JP4059304B2 - N−ビニルピロリドンの晶出による精製方法 - Google Patents

N−ビニルピロリドンの晶出による精製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、N−ビニルピロリドンの晶出による精製方法に関する。ビニルピロリドンの重合体は、化粧製品に、また薬品、食品産業分野において広く使用されている。
【0002】
ピロリドンをアセチレンでビニル化することによりN−ビニルピロリドンを製造する場合、合成、蒸留を終えて得られる生成物は、不純物として1から10重量%のピロリドンと、ppmオーダの窒素化合物、ビニルエーテル化合物を含有する。上述した用途においては、全量で0.1重量%以上の不純物を製品中に含有することは許されない。さらに、ある種の窒素化合物は、製品に容認し得ない程度の着色をもたらし、また重合に際して問題を惹起する。
【0003】
【従来技術】
不純なN−ビニルピロリドン生成物から窒素化合物とビニルエーテル化合物を除去し得ること自体は知られているが、これには高額のコストが必要である。西独特願公開3736603号(BASF社)公報は、酸性イオン交換体で不純物を除去する方法を開示している。また米国特許5329021号(ISP社)明細書には、多段分別結晶法によりN−ビニルピロリドンを精製する方法が記載されている。
【0004】
しかしながら、この米国特許による分別晶出法は、各晶出段階の精製作用が不充分である点において欠点がある。この米国特許方法において、精製されるべきビニルピロリドンは、その融点より約1℃から5℃低い温度に冷却されている第1精製段階に導入され、ここでN−ビニルピロリドン結晶相と液状残渣相がもたらされる。次いで、これら両相は分離され、結晶相は、結晶が液状化(溶融体化)する温度まで加熱され、溶融体はさらに次の晶出段階に移送される。この場合の欠点は、溶融体が過度に冷却されて晶出し、無制御状態の結晶成長を誘起し、精製作用を阻害することである。
【0005】
さらに、この米国特許明細書に記載されているストリッピング段階に関連して、以下に述べる理由から、装置に高コストを掛けないと、特定の収率を達成し得ない。すなわち、ことに記載されている方法は、周知の向流原理に基ずくものであって、各晶出段階において、結晶を晶出残渣から分離し、各結晶流を次の高位段階に導入し、各晶出残渣流を次の低位段階に導入する。この場合、精製されるべき導入流(結晶流)は、各晶出段階を、精製段階とストリッピング段階に区分する。多段相晶出システムと云っても、一般的には単一装置で処理されるから、各晶出段階の間に、緩衝タンクが必要になる。このことは、分離段階の段数が増大するにつれて処理装置のコストも増大することを意味する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この分野の技術的課題ないし本発明の目的は、N−ビニルピロリドンを精製するための分別晶出方法を改善して、精製のコスト、従って精製の経済性に関して、従来の公知方法にくらべて明確な利点をもたらすことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
しかるに、この課題ないし目的は、晶出処理の間に結晶が成長する晶出器表面を、晶出処理開始前に、全晶出段階の晶出器表面に、N−ビニルピロリドンと、これに浮懸させたN−ビニルピロリドン結晶から成る2相懸濁液を種晶層として施こすことにより、解決ないし達成され得ることが本発明者らにより見出された。
【0008】
従って、本発明は、晶出処理の間に結晶が成長する晶出器表面を、晶出処理開始前に、当該晶出器表面に、N−ビニルピロリドンと、これに浮懸させたN−ビニルピロリドン結晶から成る2相懸濁液を種晶層として施こすことにより、N−ビニルピロリドンの種晶層で被覆することを特徴とする、N−ビニルピロリドンの晶出による精製方法に関する。
【0009】
