JP4059519B1 - バリアーフリー横断歩道トンネルを備えた道路構造およびその建造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】約2.5m以下の高さの横断歩道トンネル14が形成されたプレキャスト・コンクリート製の筒型筺体を車道10の旧路盤上に据え付け、前記筺体の道路長さ方向両側において前記旧路盤上に斜路24を形成し、これらの斜路24と前記筺体とで高架道26を形成する。高架道26は横断歩道トンネル14に対して立体交差しているので、歩行者等は自動車による危険に曝されることなく安全・安心して車道を横断することができる。横断歩道トンネルの床面22は道路沿いの歩道12と同レベルなので、車椅子利用者でも段差等の障碍に出会うことなく車道を横断することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、また、既存の道路を改造してバリアーフリー横断歩道トンネルを備えた道路構造を建設する方法に関する。
これらの問題は車道に対して横断歩道を立体交差させることにより解決することができる。このための従来の典型的なやり方は、車道の上空に横断歩道橋を設け、横断歩行者をしてこの歩道橋を渡らせるようにすることである。
この場合、歩行者が歩道から高い歩道橋に上り降りするのを可能にするため、歩道橋の両端には一般に階段が接続される。大型車両の通行を可能にするため歩道橋の桁下には法令上所定の高さ(4.5m)が必要とされるので、階段による上り降りも同等の高さにわたって行わなければならない。
健常者にとっても、長い昇降用階段を昇り降りするのは迂遠でありかつ面倒である。
更に、自転車に乗っている場合には、自転車を押しながら或いは自転車を担いで階段を昇り降りして横断歩道橋を渡るのは不可能でないまでもかなり困難である。
そこで、横断歩道橋を利用しないで、徒歩で或いは自転車に乗って無理に車道を横切ろうとすることが多く、交通事故の一因となっている。
しかしながら、エレベータの設置には厖大なコストがかゝると共に、停電時や地震時にはエレベータのケージ内に人が閉じ込められるおそれがある。
本発明の他の目的は、低コストで建設可能な、バリアーフリー横断歩道を備えた道路構造を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、通行止めのような通行規制を最小限にしながら、最小限の工期およびコストで、既存の道路にバリアーフリー横断歩道を備えた道路を建設することの可能な方法を提供することにある。
前記車道をその全幅にわたって横切るべく前記車道の旧路盤上に据え付けたプレキャスト・コンクリート製の横断歩道トンネル形成用筒型筺体であって、その内側に前記一対の路側歩道を互いに接続する約2.5m以下の限られた高さの横断歩道トンネルが形成されたものと、
前記筒型筺体の道路長さ方向両側において前記車道の旧路盤上に形成され、前記筒型筺体の頂部に向かって上向きに傾斜した一対の斜路とを備え、
前記横断歩道トンネルの床面を前記路側歩道の路面のレベルとほぼ同じレベルに配置することにより、歩行者等が実質的に段差のような障碍に出会うことなく横断歩道トンネルを通って車道を横断することを可能にすると共に、
前記一対の斜路と筒型筺体の頂面とで横断歩道トンネルに対して立体交差する高架道を形成することにより、歩行者等が車道を走行する自動車による危険に曝されることなく横断歩道トンネルを通って車道を横断することを可能にしたことを特徴とするものである。
従って、本発明のバリアーフリー横断歩道トンネルを備えた道路は、特に車椅子利用者の福祉に大いに貢献することができると共に、乳母車を押した人々や自転車を伴った人々や歩行困難な人々にとっても非常にユーザーフレンドリーである。
従って、本発明のバリアーフリー横断歩道トンネルを備えた道路は、あらゆる歩行者にとってユーザーフレンドリーであると共に、横断歩行者や自転車に乗った人々の交通事故を完全に防止し、安全を保障することができる。
本発明に従い横断歩道トンネルを跨いで斜路からなる高架道を設けると、高架道の擁壁に面する施設から車道に出入りしようとする車両は車道沿いの路側歩道などを利用して高架道を迂回しなければならないという不便が生じるが、このように横断歩道トンネルの高さを必要最小限にすれば高架道の全長を最小限にすることができ、高架道に面する敷地が被る不便を最小限にすることができる。
