JP2008194380A - カバードステント及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体適合性に優れ、安全且つ簡便な方法で量産が可能なカバードステントを提供する。
【解決手段】拡縮可能な管状のステント基材を、抽出したコラーゲン類からなるカバー材で被覆してなることを特徴とするカバードステントである。
【選択図】なし
【解決手段】拡縮可能な管状のステント基材を、抽出したコラーゲン類からなるカバー材で被覆してなることを特徴とするカバードステントである。
【選択図】なし
Description
本発明は、狭窄や動脈瘤等の血管病変を低侵襲で治療するためのカバードステント及びその製造方法に関する。
ステント基材の表面をカバー材で被覆してなるカバードステントが、一般のステントの主用途である狭窄血管の拡張処置のみならず、頭頚部動脈瘤等の開口部の広い動脈瘤の閉塞処置等に利用できることから、近年注目を浴びている。また、カバードステントは、カバー材表面に薬剤を塗布して局所的に送達することにより、新規なDDS(薬剤搬送システム)としても期待されている。
カバードステントのカバー材としては、従来、ポリウレタンポリマー等の多孔質高分子フィルムが用いられていた(例えば、特許文献1〜3参照)。上記カバー材は、平滑な血流接触面を有し、人工心臓等の素材として血液適合性が高いことで知られている。しかし、多孔質高分子フィルムは生分解性を有さず、異物として血管内に残存するので、長期の安全性を確保する観点からは好ましくない。
そこで、生体高分子であるコラーゲン等のマトリックスを豊富に含有した生分解性高分子フィルムをカバー材として用いたカバードステントが提案されている(例えば、特許文献4参照)。該カバードステントは、棒状体の外周にステント基材を装着したアッセンブリを生体内に埋入し、ステント基材の外周に生分解性高分子フィルムである結合組織膜を形成した後に、アッセンブリを取り出して棒状体を抜くことによって得られる。上記結合組織膜は、多孔質高分子フィルムとは異なり、迅速に血管内組織を再構築させる機能を有しているので、安全性に優れている。
特開平11−299901
WO2004−022150 A1
特開2006−262948
特開2006−255288
しかしながら、上記の結合組織膜は、動脈瘤等を塞栓させた後は速やかに分解して血管組織に置換されるので、血管内に残存するという問題は解決されるものの、結合組織膜を形成するまでに約1ヶ月の期間を要し、また、実際には血管病変処置を受ける患者の体内に上記のアッセンブリを埋入する必要があるため患者への負荷が増大し、さらに、重篤患者への処置等のような緊急事態には対応することが困難であるという問題が生じていた。また、生体適合性の問題から、他の患者に使用することが困難であり、実用性・量産性の面にも問題があった。更に、生体内で生成されるために不純物が多く、血栓の発生等の血液適合性の問題が生じていた。
従って、本発明の目的は、血液適合性を含む生体適合性に優れ、安全且つ簡便な方法で量産が可能なカバードステントを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、用途や施術方法に応じてカバー材の材質や特性を、適宜設計変更可能なカバードステントを提供することにある。
本願発明者は、斯かる従来技術の問題点に鑑み、上記の結合組織膜の代替材料について鋭意研究を重ねた結果、結合組織膜の主成分であるコラーゲン及びコラーゲン様タンパク質がカバー材として極めて有用であることを見出し、本発明を完成した。
(1)すなわち、本発明は、拡縮可能な管状のステント基材を、抽出したコラーゲン類からなるカバー材で被覆してなることを特徴とするカバードステントである。
(2)また、本発明の前記コラーゲン類は、脊椎動物から抽出したものであることを特徴とする(1)に記載のカバードステントである。