本発明方法に使用される流出器に関しては特別の制約は存在しない。しかしながら、本発明方法の実施にことに適当であることが実証されているのは、晶出処理の間、冷却された表面で結晶形成を行なうことを作用の基礎とする晶出器(冷却式晶出器)である。このような晶出器は、西独特許2606364号、同1769123号、ヨーロッパ特許218545号、同323377号、スイス国特許645278号、仏国特許2668946号、米国特許3597164号公報ないし明細書に記載されている。
【0010】
本発明方法によれば、N−ビニルピロリドンの種晶層は、晶出処理開始前に、結晶が形成される個所ないし表面に施こされる。本発明方法において、種晶層を形成する適当な方法自体について特別な制約は存在しないが、この種晶層形成には、N−ビニルピロリドン溶融体もしくはN−ビニルピロリドン溶液を使用することができる。以下において、N−ビニルピロリドン溶融体もしくは単に溶融体なる用語が使用されている場合、これはN−ビニルピロリドン溶液を併わせて意味するものと了解され度い。本発明の好ましい実施態様において、この種晶層は、上述した晶出器の関連個所ないし表面に施こされたN−ビニルピロリドン溶融体フィルムの凍結ないし固化により形成される。このためには、晶出器表面に過冷却をもたらすのが好ましい。本発明の他の好ましい実施態様では、この種晶層は、N−ビニルピロリドン溶融体と、これに浮懸されたN−ビニルピロリドン結晶とから成る2相層を晶出器表面に形成することにより形成される。この実施態様は、単相の液状種晶層を凍結、固化させるのと異なり、強烈な冷却を必要としない利点を有する。浮懸結晶自体が結晶核として作用するからである。この場合の冷却温度は、使用される2相液(懸濁液)の平衡点(融点)であるのが好ましい。
【0011】
2相懸濁液の調製に関しても、特別の制約は存在しない。本発明の好ましい実施態様において、分離されるべき混合物の溶融体から、結晶が凍結、析出され、溶融体中に導入される。すなわち、結晶は、いわゆるスクラッチクーラまたは撹拌器附設容器、ことに掃引式撹拌器により、間接冷却で析出され、冷却壁からスクレーパによりかき落され、懸濁液中に投入されるのが好ましい。また、溶融体ないし溶液を、晶出器自体により、あるいは晶出器ないし他の装置に設けられた冷却可能部材(例えばコールドフィンガー、冷却室または核はタンク)により、直接的に冷却して、この溶融体ないし溶液中で結晶を形成させることにより2相懸濁液を調製することもできる。この方法は、結晶をスクレーパなどにより削り落とす必要がない点において有利である。また冷却可能部材の使用は、晶出器全体を冷却する必要がない点において有利である。あるいはまた、懸濁液を晶出器内または外で調製し、結晶をこの懸濁液から晶出器表面に析出、沈降させ、ここで種晶として作用させることもできる。懸濁液の固体分は、懸濁液1g当たり0gから60gとするのが好ましい。
【0012】
本発明の好ましい実施態様においては、晶出器に懸濁液を導入し、次いでこれを排出することにより、晶出器表面(例えば断面半円形の樋溝状体底面)に懸濁液層を残存、形成させる。次いで、この層を冷却(平衡温度)し、結晶を析出させる。これに対応する処理は、懸濁液を晶出器自体の内部で調製することにより行なわれ得る。さらに、慣用の分配装置(例えばノズル装置)により懸濁液層を晶出器面に施こすこともでき、これによれば懸濁液の排出を伴う導入が回避され得る。
【0013】
本発明の両実施例を通じて、有利に使用される種晶材料は、特定晶出段階から排出される結晶を含有し得る。しかしながら、この種晶材料は、純度の高い、あるいは低い(もちろん高純度の方が好ましいが)他のN−ビニルピロリドンを含有することができる。晶出処理は、上述した種晶層の形成後に開始される。
【0014】
