JP4061184B2 - ドリッパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の被抽出成分を有する内容物を漉すときに使用するドリッパーに関し、さらに詳しくは、被抽出成分を有する内容物を一体的に収納した使い捨てタイプのドリッパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、予めレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の被抽出成分を有する内容物を収納したドリッパーが知られている。これらのドリッパーは大別して2種類のものがある。その一つは、カップ状の容器と該容器の底部等にレギュラーコーヒー粉等の内容物を収納する収納部を備えたもの(たとえば、特許文献1)、また、他の一つは、レギュラーコーヒー粉等の内容物を収納する収納部と、該収納部をカップ壁面等に載置固定する紙製支持部とからなるもの(たとえば、特許文献2参照)である。
【0003】
特許文献1記載のドリッパーは、特許文献2記載のドリッパーに比べて、嵩張るという難点があるために販売時や保管時等に場所を取るといった問題や、使い捨てであるにもかかわらず製造コストが高く、また廃棄処理がし難いといった問題がある。そのために、折畳むことにより小型化することができ、販売時や保管時等に場所を取ることがなく、また、廃棄処理も容易であるなどの理由から特許文献2記載のような構成からなるドリッパーの市場ニーズが高まっている。
【0004】
特許文献2記載のドリッパーは、厚紙により形成した折畳まれた状態の枠状の紙製支持部の内側にレギュラーコーヒー粉等の内容物が収納された濾紙袋(収納部)の上縁部近くを接着したものであって、使用時に前記濾紙袋(収納部)に設けられたミシン目で前記濾紙袋(収納部)を開封して後に、折畳まれた状態の枠状の紙製支持部を起立させて筒状に保形するように構成され、この状態で筒状に保形された紙製支持部の下端部をカップ壁面上に載置して前記濾紙袋(収納部)内に注湯するすることにより、所望のコーヒー等の飲料を得るものである。
【0005】
ところで、特許文献2記載のドリッパーは、収納部である濾紙袋の開口部から内容物を充填して後に開口部を熱接着して封止し、その後に濾紙袋の上縁部近くを折畳まれた状態の枠状の紙製支持部の内側に接着することにより完成品となる。この場合、開口部の封止は、濾紙袋それ自体を熱接着することにより行われるために、極めて容易に、かつ、安定した封止を得ることができる。このように、濾紙袋それ自体を熱接着することにより開口部を封止し、その後に濾紙袋を紙製支持部に挿着するドリッパーとしては、他にも色々ある(たとえば、特許文献3参照)。
【0006】
しかしながら、特許文献2、3記載のドリッパーにおいて、内容物を充填して封止した状態の濾紙袋は、濾紙袋自体が一般的には柔軟な材質からなるものであり、その形状が均一ではなく、これを紙製支持部の所定位置に挿着するのは難しいために、濾紙袋の形状をある程度均一な形状に揃えなければならないといった問題があった。
【0007】
そこで、出願人は、上記した濾紙袋の形状をある程度均一な形状に揃えなければならないといった問題を解決するものとして、紙製支持部である平面視略矩形状の筒状紙体に濾紙袋を挿着し、その後に、内容物を濾紙袋に充填し、濾紙袋の開口部を筒状紙体の外側から熱接着して剥離可能に封止したドリッパーを提案した(特許文献4参照)。
【0008】
この特許文献4記載のドリッパーは、両側縁に折曲部を有すると共に該折曲部に前記筒状紙体を筒状に保形するための折込部を備えた構成からなるものであって、前記筒状紙体を筒状とするための接合部(特許文献4上は重ね部)が両折曲部を外した位置となるように構成されているために、前記接合部(特許文献4上は重ね部)とその他の部位の紙厚が異なることに起因する諸問題を超音波ホーンの先端ないし超音波溶着用受治具の表面に千鳥状に微小突起を形成した超音波溶着装置を用いることにより解決したが、筒状紙体の紙厚の異なる部位(紙厚の厚い部位)の表面において微小突起の凹み模様が強くエンボスされるために、この凹み模様を是としない顧客もあり、この解決を図ることにした。
【0009】
【特許文献1】
実開昭61−124232号公報
