JP4066402B2 - 中通し釣竿と糸通し具とのセット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は中通し釣竿と糸通し具とのセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
中通し釣竿は、釣糸を竿管途中から内部を挿通させる構造のため、その途中から先側竿管の外部にはガイドリングを設ける必要が無いため、釣糸が絡み難いという長所を有する。然しながら、釣りの前に、釣糸を竿管内部に挿通させる作業が必要であり、糸通し具を用いた作業方式に2通りの方法がある。1つは、糸通し具の後端部に釣糸を係止させて、この糸通し具の先部を、釣糸を竿管内部に挿通させ始める部位である釣糸導入部の導入孔から竿先に向かって挿入していく方法であり、他方は、ある程度短い収納状態にした継式釣竿を、竿先を斜め上方に向けて傾斜状に保持し、竿先から糸通し具の先部を挿入しつつ、釣竿の釣糸導入部を下側に向けてこの導入孔から外に出し、そこでその先部に釣糸を係止させ、それから竿先に残っている糸通し具の後部を引いて糸を通す方法である。後述の方法をトップイン方式ともいう。本願では、このトップイン方式に係る。
【0003】
釣糸導入部では竿管に長孔等の孔を設け、通常ここにセラミックス等のガイドを設けており、このガイドの内周部を釣糸が通って竿管内部に導入される。然しながら、この釣糸導入孔の近く(通常は後ろ)には、竿管表面から離れた位置に設けられて、後方のリール装着部に装着されたリールから引き出した釣糸を前記導入孔に案内するための、セラミックス等のガイドリングを取り付けたガイド部が配設されている。従って、トップイン方式による場合は、まず傾斜状にした竿の先部を手で保持した状態で糸通し具を竿先から通して糸通し具の先部を導入孔から外に出し、その後で、保持している手を竿の釣糸導入部付近に移動させてから、外に出た糸通し具の先部を摘んで、再び上述した竿表面から離れた位置のガイドリングに挿通させ、これにリールから引き出した釣糸を係止させるという作業を行なっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、竿先から糸通し具を挿通させることによってその先部が導入孔から外部に出ると共に、そのままの姿勢で糸通し具をもう少し押し込むだけで竿表面から離れたガイドリングにも挿通させることができれば、竿を保持した手を移動させなくてもよく、また、一度の挿通動作で糸通し具の挿通作業を完了でき、釣り準備が更に軽快になる。
依って本発明は、トップイン方式の糸通し作業を可及的容易に行なうことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑みて本発明は請求項1では、所定竿管に設けられて釣糸を導入できる導入孔と、該導入孔の後方に設けられたリール装着部に装着されるリールからの釣糸を前記導入孔に案内するガイドリングと、前記導入孔から出て来た糸通し具の先部を受けた場合にその先部を前記ガイドリングに挿通させるべく案内できる板状や樋状の受け部材とを具備するガイド部とを有した中通し釣竿と糸通し具とのセットにおいて、前記糸通し具が糸通し具本体の所定位置から先側である先部がへの字状や曲線等の所定形状に曲がって形成されており、(1)前記糸通し具の前記所定位置から先端までの直線長さが、前記所定竿管の前に直接に継ぎ合わされる竿管が糸通しを行なう状態に所定竿管に保持された状態において、該保持された竿管の後端位置から前記所定竿管の中心軸線方向に測った導入孔の後端までの距離以下の値であり、(2)前記ガイド部の内側領域であって、前記所定竿管の表面に最も近い位置の点をG1、最も前方位置にある点をG2、導入孔の内面側前端をN1、表面側後端をN2とすると、N1とG1とを結ぶ直線をL1、N2とG2とを結ぶ直線をL2とし、前記糸通し具の所定形状の先端と前記所定位置とを結ぶ直線が糸通し具本体の延伸方向とのなす屈曲角度が、前記直線L1と前記中心軸線とのなす角度と、直線L2と前記中心軸線とのなす角度との間の値であり、(3)前記中心軸線から半径方向に測った前記点G1と点G2までの各距離をR1,R2とすれば、糸通し具本体の延伸方向に対して垂直方向に測った糸通し具先端までの長さが距離R1とR2との間の値であることを特徴とする中通し釣竿と糸通し具とのセットを提供する。
