JP2748833B2 - 粗製アントラセンの回収方法 - Google Patents
粗製アントラセンの回収方法Info
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- JP2748833B2 JP2748833B2 JP25295093A JP25295093A JP2748833B2 JP 2748833 B2 JP2748833 B2 JP 2748833B2 JP 25295093 A JP25295093 A JP 25295093A JP 25295093 A JP25295093 A JP 25295093A JP 2748833 B2 JP2748833 B2 JP 2748833B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アントラセン油中に含
まれるアントラセンおよびカルバーゾルを粗製アントラ
セン結晶として分離回収する方法に関する。
まれるアントラセンおよびカルバーゾルを粗製アントラ
セン結晶として分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アントラセン油は、コールタールの蒸留
により得られるものであり、アントラセン以外にフェナ
ントレン、カルバゾール、フルオレン等多数の成分が含
有されている。このアントラセン油を冷却し、結晶を析
出させ、遠心分離またはスクリュープレス等により油分
と分別することにより、アントラセンやカルバゾール濃
度の高い、結晶状の粗製アントラセンが回収される。結
晶の晶析温度は60〜70℃程度である。粗製アントラセン
の回収方法は、遠心分離器またはスクリュープレスを用
いる方法が一般的であるが、さらにそれらの改良方法が
開示されている。例えば回収装置における操作性や効率
を改良した例として、特開平4−69349号公報や特開平4
−103544号公報に開示されている方法があげられる。こ
れらの公報には、遠心分離回収においてバスケット周壁
に付着した粗製アントラセンにベンゼンや軽油などの溶
剤を噴射する方法が示されている。そして、それによっ
てアントラセンの純度向上操作が簡便に行え、処理時間
の短縮化が図れるとしている。また、特開昭63−115833
号公報には特定のスクリュープレス回収装置を用いる方
法が開示され、これによってやはり作業性の向上が図れ
るとしている。その他、95%以上のアントラセン結晶を
得る方法が特開平2−199192号公報に、また低コストで
アントラセン油を冷却する方法が特開平1−197450号公
報、あるいは「アロマテックス」第40巻,第3・4号
(1998),p17〜21にそれぞれ記載されている。
により得られるものであり、アントラセン以外にフェナ
ントレン、カルバゾール、フルオレン等多数の成分が含
有されている。このアントラセン油を冷却し、結晶を析
出させ、遠心分離またはスクリュープレス等により油分
と分別することにより、アントラセンやカルバゾール濃
度の高い、結晶状の粗製アントラセンが回収される。結
晶の晶析温度は60〜70℃程度である。粗製アントラセン
の回収方法は、遠心分離器またはスクリュープレスを用
いる方法が一般的であるが、さらにそれらの改良方法が
開示されている。例えば回収装置における操作性や効率
を改良した例として、特開平4−69349号公報や特開平4
−103544号公報に開示されている方法があげられる。こ
れらの公報には、遠心分離回収においてバスケット周壁
に付着した粗製アントラセンにベンゼンや軽油などの溶
剤を噴射する方法が示されている。そして、それによっ
てアントラセンの純度向上操作が簡便に行え、処理時間
の短縮化が図れるとしている。また、特開昭63−115833
号公報には特定のスクリュープレス回収装置を用いる方
法が開示され、これによってやはり作業性の向上が図れ
るとしている。その他、95%以上のアントラセン結晶を
得る方法が特開平2−199192号公報に、また低コストで
アントラセン油を冷却する方法が特開平1−197450号公
報、あるいは「アロマテックス」第40巻,第3・4号
(1998),p17〜21にそれぞれ記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で粗製アントラセンの歩留まり(原料であるアントラセ
ン油の重量に対して得られた粗製アントラセンの重量の