【特許文献2】
実開平4−13568号公報
【特許文献3】
特開平10−290750号公報
【特許文献4】
特開2002−306344号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、筒状紙体の外面から筒状紙体を介して袋体の開口部を内容物収納後に剥離可能に閉じる際に、極めて容易であって、剥離する際の剥離力が均一な剥離可能接着部を形成することができると共に微小突起の凹み模様が表面から目立ち難いドリッパーを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、両側縁に折曲部を備えた一対の側壁板からなる平面視略矩形状の筒状紙体に濾過機能を有する少なくとも開口縁側の幅が前記筒状紙体の両側縁間寸法にほぼ近い寸法を有する袋体を挿入すると共に該袋体の開口縁の略中央対向部を前記筒状紙体の一方の開口縁の略中央部に貼着し、前記袋体の開口部を内容物収納後に剥離可能接着部で剥離可能に閉じたドリッパーにおいて、前記筒状紙体の前記一対の側壁板の対向する位置に前記筒状紙体を筒状に保形する保形手段が設けられると共に前記筒状紙体の少なくとも一方の側縁は前記一対の側壁板の一方に、前記折曲部を介して前記一対の側壁板の他方に貼着される糊代片が連接され、かつ、前記糊代片はその上端が前記剥離可能接着部に掛からないように幅狭に形成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、前記袋体の開口部の閉じ位置には筒状紙体の接合部(重ね部)が存在しないために、筒状紙体の外面から筒状紙体を介して袋体の開口部を内容物収納後に剥離可能に閉じる際に、均一な押圧力にて極めて容易に閉じることができると共に剥離する際の剥離力が均一な剥離可能接着部(閉じ部)を得ることができる。
【0012】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載のドリッパーにおいて、前記筒状紙体の他方の開口縁に係合突片が形成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、カップ壁面上に安定して載置固定することができる。
【0013】
また、請求項3記載の本発明は、請求項1、2のいずれかに記載のドリッパーにおいて、前記袋体の開口部が超音波溶着により剥離可能に閉じられていることを特徴とするものである。このように構成することにより、筒状紙体の外側から筒状紙体を介して袋体の開口部を一層容易に剥離可能に閉じることができる。
【0014】
また、請求項4記載の本発明は、請求項3記載のドリッパーにおいて、前記超音波溶着が微小突起を千鳥状に形成した先端を有する超音波ホーンないし微小突起を千鳥状に形成した表面を有する超音波溶着用受治具のいずれかを具備した超音波溶着装置でなされていることを特徴とするものである。このように構成することにより、一層剥離する際の剥離力が均一な(安定した)剥離可能接着部(閉じ部)を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかるドリッパーの第1実施形態を示す要部透視正面図、図2は図1に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図、図3は図1に示すドリッパーの使用方法を説明する図、図4は本発明にかかるドリッパーの第2実施形態を示す要部透視正面図、図5は図4に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図、図6は超音波溶着用受治具の表面形状の一実施例を示す斜視図であり、図中の1,1’はドリッパー、2,202は筒状紙体、2’,202’はブランク板、3は袋体、20,20’は突出フラップ、21は係合突片、22は切欠、23,23’は切線、24,25は折罫、26,26’は長孔部、30,30’は対向貼着部、31は剥離可能接着部、32は強固な接着部、33は折部、200は前側壁板、210は後側壁板、220は糊代片、Aは超音波溶着用受治具表面、Bは微小突起、α,βは折曲部をそれぞれ示す。
【0016】
