JPH09176055A - 結晶性物質の精製方法 - Google Patents

結晶性物質の精製方法

Info

Publication number
JPH09176055A
JPH09176055A JP33934295A JP33934295A JPH09176055A JP H09176055 A JPH09176055 A JP H09176055A JP 33934295 A JP33934295 A JP 33934295A JP 33934295 A JP33934295 A JP 33934295A JP H09176055 A JPH09176055 A JP H09176055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
specific substance
crystals
concentration
dmn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP33934295A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Nagaoka
浩一 永岡
Koji Yamamoto
浩司 山本
Keiko Moriya
圭子 守屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP33934295A priority Critical patent/JPH09176055A/ja
Priority to PCT/JP1996/003669 priority patent/WO1997024303A1/ja
Publication of JPH09176055A publication Critical patent/JPH09176055A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B63/00Purification; Separation; Stabilisation; Use of additives

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 目的物質の含有率が比較的低く、しかも該目
的物質と固溶体を形成し、あるいは該目的物質と溶解度
や融解温度の近接した不純物が含まれている原料混合物
からでも、高純度の目的物質を簡単な操作で効率よく得
ることのできる精製法を提供すること。 【解決手段】 特定物質を含む原料混合物から該特定物
質を精製する方法で、(1)液状もしくは該特定物質が
一部晶出したスラリー状の上記原料混合物を高圧力下の
晶析操作に付し、高圧力下で結晶を析出させると共に、
生成した結晶を圧力容器内で沈降させ、(2)圧力容器
内の圧力を低下させ、沈降した結晶の全部もしくは大部
分を溶解させることによって、圧力容器の下方部に特定
物質濃度の高い液相またはスラリーを形成し、その後
(3)圧力容器内の圧力を高め、上記下方部で該特定物
質を晶出させてから、母液を圧力容器外へ排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性の特定物質
を含む混合物から該特定物質を高収率且つ高純度で得る
ことのできる精製方法に関し、この方法は、たとえば石
炭や石油留分として得られ、あるいはナフタレンへのメ
チル基の付加もしくは炭化水素の環化反応等によって得
られるジメチルナフタレン異性体を含む混合物から、高
純度の2,6−ジメチルナフタレンを得る方法などとし
て有効に活用することができる。
【0002】
【従来の技術】特定物質を含む混合物から該特定物質を
分離して精製する方法としては、従来より沸点差を利用
した蒸留法、温度による溶剤への溶解度差を利用した冷
却晶析法等が汎用されており、また最近では、圧力差を
利用した圧力晶析法等も提案されている。しかしながら
何れの方法にしても、特定物質濃度の低い原料混合物か
ら特定物質を一段の処理で高純度かつ高収率に精製する
ことは困難であり、通常は、比較的低濃度の原料混合物
を複数段の処理に付して逐次特定物質濃度を高めていく
方法を採用しているが、特に特定物質と固溶体を形成し
たり或は物性(沸点や溶剤に対する溶解度など)の近似
した他の物質が含まれている場合は、特定物質の濃縮乃
至精製に様々の問題が生じてくる。
【0003】例えば2,6−ジメチルナフタレン(以
下、ジメチルナフタレンをDMNと略記する)の精製す
る場合を例にとって説明すると、2,6−DMNは、石
炭留分や石油留分から蒸留等によって濃縮するか、或は
ナフタレンへのメチル基の付加反応、炭化水素の環化反
応等によって得られるが、いずれも複数のDMN異性体
を含む混合物として得られる。DMNは10種の異性体
を有しており、それら異性体の沸点は互いに近接してい
るので、分別蒸留による濃縮にはおのずと限界があり、
2,6−DMNとしての濃度で10〜40%程度にまで
しか高めることができない。
【0004】また本出願人は2,6−DMNの効率的な
精製法として先に圧力晶析法(特開昭63−27552
