JP7355177B2 - ドリッパーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はドリッパー製造方法に関するものであり、例えば、被抽出成分を有する内容物(例えば、レギュラーコーヒー粉,紅茶の葉,緑茶の葉等)が予め収納されたドリッパー製造方法に関するものである。
レギュラーコーヒー粉が予め封入された袋状のフィルターと、そのフィルターをカップ上に位置させる筒状の支持体(スリーブ状の台紙)と、からなる使い捨てタイプのコーヒードリッパーが、従来より知られている。支持体は厚紙の両端が重なるように接着されて筒状化されたものが多く、使用前の支持体は内側に不織布からなるフィルターが取り付けられた状態で折り畳まれている。コーヒーを淹れる際には、フィルターを開封し、支持体を折り畳まれた状態から筒状の開状態にした後、カップ上にドリッパーを載置する。フィルター内に熱湯を注ぐと、抽出されたコーヒーがフィルターを通過してカップ内に溜まることになる。
上記のようなコーヒードリッパーには、フィルター開封時に、フィルター内のレギュラーコーヒー粉が飛散したりフィルターが破れたりしないようにする必要がある。従来より様々なタイプのドリッパーが提案されているが、例えば、特許文献1に記載のドリッパーは、内容物の飛散を防ぐためにフィルターの開口に蓋体が熱接着された構成になっている。しかし、この構成はフィルターに対する内容物の充填量を制限してしまうため、特許文献2に記載されているような小型のドリッパーには採用することができない。
特許文献3~5には、支持体を介した超音波シールにより、フィルターの開口が剥離可能に閉じられたドリッパーが提案されている。これらの構成は、特許文献6に記載のドリッパーのように、フィルター開口のシール範囲が支持体の重なり部分(つまり、厚紙の両端の重なり部分)と重ならない場合には問題無いが、特許文献2に記載のドリッパーのように、フィルター開口のシール範囲が支持体の重なり部分と重なる場合にはフィルター開口のシール強度にバラツキを生じさせてしまう。
特許第4391441号公報 特許第4124352号公報 特許第3967258号公報 特許第4028456号公報 特許第4815736号公報 特許第5389588号公報
超音波シールは、超音波ホーン(共振体),受け治具(アンビル)等で構成された超音波シール装置を用いて行われる。フィルター開口のシール強度のバラツキは、支持体を介した超音波シールにおいて、フィルターが超音波ホーンから受ける力のバラツキによるものである。つまり、フィルターに対する超音波シールの範囲内に支持体の重なり部分が厚みの偏りとして存在すると、その重なり部分でフィルターが強く押圧されて、フィルターに対して超音波振動エネルギーが強く作用してしまう。例えば、支持体の重なり部分において、フィルター同士が強くシールされたり支持体内面(例えば、ポリエチレン製のシーラント層)に対してフィルター外面が強くシールされたりする。そのようにシールされたフィルター部分は、円滑な開封を困難にするため、フィルター開封時にフィルターが破れるきっかけとなる。
特許文献4,5に記載されているように、紙厚1枚分の逃げ加工(いわゆる「ザグリ」と呼ばれる穴)を超音波シール用のアンビルに施す等の工夫を施せば、シール強度の不均一性はある程度解消可能である。しかし、支持体の重なり部分には支持体を筒状に保持するための接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)が塗布されるため、接着剤の不安定な厚みでフィルターが強く押圧されて、フィルターに対して超音波振動エネルギーが強く作用してしまう。そのようにシールされたフィルター部分は、円滑な開封を困難にするため、フィルター開封時にフィルターが破れるきっかけとなる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、フィルター開封時の内容物の飛散やフィルターの破れを防止することができる小型のドリッパー製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明のドリッパーの製造方法は、被抽出成分を有する内容物が封入された袋状のフィルターと、そのフィルターが内部に位置する状態で折り畳み可能に形成された筒状の支持体と、を有するドリッパーの製造方法であって、
両端が重なるように折り曲げられたブランク板で前記支持体が形成されており、その折り曲げにより形成された重なり部分には接着剤が塗布されており、その接着により前記支持体が筒状化されており、
