JP4061079B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯を高周波で点灯する放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12にこの種の放電灯点灯装置の概略構成図を示し、図13に図12中のチョッパ制御部等の具体構成図を示す。
【0003】
この放電灯点灯装置は、放電灯を高周波で点灯するものであり、図12,図13に示すように、交流電源ACと、整流器DBと、脈流検出部1と、チョッパ2と、直流検出部3と、チョッパ制御部4PAと、インバータ5と、インバータ制御部6PAと、共振回路部7とを備えている。
【0004】
整流器DBは、例えばダイオードブリッジにより構成され、交流電源ACからの電圧を整流するものである。脈流検出部1は、整流器DBの両出力端子間に直列に接続される抵抗R11,R12により構成され、整流器ACの出力端子から脈流電圧の検出を行うものである。直流検出部3は、チョッパ2の両出力端子間に直列に接続される抵抗R31,R32により構成され、チョッパ2の出力電圧の検出をするものである。
【0005】
チョッパ2は、インダクタL2と、スイッチング素子Q2と、ダイオードD2と、平滑用コンデンサC2とにより構成され、チョッパ制御部4PAにより制御されるものである。チョッパ制御部4PAは、チョッパ2のスイッチング素子Q2をオンオフして、整流器DBから出力される脈流電圧を所望レベルの直流平滑電圧に変換して出力する制御を行うものであり、図13では、誤差アンプ40と、マルチプライヤ41と、オンオフ設定部42と、ドライブ出力部44とにより構成されている。
【0006】
インバータ5は、少なくとも一つのスイッチング素子(例えば逆並列に接続された寄生ダイオードを有するMOSFET)により構成され、インバータ制御部6PAにより制御されるものである。インバータ制御部6PAは、インバータ5のスイッチング素子を高周波でオンオフして、チョッパ2から出力される直流平滑電圧を高周波電圧に変換する制御を行うものである。
【0007】
共振回路部7は、インダクタ、コンデンサおよび放電灯により構成され、インバータ5からの高周波電圧を入力して共振作用により放電灯の予熱、始動および点灯を行うものである。
【0008】
上記構成の放電灯点灯装置において、チョッパ2のスイッチング素子Q2をオンオフすれば、スイッチング素子Q2のオン期間にインダクタL2にエネルギーが蓄積し、オフ期間にそのエネルギーが平滑用コンデンサC2に移る。したがって、スイッチング素子Q2のオンオフ時間を制御することによって、チョッパ2の出力電圧を所望のレベルに設定することができる。また、交流電源ACからの入力電流波形歪を大幅に低減することができるため、高力率の放電灯点灯装置を提供することができる。
【0009】
チョッパ2のスイッチング素子Q2の制御を目的とした力率改善コントロールICは、様々なメーカーから既に商品化されている。その一構成例を図13に示してある。
【0010】
図13において、チョッパ制御部4PAは、脈流検出部1の検出結果(脈流検出信号)、直流検出部3の検出結果(直流検出信号)、抵抗10からのスイッチング素子Q2に流れる電流の検出信号(スイッチング電流検出信号)、インダクタL2の2次巻線n2の電圧(巻線信号)を入力して、スイッチング素子Q2のオンオフ時間を制御する。
【0011】
直流検出信号および基準信号Vref は誤差アンプ40に入力され、誤差アンプ40の出力および脈流検出信号はマルチプライヤ41に入力される。そして、マルチプライヤ41の出力がオンオフ設定部42内の比較器のスレッシュホールドとなってスイッチング電流検出信号と比較されることにより、交流電源ACの正弦波波形に追従して、スイッチング素子Q2のオン時間が制御される。また、巻線信号をオンオフ設定部42内のゼロ電流検出器に入力することにより、インダクタL2に流れる電流がゼロとなるタイミングで、スイッチング素子Q2がオンにされる。
【0012】
図14に上記インバータおよびインバータ制御部の構成例を示す。図14において、インバータ5は、直流電源(本例ではチョッパ2)の出力端子間に直列に接続されるスイッチング素子Q51,Q52により構成され、この一方のスイッチング素子に共振回路部7が並列に接続される。
【0013】
他方、インバータ制御部6PAは、スイッチング素子Q51,Q52を交互にオンオフ制御するものであり、各種設定時間を計時するタイマ61と、インバータ5の動作周波数を規定する発振回路62と、スイッチング素子Q51,Q52をオンオフするインバータ駆動部64とにより構成されている。これら各部はICで構成され、周波数を設定するためのコンデンサC6および抵抗R6がICの外付け部品として設けられている。
【0014】
インバータ駆動部64は、デッドタイム設定部641と、レベルシフト642と、RSフリップフロップ643,644と、ドライブ出力部645,646とにより構成され、スイッチング素子Q51,Q52をオンオフする駆動信号のデッドタイムを設定し、レベルシフト642、RSフリップフロップ643およびドライブ出力部645を介して、スイッチング素子Q51に信号を出力し、RSフリップフロップ644およびドライブ出力部646を介して、スイッチング素子Q52に信号を出力する。
【0015】
ところで、放電灯、特に熱陰極型の蛍光灯においては、電源投入後、すなわち直流電源の出力が立ち上がった直後、あらかじめ定めた時間の間にフィラメントの予熱を行う先行予熱期間、蛍光灯を始動させる高電圧を印加する始動期間を設け、所定の時間経過の後に、定格点灯または調光点灯するタイマ制御を行う場合が多い。
【0016】
図14の例では、発振回路62の発振周波数が可変であり、その周波数は、タイマ61の出力に応じて変更される。例えば、先行予熱期間では、インバータ5の動作周波数を高く設定して蛍光灯への印加電圧を低電圧とし、始動期間では、共振回路部7を構成するインダクタおよびコンデンサで決まる無負荷時(=放電灯のインピーダンスを考慮しない場合)の固有振動周波数に近い周波数に設定することによって、蛍光灯に高電圧を印加して始動点灯する。また、始動期間終了後では、蛍光灯の定格光出力が得られる周波数に設定される。
