JP4066400B2 - ワイヤハーネス収容部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明に係るワイヤハーネス収容部品は、自動車室内に配置されるワイヤハーネスを外力から保護するためのワイヤハーネス収容部品の改良に関し、上記保護を確実に行なえ、しかも当該部品でキッキングプレートを固定可能として部品点数の削減を図るべく、考えられたものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、自動車には多くの電装部品が装備されており、そのために配線されるワイヤハーネスも多用されている。これらワイヤハーネスのうちには、車体のドア開口部下面に設けられているサイドシルに沿って配設されるワイヤハーネスもある。上記サイドシルに沿って設けられているワイヤハーネスにおいては、当該ワイヤハーネスを剥き出しのままにしておくと、乗員が自動車内に乗り降りする際に踏み付けられる等により破損する虞がある。このため,何らかの保護手段を設ける必用がある。
【0003】
ところで、上記サイドシルには、その上面を覆うためのキッキングプレートが設けられている。従来構造においては、このキッキングプレートを利用して上記サイドシルに沿って配設されたワイヤハーネスの保護を図っていた。すなわち、上記キッキングプレートによって上記ワイヤハーネスの上方を覆うことにより、このワイヤハーネスの保護部材としても機能させるようにしている。このように、上記ワイヤハーネスをキッキングプレートによって覆う場合、上記サイドシルを構成するインナパネルとアウタパネルとの接合部に金属製のクリップを取り付け、このクリップに上記キッキングプレートを掛け止めする。そして、キッキングプレートの掛け止めされた一端部から他端部までの間で、上記ワイヤハーネスの上方を覆うようにしている。
【0004】
しかしながら、上述したようなワイヤハーネスの保護構造においては、上記金属製のクリップ等、特別な部品を要することから部品点数の増加を招いてしまい、部品管理の手間や組み付け作業の手間が増大してしまうため、好ましくない。
【0005】
上述したような不都合を解消すべく、例えば、特開平8−175286号公報や特開平10−16662号公報には、上記キッキングプレートのサイドシル側部分を上記ワイヤハーネスを収容するための部材として利用した構成が提案されている。すなわち、上記キッキングプレートを、可撓性を有する樹脂材料によって成形するとともに、上記サイドシルに形成されている段部に係合する係止部を設けている。又、自動車室内を構成する床面に敷設するカーペットの端部を取りこんだ状態で、その内部に上記ワイヤハーネスを配置するための空間部を設けている。そして、上記空間部内に上記ワイヤハーネスを収容した状態で、上記係止部を上記サイドシルの段部に形成された係合孔に係合させることにより、上記サイドシルに固定する。
【0006】
上述したようなワイヤハーネスの保護構造においては、前述したような金属製のクリップ等の特別な部品を要することなく、サイドシルに沿って設けられたワイヤハーネスを保護することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公報に記載されている技術においては、未だ以下のような改良すべき課題が存在する。先ず、上記ワイヤハーネスの収容空間は、上記サイドシルの段部上方に位置するキッキングプレートによって覆われた空間を利用して構成しているため、当該ワイヤハーネスの占有空間と収容空間との差が大きい場合には、乗員が踏み付ける等に起因する外力が上記キッキングプレートに作用した際に、キッキングプレートが変形してしまう。換言すると、上記キッキングプレートは空間容積に余裕があると、その分外力による変形量が大きくなる。このため、キッキングプレートへの外力の大きさによっては、キッキングプレートに変形歪みが生じてしまい、外観上、満足な結果が得られなくなる虞れがある。
【0008】