図1は本発明にかかるドリッパーの第1実施形態を示す要部透視正面図であって、ドリッパー1は両側縁に折曲部α、βを備え、前記両側縁に対して一方の開口縁(図1上の上端縁)の中央部となる位置に対向する一対の突出フラップ20、20’(図2参照)を備えた一対の側壁板200、210(図2参照)からなる平面視略矩形状の筒状紙体2に、濾過機能を有する略逆台形状の袋体3を挿入して前記袋体3の開口縁の略中央部を一部延設した一対の対向貼着部30、30’(図2参照)を前記一対の突出フラップ20、20’の上縁で外方へ折返して前記一対の突出フラップ20、20’の外面に貼着し、前記袋体3の開口部をレギュラーコーヒー粉等の被抽出成分を有する内容物(図示せず)収納後に剥離可能接着部31で閉じたものであって、前記筒状紙体2の他方の開口縁(図1上の下端縁)の両側縁と中央部とに係合突片21が4箇所(図1上は3箇所)形成され、この係合突片21により前記筒状紙体2の前記下端縁(図1上の下側)に必然的に切欠22が4箇所(図1上は2箇所)形成されると共に前記筒状紙体2の前記一対の側壁板200、210の前記両側縁に対して中央部となる位置に前記両側縁に平行であって、かつ、前記一対の突出フラップ20、20’の上端縁と前記筒状紙体2の下端縁(図1上の下側)の中央部に設けた一対の係合突片21の下端縁とに交差しない一条の不連続な切線23、23’(図2参照)が保形手段として対向して設けられている。
【0017】
そして、前記一対の側壁板200、210の一方の側壁板200に前記折曲部αを介して他方の側壁板210に貼着された糊代片220が設けられている。前記糊代片220は、少なくとも前記筒状紙体2の前記突出フラップ20、20’側には存在しないように幅狭に形成され(図1上は前記筒状紙体2の前記係合突片21側にも存在しないように幅狭に形成され)、このように構成することにより前記袋体3の開口部を閉じる剥離可能接着部31を形成する際に、前記筒状紙体2の外面から熱接着しても、前記筒状紙体2の紙厚の差が生じることなく、前記袋体3の開口部を閉じる位置に熱と圧とが均一にかかるように構成されている。この理由としては、前記袋体3の少なくとも開口縁側の幅よりも前記筒状紙体2の両側縁間寸法が十分に長い構成とする場合には、前記袋体3の開口部を選択的に熱接着して閉じればよく、本発明のドリッパーの構成とする必要はないものであるが、本発明のドリッパー1は、前記袋体3の少なくとも開口縁側の幅が前記筒状紙体2の両側縁間寸法にほぼ近い寸法からなる構成のために、前記筒状紙体2の外面から前記筒状紙体2の両側縁間寸法ないしこれより長い寸法で熱接着する必要があるからである。
【0018】
また、図1に示すように、前記袋体3は、その両側端縁に容易に剥がれない強固な接着部32を有すると共に前記袋体3の前記開口部と反対側の下端部(図1上の下側部)は折部33となっている。なお、前記折部33については、後ほどもう少し詳しく説明する。
【0019】
次に、本発明のドリッパーを構成する筒状紙体2と濾過機能を有する袋体3について説明する。最初に筒状紙体2について説明する。図2は図1に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図であって、ブランク板2’は一対の側壁板を構成する後側壁板210と前側壁板200、および、糊代片220が折罫25、24を介して順次連接され、前記前側壁板200および前記後側壁板210の前記折罫24、25と直交する一方の端縁(図2上の上端縁)のそれぞれの中央部に両角がアール状に形成された略台形状の一対の突出フラップ20、20’が設けられ、前記前側壁板200および前記後側壁板210の前記折罫24、25と直交する他方の端縁(図2上の下端縁)の前記突出フラップ20、20’と対向する位置および前記ブランク板2’を後述するように折りと貼り加工をして図1に示す筒状紙体2とした状態でその両側縁となる位置に係合突片21が設けられ(この係合突片21により必然的に切欠22が形成され)、さらに前記ブランク板2’を後述するように折りと貼り加工をして図1に示す筒状紙体2とした状態で前記前側壁板200および前記後側壁板210のそれぞれの中央部に前記折罫24、25に平行に、かつ、前記突出フラップ20、20’の上端縁および前記前側壁板200および前記後側壁板210の前記他方の端縁(下端縁)の中央部に設けた前記係合突片21の下端縁と交差しない一条の不連続な切線23、23’が設けられた構成からなるものである。