【0017】
このインバータ駆動回路64およびインバータ制御部6に相当する制御用ICも多数商品化されており、力率改善コントロールICと組み合わせて使用される場合が多い。
【0018】
従来、例えば特開平10−326682号公報(同公報の図3参照)に開示されているように、直流電源の高電位側のスイッチング素子を駆動するのに多数の部品を必要としたが、上述のICを使用することによって、部品点数を削減することができるとともに、プリント基板の部品配置およびパターン配線が容易になるため、装置の小型化および低コスト化の実現が可能となる。
【0019】
なお、特開2000−32742公報には、商用電源投入時には限流素子が突入電流経路に接続されて突入電流が抑制され、それから限流素子が突入電流経路に接続されていない状態へスイッチ要素を切り換えた後にチョッパ制御部がスイッチ素子のオンオフを開始することにより、チョークコイルの飽和によるチョッパ制御部の動作電圧の低下を防ぎ、商用電源投入時における回路動作を安定させることができる電源装置が開示されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放電灯、特に熱陰極型の蛍光灯に安定電力を供給して点灯する従来の放電灯点灯装置には次のような課題がある。
【0021】
放電灯点灯装置が接続される交流電源は、他の様々な電気機器にも接続されており、交流電源の投入時等に生じる、交流電源の負荷の変動および電力設備の容量などの要因で、瞬間的な電圧低下や停電が発生する場合があり得る。
【0022】
このような場合、放電灯への安定電力の供給ができないため、放電灯が立ち消えとなり、さらにインバータ5のスイッチング素子Q51,Q52に対して、進相電流による過大なストレスが加わる恐れがある。
【0023】
このため、交流電源の電圧低下を検出してインバータの動作を停止したり、インバータの動作状態を先行予熱状態に戻して、電源復帰後に速やかに再点灯または定格点灯の状態に戻す制御が一般的に行われている。
【0024】
交流電源の電圧の検出手段としては、複数の抵抗によって交流電源の電圧を分圧することがしばしば行われるが、その分圧によって検出した信号には脈流が含まれるため、コンデンサで平滑して直流化する場合が多い。このため、交流電源の電圧低下を検出することはできるが、抵抗およびコンデンサの時定数によってある程度の時間の検出遅れを持つことになる。
【0025】
一方、近年、交流電源として入力される電圧が広範囲にわたっても、すべての電圧に対して適合できる放電灯点灯装置の要望が高く、またこのような放電灯点灯装置が商品化されている。日本国内では、主に100V,200Vの交流電源が使用されており、特殊な電圧として240Vが使用される場合もある。
【0026】
上述のように、交流電源の電圧の検出手段として、複数の抵抗によって交流電源の電圧を分圧して検出した信号をコンデンサで平滑した場合、交流電源の電圧が高いほど、瞬時に交流電源が低下したときの検出遅れ時間が長くなる。
【0027】
図15に特願2000−311186の出願で提案されている発明による一構成図を示す。同図において、交流電源ACの交流電圧は整流器DBで整流され、その脈流電圧が直流平滑回路Eに入力される。ここで、直流平滑回路Eは前述のチョッパ2の構成でよく、平滑用コンデンサC2の電圧VC2が略一定となる。
【0028】
直流平滑回路Eは、スイッチング素子Q51,Q52で構成されるインバータ5に接続されており、スイッチング素子Q51,Q52は、インバータ制御部6PBから出力される信号によって交互にオンオフし、直流平滑回路Eから出力される直流電圧を高周波電圧に変換する。
【0029】
この高周波電圧は、直流カット用のコンデンサC71を介して、共振用インダクタL7、共振用コンデンサC72および放電灯Laで構成される共振回路部7に入力され、その共振作用によって放電灯Laが始動点灯する。
【0030】
また、図15では、抵抗R81〜R84、平滑用コンデンサC8およびツェナーダイオードZD8により構成される電圧検出回路8が整流器DBの出力に設けられ、電圧検出回路8によって交流電源ACの電圧レベルを検出する構成になっている。
【0031】
電圧検出回路8で検出された平滑電圧は、検出信号Vkとして、インバータ制御部6PAのReset端子に入力される。インバータ制御部6PBは、検出信号Vkと所定のしきい値(Vth)との比較を行い、交流電源ACの電圧が低下した場合にVk<Vthとなることに着目して回路の保護を行う。
【0032】
同図からもわかるように、正常時における誤作動を回避するには、検出信号Vkのリップルを小さくする必要がある。このため、抵抗R84の抵抗値を大きくするか、または平滑用コンデンサC8の容量を大きくするかのいずれかの対策が必要となる。
【0033】
しかし、これらいずれの対策を講じても、抵抗R84および平滑用コンデンサC8による時定数が大きくなるので、交流電源ACの電圧低下時の検出遅れが生じやすい。この検出遅れは、回路の各部設計に大きく左右されるが、およそ20msecから50msecとなる。
【0034】
また、交流電源ACの電圧が低下した場合の回路保護の動作については、電圧検出回路8の検出信号Vkにより、インバータ制御部6PBがインバータ5のみの動作を制御してインバータ5の動作周波数を高くすることにより、直流平滑回路Eの平滑用コンデンサC2の電圧が徐々に低下する。しかし、この場合、インバータ5の動作を継続した状態で交流電源ACが復帰したとき、過大な突入電流が流入する恐れがある。
【0035】
この突入電流を防止する回路は、特開平9−121546号公報および特開2000−32742公報などに開示されている。
【0036】
図16に特開平9−121546号公報で開示されている突入電流防止回路の一例を示す。同図において、突入電流防止回路のスイッチング素子SW1は、チョッパCHPのインダクタを1次側としてその2次側に設けられる2次巻線n2からの電源でオンになるが、2次巻線n2の脈流電圧でもスイッチング素子SW1のオン状態を確実に維持するためには、コンデンサC9の容量を比較的大容量に設定する必要がある。このために構成が若干複雑になっている。
【0037】