横断歩道トンネル形成用筺体の高さを約3m、斜路の勾配を約8%にした場合には、各斜路の長さを約40m弱に制限することができ、高架道の全長を約80m程度に抑えることができる。
1)車道における車両の通行を実質的に許容しながら、前記斜路のための一対の外側擁壁を形成すると共に、前記一対の外側擁壁の中間に中央擁壁を形成し、
2)車道の一部車線を通行止めにしながら、かつ、他の車線の通行を許容しながら、当該一部車線の旧路盤上に、当該一部車線の横幅とほぼ同一の横断方向総幅を有する第1のプレキャスト・コンクリート製の横断歩道トンネル形成用筒型筐体をその横断歩道トンネルの床面が前記路側歩道の路面とほぼ同レベルになるように車道横断方向に設置し、
3)前記一部車線を通行止めにしながら、かつ、他の車線の通行を許容しながら、一方の外側擁壁と中央擁壁との間において当該一部車線の旧路盤上に盛土をすることにより、前記筒型筐体の道路長さ方向両側に前記一対の斜路を形成して、車両の当該一部車線の通行を可能にし、
4)斯く通行可能にした前記一部車線の通行を許容しながら、かつ、車道の他の車線を通行止めにしながら、前記第1の筒型筐体に整列かつ隣接させて、前記他の車線の旧路盤上に、前記他の車線の横幅とほぼ同一の横断方向総幅を有する第2の横断歩道トンネル形成用筒型筐体をそのトンネル床面が前記路側歩道の路面とほぼ同レベルになるように設置し、
5)前記一部車線の車両通行を許容しながら、かつ、他の車線を通行止めにしながら、他方の外側擁壁と中央擁壁との間において前記他の車線の旧路盤上に盛土をすることにより、前記第2の筒型筐体の道路長さ方向両側に斜路を形成することを特徴とする。
また、旧路盤の掘り起こしをすることなく、旧路盤を利用し、プレキャストされた横断歩道トンネル形成用ボックスカルバートを現場に搬入して旧路盤上に設置すると共に、斜路を形成する盛土も旧路盤上に行うので、工期を短縮することができ、建設コストを抑制することができる。
そこで、好ましくは、横断歩道トンネル形成用ボックスカルバートの搬入・設置および盛土に先立って、工事すべき車線の通行を全面的に若しくは少なくとも部分的に許容しながら、現場打ちコンクリートにより斜路の外側擁壁を形成し、所望期間コンクリートの養生をする。
このように、通行止めをすることなく現場打ちコンクリートにより予め斜路の外側擁壁を形成し、必要な期間だけ現場打ちコンクリートの養生をしておけば、ボックスカルバートの搬入・設置および盛土の時だけ工事中の車線を通行止めをすれば足り、通行規制を最小限にすることができる。
ボックスカルバートの搬入・設置および盛土のための通行止めは2昼夜以内に終えることができる。
車道10の両側には一対の歩道(以下、路側歩道)12が並設してある。路側歩道12の路面のレベルをグランドレベルと定義する。
車道10を横切って片側の路側歩道12と反対側の路側歩道12とを連絡するべく横断歩道トンネル14が設けてある。
図1および図2(C)から分かるように、横断歩道トンネル14の床面22は路側歩道12の路面と同レベルに配置してある。従って、歩行者は段差のような障碍に出会うことなく横断歩道トンネル14を通って車道10を横断することができる。
図2(B)に示したように幅狭のボックスカルバート20を2列に並べることにより2本の横断歩道トンネル14を形成し、夫々のトンネル14を一方通行にしてもよい。このようにボックスカルバート20を2列に並べた場合には対荷重強度が増強される。
高架道26は横断歩道トンネル14に対して立体交差関係にあるので、歩行者等は車道10を走行する自動車による危険および脅迫に曝されることなく、安心して横断歩道トンネル14を通って、安全に車道を横断することができる。
斜路24の建造に先立って、図3(A)および図6(A)に示したように、先ず、斜路24の外側擁壁30を現場打ちコンクリートにより形成し、例えば約1週間コンクリートの養生をする。通行規制を最小限にし、交通渋滞を回避するため、擁壁30の基礎部の掘削、鉄筋工事、型枠施工、コンクリートの現場打ちおよび養生は、図3(A)に示したように全四車線の通行を許容しながら行うのが好ましい。或いは、図示しないが、現場の状況次第では、これらの工程は1車線のみを通行止めにし他の3車線の通行を許容しながら行ってもよい。いづれの場合にも、交通渋滞を回避するため、外側擁壁30は片側づつ施工するのが好ましい。
