JP4064435B2 - コラーゲンゲルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はコラーゲンゲルおよびその製造方法に関する。さらに詳しくいえば、特に魚類由来のコラーゲン線維を架橋してなるコラーゲンゲル、その製造方法およびそのコラーゲンゲルを用いた細胞担体、医療用材料、創傷被覆材、人工硬膜およびドラッグ・デリバリー・システム(DDS)材料に関する。
コラーゲンは、少なくとも部分的に螺旋構造(コラーゲン螺旋)を有するタンパク質または糖タンパク質として定義される。これは、3本のポリペプチド鎖から形成される3重螺旋で、分子量10万程度の各ポリペプチド鎖にはグリシン残基が3個目ごとに、またその他のアミノ酸残基としてプロリン残基、ヒドロキシプロリン残基が高頻度に現れる。コラーゲンは無脊椎動物あるいは脊椎動物の組織、特に皮膚から多く抽出することができる。コラーゲン分子には構造の違いによって19種類の型の存在が報告されており、さらに同じ型に分類されるコラーゲンにも数種類の異なる分子種が存在する場合がある。
中でも、I、II、III型およびIV型コラーゲンが主にバイオマテリアルの原料として用いられている。I型はほとんどの結合組織に存在し、生体内に最も多量に存在するコラーゲン型である。特に腱、真皮および骨に多く、工業的にはコラーゲンはこれらの部位から抽出される場合が多い。II型は軟骨を形成するコラーゲンである。III型は少量ではあるがI型と同様の部位に存在することが多い。IV型は基底膜を形成するコラーゲンである。I、IIおよびIII型はコラーゲン線維として生体内に存在し、主に組織あるいは器官の強度を保つ役割をはたしている。IV型は線維形成能力を有しないが、4分子で構成される網目状会合体を形成し、基底膜における細胞分化に関与しているとされる。本明細書において、以下コラーゲンという呼称はI、II、III型あるいはそれら2種類以上の混合物を示すこととする。
コラーゲン線維は上記コラーゲン分子の自己集合体であり、コラーゲン分子が直列かつ並列にパッキングされた特異的な線維構造を有する。工業的には酸、アルカリ、あるいはタンパク質分解酵素を用いて組織内コラーゲン線維から可溶化されたコラーゲンが製造される。
可溶性コラーゲンは、コラーゲン分子が数分子以下の集合体にまで微細化されていて、水あるいは塩水溶液に溶解して均一な透明溶液を形成する。一度可溶化されたコラーゲン分子は条件次第で試験管内でコラーゲン線維を再形成することが知られている。この現象は線維化(fibril formationあるいはfibrillation)と呼ばれ、その性質についてはBiochemical Journal 316, p1〜11(1996)に詳細に記載されている。
コラーゲンに熱を加えるとコラーゲンの三重螺旋構造がほぐれ、それぞれのポリペプチド鎖がランダムコイル状の熱変性物を与える。そのような構造変化を起こす温度は変性温度と呼ばれ、熱変性物はゼラチンと呼ばれる。ゼラチンはコラーゲンに比べ水溶性が高い他に、生体内プロテアーゼに対する感受性が高いことが知られている。溶媒の条件によってはゼラチンがコラーゲン螺旋構造を部分的に回復することが知られている。ゼラチンはコラーゲン線維形成能を失っているが、部分的にコラーゲン螺旋構造を回復させることでコラーゲン線維形成能を回復できることが知られている。
コラーゲンの変性温度は溶液状態の時に最も低くなる。また、コラーゲンは一般に生物原料から得られるが、生物から得たコラーゲンの変性温度はその生物の生活環境温度と密接に関係していると言われる。水溶液でのコラーゲンの変性温度は、哺乳類では38℃前後であるが、魚類はおおむね哺乳類よりも低く、特に鮭等の寒流系の魚類では20℃を下回る場合もある。
コラーゲンは優れた保湿性を有し、ヒアルロン酸などの他の生体由来保湿剤に比べ収量が多く安価であるために、化粧品原料として有効に用いられている。また、細胞の接着や増殖を促す、抗原性が低い、生体親和性が高い、生分解性である、などの多くの優れた性質から、細胞実験用材料および医療用材料など様々な用途に有効に使用されている。コラーゲンがこれらの目的で使用される場合、水溶液、綿状物、フィルム、スポンジ、ゲルなど用途に応じて種々の形態で使用される。特にコラーゲンゲルは細胞担体、医療用材料などに有効に用いられており、近年では再生医療における重要なマテリアルとして盛んに研究されている。コラーゲンゲルを作製する方法は大きく3種類に分けることができる。
1.コラーゲン溶液に架橋剤を導入し、溶液をゲル化する方法。
2.コラーゲン溶液に架橋を惹起する光線を照射し、溶液をゲル化する方法。
3.コラーゲン溶液に中性緩衝液を加えてコラーゲンの線維化を惹起させ、コラーゲン線維ネットワークから構成されるゲルを得る方法。
