JP4240926B2 - 電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョッパ回路を用いて直流電圧変換を行う電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、入力に対して直列または並列に接続されたスイッチング素子をオン・オフ制御することによって、入力電圧を降圧または昇圧した直流出力電圧を得る電源装置が提供されている。たとえば、昇圧形の電源装置は、図16に示すような構成を有している。図16の例では、交流電源ACをフィルター回路FLを介して全波整流するダイオードブリッジなどの整流器REの出力である脈流電圧を入力電圧Viとし、整流器REの出力端間にインダクタCHの1次巻線L1 とMOSFETなどからなるスイッチング素子Q1 および抵抗R5 との直列回路を接続し、スイッチング素子Q1 および抵抗R5 の直列回路に逆流阻止用のダイオードD1 と平滑用のコンデンサC1 との直列回路を並列接続した主回路1を備える。スイッチング素子Q1 は、後述する制御回路2によってオン・オフ制御される。
【0003】
図16の回路から主回路1だけを取り出すと、図17のようになる。スイッチング素子Q1 がオンである期間には、インダクタCHの1次巻線L1 に入力電圧Viが印加され、インダクタCHの1次巻線L1 に流れる電流iL1は、スイッチング素子Q1 のオン後の経過時間をt、1次巻線L1 のインダクタンスをL1 とすれば、iL1=(Vi/L1 )tになる。すなわち、スイッチング素子Q1 のオン期間をTONとすれば、インダクタCHの1次巻線L1 に流れる電流iL1のピーク値IP はIP =(Vi/L1 )TONになる。
【0004】
一方、スイッチング素子Q1 がオフになると、インダクタCHの1次巻線L1 の両端電圧は、コンデンサC1 の両端電圧である出力電圧をVoとし、ダイオードD1 の順電圧降下を無視すれば、−(Vo−Vi)になる。すなわち、スイッチング素子Q1 がオフになると、オン時とは逆極性の電圧がインダクタCHの1次巻線L1 の両端間に加わる。スイッチング素子Q1 がオンである間にインダクタL1 に蓄積されたエネルギーは、スイッチング素子Q1 がオフになると放出され、この間にインダクタCHの1次巻線L1 に流れる電流iL1は、スイッチング素子Q1 のオフ後の経過時間をtとすれば、iL1=IP −{(Vo−Vi)/L1 }tになる。したがって、インダクタCHの1次巻線L1 に流れる電流iL1は、図18(a)のようになる。図18では、スイッチング素子Q1 が時刻t1 でオン、時刻t2 でオフになった状態を示す。
【0005】
ところで、インダクタCHは2次巻線L2 を有しており、1次巻線L1 と2次巻線L2 との巻数比をn1 :n2 とすれば、インダクタCHの2次巻線L2 に誘導される電圧e2 は、スイッチング素子Q1 のオン期間にはe2 =(n2 /n1 )Viになり、スイッチング素子Q1 のオフ期間にはe2 =−(n2 /n1 )(Vo−Vi)になる。また、スイッチング素子Q1 のオフ期間において、インダクタL1 の蓄積エネルギーがすべて放出されると、2次巻線L2 には電圧は誘導されなくなる。したがって、入力電圧Viが直流の一定電圧であるとすれば、2次巻線L2 への誘導電圧e2 は、図18(b)のように、スイッチング素子Q1 のオン・オフに伴って極性が反転する矩形波状になる。
【0006】
スイッチング素子Q1 のオン・オフのタイミングは、制御回路2によって制御される。制御回路2は、入力電圧Vi、出力電圧Vo、スイッチング素子Q1 に流れる電流、インダクタCHの2次巻線L2 に誘導される電圧e2 を総合して、スイッチング素子Q1 のオン・オフのタイミングを決定する。すなわち、入力電圧Viは整流器REの出力端間に接続された第1検出部としての2個の抵抗R1 ,R2 により分圧されて第1の検出電圧V1 として制御回路2に入力され、出力電圧VoはコンデンサC1 の両端間に接続された第2検出部としての2個の抵抗R6 ,R7 により分圧されて第2の検出電圧V2 として制御回路2に入力される。また、スイッチング素子Q1 に流れる電流はスイッチング素子Q1 に直列接続された第3検出部としての抵抗R5 の両端電圧として検出され、この電圧が第3の検出電圧V3 として制御回路2に入力される。インダクタCHの2次巻線L2 の両端電圧e2 は、抵抗R4 を介して制御回路2に入力される。
【0007】
ここに、制御回路2の主要部(図16において破線で囲んだ部分)は、集積回路(たとえば、モトローラ社製MC34261)として提供されており、若干の部品を外付けすれば制御回路2を構成できるようになっている。制御回路2は、第2の検出電圧V2 を基準電圧発生部29で設定した基準電圧Vrefと比較し、第2の検出電圧V2 と基準電圧Vrefとの差分に比例した出力を発生する誤差検出部である誤差増幅部21を備える。誤差増幅部21から出力される誤差電圧V2 ’は、第1の検出電圧V1 とともに乗算器22に入力され、乗算器22からは第1の検出電圧V1 と誤差電圧V2 ’とを乗算した結果に比例する出力値QMが得られる。したがって、乗算器22の出力値QMは、QM=κV1 ・V2 ’(κは定数)と表すことができる。乗算器22の出力値QMは比較器23において第3の検出電圧V3 と比較され、比較器23の出力は、第3の検出電圧V3 が乗算器22の出力値QM以上(V3 ≧QM)になる期間はHレベルになる。