8号)を提案したが、この方法を効率よく実施するに
は、原料混合物としての2,6−DMN濃度が50%程
度以上でなければならず、2,6−DMN濃度が10〜
40%である通常の原料混合物を該圧力晶析にかけて
も、高純度の2,6−DMNを得ることは難しい。
【0005】また本発明者等が確認したところでは、上
記混合物からの2,6−DMNの精製が困難である他の
理由として、他のDMN異性体の一部が2,6−DMN
と固溶体を形成して晶出し、それにより2,6−DMN
晶出物から抜け難くなることが確認された。即ち、2,
6−DMNが他のDMN異性体と全く固溶体を作らず、
しかも2,6ーDMNが晶析処理により純物質として析
出するとするならば、2,6−DMN晶出物の表面に母
液と共に付着しているDMN異性体を含めて不純物は全
て母液中に存在するはずであり、従って原料混合物中の
各不純物(DMN異性体)の含有比率と、2,6−DM
N晶出物の表面に母液と共に付着し混入してくる不純物
(DMN異性)の含有比率とは、全てのDMN異性体に
ついて同一であるはずである。ところが、冷却晶析によ
って得られた結果は下記表1の通りとなる。
【0006】
【表1】
【0007】即ち、DMN異性体のうち2,7−DMN
と2,3−DMNは、他のDMN異性体よりも高い比率
で晶出結晶中に混入してきており、この結果より、2,
7−DMNや2,3−DMNは他のDMN異性体よりも
2,6−DMNと固溶体を形成する可能性が高く、不純
物としての晶出除去が困難になるものと考えられる。こ
うした傾向を有する他の不純物として、2−メチルナフ
タレンも2,6−DMNと固溶体を形成する可能性が高
いことが確認されている。
【0008】上記の様に、固溶体を形成する不純物を含
む混合物から特定物質を高純度で得る方法として、本出
願人は圧力晶析法が有効であることを提案した(特公昭
61−61842号)。この方法は、例えば図2にフロ
ー図を示す如く、まずの工程で原料混合物を高圧に加
圧して特定物質を晶出させ、の工程で固液分離した後
発汗処理を行ない、特定物質の表面に晶出して付着した
不純物あるいはその表面に付着した母液を洗い流し、得
られた結晶をの工程で一旦減圧して融解させた後、
の工程で再度加圧し再結晶させて高純度化し、液相を分
離除去することによって高純度の目的物質を結晶として
得るものである。
【0009】即ち圧力晶析では、加圧して結晶化させた
後、分離工程で減圧・発汗(この工程では、減圧時に目
的物質の結晶が一部融解し、不純物を洗い流して目的物
質の純度が高められる)を行なう際に、固溶体を形成し
た不純物濃度の高い結晶から優先的に融解するので、そ
の融液を除去することによって目的物質の純度が高めら
れ、またその後に系を一旦減圧して結晶を融解させてか
ら再加圧してやれば、新たに析出する結晶は一層不純物
濃度の低いものとなり、目的物質を高純度の結晶として
得ることができるのである。
【0010】しかしながらこの方法は、処理対象となる
原料混合物中の特定物質含有率が高い、即ち比較的高濃
度であるときは、加圧による温度上昇が大きいため分離
時の融解・発汗作用もより効果的に行なわれるため高い
精製効率が得られるが、原料混合物中の特定物質含有率
が低く、即ち低濃度であるときは加圧による温度上昇が
小さいので、発汗による純度アップは期待されるほどに
進まない。
【0011】たとえば下記表2は、特定物質が2,6−
DMNであるDMN混合物を対象とし、濃度の異なる混
合物を断熱処理(各濃度とも、大気圧下で原料混合物中
の固体の比率が10%の温度から1500kg/cm2
に加圧)したときの温度変化を示したものである。
【0012】
【表2】
【0013】即ち濃度70%の原料混合物であれば、加
圧によって40℃の温度上昇があり、その後の降圧によ
り結晶の約20%が融解するため、発汗による精製効果
は十分に高められる。ところが原料混合物の濃度が30
%であるときの加圧による温度上昇は約20℃に過ぎ
ず、この温度差では結晶の約2%しか融解せず、発汗効
果は濃度70%のものの約1/10であるから、固溶体
を生成する不純物等を発汗によって十分に除去すること
はできない。
【0014】この様に、たとえ圧力晶析法を採用したと
しても、原料混合物中の特定物質濃度が低く且つ固溶体
を生成する不純物成分が多く含まれているものでは、発
汗による精製効率が十分に上がらない。こうした傾向
は、原料混合物中に目的物質に対して溶解度や融解温度
の近接した不純物成分が含まれている場合も同じであ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な従
来技術の問題点に着目してなされたものであって、その
目的は、目的物質の含有率が比較的低く、しかも該目的
物質と固溶体を形成し、あるいは該目的物質と溶解度や
融解温度の近接した不純物が含まれている原料混合物か
らでも、高純度の目的物質を簡単な操作で効率よく得る
ことのできる精製法を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る結晶性物質の精製方法は、特定物
質を含む原料混合物から該特定物質を高圧力下の晶析操
