JP4063442B2 - 水系化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は粉体を含有する水系化粧料において、使用感がよく、耐水性、耐汗性に優れ、粉っぽさや皮膚刺激がなく、かつ経時安定性の良好な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉体と水とを含む化粧料として古くは水白粉などが用いられてきた。このタイプの化粧料は多量の水を含んでいるため、清涼感があり、さっぱりとした使用感を有するが、通常、水、粉体、保湿剤等からなり油分が配合されていないため、化粧をする際、なめらかさに欠け、仕上がりが粉っぽかったり、経時での化粧持ちや耐水性、耐汗性が著しく悪いという欠点があった。また、静置時には水と粉体との二層に分離しており、使用する際に振とうして使う必要性があり、均一な化粧をしづらいものであった。
また、粉体としては一般にタルク、カオリン、マイカ、などの体質顔料が用いられるが、皮脂による色沈みが起きたりするために多量の配合が困難であった。
これらの粉体を水系に均一分散する手段として、機械力により強制的に分散させるか、あるいは界面活性剤を多量に配合し分散させる方法が行われてきたが、こうして得られた化粧料は皮膚に対する刺激性や経時での化粧持ちの悪化という問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の欠点を改良する方法として、撥水・撥油処理粉体、低級アルコール、アクリル酸系エマルションポリマー、アルカリ剤及び水性成分を含有することにより、使用が簡便であり、使用時の感触が良好で、化粧持続性に優れ、さらに経時安定性が良好な化粧料が得られることを見いだしたが、きしみやエモリエント感において必ずしも満足のいかない場合もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物処理粉体、低級アルコール、アクリル酸系エマルションポリマー、アルカリ剤及び水性成分を含有することにより、使用が簡便であり、使用時の感触が良好で、化粧持続性、経時安定性に優れることに加えて、粉体の分散性が向上することにより少量で化粧効果が期待でき、反対に粉体を多量に配合しても、きしみがなくエモリエント感に優れることにより、のびのなめらかさが影響されず、エモリエント感も良好な化粧料が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は次の成分(a)、(b)、(c)、(d)および(e):(a)パーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキルカルボン酸及びその塩から選択される、分子量が300以上であるパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で処理した粉体、(b)低級アルコール、(c)アクリル酸系エマルションポリマー、(d)アルカリ剤、(e)水性成分を含有する水系化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される(a)成分の処理粉体は、特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で基材粉体を処理したものであり、この特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物とは、パーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキルカルボン酸及びその塩から選択される。これらの化合物はパーフルオロポリエーテル基を含有し、かつ粉体表面と親和性を持つためのリン酸基及び硫酸基及びカルボキシル基から選択される極性基を二個有するものである。これらの極性基を二個有することで、粉体表面との親和性が向上し、粉っぽさが低減する。
また、パーフルオロポリエーテル基とは、パーフルオロアルキレン又はパーフルオロアルキルと結合しているエーテル酸素が少なくとも2以上有する基をいうこととする。従って、本発明に係るパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩には、特開平5−39209号公報及び特開平5−58841号公報に記載のようなエーテル酸素を一つしか持たないパーフルオロオキシアルキル基を含有する化合物は含まれない。
パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、好ましくは500以上であり、好ましい上限は概ね7000程度である。300未満では、撥水・撥油性の付与を十分に行うことができない。
【0007】
パーフルオロポリエーテル部分を構成する好ましいパーフルオロオキシアルキレン基には、例えばパーフルオロオキシメチレン基、パーフルオロオキシエチレン基、パーフルオロオキシイソプロピレン基、パーフルオロオキシn−プロピレン基などが挙げられる。これらから少なくとも1以上が選択され且つ重合してパーフルオロポリエーテル基を構成する。
この中で、特に好ましいパーフルオロポリエーテル基は下記一般式(1)、(2)で表わされる基である。
【0008】
−(X)CFO(CF2CF(CF3)O)(CF2CF2O)m(CF2O)nCF(X)− …(1)
−(X)CFO(CF2CF2CF2O)(CF2CF2O)m(CF2O)nCF(X)− …(2)
(但し、分子量は300以上であり、より好ましくは500以上であり、l、mは0以上の整数を示し、nは1以上の整数を示し、l=m≠0であり、l/n=1〜100であり、より好ましくは20〜40であり、m/n=0.1〜50であり、より好ましくは0.2〜20であり、Xは同一又は異なっても良く、F又はCF3である。)