晶出処理方法自体については、特別の制約はなく、またこの分野の技術者に周知である。この処理方法は、例えば米国特許5329021号、西独特許260364号、同1769123号およびヨーロッパ特許475893号の明細書ないし公報に記載されている。種晶層を施こした後、本発明方法において、精製されるべきビニルピロリドンは、溶融体ないし溶液として、平衡温度(融点)まで冷却されている第1精製段階に導入され、N−ビニルピロリドン結晶相と液状残渣層をもたらす。平衡温度は、精製されるべきN−ビニルピロリドンの組成に応じて、+14.4℃から−6℃の範囲内に在る。これら2相は相互に分離され、分離された結晶相は、これを液状化(溶融)させる温度まで加熱され、溶融体はさらに結晶化工程に導入される。残渣相もさらに以下に詳述されるように結晶化工程に導入される。
【0015】
本発明による晶出方法は、単一もしくは複数の晶出段階で行なわれ、晶出段階は、一般的に精製段階とストリッピング段階に区分される。各精製段階およびストリッピング段階で晶出が行なわれるが、精製段階では精製されるべきN−ビニルピロリドンもしくは比較的高純度の結晶が処理され、ストリッピング段階では、比較的低純度の晶出残渣が処理される。精製されるべきN−ビニルピロリドンは、まず第1精製段階に導入され、N−ビニルピロリドンの種晶層が形成された後に、始めて晶出処理が開始される。ここで形成された結晶は、晶出残渣から分離されて、次段階に導入され、ここで同様の処理が反覆される。第1精製段階における晶出残酸は次段の下位(小さい数字)ストリッピング段階に導入され、ここで晶出処理に附される。この処理は、例えば前出の西独特許2606364号、同1769823号、ヨーロッパ特許475893号、米国特許5329021号各公報ないし明細書に記載されているような向流原理に基ずくものである。ここでの結晶流は、次段の高位段階に、晶出残渣流は次段の低位段階にそれぞれ導入される。
【0016】
以下において、本発明方法を実施するため5段階晶出システムを例示的に図示する添附図面を参照して、本発明をさらに具体的に説明する。
【0017】
図1において、精製されるべきN−ビニルピロリドンの流動流(0)は、段階4(第1精製段階)に導入され、晶出処理に付される。この段階から排出される結晶(4.1)は、次の段階(5)(第2精製段階)に導入され、これから排出される流動流(5.1)としての結晶が、目的とする精製N−ビニルピロリドンである。段階(4)の晶出残渣流(4.2)は、ストリッピング段階(3)に導入される。また段階(5)の晶出残渣は、流動流(5.2)として、段階(4)に導入される。このような処理は、他の段階においても同様に行なわれる。すなわち、各段階において、前段からの結晶、後段からの晶出残渣が、それぞれ導入され、流入する。図1から認められるように、導入されるN−ビニルピロリドン流(O)は、晶出段階(1)から(5)の各段階を、精製段階(4)、(5)と、ストリッピング段階(1)から(3)の2群に区分する。本発明方法を実施する場合、晶出処理の開始前に、N−ビニルピロリドンの種晶を、各段の晶出面に施こして種晶層を形成する。
【0018】
本発明方法の好ましい実施態様において、第1晶出段階から流出する晶出残渣の一部はこの段階に返還される。この実施態様が図2に示されている。これには、図1と同様の段階および流動流が示されている。異なる点は上述した晶出残渣の一部分の返還である。晶出残渣(1.2)は、第1晶出段階(ストリッピング段階(1)から排出されるが、その一部分は、流動流(1.3)として、この段階に返還される。この晶出残渣流(1.2)と(1.3)の割合(返還流割合)は、晶出の目的に応じて、0から1.0の範囲内において相違する。
【0019】
この第1晶出段階を離れる晶出残渣流と、この段階に返還される晶出残渣流の割合(返還流割合)は0.1から0.95の範囲にするのが好ましい。晶出段階、従って精製段階およびストリッピング段階の段数も、分離、精製の目的に応じて相違するべきであるが、これはこの分野の技術者による慣用の事前テストが簡単に決定され得る。ただし、いかなる場合にも、少くとも1段の精製段階を含めて、少くとも1段の晶出段階を具備するべきことは当然である。少くとも2段の精製段階と、1段のストリッピング段階を具備するのが好ましい。