作に付して精製するに当たり、(1)液状もしくは該特
定物質が一部晶出したスラリー状の上記原料混合物を高
圧力下の晶析操作に付し、高圧力下で結晶を析出させる
と共に、生成した結晶を圧力容器内で沈降させる工程
(2)圧力容器内の圧力を低下させ、沈降した結晶の全
部もしくは大部分を溶解させることによって、圧力容器
の下方部に特定物質濃度の高い液相またはスラリーを形
成する工程、(3)圧力容器内の圧力を高め、上記下方
部で該特定物質を晶出させてから、母液を圧力容器外へ
排出させる工程、を実施するところにその特徴を有して
いる。
【0017】そしてこの精製方法は、原料混合物中に精
製目的となる特定物質と共に該特定物質と固溶体を形成
する不純物質が含まれているときの該特定物質の精製に
極めて有効に活用することができ、具体的には、DMN
異性体を含む原料混合物から2,6−DMNを分離・精
製する方法等として有用である。
【0018】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明で採用される精
製方法は、基本的に圧力晶析法を採用する点で従来の精
製法と共通しているが、特に特定物質濃度が低く且つ固
溶体を生成する不純物を相当量含んでいる様な原料混合
物から、特定物質を効率よく精製するための手段とし
て、圧力晶析時の圧力操作を2段階に分け、圧力容器内
で特定物質の高濃度相を形成してから該高濃度相で特定
物質の加圧による結晶化を行ない、それにより高純度の
特定物質を効率よく得ることに成功したものである。
【0019】図1は、本発明に係る精製法を実施する際
の概略工程説明図であり、まず最初に(a)に示す如く
圧力容器1内へ原料混合物Aを装入する。このときの原
料混合物Aは、目的物質が全て溶解した溶液状であって
もよく、あるいは適当な温度まで冷却して特定物質の一
部を晶出させたスラリー状であっても構わない。次いで
(b)に示す如く圧力容器1内を昇圧すると、溶解して
いた特定物質が容器1内の全域で晶出する。そしてこの
時の圧力を維持した状態で放置すると、(c)に示す如
く圧力容器1内に晶出した結晶はそれ自身の重力によっ
て該容器1の下方に沈降し、沈降した該結晶Cには、精
製目的である特定物質と固溶体を形成する不純物が相当
量含まれているが、不純物の殆どは液状のままの上澄部
Sに含まれている。
【0020】その後(d)に示す如く圧力容器1内を降
圧すると、下方に沈降した結晶Cが融解し、下方部には
特定物質濃度の高い液相SC が形成され、不純物濃度の
高い上方の上澄部Sとの間で特定物質濃度の異なる2相
状態が形成される。その後再び圧力容器1内を昇圧する
と、今度は(e)に示す如く特定物質濃度の高い液相S
C 内で特定物質が晶出するが、該晶出系は前述の如く原
料混合物に比べて特定物質濃度が大幅に高められ、不純
物の濃度が低下しているので、晶出する結晶C S は前記
(c)の工程で晶出した結晶Cに比べて特定物質純度の
非常に高いものとなる。従ってこの状態から液相を圧力
容器1外へ排出すると共に、圧搾して結晶周辺に付着し
ている母液を十分に除去すると、高純度の目的物質を結
晶ケーキとして取得することができる。
【0021】この母液排出工程で、操作圧力を少し低下
させて発汗処理を行なえば、得られる結晶の純度は一段
と向上する。また、該発汗処理の後で操作圧力を常圧に
まで降下させると該結晶CS は融解するので、容器1外
への排出をより簡単且つスムーズに行なうことができ
る。尚最終の母液排出に当たり、不純物濃度の高い液相
Sは圧力容器1の上方から抜き出すことが望ましい。し
かして、該不純物濃度の高い液相Sを圧力容器1の下方
から抜き出すには、該不純物濃度の高い液相Sが純度の
高められた結晶CS の間を通過せざるを得ず、その結
果、該結晶CS が不純物濃度の高い液相Sにより汚染さ
れるが、上記の様に液相Sを上方側から抜き出す様にす
ればその様な汚染が起こらず、特定物質濃度の高い液相
C から晶出した高純度の結晶CS を高純度のままで回
収することができるからである。
【0022】上記の様に本発明では、加圧晶析の後一旦
結晶を重力沈降させてから融解させることによって特定
物質濃度の高められた液相を形成し、該高濃度域から再
度の加圧晶析によって特定物質を晶出させるものであ
り、こうした手法は、固溶体を形成する混合物系あるい
は結晶化温度・圧力の近接した混合物系から特定物質を
晶出・精製する際に顕著な効果を発揮する。
【0023】即ち、固溶体を作らず、結晶化温度・圧力
の離れた混合物系から特定物質を晶出させる場合は、原
料混合物の濃度の如何にかかわらず加圧・冷却により特
定物質をほぼ純粋な結晶として得ることができるが、前
述の如く固溶体を形成する不純物などが含まれている混
合系では、原料中の特定物質濃度が低くなるほど析出す
る結晶中の不純物含量は多くなる。即ち、一回の晶析操
作でどこまで純度が高められるかは、元の原料混合物の
特定物質濃度に大きく依存し、低濃度の原料混合物から
高純度の結晶を得るには、一旦純度の低い粗結晶を晶出
させて固液分離を行なった後、更に一回以上の晶析と固