尚、パーフルオロポリエーテル基が2種以上のパーフルオロオキシアルキレン基を含有する場合において、それぞれ同種のものが連続重合している場合に限られず、ランダム重合或いはブロック重合でも構わない。
【0009】
更に、本発明に係るパーフルオロポリエーテル基を有する化合物と基材粉体との固着力の観点から、前記化合物から粉体との親和性を有する極性基が容易に離脱しないことが必要であり、そのために前記化合物には、少なくとも1以上のオキシアルキレン基を含むことが好ましい。より好ましくは、1〜2である。3以上のオキシアルキレン基が存在すると前記化合物の撥水・撥油性が劣ったものとなるからである。同様に固着力の点で、オキシアルキレン基に加え更に、アルキレン基を含ませてもよい。アルキレン基の好ましい炭素数は2以下である。
【0010】
上記のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物は、パーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキルカルボン酸及びその塩が挙げられるが、中でも好ましくはパーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸又はその塩であって、より好ましくは下記一般式(3)、(4)で表わされる化合物である。
【0011】
【化1】
Figure 0004063442
【0012】
【化2】
Figure 0004063442
【0013】
(但し、パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、より好ましくは500以上であり、m/n=0.1〜50であり、より好ましくは0.2〜20であり、rは1〜2であり、qは1又は2である。)
【0014】
(a)成分の特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で処理を施す粉体としては、従来化粧用粉体として用いられている粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造、等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、水酸化アルミニウム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、燐酸カルシウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー、魚鱗箔等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、カルバミン酸エチルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、蛋白質粉末、微結晶繊維粉末等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、タール色素、レーキ等の有機着色料と雲母チタン等無機粉体との有機−無機複合粉体等の上記粉体の一種または二種以上を複合化したもの等が挙げられる。
【0015】
粉体を特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で表面処理する方法は、特に制限されず、通常の粉体表面被覆処理方法を適用することができる。例えば、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物を溶剤(有機媒体あるいは極性溶媒)に溶解または分散し、粉体と混合し、その後溶剤を除去、乾燥することによって容易に処理粉体を得ることができる。
尚、上記処理後、粉体にパーフルオロポリエーテル基を有する化合物をより強く吸着させるために、高温で焼き付けても良い。また、表面処理にあっては粉体を同時に2種以上混合して処理することもできる。
【0016】
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、そのほかのフッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤などの公知のコーティング剤で同時に又は重ねて処理してもよい。
【0017】
パーフルオロポリエーテル基を有する化合物による処理量は、その種類によって異なるが、粉体の0.1〜50重量%(以下、単に「%」で示す。)、特に1〜20%が好ましい。少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎると顔料本来の特性が失われてしまう恐れがある。
(a)成分の処理粉体の配合量は0.5〜60%が好ましく、この範囲で用いれば、使用性、使用感に優れ、のびのなめらかさや肌への付着性、化粧膜の持続性が良好となる。
【0018】
本発明に用いられる(b)成分の低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられるが、エチルアルコールが特に好ましい。本発明における低級アルコールの配合量は1〜20%が好ましい。低級アルコールを用いない場合は、清涼感、さっぱり感が得られない。
【0019】
本発明に用いられる(c)成分のアクリル酸系エマルションポリマーとしては、好ましくは、水性のアニオン性アルカリ増粘型エマルションポリマーを使用することができ、通常のアクリル酸・メタアクリル酸(共)重合体、アクリル酸アルキルエステルの(共)重合体およびアクリル重合体を一部架橋したもの、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸のホモポリマーエマルション、コポリマーエマルション、またはアクリル酸、メタアクリル酸ポリマー及びその塩等が挙げられる。これらの配合量は、通常化粧料に使用される量であって、特に限定されず、他の成分との関係、また、感触及び粘性調整の目的等で決められるが、好ましくは固形分換算で0.1〜5%あり、更に好ましくは0.3〜2%である。