【0006】
上記ガイド部の内側領域とは、ガイドリングのみの場合はその内周面であり、このガイドリングの前側に板状等の受け部材が装着されている場合には、ガイドリング内周面と、受け部材の、竿管表面に対面している側の面とを含む。
トップイン方式による作業中に、構成要件(1)と(3)によって糸通し具の先部が導入孔から外部に出られ、更に、構成要件(2)と(3)によってガイドリング内を挿通できる。従って、糸通し具との関連において、釣糸導入部分(導入孔と、ガイドリングを含むガイド部とを有する領域部分)の位置寸法関係を請求項1の構成要件を満たすように構成しておけば、糸通し作業が非常に容易になる。この糸通し具は、販売上は同じ梱包にての販売が典型的であるが、別売りとしても糸通し具と釣竿との関連を明記すればよい。これも本願のセットの一形態である。以下同様である。
【0007】
請求項2において、糸通し具先部が本体の所定位置において、自在にへの字状等の形状に折れ曲がる場合、最大に折れ曲った所定の形状を請求項1にいう先部所定形状とした請求項1記載の中通し釣竿と糸通し具とのセットを提供する。
糸通し具の先部がある角度範囲(90度未満)で自在に折れ曲るように形成されている場合、トップイン方式の場合、そこが最大の折れ曲り角度になるようにするには、釣竿の傾斜角度を調節すればよく(水平に近く寝かせれば必ず最大折れ曲り角度になる)、この状態で糸通し具の挿通作業を行なえば、請求項1の場合と同じ要件で同様の作用効果を奏する。即ち、この場合の糸通し具との関連において、釣糸導入部分を請求項1の要件となるように設計すれば糸通し作業が非常に容易になる。
【0008】
請求項3において、糸通し具先部が本体の所定位置において自在に折れ曲る場合、糸通し具本体を延伸した方向に対して角度θだけ傾斜した方向に重力が作用した場合に折れ曲る先部形状を前記先部所定形状とした請求項1記載の中通し釣竿と糸通し具とのセットを提供する。
角度θだけ傾斜した方向に重力が作用することは、トップイン方式の場合、釣竿を水平方向から角度(π/2−θ)だけ起こした状態で糸通し具を挿通させることであり、この状態で挿通させた場合に折れ曲った先部形状を請求項1の糸通し具の先部所定形状とし、請求項1の場合と同じ要件を満たすように設計すれば同様の作用効果を奏する。
【0009】
参考であるが、所定竿管に設けられて釣糸を導入できる導入孔と、該導入孔の後方に設けられたリール装着部に装着されるリールからの釣糸を前記導入孔に案内するガイドリングを具備するガイド部とを有した中通し釣竿において、前記所定竿管に直接に継合わされる前側竿管を糸通し状態に保持し、前記導入孔が下側になるように向けた釣竿の先部から押し込んだ糸通し具の先部が、その押し込みによってガイドリングにも挿通するように、糸通し具との関連において導入孔とガイド部との相対配設位置と夫々の大きさと形状とを設定したことを特徴とする中通し釣竿では、トップイン方式の糸通し作業を可及的容易に行なうことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す形態例に基づき、更に詳細に説明する。図1は振出式の中通し釣竿を糸通しを行なうことのできる長さ状態に保持して、即ち、第1中竿12を引き出して(ここが並継の場合は継ぎ合わせて)元竿10の先端部に保持させ、それより前側の竿管を第1中竿内に収納した状態にして地面に対して傾斜させている。この傾斜状態の釣竿の先端トップガイド14Tから糸通し具を挿通させる。この形態例の竿では釣糸導入部が元竿10の先部に設けられているため、糸通しを行なう際には、第1中竿12を引き出して継ぎ合わせているが、釣糸導入部が元竿10の先部よりも後方位置に設けられている場合には、その前側であって近くに第1中竿の後端が位置するように第1中竿を保持して糸通しを行なう。