液分離を繰り返し行なわなければ、高純度の結晶は得ら
れない。
【0024】ところが本発明では、前述の如く晶析途中
での固液分離を要することなく、第1回目の圧力晶析と
重力沈降および降圧融解によって圧力容器1内に特定物
質の高濃度域を形成し、その後の昇圧により該高濃度域
から特定物質の晶析を行なうことができるので、精製操
作が著しく簡素化されると共に、少なくとも2回の固液
分離による特定物質のロスも抑えられて回収率も高めら
れる。
【0025】また本発明を実施する際には、最終的に高
純度結晶を得る際に発汗処理を行なうことが好ましいこ
とは前述した通りであるが、最終的に容器1内に析出す
る結晶は特定成分濃度の高められた濃縮系から晶出した
ものであって、結晶回りに付着している母液の不純物濃
度は十分に低いので、敢えて発汗処理を行なわなくとも
十分に高純度の結晶を得ることができる。
【0026】尚上記では、本発明の特徴が最も有効に発
揮される「低濃度原料混合物から高純度物への精製」を
主体にして説明したが、元々特定成分濃度が高い原料混
合物に適用すれば、一層高純度の目的物質が得られるこ
とは明白であり、この場合も従来法に比較するとより簡
単な操作でより高純度の目的物を高い回収率で得ること
が可能となる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。尚、下
記において「%」とあるのは「重量%」を意味する。
【0028】2,6−DMN含有率が30%前後で不純
物として他のDMN異性体およびモノメチルナフタレン
(MMN)含む混合物を原料として使用し、図3に示す
方法で圧力晶析を行なった。即ち、内容量20mlの圧
力晶析装置を使用し、圧力容器1a内に原料混合物(試
料)を装入し恒温槽2で等温状態に維持しつつ加圧晶析
を行なった後、排液容器1bとの間に適当な圧力差を設
けフィルターFを通して母液を容器1b側へ分離するこ
ととし、本発明実施例では、加圧晶析の後10分間放置
して晶出した結晶を容器1aの底部に重力沈降させた
後、一旦放圧して結晶を融解させてから再度圧力晶析を
行ない、その後容器1b方向への母液の分離を行なう方
法を採用し、また比較例では、圧力晶析の後、放置およ
び放圧を行なうことなく直ちに圧力差によって母液を容
器1b方向へ分離した。
【0029】実施例1,比較例1 2,6−DMN濃度29.9%の原料混合物を使用し、
本発明法に従って一旦60℃,1000kg/cm2
圧力晶析を行なうことによって粗結晶を晶出させ、10
分間放置して結晶を重力沈降させた後、内圧を200k
g/cm2 にまで下げて殆どの結晶を融解させ(この濃
度の試料は、60℃では150kg/cm2 で完全に融
解する)た後、再度1000kg/cm2 に昇圧して圧
力晶析を行ない、差圧(250kg/cm2 内)により
母液を容器1b方向へ分離した。得られた結晶の純度お
よび不純物混入量、ならびに結晶に含まれる目的物質と
不純物の対原料当たりの含有比率を表3に示す。また比
較のため、上記と同じ原料混合物を使用し、60℃,1
000kg/cm2 の条件で1回だけの圧力晶析を行な
ってから母液を分離した場合の結果を表3に併記した。
【0030】
【表3】
【0031】表3からも明らかである様に、比較例で
は、得られる結晶の2,6−DMN純度は73.2%で
あるのに対し、本発明法ではその純度が81.6%にま
で上昇していることが分かる。
【0032】実施例2,比較例2 2,6−DMN濃度32.5%の原料混合物を使用し、
本発明法に従って一旦60℃,1000kg/cm2
圧力晶析を行なうことによって粗結晶を晶出させ、10
分間放置して結晶を重力沈降させた後、内圧を200k
g/cm2 にまで下げて殆どの結晶を融解させ(この濃
度の試料は、60℃では150kg/cm2 で完全に融
解する)た後、再度1000kg/cm2 に昇圧して圧
力晶析を行ない、差圧(250kg/cm2 内)により
母液を容器1b方向に分離した。得られた結晶の純度お
よび不純物混入量、ならびに結晶に含まれる目的物質と
不純物の対原料当たりの含有比率を表4に示す。また比
較のため、上記と同じ原料混合物を使用し、60℃,1
000kg/cm2 の条件で1回だけの圧力晶析を行な
ってから母液を分離した場合の結果を表4に併記した。
【0033】
【表4】
【0034】表4からも明らかである様に、比較例で
は、得られる結晶の2,6−DMN純度は79.4%で
あるのに対し、本発明法ではその純度が83.8%にま
で上昇している。また、各不純物含有量の対原料比を比
較すると、2,7−DMN、2,3−DMN以外の成分
の数値に大きな差異は認められないが、2,6−DMN
と固溶体を形成する2,7−DMNと2,3−DMNに
ついては、夫々比較例では0.65であるものが実施例
では0.47に低減しており、得られる結晶中の固溶体
形成性不純物の含有量が大幅に減少していることが分か
る。
【0035】実施例3,比較例3 2,6−DMN濃度32.5%の原料混合物を使用し、
本発明法に従って一旦60℃,1000kg/cm2
圧力晶析を行なうことによって粗結晶を晶出させ、10