割合)を向上させるための方法に関しては、具体的な方
法が開示されていなかった。一般に粗製アントラセンの
歩留まりは、10%程度であり、特開平1−197450号公報
で開示されている実施例では9.6%であった。
で粗製アントラセンの歩留まり(原料であるアントラセ
ン油の重量に対して得られた粗製アントラセンの重量の
割合)を向上させるための方法に関しては、具体的な方
法が開示されていなかった。一般に粗製アントラセンの
歩留まりは、10%程度であり、特開平1−197450号公報
で開示されている実施例では9.6%であった。
【0004】本発明の目的は、コールタールを分留して
得られるアントラセン油から粗製アントラセンを純度を
低下させずにより高い収率で回収しうる方法を提供する
ことにある。
得られるアントラセン油から粗製アントラセンを純度を
低下させずにより高い収率で回収しうる方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】歩留まりを上げるために
は例えばアントラセン油の冷却温度を低下させ、析出結
晶分を増加させればよいが、アントラセンやカルバゾー
ルの含有率が急激に下がり、品質の低下をもたらすとい
う問題点があることを本発明者らは見出した(図1参
照)。そこで、この点に鑑み、さらに検討を重ねた結
果、粗製アントラセンの結晶を晶析させる温度を低下さ
せるとともに固液分離したこの結晶を加熱して不純物を
融解除去することによって、粗製アントラセンを純度を
低下させずに高い収率で取得しうることを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
は例えばアントラセン油の冷却温度を低下させ、析出結
晶分を増加させればよいが、アントラセンやカルバゾー
ルの含有率が急激に下がり、品質の低下をもたらすとい
う問題点があることを本発明者らは見出した(図1参
照)。そこで、この点に鑑み、さらに検討を重ねた結
果、粗製アントラセンの結晶を晶析させる温度を低下さ
せるとともに固液分離したこの結晶を加熱して不純物を
融解除去することによって、粗製アントラセンを純度を
低下させずに高い収率で取得しうることを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、コールタールを分留
して得られるアントラセン油を室温〜55℃に冷却して結
晶を析出させ、該結晶を母液から分離する際にまたは分
離した後に80〜130℃に加熱して固液分離を行なうか、
あるいはコールタールを分留して得られるアントラセン
油を室温〜55℃に冷却して析出した結晶を固液分離し、
分離された母液を60〜130℃に加熱してこの母液を固液
分離された粗結晶に噴射して洗浄することを特徴とする
粗製アントラセンの回収方法に関するものである。
して得られるアントラセン油を室温〜55℃に冷却して結
晶を析出させ、該結晶を母液から分離する際にまたは分
離した後に80〜130℃に加熱して固液分離を行なうか、
あるいはコールタールを分留して得られるアントラセン
油を室温〜55℃に冷却して析出した結晶を固液分離し、
分離された母液を60〜130℃に加熱してこの母液を固液
分離された粗結晶に噴射して洗浄することを特徴とする
粗製アントラセンの回収方法に関するものである。
【0007】アントラセン油はコールタールを蒸留して
得られる300〜380℃程度の留分であり、アントラセン7
〜8%程度、カルバゾール2〜4%程度、フェナントレン
24〜27%程度、フルオレン9〜11%程度、その他の成分
50〜58%程度のものである。
得られる300〜380℃程度の留分であり、アントラセン7
〜8%程度、カルバゾール2〜4%程度、フェナントレン
24〜27%程度、フルオレン9〜11%程度、その他の成分
50〜58%程度のものである。
【0008】このアントラセン油を室温〜55℃に冷却し
て粗製アントラセンの結晶を析出させる。この晶析温度
の下限は好ましくは30℃以上、さらに好ましくは40℃以
上であり、上限は好ましくは50℃以下さらに好ましくは
45℃以下である。晶析温度が室温未満ではそれ以上のア
ントラセンの回収率の向上が望めず徒らに不純物の析出
量が増して粗製アントラセンの純度を低下させるばかり
でなく、粘度が増して取扱い上の不便をもたらす。一
方、55℃を越えるとアントラセンの回収率の向上の目的
が達成できない。この晶析は晶析温度以外は公知の方法
によって行なえばよく、冷却速度及び必要によって行な