上記1の方法については、例えばコラーゲン溶液に化学架橋剤を混合してゲル化させた眼科用コラーゲンゲル成形物(特開平11-197234号)、グリコサミノグリカンとコラーゲンの混合溶液を水溶性カルボジイミドで架橋した組織再生マトリックス用ゲル(特開2002-80501)などが開示されている。2の方法については、例えば窒素で十分に置換したコラーゲン溶液に紫外線を照射すると、コラーゲン溶液がゲル化することが報告されている(Biochimica Biophysica Acta 229, p.672〜680(1971))。3の方法については、例えばサメ由来コラーゲン水溶液と中性緩衝液を混合してコラーゲンの線維化を惹起させることにより得られる、コラーゲン線維ネットワークから構成されるゲルが報告されている(Journal of Agricultural Food Chemistry 48, p.2028〜2032(2000))。
上記3種類のゲル化方法によって作製したコラーゲンゲルは、熱安定性が不十分であり、用途によってはコラーゲンの変性によるゲルの軟化や溶解をきたして使用できなくなる場合があった。また、ゲル強度が不十分であり、用途によってはゲルの収縮や崩壊をきたし使用できなくなる場合があった。
そこで近年、コラーゲンゲルの強度向上という観点から、酸性コラーゲン溶液を線維化させて調製したコラーゲンゲルにタンパク質架橋剤を接触させる技術が開示された(特開平8-283667号)。しかし、この技術は、コラーゲン線維表面での架橋であり、ゲルの中心部まで架橋剤が浸透しないためため強度の向上が十分でなく、ゲルの熱安定性はほとんど向上しないという問題があった。
公知の架橋剤はコラーゲン分子の螺旋内ではなくコラーゲン分子間に作用するという本質的な問題、およびコラーゲンゲルの内部まで架橋剤を作用させることが困難であるという問題がいまだに解決されていないため、コラーゲンゲルの熱安定性向上は十分に達成されていない。すなわち、上記3種類のゲル化方法によって作製したコラーゲンゲルよりも高い熱安定性を付与する技術は、いまだ開示されていない。
さらに、従来コラーゲン材料の原料となるコラーゲンは、そのほとんどが牛皮など家畜の組織から採取されているが、近年、BSE(牛海綿状脳症)問題が顕在化し、牛皮を含む家畜由来の原料を用いたコラーゲン製品により、人間に対して病原体が感染する危険性を潜在的に指摘されるに至った。そこで安全性と資源量等の観点から、魚類由来コラーゲンが化粧品材料および食品材料として俄に脚光を浴び、コラーゲンゲルの原料として変性温度の低い魚類由来コラーゲンを用いることが重要になりつつある。
しかし、魚類由来コラーゲンは、危険性が低い反面、変性温度が低いために材料としての熱安定性が不十分な場合が多いため、家畜由来コラーゲンに比べ細胞担体や医療用材料の原料として不利であると考えられている。
以上に述べた従来のコラーゲンゲル製造方法における熱安定性あるいは強度不足などの問題点は、一般的な家畜由来コラーゲンゲルの医療用材料への幅広い応用を制限してきた。さらに、ゲルを医療用材料として用いるためには、少なくとも生体内温度である37℃において安定であることが求められる場合が多く、魚類由来コラーゲンゲルの安定化方法としては不十分であった。
従って、本発明は、細胞担体および医療用材料として幅広く使用し得る、高い強度と熱安定性を有する特に魚類由来のコラーゲンゲル、その製造方法およびその方法で得られるコラーゲンシートおよびその用途の提供を目的とする。
従来のコラーゲンゲルの製造方法では、コラーゲンゲルの強度や熱安定性が不十分であり、用途によっては変性によるゲルの軟化や溶解をきたし、使用できなくなる場合がある。また、医療用材料として用いるための十分に高い熱安定性を魚類由来コラーゲンゲルに付与することが困難である。
本発明者らは、前記問題点を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、コラーゲンの線維化途上に線維間の架橋反応を起こすことにより、従来の方法では困難であったコラーゲンゲルの強度と熱安定性の大幅な向上を同時に達成でき、細胞担体および医療用材料、創傷被覆材、人工硬膜、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)材料として極めて有用なコラーゲン材料が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は下記のコラーゲンゲル、その製造方法およびそのコラーゲンゲルを用いた細胞担体、医療用材料、創傷被覆材、人工硬膜、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)材料を提供する。
1.架橋剤により架橋されたコラーゲン線維からなることを特徴とするコラーゲンゲル。
2.コラーゲンが魚類から得られたものである前記1に記載のコラーゲンゲル。
3.架橋剤が水溶性カルボジイミドである前記1に記載のコラーゲンゲル。
