JP2501106B2 - ジメチルフェノ−ルの精製方法 - Google Patents

ジメチルフェノ−ルの精製方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、3,4−ジメチルフェノール(以下「3,4−
DMH」という)と3,5−ジメチルフェノール(以下「3,5
−DMH」という)の含有量の少ないジメチルフェノール
類(以下「DMH類」という)含有留分を原料とし、蒸留
によって特定の組成範囲の濃縮3,4−DMH留分または濃縮
3,5−DMH留分を回収し、これを溶融晶析させて高純度の
3,4−DMHまたは3,5−DMHを分離回収する方法に関する。
[従来技術] 3,4−DMHは、沸点226.9℃、融点65℃の白色結晶で、
また3,5−DMHは、沸点221.7℃、融点63℃の白色結晶で
ある。3,4−DMH、3,5−DMHは、コールタール留分である
カルボル油、ナフタレン油、洗浄油からアルカリ抽出し
て得られるタール酸の中に含まれている化合物の一つで
ある。3,4−DMH、3,5−DMHは、フェノール樹脂、有機合
成薬品、農薬等の原料として使用されている。
コールタールは、蒸留により軽油、カルボル油、ナフ
タレン油、洗浄油および低軟化点のピッチ等に分離し、
各留分から必要に応じ、蒸留、抽出、晶析等の手段によ
り有用な製品を回収している。
カルボン油、ナフタレン油、洗浄油等からアルカリ抽
出で分離されたタール酸は、蒸留によりフェノール、o
−メチルフェノール、m,p−メチルフェノールおよびジ
メチルフェノール(以下「DMH」という)留分に分離精
製される。
このうち、DMH留分には、6種類のDMH異性体のほか、
エチルフェノール類、トリメチルフェノール類等が含有
されている。
このDMH留分を精密蒸留しても、これらの沸点が接近
しているため、通常の精密蒸留では高純度の3,4−DMHや
3,5−DMHを得ることができず、特殊な高い段数をもった
精留塔を使用し、高い還流比で蒸溜しても、高純度の3,
4−DMHや3,5−DMHを得ることができない。
一般に蒸留による分離が困難な場合、目的成分を晶析
によって分離することはよく知られた操作である。しか
きながろ、本発明者等の研究によれば、前記DMH類含有
留分、例えば、タール留分から抽出されたタール酸を蒸
留して得らDMH留分を精密蒸留し、単に3,4−DMH含有量
を高めた濃縮3,4−DMH留分、または単に3,5−DMH含有量
を高めた濃縮3,5−DMH留分を回収し、各留分を撹拌しな
がら冷却して結晶を析出せしめ、得られたスラリーを遠
心分離機にかけて結晶と母液に分離する方法では、高純
度の3,4−DMHまたは3,5−DMHを得ることができないこと
が判明した。
晶析法を用いて高純度製品を得る場合、純度向上を阻
害する要因は、共融混合物の生成と固溶体の生成とであ
り、さらに一般に用いられる遠心分離法では、結晶に付
着する母液の残留が問題となる。
[解決しようとする問題点] この発明は、前記DMH類含有留分から高純度の3,4−DM
Hまたは3,5−DMHを、高収率で回収できるDMHの精製方法
を提供するものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、DMH類含有留分から3,4−DMHまたは3,5
−DMHを高純度で回収するについて鋭意研究の結果、DMH
類含有留分を蒸留濃縮し、晶析原料の濃縮3,4−DMHまた
は濃縮3,5−DMH留分を回収するにあたり、単に3,4−DMH
または3,5−DMH含有量を高めることのみを目的とするの
ではなく、同時に3,5−DMHまたは3,4−DMHの含有量を規
制して蒸留し、得られた濃縮3,4−DMHまたは濃縮3,5−D
MH留分を、溶融晶析することによって初めて高純度の3,
4−DMHまたは3,5−DMHを分離回収できることを究明し
た。
すなわちこの発明は、3,4−DMHおよび3,5−DMHを含有
するDMH類含有留分を原料とし、3,4−DMHを目的DMHとし