われる熟成も通常通りでよい。
て粗製アントラセンの結晶を析出させる。この晶析温度
の下限は好ましくは30℃以上、さらに好ましくは40℃以
上であり、上限は好ましくは50℃以下さらに好ましくは
45℃以下である。晶析温度が室温未満ではそれ以上のア
ントラセンの回収率の向上が望めず徒らに不純物の析出
量が増して粗製アントラセンの純度を低下させるばかり
でなく、粘度が増して取扱い上の不便をもたらす。一
方、55℃を越えるとアントラセンの回収率の向上の目的
が達成できない。この晶析は晶析温度以外は公知の方法
によって行なえばよく、冷却速度及び必要によって行な
われる熟成も通常通りでよい。
【0009】晶析後析出した結晶を母液から分離する際
にまたは分離後に80〜130℃に加熱して生ずる液分を固
液分離する。加熱温度は好ましくは90〜110℃程度であ
る。
にまたは分離後に80〜130℃に加熱して生ずる液分を固
液分離する。加熱温度は好ましくは90〜110℃程度であ
る。
【0010】結晶を分離する装置は従来から使用されて
いるものでよく、遠心分離器、スクリュープレス等を用
いることができる。粗製アントラセン結晶の加熱は、遠
心分離器、スクリュープレス等の内、あるいは外いずれ
の場所で行われてもよい。しかしながら品質上、最終的
に粗製アントラセン結晶に付着した液部分を除く必要が
あるため、スクリュープレス内、あるいはスクリュープ
レス自身、あるいは遠心分離器内に加熱源を設け、粗製
アントラセン結晶の分離回収と同時に加熱操作を行うの
が最も効率的である。
いるものでよく、遠心分離器、スクリュープレス等を用
いることができる。粗製アントラセン結晶の加熱は、遠
心分離器、スクリュープレス等の内、あるいは外いずれ
の場所で行われてもよい。しかしながら品質上、最終的
に粗製アントラセン結晶に付着した液部分を除く必要が
あるため、スクリュープレス内、あるいはスクリュープ
レス自身、あるいは遠心分離器内に加熱源を設け、粗製
アントラセン結晶の分離回収と同時に加熱操作を行うの
が最も効率的である。
【0011】一方、上記晶析により析出した結晶を母液
から分離後、分離された母液を60〜130℃に加熱して、
この母液を固液分離された粗結晶に噴射して洗浄する方
法も有効である。この方法においても母液の温度を利用
して不純物を融解ないし溶解除去するところに特徴があ
り、長期間母液を結晶に接触させるとアントラセンが徒
らに溶出して回収率が低下してしまう。加熱温度は好ま
しくは80〜100℃程度である。母液は当該結晶を分離し
たものばかりでなく、以前に粗製アントラセン結晶を分
離した際に得られた別のロットのものでもよい。
から分離後、分離された母液を60〜130℃に加熱して、
この母液を固液分離された粗結晶に噴射して洗浄する方
法も有効である。この方法においても母液の温度を利用
して不純物を融解ないし溶解除去するところに特徴があ
り、長期間母液を結晶に接触させるとアントラセンが徒
らに溶出して回収率が低下してしまう。加熱温度は好ま
しくは80〜100℃程度である。母液は当該結晶を分離し
たものばかりでなく、以前に粗製アントラセン結晶を分
離した際に得られた別のロットのものでもよい。
【0012】母液の噴射洗浄は回収された粗製アントラ
センに対して行われ、遠心分離器、スクリュープレス等
の結晶分離装置の内、あるいは外いずれの場所で行われ
てもよい。しかしながら品質上、最終的に粗製アントラ
セン結晶に付着した母液を除く必要があるため、スクリ
ュープレス内、あるいは遠心分離器内に母液供給ライン
を設け、粗製アントラセン結晶の分離回収とその洗浄操
作を同時に行うのが最も効率的である。図3に本発明の
粗製アントラセンの回収方法を実施するプロセスをそし
て図4に従来プロセスをそれぞれ示す。
センに対して行われ、遠心分離器、スクリュープレス等
の結晶分離装置の内、あるいは外いずれの場所で行われ
てもよい。しかしながら品質上、最終的に粗製アントラ
セン結晶に付着した母液を除く必要があるため、スクリ
ュープレス内、あるいは遠心分離器内に母液供給ライン
を設け、粗製アントラセン結晶の分離回収とその洗浄操
作を同時に行うのが最も効率的である。図3に本発明の
粗製アントラセンの回収方法を実施するプロセスをそし
て図4に従来プロセスをそれぞれ示す。
【0013】上記の、粗結晶を加熱して融解した不純物
を除去する方法と加熱母液で粗結晶を噴射洗浄する方法