【0008】
比較器23の出力がHレベルに立ち上がるとRSラッチ24はリセットされ、RSラッチ24の出力がLレベルになると出力回路25の出力がLレベルになってスイッチング素子Q1 がオフになる。要するに、スイッチング素子Q1 がオンである期間には、図18(a)のようにインダクタCHの1次巻線L1 に流れる電流iL1が増加するとスイッチング素子Q1 に流れる電流も増加するから、第3の検出電圧V3 によってスイッチング素子Q1 に流れる電流を監視し、所望のエネルギーがインダクタCHに蓄積された時点でスイッチング素子Q1 をオフにするのである。
【0009】
このように、第1の検出電圧V1 、第2の検出電圧V2 、第3の検出電圧V3 は、スイッチング素子Q1 をオフにするタイミングを決定する。言い換えると、インダクタCHの1次巻線L1 に流れる電流iL1のピーク値IP は抵抗R5 を流れる電流のピーク値と等しいから、IP ・R5 =V3 =κV1 ・V2 ’を満足することになり、図19のように、電流iL1のピーク値IP の包絡線は入力電圧Viである脈流電圧と同じ形になる。
【0010】
一方、スイッチング素子Q1 をオンにするタイミングは、第4検出部であるインダクタCHの2次巻線L2 に第4の検出電圧として誘導される電圧e2 によって決定される。すなわち、スイッチング素子Q1 がオフになれば、インダクタCHの2次巻線L2 に図16の矢印の極性を有した電圧e2 が誘導され、インダクタCHに蓄積されたエネルギーが放出されると誘導電圧e2 は低下するから、誘導電圧e2 をゼロ点検出器26により規定電圧と比較して誘導電圧e2 がほぼ0Vになる時点を検出する。ゼロ点検出器26により誘導電圧e2 がほぼ0Vになる時点が検出されると(つまり、インダクタCHの蓄積エネルギーが規定値以下になると)、RSラッチ24をセットする。RSラッチ24の出力がHレベルになると、出力回路25の出力がHレベルになり、スイッチング素子Q1 がオンになる。すなわち、インダクタCHの2次巻線L2 に誘導される電圧e2 を監視することによって、スイッチング素子Q1 をオンにするタイミングを決定するのである。ここで、遅延回路27およびタイマ回路28は、RSラッチ24の動作を確実にするために設けられている。
【0011】
上述のように、乗算器22、比較器23、RSラッチ24、出力回路25によって判定制御部が構成されるのであって、主回路1の各部の電圧や電流に基づいてスイッチング素子Q1 のオン・オフのタイミングを決定することにより、主回路1の出力電圧Voは制御回路2で設定した基準電圧Vrefに応じた一定電圧に保たれるように制御されることになる。また、入力電流波形は正弦波に近い波形になる。
【0012】
ところで、第1の検出電圧V1 と入力電圧Viとの間には、上述したように、V1 =κ1 ・Vi(κ1 は抵抗R1 ,R2 の分圧比)という関係がある。一方、主回路1への入力電流IiはインダクタCHの1次巻線L1 を流れる電流iL1のピーク値IP に比例し、入力電流Iiの波形は、図20のように、ピーク値IP の包絡線を約1/2倍にした曲線となる。ここで、入力電力をWとするとき、入力電流Iiは、Ii=W/Viと表すことができるから、ピーク値IP は入力電圧Viに反比例する。また、第3の検出電圧V3 のピーク値は、V3 =IP ・R5 であるから、比例定数をκ3 とすれば、V3 =κ3 (1/Vi)と表すことができることになる。
【0013】
一方、インダクタCHの1次巻線L1 を流れる電流iL1がピーク値IP になるときには、第1の検出電圧V1 と第3の検出電圧V3 と誤差電圧V2 ’との間には、V3 =κV1 ・V2 ’が成立するから、入力電圧Viに対する誤差電圧V2 ’は、κ3 /κ・κ1 =κ2 とおけば、V2 ’=κ2 (1/Vi2 )となり、誤差増幅器21から出力される誤差電圧V2 ’は、入力電圧の2乗に反比例することになる。
【0014】
また、出力に接続される負荷で消費する電力W’は電源装置のロスを無視すると入力電力Wと等しくなり、Ii=W/Viでピーク値IP は入力電力Wに比例するため、V2 ’=V3 /κV1 より、誤差増幅器21から出力される誤差電圧V2 ’は負荷で消費する電力に比例することになる。
【0015】
このことは、上記構成の電源装置について、負荷を変更せずに出力電圧Voを一定に保ち、入力電圧Viのみが変化した場合に、誤差電圧V2 ’には入力電圧Viの変化倍率の2乗倍の変化幅が要求されることを意味している。たとえば、入力電圧Viが100〜300Vの間で変化し、他の条件は変更されないものとすれば、入力電圧Viが100Vである場合に比較して入力電圧が300Vである場合には、入力電圧Viの変化倍率が3倍であるから、誤差電圧V2 ’を1/9の大きさに制御しなければならない。