しかし、この突入電流防止回路では、交流電源ACが瞬時低下して即復帰した場合、コンデンサC9が比較的大容量であるため、スイッチング素子SW1がオフしにくく、過大な突入電流が流れることになる。
【0038】
図17に特開2000−32742公報で開示されている突入電流防止回路の一例を示す。同図では、チョッパ2の平滑用コンデンサC2と投入電流減流用のインピーダンス(R9)との直列回路がインバータ5に並列に接続されているため、突入電流防止回路のスイッチング素子S9がオフで、かつインバータ5が発振している場合は、インバータ5のスイッチング素子を流れる回生電流が、平滑用コンデンサC2と投入電流減流用のインピーダンスとの直列回路に流入し、インバータ5に印加する電圧自体が過大なストレス電圧となりやすい。
【0039】
なお、これらはいずれも整流器DBの正極性出力端子、インダクタ、ダイオード、平滑用コンデンサおよび整流器DBの負極性出力端子のループ上におけるいずかの箇所に投入電流防止用のインピーダンスを設け、このインピーダンスに並列にスイッチング素子を接続する構成となっている。
【0040】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、瞬間的な交流電源の電圧低下または停電による立消えや回路部品に加わるストレスを好適に防止することができる放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、交流電源と、この交流電源からの電圧を整流する整流器と、少なくとも一つのインダクタ、平滑用コンデンサおよびスイッチング素子により構成され、前記整流器から出力される脈流電圧を所望レベルの直流平滑電圧に変換して出力するチョッパと、このチョッパのスイッチング素子をオンオフ制御するチョッパ制御部と、少なくとも一つのスイッチング素子により構成され、前記チョッパから出力される直流平滑電圧を高周波電圧に変換するインバータと、このインバータのスイッチング素子に駆動信号を出力するインバータ制御部と、少なくとも一つのインダクタ、コンデンサおよび放電灯により構成され、前記高周波電圧を入力して共振作用により前記放電灯を点灯する共振回路部とを備えた放電灯点灯装置であって、前記整流器の出力端子から脈流電圧の検出を行う脈流検出手段と、前記チョッパ制御部に設けられ、前記脈流検出手段の検出結果を監視しながら前記チョッパのスイッチング素子のオンオフ時間の制御を行う駆動制御手段と、所定電圧レベルに対する前記脈流検出手段の検出結果の高低を判別する電圧レベル判別手段、およびこの電圧レベル判別手段によって判別された高低から、前記交流電源の電圧レベルの低下時間を判別する時間判別手段により構成され、前記交流電源の電圧レベルの低下を判定する低電源電圧判定手段とを備え、前記インバータ制御部は、前記交流電源の投入後から所定の時間、前記インバータ制御部および前記チョッパ制御部の動作を停止するための停止期間と、前記放電灯のフィラメントの先行予熱を行う時間と、前記放電灯を始動する始動電圧の印加時間とを設定するタイマ手段と、このタイマ手段によって設定された時間に応じて、前記インバータの動作周波数を変更する動作切替手段とを備え、前記交流電源の投入後、前記インバータ制御部の動作開始時点と同時に前記チョッパ制御部の動作を開始し、前記時間判別手段の出力に基づいて、前記インバータ制御部および前記チョッパ制御部の動作を同時に停止するように制御し、前記タイマ手段は、クロック信号を生成する発振器と、そのクロック信号を入力するカウンタとを備え、前記時間判別手段は、前記クロック信号を入力するカウンタを備え、前記交流電源の電圧レベルの低下時間を判別する判別時間は、前記クロック信号の周期の2倍から3倍であることを特徴とする。
【0042】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の放電灯点灯装置において、前記交流電源の投入時に生じる突入電流を減じる減流インピーダンスと、この減流インピーダンスに並列に接続されるスイッチング素子とにより構成される突入電流防止手段を備え、この突入電流防止手段のスイッチング素子は、前記タイマ手段で設定された停止期間の間オンになり、前記インバータ制御部および前記チョッパ制御部の動作中にはオフになることを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
(第1参考例)
図1は本発明に係る第1参考例の放電灯点灯装置の概略構成図、図2は図1中のチョッパ制御部等の具体構成図、図3は同チョッパ制御部の動作波形図であり、これらの図を参照しながら第1参考例について説明する。
【0044】
第1参考例の放電灯点灯装置は、例えばフィラメントを有する蛍光灯などの放電灯を高周波で点灯するものであり、図1に示すように、交流電源ACと、整流器DBと、脈流検出部1と、チョッパ2と、直流検出部3と、チョッパ制御部4と、インバータ5と、インバータ制御部6と、共振回路部7とを備えている。
【0045】
整流器DBは、例えばダイオードブリッジにより構成され、交流電源ACからの電圧を整流するものである。
【0046】
脈流検出部1は、整流器DBの両出力端子間に直列に接続される抵抗R11,R12により構成され、整流器ACの出力端子から脈流電圧の検出を行うものである。
【0047】
チョッパ2は、少なくとも一つのインダクタ、平滑用コンデンサおよびスイッチング素子により構成され、チョッパ制御部4により制御されるものである。第1参考例では、チョッパ2は、図2に示すように、インダクタL2と、このインダクタL2を介して整流器DBの両出力端子間に両端(同図ではドレイン・ソース)が接続されるFETによりなるスイッチング素子Q2と、ダイオードD2と、このダイオードD2を介してスイッチング素子Q2の両端間に接続される平滑用コンデンサC2とにより構成されている。
【0048】
直流検出部3は、図1に示すように、チョッパ2の両出力端子間に直列に接続される抵抗R31,R32により構成され、チョッパ2の出力電圧の検出をするものである。
【0049】
チョッパ制御部4は、チョッパ2のスイッチング素子Q2をオンオフして、整流器DBから出力される脈流電圧を所望レベルの直流平滑電圧に変換して出力する制御を行うものである。なお、チョッパ制御部4の詳細については後述する。
