JPS6323178B2 - - Google Patents
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- JPS6323178B2 JPS6323178B2 JP17257880A JP17257880A JPS6323178B2 JP S6323178 B2 JPS6323178 B2 JP S6323178B2 JP 17257880 A JP17257880 A JP 17257880A JP 17257880 A JP17257880 A JP 17257880A JP S6323178 B2 JPS6323178 B2 JP S6323178B2
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Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
本発明は、アセナフテンの製造方法に関するも
のである。詳しく述べると、コールタールを蒸留
して得られるアセナフテン含有留分を再蒸留して
得られる特定留分より連続晶析法によりアセナフ
テンを得る方法に関するものである。 アセナフテンは、沸点278℃、融点95℃の白色
結晶で、コールタール中に比較的多量に含まれて
いる化合物の一つである。アセナフテンは誘導体
として染料、耐熱性樹脂、カビの発芽抑制剤など
の用途があり、極めて有用である。 コールタールは、一般にはまず蒸留により軽
油、カルボル油、ナフタリン油、洗浄油、アント
ラセン油、ピツチ等に分留し、さらに各留分から
必要に応じて蒸留、晶析、抽出等の処理を行なう
ことにより有用な製品を得ている。アセナフテン
は、ナフタリン油からピツチまでの留分に含まれ
ているが、洗浄油に約10〜30重量%、アントラセ
ン油に約3〜6重量%、ナフタリン油からナフタ
リンおよびメチルナフタリン類を回収した後の残
油に約10〜25重量%含まれており、アセナフテン
製造の原料としてはこれらの留分が適当である。 これらの留分を精留すると比較的容易にアセナ
フテン含有量40重量%以上の留分に濃縮すること
ができる。しかし、これらアセナフテン含有留分
には、アセナフテンと沸点の接近したジメチルナ
フタリン、ジベンゾフラン、その他多数の成分が
同時に多量に含まれており、蒸留法のみで高純度
のアセナフテンを製造するのは非常に困難であ
る。 一方、蒸留による分離が困難な場合、目的物を
晶析によつて分離することは一般に知られてい
る。晶析法で高純度製品を得るときに純度向上を
阻害する要因は、共融混合物の生成と固溶体の生
成とであり、さらに一般に用いられる遠心分離法
では母液の残留が問題になる。タール蒸留留分を
蒸留濃縮して得られるアセナフテン留分中には極
めて多数の成分が不純物として多量に共存するの
で、このような純度向上阻害因子が非常に多いこ
とは容易に考えられる。 本発明者らの研究によれば、前記コールタール
留分、例えば洗浄油を精留してアセナフテン含有
量を高めた留分を通常の晶析法、すなわちこのア
セナフテン含有量を高めた留分を撹拌しながら冷
却し、結晶を析出せしめ、得られたスラリーを遠
心分離機にかけ結晶と母液とに分け、更に溶媒を
用いて洗浄する方法、あるいは溶媒を用いて冷却
晶析し、遠心分離する方法でもかなり高純度のア
セナフテンが得られることが判つた。これはアセ
ナフテン留分中には固溶体を生成するような精製
妨害物質は少なく、析出結晶の純度が極めて高い
ことによると考えられる。したがつて、不純物成
分に対し適当な溶解能を有する溶媒等を用いて行
う晶析分離精製法によつて高純度のアセナフテン
を得ることは可能である。しかし、この方法は、
結晶の乾燥や溶媒の回収などプロセスが複雑にな
ることおよび収率の低下をきたすため経済的でな
い。 本発明者らは、アセナフテンの精製条件につい
て研究した結果、コールタールを蒸留して得られ
るアセナフテン含有留分から蒸留濃縮して晶析原
料のアセナフテン留分を得るに当り、単にアセナ
フテン含有量を高めることのみを目的に蒸留する