【0020】
本発明に用いられる(d)成分のアルカリ剤としては、特に制限されるものではなく、通常化粧料に使用されるものであれば、そのいずれのものも使用することができる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ剤、L−アルギニン等の塩基性アミノ酸、トリエタノールアミン等のアミン類、アンモニア、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。アルカリ剤の添加量はその種類によって異なり、特に限定されるものではなく、アクリル酸系増粘剤の種類、量によって決定すればよいが、好ましくは0.01〜2.5%である。このアルカリ剤は、予め水に溶解することで、あるいは直接ポリマーと混合して添加できる。
【0021】
本発明に用いられる(e)成分の水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出が挙げられる。配合量としては30〜90%が好ましい。
【0022】
本発明の水系化粧料は、目的に応じて上記した必須成分の他に通常の化粧料に使用される成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。例えば油性成分によりエモリエント感の付与や感触の調整をしたり、界面活性剤により粉体の分散性を向上させたり、水溶性高分子によりモイスチュア感の付与や感触の調整をしたり、その他紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。但し、化粧膜の持続性、本発明の効果の発現の点から通常の界面活性剤は配合しないことが望ましい。
油性成分としては、例えば炭化水素、高級脂肪酸エステル、動植物油脂、シリコーン油、フッ素系油等、水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のもの等、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、前記粉体を未処理であるいは前記特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物を除く処理剤、例えば、フッ素系油剤、シリコーン系化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施したものを適宜配合することができる。
【0023】
本発明の水系化粧料は、成分(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び任意成分を均一に混合したもの、すなわち、アクリル酸系エマルションポリマーにて増粘した水系中に特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物処理粉体を分散せしめることにより得られるが、成分(a)の処理粉体を水系に分散する前に予め低級アルコールの全部または一部と混合すれば、これらの粉体の分散性が極めて向上し、製造上の効率化が図れると共に、経時安定性が向上する。
本発明の水系化粧料は、ファンデーション、頬紅、アイシャドウ等のメークアップ化粧料、下地化粧料に限らず、基礎化粧料等にも適用することができる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0025】
製造例1:処理マイカ
ビーカーに2−プロパノールを500gと下記に示すパーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸5gを入れ、攪拌しながらマイカ95gを添加する。室温で十分攪拌した後、80℃にて1時間混合後、減圧乾燥し、パーフルオロポリエーテル化合物5%処理マイカを得た。
【0026】
(HO)2(O=)PO(CH2CH2O)rCH2CF2O(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CH2(OCH2CH2rOP(=O)(OH)2 …(5)
(式中、m/n=1.8、r=1〜2、パーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸の平均分子量は1050であり、パーフルオロポリエーテル基の平均分子量は606である。)
製造例2〜9
製造例1と同様の方法で処理して、パーフルオロポリエーテル化合物5%処理タルク(製造例2:処理タルク)、パーフルオロポリエーテル化合物3%処理酸化チタン(製造例3:処理酸化チタン)、パーフルオロポリエーテル化合物1%処理ベンガラ(製造例4:処理ベンガラ)、パーフルオロポリエーテル化合物1%処理黄酸化鉄(製造例5:処理黄酸化鉄)、パーフルオロポリエーテル化合物3%処理雲母チタン(製造例6:処理雲母チタン)、パーフルオロポリエーテル化合物3%処理オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー(製造例7:処理オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー)、パーフルオロポリエーテル化合物5%処理セリサイト(製造例8:処理セリサイト)、パーフルオロポリエーテル化合物1%処理酸化鉄処理雲母チタン(製造例9:処理酸化鉄処理雲母チタン)を得た。
【0027】
製造比較例1:処理マイカ
ビーカーに水500mlをいれ、攪拌しながらマイカ95gをいれ、室温で十分攪拌した。このマイカ分散液に、攪拌しながら次式に示すパーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩の20%水溶液25gを徐々に添加し、添加後1時間半攪拌を行った。酸で中和した後、吸引瀘過を行い、乾燥してパーフルオロアルキル化合物処理マイカを得た。