4.コラーゲンの線維化途上に架橋剤により線維同士を架橋することを特徴とする架橋されたコラーゲン線維からなるコラーゲンゲルの製造方法。
5.コラーゲン溶液に対し、線維化を惹起させる溶媒と架橋剤溶液とを混合する前記4に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
6.魚類から得られたコラーゲンを使用する前記4または5に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
7.線維化を惹起させる溶媒が、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩およびTrisから選ばれる緩衝能を有する塩水溶液である前記5に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
8.架橋剤として水溶性カルボジイミドを線維化を惹起させる溶媒に溶かした溶液を使用する前記5に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
9.コラーゲン溶液のコラーゲン濃度が0.01〜3.0(w/v)%の範囲である前記5に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
10.コラーゲンゲルの製造に用いられる架橋剤の濃度が、コラーゲンゲルにおける架橋剤終濃度として15〜80mMの範囲である前記5に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
11.コラーゲン溶液と、線維化を惹起させる溶媒および架橋剤溶液との混合をコラーゲンの変性温度+5℃以下で行なう前記5に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
12.コラーゲン溶液と、線維化を惹起させる溶媒および架橋剤溶液とを混合した後、コラーゲンの変性温度+5℃以下の温度で少なくとも1時間インキュベートする前記11に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
13.前記4乃至12のいずれか1項に記載の方法で製造されたコラーゲンゲル。
14.前記13のコラーゲンゲル中の溶媒を除去して得られるコラーゲンシート。
15.前記1乃至3および前記13のいずれか1項に記載のコラーゲンゲルからなる細胞担体または医療用材料。
16.前記14に記載のコラーゲンシートからなる細胞担体または医療用材料。
17.前記14に記載のコラーゲンシートからなる創傷被覆材。
18.前記14に記載のコラーゲンシートからなる人工硬膜。
19.前記14に記載のコラーゲンシートからなるドラッグ・デリバリー・システム材料。
本発明は、コラーゲンの線維化途上に線維間に架橋反応を起こすことにより、架橋ならびに線維化によるコラーゲンゲルの機械強度と熱安定性の向上を相乗的に得ることを特徴とするコラーゲンゲルの製造方法およびそのゲルを提供することを要旨とする。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるコラーゲンは、線維化能を有するものであればその型について特に限定されるものではないが、工業的な利用という観点から、収量の多いI型コラーゲンあるいはそれを主成分とするコラーゲンが好ましい。
本発明に用いられるコラーゲンは、線維化能を有するものであればその分子構造について特に限定されるものではない。コラーゲン分子の両末端に存在する非螺旋領域(テロペプチド)は抗原性を有するという報告がある。用途によっては除去されるべき場合があるが、線維化能を有する限りはテロペプチドが除去されていても除去されていなくても構わない。
本発明に用いられるコラーゲンは、線維化能を有するものであればその変性について特に限定されるものではない。一度変性させたコラーゲンでも、部分的にコラーゲン螺旋構造を回復し、線維化能を回復することが知られている。本発明を達成するには、線維化能の観点から、螺旋率(%)が50以上であることが好ましい。上記螺旋率(%)とはJournal of Food Chemistry 60, p.1233(1995)に記載されている螺旋回復率(%)と同義である。すなわち、旋光度計で測定した比旋光度より求めた螺旋回復率(%)のことを示す。
本発明に用いられるコラーゲンは、線維化能を有するものであればその由来について特に限定されるものではないが、資源量およびコラーゲン収率の観点から脊椎動物の真皮に由来するコラーゲンが好ましく用いられる。中でも、BSE等の病原体を保有する可能性が家畜よりも潜在的に低い魚類真皮コラーゲン、例えば、鮭皮、サメ皮、マグロ皮、タラ皮、カレイ皮等、特に好ましくは鮭皮が用いられる。
本発明におけるコラーゲン線維とは、文献(Journal of Agricultural Food Chemistry 48, p.2028〜2032(2000))の走査型電子顕微鏡写真に示されているような糸状構造のことを意味する。