はいずれか一方のみを行なうほか両者を組み合わせて行
なうこともできる。その場合、前者の加熱融解方法は後
段の工程とすることが好ましい。
を除去する方法と加熱母液で粗結晶を噴射洗浄する方法
はいずれか一方のみを行なうほか両者を組み合わせて行
なうこともできる。その場合、前者の加熱融解方法は後
段の工程とすることが好ましい。
【0014】こうして得られる粗製アントラセンはアン
トラセン25〜35%程度、特に28〜32%程度、カルバゾー
ル8〜13%程度、特に10〜12%程度のものであり、従来
の用途に供することができる。
トラセン25〜35%程度、特に28〜32%程度、カルバゾー
ル8〜13%程度、特に10〜12%程度のものであり、従来
の用途に供することができる。
【0015】
【作用】一般にアントラセン油は60℃程度の温度に冷却
される。この理由は、品質上、粗製アントラセン結晶中
に含有されるアントラセンやカルバゾール成分の量をあ
る一定値以上に保つ必要があるからである。既に説明し
たように60℃以下の冷却温度では、低融点成分(フェナ
ントレンやフルオレンなど)の粗製アントラセン結晶中
への混入により、結晶中のアントラセンやカルバゾール
含有率が急激に低下する。したがって、アントラセン油
を60℃以下に冷却することは製造上、好ましくない。し
かしながら、図2に示すように、60℃付近の温度ではア
ントラセンやカルバゾールの一部がまだ液中(アントラ
セン油の液部分)に溶解しており、それらは回収するこ
とができず、母液として排出されロスとなる。一方、55
℃以下の温度で冷却した場合、品質は低下するが、図2
に示すようにアントラセン油の液部分に対するアントラ
センおよびカルバゾールの溶解度が非常に小さいので、
アントラセン油中に含有されていたアントラセンおよび
カルバゾールはほぼ100%が粗製アントラセン結晶中に
析出する。ここで融点が245℃のカルバゾールは別にし
て、アントラセンの融点は218℃と高いのに対し、その
他の成分であるフェナントレンやフルオレン融点はそれ
ぞれ100℃、115℃とかなり低いという物性上の著しい違
いがある。したがって、この結晶を適当な時間加熱する
ことにより、結晶の低融点成分が選択的に溶融、流出す
るので結晶中からアントラセンを流出させることなく、
フェナントレンやフルオレンを選択的に除去することが
できる。この原理により、アントラセン油中に含有させ
ているアントラセンを無駄なく回収でき、しかも結晶の
加熱操作を連続して行うことにより品質の良い粗製アン
トラセンを得ることができる。この結果、高品質のアン
トラセンを歩留まり良く得ることができる。
される。この理由は、品質上、粗製アントラセン結晶中
に含有されるアントラセンやカルバゾール成分の量をあ
る一定値以上に保つ必要があるからである。既に説明し
たように60℃以下の冷却温度では、低融点成分(フェナ
ントレンやフルオレンなど)の粗製アントラセン結晶中
への混入により、結晶中のアントラセンやカルバゾール
含有率が急激に低下する。したがって、アントラセン油
を60℃以下に冷却することは製造上、好ましくない。し
かしながら、図2に示すように、60℃付近の温度ではア
ントラセンやカルバゾールの一部がまだ液中(アントラ
セン油の液部分)に溶解しており、それらは回収するこ
とができず、母液として排出されロスとなる。一方、55
℃以下の温度で冷却した場合、品質は低下するが、図2
に示すようにアントラセン油の液部分に対するアントラ
センおよびカルバゾールの溶解度が非常に小さいので、
アントラセン油中に含有されていたアントラセンおよび
カルバゾールはほぼ100%が粗製アントラセン結晶中に
析出する。ここで融点が245℃のカルバゾールは別にし
て、アントラセンの融点は218℃と高いのに対し、その
他の成分であるフェナントレンやフルオレン融点はそれ
ぞれ100℃、115℃とかなり低いという物性上の著しい違
いがある。したがって、この結晶を適当な時間加熱する
ことにより、結晶の低融点成分が選択的に溶融、流出す
るので結晶中からアントラセンを流出させることなく、
フェナントレンやフルオレンを選択的に除去することが
できる。この原理により、アントラセン油中に含有させ
ているアントラセンを無駄なく回収でき、しかも結晶の
加熱操作を連続して行うことにより品質の良い粗製アン
トラセンを得ることができる。この結果、高品質のアン
トラセンを歩留まり良く得ることができる。
【0016】
