JP4058874B2 - スクータ型自動二輪車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクータ型自動二輪車に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スクータ型の自動二輪車は車体およびエンジンの大型化により、従来からのエンジンと動力伝動部とを一体化したスイング式エンジンユニットを車体にスイング自在に取り付ける方法は適用が困難になってきている。その理由としては、エンジンの大型化に伴ってエンジンユニットが長くなり、車両の全長が長くなってしまうと共に、車両の重心が後方に寄ってしまい、前輪分担荷重が減って操舵性および走行安定性が低下するといった問題がある。
【0003】
そこで、近年、エンジンユニットを車体側に固定し、その動力伝動部の一部を分離して車体にスイング自在に取り付けることによりエンジンユニットを車体の前方寄りに配置可能にしたものがある(例えば特開平11−129969号公報参照)。
【0004】
そして、エンジンユニットは、そのユニットケース内部に動力の発生部、変速部および動力伝達部の一部を一体に内装するのが一般的であった。
【0005】
一方、エンジンが水冷式の冷却方法を採用する場合、冷却水を冷却するラジエターを備える必要がある。ラジエターは、走行風が当たり易いよう、エンジンユニットの前方に配置されるが、スクータ型自動二輪車の場合、その独特の車体カバー形状から、ラジエターはエンジンユニットの前下部に配置されることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンユニットのユニットケース内部に動力の発生部、変速部および動力伝達部を直列に配置するとエンジンユニットの全長が長くなり、車両のホイールベースも長くなって車両が大型化すると共に、小回りが利きにくくなる。
【0007】
また、ラジエターをエンジンユニットの前下部に配置すると、バンク角が確保しにくくなったり、前輪が跳ね上げる泥などがラジエターに付着し易くなると共に、前輪によって走行風が遮られ、冷却効率が低下するといった問題が生じる。
【0008】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、エンジンユニットの小型化を図ったスクータ型自動二輪車を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的は、ラジエターの好適な配置を図ったスクータ型自動二輪車を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスクータ型自動二輪車は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、前輪を左右に操舵可能に支持するヘッドパイプと乗員着座用の運転シートとの間の車体フレームおよび車体カバーを下方に略U字状に湾曲させて車体の幅方向に延びる足通し空間を形成し、その底部の左右に運転者が足を載せる低床のフットレストフロアを形成すると共に、このフットレストフロアの中央部にトンネル形状のエンジントンネルを形成し、このエンジントンネルと運転シート下方とで形成される空間内にエンジンユニットを配置したスクータ型自動二輪車において、上記エンジンユニット13は、シリンダアッセンブリ33およびクランクケース32を備えたエンジン本体29とVベルト式自動変速装置74を備えたミッション部30とディファレンシャル部31とから構成され、上記エンジン本体29は、エンジントンネル28内に並列配置される二気筒のシリンダアッセンブリ33と、エンジントンネル28内から運転シート20a下方にかけて配置されるクランクケース32とを備え、このクランクケース32はエンジントンネル28内にクランクシャフト42を配置すると共にクランクシャフト42の後方で運転シート20a下方に連結シャフト70を配置し、この連結シャフト70にはプライマリドリブンギヤ71が設けられ、このプライマリドリブンギヤ71が上記クランクシャフト42に設けられたプライマリドライブギヤ65に作動連結されて上記クランクシャフト42の回転が上記連結シャフト70に伝達され、上記ミッション部30は、ドライブプーリ75と、ドリブンプーリ78と、ドライブプーリ75とドリブンプーリ78とに張架されるVベルト81とを備え、上記ドライブプーリ75を備えたドライブシャフト77を前記連結シャフト70に同軸に連結すると共に、上記ドライブシャフト77の後方にドリブンプーリ78を備えたドリブンシャフト80を配置してドリブンシャフト80をディファレンシャル部31に連結し、平面視において、各気筒のシリンダ軸線37と平行で両シリンダ軸線37の中央に位置するエンジン本体29の中心軸線35を、平面視において前後輪の中心点を結んだ車体の中心線36から一側にオフセットして配置し、上記変速装置74をそのVベルト81のベルトライン82が上記車体の中心線36から上記エンジン本体29の中心軸線35とは反対側にオフセットして配置すると共に、上記ディファレンシャル部31を上記車体の中心線36を挟んで上記変速装置74とは反対側にオフセットして配置する一方、上記車体の中心線36から一側にオフセット配置される上記エンジン本体29の、オフセット側に位置する上記クランクシャフト42の端部に上記プライマリドライブギヤ65を設け、このプライマリドライブギヤ65がバランサ装置61を構成するバランサシャフト63に設けられたバランサドリブンギヤ66に作動連結されると共に、上記バランサドリブンギヤ66が設けられるのとは反対側の上記バランサシャフト63端部にエンジン始動装置であるスタータモータ64を連結したものである。