本発明に用いられる架橋剤は、タンパク質を架橋でき、水溶性を有するものであれば特に限定されるものではない。タンパク質の架橋剤については、文献(Biomaterials 18, p.95〜105(1997))に詳細に記載されている。中でも、アルデヒド系、カルボジイミド系、エポキシド系およびイミダゾール系架橋剤が経済性、安全性および操作性の観点から好ましく用いられる。特に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミド・スルホン酸塩などの水溶性カルボジイミドを後述の線維化を惹起させる溶媒に溶かした溶液として使用することが好ましい。
本発明に用いられる架橋剤が水溶性カルボジイミドの場合、N−ヒドロキシコハク酸イミドを共存させることで架橋効率を高めることができる。
本発明のコラーゲンゲルの製造方法は、コラーゲンの線維化途上に架橋反応を起こすことを特徴としている。これを達成するための具体的方法としては、以下の3つの方法が挙げられる。
A.コラーゲン溶液に対し、線維化を惹起させる溶媒を用いた架橋剤の溶液を混合する方法。
B.コラーゲン溶液に対し、線維化を惹起させる溶媒を混合し、それと同時あるいはその後に架橋剤溶液を加える方法。
C.コラーゲン溶液に対し、架橋剤溶液を加え、その後線維化を惹起させる溶媒を混合する方法。
これらの方法により、コラーゲン線維化の途上に架橋反応が起こり、コラーゲン分子間およびコラーゲン線維間に架橋が起こる。この反応はコラーゲン線維化と架橋の相乗効果をもたらし、従来の方法では達成困難であった強度と熱安定性を有するコラーゲンゲルが得られる。操作性の観点から、Aの方法によりコラーゲンゲルを製造することが特に好ましい。
本発明のコラーゲンゲルの製造に用いられるコラーゲン溶液のpHは、コラーゲン原料の製造方法に応じて変わる。コラーゲンは主に、酸性水溶液で抽出される酸可溶化コラーゲンと、アルカリ水溶液で抽出されるアルカリ可溶化コラーゲンに分けられる。本発明に用いられるコラーゲン溶液が酸可溶化コラーゲン溶液の場合、そのpHは2.0〜6.0の間であることが好ましい。pHが2.0よりも低い場合、コラーゲン分子が加水分解を受ける場合があり好ましくない。pHが6.0よりも高い場合、コラーゲンが十分に可溶化されない場合があり好ましくない。一方、本発明に用いられるコラーゲン溶液がアルカリ可溶化コラーゲン溶液の場合、pHは5.5〜10の間であることが好ましい。pHが5.5よりも低い場合、コラーゲンが十分に可溶化されない場合があり好ましくない。pHが10よりも高い場合、コラーゲン分子が加水分解を受ける場合があり好ましくない。
本発明のコラーゲンゲルの製造に用いられるコラーゲン溶液の溶媒としては、酸性溶媒の場合、最終用途から見て、安全で工業用として広く使用されている水、あるいは塩酸、酢酸、クエン酸、フマル酸等の水溶液が望ましい。中性〜アルカリ性の場合、上記と同様の理由から、水、あるいはリン酸塩、酢酸塩、Tris等の水溶液が望ましい。
本発明のコラーゲンゲルの製造に用いられるコラーゲン溶媒の溶質濃度としては、用いられるコラーゲンが可溶化されるpHを溶媒に付与できれば、特に限定されるものではない。しかし、溶質濃度が高すぎると、溶質によっては目的範囲のpHを付与できない場合、コラーゲンの線維化を阻害する場合、あるいは得られるゲルの細胞接着性などの物性を阻害する場合があり好ましくない。好ましくは1.0M以下であり、より好ましくは0.50M以下である。
本発明のコラーゲンゲルの製造に用いられるコラーゲン溶液には、熱安定性の高いコラーゲンゲルを得るという本発明の効果を阻害しない範囲であれば、コラーゲンゲルの機能をさらに高めるべく種々の機能性物質を加えることができる。具体的には、細胞増殖因子などの機能性タンパク質、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリ乳酸、β1−3グルカン、キチン、あるいはキトサンなどの機能性多糖類が挙げられる。
本発明のコラーゲンゲルの製造に用いられるコラーゲン溶液のコラーゲン濃度としては、コラーゲンの溶解性、溶液の粘性あるいはゲルの物性の観点から0.01〜3.0(w/v)%の範囲であることが好ましい。濃度が0.01(w/v)%よりも低い場合、ゲルの強度が不足する場合があり好ましくない。濃度が3.0(w/v)%よりも高い場合、コラーゲン溶液の粘性が高すぎてゲルの製造が困難になる場合があり好ましくない。好ましくは0.05〜2.0(w/v)%の範囲である。