【0020】
本発明方法により精製されるべきN−ビニルピロリドンには制約がない。すなわち、いかなるN−ビニルピロリドンでも、本発明方法により晶出、精製され得るが、ことにピロリドンをアセチレンでビニル化して得られるN−ビニルピロリドンがことに本発明方法による処理に適する。晶出処理は、動態的または静態的処理あるいはこれらの併用処理のいずれでもよいが、ストリッピング段階においては静態的処理が好ましい。例えば米国特許3597164号明細書、ヨーロッパ特許323377号公報、仏国特許2668946号公報に記載されている静態的処理においては、液相は自然的対流により撹拌されるだけであるが、動態的処理においては、晶出は液相の強制対流下に行なわれ、溶融体は流動せしめられる。これは、例えば西独特願公告1769123号公報、ヨーロッパ特願公告218545号公報に記載されているように、冷却壁面に溶融体落下薄層を形成することにより、あるいは西独特許2606364号公報に記載されているように、完全流動が行なわれる熱交換器中にこれを強制導入することにより生起せしめられる。
【0021】
本発明方法を実施した後に、追加的精製処理してもよい。ことに、西独特許3708709号公報に記載されているように、結晶層を洗浄液、例えば前段晶出処理の残渣液(母液)で洗浄し、かつ/または結晶層をいわゆるスウェティング処理(発汗)処理するのが好ましい。このスウェティング処理は、結晶層の温度を上昇させることにより、結晶の比較的不純部分をまず溶融させるので、これにより追加的精製が行なわれ得る。
【0022】
本発明方法により精製されたN−ビニルピロリドンは、100%純度に対して99.5から99.999の高純度を示し、わずかに5000から10ppmの不純物を含有するに止まる。この純度は、前述した食品、薬品産業における基準を充分に満足させるものである。
【0023】
【実施例1】
100重量%のN−ビニルピロリドンに対して、0.6重量%の当初不純物(この不純物濃度は、前述した公知技術を示す米国特許5329021号明細書に記載されている不純物濃度に対応する)を、西独特願(BASF社)公開2606364号公報に記載されている晶出器(2精製段階および4ストリッピング段階を有する)で晶出処理した。処理開始前に、全晶出段階の晶出器表面に、N−ビニルピロリドンと、これに浮懸させたN−ビニルピロリドン結晶から成る2相懸濁液を種晶層として施こした。この種晶層形成のために、各段階ごとに、精製されるべきビニルピロリドン溶融体を晶出器に導入し、この溶融体層を冷却することにより懸濁液層を形成し、次いで装置を空にし、晶出器面上に残存する懸濁液層を凍結して結晶を析出させた。
【0024】
晶出処理の間における各段階の各溶融体の平衡温度は、以下の通りであった。
精製段階5 13.5から12.9℃
精製段階6 13.8から13.6℃
ストリッピング段階1 13.1から12.6℃
ストリッピング段階2 12.5から11.4℃
ストリッピング段階3 11.2から 8.5℃
ストリッピング段階4 8.5から 4.3℃
静態的処理したストリッピング段階4を除いて、他の全段階は動態的に処理した。析出結晶重量の、導入結晶重量に対する割合は、第1精製段階で0.8、第2精製段階で0.75であった。第1精製段階で、すでに結晶中不純物濃度0.102重量%(N−ビニルピロリドン100重量%に対し)が、達成された。この不純物濃度は、上記米国特許の場合(不純物濃度0.4重量%)にくらべてファクタ4低い。この結晶を第2精製段階に導入し、晶出処理を終えて排出された結晶の不純物濃度は190ppmであった。これは上記米国特許における対応する不純物濃度500ppmに対してファクタ2.5低い。
【0025】