更に、前記特開平8−175286号公報に記載された発明においては、上記カーペットの端部をキッキングプレートによって押圧保持するため、カーペットを敷設する場合、キッキングプレートがサイドシルの段部に固定されるまでの間、カーペットの展張を維持する作業が必要となる。この結果、自動車組み立てに要する工程数が増大する等、好ましくない。又、前記特開平10−16662号公報に記載されている発明にあっては、キッキングプレートに設けた係止片にカーペットに形成された係合孔を係止する作業を、作業者からは見えない、該キッキングプレートの下面で行なわなければならず、この係止作業が困難となってしまう。
【0009】
この発明に係るワイヤハーネス収容部品は、上述したような各種不都合を解消することのできる自動車用ワイヤハーネス収容部品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るワイヤハーネス収容部品は、請求項1に記載したように、自動車室内に配置されるワイヤーハーネスを収容支持するためのワイヤハーネス収容部品であって、上記ワイヤハーネースを収容する収容部と、この収容部に一体に設けられ、上記自動車室内に取り付けられるステム部と、を備え、上記収容部は、半割状の固定側半部と、この固定側半部の基端にヒンジ部を介してその基端を連結し該固定側半部に対して遠近方向に回動自在な半割状の可動側半部と、これら固定側半部と可動側半部とのそれぞれ先端部同士を係合させることにより、上記ワイヤハーネスを抱持可能な収容部とする係合手段と、上記固定側半部に設けられ、キッキングプレートを係止するキッキングプレート用係止部と、を備えている。
【0011】
上述のように構成される請求項1に記載のワイヤハーネス収容部品を用いて、サイドシルに沿って配設されたワイヤハーネスを収容保護する際の作用は、次のとおりである。先ず、上記ステム部を介して自動車室内に固定の部分にワイヤハーネス収容部品を取り付ける。次いで、上記可動側半部が開放した状態で、上記固定側半部の内側に上記ワイヤハーネスを収容する。固定側半部の内側に上記ワイヤハーネスを収容したならば、上記可動側半部を固定側半部に向けて回動させ、更にこれら固定側、可動側両半部の先端部同士に設けられた係合手段によって先端部同士を係合させる。この結果、上記ワイヤハーネスは、固定側、可動側両半部によって形成される収容部内に収容された状態となり、ワイヤハーネスの保護を図れるようになる。更に、キッキングプレートを、上記固定側半部に設けたキッキングプレート用係止部に係止させることにより、キッキングプレートの取り付けを行なう。
【0012】
請求項1に記載したワイヤハーネス収容部品を用いれば、上述したようにしてワイヤハーネスを収容するとともにキッキングプレートを取り付けることができる。従って、キッキングプレートを取り付けるためのクリップ等の部品を別途設ける必要がなくなり、このような部品の管理の手間や工程数の増大に伴う手間を解消できるとともに、作業性が向上する。更に、この請求項1に記載したワイヤハーネス収容部品を用いれば、キッキングプレートを乗員等が踏んだ場合でも、キッキングプレートの下面位置に収容されているワイヤハーネスの存在に基き、キッキングプレートがつぶれ難くなる。言い換えれば、キッキングプレート下面位置にワイヤハーネスが充填された状態であるために、このキッキングプレートの抗つぶれ性が向上する。この結果、キッキングプレートに変形歪みが生じてしまって外観上満足な結果が得られなくなることが防止される。
【0013】
更に、この発明に係るワイヤハーネス収容部品のうち、請求項2に記載したものにあっては、上記固定側半部がサイドシル側に、前記可動側半部が自動車室内側に、それぞれ設けられていることを特徴としている。このような構成を採用することにより、自動車の保守・点検時等において上記ワイヤハーネスを取り外す場合に、この取り外し作業が容易になる。すなわち、このワイヤハーネスを固定側、可動側両半部の先端部に向けて引っ張ることにより、上記係合手段による固定側、可動側両半部の先端部同士の係合を外し、ワイヤハーネスを取り出すことができる。この際、可動側半部を車内側に設けているために、この取り外し作業は上記サイドシルに邪魔されることなく行なえる。