【0050】
インバータ5は、少なくとも一つのスイッチング素子(例えば逆並列に接続された寄生ダイオードを有するMOSFET)により構成され、インバータ制御部6により制御されるものである。
【0051】
このインバータ制御部6は、計時結果に応じて予熱信号または始動信号などの出力をするタイマ61と、このタイマ61の出力を受けて、高周波の出力信号の発振周波数を変更する発振回路62と、この発振回路62の出力信号を一の入力端子に入力する2入力のアンド回路63と、このアンド回路63の出力を受けてインバータ5のスイッチング素子をオンオフするインバータ駆動部64とにより構成され、インバータ5のスイッチング素子を高周波でオンオフして、チョッパ2から出力される直流平滑電圧を高周波電圧に変換する制御を行うものである。なお、タイマ61は、交流電源ACの投入後、各計時結果に応じて、放電灯の予熱、始動、点灯制御を行うための信号を出力する。
【0052】
共振回路部7は、少なくとも一つのインダクタ、コンデンサおよび放電灯により構成され、インバータ5からの高周波電圧を入力して共振作用により放電灯の予熱、始動および点灯を行うものである。
【0053】
ここで、チョッパ制御部4について詳述する。ただし、図2の例では、整流器DBの両出力端子間にコンデンサC10が接続されている。また、インダクタL2を1次巻線として、その2次側に2次巻線n2が設けられている。さらに、スイッチング素子Q2のソース端子と整流器DBの負極性出力端子との間に電流検出用の抵抗R10が接続されている。
【0054】
チョッパ制御部4は、図1,図2に示すように、基準電圧Vref および直流検出部3の検出結果(チョッパ2の出力の分圧電圧)をそれぞれ非反転入力端子および反転入力端子に入力する演算増幅器によりなる誤差アンプ40と、この誤差アンプ40の出力および脈流検出部1の検出結果を入力するマルチプライヤ41と、このマルチプライヤ41の出力、抵抗R10の検出結果および2次巻線n2の電圧を利用して、スイッチング素子Q2のオンオフ時間を設定してそれをオンオフ制御するための信号を出力するオンオフ設定部42と、このオンオフ設定部42から出力される信号を一の入力端子に入力する2入力のアンド回路43と、このアンド回路43の出力に従ってスイッチング素子Q2をオンオフするドライブ出力部44とを従来のチョッパ制御部とほぼ同様に備えているほか、第1実施形態の特徴として、レベル判別部45と、時間判別部46とを備えている。
【0055】
ただし、アンド回路43,63は、それらレベル判別部45および時間判別部46のために設けてある。また、上記各部はIC内に設けられ、図2の例におけるコンデンサC4,C46および抵抗R46は、外付け部品として設けられる。
【0056】
レベル判別部45は、所定電圧レベルに対する脈流検出部1の検出結果の高低を判別するものであり、図2の例では、正常時の脈流検出部1の検出結果の最大レベルよりも低い所定レベルのしきい電圧Vthおよび脈流検出部1の検出結果をそれぞれ非反転入力端子および反転入力端子に入力する比較器により構成されている。
【0057】
時間判別部46は、レベル判別部45によって判別された高低から、交流電源ACの電圧レベルの低下時間を判別するものであり、図2の例では、比較器45の非反転入力端子と非反転入力端子が接続されるとともにアンド回路43,63の他の入力端子と出力端子が接続される比較器461と、この比較器461の反転入力端子と比較器45の出力端子との間に介設されるミラー回路462と、比較器461の反転入力端子とグランド端子との間に接続されるコンデンサC46と、このコンデンサC46の両端間に直列に介設されるミラー回路463および抵抗R46とにより構成されている。コンデンサC46の充電電流は、比較器45の出力レベルに応じて決まり、コンデンサC46の放電電流は、ミラー回路463により設定される。
【0058】
このように構成されるチョッパ制御部4については、スイッチング素子Q2に対するオンオフ制御が従来と同様であるのでその説明を省略し、以下では、第1参考例の特徴となる、レベル判別部45、時間判別部46およびアンド回路43,63による動作を説明する。
【0059】
交流電源ACが投入されると、比較器45の出力は、図3の“45の出力”に示すように、脈流検出部1の検出結果がしきい電圧Vthよりも低レベルとなる期間でハイレベルとなる一方、それ以外の期間ではローレベルとなる。ここで、交流電源ACが正常である場合に、脈流検出部1の検出結果がしきい電圧Vthよりも低レベルとなる期間をTM1とすると、何らかの原因で交流電源ACのレベルが低下した場合、脈流検出部1の検出結果がしきい電圧Vthよりも低レベルとなる期間がTM1よりも長い期間となる。
【0060】
そして、図2の構成において、比較器45の出力がハイレベルとなると、ミラー回路462を通じてコンデンサC46が充電されてその両端電圧が上昇する一方、比較器45の出力がローレベルになると、コンデンサC46がミラー回路463および抵抗R46を通じて放電し、その両端電圧が降下する。このように、コンデンサC46の両端電圧の波形は、比較器45のハイレベルの期間とローレベルの期間との比によって影響を受ける。従って、期間TM1では、コンデンサC46の両端電圧が比較器461に入力する電圧Vthのレベルを超えないように回路を設定するとともに、期間TM1よりも若干長い期間TM2では、コンデンサC46の両端電圧が比較器461に入力する電圧Vthのレベルを超えるように回路を設定すれば、何らかの原因で交流電源ACのレベルが低下して脈流検出部1の検出結果がしきい電圧Vthよりも低レベルとなる期間が期間TM2を超えると、比較器461の出力レベルがローレベルになる。
【0061】
比較器461の出力がアンド回路43,63の他の入力端子に入力するので、これらの他の入力端子に入力する出力レベルがハイレベルであるとき、アンド回路43,63の一の入力端子がそれぞれアンド回路43,63の出力端子と導通状態になるのに対し、他の入力端子に入力する出力レベルがローレベルであるとき、一の入力端子がその出力端子と非導通状態になるので、交流電源ACのレベルが低下して期間TM2を超えると、チョッパ2およびインバータ5の動作が停止することになる。