のではなく、同時にジベンゾフラン含有量を規制
しながら蒸留すること、さらにこのようにして得
られるアセナフテン留分を通常の晶析遠心分離法
で処理するのではなく、これを向流連続晶析精製
装置で処理することにより、極めて有利に高純度
アセナフテンが製造できることを見出した。 本発明で連続晶析の原料として使用するアセナ
フテン留分中のアセナフテン含有量は40〜70重量
%、好ましくは50〜70重量%とすればよい。本発
明者らの研究によれば、一般に連続晶析の原料と
しては目的成分の濃度が高いもの程望ましく、60
重量%以上とする必要のある場合が多い。しかる
に、アセナフテンにおいてはジベンゾフランの含
有量を一定値以下に保持する限り、40重量%程度
でも、円滑な運転ができ、極めて高純度の製品を
得ることができることが判つた。したがつて、ア
セナフテン留分中のアセナフテン含有量を必要以
上に高めることは必要ではなく、90重量%以下好
ましくは70重量%以下にとどめることが有利であ
る。 更に、アセナフテン留分はアセナフテン含有量
を満足するだけでなく、ジベンゾフラン濃度がジ
ベンゾフラン/アセナフテンのモル比0.35以下、
好ましくは0.25以下となるようにする必要があ
る。アセナフテン留分中にジベンゾフラン含有量
が多いと晶析温度を下げ収率を高くしようとする
とき、ジベンゾフランが同時に析出するようにな
り、製品の純度が低下する。ジベンゾフラン含有
量が限度を超えて高くなると、ジベンゾフランが
最初から析出してアセナフテンを高純度の製品と
して回収することは不可能である。これはジベン
ゾフランがアセナフテンと共融混合物をつくるた
めと思われる。 かかるアセナフテン留分を得る方法としては、
アセナフテンを2〜40重量%好ましくは5〜30重
量%含有するコールタール留分、例えば沸点範囲
200〜300℃のコールタール留分を、回分蒸留、連
続蒸留又はこれらの組合せによつて蒸留する方法
がある。蒸留条件は、特に高純度の留分を得る必
要はないので、例えば常圧蒸留、減圧蒸留、加圧
蒸留等任意の方法をとることができるが、アセナ
フテンと沸点の近接したジベンゾフランを一定値
以下にする必要があるので、蒸留段数10以上、還
流比5以上の条件でアセナフテンより高沸点側成
分の混入を注意しつつ蒸留することが望ましい。 蒸留原料となるアセナフテンを含有するコール
タール留分としては、沸点範囲200〜300℃の留分
が適当であり、特に洗浄油およびアントラセン油
留分が好適である。また、これらの留分から一部
の成分を分離したコールタール留分、例えばアン
トラセン油からアントラセンを回収したのちの残
留、ナフタリン油からナフタリンを回収したのち
の残油又はナフタリン油、洗浄油を酸あるいはア
ルカリで洗浄してタール酸又はタール塩基を回収
したのちの残油等も有利なコールタール留分であ
り、特にナフタリン油からナフタリンおよびメチ
ルナフタリン類を回収したのちの塔底油(ナフタ
リン残油と称することがある)はアセナフテン含
有量が高いコールタール留分である。 かかる沸点範囲を有するコールタール留分の名
称および代表組成の一例を示せば次のとおりであ
る。
のである。詳しく述べると、コールタールを蒸留
して得られるアセナフテン含有留分を再蒸留して
得られる特定留分より連続晶析法によりアセナフ
テンを得る方法に関するものである。 アセナフテンは、沸点278℃、融点95℃の白色
結晶で、コールタール中に比較的多量に含まれて
いる化合物の一つである。アセナフテンは誘導体
として染料、耐熱性樹脂、カビの発芽抑制剤など
の用途があり、極めて有用である。 コールタールは、一般にはまず蒸留により軽
油、カルボル油、ナフタリン油、洗浄油、アント
ラセン油、ピツチ等に分留し、さらに各留分から
必要に応じて蒸留、晶析、抽出等の処理を行なう
ことにより有用な製品を得ている。アセナフテン
は、ナフタリン油からピツチまでの留分に含まれ
ているが、洗浄油に約10〜30重量%、アントラセ
ン油に約3〜6重量%、ナフタリン油からナフタ
リンおよびメチルナフタリン類を回収した後の残
油に約10〜25重量%含まれており、アセナフテン