【0016】
すなわち、乗算器22の入力電圧V2 ’の許容範囲の上限値をV2H’、下限値をV2L’とし、入力電圧の上限値をVH 、下限値をVL とすれば、V2H’≧κ2 (1/VL 2 )、かつ、V2L’≦κ2 (1/VH 2 )=κ2 (VL /VH )2 (1/VL 2 )を満たさなければならないから、(VH /VL )2 V2L’≦V2H’という関係が得られる。したがって、V2H’/V2L’≧(VH /VL )2 となるのであり、誤差電圧V2 ’は、入力電圧Viの変化倍率の2乗に反比例した倍率で変化するのである。しかも負荷が変動する場合は、さらに負荷の変動倍率を乗じた倍率で変化することになる。
【0017】
しかしながら、誤差増幅器21の出力電圧や、誤差増幅器21の出力に接続されている乗算器22の入力電圧には制限があり、特に上述したように既製の集積回路を制御回路2に用いる場合には仕様として規定されているから、誤差電圧V2 ’の変化倍率が大きいと正常な制御ができなくなるという問題が生じる。たとえば、誤差電圧V2 ’が許容範囲の上限値を越えようとすると出力電圧Voは所定電圧よりも下がることになり、逆に誤差電圧V2 ’が許容範囲の下限値よりも下がろうとすると出力電圧Voが所定電圧を越え、場合によっては主回路1が破壊してしまうという問題が生じる。
【0018】
ここで、実動作上直接関係するスイッチング素子Q1 のオフ動作を更に詳細に考察すると、スイッチング素子Q1 のオン幅は以下の要因で決定されていることが分かる。
(1)第3の検出電圧V3 が乗算器22の出力値QMに達するまでの時間(図21(a))。
(2)第3の検出電圧V3 が乗算器22の出力値QMに達してから出力回路25の出力がLレベルになるまでの遅れ時間(図21(b))、出力回路25の出力がLレベルになってから実際にスイッチング素子Q1 がオフするまでの遅れ時間(図21(c))。
【0019】
特に誤差電圧V2 ’が許容範囲の下限値付近では、スイッチング素子Q1 のオン幅を極力短くする制御が要求されるが、上記(2)の影響が大きくなり、実際のオン幅が制限されることになる。つまり、このトータル時間がオン幅の制限となり、集積回路単体の能力として本来存在する出力可能な最小オン時間よりも長いオン時間の出力を行ってしまうとともに、実質的に問題となるスイッチング素子Q1 のオン時間はさらに長くなってしまい、制御可能な入力電圧Viが制限されてしまう。
【0020】
これらの問題を改善したものが特許第3093893号及び特願2002−071245に示されている。特許第3093893号においては、入力電圧を監視することにより入力電圧の実効値に応じて乗算器入力であるV1 及びV2 ’の検出電圧比を変化させる補正回路を用いて、乗算器の出力を能力限界まで正確な制御可能とした例、つまりは広い入力電圧で変動する場合においても図21における乗算器の出力値QMが能力限界まで正確な動作で下限値まで動作可能とした例が開示されている。(図22に入力電圧値に応じて実質的にR2 の抵抗値を切り替えることにより、V1 の検出電圧比を切り替えた例を示す。)あるいは、図23に示すように入力電圧を監視することにより入力電圧値に応じて第3の検出電圧V3 を検出する抵抗R5 の値を切り替えた例、つまりは入力電圧が高くなると第3の検出電圧V3 の検出抵抗R5 の抵抗値を大きくなるように切り替えて、図21における検出電圧V3 の傾きを大きくして図21の(a)を短い時間まで動作可能とした例も開示されている。
【0021】
また、特願2002−071245においては、電圧調節回路3を追加して検出抵抗R5 の検出値に直流電流を重畳させて、ゼロ点検出器26により誘導電圧e2 がほぼ0Vになる時点が検出される時に検出電圧が発生しているようにすることにより、図21の(a)を短い時間まで動作可能とした例が開示されている(図24)。
【0022】
さらに、電圧調節回路3の電圧源を入力電圧Viの瞬時値つまりは交流全波の脈流波形に応じた電圧値を電圧源とし、交流全波の脈流波形の谷部では電圧調節回路3の影響を小さくすることにより、交流全波の脈流波形の谷部でスイッチング素子のオン幅が短くならず、入力電流の谷部付近で入力電流がほとんど流れない期間が長くなることを防止して入力電流の高調波電流成分を低減した例が開示されている(図25)。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図17、図18で説明した主回路の動作について図26をもとに説明を付け加える。前述のようにスイッチング素子Q1 がオンである期間には、入力電圧ViとインダクタCHの1次巻線L1 で傾きが決定されたインダクタ電流iL1 が図28の▲1▼のように流れて、インダクタにエネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q1 がオフすると、インダクタには引き続きコンデンサC3 への充電電流が図28の▲2▼のように流れて、エネルギーの蓄積が継続されるとともにスイッチング素子Q1 の両端電圧VDSは上昇していく。コンデンサC3 はスイッチング素子Q1 の寄生容量(Ciss,Coss,Crss)及びスイッチング損失低減や雑音低減のために通常スイッチング素子両端に接続するコンデンサの合成容量である。スイッチング素子Q1 の両端電圧VDSが出力電圧Voに達するとダイオードD1 がオンして、入力電圧Vi、出力電圧Vo及びインダクタCHの1次巻線L1 で傾きが決定されたインダクタの放電電流が図28の▲3▼のように流れる。つまり、インダクタに蓄積されたエネルギーがダイオードD1 を介して放出される。