(3)また、本発明の前記脊椎動物は、魚類であることを特徴とする(2)に記載のカバードステントである。
(4)また、本発明の前記魚類は、軟骨魚類、ウナギ目、サケ目、タラ目、カレイ目、カサゴ目、スズキ目及びニシン目からなる群より選択される少なくとも一つであることを特徴とする(3)に記載のカバードステントである。
(5)また、本発明の前記魚類は、サメ、ウナギ、シロサケ、マス、タラ、スケトウダラ、ヘイク、ヒラメ、ホッケ、オヒョウ、マグロ及びニシンからなる群より選択される少なくとも一つであることを特徴とする(3)に記載のカバードステントである。
(6)また、本発明の前記コラーゲン類は、シロサケの皮から抽出したものであることを特徴とする(1)に記載のカバードステントである。
(7)また、本発明は、抽出したコラーゲン類を可溶化して溶解したコラーゲン溶液にステント基材を浸漬する浸漬工程と、前記溶液に架橋剤を添加して架橋する架橋工程と、を含むことを特徴とするカバードステントの製造方法である。
(8)また、本発明は、前記架橋工程により得られたカバードステントを凍結乾燥する乾燥工程を含むことを特徴とする(7)に記載のカバードステントの製造方法である。
(9)さらに、本発明は、前記乾燥工程により得られたカバードステントを再架橋する再架橋工程を含むことを特徴とする(8)に記載のカバードステントの製造方法である。
本発明のカバードステントは、カバー材が抽出したコラーゲン類からなるものであり、従来の結合組織膜からなるカバードステントのように患者等の生体内で作製する必要が無いので、患者等に負担をかけることなく得られる。また、従来の結合組織膜からなるカバードステントのようにカバー材成分中に不純物を含まないので、繊維芽細胞等の細胞成分が表面に露出することが無く、また、血小板の付着が大幅に抑制されるので、血栓の発生を抑制することができる。さらに、従来の結合組織膜からなるカバードステントとは異なり自然資源又は人工増殖可能な資源をコラーゲン類の抽出源として用いることができるので、カバードステントを量産することができる。
また、本発明のカバードステントの製造方法は、抽出したコラーゲン類を可溶化して溶解したコラーゲン溶液にステント基材を浸漬させる浸漬工程と、前記溶液に架橋剤を添加して架橋させる架橋工程と、を含むので、コラーゲン溶液や架橋剤の濃度や種類等の調製、添加剤の添加、再架橋処理等により架橋度合等を調整することができ、その用途や施術方法等に応じてカバー材の材質や特性を適宜設計変更することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のカバードステントは、拡縮可能な管状のステント基材を、抽出したコラーゲン類からなるカバー材で被覆してなることを特徴とするものである。
本発明のカバードステントに用いられるステント基材は、バルーン拡張型ステント及び自己拡張型ステントのいずれをも利用することができ、長さが5〜80mm程度であり、直径が長さの10〜100%程度の管状であることが好ましい。また、柔軟に拡縮しうるようにメッシュ状であって、特に斜交格子状であり、かつ格子の延在方向が螺旋方向となるものが好ましい。さらに、その形状は特に限定さされるものではないが、円筒状やテーパ状等であってもよく、その用途や施術方法によって適宜選択されてもよい。また、本発明で利用されるステント基材は、ステンレス、チタン、タンタル、アルミニウム、タングステン、ニッケル・チタン合金等の生体適合性を有する金属であることが好ましい。
また、本発明のカバードステントに用いられるカバー材は、抽出したコラーゲン類からなるものである。本発明で利用される抽出したコラーゲン類は、細胞接着・増殖促進性、低抗原性、高生体親和性、生分解性に優れた生体高分子であるので、本発明のカバードステントを血管内に移植した際に、血栓の発生を抑制するとともに、速やかに血管内組織に置き換わり得るものである。