【0062】
以上、第1参考例によれば、何らかの原因で交流電源ACのレベルが低下した場合、時定数の影響を受けることなく、チョッパ2およびインバータ5の動作をほとんど瞬時に停止することができるので、瞬間的な交流電源ACの電圧低下または停電による立消えや回路部品に加わるストレスを好適に防止することができる。日本国内では、交流電源の商用周波数が50Hzまたは60Hzであるため、本参考例では、交流電源の低下後、10msec以内にチョッパ2およびインバータ5の動作を停止することができる。
【0063】
また、突入電流対策回路を簡略化し、交流電源ACの瞬時低下後に電源が即復帰した場合でも、過大なストレスが回路に加わるのを防止することのできる。
【0064】
(第2参考例)
図4は本発明に係る第2参考例の放電灯点灯装置の一部構成図、図5は図4中のチョッパ制御部の動作波形図であり、これらの図を参照しながら第2参考例について説明する。
【0065】
第2参考例の放電灯点灯装置は、図4に示すように、第1参考例の時間判別部46に代えてそれとは回路構成が異なる時間判別部46Aを含むチョッパ制御部4Aを備えている以外は、第1参考例の放電灯点灯装置と同様に構成される。
【0066】
時間判別部46Aは、クロック発振回路461Aと、レベル判別部45の出力端子とD端子が接続されるとともにクロック発振回路461Aの出力とCK端子が接続されるD型フリップフロップ462Aと、このD型フリップフロップ462AのQ端子とCLR端子が接続されるとともにクロック発振回路461Aの出力とCK端子が接続されるカウンタ/レジスタ463Aと、このカウンタ/レジスタ463AのQ端子と入力端子が接続されるとともにアンド回路43,63の他の入力端子と出力端子が接続されるINV素子464Aとにより構成されている。カウンタ/レジスタ463Aは、カウント動作を開始してから2クロックパルス目で出力がハイレベルとなる。
【0067】
このような構成の放電灯点灯装置では、比較器45の出力は、図5の“45の出力”に示すように、脈流検出部1の検出結果がしきい電圧Vthよりも低レベルとなる期間でハイレベルとなる一方、それ以外の期間ではローレベルとなる。
【0068】
比較器45の出力がD型フリップフロップ462AのD端子に入力すると、そのCK端子に入力するクロック信号の立ち上がり時点で、比較器45の出力がハイレベルであれば、D型フリップフロップ462Aの出力がハイレベルになる一方、比較器45の出力がローレベルであれば、D型フリップフロップ462Aの出力がローレベルになる。
【0069】
D型フリップフロップ462AのQ端子出力がカウンタ/レジスタ463AのCLR端子に入力すると、D型フリップフロップ462AのQ端子出力がローレベルであれば、クロック信号に非同期で、カウンタ/レジスタ463AのQ端子出力がローレベルになる。
【0070】
ここで、図5の例に示すように、何らかの原因で交流電源ACのレベルが低下して、脈流検出部1の検出結果がしきい電圧Vthよりも低レベルとなる期間が、クロック発振回路461Aの出力パルス間の期間よりも長くなると、D型フリップフロップ462AのQ端子出力がハイレベルになる期間が長くなり、そのQ端子出力がハイレベルになってから2クロックパルス目で、カウンタ/レジスタ463AのQ端子出力がハイレベルとなる。つまり、カウンタ/レジスタ463Aがクロック信号に同期してカウントを始めるのである。他方、これ以外ではカウンタ/レジスタ463AのQ端子出力はローレベルである。
【0071】
そして、カウンタ/レジスタ463AのQ端子出力のレベルは、INV素子464Aで反転してアンド回路43,63の他の入力端子に入力することになる。これにより、図5の例に示すように、何らかの原因で交流電源ACのレベルが低下すると、アンド回路43,63の他の入力端子に入力するレベルがローレベルになるから、チョッパ2およびインバータ5の動作が停止することができる。
【0072】
以上、第2参考例によれば、何らかの原因で交流電源ACのレベルが低下した場合、時定数の影響を受けることなく、チョッパ2およびインバータ5の動作をほとんど瞬時に停止することができるので、瞬間的な交流電源ACの電圧低下または停電による立消えや回路部品に加わるストレスを好適に防止することができる。より具体的には、クロック信号の周期の2倍から3倍の時間で、チョッパ2およびインバータ5の動作を停止することができる。
【0073】
また、簡単な論理素子を含む構成であるため、チョッパ制御部およびインバータ駆動部を一の集積回路とすることも容易である。
【0074】
(第3参考例)
図6は本発明に係る第3参考例の放電灯点灯装置の一部構成図、図7は図6中のチョッパ制御部の動作波形図であり、これらの図を参照しながら第3参考例について説明する。
【0075】
第3参考例の放電灯点灯装置は、図6に示すように、第1参考例の時間判別部46に代えてそれとは回路構成が異なる時間判別部46Bを含むチョッパ制御部4Bを備えている以外は、第1参考例の放電灯点灯装置と同様に構成される。ただし、基準電圧Vthは、比較器45の反転入力端子に入力されている。
【0076】
時間判別部46Bは、クロック発振回路461Aと、レベル判別部45の出力端子と入力端子が接続されるINV素子462Bと、レベル判別部45の出力端子と一の入力端子が接続されるNOR素子463Bと、INV素子462Bの出力端子とCLR端子が接続されるとともにクロック発振回路461Aの出力とCK端子が接続されるカウンタ464Bと、レベル判別部45の出力端子とS端子が接続されるとともにNOR素子463Bの出力端子とR端子が接続されるRSフリップフロップ465Bと、このRSフリップフロップ465BのQ端子と入力端子が接続されるINV素子466Bと、このINV素子466Bの出力端子およびカウンタ464BのQ端子とそれぞれ2つの入力端子が接続されるOR素子467Bと、このOR素子467Bの出力端子と入力端子が接続されるとともにNOR素子463Bの他の入力端子と出力端子が接続されるINV素子468Bと、OR素子467Bの出力端子と入力端子が接続されるとともにアンド回路43,63の他の入力端子と出力端子が接続されるINV素子469Bとにより構成されている。カウンタ464Bは、カウント動作を開始してから2クロックパルス目で出力がハイレベルとなる。
