JPH05228301A - 掻取式間接冷却晶析法 - Google Patents

掻取式間接冷却晶析法

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JPH05228301A
JPH05228301A JP3332792A JP3332792A JPH05228301A JP H05228301 A JPH05228301 A JP H05228301A JP 3332792 A JP3332792 A JP 3332792A JP 3332792 A JP3332792 A JP 3332792A JP H05228301 A JPH05228301 A JP H05228301A
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和登 中丸
Keizo Takegami
敬三 竹上
Koji Miwa
浩司 三輪
Hideki Suda
英希 須田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】掻取性能を高める。 【構成】複数成分を含む液から目的物を晶析させるため
に、晶析槽1の壁面を冷媒3により間接的に冷却し、内
壁面に析出する結晶を掻き取る晶析操作において、結晶
の純度を実質的に低下させず、かつ処理する液に溶解性
を有する第3成分を添加した状態で晶析操作を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数成分を含む液から
目的物を晶析させるために、晶析槽の壁面を冷媒により
間接的に冷却し、内壁面に析出する結晶を掻き取る掻取
式間接冷却晶析法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷却晶析法には、冷媒を処理する液に対
して直接吹き込む直接冷媒吹込法、断熱冷却法などのよ
うに蒸発潜熱を利用して冷却面を使用しない晶析法のほ
か、前述のように掻取式間接冷却晶析法がある。
【0003】掻取式間接冷却晶析法は前2者を使用でき
ない場合に多く用いられ、冷媒をジャケットまたは冷却
エレメント内に通し、間接的に処理液を冷却し晶析させ
ている。
【0004】この場合、冷却面に結晶が析出するため、
伝熱係数が低下する。これを防止するために、冷却内壁
面に付着した結晶を晶析操作完了後に、加熱溶解する方
法または連続的にスクレーパーなどにより冷却面に付着
した結晶を掻き取る方法が採られている。
【0005】しかし、連続的に冷却面に付着した結晶を
掻き取る方法においても、取り扱う系によっては、大き
な掻取力を要するため冷却面に直接接触するタイプのス
クレーパー(一般にスプリングにより押圧させる型式)
は伝熱係数の低下やスクレーパーの消耗、破損などのト
ラブルが多く、冷却面とスクレーパーとのクリアランス
を確保し、スクレーパーは固定式にする場合が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合、クリアランス相当の厚さの結晶層が冷却面に常に付
着した状態であるため、伝熱係数がきわめて低く、用い
る晶析槽が非常に大きなものとなり経済的でない。
【0007】冷却面への付着を少なくするために、処理
液(処理物)と冷媒との温度差を少なくする方法がよく
利用されているが、この場合も、伝熱面積が大きくな
り、また完全に結晶の付着を防止することはできない。
【0008】一般的に、処理物質中の目的成分(結晶化
させる成分)の濃度が高くなると、付着の傾向が強ま
り、特に目的成分濃度が70〜80%になると、掻取性能が
低下し始め、90〜95%以上となると著しく低下し、直接
掻取方式では掻取不能となることが多い。
【0009】したがって、本発明の主たる課題は、掻取
式間接冷却晶析法において、掻取性能を高めることにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、複数成分を
含む液から目的物を晶析させるために、晶析槽の壁面を
冷媒により間接的に冷却し、内壁面に析出する結晶を掻
き取る晶析操作において、結晶の純度を実質的に低下さ
せず、かつ処理する液に溶解性を有する第3成分を添加
した状態で晶析操作を行うことで解決できる。
【0011】
【作用】本発明にしたがって、驚くべきことに、結晶の
純度を実質的に低下させず、かつ処理する液に溶解性を
有する第3成分を添加すると、後述の実施例でも示すよ
うに、掻取性能が飛躍的に高まる。
【0012】本発明をさらに詳説すると、高純度の目的
成分を結晶化させることにより得るためには、できるだ
け高濃度領域で結晶操作を行うことが重要である。これ
は結晶操作の後に行う固液分離操作において、付着液分
中に残る不純物の残留量をできるだけ少なくするためで
ある。しかし、前述のように、掻取上の問題があるため
高濃度での晶析操作ができないかあるいはできたとして
も、非常に効率の悪い結果となり、結果として高純度晶
析を達成することができない場合が多い。
【0013】この問題を解決するために、処理物質に対
し不活性な第3成分、すなわちもともと処理物質に含ま
れている目的成分以外の物質を好ましくは1〜10%の
範囲で添加することにより、目的成分の冷却面への付着
性及びその付着強度が著しく低下することが判明した。
これは、冷却面との付着結晶の間あるいは結晶粒子間に
添加した成分が混入し、結晶又は結晶と冷却面間の固着
力を弱めるためであると推察される。
【0014】この特性を利用することによりいかなる系
のものでも、掻取性能を低下させることなく高い伝熱係
数を維持しながら晶析することが可能になる。
【0015】この第3成分を添加することは分離結晶中
に不純物として残ることから、高純度結晶を得ることと
は一見矛盾するものであり、したがって従来、本発明の
発想そのものが全くなかったと考えられる。しかるに、
第3成分として目的成分に対する比揮発度の非常に大き
な物質を選定することにより結晶分離後、この結晶を溶
解し簡単な蒸留または蒸発操作等で第3成分を取除く
か、固体結晶のまま乾燥工程にて蒸発させることにより
取除くことが可能である。
【0016】かくして、第3成分を添加することにより
付着結晶を容易に掻取ることができ、従って高い伝熱係
数(200〜1000kal/m2Hr℃)に保持することができ、
晶析設備もコンパクトになる。さらに、容易に掻取可能
なことからスクレパーの寿命も長くなり設備費・維持費
が著しく低減し経済的な晶析プロセスとなることができ