前記内容物が封入される前の前記フィルターが前記支持体の内部に設けられた状態にあるとき、前記フィルターを開口させて、その開口から前記フィルター内に前記内容物を入れる充填工程と、
前記接着剤による接着の範囲外で前記支持体を介した超音波シールを行うことにより、前記支持体において、前記超音波シールによるシール範囲と、前記接着剤による接着範囲と、が重ならず、かつ、前記シール範囲内に前記重なり部分が存在するように、前記内容物の入ったフィルターの開口を剥離可能に閉じるシール工程と、
を有することを特徴とする。
第2の発明のドリッパーの製造方法は、上記第1の発明において、前記ブランク板が、前面板と、前記前面板の一端に設けられた背面板と、前記前面板の他端に設けられた糊代片と、で構成されており、
前記背面板と前記糊代片とで前記重なり部分を形成し、
前記重なり部分に対応するように形成された、前記ブランク板の1枚分の逃げ加工により、前記超音波シールを行うことを特徴とする。
第3の発明のドリッパーの製造方法は、上記第1又は第2の発明において、前記接着剤がホットメルト接着剤であることを特徴とする。
第4の発明のドリッパーの製造方法は、上記第1~第3のいずれか1つの発明において、前記接着剤による接着範囲が、2箇所又は3箇所配置されていることを特徴とする。
の発明のドリッパーの製造方法は、上記第1~第のいずれか1つの発明において、前記筒状の支持体が、一方の開口を構成する第1開口部と、他方の開口を構成する第2開口部と、を有し、前記支持体を折り畳み状態から筒状の開状態にすると前記フィルターが開口するように、前記第1開口部に前記フィルターの開口部が取り付けられていることを特徴とする。
ただし、後述する実施の形態等には以下の特徴的な構成(A1)~(A5)等も含まれている。
(A1):被抽出成分を有する内容物が封入された袋状のフィルターと、そのフィルターが内部に位置する状態で折り畳み可能に形成された筒状の支持体と、を有するドリッパーであって、
前記支持体が折り曲げられたブランク板からなっており、
前記ブランク板の両端が重なるように接着剤で接着されることにより、前記支持体が筒状化されており、
前記支持体を介した超音波シールにより、前記フィルターの開口が剥離可能に閉じられており、
前記支持体において、前記超音波シールによるシール範囲と、前記接着剤による接着範囲と、が重ならないように配置されていることを特徴とするドリッパー。
(A2):前記接着剤がホットメルト接着剤であることを特徴とする(A1)記載のドリッパー。
(A3):前記接着剤による接着範囲が、2箇所又は3箇所配置されていることを特徴とする(A1)又は(A2)記載のドリッパー。
(A4):前記筒状の支持体が、一方の開口を構成する第1開口部と、他方の開口を構成する第2開口部と、を有し、前記支持体を折り畳み状態から筒状の開状態にすると前記フィルターが開口するように、前記第1開口部に前記フィルターの開口部が取り付けられていることを特徴とする(A1)~(A3)のいずれか1項に記載のドリッパー。
(A5):(A1)~(A4)のいずれか1項に記載のドリッパーの製造方法であって、
前記ブランク板の両端を重ねることにより形成した重なり部分に接着剤を塗布し、その接着により筒状の支持体を形成し、
前記支持体内に前記フィルターを設け、
前記フィルター内に前記内容物を入れ、
前記接着剤による接着の範囲外で前記支持体を介した超音波シールを行うことにより、前記フィルターの開口を剥離可能に閉じることを特徴とする製造方法
本発明によれば、超音波シールによるシール範囲と接着剤による接着範囲とが重ならないように配置されているため、接着剤の不安定な厚みでフィルターが強く押圧されることがない。結果として、フィルターに対して超音波振動エネルギーが部分的に強く作用することがないため、フィルター同士が強くシールされたり支持体内面に対してフィルター外面が強くシールされたりすることがない。したがって、小型のドリッパーでも、フィルター開封時の内容物の飛散やフィルターの破れを防止することができる。
ドリッパーの一実施の形態を開封前状態で示す背面図。 図1のドリッパーを開封後状態で示す斜視図。 図1のドリッパーを構成している支持体のブランク板を示す平面図。 図1のドリッパーにおける超音波シール処理を示す模式図。 図1のドリッパーにおけるシール範囲と接着範囲との位置関係の具体例を示す正面図。
以下、本発明の実施の形態に係るドリッパー等を、図面を参照しつつ説明する。なお、各具体例等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