このように構成された前記ブランク板2’を、まず前記前側壁板200上に前記糊代片220を前記折罫24を山折りして折り重ね、次いで折り重ねた前記糊代片220上に前記後側壁板210を前記折罫25を山折りして折り重ね、前記糊代片220と前記後側壁板210との重ね部(接合部)を接着剤等により接着することにより筒状紙体2を得ることができる。前記折曲部α、βは前記折罫24、25でそれぞれ形成される。なお、前記筒状紙体2を形成する材料としては、たとえば、200〜340g/m2の耐水カード紙、アイボリー紙などの厚紙が適当である。また、前記ブランク板2’は、周知の打抜機を用いて容易に製造することができる。
【0020】
次に、本発明に用いる袋体について説明する。袋体3としては、濾過機能を有する素材であれば特に限定するものではないが、袋体3とするときの加工性を考慮すると素材それ自体が熱接着性を有するもの、あるいは、最内層が熱接着性を有するものが好ましく、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエステル系等の透水性を有する不織布、あるいは、最内層にポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系やポリエステル系等の熱可塑性樹脂を含有している層を有する2ないし3層構成からなる濾紙等を挙げることができる。
【0021】
次に、前記袋体3の製造方法について説明する。前記袋体3は、熱接着性を有する長尺シート、たとえば、最内層に変性ポリプロピレンを含有している3層構成からなる濾紙を、長尺方向と平行に2つ折りして折部33(図1参照)を形成するなり、あるいは、前記折部33(図1参照)をW折り(ガセット折り)するなりして重ね合わせ、所定形状に熱接着(図1上、符号32で示す接着部)し、その後に裁断、および/ないし、型抜き(図1上、折部33が幅狭となると共に前記折部33の反対側の略中央部に一部延設した一対の対向貼着部30、30’を備えた略台形状に型抜き)することにより製造することができる。
【0022】
前記筒状紙体2と前記袋体3との組付けは、上記した前記筒状紙体2に前記袋体3を挿入して前記袋体3に設けた前記一対の対向貼着部30、30’(図2、3参照)を前記筒状紙体2に設けた前記一対の突出フラップ20、20’(図1、2参照)の上縁で外方へ折返して前記一対の突出フラップ20、20’(図1、2参照)の外面に貼着することにより完了する。なお、図1においては、前記袋体3の前記一対の対向貼着部30、30’(図2、3参照)を前記一対の突出フラップ20、20’(図1、2参照)の上縁で外方へ折返して前記一対の突出フラップ20、20’(図1、2参照)の外面に貼着したものを示したが、図示はしないが前記袋体3の前記一対の対向貼着部30、30’(図2、3参照)の突出長さを短くして前記一対の突出フラップ20、20’(図1、2参照)の内面に貼着してもよいものである。いずれの場合においても、前記筒状紙体2に前記袋体3を貼着する個所は前記突出フラップ20、20’(図1、2参照)とすることが望ましく、これにより使用時に前記筒状紙体2を筒状に起立させた際に、前記袋体3の両側が持ち上がり、前記袋体3の大きく確実な開口が保証され、注湯やドリップに適したドリッパーとすることができる。
【0023】
なお、、前記ブランク板2’から前記筒状紙体2とするために、前記後側壁板210と前記糊代片220との重ね部を接着する接着剤、あるいは、前記筒状紙体2と前記袋体3とを接着する接着剤は、ホットメルト型、溶剤型、水性型、反応型、感圧型等の接着剤から適宜選択して用いることができる。
【0024】
このようにして前記筒状紙体2に前記袋体3が組付けられた半完成品のドリッパーは、その後、前記袋体3内にレギュラーコーヒー粉等の被抽出成分を有する内容物(図示せず)が前記袋体3の開口部から充填され、前記袋体3の前記開口部が剥離可能接着部31(図1参照)となるように熱接着されて本発明のドリッパー1となる。
【0025】