製造の原料としてはこれらの留分が適当である。 これらの留分を精留すると比較的容易にアセナ
フテン含有量40重量%以上の留分に濃縮すること
ができる。しかし、これらアセナフテン含有留分
には、アセナフテンと沸点の接近したジメチルナ
フタリン、ジベンゾフラン、その他多数の成分が
同時に多量に含まれており、蒸留法のみで高純度
のアセナフテンを製造するのは非常に困難であ
る。 一方、蒸留による分離が困難な場合、目的物を
晶析によつて分離することは一般に知られてい
る。晶析法で高純度製品を得るときに純度向上を
阻害する要因は、共融混合物の生成と固溶体の生
成とであり、さらに一般に用いられる遠心分離法
では母液の残留が問題になる。タール蒸留留分を
蒸留濃縮して得られるアセナフテン留分中には極
めて多数の成分が不純物として多量に共存するの
で、このような純度向上阻害因子が非常に多いこ
とは容易に考えられる。 本発明者らの研究によれば、前記コールタール
留分、例えば洗浄油を精留してアセナフテン含有
量を高めた留分を通常の晶析法、すなわちこのア
セナフテン含有量を高めた留分を撹拌しながら冷
却し、結晶を析出せしめ、得られたスラリーを遠
心分離機にかけ結晶と母液とに分け、更に溶媒を
用いて洗浄する方法、あるいは溶媒を用いて冷却
晶析し、遠心分離する方法でもかなり高純度のア
セナフテンが得られることが判つた。これはアセ
ナフテン留分中には固溶体を生成するような精製
妨害物質は少なく、析出結晶の純度が極めて高い
ことによると考えられる。したがつて、不純物成
分に対し適当な溶解能を有する溶媒等を用いて行
う晶析分離精製法によつて高純度のアセナフテン
を得ることは可能である。しかし、この方法は、
結晶の乾燥や溶媒の回収などプロセスが複雑にな
ることおよび収率の低下をきたすため経済的でな
い。 本発明者らは、アセナフテンの精製条件につい
て研究した結果、コールタールを蒸留して得られ
るアセナフテン含有留分から蒸留濃縮して晶析原
料のアセナフテン留分を得るに当り、単にアセナ
フテン含有量を高めることのみを目的に蒸留する
のではなく、同時にジベンゾフラン含有量を規制
しながら蒸留すること、さらにこのようにして得
られるアセナフテン留分を通常の晶析遠心分離法
で処理するのではなく、これを向流連続晶析精製
装置で処理することにより、極めて有利に高純度
アセナフテンが製造できることを見出した。 本発明で連続晶析の原料として使用するアセナ
フテン留分中のアセナフテン含有量は40〜70重量
%、好ましくは50〜70重量%とすればよい。本発
明者らの研究によれば、一般に連続晶析の原料と
しては目的成分の濃度が高いもの程望ましく、60
重量%以上とする必要のある場合が多い。しかる
に、アセナフテンにおいてはジベンゾフランの含
有量を一定値以下に保持する限り、40重量%程度
でも、円滑な運転ができ、極めて高純度の製品を
得ることができることが判つた。したがつて、ア
セナフテン留分中のアセナフテン含有量を必要以
上に高めることは必要ではなく、90重量%以下好
ましくは70重量%以下にとどめることが有利であ
る。 更に、アセナフテン留分はアセナフテン含有量
を満足するだけでなく、ジベンゾフラン濃度がジ
ベンゾフラン/アセナフテンのモル比0.35以下、
好ましくは0.25以下となるようにする必要があ
る。アセナフテン留分中にジベンゾフラン含有量
が多いと晶析温度を下げ収率を高くしようとする
とき、ジベンゾフランが同時に析出するようにな
り、製品の純度が低下する。ジベンゾフラン含有
量が限度を超えて高くなると、ジベンゾフランが
最初から析出してアセナフテンを高純度の製品と
して回収することは不可能である。これはジベン
ゾフランがアセナフテンと共融混合物をつくるた
めと思われる。 かかるアセナフテン留分を得る方法としては、
アセナフテンを2〜40重量%好ましくは5〜30重
量%含有するコールタール留分、例えば沸点範囲
200〜300℃のコールタール留分を、回分蒸留、連
続蒸留又はこれらの組合せによつて蒸留する方法
がある。蒸留条件は、特に高純度の留分を得る必