実施例1 コールタールを蒸留して得られた約80℃のアントラセン
油を公知の方法により40℃に冷却して、110℃(スクリュ
ー部分の表面温度)に保たれているスクリュープレスに
2,500kg/hrで供給した。その結果、スクリュープレス
の排出口から625kg/hrの粗製アントラセンを得た(歩
留まり25.0%)。得られた粗製アントラセンのアントラ
セン含有率は29.1%でカルバゾールの含有率は11.5%で
あった(いずれも重量%、以下同様)。
油を公知の方法により40℃に冷却して、110℃(スクリュ
ー部分の表面温度)に保たれているスクリュープレスに
2,500kg/hrで供給した。その結果、スクリュープレス
の排出口から625kg/hrの粗製アントラセンを得た(歩
留まり25.0%)。得られた粗製アントラセンのアントラ
セン含有率は29.1%でカルバゾールの含有率は11.5%で
あった(いずれも重量%、以下同様)。
【0017】比較例1 約80℃の実施例1と同じアントラセン油を公知の方法に
より60℃に冷却して、スクリュープレスに2,500kg/hr
で供給した。その結果、スクリュープレスの排出口から
240kg/hrの粗製アントラセンを得た(歩留まり9.6
%)。得られた粗製アントラセンのアントラセン含有率
は29.1%でカルバゾールの含有率は11.5%であった。
より60℃に冷却して、スクリュープレスに2,500kg/hr
で供給した。その結果、スクリュープレスの排出口から
240kg/hrの粗製アントラセンを得た(歩留まり9.6
%)。得られた粗製アントラセンのアントラセン含有率
は29.1%でカルバゾールの含有率は11.5%であった。
【0018】実施例2〜4 冷却温度を変化させた他は実施例1と全く同じ方法によ
り実施した。結果を表1に示す。
り実施した。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】実施例5〜7 加熱温度を変化させた他は実施例1と全く同じ方法によ
り実施した。結果を表2に示す。
り実施した。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】実施例8 コールタールを蒸留して得られた約80℃のアントラセン
油を公知の方法により40℃に冷却して、スクリュープレ
スに2,500kg/hrで供給した。スクリュープレス内で発
生した母液を80℃に再加熱し、スクリュープレス内の上
部に設けられたノズルより、結晶に250kg/hrの流速で
噴射した。その結果スクリュープレスの排出口から620k
g/hrの粗製アントラセンを得た(歩留まり24.8%)。得
られた粗製アントラセンのアントラセン含有率は30.1%
でカルバゾールの含有率は11.9%であった。
油を公知の方法により40℃に冷却して、スクリュープレ
スに2,500kg/hrで供給した。スクリュープレス内で発
生した母液を80℃に再加熱し、スクリュープレス内の上
部に設けられたノズルより、結晶に250kg/hrの流速で
噴射した。その結果スクリュープレスの排出口から620k
g/hrの粗製アントラセンを得た(歩留まり24.8%)。得
られた粗製アントラセンのアントラセン含有率は30.1%
でカルバゾールの含有率は11.9%であった。
【0023】比較例2 約80℃の実施例8と同じアントラセン油を公知の方法に
より60℃に冷却して、スクリュープレスに2,500kg/hr
で供給した。その結果、スクリュープレスの排出口から
242kg/hrの粗製アントラセンを得た(歩留まり9.7
%)。得られた粗製アントラセンのアントラセン含有率
は29.2%でカルバゾールの含有率は11.1%であった。
より60℃に冷却して、スクリュープレスに2,500kg/hr
で供給した。その結果、スクリュープレスの排出口から
242kg/hrの粗製アントラセンを得た(歩留まり9.7
%)。得られた粗製アントラセンのアントラセン含有率
は29.2%でカルバゾールの含有率は11.1%であった。
【0024】実施例9〜11 冷却温度を変化させた他は実施例8と全く同じ方法によ
り実施した。結果を表3に示す。
り実施した。結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】実施例12〜14 母液の温度を変化させた他は実施例8と全く同じ方法に
より実施した。結果を表4に示す。