本発明に用いることが可能なコラーゲン類には、脊椎動物から抽出したコラーゲン(以下、「動物コラーゲン」という。)だけでなく、植物由来のコラーゲン様タンパク質(以下、「植物コラーゲン」という。)も含まれる。人工的に抽出可能であれば、その由来について限定されない。
ここで、動物コラーゲンの抽出源である脊椎動物としては、魚類、哺乳類、鳥類等が挙げられ、魚類としては、無顎上綱、軟骨魚類、ニシン目、コイ目、ナマズ目、ウナギ目、カライワシ目、ソトイワシ目、サケ目、ニギス目、ヒメ目、イワシ目、ワニトカゲ目、シャチブリ目、アンコウ目、マトウダイ目、ヨウジウオ亜目、トゲウオ目、ギンメダイ目、タラ目、アシロ目、フグ目、カサゴ目、ボラ目、イワシ目、ダツ目、タウナギ目、カレイ目、スズキ目等が挙げられ、これらの中では、軟骨魚類、ウナギ目、サケ目、タラ目、カレイ目、カサゴ目、スズキ目、ニシン目等が挙げられ、特にサメ、ウナギ、シロサケ、マス、タラ、スケトウダラ、ヘイク、ヒラメ、ホッケ、オヒョウ、マグロ、ニシン等が好ましい。また、哺乳類としては、ウシ、ブタ、ヤギ、馬、羊等が、鳥類としては、ニワトリ等が挙げられる。これらの中では、特にシロサケが好適に利用される。
また、植物コラーゲンは、エクステンシンとよばれる植物の細胞壁に存在する糖タンパク質であり、アミノ酸組成中に動物コラーゲンに含まれるヒドロキシプロリン(旧名称:L−オキシプロリン)を含んでいるので、カバー材として利用した場合に、動物コラーゲンと同様に機能することが期待される。植物コラーゲンの抽出源としては、セリ科、アオイ科、マメ科等が挙げられ、これらの中では、ニンジン属、ビロードアオイ属、ダイズ科が好ましく、特にダーカスカロット、ダイズ、マーシュマロウが好ましい。
また、これらのコラーゲン類は、動物コラーゲンにおいては、約40%が皮等に、約20%が骨等に存在するといわれており、コラーゲン収率の観点から、本発明で利用されるコラーゲンの抽出部位は、骨や皮(魚類であれば鱗も含む。)等であることが好ましく、植物コラーゲンにおいては、葉や根等であることが好ましい。特に、本発明においては、シロサケの皮から抽出されたコラーゲン類が好適に利用される。
また、上記コラーゲン類は、後述する本発明のカバードステントの製造方法においては、数分子以下の集合体にまで微細化されたコラーゲン類(可溶性コラーゲン)が、水や塩水溶液に溶解して均一な透明溶液を形成し、一定条件下で可溶性コラーゲンが糸状構造のコラーゲン線維として再形成される(この性質を「線維化能」という。)必要がある。従って、本発明で利用されるコラーゲン類は、線維化能を有するものであればその型、分子構造、変性等について特に限定されるものではないが、工業的な利用という観点から、収量の多いI型コラーゲン類や、それを主成分とするコラーゲン類が好ましい。また、コラーゲン分子の両末端に存在する非螺旋領域(テロペプチド)は抗原性を有するという報告がある。用途によっては除去されるべき場合があるが、線維化能を有する限りはテロペプチドが除去されていても除去されていなくても構わない。さらに、一度変性させたコラーゲンでも、部分的にコラーゲン螺旋構造を回復し、線維化能を回復することが知られているので、線維化能の観点から、螺旋率が50%以上であることが好ましい。なお、螺旋率とは、螺旋回復率と同義であり、旋光度計で測定した比旋光度より求めた螺旋回復率のことである。
次に、本発明のカバードステントの製造方法について説明する。
本発明のカバードステントの製造方法は、抽出したコラーゲン類を可溶化して溶解したコラーゲン溶液にステント基材を浸漬する浸漬工程と、前記溶液に架橋剤を添加して架橋する架橋工程と、を含むことを特徴とするものである。
