JP3527734B1 - タガ状ビードワイヤの製造方法 - Google Patents

タガ状ビードワイヤの製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】芯金の上下左右の水平方向から鋼線を芯金に傾
斜して絡ませ、タガ状に鋼線を巻き付けることを特徴と
したタガ状ビードワイヤの製造方法を提供する。 【解決手段】環状芯金1が上部に持ち上げられるとき阻
害要因となっていたシリンダーとリール移動台6を連結
している連結棒12を切断し、該切断端部に凸部15を
設け、開閉自在となるよう凹部11を設けた連結板をバ
ネ蝶番等でリール移動台に取り付けて、環状芯金が持ち
上げられるときは開口し、芯金が連結棒を通過した直
後、バネ蝶番の作用で元に戻り凹凸部がかみ合って一体
化され、リール移動台の引っ張り込みを可能とする。ま
た環状芯金と鋼線の螺旋状一体化を巻付けでなく、絡み
つけで行う。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のタイヤ端
部に埋設して使用されるビードワイヤの製造方法に関す
るものであります。 【従来の技術】自動車の性能向上及び大型化によって車
体重量が増大したり、スピードが向上する事によってタ
イヤには、より大きな圧力がかかり、タイヤホイールと
の一体性の強化がさらに必要とされ、その荷重増大に対
応しているのがビードワイヤであります。ビードワイヤ
の構造はフランスのミシュラン社が桶、酒樽等に使用さ
れているタガ状構造をとっている他は、他のビードワイ
ヤメーカーの全てが鋼線を多段に整列巻きし、ゴムで固
めて行っているのが現状であります。ビードワイヤの強
度は同一鋼線量の場合でも、整列巻きのビードワイヤよ
り、タガ状構造である巻線構造の方が鋼線相互の摩擦力
が機能して強度が向上すると考えられております。従っ
て国内ビードワイヤメーカーは、タガ状構造即ち巻線構
造のビードワイヤの製造方法を研究しているが、未だ実
現されておらず、手巻きによってわずかに生産されてい
るのみであります。 【発明が解決しようとする課題】 【0001】桶、酒樽などに使用されているタガは基本
となるリングに長い巻付材を一回一回くぐらせ巻付けて
製造していたので、巻付けのための振り回しの労力、時
間が大変であり、非能率でありました。 【0002】ビードワイヤで機械的にタガ状構造の巻付
けを行わんとすると、シリンダー軸が片方のみの駆動で
ある場合は、鋼線を巻いたリール自体を空中遊泳させて
環状芯金をくぐらせない限り、リール軸がつかえたり、
環状芯金が邪魔をしたりして、鋼線を環状芯金に巻きつ
けることは物理的に不可能となってしまうものでありま
す。 【0003】シリンダー等によって、リール台を前後に
摺動させてタガ状ビードワイヤを製造する場合の問題点
は、シリンダーに接続されている連結棒が環状芯金の上
方移動を妨害してしまうので、この妨害排除をどうして
行うかの点でありました。 【0004】そこで本製造方法は連結棒をレール凹部付
近で切断して、環状芯金の上方移動を可能とし、リール
移動台の引き込み作用のとき、連結棒とリール移動台を
連結板によって連結一体化して行うこととしたものであ
ります。 【問題を解決するための手段】 【0001】シリンダー、カム、クランク等の軸は切断
しても物を引っ張るとき以外、即ち押したり停止してい
るときは影響ないものであります。従って、本件の場合
リール移動台を引っ張る場合、シリンダーに接続されて
いる連結棒とリール移動台を連結できるようにするもの
であります。 【0002】本製造方法は鋼線の先端を環状芯金に固定
せずに絡ませるか仮止めし、かつ自由に回転できるよう
にしておき、環状芯金より小径にベンディングして巻か
れている鋼線リールの平面移動および環状芯金の上下作
動と環状芯金の回転を組み合わせ、鋼線を環状芯金に鋼
線の曲げ応力によって絡ませ、撚回応力が発生しないよ
うに行うこととした。 【発明実施の形態】 【0001】本タガ状ビードワイヤの製造方法の概略
は、 【0002】図1に示すように1の環状芯金の先端部を
11のレール凹部に降下させておき、3のリールを6の
リール移動台に装着し、2の鋼線先端部を環状芯金に仮
止めして、該リール移動台をレール上のA側に設置す
る。そして連結棒によりB側に環状芯金上部を通過移動
させる。 【0003】次に図2に示すごとく環状芯金を5の環状
芯金上下移動ローラーで持ち上げるとバネ蝶番で取り付
けられている7の連結板は開いて環状芯金の上方移動を
可能とし、環状芯金の通過直後バネの作用で元に戻り、
連結棒と連結板に設けられている凹部、凸部がかみ合っ