【0011】
この保持構造としては、例えば、第1中竿の途中に膨出部を設けておき、ここを元竿10の先端部の継合部に嵌合させる等である。第1中竿よりも前側の竿管は完全に収納していてもそうでなくてもよいが、元竿後端から穂先竿先端のトップガイド14Tまでの長さが長すぎないように設定する。長すぎてはトップイン方式の糸通し作業を行ない難いからである。
【0012】
元竿10の先端部の継合部の後ろ近くには、竿管に長孔が設けられ、この長孔にセラミックス製のガイド部材が配設され、この中を釣糸が挿通して竿管内に導入される。この釣糸の挿通可能な孔部(通常、長孔状)を導入孔10Dという。ここではガイド部材は竿管に設けた長孔の前端部と後端部とに配設された2つのU字状のガイド部材10G,10G’であるが、1つの環状になったガイド部材でもよい。
【0013】
元竿10の後方位置にはリール18がリール装着装置10Rに固定されており、ここから釣糸が引き出される。この釣糸を前記導入孔に案内するために、例えば図1に示す如き山形のフレーム16が、元竿の円周方向における導入孔部の位置に固定されており、セラミックス製の環状のガイドリング16Gが元竿表面から離れた高さ位置に設けられている。このガイドリングは通常は導入孔10Dの後方位置であるが、導入孔の上方に位置することもある。更には、図1ではそうではないが、本発明では、後述の図4に示すように、ガイドリング16Gの元竿表面から遠い部分に設けられ、導入孔から出て来た糸通し具の先端部を受け易くて、受けた糸通し具先部をガイドリング16Gに挿通させるべく案内する板状や樋状の受け部材PTを設ける。こうした導入孔近くの構造全体を釣糸導入部という。
【0014】
また、リール装着部10Rの前側には前側握り部FGが設けてあり、元竿10の後端部には後部握り部RGが設けてある。この後部握り部の後端縁部の内、円周方向における前記導入孔10Dの位置側がカットされて平面部H1を形成しており、ここを地面に当接させることによって釣竿を安定して傾斜状に設定することができ、また、導入孔10D側を下側に位置させることも安定する。
【0015】
糸通し具は図3に略示するように、細長い糸条の本体20を有し、この図では通常時において位置P1からの先部20Sがへの字状に折れ曲った形態が示されている。その先端部26は釣糸を係止させる係止部である。本体20と、先部20Sの一部も適宜な剛性を有した可撓性部材で形成されており、夫々の部分は直線状にも他形状に変形も可能であるが、この糸通し具を竿管内に挿通させる場合、折れ曲り部前後は管壁に押されて一時的に概ね直線状になって挿通できる。
【0016】
本体の後部には、球体等の抜け止め部材22が設けられており、トップガイド14Tにおいて引っ掛かり、竿管内部に挿通不可能である。部材22は本体20に対する位置を移動できて保持可能に構成すると好ましい。また、本体20の所定位置には目印24を設け、作業者が竿先近くに目を位置させて竿先からトップイン方式で糸通し作業する際に、目印がトップガイド14Tに位置することにより糸通し具の先部20S(又は係止部26)が導入孔10Dの位置に到達したことを認識し易くしている。更に、この例の場合は、本体20の円周における、糸通し具の先部20Sがへの字状に折れ曲っている曲り方向側に目印24が設けられており、これによって、作業中に糸通し具の先部20Sがどの方向を向いているかが概ね判る。従って、導入孔10Dの位置に到達した際に、導入孔を下向けて先部20Sを導入孔から外部に出し易くなる。この目印24はトップガイド14Tを通過できる。糸条本体20に塗料を塗って目印としてもよく、また、小さな部材を固着させてもよい。