まず、本発明の浸漬工程には、既知の製造方法(例えば、特開2005−334625号公報参照)を応用することが可能である。すなわち、本発明の浸漬工程では、適切な溶液を用いて原材料の脱脂及び脱臭を行い、得られた脱脂・脱臭済みの原材料を酸性溶液に浸漬させてコラーゲン類の酸抽出を行い、次いで適切な酵素を用いて抽出されたコラーゲン類の処理を行う。さらに、得られた酵素処理済みのコラーゲン類の塩析処理を行った後に透析処理を行い、得られたコラーゲン類の溶液を凍結乾燥し、スポンジ状のコラーゲン類(可溶性コラーゲン)を得る。この可溶性コラーゲンを減圧乾燥した後に適切な濃度になるように溶媒に溶解させ、フィルターを用いてろ過して得られたコラーゲン溶液にステント基材を浸漬させる。
また、一般的に、コラーゲン類は、主に酸性水溶液で抽出される酸可溶化コラーゲンと、アルカリ水溶液で抽出されるアルカリ可溶化コラーゲンとに分けられ、コラーゲン溶液のpHは、コラーゲン類に応じて変わることが知られている。従って、本発明で利用されるコラーゲン溶液の溶媒は、酸可溶化コラーゲンの場合、塩酸、酢酸、クエン酸、フマル酸等の水溶液が好ましい。最終用途から見て安全で、工業用として広く使用されているからである。また、アルカリ可溶化コラーゲンの場合、上記と同様の理由から、リン酸塩、酢酸塩、Tris等の水溶液が好ましい。本発明においては、塩酸がコラーゲン溶液の溶媒として好適に利用される。
また、可溶性コラーゲンを上記の溶媒に添加した際の濃度は、コラーゲンの溶解性、溶液の粘性又は後述するコラーゲンゲルの物性の観点から、0.01〜3.0(w/v)%の範囲であることが好ましく、この範囲内では0.05〜2.0(w/v)%の範囲であることがさらに好ましく、本発明においては、0.5(w/v)%の濃度になるよう調製を行う。コラーゲン溶液の濃度が0.01(w/v)%よりも低い場合には、コラーゲンゲルの強度が不足する可能性があり、また、濃度が3.0(w/v)%よりも高い場合には、コラーゲン類の溶液の粘性が高すぎてコラーゲンゲルの製造が困難になる可能性があるので好ましくないからである。
なお、上記のコラーゲン溶液には、熱安定性の高いコラーゲンゲルを得るという本発明の効果を阻害しない範囲であれば、コラーゲンゲルの機能をさらに高めるべく種々の機能性物質を加えることができる。本発明で利用される機能性物質としては、細胞増殖因子等の機能性タンパク質、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリ乳酸、β1−3グルカン、キチン、キトサン等の機能性多糖類等が挙げられる。また、コラーゲン溶液には、コラーゲン類の分解に伴って体内に放出されて血栓の生成を抑制させたり、内皮細胞の増殖を促進して早期に内皮化させるために、種々の治療薬を含有してもよい。本発明で含有可能な治療薬としては、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバン、フォルマコリン、バピプロスト、プロスタモリン、プロスタキリン同族体、デキストラン、ローフェプローアルグクロロメチルケトン、デイピリダモール、グリコプロテインの血小板膜レセプタ抗体、組換え型ヒルジン、トロンビン抑制剤、脈管ペプチン、脈管テンシン転換酵素抑制剤、ステロイド、繊維芽細胞成長因子アンタゴニスト、フィッシュオイル、オメガ−3脂肪酸(α−リノレン酸)、ヒスタミン、アンタゴニスト、HMG−CoAリダクテース抑制剤、セラミン、セロトニン阻止抗体、チオプロテイース抑制剤、トリマゾールピリデイミン、インターフェロン、血管内皮増殖因子(VEGF)、ラパマイシン、FK506等の抗血小板剤、抗血栓剤、増殖促進剤、増殖阻止剤、免疫抑制剤等の治療薬が挙げられる。