【0024】
入力電圧Viは脈流電圧であり、入力電圧Viが高い場合、つまり脈流電圧における山部付近でのインダクタ電流iL1 の波形を図28の(a1)に、入力電圧Viが低い場合、つまり脈流電圧における谷部付近でのインダクタ電流iL1 の波形を図28の(a2)に示す。山部付近ではViが高いため、インダクタ電流▲1▼の傾きが大きく、インダクタ電流のピーク値に対してコンデンサC3 への充電電流▲2▼の影響が出やすい状態であるが、スイッチング素子Q1 への電流▲1▼がコンデンサC3 への電流▲2▼に対して比較的大きければ影響は小さい。谷部付近ではViが低いため、インダクタ電流▲1▼の傾きが小さく、インダクタ電流のピーク値に対してコンデンサC3 への充電電流▲2▼の影響が出にくい状態である。
【0025】
次に交流電源ACが高くなり、入力電圧Viが上昇した場合の脈流電圧の山部付近の動作を図28(b)に、また入力電圧Viが同じで負荷が小さくなった場合の脈流電圧の山部付近の動作を図28(c)に示す。iL1 はインダクタ電流、VDSはスイッチング素子Q1 の両端電圧である。図28(b)ではインダクタL1 の充電電流▲1▼の傾きが大きくなり、放電電流▲3▼の傾きが小さくなる。そして、負荷が同じのため、インダクタ放電電流▲3▼の面積が略同じとなる。図28(c)ではインダクタL1 の充放電電流の傾きは同じであるが、負荷が小さくなるため、インダクタ放電電流▲3▼の面積が小さくなる。
【0026】
いずれの場合も、コンデンサC3 への充電電流量は同じであるのに対し、スイッチング素子Q1 への電流▲1▼が相対的に小さくなっているため、インダクタ電流iL1 のピーク値に対してコンデンサC3 への充電電流▲2▼の影響が大きくなってしまう。このとき、制御回路2は前述のように入力電圧Vi、出力電圧Vo、スイッチング素子Q1 に流れる電流、インダクタCHの2次巻線L2に誘導される電圧e2 を総合して、スイッチング素子Q1 のオン・オフタイミングを決定するものであるので、コンデンサC3 への充電電流の影響は入力電流の歪みとして発生する。
【0027】
つまり、スイッチング素子Q1 に流れる電流の包絡波形は正弦波形に近いものであっても、上述のように、コンデンサC3 への充電電流の影響が大きくなると、実際の入力電流に関連するインダクタ電流iL1 の包絡波形は脈流電圧の山部付近で大きくなる為、結果的に入力電流は図27に示すように三角波に近づくとともに谷部付近で入力電流がほとんど流れない期間が長くなってしまい、入力電流の高調波成分が多くなってしまうという課題がある。
【0028】
特許第3093893号はもちろん、図25に示した特願2002−071245の例においても入力電流については特許第3093893号と同等レベルに改善したものであるため、本課題については解決されたものではなく、しかも、制御可能な入力電圧Viが制限されてしまう課題に対して、特許第3093893号においては、入力電圧を監視する回路及び切り替えするための回路等が必要であり、回路が複雑となってしまい、装置のコストアップ、大型化につながってしまうという課題がある。
【0029】
本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、簡単な回路構成で入力電圧が広範囲にわたって変化しても出力電圧を一定に保つことができるようにするとともに、入力電流の高調波成分が少ない電源装置を提供しようとするものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、上記の課題を解決するために、図1に示すように、交流電源ACを全波整流する整流器REと、整流器REの出力である脈流電圧Viを入力としスイッチング素子Q1 およびインダクタCHを含みスイッチング素子Q1 のオン期間にインダクタCHに蓄積したエネルギをスイッチング素子Q1 のオフ期間に出力側に放出させることにより直流電圧変換を行うチョッパ回路よりなる主回路1と、スイッチング素子Q1 をオン・オフ制御する制御回路2とを備え、制御回路2は、主回路1への入力電圧Viである脈流電圧に比例した第1の検出電圧V1 を発生する第1検出部と、主回路1の出力電圧Voに比例した第2の検出電圧V2 を発生する第2検出部と、スイッチング素子Q1 への通電電流に比例した第3の検出電圧V3 を発生する第3検出部と、インダクタCHに流れる電流に応じた第4の検出電圧e2 を発生する第4検出部と、第2の検出電圧V2 と設定電圧Vrefとの差分を誤差電圧V2 ’として出力する誤差検出部と、第3の検出電圧V3 が第1の検出電圧V1 と誤差電圧V2 ’との積に規定倍率を乗じた電圧値QMになるとスイッチング素子Q1 をオフにし、インダクタCHの蓄積エネルギーが規定値以下まで放出されたことを第4の検出電圧e2 に基づいて検出するとスイッチング素子Q1 をオンにする判定制御部と、脈流電圧Viの電圧瞬時値が高くなるにつれて脈流電圧Viの瞬時値に対する第1の検出電圧V1 の比を小さくする方向に調節する電圧調節回路4とを具備し、図7〜図14に示すように、前記主回路1の出力には放電灯laを点灯させる放電灯点灯回路が接続され、前記放電灯点灯回路は前記放電灯laの出力を変化させる機能を有し、前記電圧調節回路4は、前記放電灯laの出力が所定値以下で動作することを特徴とするものである。
