JP4058961B2 - 現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置において、像担持体に形成された潜像を現像するのに使用する現像装置に係り、特に、トナーを表面に保持して像担持体と所要間隔を介して対向する現像領域に搬送するトナー担持体と、このトナー担持体の表面に圧接させて現像領域に搬送されるトナーの量を規制する規制部材と、現像領域においてトナー担持体と像担持体との間に交番電界を作用させて現像を行う現像バイアス電源とを備えた現像装置を用いて現像を行った場合に、濃度むら等の発生が少ない良好な画像が得られるようにした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機やプリンター等の画像形成装置においては、像担持体に形成された潜像を現像するのに様々な現像装置が使用されていた。
【0003】
そして、このような現像装置としては、キャリアとトナーとを含む現像剤を用いた2成分現像方式の現像装置の他に、キャリアを用いずにトナーだけを使用した1成分現像方式の現像装置が知られている。
【0004】
ここで、このような1成分現像方式の現像装置としては、例えば、図1に示すような現像装置が用いられており、この現像装置においては、装置本体1内におけるトナーtを送り部材2によりトナー担持体3に送り、トナーtをこのトナー担持体3の表面に保持させて、このトナー担持体3を回転させ、トナー担持体3の表面に保持されたトナーtを像担持体10と所要間隔dを介して対向する現像領域に導く途中において、このトナー担持体3の表面に規制部材4を圧接させ、この規制部材4によりトナー担持体3の表面に保持されたトナーtの量を規制すると共にこのトナーtを摩擦帯電させるようにしている。
【0005】
そして、このように規制されて摩擦帯電されたトナーtを像担持体10と所要間隔dを介して対向する現像領域に導き、現像バイアス電源5から交番電圧を印加させて、トナー担持体3と像担持体10との間に交番電界を作用させ、トナーtをトナー担持体3から像担持体10に形成された静電潜像からなる画像部に供給して現像を行うようにしている。
【0006】
しかし、上記のようにトナー担持体3の表面に規制部材4を圧接させて現像領域に搬送されるトナーtの量を規制するようにした場合、この規制部材4による圧接力によってトナーtに多大な負荷が加わり、これによってトナー担持体3の表面におけるトナーtが割れて微粉が発生し、この微粉が次第に増加してトナー担持体3の表面等に融着し、形成される画像に濃度むら等が発生するという問題があった。
【0007】
このため、従来においては、図1に示すように、上記のトナー担持体3として、金属ローラからなる導電性基体3aの表面にゴム等の弾性材料中にカーボンブラック等の導電剤を添加させた弾性層3bを形成したものを用い、規制部材4の圧接によってトナーtに加わる負荷を低減させて、トナーtが割れたりするのを防止することが行われている。
【0008】
しかし、このようにトナー担持体3の表面に上記のような弾性層3bを設けた場合、弾性材料中にカーボンブラック等の導電剤がうまく分散されず、この弾性層3bの抵抗にばらつきが生じ、トナー担持体3と像担持体10との間における交番電界にむらが発生して、形成される画像に濃度むら等が発生するという問題があった。
【0009】
このため、近年においては、特許第2964821号公報に示されるように、上記のような弾性層の上にさらに高抵抗の抵抗調整層を設けたものが提案されている。
【0010】
しかし、このように弾性層の上に高抵抗の抵抗調整層を設けたトナー担持体を用いた場合においても、トナー担持体と像担持体との間に作用する交番電界にむらが発生するのを充分に抑制することができす、特に、精細で高品位な画像が得られるようにするために、粒径が小さなトナーを用いた場合には、依然として形成される画像に濃度むら等が発生するという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、トナーを表面に保持して像担持体と所要間隔を介して対向する現像領域に搬送するトナー担持体と、このトナー担持体の表面に圧接させて現像領域に搬送されるトナーの量を規制する規制部材と、現像領域においてトナー担持体と像担持体との間に交番電界を作用させて現像を行う現像バイアス電源とを備えた現像装置における上記のような様々な問題を解決することを課題とするものである。
【0012】
すなわち、この発明においては、上記のような現像装置において、トナー担持体の表面に規制部材を圧接させて現像領域に搬送されるトナーの量を規制する際に、トナーが割れて微粉が発生するのを抑制すると共に、トナー担持体と像担持体との間における交番電界を作用させて現像を行う際に、トナー担持体と像担持体との間に作用する交番電界にむらが発生するのを抑制し、濃度むら等のない良好な画像が得られるようにすることを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明における現像装置においては、上記のような課題を解決するため、トナーを表面に保持して像担持体と所要間隔を介して対向する現像領域に搬送するトナー担持体と、このトナー担持体の表面に圧接させて現像領域に搬送されるトナーの量を規制する規制部材と、現像領域においてトナー担持体と像担持体との間に交番電界を作用させて現像を行う現像バイアス電源とを備えた現像装置において、上記のトナー担持体として、導電性基体の表面に弾性層と中間層と表面層とが設けられてなり、上記の弾性層の体積抵抗値ρ1と中間層の体積抵抗値ρ2と表面層の体積抵抗値ρ3とがρ2≦ρ1≦ρ3の条件を満たし、表面の算術平均粗さRaが0.8〜2.5μmの範囲になったものを用いると共に、上記のトナーとして、その体積平均粒径が3〜8μmの範囲のものを用いるようにしたのである。