【0014】
更に、この発明に係るワイヤハーネス収容部品のうち、請求項3に記載したものにあっては、上記可動側半部の先端部側に、自動車室内を構成する床面に敷設するカーペットを係止させるためのカーペット用係止部を設けたことを特徴としている。このような構成を採用することにより、作業者が車外からカーペットを敷設する際に、車内側に向けて無理な姿勢を取ることなく上記係合部を目視できるため、作業効率が向上する。尚、上述の構成に加え、上記固定側、可動側両半部の互いに当接した先端部同士を挟んで上記カーペットを係止させるための係止部と反対側位置、若しくは、上記固定側半部に、上記収容部に収容されるワイヤハーネス以外のワイヤ部材を保持するための保持部を形成することもできる。このような構成を採用することにより、この発明に係るワイヤハーネス収容部品とこの収容部品が取り付けられたサイドシルとの間に生じるデッドスペースに上記ワイヤ部材を配設できるため、当該デッドスペースを有効利用できる。又、上述した各構成の場合、係合手段を介して上記固定側、可動側両半部の互いに当接した先端部同士を係合させる場合、サイドシルを構成するシルフランジと上記可動側半部の先端部とに手指をかけ、この先端部をシルフランジに向けて引き寄せることにより、各先端部同士を係合させることが容易に行なえるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示すこの発明の実施の一形態例に基づき、この発明に係るワイヤハーネス収容部品を詳細に説明する。
図1乃至図5は、本形態例に係るワイヤハーネス収容部品を示している。本形態例に係るワイヤハーネス収容部品は、自動車室内でサイドシル2に沿って配設されるワイヤハーネスWを収容支持するもので、図示のように、基部片1Aの上面に連続する状態で設けられ、上記ワイヤハーネースWを収容する収容部1と、上記基部片1Aの下面に連続する状態で設けられ、上記自動車室内に固定のサイドシル2の段部2Aに取り付けられるステム部1Cと、を備えている。このような収容部1とステム部1Cとを備えるワイヤハーネス収容部品は、ポリプロピレン等の合成樹脂材を一体成形する等により造られている。
【0016】
上記収容部1は、半割状の固定側半部1Eと、この固定側半部1Eの基端(図1乃至図5の下端)にヒンジ部1Bを介してその基端(図1乃至図5の下端)を連結し、該固定側半部1Eに対して遠近方向に回動自在な半割状の可動側半部1Fと、によって構成されている。本形態例の場合、上記固定側半部1Eがサイドシル2側(図1乃至図4の右側、図5の右上側)に、上記可動側半部1Fが自動車室内側(図1乃至図4の左側、図5の左上側)に、それぞれ設けられている。更に、これら固定側半部1Eと可動側半部1Fとのそれぞれ先端部(図1乃至図5の上端部)同士を係合させることにより、上記ワイヤハーネスWを抱持可能な収容部1とする係合手段6を設けている。この係合手段6は、図2及び図5に示すように、可動側半部1Fに形成された鈎部1F1と、固定側半部1Eに形成されている係合溝1E1と、を互いに係脱自在とすることで構成している。この係合手段6の係脱により、上記収容部1を閉じた状態(図1及び図4に示した状態)と開いた状態(図2及び図5に示した状態)とを選択できる。
【0017】
又、上記固定側半部1Eには、キッキングプレート3を係止するためのキッキングプレート用係止部1E2を設けている。この係止部1E2は、固定側半部1Eの先端から延出する一対の片部1E2A、1E2Bを備えている。一方の片部1E2Aには、収容部1に向けて折り返された係止片1Gが、他方の片部1E2Bには、キッキングプレート3の係止鈎3A(図4参照)に係合可能な形状を有し、係止鈎3Aの抜け止めが可能な係合鈎受部1Hが、それぞれ成形により一体化されている。更に、上記可動側半部1Fの先端部側には、自動車室内を構成する床面に敷設するカーペットCを係止させるためのカーペット用係止部1F2を設けている。この係止部1F2は、略茸状をなし、図5に示すように、カーペットCに形成されている係止孔C1、C1を係止する。この係止部1F2によって上記係止孔C1、C1を係止することにより、このカーペッCは上記床面に敷設される。