【0017】
図4は、図3に示した形態の糸通し具を糸通し可能状態の釣竿の先から挿通させている場合の模式図であり、14Gは穂先竿後端のガイドリングであり、12Gは第1中竿12後端のガイドリングである。現実には若干のずれが存在する場合があるが、元竿10の中心軸線CL上に糸通し具本体20が位置して挿通している図である。先部20Sは、折れ曲り点P1が第1中竿後端12Gから出るまでは、本体20の延伸方向20’、即ち、元竿中心軸線CL方向に指向しており、この先端P2が導入孔10Dから外部に出られるためには、先部20Sの長さBが、第1中竿後端位置から元竿の中心軸線方向に測った導入孔の後端までの距離B1以下であることが必要である。もし、更に先部20S内の先方部が折れ曲り自在である場合は、その自在部を除いた端部がここでの先端P2に代る。本願の他形態の糸通し具においても同様である。
【0018】
少なくともガイドリング16Gを具備するガイド部は、図4の場合は受け部材PTを有しており、ガイドリングと受け部材とを合わせたガイド部である。先部が導入孔から出て、更にガイドリングに挿通するためには、ガイド部の内側領域であって、元竿表面に最も近い点をG1、最も前方位置にある点をG2とし、中心軸線CLから半径方向に測った夫々までの距離をR1,R2とすれば、糸通し具本体20の延伸方向20’に対して垂直方向に測った糸通し具先端P2までの長さRがR1以上であって、R2以下であることが有用である。
【0019】
更には、導入孔10Dの竿の中心側前端をN1、表面側後端をN2とし、N1とG1とを結ぶ直線をL1、N2とG2とを結ぶ直線をL2とし、糸通し具の所定形状の先端P2と位置P1とを結ぶ直線、即ち、この例では直線状先部20Sであり、これが糸通し具本体20の延伸方向20’とのなす屈曲角度θが、前記直線L1と前記中心軸線CLとのなす角度θ1と、直線L2と中心軸線CLとのなす角度θ2との間の値であることが有用である。
【0020】
上記形態の糸通し具の場合、釣竿を、上記の如く糸通し具と関係付けた釣糸導入部を有するよう形成しておき、トップインで糸通し具の先部20S側が釣竿の導入孔近くにおいて、該孔側になる向きに押し込めば、先部が導入孔から容易に出るのみならず、ガイドリング16Gにも挿通し易い。図4の受け部材PTが無くてガイド部がガイドリング16Gだけで形成されている場合は、本発明外である。
【0021】
図5は、通常時において、糸通し具の位置P1から先部が、直線状ではなくて曲線状になって、本体20の延伸方向20’から離れるように曲っている糸通し具を示す。しかしこの場合は、位置P1と先端P2とを結ぶ直線20S’を図3の場合の20Sに置き換えた場合の先述と同じ要件によって糸通し作業が可及的に容易になる。
【0022】
図6は、先部20Sが角度θ(90度未満の値)まで自在に折れ曲る糸通し具の構造を示している。糸条体からなる本体20と係止部26との間を関節構造で接続し、その関節部位(折れ曲り部位)P1の前後をパイプ部材を被せることにより、各パイプの端面の干渉によって所定角度θまでしか折れ曲れないように構成している。aが直線状の図であり、bがθまで折れ曲った図である。こうした糸通し具を使用する場合は、釣竿を垂直に立てた状態から前記角度θ以上の適宜角度だけ傾斜させた状態で糸通し作業を行なえば、先部20Sが導入孔から出ようとする際には、該先部が角度θ折れ曲った状態となる。従って、この場合も、先部20Sがbの状態に折り曲げられた糸通し具と考えた場合の先述と同じ要件によって糸通し作業が可及的に容易になる。