次に、本発明の架橋工程では、ステント基材を浸漬させたコラーゲン溶液に、予め調製した架橋剤を添加して溶液同士を十分に混合してゲル化させ、ステント基材の外表面にカバー材の製造中間体であるコラーゲンゲルを形成させる。なお、本発明では、コラーゲン溶液にステント基材を浸漬させる前に、架橋剤を添加してコラーゲン溶液をゲル化させてもよい。この場合には、コラーゲン溶液が完全にゲル化して流動性を失う前に、架橋剤を添加したコラーゲン溶液中に、ステント基材を浸漬させる必要がある。
また、本発明で利用される架橋剤は、タンパク質を架橋でき、水溶性を有するものであれば特に限定されるものではなく、アルデヒド系、カルボジイミド系、エポキシド系、イミダゾール系等の架橋剤が経済性、安全性及び操作性の観点から好ましく用いられるが、これらの中では、特にカルボジイミド系の架橋剤が好ましい。よって、本発明で利用されるカルボジイミド系架橋剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミド・スルホン酸塩等の水溶液が挙げられ、本発明においては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩が好適に利用される。なお、架橋効率を高めるために、カルボジイミド系の架橋剤にN−ヒドロキシコハク酸イミドを共存させてもよい。
また、上記の架橋剤の濃度は、添加前の架橋剤溶液の濃度よりも、むしろ添加後のコラーゲンゲルにおける架橋剤終濃度が重要である。従って、架橋度および架橋速度の観点から、終濃度として15mM〜80mMの範囲であることが好ましい。架橋剤の終濃度が15mMよりも低い場合は、架橋度が不足して、カバー材として用いられる単離されたコラーゲン類の伸縮性および機械強度が低下する可能性があり、架橋剤の終濃度が80mMよりも高い場合は、架橋剤の共存によるコラーゲン線維化の阻害が顕著になり、カバー材として用いられる単離されたコラーゲン類の伸縮性および機械強度が低下する可能性があるからである。
また、コラーゲン溶液と架橋剤とを混合する操作は、これらの溶液温度がコラーゲン類の変性温度を大きく超えない温度に保って行われる必要があり、特に混合後の溶液温度が重要である。従って、混合後の溶液温度が使用するコラーゲン類の変性温度+5℃以下であることが好ましく、さらに使用するコラーゲンの変性温度以下であることが好ましく、具体的には、シロサケからコラーゲンを抽出した場合であれば、4℃で混合操作を行う。
混合溶液の温度がコラーゲンの変性温度を大きく超える場合は、架橋反応は起こるもののコラーゲンが変性して線維化能を減じ、得られるカバー材の伸縮性が損なわれる場合があり好ましくない。なお、コラーゲン類の変性温度は、コラーゲン溶液を段階的に加温した場合のコラーゲン溶液の旋光度変化から決定される値である。
混合溶液の温度がコラーゲンの変性温度を大きく超える場合は、架橋反応は起こるもののコラーゲンが変性して線維化能を減じ、得られるカバー材の伸縮性が損なわれる場合があり好ましくない。なお、コラーゲン類の変性温度は、コラーゲン溶液を段階的に加温した場合のコラーゲン溶液の旋光度変化から決定される値である。
また、コラーゲン溶液と架橋剤とを混合する操作は、これらの溶液を混合する方法について特に限定しないが、コラーゲン溶液のゲル化によって流動性が失われる前に、できるだけ均一に混合する必要がある。本発明におけるコラーゲン溶液と架橋剤との混合方法としては、容器内に混合溶液を入れて手作業又はシェーカーで容器を振る方法、マグネティックスターラー又は羽根付き撹拌棒等を用いて機械的に溶液を撹拌する方法が挙げられ、本発明においては、機械的に溶液を撹拌する方法が好適に利用される。
なお、カバー材の外表面は、必要に応じて潤滑性ポリマーによってコーティングされてもよい。本発明のカバードステントを移植した際に、人体内の細かな血管内での移動をスムーズにするためである。本発明において利用される潤滑性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