【0014】
そして、この発明における現像装置のように、トナー担持体として、導電性基体の表面に弾性層と中間層と表面層とが設けられてなり、弾性層の体積抵抗値ρ1と中間層の体積抵抗値ρ2と表面層の体積抵抗値ρ3とがρ2≦ρ1≦ρ3の条件を満たすものを用いると、上記の弾性層の体積抵抗値ρ1にばらつきが存在していても、体積抵抗値の低い中間層によってこのばらつきが緩和され、さらに体積抵抗値が大きな表面層によって、トナー担持体全体として適当な体積抵抗値を持つようになり、トナー担持体と像担持体との間に作用する交番電界にむらが発生するのが抑制され、体積平均粒径が3〜8μmの範囲になった小粒径のトナーを用いた場合においても、濃度むら等の発生が少ない良好な画像が得られるようになる。
【0015】
また、この発明における現像装置のように、トナー担持体の表面の算術平均粗さRaが0.8〜2.5μmの範囲になるようにすると、体積平均粒径が3〜8μmの範囲になった小粒径のトナーを用いた場合において、トナー担持体により現像領域にトナーが過剰に搬送されて形成される画像にかぶりが生じたり、現像領域に搬送されるトナーの量が少なくなって形成される画像に濃度むら等が発生するのが抑制され、良好な画像が得られるようになる。
【0016】
また、この発明における現像装置に用いるトナー担持体において、導電性基体の表面に上記のような弾性層を設けるにあたり、ゴム等の弾性材料中に添加させるカーボンブラック等の導電剤の量を多くして、弾性層の体積抵抗値ρ1を小さくすると、この弾性層の成形性が悪くなる一方、添加させる導電剤の量を少なくすると、この弾性層における体積抵抗値ρ1のむらが大きくなるため、この弾性層の体積抵抗値ρ1を1×104 〜1×106 Ω・mの範囲にすることが好ましい。
【0017】
また、このように弾性層の体積抵抗値ρ1を1×104 〜1×106 Ω・mの範囲にするため、上記の中間層の体積抵抗値ρ2が1×104 Ω・m以下になるようにする。
【0018】
また、上記の表面層の体積抵抗値ρ3が小さいと、上記のようにトナー担持体と像担持体との間に交番電界を作用させて現像を行う際にリークが発生しやすくなる一方、この表面層の体積抵抗値ρ3が大きくなり過ぎると、トナー担持体と像担持体との間に作用する交番電界の強度が弱くなって、トナーが像担持体の画像部分に充分に供給されなくなるため、この表面層の体積抵抗値ρ3を1×106 〜1×1012Ω・mの範囲にすることが好ましい。
【0019】
また、この発明における現像装置において、上記のようにトナー担持体と像担持体との間に交番電界を作用させて現像を行うにあたり、上記の像担持体における画像部においてトナーを像担持体からトナー担持体に回収する方向の回収電界を作用させるにあたり、その電界強さが強くなり過ぎると、像担持体の画像部とトナー担持体との間でリークが発生する一方、この電界強さが弱くなり過ぎたり、この回収電界の作用時間が短くなり過ぎると、トナー担持体と像担持体との間におけるトナーの飛翔が適切に行われなくなり、特に、小粒径のトナーの場合にはトナーの飛翔がばらつき、筋状の濃度むらが発生しやすくなる。このため、トナー担持体と像担持体との間に交番電界を作用させて現像を行うにあたって、像担持体における画像部においてトナーを像担持体からトナー担持体に回収する方向に作用する回収電界として、その電界強さが2.5×10-6〜14×10-6V/mの範囲で、1周期中における作用時間が3.0×10-4秒以上になった回収電界を作用させることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態に係る現像装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0021】
この実施形態における現像装置においては、図2に示すように、トナー担持体21を像担持体10と所要間隔dを介して対向するように装置本体20に設け、このトナー担持体21を回転させると共に、装置本体10内に収容されたトナーtを送り部材22によって上記のトナー担持体21に送って、トナーtをトナー担持体21に供給し、このトナーtをトナー担持体21の表面に保持させて搬送させるようにしている。
【0022】
そして、このようにトナーtを保持して搬送するトナー担持体21の表面に規制部材23を圧接させ、この規制部材23によりトナー担持体21の表面に保持されて搬送されるトナーtの量を規制すると共にこのトナーtを摩擦帯電させるようにしている。
【0023】