て、非目的DMHである3,5−DMHから分離し、または3,5−
DMHを目的DMHとして、非目的DMHである3,4−DMHから分
離する方法において、DMH類含有留分を、目的DMH濃度35
重量%以上で、かつ非目的DMH濃度(U)が(1)式で
示す範囲となるように蒸留して濃縮DMH留分を回収し、
これを溶融晶析して目的DMHを分離することを特徴とす
るDMHの精製方法である。
U≦(100−x)(P/(100−P)) …(1) ただし、U:濃縮DMH留分中の非目的DMH濃度(%) x:濃縮DMH留分中の目的DMH濃度(%) P:目的DMHの固液平衡線図から求めた晶析温度での液中
の目的DMH濃度(%) DMHの精製において、純度向上阻害因子が非常に多い
中で、3,4−DMHを目的とする場合に3,5−DMHに、3,5−D
MHを目的とする場合は3,4−DMHに注目する理由は、これ
が他の成分に比べ溶融晶析時相互に混入し易く、目標純
度の3,4−DMHまたは3,5−DMHを得るためには、濃縮3,4
−DMH中の3,5−DMH含有量を一定濃度以下に、濃縮3,5−
DMH中の3,4−DMH含有量を一定濃度以下にする必要があ
るためである。
溶融晶析法の基本は、固液平衡関係である。これにつ
いて実験したところ、温度を下げても液相中の3,4−DMH
濃度または3,5−DMH濃度を30%以下にはできないことを
見い出した。
すなわち、理論上濃縮3,4−DMH留分中の3,4−DMH濃度
が30%以上、または濃縮3,5−DMH留分中の3,5−DMH濃度
が30%以上であれば、30%との差だけ3,4−DMHまたは3,
5−DMHを回収できることになる。
しかし、現実には濃縮3,4−DMH留分中の3,4−DMH濃
度、または濃縮3,5−DMH留分中の3,5−DMH濃度を上げな
いと、第1図および第2図に示すとおり回収率が低下す
るため、50%以上、好ましくは60〜70%以上とすること
が望ましい。
一方、3,4−DMHと3,5−DMHは、前記したとおり沸点お
よび融点が近接しているため、蒸留により3,4−DMHと3,
5−DMHを完全に分離することは困難であり、また、溶融
晶析時3,4−DMH結晶に3,5−DMHが、3,5−DMH結晶に3,4
−DMHが混入し易く、著しく相互に結晶純度を低下させ
る恐れがあり、相互に純度低下阻害因子であることが判
明した。
そこで、3,4−DMH留分と3,5−DMH留分の各々につい
て、固液平衡関係を調査したところ、両者の固液平衡線
図は第3図および第4図に示すとおり極めて良く類似し
ていることが判明した。さらに溶融晶析時濃縮3,4−DMH
留分中の3,5−DMHの挙動は、3,5−DMHの固液平衡線図に
よって説明でき、また、濃縮3,5−DMH留分中の3,4−DMH
の挙動は、3,4−DMHの固液平衡線図によって説明できる
ことを究明した。
以上の研究結果に基づき検討の結果、高純度の3,4−D
MHまたは3,5−DMHを溶融晶析法により製造するために
は、濃縮3,4−DMH留分中の3,5−DMH濃度を前記(1)式
により、濃縮3,5−DMH留分中の3,4−DMH濃度を前記
(1)式により制限すればよいことを究明した。
前記(1)式のPは、晶析温度によって決まる値であ
るから、それぞれの固液平衡線図から求めることができ
る。したがって、予め晶析温度を設定してPを求め、前
記(1)式によりUとxの関係、すなわち、3,4−DMHを
目的とする場合は、濃縮3,4−DMH留分中の3,4−DMH濃度
と、これに対応する3,5−DMH濃度の限界を求める。ま
た、3,5−DMHを目的とする場合は、濃縮3,5−DMH中の3,
5−DMH濃度と、これに対応する3,4−DMH濃度の限界を求
める。そしてこれに基づいてDMH類含有留分を蒸留し、
濃縮3,4−DMH留分または濃縮3,5−DMH留分を取得するの
である。
また、これとは逆に、既に濃縮3,4−DMH留分または濃
縮3,5−DMH留分がある場合、前記(1)式によりPを求
め、Pに対応する温度以上の晶析温度で溶融晶析すれば