本発明のコラーゲンゲルの製造に用いられる架橋剤の濃度としては、架橋剤溶液の濃度よりも、むしろコラーゲンゲルにおける架橋剤終濃度が重要である。架橋度および架橋速度の観点から、終濃度として15mM〜80mMの範囲であることが好ましい。架橋剤の終濃度が15mMよりも低い場合、架橋度が不足してゲルの強度や熱安定性が不十分となる場合があり好ましくない。架橋剤の終濃度が80mMよりも高い場合、架橋剤の共存によるコラーゲン線維化の阻害が顕著になり、ゲルの強度や熱安定性が不十分となる場合があり好ましくない。
本発明のコラーゲンゲルの製造に用いられるコラーゲンの線維化を惹起する溶媒としては、特に限定されるものではない。しかし、細胞担体あるいは医療材料などの最終用途を考慮すれば、細胞毒性が無いかあるいは低く、工業用として広く使用されているリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、Tris等の緩衝能を有する塩水溶液を用いることが好ましい。コラーゲンの線維化に適するpHは、コラーゲンの種類によって変化するが、pH5〜9の範囲である場合が多く、その範囲で高い緩衝能を有するリン酸塩が特に好ましく用いられる。該溶媒の溶質濃度については、本発明のコラーゲンゲルの製造に用いられるコラーゲン溶液の溶媒の溶質濃度に準ずる。
コラーゲン溶液と線維化を惹起させる溶液あるいは架橋剤溶液と混合する操作は、これらの溶液温度を、変性温度を大きく超えない温度に保って行なわれる。特に混合後の溶液温度が重要である。混合溶液の温度がコラーゲンの変性温度を大きく超える場合、架橋反応は起こるもののコラーゲンが変性して線維化能を減じ、高いゲル強度と熱安定性を有するコラーゲンゲルを製造するという本発明の効果が十分に達成されない場合があり好ましくない。好ましくは使用するコラーゲンの変性温度+5℃以下であり、より好ましくは使用するコラーゲンの変性温度以下である。
上記のコラーゲンの変性温度は、Journal of Food Chemistry 60, p.1233(1995)に記載されている、コラーゲン溶液を段階的に加温した場合のコラーゲン溶液の旋光度変化から決定される値である。
コラーゲン溶液に対して線維化および架橋を生じさせる各種溶液を混合する操作において、これらの溶液を混合する方法としては特に限定されるものではないが、線維化による溶液のゲル化によって溶液の流動性が失われる前に、できるだけ均一に混合することが好ましい。容器内に混合溶液を入れて手作業あるいはシェーカーで容器を振る方法、マグネティックスターラーあるいは羽根付き撹拌棒などを用いて機械的に溶液を撹拌する方法が好ましく用いられる。
コラーゲン溶液に対して線維化および架橋を生じさせる各種溶液を混合した後、線維化と架橋反応を十分に起こすために混合溶液をインキュベートする。インキュベート時間としては、高いゲル強度あるいは熱安定性を付与するという観点から、少なくとも1時間以上であることが望ましい。インキュベート温度は、コラーゲンの変性を防ぐという観点から、好ましくはコラーゲンの変性温度+5℃以下であり、より好ましくはコラーゲンの変性温度以下である。
以上の方法により得られた本発明のコラーゲンゲルは、高い機械強度を有しており、同時に熱安定性にも優れる。このため、従来のコラーゲンゲルでは困難であった用途への応用が期待できるほか、変性温度の低い魚類由来コラーゲンから、再生医療におけるマテリアル等の細胞担体あるいは医療用材料へ応用するに十分な機械強度と熱安定性を有するコラーゲンゲルを製造できる。
更に、以上の方法により得られた本発明のコラーゲンゲルの溶媒を除去することによりコラーゲンシートを作製することができる。溶媒を除去する方法としては風乾およびプレスが用いられる。中でも、溶媒除去工程中に更なる架橋が導入され、操作が簡便で試料へのダメージが少ない風乾が好ましく用いられる。
コラーゲンゲルの溶媒を風乾によって除去する工程において、その温度はゲルの融点以下で行われる。融点を超える温度で風乾した場合、ゲルが熱変性して収縮する場合があり好ましくない。また、温度が低すぎると溶媒の蒸発に時間がかかりすぎるので好ましくない。好ましい温度範囲は10℃〜50℃であり、更に好ましくは25℃〜40℃である。
コラーゲンゲルの溶媒をプレスによって除去する工程は、圧力1kPa〜10MPaの範囲で行われる。圧力が1kPa未満ではゲル強度が圧力を上回り、溶媒の除去が十分に行われない場合があり好ましくない。圧力が10MPa以上ではゲルの急激な歪みによってゲルが破れる場合があり好ましくない。好ましくは10kPa〜1MPaの範囲である。
コラーゲンゲルの溶媒をプレスによって除去する工程において、成形性を高める目的でプレス機とゲルの間に吸水性材料を挟むことができる。吸水性材料は特に限定されないが、安価で吸水性に優れる紙やコットンなどが好ましく用いられる。また、ゲルと吸水性材料との接着を防ぐ目的で、テフロン製ろ紙などの疎水性のフィルターを挟むことができる。