要はないので、例えば常圧蒸留、減圧蒸留、加圧
蒸留等任意の方法をとることができるが、アセナ
フテンと沸点の近接したジベンゾフランを一定値
以下にする必要があるので、蒸留段数10以上、還
流比5以上の条件でアセナフテンより高沸点側成
分の混入を注意しつつ蒸留することが望ましい。 蒸留原料となるアセナフテンを含有するコール
タール留分としては、沸点範囲200〜300℃の留分
が適当であり、特に洗浄油およびアントラセン油
留分が好適である。また、これらの留分から一部
の成分を分離したコールタール留分、例えばアン
トラセン油からアントラセンを回収したのちの残
留、ナフタリン油からナフタリンを回収したのち
の残油又はナフタリン油、洗浄油を酸あるいはア
ルカリで洗浄してタール酸又はタール塩基を回収
したのちの残油等も有利なコールタール留分であ
り、特にナフタリン油からナフタリンおよびメチ
ルナフタリン類を回収したのちの塔底油(ナフタ
リン残油と称することがある)はアセナフテン含
有量が高いコールタール留分である。 かかる沸点範囲を有するコールタール留分の名
称および代表組成の一例を示せば次のとおりであ
る。
【表】
このようにして得られたアセナフテン留分は、
次いで連続的に晶析させてアセナフテンを分離回
収する。本発明で使用する連続晶析装置として
は、精製効果の優れる向流連続晶析精製装置に属
するものが適当である。向流連続晶析装置は、一
端側に結晶を析出させる冷却域、他端側に析出し
た結晶を融解させる加熱域および中間に冷却域か
ら加熱域に移送される結晶が融解された結晶成分
と向流接触する精製域を有するものが代表的なも
のであり、母液は冷却域側から、そして製品は加
熱域側から連続的に抜き出される。 好適な連続晶析装置の一例は、図面に示すよう
に竪型塔1の適宜の位置、例えば中段に原料供給
口2、上部にジヤケツト部のごとき冷却手段3、
下部に加熱手段4および製品取出口5、最上部に
母液取出口6を有し、さらに同一平面内の撹拌を
行ない結晶を流動状態に保持せしめる撹拌機7を
設けた構造を有するものである。なお、図中Aは
冷却域、Bは精製域、Cは加熱域である。 前記組成を有する留分を竪型塔に液状で充填
し、撹拌機を駆動させる。冷却器8より給水口9
を経てジヤケツト部3に冷却水を供給し、塔内液
の冷却を開始する。排水口10より出た水は冷却
器に戻し循環使用する。冷却水の温度を下げて行
くと、塔内液の温度は次第に低下し、塔内液の凝
固点付近に達するとアセナフテンの結晶が析出し
はじめる。析出した結晶は周辺にある液より密度
が大きいために沈降する。ジヤケツトを有する冷
却域の温度をさらに下げて行き、ついで一定の温
度に保持する。冷却域の温度は低い方が結晶の析
出量が多いが、温度を下げすぎると結晶の沈降性
が悪くなり、冷却域の塔内液全体が固結する恐れ
があり、原料の組成により適正な水準がある。ア
セナフテン濃縮留分の場合、アセナフテン、ジベ
ンゾフラン等の融点の高い物質の合計量が原料に
占める割合によつて決まるが、ほヾ15〜60℃の範
囲にあり、好ましくは20〜55℃の範囲である。 塔底域には次第に結晶が蓄積されてくるので、
加熱器の使用を開始する。加熱器はスチーム、高
温熱媒、電力等を熱源とした適当なものであれば
よい。加熱を開始すると、塔底域に蓄積した結晶
は融解し、液状となつて塔内を上昇して行く。上
昇する過程で沈降してくる結晶と向流接触し、結
晶のまわりに付着した母液が洗われる。このよう
に沈降する結晶と上昇液との向流接触により次第
に精製が進行する。塔底液の純度が向上すると、
塔底液の温度が上昇して行くので、やがて目的製
品の凝固点付近、好ましくは93〜95℃に達したら
塔底液のぬき出しを開始する。一方、原料の装入
を開始し連続運転に入る。原料は液状で装入する
が、外部冷却器で予冷してスラリーで装入するこ
ともできる。塔頂から出る母液は、蒸留原料に戻
すかあるいは副生油として別の用途にあてる。 つぎに実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例 1 コールタールを蒸留して得られる沸点220〜300