【0011】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、側面視において、上記シリンダアッセンブリ33のシリンダ軸線37が上記ヘッドパイプ3と上記前輪4の上縁との間を指向するよう、上記シリンダアッセンブリ33を水平よりやや前上がりの前傾状態に配置し、且つ、上記シリンダアッセンブリ33のシリンダヘッド38内の動弁機構50を上記ヘッドパイプ3の後部から後ろ斜め下方に向かって延設される上下および左右一対のロアーダウンチューブ8aとアッパーダウンチューブ8bとで囲まれる空間内に配置する一方、上記シリンダアッセンブリ33の上方に吸気管52を有する吸気装置57を配置し、この吸気管52内の吸気通路53をエンジン吸気ポート45と略直線状態で接続するとともに、吸気通路53の吸気流れ方向の中心軸線54が上記ヘッドパイプ3の上方でこのヘッドパイプ3の軸方向の軸線55と交差するように設定したものである。
【0012】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記シリンダアッセンブリ上部のシリンダヘッド内に二本のカムシャフトを有するDOHC型の動弁機構を設ける一方、上記エンジン本体冷却用のラジエターを上記吸気装置の前方、上記シリンダヘッドの前上方に配置し、その下部が上記シリンダヘッド内の下側に配置された上記カムシャフトの前上方に臨んだ状態で配置したものである。
【0013】
さらにまた、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記ラジエターを、その中央部が後方に向かって弓形に湾曲した平面形状としたものである。
【0014】
そして、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、上記車体の前後に延びる中心線から上記エンジン本体の中心軸線とは反対側の上記ラジエター後部に冷却ファンを配置したものである。
【0015】
そしてまた、上述した課題を解決するために、請求項6に記載したように、後端に駆動輪である後輪16を保持する伝動ユニット14を上記車体フレーム2に設けられたピボット部11にスイング自在に枢着し、ショックアブソーバ15により上記車体フレーム2に弾性的に且つ揺動可能に支持すると共に、上記ショックアブソーバ15を側面視で上記エンジン本体29と上記伝動ユニット14の下方で後輪16の前方の空間内、且つ平面視で上記伝動ユニット14の上記ピボット部11近傍の位置に配置したものである。
【0016】
また、上述した課題を解決するために、請求項7に記載したように、上記運転シートの下方に物品収納室を備え、この物品収納室下部と上記ピボット部と上記後輪との間の空間に燃料タンクを配置したものである。
【0017】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項8に記載したように、上記物品収納室を前室と後室との前後二分割とし、上記前室はその内部にヘルメットを前向きの状態で収納可能に、また、上記後室はその内部にヘルメットを後向きの状態で収納可能に形成したものである。
【0018】
さらにまた、上述した課題を解決するために、請求項9に記載したように、上記前室の床面を後下がりに、また、上記後室の床面を後上がりに形成したものである。
【0019】
そして、上述した課題を解決するために、請求項10に記載したように、上記燃料タンクの給油パイプを上記物品収納室の前室と後室との間のスペースに配置し、車体を覆う車体カバーの側面に上記給油パイプの給油口を臨ませたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、この発明を適用したスクータ型自動二輪車の一例を示す左側面図である。また、図2はこの自動二輪車の内部構造を示す左側面図である。図1および図2に示すように、このスクータ型自動二輪車1は車体フレーム2を有し、この車体フレーム2の前端にはヘッドパイプ3が設けられる。ヘッドパイプ3には前輪4を回動自在に支持するフロントフォーク5やフロントフェンダ6、ハンドルバー7等が設けられ、このハンドルバー7により前輪4が左右に回動自在に操舵される。
【0022】
ヘッドパイプ3の後部からは上下および左右一対のダウンチューブ8a,8bが後ろ斜め下方に向かって延設される。ヘッドパイプ3の後下部から延びる左右一対のロアーダウンチューブ8aは一旦下方に向かって略垂直に延びた後、略水平方向に折曲されて後方へ向かって延び、さらにその後端部が斜め上方に向かって延びる。
【0023】
また、ロアーダウンチューブ8aの略垂直部分の途中からはセンターフレーム9が後ろ斜め上方に向かって延び、その後端部からサブフレーム10がロアーダウンチューブ8aの後端部に向かって延びて両フレーム8a,10が結合される。そして、この結合部にピボット部11が設けられる。
【0024】
さらに、サブフレーム10の後上部からはシートフレーム12が後ろ斜め上方に向かって延設される。
【0025】
一方、ヘッドパイプ3の後上部から延びる左右一対のアッパーダウンチューブ8bはロアーダウンチューブ8aと略平行に下方に向かって延び、センターフレーム9の前端近傍に接合される。
【0026】
そして、車体フレーム2のロアーダウンチューブ8aとセンターフレーム9とサブフレーム10とに囲まれた空間内にはエンジンユニット13が搭載される。また、エンジンユニット13後部には動力伝動部である伝動ユニット14が配置され、この伝動ユニット14の前部が上記ピボット部11にスイング自在に枢着される。
【0027】
この伝動ユニット14はスイングアームを兼ねており、ショックアブソーバ15により車体フレーム2に弾性的に且つ揺動可能に支持される。そして、伝動ユニット14の後端に駆動輪である後輪16が保持される。
【0028】