次に、前記袋体3の前記開口部の剥離可能接着部31の形成方法について説明する。本発明のドリッパー1は、前記筒状紙体2に前記袋体3を組付け、その後に前記袋体3内にレギュラーコーヒー粉等の被抽出成分を有する内容物(図示せず)を前記袋体3の開口部から充填し、最後に前記袋体3の開口部を前記筒状紙体2の外面から前記筒状紙体2を介して剥離可能接着部31となるように熱接着するものであり、通常用いられる熱板シール方法やインパルスシール方法等では前記筒状紙体2を形成している厚紙を通して前記袋体3の開口部の内面同士を剥離可能に接着することは非常に困難であり、熱接着しようとすると時間を要し、生産効率が落ちると共に前記筒状紙体2の内外面や前記袋体3の表面が焦げて褐変し、見栄えの悪いものとなる。そのために、超音波溶着装置(図示せず)を用いて前記剥離可能接着部31を形成するのが適当であり、より好ましくは、平坦な先端を有する超音波ホーン(図示せず)と、図6に示すようなローレット加工等により微小突起Bを千鳥状に形成した表面Aを有する超音波溶着用受治具(図6上、前記微小突起Bは四角錐状突起を例示している)を具備した超音波溶着装置(図示せず)を用いて形成するのがよい。
【0026】
そして、本発明のドリッパー1は、前記剥離可能接着部31を形成する際に、前記筒状紙体2の外面から前記筒状紙体2を介して前記袋体3の開口部を熱接着するものであるが、この熱接着する部位に対応する前記筒状紙体2はほぼ均一な厚さに構成されているために、均一な圧を前記袋体3の開口部にかけることができ、前記剥離可能接着部31を一層剥離する際の剥離力が均一な接着部とすることができると共に、熱接着する部位に対応する前記筒状紙体2に接合部(重ね部)が存在するものと比べると弱い圧で熱接着することができるために、上記したような微小突起Bからなる表面Aを有する超音波溶着用受治具(図6上、前記微小突起Bは四角錐状突起を例示している)を具備した超音波溶着装置(図示せず)を用いても、微小突起Bの凹み模様を表面から目立ち難いものとすることができる。
【0027】
なお、図6においては、千鳥状に形成した微小突起Bを超音波溶着用受治具の表面に形成したが、超音波溶着用受治具の表面を平坦にして、千鳥状に形成した微小突起Bを超音波ホーンの先端に形成してもよいものである。また、図6においては、微小突起Bを四角錐状突起とし、いわゆるアヤ目状に配置したが、微小突起Bの形状としては、たとえば、三角錐状、五角錐状等の角錐状、あるいは、円錐状であってもよいものである。
【0028】
次に、本発明のドリッパー1の使用方法について図1を用いて、使用方法を示す図3により説明する。まず、図1に示すドリッパー1の前記袋体3の前記対向貼着部30、30’で被覆された前記突出フラップ20、20’を左右の手指で摘んで互いに乖離する方向に引張って前記袋体3の前記剥離可能接着部31を剥離し、さらに続けて引張ることにより前記筒状紙体2の前記切線23、23’を設けた面(図2上、前側壁板200と後側壁板210)が前記切線23、23’で外方に突出した状態で自動的に折られて菱形状の筒状に保持(保形)された開口を得ることができる。その後に前記筒状紙体2の下縁に設けた係合突片21および切欠22でカップ壁面にドリッパー1を図3に示すように載置固定し、開口から所定量の熱湯を注湯して、カップ内に所望の飲料を得るものである。
【0029】
なお、今までは保形手段として、一条の不連続な切線23、23’(図1、2参照)を例に挙げて説明してきたが、保形手段としてはこれに限るものではなく、一条の不連続な切線23、23’(図1、2参照)に代えて、図示はしないが連続した(直線状の)一条の切線であってもよいし、また、上記した一対の突出フラップ20、20’(図1、2参照)の上端縁と前記筒状紙体2の下端縁(図1、2上の下側)の中央部に設けた一対の係合突片21の下端縁とに交差する一条の折罫ないしミシン目罫であってもよいし、あるいは、前記一条の折罫ないしミシン目罫の略中心部にその対向する一対の角部が前記一条の折罫ないしミシン目罫に一致するように菱形状の切欠部を設けたものであってもよいものである。ところで、前記菱形状の切欠部は前記一対の角部間の寸法が前記一条の折罫ないしミシン目罫の全長に対して50%以上となるように設けるのが好ましく、このような切欠部を設けることにより、この切欠部は前記筒状紙体2の紙の腰による反発力をなくすことができるために一層確実な保形が得られる。また、この切欠部から熱湯を注湯した際のカップ内の飲料の液面を確認することができるという効果もある。