以上の方法により得られた本発明のコラーゲンシートは、ゲルと同様に高い機械強度を有しており、同時に熱安定性にも優れる。このため、従来のコラーゲンシートでは困難であった用途への応用が期待できるほか、変性温度の低い魚類由来コラーゲンから、創傷被覆材や人工硬膜、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)材料などの医療用材料へ応用するに十分な機械強度と熱安定性を有するコラーゲンシートを製造できる。
以下、本発明を実施例と比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記に記載範囲に限定されるものではない。
はじめに各種測定方法を示す。
1.コラーゲン線維の観察
以下の操作により、コラーゲンゲル中のコラーゲン線維を観察した。コラーゲンゲルを2.5(w/v)%のグルタルアルデヒド水溶液に24時間浸した後、20、50、75、および99(v/v)%エタノール水溶液に各30分ずつ順次浸し、コラーゲンゲルを脱水した。これを酢酸イソペンチルに15分ずつ2回浸した後、CO2による臨界点乾燥を行なった。乾燥したコラーゲンゲルにイオンコーター(E-1010、日立製)を用いて金を蒸着し、走査型電子顕微鏡(SEM)用試料とした。SEM観察はJEOL製JSM-6500Fを用いて、倍率15,000倍で行なった。
2.コラーゲンゲルのゲル強度の測定
以下の操作により、コラーゲンゲルのゲル強度を求めた。
内径35mmの細胞培養用ポリスチレン製ペトリディッシュ(IWAKI製)に、厚み5〜7mmになるようにコラーゲンゲルを作製した。ゲルに対して内径20mmの円盤プローブを速度50mm/分で押し込み、応力が検知されてから1.3mm押し込んだ時点での応力(g)をレオメーター(CR-200D、サン科学製)を用いて測定した。測定は3個のゲルについて行ない、その応力の平均値(g)をゲル強度とした。
3.コラーゲンゲルの融点の測定
以下の操作によりコラーゲンゲルの融点を測定し、コラーゲンゲルの熱安定性を評価した。すなわち、内径15mmのカラス試験管に高さ40±5mmになるようにゲルを作製し、水浴に設置した。水浴温度を20℃から1℃ずつ段階的(各温度における保持時間、30分)に上昇させ、ゲルが溶解する温度からゲルの熱安定性を評価した。ゲルの溶解は2〜3℃に渡って徐々に起こる場合がある。ゲル体積のおよそ半分が溶解する温度を融点(℃)とした。
4.コラーゲンゲル上での細胞増殖アッセイ
(1)細胞培養
ヒト歯周靭帯細胞(hPDL細胞)を以下の操作により得た。抜歯した歯の歯根からhPDL細胞を回収し、血清(Fetal Bovine Selum, GIBCO製)を10%添加したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM, 日水製)で培養した。2日おきに培地交換し、セミコンフルエントになったところで細胞を0.02%トリプシン−0.25%EDTA溶液で剥がして新しいプレートにそれぞれ5×103cells/cm2になるように継代培養した。
コラーゲンゲル培養には10〜15代の間の継代数のhPDL細胞を使用した。以下の操作によりコラーゲンゲルに接着した細胞を観察し、コラーゲンゲルの細胞接着性を評価した。内径16mmの細胞培養用ポリスチレン製ペトリディッシュ(12穴、NUNC製)にゲル体積750μLになるようにゲルを作製した。ゲル上部にphosphate buffer seline(-)(PBS)を乗せて37℃で40分間インキュベートした後、PBSを除いた。これを4回繰り返し、ゲル中に含まれる塩、未反応架橋剤などを除去した。細胞培養直前に上記と同じ10%血清含有DMEMを乗せて37℃で40分間インキュベートした後、培地を除いて洗浄した。洗浄したコラーゲンゲル上にhPDL細胞を5×103cells/cm2になるように播種し、10%血清含有DMEMを培地として、37℃、5%CO2インキュベーター中で培養した。培地交換は2日ごとに行なった。
(2)細胞増殖アッセイ
増殖活性試験は増殖アッセイキット(CellTiter 96 AQueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay, Promega製)を使用した。所定日数培養後、増殖アッセイ溶液を1ml添加し、5%CO2インキュベーターで60分間培養した。培養後上清を200μL取って96穴プレート(NUNC製)に移し、プレートリーダーで490nmの吸光度を測定した。あらかじめ作成しておいた細胞数−吸光度検量線から吸光度値を細胞数に変換した。
実施例1:
1.魚皮からの可溶性コラーゲンの製造
(1)鮭皮の脱脂
魚皮として鮭(シロサケ、学名;Oncorhynchus Keta)の皮を用いた。鱗と身をメスで除去した鮭皮をおよそ3cm四方に細断した。これをクロロホルム/メタノールの等容混合溶媒で3回繰り返して脱脂を行ない、メタノールで2回洗浄してクロロホルムを除去したのち、水で3回洗浄してメタノールを除去した。これ以降の工程は、全て4℃で行なった。