後輪16の上方にはヘルメット17,18や図示しない荷物、工具等の収納容器である物品収納室19が設けられる。また、物品収納室19の上方にはこの物品収納室19の蓋を兼ねた乗員着座用の運転シート20が開閉自在に設置される。なお、運転シート20は運転者用シート20aと同乗者用シート20bとに、前後に二分割される。
【0029】
一方、物品収納室19も運転者用シート20a直下の前室19aと同乗者用シート20b直下の後室19bとに、前後に二分割される。前室19aの床面21aは後下がりに形成され、ヘルメット17を前向きの状態で収納可能に形成される。一方、後室19bの床面21bは後上がりに形成され、ヘルメット18を後向きの状態で収納可能に形成される。
【0030】
さらに、物品収納室19下部とピボット部11と後輪16との間の空間には燃料タンク22が配置され、その給油パイプ23は物品収納室19の前室19aと後室19bとの間のスペースに配置される。そして、車体フレーム2はその廻りを例えば合成樹脂成形品である車体カバー24により覆われ、その側面に給油パイプ23の給油口25が臨む。
【0031】
ヘッドパイプ3と運転シート20の前部との間の車体フレーム2および車体カバー24は下方に大きく略U字状に湾曲して車体の幅方向に延びる足通し空間26を形成し、その底部の左右に運転者が足を載せる低床のライダ用フットレストフロア27aが形成される。また、この左右のライダ用フットレストフロア27aの後方には同乗者が足を載せるピリオンライダ用フットレストフロア27bが形成される。さらに、ライダ用フットレストフロア27aの中央部には前後に延びて上方に突出するトンネル形状のエンジントンネル28が形成される。
【0032】
図3は、図1および図2に示す自動二輪車1の概略平面図であり、エンジンユニット13および伝動ユニット14は図2のIII−III線に沿う平断面図で示すと共に、他は想像線(二点鎖線)で示す。さらに、図4はエンジンユニット13の拡大平断面図であり、図5はエンジンユニット13の拡大左側面図(部分的に縦断面図)である。
【0033】
図2〜図5に示すように、エンジンユニット13は主に動力発生部であるエンジン本体29と、変速部であるミッション部30と、動力伝達部の一部であるディファレンシャル部31とに三分割される。エンジン本体29は、主にクランクケース32と、クランクケース32前上方のエンジントンネル28内に配置されたシリンダアッセンブリ33とから構成される。そして、エンジン本体29は図5に詳細に示すように、クランクケース32の上部、前下部および後下部の三ヶ所が車体フレーム2に例えばボルト34で固定されると共に、図2、図4に示すように、平面視において、各気筒のシリンダ軸線37と平行で両シリンダ軸線37の中央に位置する車体の進行方向に延びるエンジン本体29の中心軸線35は、平面視において前後輪の中心点を結んだ車体の前後に延びる中心線36から一側、本実施形態においては車体の進行方向に向かって左側にオフセットして配置される。
【0034】
シリンダアッセンブリ33は、図2に示すように、側面視において、上記シリンダアッセンブリ33のシリンダ軸線37がヘッドパイプ3と前輪4の上縁との間を指向するよう、上記シリンダアッセンブリ33を水平よりやや前上がりの前傾状態に配置され、且つ、上記シリンダアッセンブリ33のシリンダヘッド部を上記ヘッドパイプ3の後部から後ろ斜め下方に向かって延設される上下および左右一対のダウンチューブ8a、8bとで囲まれる空間内に配置される。
【0035】
シリンダアッセンブリ33上部のシリンダヘッド38にはその下部のシリンダブロック39内に水平に形成されたシリンダ40に整合する燃焼室41が形成される。なお、本実施形態に用いられるエンジン本体29はクランクケース32内を車幅方向に延びる一本のクランクシャフト42を共有する二本のシリンダ40が左右に並設されたいわゆる並列二気筒エンジンである。
【0036】
シリンダ40内にはピストン43が摺動自在に挿入され、ピストン43とクランクシャフト42とがコンロッド44によって連結される。そして、ピストン43の往復ストロークがクランクシャフト42の回転運動に変換されるように構成される。
【0037】
一方、シリンダヘッド38内には燃焼室41に繋がる吸気ポート45と排気ポート46とが形成される。また、シリンダヘッド38内には両ポート45,46を開閉する吸気バルブ47および排気バルブ48が配置され、さらに、シリンダヘッド38内にはこれらのバルブ47,48を開閉させるカムシャフト49a,49bも配置される。なお、本実施形態に用いられるエンジン本体29は吸気および排気用にそれぞれ独立したカムシャフト49a,49bを略上下方向に配置したDOHC型の動弁機構50を有する。
【0038】
吸気ポート45はシリンダヘッド38の上側に設けられ、例えば燃料噴射装置51を備えた吸気管52が接続される。吸気管52は、例えば図2、図5に示すように、吸気ポート45に略直線状態で接続される吸気通路53を有し、その吸気通路53の吸気流れ方向の中心軸線54はヘッドパイプ3の上方でこのヘッドパイプ3の軸方向の軸線55と交差するよう、配置角度が設定される。さらに、シリンダヘッド38上方の空間にはエアクリーナ56が配置され、このエアクリーナ56に吸気管52の上流端が接続される。そして、これらのエアクリーナ56、吸気管52および燃料噴射装置51等によって吸気装置57が構成される。
【0039】
一方、排気ポート46はシリンダヘッド38の下側に設けられ、排気管58の基端部が接続される。排気管58はエンジンの下部を回って後方に向かって延設される。さらに、排気管58の下流端にはマフラ59が接続される。
【0040】
ところで、クランクケース32のクランクシャフト42上方にはバランサ室60が形成され、このバランサ室60内にバランサ装置61が配置される。このバランサ装置61はバランサウェイト62備えたバランサシャフト63を有し、このバランサシャフト63は上記クランクシャフト42の上方にこのクランクシャフト42と平行に配置される。また、バランサシャフト63にはエンジン始動装置であるスタータモータ64が連結される。