良い。換言すれば(1)式のU,x,Pのうち、二つがわか
れば、蒸留または晶析操作が限定されることになる。
晶析温度は、約−10℃〜60℃の範囲から、目的とする
DMH濃度、回収率、操作性等を考慮して選択する。しか
し、15℃以下で生じる結晶は微細であるため、冷却温度
は15℃以上とするのが好ましい。回収率を高めるために
は、約−10℃まで冷却して限界まで目的とするDMH結晶
を回収し、この結晶をさらに溶融晶析する方法が推奨さ
れる。
この発明で晶析に供する濃縮3,4−DMH留分または濃縮
3,5−DMH留分を得るための原料としては、コールタール
を蒸留して得られるカルボル油、ナフタレン油、洗浄油
等のコールタール留分を、アルカリ抽出して得られるタ
ール酸を蒸留して得られるDMH留分である。
このDMH留分は、前述のとおり多くの不純物を含有し
ており、第5図に示すとおり蒸留のみによって高純度の
3,4−DMHまたは3,5−DMHを回収することはできない。
しかし、この発明においては、残った不純物を溶融晶
析によって除去するので、蒸留操作は容易となる。
したがって、蒸留は通常の蒸留で十分であり、回分蒸
留、連続蒸留またはこれらの組み合わせのいずれでも行
うことができる。また、減圧蒸留、常圧蒸留あるいは加
圧蒸留のいずれも採用できる。しかしながら、得られる
濃縮3,4−DMH留分中の3,5−DMH濃度を前記(1)式を満
足させるよう低減せしめるには、低沸点側成分の混入を
注意しつつ蒸留し、また濃縮3,5−DMH留分中の3,4−DMH
濃度を前記(1)式を満足させるように低減せしめるに
は、高沸点側成分の混入を注意しつつ蒸留するのが好ま
しい。
このようにして得られた濃縮3,4−DMH留分または濃縮
3,5−DMH留分は、ついで溶融晶析させて3,4−DMHまたは
3,5−DMHを分離回収する。この際3,5−DMH濃度または3,
4−DMH濃度が前記(1)式の規定範囲内であっても、3,
4−DMHまたは3,5−DMH濃度が約60%以下では、これを通
常行われる溶融晶析−遠心分離法で処理しても、高純度
品を得ることはできない。これは析出結晶の性状から遠
心分離法で母液を完全に振り切ることが極めて困難なた
めである。したがって、母液に対して適当な溶解性を有
する溶媒、例えばヘキサン、ヘプタン等を用い、結晶を
洗浄することにより高純度の3,4−DMHまたは3,5−DMHを
得ることができる。しかし、溶媒の除去、回収等のプロ
セスが必要となり、かつ装置も複雑になる。
また、遠心分離後の結晶を加熱溶解して冷却(いわゆ
る再溶解溶融晶析)し、高純度の3,4−DMHまたは3,5−D
MHを得ることができる。しかし、操作が繁雑となる欠点
がある。
したがって、濃縮3,4−DMH留分または濃縮3,5−DMH留
分から連続晶析装置を用い、3,4−DMHまたは3,5−DMHを
分離回収するのが有利である。連続晶析装置としては、
精製効果の優れる向流連続晶析精製装置に属するものが
適当である。
好ましい向流連続晶析精製装置としては、第6図に示
すとおり、竪型塔(1)の中段に原料供給口(2)、上
部に冷却用ジャケツト部(3)、下部に加熱用ジャケツ
ト部(4)を有し、さらに、下端に製品抜き出し口
(5)、上端に母液抜き出し口(6)および塔内全体を
撹拌する撹拌機(7)を設けたものである。
この向流連続晶析精製装置を用いれば、結晶のまわり
に付着した母液は加熱溶解した3,4−DMHまたは3,5−DMH
で洗われるから、特に溶媒を用いることなく、高純度の
3,4−DMHまたは3,5−DMHを分離回収することができる。
[実施例] 実施例1 コールタール留分からアルカリ抽出により分離された
粗タール酸を蒸留して得たDMHないしトリメチルフェノ
ール留分を、晶析温度を15℃に設定して前記(1)式を
満足させるように精密蒸留し、第1表に示す組成の濃縮
3,4−DMH留分を得た。この濃縮3,4−DMH留分1000部を、
60℃で溶解した。そして析出した結晶を濾別(母液は系