【0031】
請求項3の発明によれば、前記電圧調節回路は、脈流電圧の電圧瞬時値が所定電圧値以上で動作することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、前記電圧調節回路は、前記交流電源の実効値の変動が所定電圧値以上で動作することを特徴とする。
【0032】
請求項2の発明によれば、前記放電灯点灯回路には調光信号が入力され、調光信号に基づいて前記放電灯の出力を変化させるとともに、前記放電灯の出力が所定値以下となる調光信号が入力された場合に前記電圧調節回路が動作することを特徴とする。
【0033】
請求項5の発明によれば、前記電圧調節回路は、第1検出部に設けられたツェナーダイオードよりなることを特徴とする。
請求項6の発明によれば、前記制御回路は、インダクタの蓄積エネルギーが規定値以下まで放出されたことを第4の検出電圧に基づいて検出した時に、前記第3の検出電圧に所定の電圧が発生しているように調節する第2の電圧調節回路を具備することを特徴とする。
請求項7の発明によれば、前記第2の電圧調節回路は、直流電圧を重畳させる電圧源と、前記電圧源と前記第3検出部との間に設けられた抵抗よりなることを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
(前提となる構成1)
本発明の前提となる構成1を図1に示す。本例は、図16に示した従来例の回路構成において、スイッチング素子Q1 と並列にコンデンサC20を追加し、抵抗R20及びツェナーダイオードZD20で構成した電圧調節回路4を第1検出部の抵抗R2 と並列に接続することによって、入力電流を正弦波に近づけて高調波成分を低減した例である。
【0035】
図2(a)は第1の検出電圧V1 、図2(b)は入力電流波形を示し、破線は電圧調節回路4が無い場合、実線は電圧調節回路4がある場合を示す。第1検出部には、脈流電圧のツェナーダイオードZD20が導通しない区間に抵抗R1 ,R2 の分圧による電圧が発生し、ツェナーダイオードZD20が導通すると、抵抗R20が並列に接続されることになるので、結果として図2(a)の実線で示すように脈流電圧の電圧瞬時値が高くなるにつれて、脈流電圧の瞬時値に対する第1の検出電圧V1 の比が小さくなる電圧が発生する。
【0036】
このように、検出電圧V1 を変化させることにより、脈流電圧の山部付近でスイッチング素子Q1 のオン幅を短くするように動作させるため、結果としてコンデンサC20の影響を含めたインダクタ電流の包絡波形は正弦全波波形に近づき、入力電流も正弦波に近づくとともに高調波成分が低減できる。
【0037】
(前提となる構成2)
本発明の前提となる構成2を図3に示す。本例は、図1に示した例の電圧調節回路4の構成を変えて、ツェナーダイオードZD20のみの構成としたものである。また、本実施形態は入力交流電源が例えば100V〜256Vの広範囲である場合への対応例である。
【0038】
ここで使用するツェナーダイオードZD20の特性は、図4に示すIz−Vz特性図の例えばMA8043(松下製)のように電圧値が変化していく特性である。当然のように、電圧が高いほどインピーダンスが大きい。
【0039】
図5(a)は入力交流電源が100V時、(b)は200V時、(c)は256V時の検出電圧V1 を示し、破線は電圧調節回路4が無い場合、実線は電圧調節回路4が有る場合を示す。100V時は、前述のようにスイッチング素子Q1 への電流が大きいため、コンデンサC20への電流の影響が無視できるレベルであり、電圧調節回路4を動作させる必要は無く、動作させると逆に入力電流波形が歪んで高調波成分が大きくなる恐れがある。この時、抵抗R1 とR2 の分圧による電圧はツェナーダイオードZD20のインピーダンスが極めて大きい領域の低い電圧であるため、電圧調節回路4は実質的に動作しない。
【0040】
200V時は、本例ではコンデンサC20への電流の影響が多少現れてくるレベルになっている。この時、脈流電圧の山部付近での検出電圧V1 の値でツェナーダイオードZD20のインピーダンスが抵抗R2 に対して影響し始めるようになっている。つまり図5(b)の実線に示すように、脈流電圧の山部付近で抵抗R1 とR2 の分圧による電圧よりも低下した電圧が検出電圧V1 となる。
【0041】
256V時は、更にコンデンサC20の影響が大きくなってくる。この時、検出電圧V1 は、ツェナーダイオードZD20により図5(c)の実線のようになり、脈流電圧の山部付近では抵抗R1 とR2 の分圧による電圧よりも大きく低下した電圧となる。