図1にドリッパー1の外観を開封前状態(支持体3の折り畳み状態)で示し、図2にドリッパー1の外観を開封後状態(支持体3の筒状の開状態)で示す。図1はドリッパー1の背面図であり、図2はカップ17上にセットされたドリッパー1の背面側斜視図である。ドリッパー1は、被抽出成分を有する内容物18(図2)が封入された袋状のフィルター2と、そのフィルター2が内部に位置する状態で折り畳み可能に形成された筒状の支持体(スリーブ状の台紙)3と、を有する2重構造の構成になっている。このドリッパー1は、支持体3が折り畳み可能であることから携帯に適しており、廃棄の容易な材料で構成可能な簡易構造を有することから使い捨てに適している。つまり、携帯可能な使い捨てタイプでありながら、例えばドリップコーヒーを簡易に淹れることができるという長所を有している。
被抽出成分を有する内容物18(図2;例えば、レギュラーコーヒー粉,紅茶の葉,緑茶の葉等)は、袋状のフィルター2内に予め封入されている。そして、内容物18がドリッパー1の使用前にフィルター2からこぼれ出ないように、支持体3を介した超音波シールにより、フィルター2の開口9aが剥離可能に閉じられている。図1中に、超音波シールによるシール範囲24を示す。
フィルター2の材料としては、袋状にする際の加工性を考慮して、熱接着性を素材に有するシート材料、片面(袋状にしたときの最内層)に熱接着性を有するシート材料等を用いることが好ましい。例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン,ポリプロピレン等),ポリエステル系等の材料からなる透水性不織布、ポリオレフィン系(ポリエチレン,ポリプロピレン等),ポリエステル系等の熱可塑性樹脂を片面(袋状にしたときの最内層)に含有する多層構造の濾紙等が挙げられる。袋状の加工は、上記シート材料を2つ折り又はガセット折りすることにより重ね合わせ、所定形状に熱接着し、裁断・型抜きすることにより行われる。
フィルター2を所定の形状に保ちながら、カップ17(図2)上にセットすることを可能としているのが、筒状の支持体3である。この支持体3は、図2に示すように、一方の開口7aを構成する第1開口部7と、他方の開口8aを構成する第2開口部8と、を有しており、支持体3を折り畳み状態(図1)から筒状の開状態(図2)にするとフィルター2が開口するように、第1開口部7にフィルター開口部9が取り付けられている。このフィルター2の取り付けは、支持体3内にフィルター2を挿入し、支持体3の第1開口部7の縁でフィルター開口部9の一部を外側へ折り返し、その折り返し部分を支持体3の外面に貼り着けることにより行われる。このようにフィルター2を取り付けると、使用時に支持体3を筒状の開状態にした際、フィルター2が大きく開口して注湯やドリップに適した状態となる。
支持体3は、図3に示す1枚のブランク板3Aの折り曲げ,接着等により形成されている。図3は支持体3の展開図であり、ブランク板3Aは、板状のシート材料を展開図(図3)のように打ち抜くことにより形成される。ブランク板3Aの材質は特に限定されるものではないが、例えば、耐水カード紙,アイボリー紙等の厚紙や両面(特に支持体3の内側面)に樹脂(ポリエチレン等)が塗布された厚紙を、シート材料として用いることができる。なお、樹脂が塗布された厚紙でブランク板3Aを構成すると、支持体3に熱湯や湯気がかかっても、その剛性の低下を防止することができる。
ブランク板3A(図3)は、折り曲げ線Lを境界とする3つの部分、つまり前面板4と背面板5と糊代片6とで構成されている。折り曲げ線Lの具体例としては、リード罫,押し罫,切り罫,ミシン罫等の罫線が挙げられる。前面板4と背面板5には、T字形状の切り込み14と、V字形状の切欠き15と、扇形状の孔16と、凹部Nと、が左右対称にそれぞれ設けられている。切り込み14は、支持体3の第2開口部8(図1,図2)に相当する部分に位置しており、切欠き15は、支持体3の第1開口部7(図1,図2)に相当する部分に位置しており、孔16は第1,第2開口部7,8に相当する部分の中間に位置している。なお、支持体3内にフィルター2を取り付ける際、孔16を通してフィルター2を押さえることにより、支持体3に対するフィルター2の相対的な位置ズレを効果的に抑えることができる。
支持体3の第2開口部8(図1,図2)に相当する部分には、図3に示すように、突出部11と脚部13が複数形成されている。つまり、各折り曲げ線Lの位置とその貼り合わせ位置(図1,図2中の重なり部分20)に突出部11が形成されており、2本の折り曲げ線Lの位置の中間に脚部13が形成されている。同一の切り込み14で2つの脚部13が形成されており、各脚部13の突出部11側には凹部Nが形成されている。この凹部Nと切り込み14との組み合わせによって、ブランク板3Aを形成する際のシート材料の無駄を抑えながら、脚部13が支持体3の第2開口部8側に屈曲した形状に形成されている。