より実施した。結果を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】実施例15 コールタール蒸留から得られた約80℃のアントラセン油
を公知の方法により40℃に冷却して、遠心分離器に20kg
供給した。遠心分離器内で発生した母液を80℃に再加熱
し、遠心分離器の上部に設けられたノズルより、結晶に
2kg/hrの流速で1時間噴射した。その結果5.26kgの粗
製アントラセンを得た(歩留まり26.3%)。得られた粗
製アントラセンのアントラセン含有率は28.0%でカルバ
ゾールの含有率は11.9%であった。
を公知の方法により40℃に冷却して、遠心分離器に20kg
供給した。遠心分離器内で発生した母液を80℃に再加熱
し、遠心分離器の上部に設けられたノズルより、結晶に
2kg/hrの流速で1時間噴射した。その結果5.26kgの粗
製アントラセンを得た(歩留まり26.3%)。得られた粗
製アントラセンのアントラセン含有率は28.0%でカルバ
ゾールの含有率は11.9%であった。
【0029】比較例3 コールタール蒸留から得られた約80℃のアントラセン油
を公知の方法により60℃に冷却して、遠心分離器に20kg
供給した。その結果、1.94kgの粗製アントラセンを得た
(歩留まり9.7%)。得られた粗製アントラセンのアント
ラセン含有率は29.2%でカルバゾールの含有率は12.0%
であった。
を公知の方法により60℃に冷却して、遠心分離器に20kg
供給した。その結果、1.94kgの粗製アントラセンを得た
(歩留まり9.7%)。得られた粗製アントラセンのアント
ラセン含有率は29.2%でカルバゾールの含有率は12.0%
であった。
【0030】実施例16〜19 冷却温度および母液の温度を変化させた他は実施例15と
同じ方法により実施した。結果を表5に示す。
同じ方法により実施した。結果を表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】以上の様に、従来、30%程度のアントラ
セン濃度を有する粗製アントラセンの歩留まりは10%程
度であったが、本発明の粗製アントラセンの回収方法に
よれば最高25%以上の歩留まりが得られ、生産量が著し
く向上する。
セン濃度を有する粗製アントラセンの歩留まりは10%程
度であったが、本発明の粗製アントラセンの回収方法に
よれば最高25%以上の歩留まりが得られ、生産量が著し
く向上する。
【図1】 冷却温度が粗製アントラセン組成に及ぼす影
響を示すグラフである。
響を示すグラフである。
【図2】 粗製アントラセンの液成分(濾液)に対する
溶解度を示すグラフである。
溶解度を示すグラフである。
【図3】 本発明による粗製アントラセン回収方法を示
すフローシートである。
すフローシートである。
【図4】 従来の粗製アントラセン回収方法を示すフロ
ーシートである。
ーシートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10C 1/14 C10C 1/14
Claims (2)
- 【請求項1】 コールタールを分留して得られるアント
ラセン油を室温〜55℃に冷却して結晶を析出させ、該結
晶を母液から分離する際にまたは分離した後に80〜130
℃に加熱して固液分離を行なうことを特徴とする粗製ア
ントラセンの回収方法 - 【請求項2】 コールタールを分留して得られるアント
ラセン油を室温〜55℃に冷却して析出した結晶を固液分
離し、分離された母液を60〜130℃に加熱してこの母液
を固液分離された粗結晶に噴射して洗浄することを特徴
とする粗製アントラセンの回収方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25295093A JP2748833B2 (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 粗製アントラセンの回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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1993
- 1993-10-08 JP JP25295093A patent/JP2748833B2/ja not_active Expired - Lifetime
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