【0042】
このように、入力交流電源が低い電圧にある時は電圧調節回路4を動作させず、高い電圧にある時に脈流電圧の山部付近でスイッチング素子Q1 のオン幅を短くするように動作させるため、結果としてコンデンサC20の影響を含めたインダクタ電流の包絡波形は正弦全波波形に近づき、入力電流も正弦波に近づくとともに高調波成分が低減できる。
【0043】
さらに、入力交流電源の変化に対する検出電圧V1 の変化幅が小さくなり、広い範囲で入力電圧が変動する場合においても、正確な制御動作が可能となる。
【0044】
(前提となる構成3)
本発明の前提となる構成3を図6に示す。本例は、今まで説明してきた電源装置の負荷として放電灯la及び放電灯laを点灯させるインバータ回路5からなる放電灯点灯回路を用いた例である。インバータ回路5は、電力の異なる複数種類の放電灯(例えば24W,32W,42W)に対応できるものである。
【0045】
このように、電源装置の負荷が変動するような場合は、入力交流電源の電圧値が高くなり、しかも負荷が小さくなった場合に前述の課題がさらに顕著となるため、本案の電源装置がより有効となる。
【0046】
つまり、入力交流電源が高い電圧にある時に脈流電圧の山部付近でスイッチング素子Q1 のオン幅を短くするように動作させるため、負荷が小さい状態であったとしても結果としてコンデンサC20の影響を含めたインダクタ電流の包絡波形は正弦全波波形に近づき、入力電流も正弦波に近づくとともに高調波成分が低減できる。
【0047】
(実施形態1)
第1の実施形態を図7に示す。本実施形態は、図6に示したインバータ回路5に放電灯判別部6を設け、電力の異なる複数種類の放電灯のうち電力が小さい放電灯を判別した場合に判別信号を出力し、判別信号を受けると電圧調節回路4が動作するようにしたものである。図8は本実施形態で用いる電圧調節回路4の一例を示している。判別信号を受けてスイッチSWがオンとなり、ツェナーダイオードZD20が接続される。
【0048】
判別信号は、例えば24W,32W,42Wの放電灯に対応できる場合、24Wの放電灯を判別すると出力される。このようにすることにより、負荷が小さくなり、コンデンサC20の影響が大きくなってきた場合でも、コンデンサC20の影響を含めたインダクタ電流の包絡波形は正弦全波波形に近づけることができ、入力電流も正弦波に近づくとともに高調波成分が低減できる。
【0049】
(実施形態2)
第2の実施形態を図9に示す。本実施形態は、図6に示したインバータ回路5に電力検出部7を設け、放電灯laで消費する電力が所定値より小さくなった場合に検出信号を出力し、検出信号を受けると電圧調節回路4を積極的に動作させるようにしたものである。また、本実施形態は入力交流電源が例えば100V〜256Vの広範囲である場合への対応例である。
【0050】
図10に具体的な構成の一例を示す。インバータ回路5は一般的な直列インバータにインダクタL30、コンデンサC31、放電灯laの直列共振回路を接続した構成である。放電灯laで消費する電力は、抵抗R30でスイッチング素子Q31のソース電流を検出した電圧を抵抗R31とコンデンサC32で積分することにより検出されている。この電力検出電圧が所定電圧Vrefより小さくなると、コンパレータCPの出力がHighとなり、検出信号を出力する。電圧調節回路4は、図11に示すように、ツェナーダイオードZD20と、これに並列に接続されたツェナーダイオードZD21とスイッチSWの直列回路で構成されている。ツェナーダイオードZD21は、ツェナーダイオードZD20と同様な傾向のVz−Iz特性を示すものでツェナー電圧値がより低いものである。電力検出部7から検出信号が出力されると、スイッチSWがオンとなり、ツェナーダイオードZD21が並列に接続された状態になり、電圧調節回路4がより積極的に動作することになる。
【0051】
図12に検出電圧V1 の入力交流電源の電圧値及び負荷の状態による波形の変化を示す。ここでも、破線は電圧調節回路4が無い場合、実線は電圧調節回路4が有る場合を示す。図12より分かるように、入力交流電源の電圧が高くなっても負荷が小さくなってもコンデンサC20の影響が大きくなり、また、入力交流電源の電圧値が同じであっても負荷が小さくなると更にコンデンサC20の影響が大きくなるのに合わせて、電圧調節回路4の影響を大きくするようにしているので、より細かく入力電流波形を正弦波に近づけることができ、高調波成分を低減できる。更に、入力交流電源の変化及び負荷の変化に対する検出電圧V1 の変化幅が小さくなり、広い範囲で入力電圧が変動する場合においても、正確な制御動作が可能となる。
【0052】
ここで、インバータ回路は、前述のように電力の異なる複数種類の放電灯に対応できるもの、調光用インバータのもの、蛍光灯のように温度によって消費電力が変化する放電灯に対応するもの等、どのようなタイプでも本実施形態を適用できる。
【0053】
なお、電力検出部7で負荷の状態を数段階に分けて検出するとともに、電圧調節回路4のツェナーダイオード及びスイッチを並列に追加していき、負荷の状態に合わせてスイッチを切り替えていくようにすれば、更に細かく入力電流の波形整形が可能となる。