【0030】
図4は本発明にかかるドリッパーの第2実施形態を示す要部透視正面図、図5は図4に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図であって、ドリッパー1’は図1、2に示したドリッパー1の前記筒状紙体2に設けた保形手段としての切線23、23’に代えて保形手段としての長孔部26、26’を設けた筒状紙体202からなる以外はドリッパー1と同じである。前記長孔部26、26’は前記筒状紙体202の両側縁間を略3等分する位置に対向して前記筒状紙体202の上端縁および下端縁と交差しない前記両側縁に平行に直線帯状(縦長の矩形状)に形成され、前記筒状紙体202の突出フラップ20、20’および前記筒状紙体202の下端(図4、5上の下側)の中央に設けた係合突片21とがその延長線上に位置することがないように、すなわち、前記長孔部26間および前記長孔部26’間に位置するように形成される。また、前記筒状紙体202の上端縁と前記長孔部26、26’の上端の間隔および前記筒状紙体202の下端縁と前記長孔部26、26’の下端の間隔は、前記筒状紙体202の上下方向(図4、5上)の座屈強度等のドリッパーとして機能するための強度を考慮すると少なくとも5mmは必要である。さらにまた、前記長孔部26、26’の上端は、前記袋体3の開口部を閉じる前記剥離可能接着部31を形成する際の圧抜けによる閉じ不良が生じないように前記剥離可能接着部31より下方(図4上の下側)に位置するように構成するのがよい。また、前記筒状紙体202に設ける前記長孔部26、26’は、前記筒状紙体202の横方向の長さ(両側縁間長さ)や前記筒状紙体202の全体的な大きさにより適宜な位置に設ければよいが、ドリッパー1’は前記筒状紙体202の両折曲部α、βを互いに接近するように押圧することにより前記筒状紙体202の前記長孔部26、26’の延長線上にある部分を折り曲げて横断面略6角形状の筒状に保持(保形)するのであるが、この際に前記筒状紙体202の両側縁間を略3等分する位置に前記長孔部26、26’を設けるのが最も安定した形状となるために好ましく、カップ壁面上に載置した場合においても安定した開口が得られものである。なお、図5に示した符号202’は、筒状紙体202のブランク板を示す
【0031】
なお、前記ブランク板202’の製造方法、前記ブランク板202’から前記筒状紙体202を得る方法、前記筒状紙体202に前記袋体3を組付け方法、レギュラーコーヒー粉等の被抽出成分を有する内容物(図示せず)を前記袋体3に充填後に前記袋体3の開口部を剥離可能接着部31(図1参照)となるように熱接着して閉じる方法、あるいは、用いる材料等は、第1実施形態のドリッパー1と同じであり、説明は省略する。
【0032】
また、本発明のドリッパー1’の使用方法としては、図4に示すドリッパー1’の前記袋体3の前記対向貼着部30、30’(図示せず)で被覆された前記突出フラップ20、20’(図示せず)を左右の手指で摘んで互いに乖離する方向に引張って前記袋体3の前記剥離可能接着部31を剥離し、その後に前記筒状紙体202を筒状に保形するために折曲部α、βを備えた両側縁を互いに接近する方向に押圧することにより、前記筒状紙体202に設けた前記長孔部26、26’の両延長線上の前記筒状紙体202の部位〔前記長孔部26、26’(図5参照)の上端と前記筒状紙体202の上端縁間および前記長孔部26、26’(図5参照)の下端と筒状紙体202の下端縁間〕が折り曲げられて折りくせが付き、横断面略六角形状の筒状に保持(保形)された開口を得ることができる。その後に前記筒状紙体202の下縁に設けた係合突片21および切欠22でカップ壁面上にドリッパー1’を載置固定し、開口から所定量の熱湯を注湯して、カップ内に所望の飲料を得るものである。
【0033】