に戻す)しながら撹拌下に徐々に冷却し、最終温度15℃
まで冷却した。なお、濾別した結晶は、n−ヘキサンで
洗浄したのち風乾し、3,4−DMHを回収した。洗浄液はn
−ヘキサンを留去したのち母液に戻す操作を繰り返し
た。
その結果を第1表に示す。第1表の組成は、ガスクロ
マトグラフィーによる分析結果であり、結晶組成は平均
組成で示す。
第1表に示すとおり、3,4−DMH濃度と3,5−DMH濃度を
前記(1)式を満足させるよう蒸留して得た濃縮3,4−D
MH留分を、溶融晶析せしめることによって、高純度の3,
4−DMHを高収率で回収することができる。
実施例2および比較例1 実施例1と同じDMH〜トリメチルフェノール留分を、
晶析温度を15℃に設定して前記(1)式を満足させるよ
う蒸留し、第2表に示す組成の濃縮3,4−DMH留分を得
た。この濃縮3,4−DMH留分1000部を最終晶析温度を15℃
(実施例2)、5℃(比較例1)とした以外は、実施例
1と同一条件で溶融晶析せしめ、第2表に示す組成の3,
4−DMH結晶を回収した。
第2表に示すとおり、3,5−DMHを多量に含有する濃縮
3,4−DMH留分であっても、濃縮3,4−DMH留分中の3,5−D
MH濃度が、前記(1)式を満足させる実施例2の場合
は、高純度の3,4−DMHを回収できるが、晶析温度を下げ
たため前記(1)式を満足させない比較例1の場合は、
高純度の3,4−DMHを回収することはできない。
実施例3 実施例1で回収した第1表に示す組成の濃縮3,4−DMH
留分を、第6図に示す連続溶融晶析装置を用いて溶融晶
析せしめ、3,4−DMHを回収した。
すなわち、前記留分を液状で塔内に重点したのち、塔
底温度を60℃、上部冷却域温度を25℃に保持し、原料の
濃縮3,4−DMH留分装入量量を1000部/hr、製品抜き出し
量を415部/hr、母液抜き出し量を585部/hrに設定し、8
時間連続運転した。この時の製品中の3,4−DMH純度は、
99.99%であった。
実施例4 実施例1と同じDMHないしトリメチルフェノール留分
を、晶析温度を−10℃に設定し、前記(1)式を満足さ
せるように精密蒸留し、第3表に示す組成の濃縮3,5−D
MH留分を得た。この濃縮3,5−DMH留分1000部を60℃で溶
解した。そして析出した結晶を濾別(母液は系に戻す)
しながら撹拌下に徐々に冷却し、最終温度−10℃まで冷
却した。なお、濾別した結晶は、n−ヘキサンで洗浄し
たのち風乾し、3,5−DMHを回収した。洗浄液はn−ヘキ
サンを留去したのち、母液に戻す操作を繰り返した。そ
の結果を第3表に示す。第3表の結晶組成は平均組成で
ある。
第3表に示すとおり、前記(1)式を満足させるよう
蒸留して得た濃縮3,5−DMH留分を溶融せしめることによ
って、高純度の3,5−DMHを回収できる。
実施例5 実施例4と同じDMHないしトリメチルフェノール留分
を、晶析温度を−15℃に設定して前記(1)式を満足さ
せるよう精密蒸留し、第4表に示す組成の濃縮3,5−DMH
留分を得た。この濃縮3,5−DMH留分1000部を実施例4と
同一条件で溶融晶析せしめ、3,5−DMHを回収した。その
結果を第4表に示す。
第4表に示すとおり、3,5−DMH濃度を高めると共に、
3,4−DMH濃度を前記(2)式を満足させるよう低減せし
めた濃縮3,5−DMH留分を用いることにより、3,5−DMHの
回収率を高めることができる。
実施例6 実施例4と同じDMHないしトリメチルフェノール留分
を、前記(1)式を満足させると共に、実施例4および
5よりも3,5−DMH濃度が高くなるよう精密蒸留し、第5
表に示す組成の濃縮3,5−DMH留分を得た。この濃縮3,5
−DMH留分1000部を、晶析最終温度を20℃としたした以
外は、実施例4と同一操作により溶融晶析せしめた。そ
の結果を第5表に示す。なお、n−ヘキサンで洗浄前の
3,5−DMH結晶の性状も併せて第5表に示す。
第5表に示すとおり、濃縮3,5−DMH留分中の3,5−DMH