分間放置して結晶を重力沈降させた後、内圧を200k
g/cm2 にまで下げて殆どの結晶を融解させ(この濃
度の試料は、60℃では150kg/cm2 で完全に融
解する)た後、再度1000kg/cm2 に昇圧して圧
力晶析を行ない、容器1bとの差圧を500kg/cm
2 に高めて母液を容器1b方向へ抜き出し、更に圧力容
器1a内を800kg/cm2 、分離容器1b内を大気
圧に夫々設定してその差圧で結晶隙間の母液を絞り出し
た。得られた結晶の純度および不純物混入量、ならびに
結晶に含まれる目的物質と不純物の対原料当たりの含有
比率を表5に示す。
【0036】また比較のため、上記と同じ原料混合物を
使用し、60℃,1000kg/cm2 の条件で1回だ
けの圧力晶析を行ない、上記と同じ条件で母液の分離と
絞り出しを行なった場合の結果を表5に併記した。
【0037】
【表5】
【0038】表5からも明らかである様に、比較例で
は、得られる結晶の2,6−DMN純度が82.5%で
あるのに対し、本発明法ではその純度が85.9%にま
で上昇している。また、各不純物含有量の対原料比を比
較すると、2,7−DMN、2,3−DMN以外の成分
の数値に大きな差異は認められないが、2,6−DMN
と固溶体を形成する2,7−DMNと2,3−DMNを
比較すると、実施例は比較例に比べて大幅に低減してお
り、固溶体形成性不純物の含有量が大幅に減少している
ことが分かる。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、圧
力晶析により生成した粗結晶を重力沈降させ、次いで降
圧し該結晶を融解させることによって特定成分濃度の高
い液相を形成してから再度の圧力晶析を行なうことによ
り、一回の固液分離で目的物質純度を効果的に高めるこ
とができ、特に精製目的となる特定物質と固溶体を形成
する不純物等を含む原料混合物からでも、該不純物を効
果的に除去することができ、簡単な操作で高い精製効率
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る精製法を例示する概略工程説明図
である。
【図2】従来の濃縮・精製法を示すフロー図である。
【図3】実施例で採用した精製手順を示す概略説明図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 15/24 6958−4H C07C 15/24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定物質を含む原料混合物から該特定物
    質を高圧力下の晶析操作に付して精製するに当たり、 (1)液状もしくは該特定物質が一部晶出したスラリー
    状の上記原料混合物を高圧力下の晶析操作に付し、高圧
    力下で結晶を析出させると共に、生成した結晶を圧力容
    器内で沈降させる工程 (2)圧力容器内の圧力を低下させ、沈降した結晶の全
    部もしくは大部分を溶解させることによって、圧力容器
    の下方部に特定物質濃度の高い液相またはスラリーを形
    成する工程、 (3)圧力容器内の圧力を高め、上記下方部で該特定物
    質を晶出させてから、母液を圧力容器外へ排出させる工
    程、を実施することを特徴とする結晶性物質の精製方
    法。
  2. 【請求項2】 原料混合物中に含まれる不純物が、特定
    物質と固溶体を形成する物質である請求項1に記載の精
    製方法。
  3. 【請求項3】 特定物質が2,6−ジメチルナフタレン
    であり、混合物がジメチルナフタレン異性体を含有する
    ものである請求項1または2に記載の精製方法。
JP33934295A 1995-12-26 1995-12-26 結晶性物質の精製方法 Withdrawn JPH09176055A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33934295A JPH09176055A (ja) 1995-12-26 1995-12-26 結晶性物質の精製方法
PCT/JP1996/003669 WO1997024303A1 (fr) 1995-12-26 1996-12-17 Procede de purification d'une substance cristalline

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33934295A JPH09176055A (ja) 1995-12-26 1995-12-26 結晶性物質の精製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09176055A true JPH09176055A (ja) 1997-07-08

Family

ID=18326549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33934295A Withdrawn JPH09176055A (ja) 1995-12-26 1995-12-26 結晶性物質の精製方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPH09176055A (ja)