℃の洗浄油留分を32段の蒸留段数を有する回分式
蒸留装置で還流比12〜15の条件で蒸留し、アセナ
フテン58.2%(重量%、以下同じ)、ジベンゾフ
ラン15.8%、その他26.0%の組成からなる留分を
得た。この留分のジベンゾフラン/アセナフテン
モル比は0.25である。 つぎに、この留分を原料に用いて晶析を行なつ
た。晶析機の構造は図面と同様である。この装置
に前記留分を充填し前述の冷却および塔底加熱を
行ない、塔底温度が93℃以上になつてから連続運
転を行なつた。冷却域の温度は34℃に保持した。
連続運転は10時間行ない、この間の原料装入量お
よび製品抜出量の平均は、それぞれ156部(重量
部、以下同じ)/hrおよび5.5部/hrであつた。
製品の平均組成はアセナフテン99.9%(GC分析)
であり、塔頂より排出された母液の平均組成はア
セナフテン38.6%、ジベンゾフラン24.4%、その
他40.0%であつた。製品の対原料歩留は、35.2
%、原料中のアセナフテンが製品に回収された割
合は60.4%である。 実施例 2 実施例1と同様の蒸留装置条件により、沸点
220〜300℃の洗浄油留分を蒸留し、アセナフテン
64.9%、ジベンゾフラン10.9%、その他24.2%の
組成からなる留分を得た。この留分のジベンゾフ
ラン/アセナフテンモル比は0.15である。 つぎに、この留分を原料に用いて実施例1と同
様な方法で晶析を行ない塔底温度が93℃に達して
から連続運転を行なつた。冷却域の温度は40℃に
保持した。連続運転は11時間行ない、この間の原
料装入量および製品抜出量の平均はそれぞれ15.3
部/hrおよび5.8部/hrであつた。製品の平均組
成はアセナフテン100.0%であつた。塔頂より排
出される母液の平均組成は、アセナフテン43.5
%、ジベンゾフラン17.5%、その他39.0%であつ
た。製品の対原料歩留は37.9%、原料中のアセナ
フテンが製品に回収された場合は58.4%である。 実施例 3 実施例1と同様の蒸留装置条件により、沸点
200〜250℃のナフタリン油からナフタリンを回収
した後の残油を蒸留し、アセナフテン47.1%、ジ
ベンゾフラン12.6%、その他40.3%の組成から成
るアセナフテン留分を得た。この留分ジベンゾフ
ラン/アセナフテンモル比は0.24である。 つぎに、この留分を原料に用いて実施例1と同
様の方法で晶析を行ない、塔底温度が93℃に達し
てから連続転を行なつた。冷却域の温度は25〜30
℃に保持した。連続運転は20時間行ない、この間
の原料装入量および製品抜出量の平均は、それぞ
れ15.0部/hrおよび2.7部/hrであつた。 製品の平均組成はアセナフテン99.4%、ジベン
ゾフラン0.3%、その他0.3%であつた。製品の対
原料歩留は24.0%、原料中のアセナフテンが製品
に回収された割合は38.0%である。
次いで連続的に晶析させてアセナフテンを分離回
収する。本発明で使用する連続晶析装置として
は、精製効果の優れる向流連続晶析精製装置に属
するものが適当である。向流連続晶析装置は、一
端側に結晶を析出させる冷却域、他端側に析出し
た結晶を融解させる加熱域および中間に冷却域か
ら加熱域に移送される結晶が融解された結晶成分
と向流接触する精製域を有するものが代表的なも
のであり、母液は冷却域側から、そして製品は加
熱域側から連続的に抜き出される。 好適な連続晶析装置の一例は、図面に示すよう
に竪型塔1の適宜の位置、例えば中段に原料供給
口2、上部にジヤケツト部のごとき冷却手段3、
下部に加熱手段4および製品取出口5、最上部に
母液取出口6を有し、さらに同一平面内の撹拌を
行ない結晶を流動状態に保持せしめる撹拌機7を
設けた構造を有するものである。なお、図中Aは
冷却域、Bは精製域、Cは加熱域である。 前記組成を有する留分を竪型塔に液状で充填
し、撹拌機を駆動させる。冷却器8より給水口9
を経てジヤケツト部3に冷却水を供給し、塔内液
の冷却を開始する。排水口10より出た水は冷却
器に戻し循環使用する。冷却水の温度を下げて行
くと、塔内液の温度は次第に低下し、塔内液の凝