次いで、このように規制されて摩擦帯電されたトナーtをトナー担持体21により像担持体10と所要間隔dを介して対向する現像領域に導き、現像バイアス電源24から交番電圧を印加させて、トナー担持体3と像担持体10との間に交番電界を作用させ、トナー担持体21の表面に保持されたトナーtを像担持体1との間で飛翔させて、トナーtを像担持体10に形成された静電潜像からなる画像部に供給して現像を行うようにしている。
【0024】
また、このようにして現像を行った後は、トナー担持体21の表面に残留しているトナーtを、このトナー担持体21により装置本体20に導くと共に、このトナーtを装置本体20に設けられた除電部材25に接触させて除電させ、このように除電されたトナーtをトナー担持体21の表面から離脱させて、装置本体20内に戻すようにしている。
【0025】
そして、この実施形態における現像装置においては、上記のトナー担持体21として、金属ローラからなる導電性基体21aの表面に弾性層21bと中間層21cと表面層21dとが積層されたものを用い、上記の弾性層21bの体積抵抗値ρ1と中間層21cの体積抵抗値ρ2と表面層21dの体積抵抗値ρ3とがρ2≦ρ1≦ρ3の条件を満たすようにすると共に、その表面の算術平均粗さRaが0.8〜2.5μmの範囲になるようにしている。
【0026】
ここで、上記の弾性層21bとしては、例えば、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブタジェンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジェンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジェンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、熱可塑性エラストマー等からなる弾性材料に、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チタンブラック、金属酸化物の微粒子等の導電剤を付与させたものを用いることができ、この弾性層の体積抵抗値ρ1が1×104 〜1×106 Ω・mの範囲になるようにすることが好ましい。また、この弾性層においては、その硬度がJIS−A硬度で5〜60°、好ましくは10〜50°であり、また厚みが0.3〜1.5mm、好ましくは0.5〜1.0mmになるようにする。
【0027】
また、上記の中間層としては、例えば、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブタジェンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジェンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂等に、上記の弾性層の場合と同様の導電剤を付与させたものを用いることができ、この中間層の体積抵抗値ρ2が1×104 Ω・m以下になるようにすることが好ましい。また、この中間層においては、その厚みが5〜30μm、好ましくは10〜25μmになるようにする。
【0028】
また、上記の表面層としては、例えば、シリコーンゴム、ブタジェンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂等に、上記の弾性層の場合と同様の導電剤を付与させたものを用いることができ、この表面層の体積抵抗値ρ3が1×106 〜1×1012Ω・mの範囲になるようにすることが好ましい。また、この表面層においては、その厚みが5〜40μm、好ましくは10〜30μmになるようにする。
【0029】
一方、この実施形態における現像装置においては、上記のトナーtとして、その体積平均粒径が3〜8μmの範囲のものを用いるようにする。
【0030】
ここで、このトナーtとしては、上記のように体積平均粒径が3〜8μmの範囲になったものであれば特に限定されず、従来より一般に使用されている公知のトナーを使用することができ、一般に、バインダー樹脂中に着色剤の他に、荷電制御剤やオフセット防止剤や流動化剤等を含有させたものが用いられる。
【0031】
また、上記のトナーtを製造するにあたっても、従来より一般に使用されている公知の方法で製造することができ、例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等を用いることができる。
【0032】
ここで、このトナーtに使用する上記のバインダー樹脂としても、従来より一般に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、エポキシ樹脂、合成テルペン樹脂、合成ロジンエステル樹脂等を単独あるいは二種類以上を混合して使用することができる。
【0033】
なお、上記のバインダー樹脂としては、そのガラス転移点Tgが50℃より低いと、トナーtの保存安定性が悪くなる一方、ガラス転移点Tgが70℃より高くなると、転写紙等への定着性が低下するため、ガラス転移点Tgが50〜70℃、好ましくは55〜68℃の樹脂を用いるようにする。また、その軟化点が80℃より低いと、トナーtの保存安定性が悪くなる一方、軟化点が160℃より高くなると、転写紙等への定着性が低下するため、軟化点が80〜160℃、好ましくは85〜150℃の樹脂を用いるようにする。