本発明のカバードステントの製造方法は、前記架橋工程により得られたカバードステントを凍結乾燥させる乾燥工程や、前記乾燥工程により得られたカバードステントを再架橋させる再架橋工程を含んでもよい。本発明の乾燥工程では、ステント基材の外表面にコラーゲンゲルが形成されたカバードステントを、凍結乾燥機等を用いて乾燥を行う。また、本発明の再架橋工程では、前記カバードステントを、架橋剤水溶液に浸漬させる。なお、再架橋工程は、コラーゲン類の機械強度や熱安定性を更に向上させるために行うものである。また、再架橋工程において用いられる架橋剤の種類及びその濃度は、上記架橋工程で用いた架橋剤に準ずる。
本発明のカバードステントの製造方法では、上述の浸漬工程、架橋工程、乾燥工程、再架橋工程等において、コラーゲン溶液や架橋剤の濃度や種類等の調製、添加剤の添加、再架橋処理等により架橋度合等を調整することにより、カバードステントの用途や施術方法等に応じてカバー材の材質や特性を適宜設計変更することができる。
次に、本発明の具体的な実施例を以下に示すが、これは本発明の実施態様を例示したものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。よって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
[参考例1]0.5%コラーゲン水溶液の調製
はじめに、魚皮として鮭(シロサケ、学名;Oncorhynchus Keta)の皮を用いた。鱗と身をメスで除去した鮭皮を3cm四方に細断した。これをクロロホルム/メタノールの等容量混合溶液を用いて3回脱脂を繰り返し、メタノールを用いて2回洗浄してクロロホルムを除去し、水を用いて3回洗浄してメタノールを除去した。なお、これ以降の工程は、全て4℃で行った。
次に、得られた脱脂鮭皮130gを0.5M酢酸5Lに浸漬し、4日間静置した。膨潤した鮭皮を医療用ガーゼで濾過し、その濾液を10,000×gで30分遠心して不溶物を沈殿させ、濾液の上清1.5Lを回収した。その上清にペプシン粉末50mgを混合して2日間おだやかに撹拌した。得られたペプシン粉末入り濾液の上清に対し、終濃度5%になるように塩化ナトリウムを加え、ガラス棒で1分間おだやかに撹拌した後、24時間静置した。塩析により生じた白い不溶物を10,000×gで30分遠心して沈殿を回収し、その沈殿を0.5M酢酸2Lに加え、3日間おだやかに撹拌して溶解した。この操作を一回繰り返して、無色透明なコラーゲン溶液を得た。このコラーゲン溶液を、セルロースチューブを用い、透析外液のpHが中性を示すまで脱イオン水を繰り返し交換し、この透析により得られた中性のコラーゲン溶液を凍結乾燥し、白色のスポンジ状コラーゲンを得た。
次に、得られた白色のスポンジ状コラーゲンを、シリカゲル入りデシケーターで減圧乾燥し、その精秤値を用いて0.5(w/v)%になるようにpH3.0希塩酸に加え、おだやかに撹拌して溶解し、最後に、ポアサイズ10μm、0.65μm、0.45μmのメンブランフィルターで順次濾過して0.5%コラーゲン水溶液を得た。
[参考例2]架橋剤水溶液の調製
塩化ナトリウム58.3mMを含む、pH6.8リン酸ナトリウム緩衝水溶液25mMを溶媒として、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩水溶液83.3mMを調製した。
[実施例1]本発明のカバードステントの作製
以下の操作は全て4℃条件下で行った。はじめに、参考例1で得られた0.5%コラーゲン水溶液10mLが入っている遠沈管に、参考例2で得られた架橋剤溶液15mLを加え、蓋をした。遠沈管を振り動かして溶液を混合し、専用鋳型に溶液を流し込み、更にステントを溶液内に浸漬した。その後、24時間静置してコラーゲンゲルでカバーされたステントを得た。次に、得られたステントを−80℃で24時間凍結し、更に凍結乾燥機(FDU−1100)で1日間凍結乾燥し、カバードステントを得た。得られたカバードステントの外観を写真撮影し、図1に示した。