固点付近に達するとアセナフテンの結晶が析出し
はじめる。析出した結晶は周辺にある液より密度
が大きいために沈降する。ジヤケツトを有する冷
却域の温度をさらに下げて行き、ついで一定の温
度に保持する。冷却域の温度は低い方が結晶の析
出量が多いが、温度を下げすぎると結晶の沈降性
が悪くなり、冷却域の塔内液全体が固結する恐れ
があり、原料の組成により適正な水準がある。ア
セナフテン濃縮留分の場合、アセナフテン、ジベ
ンゾフラン等の融点の高い物質の合計量が原料に
占める割合によつて決まるが、ほヾ15〜60℃の範
囲にあり、好ましくは20〜55℃の範囲である。 塔底域には次第に結晶が蓄積されてくるので、
加熱器の使用を開始する。加熱器はスチーム、高
温熱媒、電力等を熱源とした適当なものであれば
よい。加熱を開始すると、塔底域に蓄積した結晶
は融解し、液状となつて塔内を上昇して行く。上
昇する過程で沈降してくる結晶と向流接触し、結
晶のまわりに付着した母液が洗われる。このよう
に沈降する結晶と上昇液との向流接触により次第
に精製が進行する。塔底液の純度が向上すると、
塔底液の温度が上昇して行くので、やがて目的製
品の凝固点付近、好ましくは93〜95℃に達したら
塔底液のぬき出しを開始する。一方、原料の装入
を開始し連続運転に入る。原料は液状で装入する
が、外部冷却器で予冷してスラリーで装入するこ
ともできる。塔頂から出る母液は、蒸留原料に戻
すかあるいは副生油として別の用途にあてる。 つぎに実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例 1 コールタールを蒸留して得られる沸点220〜300
℃の洗浄油留分を32段の蒸留段数を有する回分式
蒸留装置で還流比12〜15の条件で蒸留し、アセナ
フテン58.2%(重量%、以下同じ)、ジベンゾフ
ラン15.8%、その他26.0%の組成からなる留分を
得た。この留分のジベンゾフラン/アセナフテン
モル比は0.25である。 つぎに、この留分を原料に用いて晶析を行なつ
た。晶析機の構造は図面と同様である。この装置
に前記留分を充填し前述の冷却および塔底加熱を
行ない、塔底温度が93℃以上になつてから連続運
転を行なつた。冷却域の温度は34℃に保持した。
連続運転は10時間行ない、この間の原料装入量お
よび製品抜出量の平均は、それぞれ156部(重量
部、以下同じ)/hrおよび5.5部/hrであつた。
製品の平均組成はアセナフテン99.9%(GC分析)
であり、塔頂より排出された母液の平均組成はア
セナフテン38.6%、ジベンゾフラン24.4%、その
他40.0%であつた。製品の対原料歩留は、35.2
%、原料中のアセナフテンが製品に回収された割
合は60.4%である。 実施例 2 実施例1と同様の蒸留装置条件により、沸点
220〜300℃の洗浄油留分を蒸留し、アセナフテン
64.9%、ジベンゾフラン10.9%、その他24.2%の
組成からなる留分を得た。この留分のジベンゾフ
ラン/アセナフテンモル比は0.15である。 つぎに、この留分を原料に用いて実施例1と同
様な方法で晶析を行ない塔底温度が93℃に達して
から連続運転を行なつた。冷却域の温度は40℃に
保持した。連続運転は11時間行ない、この間の原
料装入量および製品抜出量の平均はそれぞれ15.3
部/hrおよび5.8部/hrであつた。製品の平均組
成はアセナフテン100.0%であつた。塔頂より排
出される母液の平均組成は、アセナフテン43.5
%、ジベンゾフラン17.5%、その他39.0%であつ
た。製品の対原料歩留は37.9%、原料中のアセナ
フテンが製品に回収された場合は58.4%である。 実施例 3 実施例1と同様の蒸留装置条件により、沸点
200〜250℃のナフタリン油からナフタリンを回収
した後の残油を蒸留し、アセナフテン47.1%、ジ
ベンゾフラン12.6%、その他40.3%の組成から成
るアセナフテン留分を得た。この留分ジベンゾフ
ラン/アセナフテンモル比は0.24である。 つぎに、この留分を原料に用いて実施例1と同
様の方法で晶析を行ない、塔底温度が93℃に達し