【0034】
また、上記の着色剤としても、従来より一般に使用されている公知のものを用いることができる。ここで、黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック、鉄黒、酸化鉄、アニリンブラック等を用いることができ、また黄色着色剤としては、例えば、ベンジシンイエローG、ナフトールイエローS、パーマネントイエローNCG、バンザーイエローG、ナフトールイエローS等を使用することができ、また赤色着色剤としては、例えば、パーマネントオレンジGTR、ヒドラゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジシンオレンジ、パーマネントレッド4R、レーキレッドD等を使用することができ、また青色着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、ビクトリアブルーレーキ、紺青等を使用することができる。
【0035】
また、上記の荷電制御剤としては、例えば、クロム錯塩型アゾ染料、亜鉛錯塩、アルミニウム錯塩、カレックスアレン系化合物等を使用することができ、上記のバインダー樹脂100重量部に対して、荷電制御剤を0.5〜8重量部、好ましくは、1〜5重量部の範囲で添加させるようにする。
【0036】
また、上記のオフセット防止剤としては、例えば、低分子量ポリオレフィンワックス、低分子量酸化型ポリオレフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、エステルワックス等を使用することができ、上記のバインダー樹脂100重量部に対して、このオフセット防止剤を0.1〜8重量部、好ましくは2〜6重量部の範囲で加えるようにする。
【0037】
また、上記の流動化剤としては、例えば、シリカ微粒子、二酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子等の無機微粒子を使用することができ、またこれらの無機微粒子をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等で疎水化処理したものを用いることができる。
【0038】
また、この実施形態における現像装置において、上記のように現像バイアス電源24から交番電圧を印加させて、トナー担持体3と像担持体10との間に交番電界を作用させ、トナー担持体21の表面に保持されたトナーtを像担持体10における画像部に供給して現像を行う場合、トナー担持体21と像担持体10の画像部との間でトナーtが適切に飛翔されるようにするため、像担持体10における画像部においてトナーtを像担持体10からトナー担持体21に回収する方向に作用する回収電界の電界強さが2.5×10-6〜14×10-6V/mの範囲で、1周期中における作用時間が3.0×10-4秒以上になった回収電界を作用させることが好ましい。
【0039】
(実験例)
この実験例においては、上記の図2に示す現像装置において、上記のトナー担持体21に設ける弾性層21b、中間層21c、表面層21dの種類や、その表面の算術平均粗さRaを変更させた9種類のトナー担持体A1〜A9を用いると共に、3種類のトナーT1〜T3を使用し、さらにトナー担持体3と像担持体10との間に作用させる交番電界を変更させて、それぞれ現像を行い、得られた画像の評価を行った。
【0040】
(トナー担持体A1)
トナー担持体A1においては、導電性基体として、外径が14mmのアルミニウム製ローラを用いた。
【0041】
ここで、この導電性基体の外周に弾性層を形成するにあたっては、液状シリコーンゴム(信越化学工業社製:KE−1935)のA液とB液とをそれぞれ50重量部、導電性カーボンブラック(三菱化学社製:#3030)を8重量部の割合にして、これらを撹拌・脱泡装置(キーエンス社製:ハイブリットミキサーHM)により3分間混合して脱泡し、弾性層用塗液を調製した。
【0042】
そして、上記の導電性基体を金型にセットし、この導電性基体の外周に上記の弾性層用塗液を供給し、120℃で5分間加熱して弾性層用塗液を硬化させ、さらに金型を外して150℃で1時間加熱し、導電性基体の外周に弾性層を設けた後、この弾性層をドラバース型円筒研磨機を用いて研磨し、導電性基体の外周に厚みが1mmになった弾性層を形成した。
【0043】
次いで、溶剤のトルエン100重量部に、スチレン−ブタジェンエラストマー(アロン化成社製:AR−S−3948A)を5重量部溶解させた溶液に、導電性カーボンブラック(ライオンアクゾ社製:ケッチェンブラック)を0.2重量部、導電性カーボン・ブラック(デグサ社製:Printe XE2)を0.3重量部の割合で加え、これらを撹拌・脱泡装置(キーエンス社製:ハイブリットミキサーHM)で均一に分散させて中間層用塗液を調製した。
【0044】
そして、導電性基体の外周に形成された上記の弾性層をシランカップリング剤で表面処理した後、この弾性層の上に上記の中間層用塗液をスプレーで塗布し、これを乾燥させて、上記の弾性層の上に厚みが10μmになった中間層を形成した。
【0045】