【0018】
尚、本形態例においては、上述の構成に加え、上記固定側、可動側両半部1E、1Fの互いに当接した先端部同士を挟んで上記カーペット用係止部1F2と反対側位置に、上記収容部1に収容されるワイヤハーネスW以外のワイヤ部材wを保持するための保持部5を形成している。この保持部5に、ウインドウォシャ液を供給するパイプ等のワイヤ部材wを保持することにより、ワイヤ部材wをワイヤハーネスWと隔絶された状態で取り付けることができる。すなわち、ワイヤハーネスWにとって漏電等の原因となるワイヤ部材wを隔絶した位置に設けることができる。これにより、車内でのデッドスペースを有効利用して、新たな取り付け部材を設けることなく一箇所で種々の配線が可能となり、組立性をさらに向上させることができる。
【0019】
一方、上記ステム部1Cは、上記基部片1Aの下面に設けられており、サイドシル2の段部2Aに形成されている取り付け孔7に装着可能である。このステム部1Cには、図1乃至図3に示すように、先端が外方に突出して拡開している片部で構成された係止部1C1と、上記取り付け孔7の周辺部密着する封止用フランジ部1Dと、が設けられている。
【0020】
上述のように構成される本形態例に係るワイヤハーネス収容部品を用いて、サイドシル2に沿って配設されたワイヤハーネスWを収容保護する際の作用は、次のとおりである。先ず、上記ステム部1Cを介して自動車室内に固定の部分であるサイドシル2の段部2Aに取り付ける。すなわち、上記ステム部1Cを段部2Aの取り付け孔7に差し込む。上記取り付け孔7に差し込まれたステム部1Cは、係止部1C1によって抜け止めされると共に、封止用フランジ1Dと協働して取り付け孔7の周辺部が挟持される。このため、封止用フランジ1Dが段部2Aの表面に密に当接し、雨水等の進入を防止する。この結果、雨水等によるサイドシル2の耐久性に悪影響を及ぼすことがなくなる。尚、上記封止用フランジ1Dは、取り付け孔7周辺に密着できる外径を有しているため、ステム部1Cが何らかの影響で割れてしまったような場合でも、このステム部1Cが取り付け孔6から段部2A下方に脱落することがない。
【0021】
次いで、上記可動側半部1Fが開放した状態で、上記固定側半部1Eの内側に上記ワイヤハーネスWを収容する。この際、収容部1は上方が開いた状態であるため、ワイヤハーネスWを摘んで、上記上方から収容する。固定側半部1Eの内側に上記ワイヤハーネスWを収容したならば、上記可動側半部1Fを固定側半部1Eに向けて回動させ、更にこれら固定側、可動側両半部1E、1Fの先端部同士に設けられた係合手段6によって先端部同士を係合させる。すなわち、可動側半部1Fに形成された鈎部1F1を、固定側半部1Eに形成されている係合溝1E1に係合させる。ワイヤハーネスWが上記収容部1内に納められると、可動側半部1Fを上方から摘んで固定側半部1Eに向けて回動させ、更に係合手段6によって収容部1が閉鎖されるので、ワイヤハーネスWの収容作業を確認しやすい状態で行うことができる。しかも、収容されているワイヤハーネスWのばらつき等が防止される。尚、上記可動側半部1Fを閉じる際には、作業者はサイドシル2を構成するシルフランジ2A1と上記可動側半部1Fの先端部とに手指をかけ、この先端部をシルフランジ2A1に向けて引き寄せることで、可動側、固定側両半部1F、1Eの各先端部同士を係合させることができる。従って、この係合作業は容易に行なえる。又、上記各先端部同士を係合させた場合、上記鈎部1F1が上記係合溝1E1に入り込むことで互いが強固に係合し、収容部1を閉じた状態(図1及び図4に示す状態)に維持する。この状態において、上記ワイヤハーネスWは、上記収容部1内に収容された状態となり、ワイヤハーネスWの保護を図れるようになる。
【0022】