[実施例2]本発明のカバードステントのカバー材(サケコラーゲン)の血管内組織再構築評価
実施例1で得られたカバードステントを、麻酔下の兎(日本白色家兎、12−24週齢、2−3kg、各観察期間に3匹)の大腿動脈を剥離した後にシースをとおし、カバードステントをマウントしたバルーンカテーテルを血管内に挿入し、腹部大動脈まで誘導した。その後、バルーンを拡張させてステント基材を拡径させ、腹部大動脈内に留置し、血管内のカバー材が周辺組織に置き換わっていく経過を観察した。観察は、移植後2週間、6週間及び12週間行い、各期間経過後は兎を犠死させて周辺組織と共にカバードステントを摘出た。その後、摘出した組織付カバードステントをホルマリンで固定し、包埋処理を施した後に組織切片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を用いて染色し、光学顕微鏡を用いて断面を観察した。写真撮影した結果を図2〜4に示した。細胞核は青紫色に染色され、その他の細胞質、線維、赤血球等はそれぞれの性質に応じて濃淡各種の赤色に染色された。なお、図中の矢印は各カバー材の断面の厚さを示し、青紫色が多いほどサケコラーゲン成分が血管内組織に置き換わっていることを示していた。
図2に示すとおり、移植後2週間ではほとんど赤色に染色されており、サケコラーゲン成分は血管内組織に置き換わっていなかった。しかし、図3に示すとおり、移植後6週間では青紫色に染色されており、サケコラーゲン成分が血管内組織に置き換わっていることがわかった。更に、図4に示すとおり、移植後12週間では移植後6週間と染色状態が同じであったので、サケコラーゲン成分は、移植後6週間程度で血管内組織に置き換わることがわかった。
[参考例3]従来のステントのカバー材(結合組織)管の成形
以下の操作は全て4℃条件下で行った。棒状体として外径2mm、長さ20mmのシリコーン製の丸棒(以下、「シリコーン棒」という。)を用い、このシリコーン棒をエチレンオキサイドガス滅菌した。その後、通常手技によって局所麻酔、剃毛された兎(日本白色家兎、12週齢、2kg、3匹)の背部の表皮をイソジン消毒後に速やかに1cm切開し、シリコーン棒を皮下組織の下へ埋入して縫合した。埋入から4週間後に埋入時と同様の手順にてシリコーン棒を摘出し、シリコーン棒を抜去して結合組織管を得た。
[参考例4]サケコラーゲン管の成形
以下の操作は全て4℃条件下で行った。はじめに、参考例1で得られた0.5%コラーゲン水溶液10mLが入っている遠沈管に、参考例2で得られた架橋剤溶液15mLを加え、蓋をした。遠沈管を振り動かして溶液を混合し、専用鋳型に溶液を流し込み、更に参考例3と同様のシリコーン棒を溶液内に浸漬した。その後、24時間静置してコラーゲンゲルでカバーされたシリコーン棒を得た。次に、得られたシリコーン棒を80℃で24時間凍結し、更に凍結乾燥機(FDU−1100)で1日間凍結乾燥し、シリコーン棒を抜去してサケコラーゲン管を得た。
[参考例5]結合組織管及びサケコラーゲン管の再架橋処理
参考例3で得られた結合組織管及び参考例4で得られたサケコラーゲン管を、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩エタノール水溶液83.3mM中に24時間静置して再架橋を行い、再架橋処理済結合組織管及びサケコラーゲン管を得た。その後、リン酸緩衝液(Phosphate−Buffered Saline、以下「PBS」という。)に浸漬して、余分な架橋剤や副反応物を除去した後、再度凍結乾燥を行った。