次いで、固形分が35重量%のポリウレタン樹脂エマルジョン(日本エヌ・エス・シー社製:YODOSOL RX−7)を100重量部、導電性カーボンブラック(キャボット社製:Valcan XC−7)を0.35重量部、粗さ付与粒子(富士シリシア化学社製:シリカサイロフェア470)を3.5重量部の割合にして、これらを撹拌・脱泡装置(キーエンス社製:ハイブリットミキサーHM)により3分間混合して脱泡し、表面層用塗液を調製した。
【0046】
そして、この表面層用塗液を上記の中間層の上にスプレーで塗布し、これを乾燥させて、上記の中間層の上に厚みが18μmになった表面層を形成して、トナー担持体A1を得た。
【0047】
(トナー担持体A2)
トナー担持体A2においては、上記のトナー担持体A1における表面層の形成において加える粗さ付与粒子だけを変更し、粗さ付与粒子(富士シリシア化学社製:シリカサイロフェア380)を3.5重量部の割合で加え、それ以外は、上記のトナー担持体A1の場合と同様にして、トナー担持体A2を得た。
【0048】
(トナー担持体A3)
トナー担持体A3においても、上記のトナー担持体A1における表面層の形成において加える粗さ付与粒子だけを変更し、粗さ付与粒子(日興ファインプロダクツ社製:メチルシリコーンMSP−150)を5.0重量部の割合で加え、それ以外は、上記のトナー担持体A1の場合と同様にして、トナー担持体A3を得た。
【0049】
(トナー担持体A4)
トナー担持体A4においても、上記のトナー担持体A1における表面層の形成において使用する粗さ付与粒子だけを変更し、粗さ付与粒子(富士シリシア化学社製:シリカサイロスフェア#440)を4.0重量部の割合で加え、それ以外は、上記のトナー担持体A1の場合と同様にして、トナー担持体A4を得た。
【0050】
(トナー担持体A5)
トナー担持体A5においても、上記のトナー担持体A1における表面層の形成において使用する粗さ付与粒子だけを変更し、粗さ付与粒子(積水化成品工業社製:アクリル微粒子EAX−20)を6重量部の割合で加え、それ以外は、上記のトナー担持体A1の場合と同様にして、トナー担持体A5を得た。
【0051】
(トナー担持体A6)
トナー担持体A6においては、上記のトナー担持体A1における弾性層の形成において使用する導電性カーボンブラックだけを変更し、導電性カーボンブラック(キャボット社製:BlackPearls3500)を5重量部の割合で加え、それ以外は、上記のトナー担持体A1の場合と同様にして、トナー担持体A6を得た。
【0052】
(トナー担持体A7)
トナー担持体A7においては、上記のトナー担持体A1における中間層の形成において使用する導電性カーボンブラックだけを変更し、上記の2種類の導電性カーボンブラックに代えて、導電性カーボンブラック(キャボット社製:ValcanXC−7)を0.3重量部の割合で加え、それ以外は、上記のトナー担持体A1の場合と同様にして、トナー担持体A7を得た。
【0053】
(トナー担持体A8)
トナー担持体A8においては、上記のトナー担持体A1における弾性層の形成において使用する導電性カーボンブラックを変更し、導電性カーボンブラック(ライオンアクゾ社製:ケッチェン・ブラック)を5重量部と、導電性カーボンブラック(三菱化学社製:#3030)を7重量部の割合で加えて弾性層を形成すると共に、上記のトナー担持体A1における中間層の形成において使用する導電性カーボンブラックを変更し、トナー担持体A7の場合と同様に、導電性カーボンブラック(キャボット社製:ValcanXC−7)を0.3重量部の割合で加えて中間層を形成し、それ以外は、上記のトナー担持体A1の場合と同様にして、トナー担持体A8を得た。
【0054】
(トナー担持体A9)
トナー担持体A9においては、上記のトナー担持体A1における弾性層の形成において使用する導電性カーボンブラックを変更し、トナー担持体A6の場合と同様に、導電性カーボンブラック(キャボット社製:BlackPearls3500)を5重量部の割合で加えて弾性層を形成すると共に、上記のトナー担持体A1における表面層の形成において使用する導電性カーボンブラックを変更し、導電性カーボンブラック(ライオンアクゾ社製:ケッチェンブラック)を0.4重量部の割合で加えて表面層を形成し、それ以外は、上記のトナー担持体A1の場合と同様にして、トナー担持体A9を得た。
【0055】
次に、上記のようにして得たトナー担持体A1〜A9において、それぞれ100Vの電圧を印加させた場合における各弾性層の体積抵抗値ρ1(Ω・m)と、各中間層の体積抵抗値ρ2(Ω・m)と、各表面層の体積抵抗値ρ3(Ω・m)とを求めると共に、各トナー担持体A1〜A9の表面における算術平均粗さRa(μm)を求め、これらの結果を下記の表1に示した。
【0056】
ここで、上記の各トナー担持体A1〜A9における弾性層の体積抵抗値ρ1(Ω・m)及び表面層の体積抵抗値ρ3(Ω・m)については、アルミニウム製のローラの表面にそれぞれ上記の弾性層や表面層を形成し、これらをそれぞれローラ状になった金属電極に押し付け、100Vの電圧を印加させて測定し、また上記の各トナー担持体A1〜A9における中間層の体積抵抗値ρ2(Ω・m)については、100Vの電圧を印加させるとリークするおそれがあるため、10Vの電圧を印加させて測定した。