現場打ちコンクリートに代えて、この中央擁壁36は、図3(B)に示したようなL字形ブロックによって形成してもよいし、図4(B)に示したように、フレキシブル・コンテナー・バッグに土砂を充填した土嚢によって形成してもよい。或いは、図示しないが、中央擁壁36は鋼矢板や柱列杭を打ち込むことによって形成することもできる。
盛土は例えば厚さ25cm毎に充分転圧しながら行うのが好ましい。
斜路24の土砂を転圧した後、図4(C)に示したように、斜路24とボックスカルバート20の上面に舗装32を施すと共に、ガードレール支柱40にガードレールを固定すれば、左側2車線の高架道26が完成し、車両通行が可能となる。
そして、図5(A)に示したように右外側擁壁30と中央擁壁36との間に土砂を搬入して転圧しながら盛土をすることにより右側2車線の斜路24を形成する。
右側2車線の斜路24の盛土が完了し、図5(B)に示したように舗装32を施し、ガードレールを固定すれば、工事が完了し、全4車線の高架道の車両通行が可能になる。
12: 歩道(路側歩道)
14: 横断歩道トンネル
16: 旧路盤
18: 横断歩道トンネル形成用筺体
20: ボックスカルバート
22: 横断歩道トンネルの床面
24: 斜路
26: 高架道
30: 斜路の擁壁
37: 盛土
発明者 新谷 大
新谷 博
黒石 冨三
永野 正彦
新谷 茂
特許出願人 月灘建設株式会社
新成商事有限会社
代理人 弁理士 伊藤 宏
Claims (6)
- 車道とその両側方に並設された一対の路側歩道とを備えた既存の道路上に、前記一対の路側歩道を互いに接続するバリアーフリー横断歩道トンネルと、前記横断歩道トンネルの道路長さ方向両側に配置された一対の斜路を有し前記横断歩道トンネルに対して立体交差する高架道、とを備えた道路構造を建設する方法であって、
1)車道における車両の通行を実質的に許容しながら、前記斜路のための一対の外側擁壁(30、30)を形成すると共に、前記一対の外側擁壁の中間に中央擁壁(36)を形成し、
2)車道の一部車線を通行止めにしながら、かつ、他の車線の通行を許容しながら、当該一部車線の旧路盤上に、当該一部車線の横幅とほぼ同一の横断方向総幅を有する第1のプレキャスト・コンクリート製の横断歩道トンネル形成用筒型筐体をその横断歩道トンネルの床面が前記路側歩道の路面とほぼ同レベルになるように車道横断方向に設置し、
3)前記一部車線を通行止めにしながら、かつ、他の車線の通行を許容しながら、一方の外側擁壁(30)と中央擁壁(36)との間において当該一部車線の旧路盤上に盛土(37)をすることにより、前記筒型筐体の道路長さ方向両側に前記一対の斜路を形成して、車両の当該一部車線の通行を可能にし、
4)斯く通行可能にした前記一部車線の通行を許容しながら、かつ、車道の他の車線を通行止めにしながら、前記第1の筒型筐体に整列かつ隣接させて、前記他の車線の旧路盤上に、前記他の車線の横幅とほぼ同一の横断方向総幅を有する第2の横断歩道トンネル形成用筒型筐体をそのトンネル床面が前記路側歩道の路面とほぼ同レベルになるように設置し、
5)前記一部車線の車両通行を許容しながら、かつ、他の車線を通行止めにしながら、他方の外側擁壁(30)と中央擁壁(36)との間において前記他の車線の旧路盤上に盛土(37)をすることにより、前記第2の筒型筐体の道路長さ方向両側に斜路を形成することを特徴とする方法。 - 斜路の前記外側擁壁(30、30)及び/又は中央擁壁(36)は車道上の車両の通行を許容しながら現場打ちコンクリートにより形成し、所望期間コンクリートの養生をすることを特徴とする請求項1に基づく方法。
- 前記中央擁壁(36)は車道上の車両の通行を許容しながら土嚢により形成することを特徴とする請求項1又は2に基づく方法。
- 前記中央擁壁(36)は車道上の車両の通行を許容しながら鋼矢板及び/又は柱列杭により形成することを特徴とする請求項1又は2に基づく方法。
- 前記工程2)〜5)を2昼夜以内に終えることにより車両の通行規制を最小限にすることを特徴とする請求項1から4のいづれかに基づく方法。
- 前記横断歩道トンネルの高さは2.0〜2.3mであり、前記高架道の全長は80m以下、好ましくは約60mであることを特徴とする請求項1から5のいづれかに基づく方法。
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