支持体3を組み立てる際には、まず、前面板4と背面板5との境界の折り曲げ線Lに沿ってブランク板3Aを折り曲げて、前面板4と背面板5とが重なった状態にする。次に、前面板4と糊代片6との境界の折り曲げ線Lに沿ってブランク板3Aを折り曲げて、糊代片6が背面板5に重なった状態とする。その状態で背面板5に糊代片6を接着すると、ブランク板3Aは筒状となって折り畳み状態の支持体3が得られる。背面板5に対する糊代片6の接着は、ブランク板3Aの両端を重ねることにより形成した重なり部分20に、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)を3箇所の接着範囲22(図1)に塗布することにより行われる。
上記のようにして筒状化された支持体3内には、フィルター2が設けられる。支持体3に対するフィルター2の取り付けは、前述したように、支持体3内にフィルター2を挿入し、支持体3の第1開口部7の縁でフィルター開口部9の一部を外側へ折り返し、その折り返し部分を支持体3の外面に接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)で貼り付けることにより行われる。
各折り曲げ線Lに沿ったブランク板3Aの折り曲げによって、各折り曲げ線Lの位置に折り目M(図1,図2)が形成される。折り畳み状態の支持体3(図1)に対して、左右の折り目Mを互いに近づく方向に押圧すると、切欠き15の下端と孔16の上端及び下端に力が集中して、切欠き15と孔16に沿った折り目が、前面板4と背面板5のそれぞれで2箇所ずつ生じ易くなる。このため、ブランク板3Aを簡単に折り曲げることができる。この折り曲げにより、各折り曲げ線Lの位置に折り目M(図1,図2)が形成されて、図2に示すように、支持体3の第1開口部7及び第2開口部8で略六角形の開口7a,8aが形成される。そして、支持体3が筒状の開状態(図2)になるとともに、フィルター開口部9においても略六角形の開口9aが形成される。なお、ドリッパー1を大容量化するために、フィルター2の底部をガセット折りにすることが好ましい。
上述のようにして組み立てられた支持体3の第2開口部8には、開口8aを介して対向する1対の突出部11と、開口8aを介して対向する2対の脚部13と、が形成されている。折り曲げ線Lに沿ったブランク板3Aの折り曲げにより、支持体3が筒状の開状態になると、突出部11と脚部13は、第2開口部8の所定位置に配置される。つまり、支持体3の折り畳み状態(図1)における両側の折り曲げ位置(折り目Mの形成位置)には突出部11が設けられ、2つの突出部11の間には脚部13が設けられる。突出部11と脚部13が支持体3の第2開口部8にバランス良く配置されるため、ドリッパー1は重心が全体的に低くなって安定化される。
開口9aからフィルター2内に内容物18を入れ、重なり部分20での接着剤による接着の範囲22外で、支持体3を介した超音波シールを行うことにより、フィルター2の開口を剥離可能に閉じると、開封前状態のドリッパー1(図1)が得られる。図4における(A)の平面図と(B)の正面図(超音波シール装置は図示省略)に、超音波シール装置を用いてフィルター2に超音波シール処理を施している様子を模式的に示す。超音波シールは、フィルター2に対して超音波振動エネルギーを作用させる超音波ホーン31と、フィルター2に対して位置決めを行うアンビル(受け治具)32と、を備えた超音波シール装置を用いて行われる。
アンビル32には、ブランク板3Aの重なり部分20に対応するように(ブランク板20の1枚分の逃げ加工として)ザグリ32aが形成されている。シール範囲24内には支持体3の重なり部分20が存在しているが(図1,図4(B))、超音波ホーン31で支持体3がアンビル32に押し付けられても(図4(A))、重なり部分20ではブランク板20の1枚分がザグリ32a内に入るため、フィルター2が重なり部分20で強く押圧されることはない。これにより、シール強度の均一性を得ることができるため、ブランク板3Aの重なり部分20では、フィルター2が開封時に破れるきっかけとなるような強いシール部分は生じない。