【0057】
また、上記の各トナー担持体A1〜A9における表面の算術平均粗さRa(μm)については、表面粗さ測定計(東京精密社製:サーフコム1400A)を用い、スキャン速度0.3mm/s、カットオフ0.8mm、測定長4mm、測定圧0.7mm/Nの条件で測定した。
【0058】
【表1】
【0059】
この結果、トナー担持体A1〜A3は請求項1,2に示す何れの条件も満たしており、トナー担持体A6は請求項1に示す条件だけを満たしていた。これに対して、トナー担持体A4は表面における算術平均粗さRaが0.7μmと小さくなっており、トナー担持体A5は表面における算術平均粗さRaが2.6μmと大きくなっており、算術平均粗さRaが0.8〜2.5μmの範囲の条件を満たしておらず、またトナー担持体A7〜A9はρ2≦ρ1≦ρ3の条件を満たしていなかった。
【0060】
(トナーT1)
トナーT1においては、還流冷却器と窒素ガス導入装置と温度装置と温度計と撹拌装置とをセットした5リットルの4つ口フラスコをマントルヒーターに設置し、この4つ口フラスコ内にビスフェノールプロピレンオキサイド付加物を1200g、ビスフェノールエチレンオキサイド付加物を145g、イソフタル酸360g、テレフタル酸95gを加え、この4つ口フラスコ内に窒素ガスを導入しながら240℃の温度で脱水重縮合を行い、ガラス転移点Tgが63.4℃になった低分子量のポリエステル樹脂を得た。
【0061】
また、上記の場合と同様にセットした5リットルの4つ口フラスコをマントルヒーターに設置し、この4つ口フラスコ内にビスフェノールプロピレンオキサイド付加物を1800g、イソフタル酸を790g、コハク酸を110g、ジエチレングリコールを128g、グリセリンを83g加え、この4つ口フラスコ内に窒素ガスを導入しながら240℃の温度で脱水重縮合を行い、ガラス転移点Tgが40℃になった高分子量のポリエステル樹脂を得た。
【0062】
そして、上記の低分子量のポリエステル樹脂を3800g、高分子量のポリエステル樹脂を1200gの割合でヘンシェルミキサーに投入し、これを均一になるまで撹拌した後、加熱ニーダーに入れてジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネートを100g加え、この加熱ニーダーにより120℃で1時間反応させて、残留している遊離のイソシアネート基が殆どなくなったことを確認した後、これを冷却して、ウレタン結合を有するポリエステル樹脂を得た。なお、このようにして得たポリエステル樹脂は、ガラス転移点Tgが64.3℃、軟化点が128℃、酸価が20KOHmg/gであった。
【0063】
次いで、上記のようにして得たポリエステル樹脂を100重量部、着色剤のカーボンブラック(コロンビアカーボン社製:Raven1255)を8重量部、荷電制御剤(オリエント化学社製:ボントロンS−34)を2.5重量部、オフセット防止剤として、酸化型低分子量ポリプロピレン(三洋化成社製:ユーメックスST−500)を2重量部とカルナバワックス(株式会社加藤洋行社製)を1.0重量部の割合にして、これらをヘンシェルミキサーにより充分に混合した後、これを2軸押出混練機で混練し、混練物を冷却した後、これを粗粉砕し、次いでクリプトン(川崎重工社製)により中粉砕し、さらに超音波ジェット粉砕機(日本ニューマチック社製)により微粉砕した後、これを分級機(松坂貿易社製:エルボージェット)により分級して、体積平均粒径が6.5μmになったトナー粒子を得た。
【0064】
そして、このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(キャボット・スペシャリテイ・ケミカル社製:キャボジルTS−500)を0.6重量部の割合で加え、ホモジナイザー(特殊機化工業社製)により1500rpmで3分間撹拌して、体積平均粒径が6.5μmになったトナーT1を得た。
【0065】
(トナーT2)
トナーT2においては、上記のトナーT1において、上記の分級機(松坂貿易社製:エルボージェット)による分級条件を変更させて、体積平均粒径が9.2μmになったトナー粒子を得た。
【0066】
そして、このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(キャボット・スペシャリテイ・ケミカル社製:キャボジルTS−500)を0.4重量部の割合で加え、ホモジナイザー(特殊機化工業社製)により1500rpmで3分間撹拌して、体積平均粒径が9.2μmになったトナーT2を得た。
【0067】
(トナーT3)
トナーT3においては、青色顔料(山陽色素社製:SANYO CYANINE BUUEKRO)を250重量部と、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製:#200)を5重量部の割合にして1リットルのブレンダー(西山製作所社製:オスターブレンダー)に加え、このブレンダーにより15000rpmで5分間撹拌した後、シランカップリング剤(東レ・シリコーン社製:ビニールトリメキシシシランSZ−6300)15重量部をエタノール40重量部に溶解させ、10000rpmで撹拌しながら3回に分けけて添加し、更に115000rpmで5分間撹拌した後、80℃で5時間熱処理し、表面処理された青色顔料を得た。