【0041】
クランクシャフト42の一端、本実施形態においては左端、にはバランサドライブギヤを兼ねたプライマリドライブギヤ65が設けられると共に、バランサシャフト63の一端にはバランサドリブンギヤ66が設けられ、これらのバランサギヤ65,66は作動連結されてクランクシャフト42の回転がバランサシャフト63に伝達される。なお、クランクシャフト42の端部には発電装置67も設けられる。
【0042】
プライマリドライブギヤ65後方のクランクケース32は後方に向かって延設され、平面視略L字形状のクランクケース32を形成すると共に、この延設部68の内部に一対のベアリング69によって軸支された第一連結シャフト70がクランクシャフト42と平行に配置される。第一連結シャフト70にはプライマリドリブンギヤ71が設けられ、このプライマリドリブンギヤ71がクランクシャフト42に設けられたプライマリドライブギヤ65に作動連結されてクランクシャフト42の回転が第一連結シャフト70に伝達される。
【0043】
第一連結シャフト70の一端、本実施形態においては左端、には後述するエンジン冷却用の冷却水循環用のウォータポンプ72が連結される一方、他端、本実施形態においては右端、はクランクケース32外に突出する。
【0044】
クランクケース32の後方、運転者用シート20aの下方にはミッション部30が配置される。ミッション部30はミッションケース73を備え、このミッションケース73内にVベルト式自動変速装置74が配置される。この変速装置74は、ドライブプーリ75を備え、ベアリング76によってミッションケース73内に回転自在に軸支されたドライブシャフト77と、ドリブンプーリ78を備え、ベアリング79によってミッションケース73内に回転自在に軸支されたドリブンシャフト80とを有し、ドライブシャフト77はクランクシャフト42の後方で、第一連結シャフト70と車体の幅方向に対向した位置にこの第一連結シャフト70と同軸上に配置されると共に、このドライブシャフト77の後方にドリブンシャフト80がドライブシャフト77と平行に配置される。
【0045】
ドライブシャフト77の第一連結シャフト70に対向した端部、本実施形態においては左端部、はミッションケース73外に突出し、第一連結シャフト70に例えばスプライン連結される。そして、ドライブプーリ75とドリブンプーリ78との間にはVベルト81が張架され、このVベルト81を介してドリブンプーリ78にエンジン本体29の回転駆動力が伝達される。
【0046】
ミッションケース73は、クランクケース32同様平面視略L字形状に形成され、ミッションケース73の折部内側とクランクケース32の折部内側とが向かい合ってL字形状の長手部分が車体の幅方向に重ね合うように配置されると共に、図4に示すように、ドライブプーリ75とドリブンプーリ78との間に張架されるVベルト81のベルトライン82が車体の前後に延びる中心線36からエンジン本体29の中心軸線35とは反対側、本実施形態においては車体の進行方向に向かって右側にオフセットして配置される。
【0047】
また、図5に詳細に示すように、ミッションケース73の前部四ヶ所がクランクケース32の延設部68側面に、また、ミッションケース73の後部一ヶ所が車体フレーム2にそれぞれ例えばボルト83で固定される。
【0048】
クランクケース32の延設部68後方にはディファレンシャル部31が配置される。ディファレンシャル部31はディファレンシャルケース84を備え、その内部にはベアリング85によって回転自在に支持された第二連結シャフト86が設けられる。第二連結シャフト86はドリブンシャフト80と車体の幅方向に対向した位置にこのドリブンシャフト80と同軸上に配置され、両シャフト80,86は例えばスプライン連結されて変速装置74によって減速されたエンジン本体29の回転駆動力が第二連結シャフト86に伝達される。
【0049】
第二連結シャフト86の略上方のディファレンシャルケース84内にはベアリング87によって回転自在に支持されたセカンダリシャフト88が第二連結シャフト86と平行に配置される。第二連結シャフト86にはセカンダリドライブギヤ89が設けられると共に、セカンダリシャフト88の一端にはセカンダリドリブンギヤ90が設けられ、これらのセカンダリギヤ89,90は作動連結されてエンジン本体29の回転駆動力がセカンダリシャフト88に伝達される。
【0050】
さらに、ディファレンシャルケース84内にはベアリング91によって回転自在に支持された伝達シャフト92がセカンダリシャフト88に直交して配置され、ベベルギヤ93を介してセカンダリシャフト88の回転方向が90°変換されて伝達シャフト92に伝達される。
【0051】
そして、ディファレンシャルケース84は、図4に示すように、車体の前後に延びる中心線36を挟んでミッションケース73内のVベルト式自動変速装置74とは反対側、本実施形態においては車体の進行方向に向かって左側にオフセットして配置される。また、図5に詳細に示すように、ミッションケース73の後部左側面に例えば複数本のボルト94で固定される。
【0052】
伝達シャフト92に伝達されたエンジン本体29の回転駆動力は他の動力伝達部であるプロペラシャフト95を介して後輪16のアクスルシャフト96に伝達される。プロペラシャフト95は複数のベアリング97によって回転自在に支持されて前記伝動ユニット14内に収納され、この伝動ユニット14は車体の前後に延びる中心線36から一側、本実施形態においてはマフラ59とは反対側の進行方向に向かって左側にオフセットして配置される(図3参照)。
【0053】