る。
【0017】本発明に用いる晶析装置の代表例を図1に
示した。1は晶析槽で、その周囲には冷却ジャケット2
が設けられ、この冷却ジャケット2に冷媒3が供給さ
れ、複数成分を含むフィード液4から目的物を晶析させ
るために、晶析槽1の壁面を冷媒3により間接的に冷却
するようになっている。また、晶析槽1内には、駆動モ
ーター5により回転させられる高さ方向に複数の掻取羽
根6が設けられている。
【0018】この掻取羽根6により、内壁面に析出する
結晶が掻き取られる。
【0019】本発明では、結晶の純度を実質的に低下さ
せず、かつ処理する液に溶解性を有する第3成分を、晶
析槽1に供給する前、あるいは供給した後、晶析操作を
開始する前に添加する。
【0020】この第3成分は、結晶の純度を実質的に低
下させず、かつ処理する液に溶解性を有するものが用い
られる。溶解性は完全に溶解性を有するもののほか、一
部溶解性を有するものも本発明において含まれる。ま
た、通常は、この第3成分は処理する液の成分のいずれ
にも不活性であることが好ましい。さらに、第3成分
は、晶析操作プロセスの前後のプロセスに影響のないも
のが望まれる。
【0021】本発明に係る晶析槽1は、他のプロセスと
結合することができる。たとえば、図2には複数たとえ
ば二つの晶析槽1A、1Bを設け、これと溶融精製塔1
0とを組み合わせたものである。すなわち、フィード液
4を第1晶析槽1Aに供給し、ここで冷却晶析し、晶析
スラリーは導管11を介して図示のように直接的または
必要によりサイクロンなどの固液分離した後に結晶分に
富むスラリーを、溶融精製塔10の上部に供給する。溶
融精製塔10は攪拌機10aを有し、下部に加熱ヒータ
ーなどの溶融加熱手段10bを有し、下部において溶融
加熱手段10bにより結晶を溶融加熱し、製品は下部か
ら取り出すとともに、溶融加熱に伴って還流液として上
昇流を与え、前記下方に移行する結晶の洗浄を行う。こ
れにより精製効果を高めている。また、溶融精製塔10
の上部の清澄液により母液を洗い出し、この母液は返送
路12により第1晶析槽1Aに供給し、第1晶析槽1A
の清澄液は供給路13により第2晶析槽1Bに供給し、
同様に冷却晶析を行う。第2晶析槽1Bの清澄液は供給
路14を経て蒸留塔15に供給し、母液は第3成分とと
もにその下部から排出し、蒸留に伴うベーパーは、コン
デンサー16により液として第1晶析槽1Aに返送する
ものである。したがって、符号17の機器構成部分が第
3成分の分離回収工程を構成する。
【0022】図3は図2の例と類似するものであり、第
1晶析槽1Aからの結晶スラリーを固液分離機20によ
り分離し、この濾液を前述の第3成分の分離回収工程1
7に導き、他方で固液分離機20により分離された結晶
分を乾燥機21により乾燥させる際に生じるベーパーを
コンデンサー22により凝縮させ、この液を分離回収工
程17からの液と合わせて第1晶析槽1Aに供給するも
のである。コンデンサー22を含む部分が2次第3成分
の分離回収工程23を構成する。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を示してその効果を明らかに
する。 (実施例1)果汁や糖分などを含む水溶液を冷却し、水
を氷として分離する掻取冷却晶析操作を、第3成分とし
て、エチルアルコールを添加し、かつ糖濃度を変えて行
った。冷媒として−20℃のエチレングリコール水溶液
を冷却ジャケットに流して冷却した。各操作において、
掻取性能を評価した。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】(実施例2)パラジクロールベンゼン中に
第3成分としてベンゼンを添加して同様の評価を行った
結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】(実施例3)カプロラクタム中に第3成分
として水を添加して同様の評価を行った結果を表3に示
す。
【0028】
【表3】
【0029】(実施例4)メチルメタアクリレート(M
AA)中に第3成分としてメタノールを添加して同様の
評価を行った結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、掻取式間
接冷却晶析法において、掻取性能を高めることができ
る。また、結果として、晶析槽を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却晶析槽の概要図である。
【図2】他の機器と組み合わせた第1の例のフローシー
トである。
【図3】他の機器と組み合わせた第2の例のフローシー
トである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須田 英希 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数成分を含む液から目的物を晶析させる
    ために、晶析槽の壁面を冷媒により間接的に冷却し、内
    壁面に析出する結晶を掻き取る晶析操作において、 結晶の純度を実質的に低下させず、かつ処理する液に溶
    解性を有する第3成分を添加した状態で晶析操作を行う
    ことを特徴とする掻取式間接冷却晶析法。
  2. 【請求項2】前記第3成分が処理する液の成分のいずれ
    にも不活性である請求項1記載の掻取式間接冷却晶析
    法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013094339A1 (ja) * 2011-12-20 2013-06-27 住友化学株式会社 高品質のε-カプロラクタムの製造方法
WO2013094340A1 (ja) * 2011-12-20 2013-06-27 住友化学株式会社 高品質のε-カプロラクタムの製造方法
KR101361985B1 (ko) * 2006-02-02 2014-02-11 츠키시마기카이가부시키가이샤 비스페놀 a의 회수 방법 및 회수 설비
CN107854860A (zh) * 2017-11-28 2018-03-30 佛山科学技术学院 一种化工原料快速结晶设备
CN112237751A (zh) * 2019-07-16 2021-01-19 合众思(北京)环境工程有限公司 一种具有自动处理晶垢功能的mvr蒸发结晶装置

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