【0068】
次に、スチレンモノマーとn−ブチルメタクリレートモノマーとをそれぞれ2重量%水酸化ナトリウム水溶液で分液ロートを用いて洗浄し、更にイオン交換水で3回水洗した後、無水塩化カルシウムで脱水したスチレンモノマーとn−ブチルメタクリレートモノマーとを用た。
【0069】
そして、500ccのビーカーに、上記スチレンモノマーを87.5g、上記n−ブチルアクリレートを12.5g、カルナバワックス(加藤洋行社製:1号)を3.5g、重合触媒のラウリルパーオキサイドを0.02gを加え、ウォターバスにおいて100℃で10分間撹拌した後、20℃まで急冷却して、プレポリマーを得た。
【0070】
次に、上記のプレプリマー100gと上記の青色顔料4gとをハイブリットミキサー(キーエンス社製:HM−500)で均一に分散させたものと、イオン交換水300ccにポリアクリル酸ナトリウム(重合度:2,700〜7,500)を2.5g溶解させたものとを1リットルのビーカーに入れ、さらに重合触媒(和光純薬:V−65)を0.3g、連鎖移動剤のドデシルメルカプタンを2.0gを加え、TKホモミクサー(日本特殊機化社製:M型)により6500rpmで5分間分散させて懸濁液を得た。
【0071】
そして、還流冷却器と窒素ガス導入装置と温度計と撹拌装置とをセットした4つ口フラスコをこの懸濁液を加え、温度70℃にし300rpmで撹拌しながら7時間重合させ、さらに温度90℃にして1時間重合を行い、その後、沈殿物をろ過し、純水で3回洗浄した後、40℃で乾燥させ、さらに30℃の減圧乾燥器で乾燥させ、その後、分級機(松坂貿易社製:エルボージェット)で分級して、体積平均粒径が5.2μm、ガラス転移点が58℃、軟化点が123℃のトナー粒子を得た。
【0072】
次いで、上記トナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(キャボット・スペシャリティー・ケミカル社製:キャボジルST−500)を0.5重量部、疎水性酸化チタン(チタン工業社製:STT−30S)を1.5重量部の割合で加え、これらをホモジナイザー(特殊機化工業社製)により1500rpmで3分間撹拌して、体積平均粒径が5.2μmになったトナーT3を得た。
【0073】
そして、実施例1〜6及び比較例1〜6の現像装置においては、上記の各トナー担持体A1〜A9と上記の各トナーT1〜T3とを、下記の表2に示すように組み合わせて、上記の図2に示す現像装置に使用し、それぞれ現像を行い、各トナー担持体A1〜A9によって現像領域に搬送されたトナー量(g/m2 )及びトナー帯電量(μC/g)を測定すると共に、形成された画像について、濃度むら、ハーフトーン濃度むら、かぶり、ドット再現性、筋むらの評価を行い、その結果を下記の表3に示した。なお、濃度むら、ハーフトーン濃度むら、かぶり、ドット再現性、筋むらの評価については、良好な場合を○、実用上問題がないレベルを△、実用上問題となる場合を×で示した。
【0074】
ここで、上記のように現像を行うにあたっては、上記の像担持体の周速度を100mm/s、各トナー担持体A1〜A9の周速度を150mm/s、像担持体における非画像部分の電位を−550V、画像部分の電位を−100Vに設定した。
【0075】
そして、実施例1〜4及び比較例1〜6の現像装置においては、上記の像担持体とトナー担持体との間隔dを120μmにし、上記の現像バイアス電源から、−350Vの直流電圧と、ピーク・ピーク値Vppが1600V,周波数が2000Hz,duty比が30%の交流電圧とを重畳させた交番電圧を印加させて現像を行うようにした。なお、この場合、像担持体の画像部においてトナーを像担持体からトナー担持体に回収する方向に作用する回収電界は、表2に示すように、その電界強さが4.6×10-6V/mで、1周期中におけるその作用時間が3.50×10-4秒になっており、請求項3に示す条件を満たしていた。
【0076】
また、実施例5の現像装置においては、上記の像担持体とトナー担持体との間隔dを250μmにし、上記の現像バイアス電源から、−350Vの直流電圧と、ピーク・ピーク値Vppが1600V,周波数が2000Hz,duty比が30%の交流電圧とを重畳させた交番電圧を印加させて現像を行うようにした。なお、この場合、像担持体の画像部においてトナーを像担持体からトナー担持体に回収する方向に作用する回収電界は、表2に示すように、その電界強さが2.2×10-6V/mで、1周期中におけるその作用時間が3.50×10-4秒になっており、回収電界の電界強さが、請求項3に示す条件より低くなっていた。
【0077】
また、実施例6の現像装置においては、上記の像担持体とトナー担持体との間隔dを120μmにし、上記の現像バイアス電源から、−350Vの直流電圧と、ピーク・ピーク値Vppが1600V,周波数が3000Hz,duty比が20%の交流電圧とを重畳させた交番電圧を印加させて現像を行うようにした。なお、この場合、像担持体の画像部においてトナーを像担持体からトナー担持体に回収する方向に作用する回収電界は、表2に示すように、その電界強さが4.6×10-6V/mで、1周期中におけるその作用時間が2.67×10-4秒になっており、回収電界の作用時間が、請求項3に示す条件より短くなっていた。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