【0077】
このような構成の放電灯点灯装置では、比較器45の出力は、図7の“45の出力”に示すように、脈流検出部1の検出結果がしきい電圧Vthよりも低レベルとなる期間でローレベルとなる一方、それ以外の期間ではハイレベルとなる。
【0078】
ここで、交流電源ACが正常である場合、比較器45の出力にハイレベルの信号が現れる。このとき、カウンタ464BのCLR端子の入力がローレベルになるから、カウンタ464BのQ端子出力は、クロック信号に非同期で、ローレベルとなる。他方、NOR素子463Bの出力がローレベルであり、これがRSフリップフロップ465BのR端子に入力するので、RSフリップフロップ465BのQ端子出力がハイレベルとなる。これらのカウンタ464BのQ端子出力およびRSフリップフロップ465BのQ端子出力により、OR素子467Bの出力がローレベルとなり、INV素子469Bの出力がハイレベルとなる。
【0079】
交流電源ACのゼロクロス付近では、比較器45の出力がローレベルとなるため、カウンタ464BのCLR端子の入力がハイレベルとなり、カウンタ464Bがクロック信号に同期してカウントを開始する。他方、RSフリップフロップ465BのQ端子出力は、S端子入力がハイレベルからローレベルに変化するので、ハイレベルのままとなる。
【0080】
このとき、交流電源ACが正常である場合、比較器45の出力がハイレベルになり、カウンタ464BのQ端子出力がローレベルとなる。他方、RSフリップフロップ465BのQ端子出力は、OR素子467Bの出力がローレベルの状態で、S端子入力がハイレベルになるから、ハイレベルのままとなる。これらのカウンタ464BのQ端子出力およびRSフリップフロップ465BのQ端子出力により、OR素子467Bの出力がローレベルとなり、INV素子469Bの出力がハイレベルとなる。
【0081】
これに対して、図5の例に示すように、何らかの原因で交流電源ACのレベルが低下すると、比較器45の出力がローレベルのまま、カウンタ464Bのカウント動作が継続し、2クロック目でカウンタ464BのQ端子出力がハイレベルになる。そして、RSフリップフロップ465BのR端子入力がハイレベルになるので、RSフリップフロップ465BのQ端子出力がローレベルになる。これらのカウンタ464BのQ端子出力およびRSフリップフロップ465BのQ端子出力により、OR素子467Bの出力がハイレベルとなり、INV素子469Bの出力がローレベルとなる。これにより、図7の例に示すように、何らかの原因で交流電源ACのレベルが低下すると、アンド回路43,63の他の入力端子に入力するレベルがローレベルになるから、チョッパ2およびインバータ5の動作が停止することができる。
【0082】
以上、第3参考例によれば、何らかの原因で交流電源ACのレベルが低下した場合、時定数の影響を受けることなく、チョッパ2およびインバータ5の動作をほとんど瞬時に停止することができるので、瞬間的な交流電源ACの電圧低下または停電による立消えや回路部品に加わるストレスを好適に防止することができる。より具体的には、クロック信号の周期の2倍程度の時間で、チョッパ2およびインバータ5の動作を停止することができる。
【0083】
(第4参考例)
図8は本発明に係る第4参考例の放電灯点灯装置の一部構成図、図9は図8中のチョッパ制御部の動作波形図であり、これらの図を参照しながら第4参考例について説明する。
【0084】
第4参考例の放電灯点灯装置は、図8に示すように、第1参考例の時間判別部46に代えてそれとは回路構成が異なる時間判別部46Cを含むチョッパ制御部4Cを備えている以外は、第1参考例の放電灯点灯装置と同様に構成される。ただし、基準電圧Vthは、比較器45の反転入力端子に入力されている。
【0085】
時間判別部46Cは、レベル判別部45の出力端子と入力端子が接続されるINV素子461Cと、このINV素子461Cの出力端子とCLR端子が接続されるとともに図1に示した発振回路62の出力とCK端子が接続されるカウンタ/レジスタ462Cと、このカウンタ/レジスタ462CのQ端子と入力端子が接続されるとともにアンド回路43,63の他の入力端子と出力端子が接続されるINV素子463Cとにより構成されている。カウンタ/レジスタ462Cは、カウント動作を開始してから所定数のクロックパルス目で出力がハイレベルとなる。
【0086】
このような構成の放電灯点灯装置では、比較器45の出力は、図9の“45の出力”に示すように、脈流検出部1の検出結果がしきい電圧Vthよりも低レベルとなる期間でローレベルとなる一方、それ以外の期間ではハイレベルとなる。
【0087】
ここで、比較器45の出力がローレベルになる場合に限り、カウンタ462CのCLR端子にハイレベルの信号が入力して、カウンタ462Cがカウント動作を行うことになるので、図9の例に示すように、カウンタ462Cがカウント動作を開始した後、所定数のクロックパルス目で比較器45の出力がハイレベルに切り替わらなければ、カウンタ462CのQ端子出力がハイレベルになる。そして、INV素子463Cの出力がローレベルになって、チョッパ2およびインバータ5の動作が停止することになる。
【0088】
以上、第4参考例によれば、何らかの原因で交流電源ACのレベルが低下した場合、時定数の影響を受けることなく、チョッパ2およびインバータ5の動作をほとんど瞬時に停止することができるので、瞬間的な交流電源ACの電圧低下または停電による立消えや回路部品に加わるストレスを好適に防止することができる。
【0089】
(第1実施形態)
図10は本発明に係る第1実施形態の放電灯点灯装置の構成図、図11は同放電灯点灯装置の動作波形図であり、これらの図を参照しながら第1実施形態について説明する。
【0090】
第1実施形態の放電灯点灯装置は、図10に示すように、第2,第3参考例と同様にクロック発振回路47をさらに含むチョッパ制御部4Dを備えている以外は、第1参考例の放電灯点灯装置とほぼ同様に構成される。
【0091】