更に、自動車室内の床面にカーペットCを敷設する。このカーペットCの敷設作業は、その端部に設けた係止孔C1、C1を上記カーペット係止用係止部1F2に係止することにより行なう。上記可動側半部1Fに設けた係止部1F2に対してカーペットCの係止孔C1、C1を差し込むことにより、図4に二点鎖線で示すように、カーペットCを保持することができる。このように、上記可動側半部1Fの先端部側に上記カーペットCを係止させるためのカーペット用係止部1F2を設けることにより、作業者が車外からカーペットCを敷設する際に、車内側に向けて無理な姿勢を取ることなく上記係止部1F2を目視できる。このため、作業効率が向上する。
【0023】
更に、キッキングプレート3を上記固定側半部1Eに設けたキッキングプレート用係止部1E2に係止させることにより、キッキングプレート3の取り付けを行なう。すなわち、キッキングプレート用係止部1E2に上記係止鈎3Aを挿入することで、キッキングプレート3を取り付ける。本形態例の場合、キッキングプレート3の、サイドシル2の縦壁2A1外表面と対向する面がウエザーストリップSの外表面に回り込む形状とされているため、係止鈎3Aとキッキングプレート3とによって上記ウエザーストリップSを挟持することができ、ウエザーストリップSが不用意に脱落するのを防止できる。
【0024】
本形態例においては、カーペットCの取り付けがキッキングプレート3の取り付け前に行われる。この際、作業者は上方から目視できる。更に、カーペット用係止部1F2がカーペットCの表面から突出する構成となっているため、カーペットCに対して係止部1F2を覆い被せるような場合と違って、掛け止め状態をキッキングプレート3の最終係合時まで視認することができる。又、カーペットCは、係止部1F1に係止孔C1、C1を差し込むように構成されているため、上記カーペットCに対して係止部を覆い被せる場合と違って、係止部1F2とカーペットCの係止孔C1、C1との位置関係を整合させ易く、しかも、位置合わせの確認ができないという不具合をなくすことができる。
【0025】
本形態例に係るワイヤハーネス収容部品を用いれば、上述したようにしてワイヤハーネスWを収容でき、しかも、このワイヤハーネス収容部品を利用して上記キッキングプレート3及びカーペットCを取り付けることができる。従って、キッキングプレート3を取り付けるためのクリップ等の部品を別途設ける必要がなくなり、このような部品の管理の手間や工程数の増大に伴う手間を解消できる。更に、このワイヤハーネス収容部品を用いれば、キッキングプレート3を乗員等が踏んだ場合でも、キッキングプレート3の下面位置に収容されているワイヤハーネスWの存在に基き、キッキングプレート3がつぶれ難くなる。言い換えれば、キッキングプレート3下面位置にワイヤハーネスWが充填された状態であるために、このキッキングプレート3の抗つぶれ性が向上する。この結果、キッキングプレート3がつぶれたり、正規の位置から外れたりすることが有効に防止され、キッキングプレート3の耐久性が向上する。
【0026】
更に、本形態例に係るワイヤハーネス収容部品にあっては、上記固定側半部1Eがサイドシル2側に、前記可動側半部1Fが自動車室内側に、それぞれ設けられているため、自動車の保守・点検時等において上記ワイヤハーネスWを取り外す場合に、この取り外し作業が容易になる。すなわち、このワイヤハーネスWを固定側、可動側両半部1E、1Fの先端部に向けて引っ張ることにより、上記係合手段6による固定側、可動側両半部1E、1Fの先端部同士の係合を外し、ワイヤハーネスWを取り出すことができる。この際、可動側半部1Fを車内側に設けているために、この取り外し作業は上記サイドシル2に邪魔されることなく行なえる。
【0027】