て一体化される。 【0004】次に図3のように、リール移動台は一体化
された連結棒によって環状芯金の下をくぐってA側に引
き戻される。 【0005】次に図4の如く環状芯金が環状芯金上下移
動ローラーによってレール凹部に降下される。以下図1
に戻り、工程は繰り返され、鋼線は環状芯金に上下左右
の水平方向による曲げ作用と環状芯金の回転によって傾
斜して絡み一体化されこととなる。 【0006】以上の工程でタガ状ビードワイヤは製造さ
れ、最後に鋼線の先端と後端をパイプ等で接続してなる
ものでありますが、本機の構造を具体的に説明します。 【0007】図5に示すようにリール移動台に装着され
たリールの鋼線先端部を、1の環状芯金の任意の場所に
仮止めし、該環状芯金のリング先端D部を図6のように
レール10に設けられている11の凹部に降下させ、レ
ール凹部とリール上部の間を5の環状芯金上下移動ロー
ラーによって上下作動させながら、4の環状芯金駆動ロ
ーラーで環状芯金に一定速度の回転を与える。 【0008】12の連結棒と6のリール移動台は本来一
体で構成されるものであるが本製造方法においてはレー
ル凹部付近で切断し、図7に示すように12の連結棒の
先端に凸部15を設け、リール移動台に8のバネ蝶番
で、連結板7を取り付け、その先端に連結棒の凸部とか
み合うよう9の凹部連結孔を設けて環状芯金の上方移動
のときのみ開閉自在とし、該連結棒によってリール移動
台をA側,B側間に交互摺動移動させることとしたもの
であります。 【実施例】シリンダーによるリール移動台の摺動及び環
状芯金上下移動ローラーの駆動は、クランクまたはカム
によって行うことも可能であり、連結板の取り付けは開
閉自在で、かつ連結棒との一体化が円滑に行われること
が必要で、そのためには連結棒側に凸部を、そしてかみ
合う連結板側に凹部連結孔を設けておけば、環状芯金の
上方移動時、引っかかって障害となることがないもので
あります。 連結板をリール移動台に取り付けるバネ蝶
番は、連結孔を設けた板バネであっても、コ字状の線バ
ネであっても実施可能であります。また、鋼線はリール
に巻き込まなくても、必要長さに切断しベンディングし
て巻きまとめ、環状芯金径より小さい容器に入れ、これ
をリール移動台に装着して行ってもよいものでありま
す。 【発明の効果】タガ状ビードワイヤはタイヤを構成して
いるゴムとの接着が破壊されてもなおビードワイヤ自体
がタガ状であることからビードワイヤとしての強度が残
存し、破壊即、大事故となることがないものでありま
す。
【図面の簡単な説明】 【図1】タガ状ビードワイヤの製造第一工程を示す側面
略図 【図2】タガ状ビードワイヤの製造第二工程を示す側面
略図 【図3】タガ状ビードワイヤの製造第三工程を示す側面
略図 【図4】タガ状ビードワイヤの製造第四工程を示す側面
略図 【図5】上面図 【図6】図5のC−C断面図 【図7】連結板付近の断面図 【符号の説明】 1.環状芯金 2.鋼線 3.リール 4.環状芯金駆動ローラー 5.環状芯金上下移動ローラー 6.リール移動台 7.連結板 8.バネ蝶板 9.凹部連結孔 10.レール 11.凹部 12.連結棒 13.環状芯金駆動モーター 14.シリンダー 15.凸部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(1)シリンダー、カム、またはクランク
    に接続されている連結棒をレールの凹部付近でリール移
    動台から切断し、該連結棒の先端部には凸部を設け、切
    断されたリール移動台には、凹部連結孔を設けた連結板
    をバネ蝶番で取り付け、 (2)環状芯金がレール凹部に降下されているとき、連
    結板により一体化されている連結棒で、リール移動台を
    環状芯金の円形内部から環状芯金の円形外部に環状芯金
    の上方を通過移動させる工程、 (3)環状芯金上下移動ローラーに支持されている環状
    芯金で連結板を押し上げて開き、環状芯金がリール上部
    に達したとき、連結棒の凸部、連結板の凹部連結孔がか
    み合って一体化されている連結棒で環状芯金の円形外部
    にあるリールを環状芯金の下をくぐらせて環状芯金の円
    形内部に引き戻す工程、 (4)環状芯金をレール凹部まで降下させる工程、 (2)から(4)の繰り返しと環状芯金駆動ローラーによ
    る環状芯金の回転によって、環状芯金の上下左右の水平
    方向から鋼線を環状芯金に傾斜して絡ませることを特徴
    としたタガ状ビードワイヤの製造方法。
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