第1参考例の放電灯点灯装置との相違点について説明すると、クロック発振回路47の出力は、時間判別部46に接続されているほか、インバータ制御部6内のタイマ61のCK端子に接続されている。また、時間判別部46の出力は、タイマ61のCLR端子に接続されている。さらに、2入力のアンド回路43に代えて3入力のアンド回路43Aが設けられ、その第3番目の入力端子には、カウンタ/レジスタ構成のタイマ61から停止信号が入力するようになっている。
【0092】
ここで、交流電源ACが正常である場合、タイマ61のCLR端子にハイレベルの信号が入力することになるので、タイマ61がカウント動作を開始することになる。これに対して、何らかの原因でタイマ61のCLR端子に入力する信号レベルがローレベルになると、そのカウント動作がリセットされることになる。
【0093】
タイマ61がカウント動作を行う場合、タイマ61の出力が図11に示す“61のQA”,“61のQB”,“61のQC”の出力となる。
【0094】
QA=“L”,QB=“L”,QC=“L”の場合、発振回路62が停止することによってインバータ5の動作が停止するほか、アンド回路43Aにローレベルの信号が入力することによりチョッパ2の動作も停止する。
【0095】
QA=“H”、QB=“L”、QC=“L”の場合、発振回路62が動作することによってインバータ5が動作し、アンド回路43Aにハイレベルの信号が入力することによりチョッパ2も動作する。このとき、インバータ5の動作周波数は先行予熱時の周波数に設定される。また、QA=“H”、QB=“H”、QC=“L”の場合、インバータ5の動作周波数が始動時の周波数に設定され、QA=“H”、QB=“H”、QC=“H”の場合、インバータ5の動作周波数が点灯時の周波数に設定される。
【0096】
第1実施形態では、交流電源ACの投入後のインバータ5の動作開始と、チョッパ2の動作開始が同じタイミングとなり、また何らかの原因で交流電源ACの電圧が低下してチョッパ2が動作を停止するとき、インバータ5も同じタイミングで動作を停止する。
【0097】
交流電源ACの電圧が低下したとき、タイマ61のカウントをリセットするため、交流電源ACの復帰後も確実に予熱からの動作開始となる。このように、チョッパ2およびインバータ5の動作開始、停止のタイミングを確実に同じタイミングとしているので、従来例で説明したようなストレスが回路に加わらない。
【0098】
チョッパ2およびインバータ5が動作を開始する前に停止期間を設けることにより、突入電流対策回路に特開2000−32742公報に記載された発明の構成を使用した場合においても、停止期間において平滑用コンデンサを確実に充電できる。また、交流電源ACが瞬時停電して復帰した場合、突入電流対策回路に過大なストレスをかけることなく確実に動作し、過大な突入電流を防止することができる。
【0099】
なお、上記各実施形態及び参考例では、レベル判別部および時間判別部がチョッパ制御部内に設けられる構成になっているが、本発明の電圧レベル判別手段および時間判別手段は、これに限らず、チョッパ制御部外に設けられる構成でもよい。あるいは、チョッパ制御部およびインバータ制御部を一の集積回路で構成し、この集積回路内にレベル判別部および時間判別部を設けるようにしてもよい。この場合、部品点数を大幅に削減することができる。また、プリント基板の配線設計が容易になることから、放電灯点灯装置の小型化や低コスト化が可能になる。
【0100】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明は、交流電源と、この交流電源からの電圧を整流する整流器と、少なくとも一つのインダクタ、平滑用コンデンサおよびスイッチング素子により構成され、前記整流器から出力される脈流電圧を所望レベルの直流平滑電圧に変換して出力するチョッパと、このチョッパのスイッチング素子をオンオフ制御するチョッパ制御部と、少なくとも一つのスイッチング素子により構成され、前記チョッパから出力される直流平滑電圧を高周波電圧に変換するインバータと、このインバータのスイッチング素子に駆動信号を出力するインバータ制御部と、少なくとも一つのインダクタ、コンデンサおよび放電灯により構成され、前記高周波電圧を入力して共振作用により前記放電灯を点灯する共振回路部とを備えた放電灯点灯装置であって、前記整流器の出力端子から脈流電圧の検出を行う脈流検出手段と、前記チョッパ制御部に設けられ、前記脈流検出手段の検出結果を監視しながら前記チョッパのスイッチング素子のオンオフ時間の制御を行う駆動制御手段と、所定電圧レベルに対する前記脈流検出手段の検出結果の高低を判別する電圧レベル判別手段、およびこの電圧レベル判別手段によって判別された高低から、前記交流電源の電圧レベルの低下時間を判別する時間判別手段により構成され、前記交流電源の電圧レベルの低下を判定する低電源電圧判定手段とを備え、前記インバータ制御部は、前記交流電源の投入後から所定の時間、前記インバータ制御部および前記チョッパ制御部の動作を停止するための停止期間と、前記放電灯のフィラメントの先行予熱を行う時間と、前記放電灯を始動する始動電圧の印加時間とを設定するタイマ手段と、このタイマ手段によって設定された時間に応じて、前記インバータの動作周波数を変更する動作切替手段とを備え、前記交流電源の投入後、前記インバータ制御部の動作開始時点と同時に前記チョッパ制御部の動作を開始し、前記時間判別手段の出力に基づいて、前記インバータ制御部および前記チョッパ制御部の動作を同時に停止するように制御し、前記タ イマ手段は、クロック信号を生成する発振器と、そのクロック信号を入力するカウンタとを備え、前記時間判別手段は、前記クロック信号を入力するカウンタを備え、前記交流電源の電圧レベルの低下時間を判別する判別時間は、前記クロック信号の周期の2倍から3倍であるので、所定電圧レベルに対する脈流検出手段の検出結果の高低を判別することにより、抵抗およびコンデンサによる時定数の影響を受けることなく、低電源電圧判定手段で交流電源の電圧レベルの低下を即時に判定することができるようになるから、瞬間的な交流電源の電圧低下または停電による立消えや回路部品に加わるストレスを好適に防止することができる。また、交流電源の電圧が瞬時に低下した場合、チョッパおよびインバータの動作を同時に停止することができ、過大なストレスが回路部品に加わるのを防止することができるとともに、放電灯の立ち消えを防止することも可能となる。また、停止期間の経過後にチョッパおよびインバータが動作を開始することになるから、簡単な構成で突入電流対策回路を構成することができ、交流電源の電圧が瞬時に低下して即復帰した場合でも、突入電流対策回路が所定の動作を行うため過大な突入電流が流入することがない。更に、瞬間的な交流電源の電圧低下または停電による立消えや回路部品に加わるストレスを好適に防止することができる。