なお、図5に示すように、本発明にかかる第2実施形態のドリッパー1’において、前記筒状紙体202に保形手段として前記長孔部26、26’を直線帯状(縦長の矩形状)に形成したものを示したが、この保形手段に代えて図示はしないが、前記長孔部26、26’の前記筒状紙体202の上端縁側および下端縁側をV字形状に突出した形状の両端部V字状長孔部としてもよいのであって、このような両端部V字状長孔部とすることにより、前記筒状紙体202の両折曲部α、βを互いに接近するように押圧することにより、前記筒状紙体202の両端部V字状長孔部の両先端部の延長線にある部分で確実に折り曲げることができると共に一層容易に折り曲げることができる長孔部とすることができるし、また、前記長孔部26、26’を設けた略同じ位置に前記筒状紙体202の上端縁と下端縁とに交差する折罫ないしミシン目罫を設けてもよいものである。また、今まではドリッパー1、1’の下端縁に設けた係合突片21の数や形状は、例示したものに限るものではなく、カップ壁面上に載置固定可能に構成されていればよいものである。さらにまた、前記突出フラップ20、20’は、必ずしも同一形状である必要はなく、突出幅や突出高さを変えたり、あるいは、同一形状であっても多少設ける位置をずらせることにより、使用時に手指で摘み易いように構成してもよいものである。
【0034】
【発明の効果】
以上縷々説明したように、本発明のドリッパーは、袋体の開口部の閉じ位置に筒状紙体の接合部(重ね部)が存在しない構成とすることにより、筒状紙体の外面から筒状紙体を介して袋体の開口部を内容物収納後に剥離可能に閉じる際に、極めて容易であって、剥離する際の剥離力が均一な剥離可能接着部を得ることができると共に、袋体の開口部の閉じ位置に筒状紙体の接合部(重ね部)が存在するドリッパーと比べると弱い圧で熱接着することができるために微小突起を備えた超音波溶着装置を用いて熱接着しても微小突起の凹み模様が表面から目立ち難い外観を有するものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるドリッパーの第1実施形態を示す要部透視正面図である。
【図2】図1に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図である。
【図3】図1に示すドリッパーの使用方法を説明する図である。
【図4】本発明にかかるドリッパーの第2実施形態を示す要部透視正面図である。
【図5】図4に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図である。
【図6】超音波溶着用受治具の表面形状の一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,1’ ドリッパー
2,202 筒状紙体
2’,202’ ブランク板
3 袋体
20,20’ 突出フラップ
21 係合突片
22 切欠
23,23’ 切線
24,25 折罫
26,26’ 長孔部
30,30’ 対向貼着部
31 剥離可能接着部
32 強固な接着部
33 折部
200 前側壁板
210 後側壁板
220 糊代片
A 超音波溶着用受治具表面
B 微小突起
α,β 折曲部
Claims (4)
- 両側縁に折曲部を備えた一対の側壁板からなる平面視略矩形状の筒状紙体に濾過機能を有する少なくとも開口縁側の幅が前記筒状紙体の両側縁間寸法にほぼ近い寸法を有する袋体を挿入すると共に該袋体の開口縁の略中央対向部を前記筒状紙体の一方の開口縁の略中央部に貼着し、前記袋体の開口部を内容物収納後に剥離可能接着部で剥離可能に閉じたドリッパーにおいて、前記筒状紙体の前記一対の側壁板の対向する位置に前記筒状紙体を筒状に保形する保形手段が設けられると共に前記筒状紙体の少なくとも一方の側縁は前記一対の側壁板の一方に、前記折曲部を介して前記一対の側壁板の他方に貼着される糊代片が連接され、かつ、前記糊代片はその上端が前記剥離可能接着部に掛からないように幅狭に形成されていることを特徴とするドリッパー。
- 前記筒状紙体の他方の開口縁に係合突片が形成されていることを特徴とする請求項1記載のドリッパー。
- 前記袋体の開口部が超音波溶着により剥離可能に閉じられていることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のドリッパー。
- 前記超音波溶着が微小突起を千鳥状に形成した先端を有する超音波ホーンないし微小突起を千鳥状に形成した表面を有する超音波溶着用受治具のいずれかを具備した超音波溶着装置でなされていることを特徴とする請求項3記載のドリッパー。
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