気はダクト11内を流動して導通孔15Aまで達する間に同伴する塵埃や雨水滴が重力で分離され、さらに導通孔15A近傍では仕切板14aによって急激に流れの方向変換を行わせ、かつ導通孔15Aとチャンバー17A内での流速の変化によってさらに分級させて同伴塵埃などを除去することができるようにされている。したがって、空調機への外気導入に際して塵埃などを分離して供給できるので、外気導入部21に設けられるエアフィルタ22の目詰まりや水分による膨潤などの障害の発生をなくして長期使用ができる効果をも併せ有するのである。
【0031】
以上の説明におけるダクト11およびチャンバー17(17A)の底部には、図示省略しているが適宜箇所にドレーン抜き孔、ダスト取出し孔が設けられる。
【0032】
本実施例におけるチャンバー17内部の邪魔板17e,導通孔15(15A)の周囲の側板は、本発明における障壁部に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による空調機の外気導入装置を備える建設機械の運転室の外観図である。
【図2】図2は、図1の右側面図である。
【図3】図3は、要部平断面図である。
【図4】図4は、ダクトの外気導入口とチャンバーへの導通口との関係を表す縦断端面図である。
【図5】図5は、運転室内側に取付けられるチャンバーとその取付部の一部切欠き斜視図である。
【図6】図6(a)(b)は、外気導入装置の他の実施例における要部構成図である。
【符号の説明】
1 運転室
2 運転室の後部における下半部分
3 運転室左外側面後部
10,10A 外気導入装置
11 ダクト
12,12a 外気導入口
13 外側板
14 内側板
14a 仕切板
15,15A 導通孔
17,17A チャンバー
18 チャンバーの出口
20 空調機
21 外気導入部
22 エアフィルタ

Claims (2)

  1. 機器の設置スペースを確保するために運転室後部の下半部にえぐられた部分を有する建設機械において、
    前記えぐられた部分の外側面に沿ってエンジン部側を囲うように延設される運転室外側後部が外側板と内側板との二重壁構造にされ、それら外側板と内側板との間に外気導入ダクトが設けられ、前記外側板の上部にスリット状の外気導入口が設けられるとともに、前記内側板の下部で前記外気導入口と重なり合わない位置に導通孔が開口され、この導通孔を覆うように室内側にチャンバーが取り付けられ、このチャンバーの出口が運転室内設置される空調機外気導入部に接続されていることを特徴とする建設機械用空調機の外気導入装置。
  2. 前記チャンバーの出口は、前記内側板に対するチャンバーの取付面と直交する向きの平坦面の中央部に開口され、このチャンバーの出口に外気を方向変換させる邪魔板が取り付けられる請求項1に記載の建設機械用空調機の外気導入装置。
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