【0101】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の放電灯点灯装置において、前記交流電源の投入時に生じる突入電流を減じる減流インピーダンスと、この減流インピーダンスに並列に接続されるスイッチング素子とにより構成される突入電流防止手段を備え、この突入電流防止手段のスイッチング素子は、前記タイマ手段で設定された停止期間の間オンになり、前記インバータ制御部および前記チョッパ制御部の動作中にはオフになるので、交流電源の電圧が瞬時に低下して即復帰した場合でも、過大な突入電流が流入するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1参考例の放電灯点灯装置の概略構成図である。
【図2】 図1中のチョッパ制御部等の具体構成図である。
【図3】 同チョッパ制御部の動作波形図である。
【図4】 本発明に係る第2参考例の放電灯点灯装置の一部構成図である。
【図5】 図4中のチョッパ制御部の動作波形図である。
【図6】 本発明に係る第3参考例の放電灯点灯装置の一部構成図である。
【図7】 図6中のチョッパ制御部の動作波形図である。
【図8】 本発明に係る第4参考例の放電灯点灯装置の一部構成図である。
【図9】 図8中のチョッパ制御部の動作波形図である。
【図10】 本発明に係る第1実施形態の放電灯点灯装置の構成図である。
【図11】 同放電灯点灯装置の動作波形図である。
【図12】 従来の放電灯点灯装置の概略構成図である。
【図13】 図12中のチョッパ制御部等の具体構成図である。
【図14】 図12中のインバータおよびインバータ制御部の具体構成例を示す図である。
【図15】 特願2000−311186の出願で提案されている発明による一構成図である。
【図16】 特開平9−121546号公報で開示されている突入電流防止回路の一例を示す図である。
【図17】 特開2000−32742公報で開示されている突入電流防止回路の一例を示す図である。
【符号の説明】
AC 交流電源
DB 整流器
1 脈流検出部
R11,R12 抵抗
2 チョッパ
L2 インダクタ
Q2 スイッチング素子
D2 ダイオード
C2 平滑用コンデンサ
3 直流検出部
R31,R32 抵抗
4,4A,4B,4C,4D チョッパ制御部
40 誤差アンプ
41 マルチプライヤ
42 オンオフ設定部
43 アンド回路
44 ドライブ出力部
45 レベル判別部
46,46A,46B,46C 時間判別部
5 インバータ
6 インバータ制御部
61 タイマ
62 発振回路
63 アンド回路
64 インバータ駆動部
7 共振回路部
Claims (2)
- 交流電源と、この交流電源からの電圧を整流する整流器と、少なくとも一つのインダクタ、平滑用コンデンサおよびスイッチング素子により構成され、前記整流器から出力される脈流電圧を所望レベルの直流平滑電圧に変換して出力するチョッパと、このチョッパのスイッチング素子をオンオフ制御するチョッパ制御部と、少なくとも一つのスイッチング素子により構成され、前記チョッパから出力される直流平滑電圧を高周波電圧に変換するインバータと、このインバータのスイッチング素子に駆動信号を出力するインバータ制御部と、少なくとも一つのインダクタ、コンデンサおよび放電灯により構成され、前記高周波電圧を入力して共振作用により前記放電灯を点灯する共振回路部とを備えた放電灯点灯装置であって、前記整流器の出力端子から脈流電圧の検出を行う脈流検出手段と、前記チョッパ制御部に設けられ、前記脈流検出手段の検出結果を監視しながら前記チョッパのスイッチング素子のオンオフ時間の制御を行う駆動制御手段と、所定電圧レベルに対する前記脈流検出手段の検出結果の高低を判別する電圧レベル判別手段、およびこの電圧レベル判別手段によって判別された高低から、前記交流電源の電圧レベルの低下時間を判別する時間判別手段により構成され、前記交流電源の電圧レベルの低下を判定する低電源電圧判定手段とを備え、前記インバータ制御部は、前記交流電源の投入後から所定の時間、前記インバータ制御部および前記チョッパ制御部の動作を停止するための停止期間と、前記放電灯のフィラメントの先行予熱を行う時間と、前記放電灯を始動する始動電圧の印加時間とを設定するタイマ手段と、このタイマ手段によって設定された時間に応じて、前記インバータの動作周波数を変更する動作切替手段とを備え、前記交流電源の投入後、前記インバータ制御部の動作開始時点と同時に前記チョッパ制御部の動作を開始し、前記時間判別手段の出力に基づいて、前記インバータ制御部および前記チョッパ制御部の動作を同時に停止するように制御し、前記タイマ手段は、クロック信号を生成する発振器と、そのクロック信号を入力するカウンタとを備え、前記時間判別手段は、前記クロック信号を入力するカウンタを備え、前記交流電源の電圧レベルの低下時間を判別する判別時間は、前記クロック信号の周期の2倍から3倍であることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 前記交流電源の出力端に接続され、前記交流電源の投入時に生じる突入電流を減じる減流インピーダンスと、この減流インピーダンスに並列に接続されるスイッチング素子とにより構成される突入電流防止手段を備え、この突入電流防止手段のスイッチング素子は、前記タイマ手段で設定された停止期間の間オンになり、前記インバータ制御部および前記チョッパ制御部の動作中にはオフになることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
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