[参考例6]サケコラーゲン管のコンプライアンス評価
参考例4で得られたサケコラーゲン管、参考例5で得られた再架橋処理済サケコラーゲン管及び比較試料としてラットの胸部大動脈についてコンプライアンス(β値)を測定し、試料ごとに比較した結果を下記表1にまとめた。ラット胸部大動脈と再架橋処理済サケコラーゲン管とは同等のβ値を有していたことがわかった。
[参考例7]サケコラーゲン管の耐内圧試験
参考例4で得られたサケコラーゲン管、参考例5で得られた再架橋処理済サケコラーゲン管及び比較試料としてラットの胸部大動脈について耐内圧試験を行い、下記表1にまとめた。水の圧入によって内圧を各耐圧強度値まで負荷しても破裂することはなかった。ラット胸部大動脈と再架橋処理済サケコラーゲン管とは同等の耐圧強度を有していることがわかった。
[参考例8]サケコラーゲン管の血液凝固性評価
参考例3で得られた結合組織管及び参考例4で得られたサケコラーゲン管について、内面に兎全血を乗せて一定期間放置し、PBSで洗浄した後、血液接触面を肉眼観察し、写真撮影した結果を図6及び7に示した。図6に示すとおり、結合組織管はコラーゲン成分に加えて、不純物である繊維芽細胞等の細胞成分が表面に露出しているために血液の凝固が早まったと考えられ、結合組織管の血液接触面には凝固した血液が付着していた。一方、図7に示すとおり、サケコラーゲン管の血液接触面には部分的に凝固した血液が付着しているのみであった。
上述したとおり、本発明によれば、カバー材として抽出したコラーゲン類を利用することにより、生体適合性に優れ、安全且つ簡便な方法で量産が可能なカバードステントを提供することができる。
また、本発明によれば、コラーゲン類の架橋度合等を調製することにより、用途や施術方法に応じてカバー材の材質や特性を適宜設計変更可能なカバードステントを提供することができる。
よって、本発明のカバードステントは、狭窄血管の拡張、破裂性血管や出血性血管の保護、内膜再構築による補強及び動脈瘤の閉塞処置、並びにカバー材表面に薬剤を塗布して局所的に送達するためのDDSとして利用した場合に極めて有用である。
Claims (9)
- 拡縮可能な管状のステント基材を、抽出したコラーゲン類からなるカバー材で被覆してなることを特徴とするカバードステント。
- 前記コラーゲン類は、脊椎動物から抽出したものであることを特徴とする請求項1に記載のカバードステント。
- 前記脊椎動物は、魚類であることを特徴とする請求項2に記載のカバードステント。
- 前記魚類は、軟骨魚類、ウナギ目、サケ目、タラ目、カレイ目、カサゴ目、スズキ目及びニシン目からなる群より選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項3に記載のカバードステント。
- 前記魚類は、サメ、ウナギ、シロサケ、マス、タラ、スケトウダラ、ヘイク、ヒラメ、ホッケ、オヒョウ、マグロ及びニシンからなる群より選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項3に記載のカバードステント。
- 前記コラーゲン類は、シロサケの皮から抽出したものであることを特徴とする請求項1に記載のカバードステント。
- 抽出したコラーゲン類を可溶化して溶解したコラーゲン溶液にステント基材を浸漬する浸漬工程と、前記溶液に架橋剤を添加して架橋する架橋工程と、を含むことを特徴とするカバードステントの製造方法。
- 前記架橋工程により得られたカバードステントを凍結乾燥する乾燥工程を含むことを特徴とする請求項7に記載のカバードステントの製造方法。
- 前記乾燥工程により得られたカバードステントを再架橋する再架橋工程を含むことを特徴とする請求項8に記載のカバードステントの製造方法。
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