【0054】
また、図13に示すように、ツェナーダイオードZD21の代わりに抵抗R20を挿入し、負荷が所定値より大きい場合にはスイッチSWをオン状態、負荷が所定値以下になると検出信号によりスイッチSWをオフさせることによっても同様に入力電流の高調波成分を低減できる。
【0055】
(実施形態3)
第3の実施形態を図14に示す。本実施形態は、図6に示したインバータ回路5が調光用インバータ回路であり、調光器8からの調光信号に応じて放電灯laの電力を変化させて調光するものである。また、調光信号は電圧調節回路4にも入力され、放電灯laで消費する電力が所定値より小さくなる調光信号が入力された場合に、電圧調節回路4を積極的に動作させるようにしたものである。本実施形態においても、前述の実施形態と同様の動作をさせることにより、同様の効果を得ることができる。
【0056】
(前提となる構成4)
本発明の前提となる構成4を図15に示す。本例は、今まで説明してきた電源装置に前述(図24)の電圧調節回路3を追加し、直流電圧源Vccと第3検出部との間に抵抗R16を挿入したものである。電圧調節回路3、つまり抵抗R16を追加することにより、更に広い範囲で入力電圧が変動する場合においても、出力電圧Voをほぼ一定に保つように正確な制御動作が可能となる。しかも、出力電圧Voが昇圧するような状態(例えば入力電圧が高く、負荷が小さくなった状態)になれば、自動的にドライブ回路の出力を停止することにより、昇圧を防止できるとともに出力電圧Voをほぼ一定に保つことができる。そして、抵抗R16を追加することにより脈流電圧の谷部付近でスイッチング素子Q1 のオン幅が短くなり、入力電流の谷部付近で入力電流がほとんど流れない期間が長くなろうとするところを、電圧調節回路4によって併せて改善でき、入力電流の高調波成分を低減できる。
【0057】
負荷として放電灯点灯回路を用いる場合は、前述のように出力を低減させる調光機能が付加される、あるいは調光機能がなくても放電灯の短寿命を防止するために点灯させる前に放電灯のフィラメントのみを加熱するいわゆる先行予熱機能が付加されており、通常使用状態での負荷としての変動が大きいため、本例の電源装置と組み合わせることにより、本例の効果がより顕著に表れてくるものである。
【0058】
以上述べてきた各実施形態では主回路1を昇圧型のチョッパ回路としたが、他の形式のチョッパ回路(降圧型や反転型(昇降圧型)など)であっても本発明の技術思想を適用することができるのは言うまでもない。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、交流電源を全波整流する整流器の出力である脈流電圧を入力とするチョッパ回路のスイッチング素子を、脈流電圧に比例した第1の検出電圧と、出力電圧に比例した第2の検出電圧と、スイッチング素子への通電電流に比例した第3の検出電圧と、インダクタに流れる電流に応じた第4の検出電圧に基づいてオン・オフ制御する電源装置において、脈流電圧の電圧瞬時値が高くなるにつれて脈流電圧の瞬時値に対する第1の検出電圧の比を小さくする方向に調節する電圧調節回路を設けたことにより、簡単な回路構成で入力電圧が広範囲にわたって変化しても出力電圧を一定に保つことができるとともに、入力電流の高調波成分が少ない電源装置を提供することができる。また、入力電流のピーク値が抑えられて正弦波形に近づくため、入力力率が高くなり、入力電流値も低く抑えることができる効果もある。さらに、電源装置の回路電流も抑えられることになるので、スイッチング素子等での損失も減少し、信頼性が向上するという効果も併せ持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる構成1の回路図である。
【図2】 本発明の前提となる構成1の動作説明図である。
【図3】 本発明の前提となる構成2の回路図である。
【図4】 本発明の前提となる構成2の電圧調節回路に用いるツェナーダイオードの電圧−電流特性図である。
【図5】 本発明の前提となる構成2の動作説明図である。
【図6】 本発明の前提となる構成3のブロック回路図である。
【図7】 本発明の実施形態1のブロック回路図である。
【図8】 本発明の実施形態1に用いる電圧調節回路の一例を示す回路図である。
【図9】 本発明の実施形態2のブロック回路図である。
【図10】 本発明の実施形態2の要部構成の一例を示す具体回路図である。
【図11】 本発明の実施形態2に用いる電圧調節回路の一例を示す回路図である。
【図12】 本発明の実施形態2の動作説明図である。
【図13】 本発明の実施形態2に用いる電圧調節回路の他の一例を示す回路図である。
【図14】 本発明の実施形態3のブロック回路図である。
【図15】 本発明の前提となる構成4の回路図である。
【符号の説明】
【図16】 従来例1の回路図である。
【図17】 図16の主回路の要部構成を示す回路図である。
【図18】 図16の主回路のインダクタ電流とその2次巻線電圧を示す波形図である。
