JP4058703B1 - 環状同芯撚りビードコードの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環状コア1を定位置で周方向に回転させながら、側線ワイヤ2を巻いたリール21を、環状コア1に対し振り子運動させ、環状コア1の輪の外側から輪の中を通して元の位置に戻す巻回移動を繰り返し、リール21から引き出される側線ワイヤ2を、環状コア1の周囲に螺旋状に巻き重ねてシース層を一層又は複数層形成する際に、環状コア1への側線ワイヤ2の巻き付け点を通る環状コア1の円の接線(水平線)Hを基準にして、この水平線Hよりも上側で15度以内、下側で55度以内の角度範囲で側線ワイヤ2が環状コア1の巻き付け点に巻き付けられるように、リール21の振り子運動の支点19を決定した。
【選択図】図1
Description
この環状同芯撚りビードコードは、図9(a)、(b)に示すように、環状コア1の周囲に側線ワイヤ2のシース層を設けたものであり、側線ワイヤ2を、環状コア1の輪の外側から輪の中を通し、再び輪の外側から輪の中を通すことにより、環状コア1に側線ワイヤ2を螺旋状に巻き続けて製造されている。
まず、特許文献1には、環状コアの回りに側線ワイヤを螺旋状に巻回する際に、側線ワイヤとして、予め環状コアの少なくとも2倍以上の径にくせづけしたものを使用してビードコードを製造する方法が開示されている。この方法により製造したビードコードをタイヤに使用した場合、いわゆる腰が強いというフィーリング感が得られ、グリップ力、旋回力、応答性が向上するとされている。
特許文献1に開示された方法によって製造されるビードコードの場合、タイヤの腰を強くするために環状コアの半径よりも2倍以上の半径に、予めくせづけした側線ワイヤを巻回するようにしている。このため、自動化し難く、コストアップの要素が多い。また、環状コアの回りを巻回する側線ワイヤのコイル径が大きい場合、人手で巻回するのも大変であるし、予めくせづけされているので、引き出し時に抵抗が増え、巻き付け時のトラブルの原因になる。また、側線ワイヤをリールに巻き取った後、環状コアの回りを巻回させる際に、常に一定以上の張力をかけておかないと巻きが緩むし、少しの張力でも環状コアが歪み易く、巻き付け性に悪影響を与える。
なお、巻き付け点とは、側線ワイヤが環状コアの周上に巻き付けられる際の側線ワイヤと環状コアの接点である。
そして、リールを振り子運動させることにより、環状コアを振り子運動させる場合よりも装置全体を格段に小型化することができる。
0.90DR≦DSO≦3.3DR
又は
0.55DC≦DSO≦2.0DC
式中、DRは、リールの外径、DSOは、調整された側線ワイヤのコイル径、DCは、環状コアの中心径である。
ここで、リールから引き出された側線ワイヤと、環状コアへの側線ワイヤの巻き付け点を通る環状コアの円の接線とが成す角度とは、側線ワイヤの引き出し時における、ワイヤがリール巻き表面から離れる点と巻き付け点とを結ぶ直線と、側線ワイヤの巻き付け点を通る環状コアの円の接線とが成す角度をいう(図1のα1とα2参照)。
この製造装置は、環状コア1を定位置で周方向に回転させるドライビングユニット10と、リール21に巻かれた側線ワイヤ2を環状コア1の巻き付け部に供給する側線ワイヤ2のサプライ部20とを有する。
0.90DR≦DSO≦3.3DR
又は
0.55DC≦DSO≦2.0DC
式中、DRは、リールの外径、DSOは、調整された側線ワイヤのコイル径、DCは、環状コアの中心径である。
角度α1、α2とは、図1に示すとおり、側線ワイヤの引き出し時における、ワイヤがリール巻き表面から離れる点と巻き付け点とを結ぶ直線と、側線ワイヤの巻き付け点を通る環状コア1の円の接線(水平線)Hとが成す角度をいう。
即ち、リール21が、環状コア1の外側の図8(a)に示す位置にある状態から、図8(b)に示す環状コア1の輪の中にリール21が位置する状態までリール21を振り子運動させ、この図8(b)に示す位置で、リール21を図8(c)に示す環状コア1の反対面に移し替え、次いで、環状コア1の反対面にリール21がある状態で、図8(c)に示す位置から図8(d)に示す環状コア1の輪の外にリール21が位置する状態まで、リール21を振り子運動させ、リール21を環状コア1の反対面から元の面の始点位置(図8の(a)の位置)に戻すというサイクルを繰り返す。このように、この発明では、図8の(a)→(b)→(c)→(d)→(a)のように、リール21を振り子移動させ、図8の(b)→(c)、(d)→(a)のように、環状コア1のコア面に対してリール21を直角移動させることにより、側線ワイヤ2を環状コア1の周囲に螺旋状に巻き付けている。
(1)蛇行性
コードを定盤等の平面上に置き、コードが定盤から浮いている箇所の最大隙間をスケールで測定して次のように評価した。試料数nは20本である。
◎:隙間0.5mm以下が11本以上あり、他は全て隙間が1.0mm以下である。
○:隙間0.5mm以下が11本未満であり、隙間1.0mm以下が11本以上ある。
△:隙間1.0mm以下が11本未満であり、隙間1.5mm以下が11本以上ある。
×:隙間1.5mm以下が11本未満である。
(2)成形性