【0028】
(C2m+1CHCHO)P(=O)[ONH(CHCHOH)3−n
(式中、m、nはそれぞれm=6〜18、2≧n≧1を表わし、平均分子量は954であり、パーフルオロアルキル基の平均分子量は619である。)
【0029】
製造比較例2〜5
製造比較例1において同様の方法で処理して、パーフルオロアルキル化合物5%処理タルク(製造比較例2:処理タルク)、パーフルオロアルキル化合物3%処理酸化チタン(製造比較例3:処理酸化チタン)、パーフルオロアルキル化合物1%処理ベンガラ(製造比較例4:処理ベンガラ)、パーフルオロアルキル化合物1%処理黄酸化鉄(製造比較例5:処理黄酸化鉄)を得た。
【0030】
実施例1〜7及び比較例1〜3
表1に示す処方のファンデーションを調製し、使用性(使用の簡便さ)、使用時の使用感(みずみずしさ、付着性、のびのなめらかさ、きしみのなさ)及び使用後の使用感(粉っぽさのなさ、べたつきのなさ、さっぱり感、エモリエント感)、化粧料の持続性について下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004063442
【0032】
*1:KF−99−P(信越化学(株)製)2%処理
*2:プライマル ASE−60(固形分28%)(ローム&ハース社製)
*3:ヨドゾール 32A707(固形分46%)(カネボウNSC社製)
(製法)
A.1〜15を混合粉砕する。
B.Aに16を添加後、充分混合撹拌して、均一にする。
C.17〜25を混合溶解し、撹拌しながら、Bを加え、均一に分散する。
D.Cを容器に充填して製品とする。
【0033】
(評価方法)
10名の官能検査パネルにより下記の7段階(0〜6点)の絶対評価を行い、その平均点をさらに4段階に分けて評価した。
(1)絶対評価
6点:非常に良い
5点:良い
4点:やや良い
3点:普通
2点:やや悪い
1点:悪い
0点:非常に悪い
(2)4段階評価
◎:5点を超える
○:3点を超えて5点以下
△:2点を超えて3点以下
×:2点以下
【0034】
表1の結果から明らかなように、本発明品である実施例1〜7の水系化粧料は、使用感、使用性の面で、はるかに優れた特性を有していることが分かる。特に、本発明品は、二層タイプでないため使用時に振とうする必要がなく使用が簡便であり、きしみがなく、のびもなめらかで、付着性も良好である。又、使用後の仕上がりも粉っぽさがなく且つべたつきのない仕上がりで、さっぱり感、エモリエント感を付与し、その上、経時での化粧膜がくずれにくく、しっかりとした化粧膜を付与するものである。
一方、粉体の処理剤が異なる比較例1及び2は、きしみのなさ、のびのなめらかさ及びエモリエント感等の使用感において満足するものではなかった。また、アクリル酸系エマルションポリマーの替わりに水溶性高分子を配合した比較例3では、経時での粉体の凝集を生じ、安定性が悪く経時により使用性の変化が見られた。
【0035】
Figure 0004063442
(製法)
A.1〜7を混合粉砕する
B.Aに8を添加後、充分混合撹拌して、均一にする。
C.9〜16を混合溶解し、撹拌しながら、Bを加え、均一に分散する。
D.Cを容器に充填して製品とする。
【0036】
Figure 0004063442
(製法)
A.1〜7を混合粉砕する。
B.Aに8を添加後、充分混合撹拌して、均一にする
C.9〜14を混合溶解し、撹拌しながら、Bを加え、均一に分散する。
D.Cを容器に充填して製品とする。
【0037】
Figure 0004063442
(製法)
A.1〜2を混合粉砕する
B.Aに3を添加後、充分混合撹拌して、均一にする。
C.4〜12を混合溶解し、撹拌しながら、Bを加え、均一に分散する。
D.Cを容器に充填して製品とする。
【0038】
上記実施例8、9、10については、実施例1〜7と同様に、使用感、使用性、化粧膜の持続性において優れた特性を有するものが得られた。
【0039】
【発明の効果】
本発明の水系化粧料は、使用が簡便で、清涼感、さっぱり感、しっとり感、エモリエント感等の良好な使用感を有し、また皮膚への展延性、親和性が良好で、きしみがなく、なめらかにのび、しかも化粧持続性に優れる等の使用特性を有し、経時安定性にも優れるものである。

Claims (4)

  1. 次の成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e);
    (a)次の一般式(3)
    Figure 0004063442
    (但し、パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、m/n=0
    .1〜50であり、rは1〜2であり、qは1又は2である。)
    で表される化合物で処理した粉体
    (b)低級アルコール
    (c)アクリル酸系エマルションポリマー
    (d)アルカリ剤
    (e)水性成分
    を含有することを特徴とする水系化粧料。
  2. (c)成分のアクリル酸系ポリマーエマルジョンの配合量が固形分換算で0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項1記載の水系化粧料。
  3. (c)成分のアクリル酸系エマルションポリマーが、アニオン性アルカリ増粘型であることを特徴とする請求項1又は2記載の水系化粧料。
  4. (a)成分の処理粉体の配合量が0.5〜60重量%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の水系化粧料。
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