接着範囲22に関しても同様である。支持体3を筒状に保持するための接着剤による接着範囲22がいずれもシール範囲24から外れて位置しているため、接着剤の不安定な厚みでフィルター2が強く押圧されることはない。つまり、支持体3において、図1,図4(B)に示すように、超音波シールによるシール範囲24と、接着剤による接着範囲22と、が重ならないように配置されているため、接着剤の不安定な厚みでフィルター2が強く押圧されることがない。結果として、フィルター2に対して超音波振動エネルギーが部分的に強く作用することがないため、シール強度の均一性を得ることができ、例えば、フィルター2同士が強くシールされたり支持体3内面(例えば、ポリエチレン製のシーラント層)に対してフィルター2外面が強くシールされたりすることがない。したがって、接着剤による接着範囲22では、フィルター2が開封時に破れるきっかけとなるような強いシール部分が生じないので、小型のドリッパー1でも、フィルター2開封時の内容物18の飛散やフィルター2の破れを防止することができる。
ドリッパー1の使用時、例えばコーヒーを淹れる際には、フィルター2を開封し、支持体3を折り畳み状態(図1)から筒状の開状態(図2)にしてフィルター2を開口させた後、カップ17上にドリッパー1を載置する。開口9aからフィルター2内に熱湯を注ぐと、抽出されたコーヒーがフィルターを通過してカップ内に溜まることになる。孔16からカップ17内の様子が見えるので、熱湯を注ぎながらカップ17内のコーヒー量を容易に確認することができる。このようにして、開口9aからフィルター2内に所定量の熱湯を注ぐことにより、フィルター2内の内容物18から所望の成分が抽出された飲料(コーヒー,紅茶,緑茶等)をカップ17内に得ることができる。
上記のように支持体3が筒状の開状態にあるドリッパー1をカップ17上に載置すると、図2に示すように、突出部11はカップ17の縁の内側に位置することになり、脚部13は第2開口部8よりも外側に位置することになり、脚部13の先端部分はカップ17の縁の外側に位置することになる。折り畳み状態(図1)に戻ろうとする支持体3の復元力によって、カップ17の内側に位置する突出部11と、カップ17の外側に位置する脚部13と、でカップ17の縁が内外から強く押さえ込まれるため、大容量のドリッパー1でも安定した状態に保持される。
脚部13の屈曲した形状(例えば、屈曲位置での係止)により支持体3の移動がカップ17の縁で制限されるので、カップ17の存在無しにドリッパー1の位置が固定されることはない。つまり、カップ17の縁が第2開口部8から脚部13の屈曲位置までの範囲内にあれば、ドリッパー1の形状を開状態に保ちながら、ドリッパー1をカップ17上にセットすることができる。したがって、カップ17の多様性(様々なカップサイズやカップ形状等)に幅広く対応することが可能である。なお、カップサイズ・カップ形状に応じて、突出部11がカップ17の縁の外側に位置するようにドリッパー1をカップ17上にセットしてもよく、突出部11を省略して脚部13のみでドリッパー1をカップ17上にセットしてもよい。
前述したように、この実施の形態によれば、超音波シールによるシール範囲24と、接着剤による接着範囲22と、が重ならないように配置されているため、接着剤の不安定な厚みでフィルター2が強く押圧されることがない。結果として、フィルター2に対して超音波振動エネルギーが部分的に強く作用することがないため、フィルター2同士が強くシールされたり支持体3内面に対してフィルター2外面が強くシールされたりすることがない。したがって、小型のドリッパー1でも、フィルター2開封時の内容物18の飛散やフィルター2の破れを防止することができる。
図5の正面図に、シール範囲24と接着範囲22との位置関係の具体例を示す。図5(A)は、前述した具体例(図1)を示している。つまり、背面板5の重なり部分20に設けられた3箇所の接着範囲22が、いずれもシール範囲24から外れて位置する具体例(3点ホットメルトタイプ)である。図5の(B)~(D)は、背面板5の重なり部分20に設けられた2箇所の接着範囲22が、いずれもシール範囲24から外れて位置する具体例(2点ホットメルトタイプ)である。いずれの具体例も、超音波シールによるシール範囲24と、接着剤による接着範囲22と、が重ならないように配置されているため、超音波シールに対する接着剤の厚みの影響は生じない。
以下、本発明を実施したドリッパー等を、実施例を挙げて更に具体的に説明する。