【0023】
図7は、本体20の先方の所定位置P1がピンジョイントのようになっており、ここにおいてその先部20Sが自在に折れ曲ることのできる糸通し具を示しており、釣竿を水平方向に対して所定角度(π/2−θ)傾斜させて糸通し作業を行なうと、重力によって糸通し具の先部20Sは本体20の延伸方向に対して角度θだけ傾斜する。このように釣竿を所定角度傾斜させて糸通しを行なった際に、可及的に作業が容易になるためには、先部20Sが本体20の延伸方向に対して角度θだけ折れ曲った状態の糸通し具を図3の糸通し具と考えた場合、図4を参照して説明した先述と同じ要件を満たすように釣糸導入部を構成する。
【0024】
釣竿を、例えば水平方向に対して30度傾斜させれば、角度θは60度となる。例えば、折れ曲り角度θが60度の図3の糸通し具として、図4を参照しつつ説明した要件を満たすように釣糸導入部を設計すれば、釣竿を水平から30度(π/2−θ)傾斜させて糸通し作業をすれば糸通し作業が可及的に容易になる。この場合、既述の平面部H1を、元竿等の竿管の中心軸線に対して30度(π/2−θ)になるように形成しておけば、釣竿を容易に所定の30度(π/2−θ)に傾斜させることができる。
【0025】
トップイン方式で糸通し具を通す際に、糸通し具先端部が釣糸導入部の導入孔10Dから外部に容易に出るためには、図2に示す導入孔の長さW1と幅W2は、夫々30mm程度以上、5mm程度以上存在することが好ましい。
更には、図8に示すように、リール装着装置10Rに装着されたリール18が両軸受型リールのようにレベルワインド機構を有し、スプールに巻回された釣糸がレベルワインド機構の孔部18Wから引き出される場合には、糸通し具を長く設定すると好都合である。
【0026】
即ち、糸通し具の先端と抜け止め部材22との間の長さは、図1に示したガイドリング16Gを挿通するまででは、竿先から導入孔10D中間位置までの距離W0に10cm程度以上加えた長さがあれば足りるが、この長さに、導入孔10D中間位置とリール装着装置10R中間位置との距離W3程度を加えた長さがあれば、糸通し具先端部を前記孔部18Wに挿通させることができる。この図8の状態において、釣糸を糸通し具の係止部26に係止させれば、後は、糸通し具を竿先から引き出すだけで釣糸が挿通できる。釣糸自体をレベルワインド機構の孔部18Wに直接に挿通させるよりも、より剛性のある糸通し具を挿通させる方が素早く容易に挿通できるからである。糸通し具本体20が上記のような所定長さ以上を有し、抜け止め部材22が本体20上を移動可能であって、かつ、移動位置に保持できる構造を有すると、容易に図8のように挿通させられる。
【0027】
図9は、釣竿を竿尻から見た図であり、既述の平面部H1を示す。この平面部は必ずしも平坦面でなくてもよく、凹形状に形成されていてもよい。竿を傾斜させた状態で安定させるには、後部握り部RGを傾斜状にカットした幅W4(竿中心と導入孔中心を結ぶ方向の幅)が後部握り部RGの直径の1/3程度以上あることが好ましい。
【0028】
参考図である図10は、ここまでに説明したガイドリング16Gの代りに、U字状のガイド16G’を設けており、糸通し具の先部が導入孔10Dから外に出さえすれば、それに釣糸を係止させて糸通しができる。糸通し具を竿先に引いて糸通しした後に、又はその前にでも、釣糸をU字状ガイドに通すことができる。従って、糸通し具を竿先から通して導入孔を通過させた後、更にガイド16G’に挿通させる必要が無く、その分糸通し作業が容易になる。部材16’はU字状ガイドの保持部材であると共に、導入孔10D(の一部)を区画形成しているセラミックス等のガイド部材を保護し、導入孔の両側に設けられた側壁でもある。導入孔10Dを上方から覆うように、部材16’に対してカバー部材を開閉可能に装着してもよい。カバー部材の存在で、ゴミ等の侵入が防止できる。