環状コアまたは一層巻き中間線表面への側線ワイヤの配列性を目視で評価した。試料数nは20本である。
◎:20本とも配列の乱れがない。
○:配列の乱れのないものが18本以上ある。
△:配列の乱れのないものが10本以上且つ、18本未満である。
×:配列の乱れのないものが10本未満である。
2 側線ワイヤ
3 リール
4 クランプユニット
5 ドライビングユニット
10 ドライビングユニット
11 支柱
12a、12b ピンチローラ
13 クランプユニット
13a、13b ローラ
14 固定台
15 アーム
15a、15b 案内ローラ
18 アーム
19 支点
20 サプライ部
21 リール
22 カセットスタンド
23 カセット
24 ガイドロッド
25 エアーシリンダ
26 ロッド
27 押し出し板
30 揺動機構
31 回転円盤
32 クランクシャフト
Claims (8)
- 環状コアを周方向に回転させながら、該環状コアの輪の中と外で、側線ワイヤを巻いたリールを環状コアの輪の内外を含む平面である環状コア面に対して、環状コアの輪の中と外で逆方向に横断往復させて巻回移動を繰り返し、リールから引き出される側線ワイヤを、環状コア面に対する側線ワイヤの巻き付け振れ角βSが、29度を超えないようにリールを横断移動させることにより、環状コアの周囲に螺旋状に巻き続けてシース層を一層又は複数層形成する環状同芯撚りビードコードの製造方法において、環状コア面に対するリールの面内移動が振り子運動であり、振り子周期の一端で、前記リールが環状コアの輪の中を横断する位置に、振り子周期の他端で、前記リールが環状コアの輪の外を横断する位置に移動させ、前記リールを、環状コアの輪の中と外で、環状コア面に対して横断移動を繰り返すことにより、リールから引き出された側線ワイヤを環状コアの周囲に螺旋状に巻き続ける際に、側線ワイヤがリール巻き表面から離れる点と環状コアへの側線ワイヤの巻き付け点とを結ぶ直線と、前記巻き付け点を通る環状コアの円の接線とが成す角度が、この接線に対して環状コアと逆側で15度以内、環状コア側で55度以内になるように、リールの振り子運動の支点位置を設定したことを特徴とする環状同芯撚りビードコードの製造方法。
- 側線ワイヤの巻始め端末を未加硫又は半加硫ゴムシートで仮止めして、リールから引き出される側線ワイヤを、環状コアの周囲に螺旋状に巻き続けることを特徴とする請求項1に記載の環状同芯撚りビードコードの製造方法。
- 前記リールに巻き取られた側線ワイヤのコイル径が、事前に次式のいずれかを満足するように調整されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の環状同芯撚りビードコードの製造方法。
0.90DR≦DSO≦3.3DR
又は
0.55DC≦DSO≦2.0DC
式中、DRは、リールの外径、DSOは、調整された側線ワイヤのコイル径、DCは、環状コアの中心径である。 - 前記リールから引き出された前記側線ワイヤの湾曲方向を、前記巻き付け点における前記環状コアの湾曲方向に沿った方向とすることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の環状同芯撚りビードコードの製造方法。
- 環状コアを周方向に回転させるドライビングユニットと、環状コアの巻き付け部に側線ワイヤを供給するリールと、このリールを環状コアの輪の内外を含む平面である環状コア面に沿って振り子運動させ、リールの振り子周期の一端で、前記リールが環状コアの輪の中を横断する位置に、振り子周期の他端で、前記リールが環状コアの輪の外を横断する位置に移動させる振り子機構と、環状コアの周方向の回転を妨げない距離をおいて環状コア面を挟んで対向するリール受け渡し機構とを備え、前記リールを、環状コアの輪の中と外で、環状コア面に対して、環状コアの輪の中と外で逆方向に横断移動を繰り返すことにより、リールから引き出された側線ワイヤを環状コアの周囲に螺旋状に巻き続け、側線ワイヤがリール巻き表面から離れる点と環状コアへの側線ワイヤの巻き付け点とを結ぶ直線と、前記巻き付け点を通る環状コアの円の接線とが成す角度が、この接線に対して環状コアと逆側で15度以内、環状コア側で55度以内になるように、リールの振り子運動の支点位置を設定していることを特徴とする環状同芯撚りビードコードの製造装置。
- 前記ドライビングユニットに、環状コアを回転させる2つのピンチローラと、この2つのピンチローラの側線ワイヤ供給側に、環状コアをルーズに案内するクランプユニットとを設け、このクランプユニットを、側線ワイヤを環状コアに巻き付ける際の巻き付け点にした請求項5に記載の環状同芯撚りビードコードの製造装置。
- 対向する2つのリール受け渡し機構が、前記環状コア面に対してリールがくぐれる最小限の距離をおいて設けられている請求項5又は6に記載の環状同芯撚りビードコードの製造装置。
- 側線ワイヤを巻いたリールを、リール外径より少し大きい径で、且つリール内幅に相当する円筒形の外周壁を有するカセット内に回転可能に収容し、カセットの外周壁に設けた引き出し孔から側線ワイヤを引き出すようにした請求項5〜7のいずれかの項に記載の環状同芯撚りビードコードの製造装置。
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