表1に、ドリッパー1の実施例1,2及び参考例(現行品)における重なり部分20の厚み(mm)の測定結果を示す。実施例1では、糊代片6の上端から10mmの位置Aを超音波ホーン31(シール範囲24)の位置とし、糊代片6の上端から16mmの位置を接着剤(接着範囲22)の位置とし、糊代片6の上端から10mmの位置Aと糊代片6の上端から17mmの位置Bで、重なり部分20の厚み(mm)を10回(サンプル番号:1~10)測定した。実施例2では、糊代片6の上端から10mmの位置Aを超音波ホーン31(シール範囲24)の位置とし、糊代片6の上端から14mmの位置を接着剤(接着範囲22)の位置とし、糊代片6の上端から10mmの位置Aと糊代片6の上端から15mmの位置Bで、重なり部分20の厚み(mm)を10回(サンプル番号:1~10)測定した。参考例では、糊代片6の上端から10mmの位置Aを超音波ホーン31(シール範囲24)と接着剤(接着範囲22)の位置とし、糊代片6の上端から10mmの位置Aで、重なり部分20の厚み(mm)を10回(サンプル番号:1~10)測定した。
表2に、実施例1,2及び参考例(現行品)のドリッパー1を開封したときのフィルター破れの発生結果を示す。モニターは5人とし、それぞれが2個のコーヒードリッパーを開封したときに破れたフィルター2(不織布)の数で破れやすさを評価した。なお、開封時のフィルター2への力のかかり方が、スリーブ重ね部の位置(つまり、重なり部分20において糊代片6が背面板5の内側(フィルター2側)に位置するか外側に位置するか)によって異なると考えられるため、2個のドリッパー1のスリーブ重ね部位置を反転させて開封を行った。
表1に示す測定結果から、実施例1,2のいずれに関しても、測定位置Aにおいて重なり部分20の厚みが安定的に得られることが分かった。また、表2に示すテスト結果から、実施例1,2のいずれに関しても、フィルター2の破れを防止できることが分かった。
Figure 0007355177000001
Figure 0007355177000002
1 ドリッパー
2 フィルター
3 支持体
3A ブランク板
4 前面板
5 背面板
6 糊代片
7 第1開口部
8 第2開口部
9 フィルター開口部
7a,8a,9a 開口
11 突出部
13 脚部
14 切り込み
15 切欠き
16 孔
17 カップ
18 内容物
20 重なり部分
22 接着範囲
24 シール範囲
31 超音波ホーン(超音波シール装置)
32 アンビル(受け治具,超音波シール装置)
32a ザグリ
L 折り曲げ線
M 折り目
N 凹部

Claims (4)

  1. 被抽出成分を有する内容物が封入された袋状のフィルターと、そのフィルターが内部に位置する状態で折り畳み可能に形成された筒状の支持体と、を有するドリッパーの製造方法であって、
    両端が重なるように折り曲げられたブランク板で前記支持体が形成されており、その折り曲げにより形成された重なり部分には接着剤が塗布されており、その接着により前記支持体が筒状化されており、
    前記筒状の支持体が、一方の開口を構成する第1開口部と、他方の開口を構成する第2開口部と、を有し、前記支持体を折り畳み状態から筒状の開状態にすると前記フィルターが開口するように、前記第1開口部に前記フィルターの開口部が取り付けられており、
    前記フィルターの取り付けが、前記支持体内に前記フィルターを挿入し、前記第1開口部の縁で前記フィルターの開口部の一部を外側へ折り返し、その折り返し部分を前記支持体の外面に貼り着けることにより行われ、
    前記内容物が封入される前の前記フィルターが前記支持体の内部に設けられた状態にあるとき、前記フィルターを開口させて、その開口から前記フィルター内に前記内容物を入れる充填工程と、
    前記接着剤による接着の範囲外で前記支持体を介した超音波シールを行うことにより、前記支持体において、前記超音波シールによるシール範囲と、前記接着剤による接着範囲と、が重ならず、かつ、前記シール範囲内に前記重なり部分が存在するように、前記内容物の入ったフィルターの開口を剥離可能に閉じるシール工程と、
    を有することを特徴とするドリッパーの製造方法。
  2. 前記ブランク板が、前面板と、前記前面板の一端に設けられた背面板と、前記前面板の他端に設けられた糊代片と、で構成されており、
    前記背面板と前記糊代片とで前記重なり部分を形成し、
    前記重なり部分に対応するように形成された、前記ブランク板の1枚分の逃げ加工により、前記超音波シールを行うことを特徴とする請求項1記載のドリッパーの製造方法。
  3. 前記接着剤がホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1又は2記載のドリッパーの製造方法。
  4. 前記接着剤による接着範囲が、2箇所又は3箇所配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のドリッパーの製造方法。
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