(2)コラーゲンの抽出およびペプシン消化
上記脱脂鮭皮130gを4℃の0.5M酢酸5Lに浸漬し、4日間静置した。膨潤した鮭皮を医療用ガーゼでろ過し、ろ液を10,000×gで30分遠心して不溶物を沈殿させ、1.5Lの上清を回収した。上清にペプシン粉末50mgを混合して2日間おだやかに撹拌した。
(3)コラーゲンの精製
上記コラーゲン溶液に対し、終濃度5%になるように塩化ナトリウムを加え、ガラス棒で1分間おだやかに撹拌した後、24時間静置した。塩析により生じた白い不溶物を遠心(上記と同様の条件)して沈殿を回収し、沈殿を0.5M酢酸2Lに加え、おだやかに撹拌して溶解した。溶解まで3日間を要した。
この操作を一回繰り返して、無色透明なコラーゲン溶液を得た。このコラーゲン溶液を、セルロースチューブを用いて脱イオン水に対して透析した。透析外液のpHが中性を示すまで脱イオン水を繰り返し交換して、得られた中性コラーゲン溶液を凍結乾燥した。白色のスポンジ状コラーゲンが得られた。
2.コラーゲンゲルの作製
(1)0.50%コラーゲン水溶液の調製
上記スポンジ状コラーゲンをシリカゲル入りデシケーターで減圧乾燥し、その精秤値を用いて0.50(w/v)%になるように4℃に予備冷却したpH3.0希塩酸に加え、おだやかに撹拌して溶解した。次に、コラーゲン溶液をポアサイズ10μm、0.65μm、0.45μmのメンブランフィルターで順次ろ過した。ろ液をポリプロピレン製遠沈管(50mL)に20mLずつ小分けした。
(2)架橋剤水溶液の調製
70mMの塩化ナトリウムを含むpH6.8、30mMリン酸ナトリウム緩衝水溶液を溶媒として、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩の100mM水溶液を調製した。得られた架橋剤水溶液をポリプロピレン製遠沈管(50mL)に20mLずつ小分けした。
(3)コラーゲンゲルの作製
以下の操作は全て4℃で行なった。上記の0.50%コラーゲン水溶液(20mL)が入っている遠沈管に、上記の架橋剤溶液(20mL)を加え、蓋をした。遠沈管を振り動かして溶液を混合し、内径35mmの細胞培養用ポリスチレン製ペトリディッシュおよび内径15mmのカラス試験管に流し込み、24時間静置してコラーゲンゲルを得た。
3.コラーゲンゲルの線維構造および物性
SEMにより観察したコラーゲンゲルのコラーゲン線維構造を図1に、ゲル強度および融点の測定結果を表1に示す。
4.コラーゲンゲル上での細胞増殖アッセイ
コラーゲンゲル上での細胞増殖アッセイの結果を図4に示す。
比較例1:
実施例1の架橋剤を除いた以外は、実施例1と同じ方法でコラーゲンゲルを作製した。SEM観察により、実施例1と同様のコラーゲン線維構造がみられた。ゲル強度および融点の測定結果を表1に示す。
比較例2:
実施例1の架橋剤水溶液における架橋剤濃度を20mMに変更した以外は、実施例1と同じ方法でコラーゲンゲルを作製した。SEM観察により、実施例1と同様のコラーゲン線維構造がみられた。ゲル強度および融点の測定結果を表1に示す。
比較例3:
実施例1の架橋剤水溶液の溶媒を脱イオン水に変更した以外は、実施例1と同じ方法でコラーゲンゲルを作製した。SEMにより観察したコラーゲンゲルのコラーゲン線維構造を図2に、ゲル強度および融点の測定結果を表1に示す。
比較例4:
1.コラーゲンゲルの作製
0.3%豚皮由来アテロコラーゲン水溶液(Cellmatrix TypeI-P、pH3希塩酸溶媒、新田ゼラチン製)30mlを遠沈管に入れ、4℃に保った。同じく4℃に保った210mMの塩化ナトリウムを含むpH6.8、90mMリン酸ナトリウム緩衝水溶液6mlを、コラーゲン水溶液の入っている遠沈管に加え、蓋をした。遠沈管を振り動かして溶液を混合し、内径35mmの細胞培養用ポリスチレン製ペトリディッシュおよび内径15mmのカラス試験管に流し込み、37℃インキュベーターに24時間静置してコラーゲンゲルを得た。
2.コラーゲンゲルの線維構造および物性
SEMにより観察したコラーゲンゲルのコラーゲン線維構造を図3に、ゲル強度および融点の測定結果を表1に示す。
3.コラーゲンゲル上での細胞増殖アッセイ
コラーゲンゲル上での細胞増殖アッセイの結果を図4に示す。
図1から明らかなように、本発明のコラーゲンゲルはコラーゲン線維構造を有する。表1から明らかなように、本発明の製造方法はゲル強度が高く、生体内温度である37℃においても融解しない熱安定性を有することがわかる。その熱安定性は比較例4の市販豚由来アテロコラーゲンから作製したゲルと同等であった。この結果は、変性温度の低い海洋性コラーゲンゲルに対し医療用材料として必須である37℃での熱安定性を付与できることを示す。
本発明のコラーゲンゲルは、同じ架橋剤濃度においてコラーゲン線維構造を有しない比較例3のゲルよりも大幅に高い熱安定性を有していた。この結果は、本発明のコラーゲンゲルの製造方法によって、従来のコラーゲンゲルの製造方法よりも高い熱安定性を有するコラーゲンゲルを製造することができることを示す。