また、伝動ユニット14は前述したようにショックアブソーバ15により車体フレーム2に弾性的に且つ揺動可能に支持される。このショックアブソーバ15は、側面視でエンジン本体29と伝動ユニット14の下方で後輪16の前方の空間内、且つ平面視で伝動ユニット14のピボット部11近傍の位置に配置される。
【0054】
伝動ユニット14内のプロペラシャフト95は前部シャフト95aと後部シャフト95bとに二分割され、伝達シャフト92と前部シャフト95aとは例えばユニバーサルジョイント98で連結されることにより、エンジン本体29の回転駆動力がプロペラシャフト95に伝達されると共に、伝動ユニット14がピボット部11を中心に上下に揺動してもエンジン本体29の回転力の伝達を妨げない。
【0055】
一方、伝動ユニット14内の前部シャフト95aと後部シャフト95bとの連結部には他の動力伝達部であるクラッチ機構99が配置される。このクラッチ機構99は例えば電磁制御式湿式多板のものが用いられる。
【0056】
ここで、電磁制御式湿式多板のクラッチ機構99とは、詳細には図示しないが電気的に断続制御可能で伝達トルクの小さいパイロットクラッチと、このパイロットクラッチに比べて大きなトルクを伝達可能なメインクラッチとを備え、パイロットクラッチを接続することによりメインクラッチとの間に回転位相差が生じ、この回転位相差がパイロットクラッチに設けられたカム機構によりメインクラッチのプレッシャプレートの押圧力に変換されると共に増幅され、大きなトルクの伝達を可能にするものである。電磁制御のパイロットクラッチが小型に形成できることにより、クラッチのレスポンスが向上すると同時に、メインクラッチの小型化も可能となり、エンジン全体の小型化にも繋がる。なお、電磁制御式湿式多板のクラッチ機構99の代りに、遠心式のクラッチ機構を用いてもよい。
【0057】
さらに、後部シャフト95bの後端部近傍には上記アクスルシャフト96がベアリング100によって回転自在に支持され、ベベルギヤ101を介してプロペラシャフト95の回転方向が90°変換されてアクスルシャフト96に伝達される。
【0058】
ところで、この自動二輪車1に搭載されるエンジン本体29は水冷式であって、前輪4とエンジンとの間の車体カバー24内にエンジン本体29冷却用の前記冷却水を冷却するラジエター102が配置される。
【0059】
図6は、図5のVI−VI線に沿う断面図である。図3、図5および図6に示すように、ラジエター102は前記吸気装置57の前方、シリンダヘッド38の前上方に配置される。また、ラジエター102はその下部がシリンダヘッド38内の下側に配置されたカムシャフト49bの前上方に臨んだ状態で配置される。
【0060】
また、図6に示すようにこのラジエター102は、フロントフェンダ6後端の回動軌跡103に沿って、中央部が後方に向かって弓形に湾曲した平面形状を有し、ラジエター102内の冷却水を強制的に冷却する冷却ファン104が車体の前後に延びる中心線36からエンジン本体29の中心軸線35とは反対側、本実施形態においては車体の進行方向に向かって右側のラジエター102後部に配置される。
【0061】
さらに、吸気装置57の吸気管52の前方にはラジエター102とは逆の弓形平面形状を有する導風板105がエアクリーナ56と一体または一体的に設けられる。
【0062】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0063】
エンジン本体29のクランクケース32、ミッションケース73およびディファレンシャルケース84を車体の前後に延びる中心線36に沿って配置すると必然的にエンジンユニット13の全長が長くなってしまうが、上述したように車体の進行方向に延びるエンジン本体29の中心軸線35を、車体の前後に延びる中心線36から一側(本実施形態においては車体の進行方向に向かって左側)にオフセットして配置し、ミッションケース73をそのVベルト81のベルトライン82が車体の前後に延びる中心線36からエンジン本体29の中心軸線35とは反対側(本実施形態においては車体の進行方向に向かって右側)にオフセットして配置すると共に、ディファレンシャルケース84を車体の前後に延びる中心線36を挟んでミッションケース73内のVベルト式自動変速装置74とは反対側(本実施形態においては車体の進行方向に向かって左側)にオフセットして配置したことにより、エンジンユニット13の全長を短くすることができると共に、エンジンユニット13両側部のスペースを有効に利用できる。
【0064】
また、エンジンユニット13の最前部に設けられるシリンダアッセンブリ33を、その軸線37がヘッドパイプ3と前輪4の上縁との間を指向するよう、水平よりやや前上がりの前傾状態に配置し、ダウンチューブ8a,8bの間に臨ませたことにより、エンジントンネル28内のスペースを有効に利用でき、エンジンユニット13の全長をさらに短縮できる。エンジンユニット13の全長が短縮化されることにより車両のホイールベースも短くなって車両がコンパクト化し、小回りも利いて操作性が向上する。
【0065】
そして、エンジントンネル28内にシリンダアッセンブリ33を配置したので、その上方の空間にエアクリーナ56や吸気管52、燃料噴射装置51によって構成される吸気装置57を配置することが可能になる。その結果、吸気管52内の吸気通路53をその中心軸線54がヘッドパイプ3の上方でこのヘッドパイプ3の軸線55と交差するように設定でき、吸気通路53を略直線状態で吸気ポート45に接続できて吸入効率が高まり、エンジンの出力アップに繋がる。
【0066】
また、ラジエター102を吸気装置57の前方、シリンダヘッド38の前上方に配置し、その下部がシリンダヘッド38内の下側に配置されたカムシャフト49bの前上方に臨んだ状態で配置したことにより、ホイールベースを長くすることなくラジエター102の配置が可能になると共に、ラジエター102の幅を広くしてもバンク角も充分に確保でき、冷却水の冷却効率アップおよびコーナリング性能の向上を図ることができる。