【図19】 図16の主回路のインダクタ電流と入力電圧を示す波形図である。
【図20】 図16の主回路のインダクタ電流と入力電流を示す波形図である。
【図21】 図16の主回路のスイッチング素子の動作を示す波形図である。
【図22】 従来例2の回路図である。
【図23】 従来例3の回路図である。
【図24】 従来例4の回路図である。
【図25】 従来例4の要部回路図である。
【図26】 図16の主回路の要部構成を示す回路図である。
【図27】 図16の主回路の1つの課題である入力電流歪みを示す波形図である。
【図28】 図16の主回路の動作説明のための波形図である。
【符号の説明】
1 主回路
2 制御回路
3 電圧調節回路
Q1 スイッチング素子
CH インダクタ
V1 第1の検出電圧
V2 第2の検出電圧
V3 第3の検出電圧
e2 第4の検出電圧
Claims (7)
- 交流電源を全波整流する整流器と、整流器出力である脈流電圧を入力としスイッチング素子およびインダクタを含みスイッチング素子のオン期間にインダクタに蓄積したエネルギをスイッチング素子のオフ期間に出力側に放出させることにより直流電圧変換を行うチョッパ回路よりなる主回路と、スイッチング素子をオン・オフ制御する制御回路とを備え、制御回路は、主回路への入力電圧である脈流電圧に比例した第1の検出電圧を発生する第1検出部と、主回路の出力電圧に比例した第2の検出電圧を発生する第2検出部と、スイッチング素子への通電電流に比例した第3の検出電圧を発生する第3検出部と、インダクタに流れる電流に応じた第4の検出電圧を発生する第4検出部と、第2の検出電圧と設定電圧との差分を誤差電圧として出力する誤差検出部と、第3の検出電圧が第1の検出電圧と誤差電圧との積に規定倍率を乗じた電圧値になるとスイッチング素子をオフにし、インダクタの蓄積エネルギーが規定値以下まで放出されたことを第4の検出電圧に基づいて検出するとスイッチング素子をオンにする判定制御部と、脈流電圧の電圧瞬時値が高くなるにつれて脈流電圧の瞬時値に対する第1の検出電圧の比を小さくする方向に調節する電圧調節回路とを具備し、前記主回路の出力には放電灯を点灯させる放電灯点灯回路が接続され、前記放電灯点灯回路は前記放電灯の出力を変化させる機能を有し、前記電圧調節回路は、前記放電灯の出力が所定値以下で動作することを特徴とする電源装置。
- 交流電源を全波整流する整流器と、整流器出力である脈流電圧を入力としスイッチング素子およびインダクタを含みスイッチング素子のオン期間にインダクタに蓄積したエネルギをスイッチング素子のオフ期間に出力側に放出させることにより直流電圧変換を行うチョッパ回路よりなる主回路と、スイッチング素子をオン・オフ制御する制御回路とを備え、制御回路は、主回路への入力電圧である脈流電圧に比例した第1の検出電圧を発生する第1検出部と、主回路の出力電圧に比例した第2の検出電圧を発生する第2検出部と、スイッチング素子への通電電流に比例した第3の検出電圧を発生する第3検出部と、インダクタに流れる電流に応じた第4の検出電圧を発生する第4検出部と、第2の検出電圧と設定電圧との差分を誤差電圧として出力する誤差検出部と、第3の検出電圧が第1の検出電圧と誤差電圧との積に規定倍率を乗じた電圧値になるとスイッチング素子をオフにし、インダクタの蓄積エネルギーが規定値以下まで放出されたことを第4の検出電圧に基づいて検出するとスイッチング素子をオンにする判定制御部と、脈流電圧の電圧瞬時値が高くなるにつれて脈流電圧の瞬時値に対する第1の検出電圧の比を小さくする方向に調節する電圧調節回路とを具備し、前記主回路の出力には放電灯を点灯させる放電灯点灯回路が接続され、前記放電灯点灯回路は前記放電灯の出力を変化させる機能を有し、前記放電灯点灯回路には調光信号が入力され、調光信号に基づいて前記放電灯の出力を変化させるとともに、前記放電灯の出力が所定値以下となる調光信号が入力された場合に前記電圧調節回路が動作することを特徴とする電源装置。
- 前記電圧調節回路は、脈流電圧の電圧瞬時値が所定電圧値以上で動作することを特徴とする請求項1又は2記載の電源装置。
- 前記電圧調節回路は、前記交流電源の実効値の変動が所定電圧値以上で動作することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電源装置。
- 前記電圧調節回路は、第1検出部に設けられたツェナーダイオードよりなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電源装置。
- 前記制御回路は、インダクタの蓄積エネルギーが規定値以下まで放出されたことを第4の検出電圧に基づいて検出した時に、前記第3の検出電圧に所定の電圧が発生しているように調節する第2の電圧調節回路を具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電源装置。
- 前記第2の電圧調節回路は、直流電圧を重畳させる電圧源と、前記電圧源と前記第3検出部との間に設けられた抵抗よりなることを特徴とする請求項6記載の電源装置。
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