すなわち、本発明方法により精製されたN−ビニルピロリドンの不純物含有割合は、同様の精製方法にくらべて、同じ出発条件、同じ晶出段階数、導入溶融体重量に対し、同じ析出結晶重量を測定したにかかわらず、晶出処理開始前に、あらかじめN−ビニルピロリドン種晶層を施こして、ファクタ2.5低下させることができた。このことは、同じ精製結果をもたらすために、精製段階数を減少させ得ること、従って精製所要コストを低減させ得ることを意味する。
【0026】
【実施例2】
本実施例は、第1精製段階において、晶出処理によりもたらされる晶出残渣の排出流中の一部分をこの精製段階に返還することにより、晶出段階数を減少することができ、従ってN−ビニルピロリドン精製コストをさらに低減し得ることを実証する。実施例1と同様に、晶出処理開始前に2相のN−ビニルピロリドン種晶層を施こし、100重量%のN−ビニルピロリドンに対して0.8重量%の不純物を含有するN−ビニルピロリドンを同じく多段晶出処理に附した。
【0027】
晶出段階数は、下表に示されるように、精製段階およびストリッピング段階の総数に対応する。各段階における溶融体の平衡温度も下表に示される。
【0028】
【表1】
Figure 0004059304
【0029】
すべての実験例を通じて、第2精製段階において、不純物100ppm以下の結晶が得られた。第2精製段階で得られるN−ビニルピロリドン結晶量の第1精製段階に導入されたN−ビニルピロリドン量の割合、すなわち精製収率は少くとも0.90であった。またそれぞれの段階における析出結晶量の、その段階における導入結晶量に対する量割合は、すべての実験例を通じて0.65であった。
【0030】
下表は、返還量割合(第1晶出段階でもたらされる晶出残渣排出流のこの段階への返還量割合)に対応して、段階数を5から3に減少し得ることを示している。この場合、第1精製段階は第1ストリッピング段階に対応する。
【0031】
【表2】
Figure 0004059304
この表から明らかなように、本発明方法によれば、収率を低減させることなく、また生成結晶の純度を阻害することなく、返還割合0.6または0.85で、ストリッピング段階段数を減少させ得る。
【0032】
従って、本発明により達成され得る利点は、N−ビニルピロリドン精製のための装置コストおよびエネルギーを著しく低減させ得ることである。これは、個々的な生成物の要求基準、必要とされる収率および精製段階数を達成するために必要なストリッピング段階の段数についても該当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を実施するために使用される5段階晶出システムのフローチャートである。
【図2】 上記システムと若干異なる態様の、同じく5段階晶出システムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
0‥‥‥‥‥‥精製されるべきN−ビニルピロリドン流動流
1、2、3、4、5‥‥‥各晶出段階
1、2、3‥‥ストリッピング段階
4、5‥‥‥‥精製段階
1.1‥‥‥‥(晶出段階1の)晶出結晶排出流
1.2‥‥‥‥(晶出段階1の)晶出残渣排出流
1.3‥‥‥‥(上記排出流中の)還流部分
2.1‥‥‥‥晶出段階2からの結晶流
2.2‥‥‥‥晶出段階2からの晶出残渣流
3.1‥‥‥‥晶出段階3からの結晶流
3.2‥‥‥‥晶出段階3からの晶出残渣流
4.1‥‥‥‥晶出段階4からの結晶流
4.2‥‥‥‥晶出段階4からの晶出残渣流
5.1‥‥‥‥晶出段階5からの結晶流
5.2‥‥‥‥晶出段階5からの晶出残渣流

Claims (1)

  1. 晶出処理の間に結晶が成長する晶出器表面を、晶出処理開始前に、当該晶出器表面に、N−ビニルピロリドンと、これに浮懸させたN−ビニルピロリドン結晶から成る2相懸濁液を種晶層として施こすことにより、N−ビニルピロリドンの種晶層で被覆することを特徴とする、N−ビニルピロリドンの晶出による精製方法。
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