【0067】
さらに、ラジエター102を上記位置に配置したことにより前輪4が跳ね上げる泥などがラジエター102に付着し難くなると共に、前輪4によって走行風が遮られることもなく、冷却効率が向上する。そして、車体カバー24下部の正面形状を逆三角形にできるので(図示せず)、外観が向上する。
【0068】
また、ラジエター102を、フロントフェンダ6後端の回動軌跡103に沿って、中央部が後方に向かって弓形に湾曲した平面形状としたことにより、ヘッドパイプ3の後部から後ろ斜め下方に向かって延設される上下および左右一対のダウンチューブ8a,8bの前後のスパンを大きくとれる。その結果、車体フレーム2の剛性が高まる。
【0069】
さらに、ラジエター102に備えられた冷却ファン104をラジエター102後部に配置する場合、車体の前後に延びる中心線36からエンジン本体29の中心軸線35とは反対側(本実施形態においては車体の進行方向に向かって右側)の方が他側よりスペースが広いので、大型の冷却ファン104を取付可能になる。
【0070】
一方、スイングアームを兼ねた伝動ユニット14を車体フレーム2に弾性的に且つ揺動可能に支持するショックアブソーバ15を、側面視でエンジン本体29と伝動ユニット14の下方で後輪16の前方の空間内、且つ平面視で伝動ユニット14のピボット部11近傍の位置に配置したことにより、エンジンユニット13と後輪16との間の伝動ユニット14上方のスペースが有効に利用できる。
【0071】
そして、このスペース、すなわち物品収納室19下部とピボット部11と後輪16との間の空間に燃料タンク22を配置したことにより、伝動ユニット14の長さ(スイングアーム長)を充分に確保しながらも車体をコンパクトに保つことができる。
【0072】
また、物品収納室19を前室19aと後室19bとの前後二分割とし、前室19aはその内部にヘルメット17を前向きの状態で収納可能に、また、後室19bはその内部にヘルメット18を後向きの状態で収納可能に形成したことにより、両ヘルメット17,18をそれぞれ逆向きに収納した場合に比べて運転シート20のシート高を低くでき、ライダの足付き性が向上する。
【0073】
さらに、前室19aの床面21aを後下がりに、また、後室19bの床面21bを後上がりに形成したことにより、さらにシート高を低くできると共に、収納時にヘルメット17,18が一方向にずれて収まるため、ヘルメット17,18の収まりが向上する。
【0074】
そして、燃料タンク22の給油パイプ23を物品収納室19の前室19aと後室19bとの間のスペースに配置し、車体カバー24の側面に給油パイプ23の給油口25を臨ませたので、燃料タンク22の上面より高い位置に給油パイプ23および給油口25を配置でき、燃料タンク22の容量を大きく稼ぐことができると共に、運転シート20を開くことなく、また、運転者が乗車した状態で燃料の給油が可能となる。
【0075】
なお、上述した実施形態おいては本発明をスクータ型自動二輪車1に適用した例を示したが、例えば不整地走行用の小型四輪駆動車等、ユニットエンジンを備えた他の種類の小型車両にも適用可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るスクータ型自動二輪車によれば、前輪を左右に操舵可能に支持するヘッドパイプと乗員着座用の運転シートとの間の車体フレームおよび車体カバーを下方に略U字状に湾曲させて車体の幅方向に延びる足通し空間を形成し、その底部の左右に運転者が足を載せる低床のフットレストフロアを形成すると共に、このフットレストフロアの中央部にトンネル形状のエンジントンネルを形成し、このエンジントンネルと運転シート下方とで形成される空間内にエンジンユニットを配置したスクータ型自動二輪車において、上記エンジンユニットは、シリンダアッセンブリおよびクランクケースを備えたエンジン本体とVベルト式自動変速装置を備えたミッション部とディファレンシャル部とから構成され、上記エンジン本体は、エンジントンネル内に並列配置される二気筒のシリンダアッセンブリと、エンジントンネル内から運転シートa下方にかけて配置されるクランクケースとを備え、このクランクケースはエンジントンネル内にクランクシャフトを配置すると共にクランクシャフトの後方で運転シート下方に連結シャフトを配置し、この連結シャフトにはプライマリドリブンギヤが設けられ、このプライマリドリブンギヤが上記クランクシャフトに設けられたプライマリドライブギヤに作動連結されて上記クランクシャフトの回転が上記連結シャフトに伝達され、上記ミッション部は、ドライブプーリと、ドリブンプーリと、ドライブプーリとドリブンプーリとに張架されるVベルトとを備え、上記ドライブプーリを備えたドライブシャフトを前記連結シャフトに同軸に連結すると共に、上記ドライブシャフトの後方にドリブンプーリを備えたドリブンシャフトを配置してドリブンシャフトをディファレンシャル部に連結し、平面視において、各気筒のシリンダ軸線と平行で両シリンダ軸線の中央に位置するエンジン本体の中心軸線を、平面視において前後輪の中心点を結んだ車体の中心線から一側にオフセットして配置し、上記変速装置をそのVベルトのベルトラインが上記車体の中心線から上記エンジン本体の中心軸線とは反対側にオフセットして配置すると共に、上記ディファレンシャル部を上記車体の中心線を挟んで上記変速装置とは反対側にオフセットして配置する一方、上記車体の中心線から一側にオフセット配置される上記エンジン本体の、オフセット側に位置する上記クランクシャフトの端部に上記プライマリドライブギヤを設け、このプライマリドライブギヤがバランサ装置を構成するバランサシャフトに設けられたバランサドリブンギヤに作動連結されると共に、上記バランサドリブンギヤが設けられるのとは反対側の上記バランサシャフト端部にエンジン始動装置であるスタータモータを連結したため、エンジンユニットの全長が短縮化され、ホイールベースも短くなって車両がコンパクト化すると共に、操作性も向上する。