図4から明らかなように、本発明のコラーゲンゲル上でヒト由来細胞は良好な細胞増殖を示した。その増殖活性は市販豚皮由来のアテロコラーゲンゲルから作製したゲルよりも明らかに優れていた。この結果は、本発明のコラーゲンゲルが細胞培養担体あるいは医療用材料の基材として好適に用いられることを示す。
本発明の方法によって得られるコラーゲンゲルは、機械強度および熱安定性に優れる。このため、従来のコラーゲンゲルでは強度不足あるいは熱安定性の不足により困難であった用途への応用が期待できるほか、変性温度の低い魚類由来コラーゲンゲルに、細胞担体あるいは医療用材料へ応用するに十分な熱安定性を付与することができる。
図1は、実施例1のコラーゲンゲル中のコラーゲン線維のSEM写真である。 図2は、比較例3のコラーゲンゲル中のコラーゲン線維のSEM写真である。 図3は、比較例4のコラーゲンゲル中のコラーゲン線維のSEM写真である。 図4は、実施例1と比較例4のコラーゲンゲル上での細胞増殖アッセイの結果である。

Claims (17)

  1. 線維化をしていないコラーゲン溶液に対し、線維化を惹起させる溶媒であるリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩およびTrisから選ばれる緩衝能を有する塩水溶液と架橋剤とを同時期に接触させることにより、コラーゲンの線維化途上に架橋剤により線維同士を架橋することを特徴とする架橋されたコラーゲン線維からなるコラーゲンゲルの製造方法。
  2. コラーゲン溶液に対し、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩およびTrisから選ばれる緩衝能を有する塩水溶液を線維化を惹起させる溶媒として用いた架橋剤の溶液を混合する請求項1に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
  3. コラーゲン溶液に対し、線維化を惹起させる溶媒であるリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩およびTrisから選ばれる緩衝能を有する塩水溶液を混合し、それと同時に架橋剤溶液を加える請求項1に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
  4. コラーゲン溶液に対し、架橋剤溶液を加え、その後、線維化を惹起させる溶媒であるリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩およびTrisから選ばれる緩衝能を有する塩水溶液を混合する請求項1に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
  5. 魚類から得られたコラーゲンを使用する請求項1乃至4のいずれかに記載のコラーゲンゲルの製造方法。
  6. 前記の架橋剤の溶液が、水溶性カルボジイミドを前記塩水溶液に溶かした溶液である請求項2に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
  7. コラーゲン溶液のコラーゲン濃度が0.01〜3.0(w/v)%の範囲である請求項2乃至6のいずれかに記載のコラーゲンゲルの製造方法。
  8. コラーゲンゲルの製造に用いられる架橋剤の濃度が、コラーゲンゲルにおける架橋剤終濃度として15〜80mMの範囲である請求項2乃至7のいずれかに記載のコラーゲンゲルの製造方法。
  9. コラーゲン溶液と、前記塩水溶液を用いた架橋剤の溶液、前記塩水溶液または架橋剤溶液との混合をコラーゲンの変性温度+5℃以下で行なう請求項2乃至8のいずれかに記載のコラーゲンゲルの製造方法。
  10. コラーゲン溶液と、前記塩水溶液を用いた架橋剤の溶液、前記塩水溶液または架橋剤溶液とを混合した後、コラーゲンの変性温度+5℃以下の温度で少なくとも1時間インキュベートする請求項9に記載のコラーゲンゲルの製造方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法で製造されたコラーゲンゲル。
  12. 請求項11のコラーゲンゲル中の溶媒を除去して得られるコラーゲンシート。
  13. 請求項11に記載のコラーゲンゲルからなる細胞担体または医療用材料。
  14. 請求項12に記載のコラーゲンシートからなる細胞担体または医療用材料。
  15. 請求項12に記載のコラーゲンシートからなる創傷被覆材。
  16. 請求項12に記載のコラーゲンシートからなる人工硬膜。
  17. 請求項12に記載のコラーゲンシートからなるドラッグ・デリバリー・システム材料。
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