【0029】
以上では、釣糸導入部を元竿10に設けているが、第1中竿等に設けてもよい。その場合、第1中竿等が所定竿管である。
また、糸条本体の先端部に所定の重りをつけ、その重りによる撓み変形を設定して、導入孔とガイドリングを共に挿通させることもできる。更には、糸条体の先部を導入孔の後端部に押し当てて先部を適切に変形させ、その変形した先部を導入孔から出すと共に、ガイドリングに挿通させるように設計することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、トップイン方式の糸通し作業が可及的容易に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は糸通し状態の側面図である。
【図2】 図2は釣糸導入部付近の平面図である。
【図3】 図3は糸通し具の全体略示図である。
【図4】 図4は本発明の説明図である。
【図5】 図5は他の形態の糸通し具先部の略示図である。
【図6】 図6は他の形態の糸通し具先部の図である。
【図7】 図7は他の形態の糸通し具先部の略示図である。
【図8】 図8は他の糸通し状態の側面図である。
【図9】 図9は釣竿を後端から見た図である。
【図10】 図10は参考形態の釣糸導入部を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 元竿(所定竿管)
10D 導入孔
16G ガイドリング
20 糸通し具本体
20S 糸通し具の先部
22 抜け止め部材
26 係止部
P1 所定位置(折れ曲り点)
Claims (3)
- 所定竿管に設けられて釣糸を導入できる導入孔と、
該導入孔の後方に設けられたリール装着部に装着されるリールからの釣糸を前記導入孔に案内するガイドリングと、前記導入孔から出て来た糸通し具の先部を受けた場合にその先部を前記ガイドリングに挿通させるべく案内できる板状や樋状の受け部材とを具備するガイド部と
を有した中通し釣竿と糸通し具とのセットにおいて、
前記糸通し具が糸通し具本体の所定位置から先側である先部がへの字状や曲線等の所定形状に曲がって形成されており、
前記糸通し具の前記所定位置から先端までの直線長さが、前記所定竿管の前に直接に継ぎ合わされる竿管が糸通しを行なう状態に所定竿管に保持された状態において、該保持された竿管の後端位置から前記所定竿管の中心軸線方向に測った導入孔の後端までの距離以下の値であり、
前記ガイド部の内側領域であって、前記所定竿管の表面に最も近い位置の点をG1、最も前方位置にある点をG2、導入孔の内面側前端をN1、表面側後端をN2とすると、N1とG1とを結ぶ直線をL1、N2とG2とを結ぶ直線をL2とし、前記糸通し具の所定形状の先端と前記所定位置とを結ぶ直線が糸通し具本体の延伸方向とのなす屈曲角度が、前記直線L1と前記中心軸線とのなす角度と、直線L2と前記中心軸線とのなす角度との間の値であり、
前記中心軸線から半径方向に測った前記点G1と点G2までの各距離をR1,R2とすれば、糸通し具本体の延伸方向に対して垂直方向に測った糸通し具先端までの長さが距離R1とR2との間の値である
ことを特徴とする中通し釣竿と糸通し具とのセット。 - 糸通し具先部が本体の所定位置において、自在にへの字状等の形状に折れ曲がる場合、最大に折れ曲った所定の形状を前記先部の所定形状とした請求項1記載の中通し釣竿と糸通し具とのセット。
- 糸通し具先部が本体の所定位置において自在に折れ曲る場合、糸通し具本体を延伸した方向に対して角度θだけ傾斜した方向に重力が作用した場合に折れ曲る先部形状を前記先部の所定形状とした請求項1記載の中通し釣竿と糸通し具とのセット。
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