【0077】
また、側面視において、上記シリンダアッセンブリのシリンダ軸線が上記ヘッドパイプと上記前輪の上縁との間を指向するよう、上記シリンダアッセンブリを水平よりやや前上がりの前傾状態に配置し、且つ、上記シリンダアッセンブリのシリンダヘッド内の動弁機構を上記ヘッドパイプの後部から後ろ斜め下方に向かって延設される上下および左右一対のロアーダウンチューブとアッパーダウンチューブとで囲まれる空間内に配置する一方、上記シリンダアッセンブリの上方に吸気管を有する吸気装置を配置し、この吸気管内の吸気通路をエンジン吸気ポートと略直線状態で接続するとともに、吸気通路の吸気流れ方向の中心軸線が上記ヘッドパイプの上方でこのヘッドパイプの軸方向の軸線と交差するように設定したため、エンジンユニットの全長をさらに短縮できると共に、吸気通路が略直線状態となって吸入効率が高まる。
【0078】
さらに、上記シリンダアッセンブリ上部のシリンダヘッド内に二本のカムシャフトを有するDOHC型の動弁機構を設ける一方、上記エンジン本体冷却用のラジエターを上記吸気装置の前方、上記シリンダヘッドの前上方に配置し、その下部が上記シリンダヘッド内の下側に配置された上記カムシャフトの前上方に臨んだ状態で配置したため、ホイールベースを長くすることなくラジエターの配置が可能になり、またラジエターの幅を広くしてもバンク角を充分に確保できる。
【0079】
さらにまた、上記ラジエターを、その中央部が後方に向かって弓形に湾曲した平面形状としたため、ダウンチューブの前後のスパンを大きくとれることになり、車体フレームの剛性アップに繋がる。
【0080】
そして、上記車体の前後に延びる中心線から上記エンジン本体の中心軸線とは反対側の上記ラジエター後部に冷却ファンを配置したため、この冷却ファンを大型化可能にする。
【0081】
そしてまた、後端に駆動輪である後輪を保持する伝動ユニットを上記車体フレームに設けられたピボット部にスイング自在に枢着し、ショックアブソーバにより上記車体フレームに弾性的に且つ揺動可能に支持すると共に、上記ショックアブソーバを側面視で上記エンジン本体と上記伝動ユニットの下方で後輪の前方の空間内、且つ平面視で上記伝動ユニットの上記ピボット部近傍の位置に配置したため、スペースの有効利用に繋がる。
【0082】
また、上記運転シートの下方に物品収納室を備え、この物品収納室下部と上記ピボット部と上記後輪との間の空間に燃料タンクを配置したため、車体をコンパクト化できる。
【0083】
さらに、上記物品収納室を前室と後室との前後二分割とし、上記前室はその内部にヘルメットを前向きの状態で収納可能に、また、上記後室はその内部にヘルメットを後向きの状態で収納可能に形成したため、運転シートのシート高を低くできる。
【0084】
さらにまた、上記前室の床面を後下がりに、また、上記後室の床面を後上がりに形成したため、運転シートのシート高を低くできると共に、ヘルメットの収まりもよくなる。
【0085】
そして、上記燃料タンクの給油パイプを上記物品収納室の前室と後室との間のスペースに配置し、車体を覆う車体カバーの側面に上記給油パイプの給油口を臨ませたため、燃料タンクの容量を大きく稼ぐことができ、給油作業も簡素化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスクータ型自動二輪車の一実施形態を示すスクータ型自動二輪車の左側面図。
【図2】 図1に示す自動二輪車の内部構造を示す左側面図。
【図3】 図1および図2に示す自動二輪車の概略平面図であり、エンジンユニットおよび伝動ユニットは図2のIII−III線に沿う平断面図で示す。
【図4】 エンジンユニットの拡大平断面図。
【図5】 エンジンユニットの拡大左側面図。
【図6】 図5のVI−VI線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 スクータ型自動二輪車
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
4 前輪
8a,8b ダウンチューブ
11 ピボット部
13 エンジンユニット
14 伝動ユニット
15 ショックアブソーバ
16 後輪
17,18 ヘルメット
19 物品収納室
19a 物品収納室の前室
19b 物品収納室の後室
20 運転シート
21a 前室の床面
21b 後室の床面
22 燃料タンク
23 給油パイプ
24 車体カバー
25 給油口
26 足通し空間
27a,27b フットレストフロア
28 エンジントンネル
29 エンジン本体
30 ミッション部
31 ディファレンシャル部
32 クランクケース
33 シリンダアッセンブリ
35 エンジン本体の中心軸線
36 車体の前後に延びる中心線
37 シリンダアッセンブリの軸線
38 シリンダヘッド
49a,49b カムシャフト
50 動弁機構
52 吸気管
53 吸気通路
54 吸気通路の中心軸線
55 ヘッドパイプの軸線
57 吸気装置
74 Vベルト式自動変速装置
81 Vベルト
102 ラジエター
104 冷却ファン

Claims (10)

  1. 前輪を左右に操舵可能に支持するヘッドパイプと乗員着座用の運転シートとの間の車体フレームおよび車体カバーを下方に略U字状に湾曲させて車体の幅方向に延びる足通し空間を形成し、その底部の左右に運転者が足を載せる低床のフットレストフロアを形成すると共に、このフットレストフロアの中央部にトンネル形状のエンジントンネルを形成し、このエンジントンネルと運転シート下方とで形成される空間内にエンジンユニットを配置したスクータ型自動二輪車において、