この結果から明らかなように、弾性層の体積抵抗値ρ1と中間層の体積抵抗値ρ2と表面層の体積抵抗値ρ3とがρ2≦ρ1≦ρ3の条件を満たすと共に、表面の算術平均粗さRaが0.8〜2.5μmの範囲になったトナー担持体A1〜A3,A6を使用すると共に、体積平均粒径が3〜8μmの範囲になったトナーT1,T3を用いた実施例1〜6の現像装置においては、比較例1〜6の現像装置に比べて、濃度むら、ハーフトーン濃度むら、かぶり、ドット再現性、筋むらの評価が良くなっていた。
【0081】
なお、弾性層の体積抵抗値ρ1が6.7×106 Ω・mで、弾性層の体積抵抗値ρ1が1×104 〜1×106 Ω・mという請求項2の条件を満たしていないトナー担持体A5を使用した実施例4の現像装置においては、濃度むら及びハーフトーン濃度むらの評価が少し悪くなっていた。
【0082】
また、上記のように像担持体とトナー担持体との間に交番電界を作用させて現像を行うにあたり、像担持体における画像部においてトナーを像担持体からトナー担持体に回収する方向に作用する回収電界の電界強さが2.5×10-6〜14×10-6V/mの範囲、1周期中における作用時間が3.0×10-4秒以上という請求項3の条件を満たしていない実施例5,6の現像装置においては、筋むらの評価が少し悪くなっていた。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明における現像装置においては、トナー担持体として、導電性基体の表面に弾性層と中間層と表面層とが設けられ、弾性層の体積抵抗値ρ1と中間層の体積抵抗値ρ2と表面層の体積抵抗値ρ3とがρ2≦ρ1≦ρ3の条件を満たすものを用いるようにしたため、弾性層の体積抵抗値ρ1にばらつきが存在していても、体積抵抗値の低い中間層によってこのばらつきが緩和され、さらに体積抵抗値が大きな表面層によって、トナー担持体全体として適当な体積抵抗値を持つようになり、トナー担持体と像担持体との間に交番電界を作用させた場合にむらが発生するのが抑制され、体積平均粒径が3〜8μmの範囲になった小粒径のトナーを用いた場合においても、濃度むら等の発生が少ない良好な画像が得られるようになった。
【0084】
また、この発明における現像装置においては、上記のトナー担持体の表面の算術平均粗さRaが0.8〜2.5μmの範囲になるようにしたため、体積平均粒径が3〜8μmの範囲になった小粒径のトナーを用いた場合において、トナー担持体によって現像領域に搬送されるトナーの量が多くなり過ぎたり、少なくなり過ぎるということがなく、現像領域に適当量のトナーが搬送されるようになり、かぶりや濃度むらの発生の少ない良好な画像が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の現像装置を用いて像担持体に形成された静電潜像を現像する状態を示した概略説明図である。
【図2】この発明の一実施形態における現像装置を用いて像担持体に形成された静電潜像を現像する状態を示した概略説明図である。
【符号の説明】
10 像担持体
21 トナー担持体
21a 導電性基体
21b 弾性層
21c 中間層
21d 表面層
23 規制部材
24 現像バイアス電源
t トナー
d 現像領域における像担持体とトナー担持体との間隔
Claims (3)
- トナーを表面に保持して像担持体と所要間隔を介して対向する現像領域に搬送するトナー担持体と、このトナー担持体の表面に圧接させて現像領域に搬送されるトナーの量を規制する規制部材と、現像領域においてトナー担持体と像担持体との間に交番電界を作用させて現像を行う現像バイアス電源とを備えた現像装置において、上記のトナー担持体として、導電性基体の表面に弾性層と中間層と表面層とが設けられてなり、上記の弾性層の体積抵抗値ρ1と中間層の体積抵抗値ρ2と表面層の体積抵抗値ρ3とがρ2≦ρ1≦ρ3の条件を満たし、表面の算術平均粗さRaが0.8〜2.5μmの範囲になったものを用いると共に、上記のトナーとして、その体積平均粒径が3〜8μmの範囲のものを用いたことを特徴とする現像装置。
- 請求項1に記載した現像装置において、上記のトナー担持体における弾性層の体積抵抗値ρ1が1×104 〜1×106 Ω・mの範囲、中間層の体積抵抗値ρ2が1×104 Ω・m以下、表面層の体積抵抗値ρ3が1×106 〜1×1012Ω・mの範囲であることを特徴とする現像装置。
- 請求項1又は2に記載した現像装置において、上記の現像バイアス電源によりトナー担持体と像担持体との間に交番電界を作用させて現像を行うにあたり、上記の像担持体における画像部においてトナーを像担持体からトナー担持体に回収する方向に作用する回収電界として、その電界強さが2.5×10-6〜14×10-6V/mの範囲で、1周期中における作用時間が3.0×10-4秒以上になった回収電界が存在する交番電界を作用させることを特徴とする現像装置。
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