てから連続転を行なつた。冷却域の温度は25〜30
℃に保持した。連続運転は20時間行ない、この間
の原料装入量および製品抜出量の平均は、それぞ
れ15.0部/hrおよび2.7部/hrであつた。 製品の平均組成はアセナフテン99.4%、ジベン
ゾフラン0.3%、その他0.3%であつた。製品の対
原料歩留は24.0%、原料中のアセナフテンが製品
に回収された割合は38.0%である。
図面は本発明方法において使用される連続晶析
装置の一例を示す概略断面図である。 1……竪型塔、2……原料供給口、3……冷却
手段、4……加熱手段、5……製品取出口、6…
…母液取出口、7……撹拌機、A……冷却域、B
……精製域、C……加熱域。
装置の一例を示す概略断面図である。 1……竪型塔、2……原料供給口、3……冷却
手段、4……加熱手段、5……製品取出口、6…
…母液取出口、7……撹拌機、A……冷却域、B
……精製域、C……加熱域。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アセナフテンを含有するコールタール留分を
蒸留段数10以上、還流比5以上の条件で蒸留して
アセナフテン含有量40〜70重量%、ジベンゾフラ
ン/アセナフテンのモル比0.35以下のアセナフテ
ン留分を得、次いでこれを連続的に晶析させてア
セナフテンを分離回収することを特徴とするアセ
ナフテンの製造方法。 2 コールタール留分は、洗浄油、アントラセン
油およびナフタリン油からナフタリンおよびメチ
ルナフタリン類を回収した後の残油よりなる群か
ら選ばれた1種又は2種以上の留分である特許請
求の範囲第1項に記載の製造方法。 3 連続晶析は前記組成を有する留分を20〜55℃
に冷却して析出してくるアセナフテン結晶を沈降
させ、沈降してくる結晶を93〜95℃で融解させて
抜き出すことにより行われる特許請求の範囲第1
項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17257880A JPS5798219A (en) | 1980-12-09 | 1980-12-09 | Production of acenaphthene |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17257880A JPS5798219A (en) | 1980-12-09 | 1980-12-09 | Production of acenaphthene |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5798219A JPS5798219A (en) | 1982-06-18 |
JPS6323178B2 true JPS6323178B2 (ja) | 1988-05-16 |
Family
ID=15944427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17257880A Granted JPS5798219A (en) | 1980-12-09 | 1980-12-09 | Production of acenaphthene |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5798219A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109704910B (zh) * | 2017-10-25 | 2021-08-06 | 中国石油化工股份有限公司 | 含有蒽烷基化反应产物的混合物的分离方法 |
-
1980
- 1980-12-09 JP JP17257880A patent/JPS5798219A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5798219A (en) | 1982-06-18 |
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