    上記エンジンユニット13は、シリンダアッセンブリ33およびクランクケース32を備えたエンジン本体29とVベルト式自動変速装置74を備えたミッション部30とディファレンシャル部31とから構成され、
    上記エンジン本体29は、エンジントンネル28内に並列配置される二気筒のシリンダアッセンブリ33と、エンジントンネル28内から運転シート20a下方にかけて配置されるクランクケース32とを備え、
    このクランクケース32はエンジントンネル28内にクランクシャフト42を配置すると共にクランクシャフト42の後方で運転シート20a下方に連結シャフト70を配置し、
    この連結シャフト70にはプライマリドリブンギヤ71が設けられ、このプライマリドリブンギヤ71が上記クランクシャフト42に設けられたプライマリドライブギヤ65に作動連結されて上記クランクシャフト42の回転が上記連結シャフト70に伝達され、
    上記ミッション部30は、ドライブプーリ75と、ドリブンプーリ78と、ドライブプーリ75とドリブンプーリ78とに張架されるVベルト81とを備え、
    上記ドライブプーリ75を備えたドライブシャフト77を前記連結シャフト70に同軸に連結すると共に、上記ドライブシャフト77の後方にドリブンプーリ78を備えたドリブンシャフト80を配置してドリブンシャフト80をディファレンシャル部31に連結し、
    平面視において、各気筒のシリンダ軸線37と平行で両シリンダ軸線37の中央に位置するエンジン本体29の中心軸線35を、平面視において前後輪の中心点を結んだ車体の中心線36から一側にオフセットして配置し、
    上記変速装置74をそのVベルト81のベルトライン82が上記車体の中心線36から上記エンジン本体29の中心軸線35とは反対側にオフセットして配置すると共に、上記ディファレンシャル部31を上記車体の中心線36を挟んで上記変速装置74とは反対側にオフセットして配置する一方、
    上記車体の中心線36から一側にオフセット配置される上記エンジン本体29の、オフセット側に位置する上記クランクシャフト42の端部に上記プライマリドライブギヤ65を設け、このプライマリドライブギヤ65がバランサ装置61を構成するバランサシャフト63に設けられたバランサドリブンギヤ66に作動連結されると共に、
    上記バランサドリブンギヤ66が設けられるのとは反対側の上記バランサシャフト63端部にエンジン始動装置であるスタータモータ64を連結したことを特徴とするスクータ型自動二輪車。
  2. 側面視において、上記シリンダアッセンブリ33のシリンダ軸線37が上記ヘッドパイプ3と上記前輪4の上縁との間を指向するよう、上記シリンダアッセンブリ33を水平よりやや前上がりの前傾状態に配置し、且つ、上記シリンダアッセンブリ33のシリンダヘッド38内の動弁機構50を上記ヘッドパイプ3の後部から後ろ斜め下方に向かって延設される上下および左右一対のロアーダウンチューブ8aとアッパーダウンチューブ8bとで囲まれる空間内に配置する一方、上記シリンダアッセンブリ33の上方に吸気管52を有する吸気装置57を配置し、この吸気管52内の吸気通路53をエンジン吸気ポート45と略直線状態で接続するとともに、吸気通路53の吸気流れ方向の中心軸線54が上記ヘッドパイプ3の上方でこのヘッドパイプ3の軸方向の軸線55と交差するように設定した請求項1記載のスクータ型自動二輪車。
  3. 上記シリンダアッセンブリ33上部のシリンダヘッド38内に二本のカムシャフト49a,49bを有するDOHC型の動弁機構50を設ける一方、上記エンジン本体29冷却用のラジエター102を上記吸気装置57の前方、上記シリンダヘッド38の前上方に配置し、その下部が上記シリンダヘッド38内の下側に配置された上記カムシャフト49bの前上方に臨んだ状態で配置した請求項2記載のスクータ型自動二輪車。
  4. 上記ラジエター102を、その中央部が後方に向かって弓形に湾曲した平面形状とした請求項3記載のスクータ型自動二輪車。
  5. 上記車体の前後に延びる中心線36から上記エンジン本体29の中心軸線35とは反対側の上記ラジエター102後部に冷却ファン104を配置した請求項4記載のスクータ型自動二輪車。
  6. 後端に駆動輪である後輪16を保持する伝動ユニット14を上記車体フレーム2に設けられたピボット部11にスイング自在に枢着し、ショックアブソーバ15により上記車体フレーム2に弾性的に且つ揺動可能に支持すると共に、上記ショックアブソーバ15を側面視で上記エンジン本体29と上記伝動ユニット14の下方で後輪16の前方の空間内、且つ平面視で上記伝動ユニット14の上記ピボット部11近傍の位置に配置した請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスクータ型自動二輪車。
  7. 上記運転シート20の下方に物品収納室19を備え、この物品収納室19下部と上記ピボット部11と上記後輪16との間の空間に燃料タンク22を配置した請求項6記載のスクータ型自動二輪車。
  8. 上記物品収納室19を前室19aと後室19bとの前後二分割とし、上記前室19aはその内部にヘルメット17を前向きの状態で収納可能に、また、上記後室19bはその内部にヘルメット18を後向きの状態で収納可能に形成した請求項7記載のスクータ型自動二輪車。
  9. 上記前室19aの床面21aを後下がりに、また、上記後室19bの床面21bを後上がりに形成した請求項8記載のスクータ型自動二輪車。
  10. 上記燃料タンク22の給油パイプ23を上記物品収納室19の前室19aと後室19bとの間のスペースに配置し、車体を覆う車体カバー24の側面に上記給油パイプ23の給油口25を臨ませた請求項8または請求項9のいずれかに記載のスクータ型自動二輪車。
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