WO (1) WO1997024303A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100316139B1 (ko) * 1999-01-15 2001-12-20 박호군 고순도의 2,6-디메틸나프탈렌의 분리 방법
JP2007297364A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Hyosung Corp 2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61157304A (ja) * 1984-12-28 1986-07-17 Kobe Steel Ltd 固溶体系特定物質を相互に分離する方法
JP2524800B2 (ja) * 1988-03-07 1996-08-14 昭和シェル石油株式会社 圧力晶析法によるナフタレンのメチル誘導体の分離方法
JPH02214503A (ja) * 1989-02-13 1990-08-27 Kobe Steel Ltd 冷却晶析・分離方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100316139B1 (ko) * 1999-01-15 2001-12-20 박호군 고순도의 2,6-디메틸나프탈렌의 분리 방법
JP2007297364A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Hyosung Corp 2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO1997024303A1 (fr) 1997-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3029278A (en) Process for separation of phthalic acids
US3370082A (en) Purification of adipodinitrile
JP3648372B2 (ja) テレフタル酸の回収方法
JPH09176055A (ja) 結晶性物質の精製方法
KR100473001B1 (ko) 2,6-디메틸나프탈렌의 제조 방법
US4025573A (en) Separation process
JP2007297364A (ja) 2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法
JPH09176054A (ja) 結晶性物質の精製方法
EP0475836A2 (en) Process for separating 2,7-dimethylnaphthalene under pressure
JPH06200287A (ja) 天然粗ワックスの精製方法
US3462510A (en) Separation of p-xylene from a c8 aromatic hydrocarbon mixture by crystallization
KR20020024334A (ko) 2,6-디메틸나프탈렌의 제조방법
WO2012114144A1 (en) Method for obtaining fluorene by crystallization from the melt
EP0264226B1 (en) Separation process by crystallisation
JPH06234695A (ja) 脂肪酸の精製法
JPH05331079A (ja) 2,6−ジイソプロピルナフタレンの分離精製法
JP2748833B2 (ja) 粗製アントラセンの回収方法
US5382725A (en) Process for the purification of 1,3-dihalobenzene from an isomeric mixture of dihalobenzenes
JP4566302B2 (ja) ベンゾチオフェンの製造方法
US3171855A (en) Separating isomeric menthyl oxalate esters by agitating a crystallizing mixture of said esters
JP2501106B2 (ja) ジメチルフェノ−ルの精製方法
EP0757047B1 (en) Process for crystallizing chroman-I from an impure mixture
US2914586A (en) Method for purifying durene
JPH02202592A (ja) 2‐メチルナフタレンの分離回収方法
CN112142546A (zh) 一种含有反式环己基的有机物分子的分离富集方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030304