濃度を高めることにより、回収する3,5−DMH結晶の純度
が向上すると共に、回収率も大巾に上昇せしめることが
できる。
実施例7および比較例2 第6表に示す組成のDMHないしトリメチルフェノール
留分を、晶析温度を15℃に設定して前記(1)式を満足
させるよう精密蒸留し、第6表に示す組成の濃縮3,5−D
MH留分を得た。この濃縮3,5−DMH留分1000部を、最終晶
析温度を15℃(実施例7)および前記(1)式を満足さ
せない5℃(比較例2)とした以外は、実施例4と同一
条件で溶融晶析し、それぞれ第6表に示す性状の3,5−D
MH結晶を回収した。
第6表に示すとおり、3,4−DMHを30%と多量に含む濃
縮3,5−DMH留分から、3,5−DMHを回収する場合であって
も、前記(1)式を満足させる実施例7の場合は、高純
度の3,5−DMHを回収できるのに対し、晶析温度を下げて
前記(1)式を満足させなくした比較例2の場合は、3,
5−DMHの純度が大巾に低減している。
実施例8 実施例5で使用した濃縮3,5−DMH留分を、第6図に示
す連続溶融晶析装置を用い、溶融晶析せしめた。すなわ
ち、この装置の塔内に前記濃縮3,5−DMH留分を液状で充
填し、塔底温度を60℃、冷却域温度を30℃に保持したの
ち、濃縮3,5−DMH留分装入量を1000部/hr、製品抜き出
し量を250部/hr、母液抜き出し量を750部/hrに設定し、
8時間運転した。8時間運転後の製品3,5−DMHは、純度
99.98%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、溶融晶析後の母液中の3,4−DMH濃度が30%と
なるまで最終晶析温度を低下した場合の濃縮3,4−DMH留
分中の3,4−DMH濃度と、3,4−DMHの回収率との関係を示
す線図、第2図は、溶融晶析後の母液中の3,5−DMH濃度
が30%となるまで、最終晶析温度を低下せしめた場合の
濃縮3,5−DMH留分中の3,5−DMH濃度と、3,5−DMH回収率
との関係を示す線図、第3図は、3,4−DMHの固液平衡線
図、第4図は、3,5−DMHの固液平衡線図、第5図は、DM
H含有留分を理論段数60段の蒸留装置を用い、100mmAq、
還流比20で蒸留した場合の蒸留曲線、第6図は、向流連
続溶融晶析精製装置の一例を示す説明図である。 1……竪型塔、2……原料供給口、 3……冷却用ジャケツト部、 4……加熱用ジャレット部、 5……製品抜き出し口、6……母液抜き出し口、 7……撹拌機、

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3,4−ジメチルフェノールおよび3,5−ジメ
    チルフェノールを含有するジメチルフェノール類含有留
    分を原料とし、3,4−ジメチルフェノールを目的ジメチ
    ルフェノールとして、非目的ジメチルフェノールである
    3,5−ジメチルフェノールから分離し、または3,5−ジメ
    チルフェノールを目的ジメチルフェノールとして、非目
    的ジメチルフェノールである3,4−ジメチルフェノール
    から分離する方法において、ジメチルフェノール類含有
    留分を、目的ジメチルフェノール濃度35重量%以上で、
    かつ非目的ジメチルフェノール濃度(U)が(1)式で
    示す範囲となるように蒸留して濃縮ジメチルフェノール
    留分を回収し、これを溶融晶析して目的ジメチルフェノ
    ールを分離することを特徴とするジメチルフェノールの
    精製方法。 U≦(100−x)(P/(100−p)) …(1) ただし、U:濃縮ジメチルフェノール留分中の非目的ジメ
    チルフェノール濃度(%) x:濃縮ジメチルフェノール留分中の目的ジメチルフェノ
    ール濃度(%) P:目的ジメチルフェノールの固液平衡線図から求めた晶
    析温度での液中の目的ジメチルフェノール濃度(%)
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