更に、本形態例に係るワイヤハーネス収容部品にあっては、上記可動側半部1Fの先端部側に上記カーペットCを係止させるためのカーペット用係止部1F2を設けているため、上述したように、作業者が車内側に向けて無理な姿勢を取ることなく上記係止部1F2を目視できる。このため、カーペット敷設作業の効率が向上する。又、本形態例においては、上述の構成に加え、上記固定側、可動側両半部1E、1Fの互いに当接した先端部同士を挟んで上記カーペット用係止部1F2と反対側位置に、ウインドウウォシャ液用パイプ等の、上記ワイヤハーネスW以外のワイヤ部材wを保持するための保持部5を形成している。このため、ワイヤハーネス収容部品とこの収容部品が取り付けられたサイドシル2との間に生じるデッドスペースに上記ワイヤ部材wを配設でき、当該デッドスペースを有効利用できるとともに、このワイヤ部材wのワイヤハーネスWに対する悪影響を防止できる。
【0028】
尚、上記収容部1の形状は、収容されるワイヤハーネスWの種類や数によって決まるので、図1に示した形状に限らない。例えば、単一のワイヤハーネスを対象とするような場合、図6に示すような形状とすることができる。又、上記保持部5は、固定側半部1Eの表面で、図示の例とは異なる位置に設けることができる。
【0029】
【発明の効果】
この発明に係るワイヤハーネス収容部品は、上述したように構成され作用するため、以下のような効果を有する。すなわち、請求項1に記載したワイヤハーネス収容部品にあっては、作業性が向上する。これとともに、キッキングプレートを乗員等が踏んだ場合でも、キッキングプレートの下面位置に収容されているワイヤハーネスの存在に基き、キッキングプレートがつぶれ難くなる。この結果、キッキングプレートに変形歪みが生じてしまって外観上満足な結果が得られなくなることが防止される。
【0030】
更に、請求項2に記載したものにあっては、上述した効果に加え、上記ワイヤハーネスを取り外す場合に、この取り外し作業を上記サイドシルに邪魔されることなく行なえ、作業効率が向上する。又、請求項3に記載したものにあっては、作業者が車外からカーペットを敷設する際に、車内側に向けて無理な姿勢を取ることなく上記係合部を目視できるため、作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態例を示す正面図である。
【図2】同じく、収容部を開いた状態で示す正面図である。
【図3】同じく、左側面図である。
【図4】同じく、サイドシルの段部に装着した状態で示す正面図である。
【図5】ワイヤハーネス、ワイヤ部材、カーペット、キッキングプレートを装着する状態を説明するための斜視図である。
【図6】収容部の別例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 収容部
1B ヒンジ部
1C ステム部
1C1 係止部
1D 封止用フランジ
1E 固定側半部
1E2 キッキングプレート用係止部
1F 可動側半部
1F2 カーペット用係止部
2 サイドシル
2A 段部
3 キッキングプレート
6 係合手段
1F1 鈎部
1E1 係合溝
W ワイヤハーネス
w ワイヤ部材
Claims (3)
- 自動車室内に配置されるワイヤーハーネスを収容支持するためのワイヤハーネス収容部品であって、上記ワイヤハーネースを収容する収容部と、この収容部に一体に設けられ、上記自動車室内に取り付けられるステム部と、を備え、上記収容部は、半割状の固定側半部と、この固定側半部の基端にヒンジ部を介してその基端を連結し該固定側半部に対して遠近方向に回動自在な半割状の可動側半部と、これら固定側半部と可動側半部とのそれぞれ先端部同士を係合させることにより、上記ワイヤハーネスを抱持可能な収容部とする係合手段と、上記固定側半部に設けられ、キッキングプレートを係止するキッキングプレート用係止部と、を備えたものであることを特徴とする、ワイヤハーネス収容部品。
- 前記固定側半部がサイドシル側に、前記可動側半部が自動車室内側に、それぞれ設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のワイヤハーネス収容部品。
- 前記可動側半部の先端部側に、自動車室内を構成する床面に敷設するカーペットを係止させるためのカーペット用係止部を設けたことを特徴とする、請求項1乃至請求項2のいずれかに記載のワイヤハーネス収容部品。
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