JP4055029B2 - 温水洗浄装置 - Google Patents
温水洗浄装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4055029B2 JP4055029B2 JP08941498A JP8941498A JP4055029B2 JP 4055029 B2 JP4055029 B2 JP 4055029B2 JP 08941498 A JP08941498 A JP 08941498A JP 8941498 A JP8941498 A JP 8941498A JP 4055029 B2 JP4055029 B2 JP 4055029B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hot water
- main body
- slider
- mounting base
- toilet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、便器に設置され、人体局部を温水にて洗浄する温水洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の温水洗浄装置は、温水洗浄器本体を固定ボルトとナットあるいはネジを使用して便器の後方上面に固定していたため、温水洗浄器本体を簡単に着脱することができなかった。このため、温水洗浄器本体と便器との間を清掃する場合には、多くの時間を要した。
【0003】
そこで、近年では、温水洗浄器本体が便器と容易に着脱可能としたものや、温水洗浄器本体が便器に設置された状態から移動可能とした温水洗浄装置が開発されている。例えば、図7に示す従来の温水洗浄装置90aでは、温水洗浄器本体101が便器10に設置された状態から移動可能としたものが公知である。尚、この図7は、従来の温水洗浄装置90aを平面図で示している。
【0004】
この従来の温水洗浄装置90aは、便器10の後部上面に取付ベース92が2本の固定ボルト8、8によって取付られおり、温水洗浄器本体101と取付ベース92との間には、両者を連結した連結機構93が設けられている。また、温水洗浄器本体101と取付ベース92は図示しない係止手段によって、第1位置(設置位置)から動かないように係止されており、移動させる場合には係止手段を解除するようになっている。
【0005】
取付ベース92と温水洗浄器本体101が係止状態の時、すなわち、温水洗浄器本体101が便器10に係止されている第1位置から便器手前に移動する場合は、取付ベース92に温水洗浄器本体101と係止している係止手段を解除し、温水洗浄器本体101を手前に引く。すると、連結機構93が伸びるから、温水洗浄器本体101の下側に隠れていた便器10の後方部の上面部分がすべて露出するような便器手前の第2位置(図7に示す位置)まで移動する。この時、温水洗浄器本体101は便器10の上面の第2位置よりも更に移動することが阻止されており、清掃の際に温水洗浄器本体101が便器10から落下することを、防止している。
【0006】
しかし、温水洗浄器本体101の移動距離に制限があり、更に、連結機構93が温水洗浄器本体101と取付ベース92の間に伸びた状態にあるため連結機構93の下側は清掃できなくなる等、清掃可能範囲も制限される。
【0007】
また、図8は別の従来の温水洗浄装置90bを示しており、この従来の温水洗浄装置90bでは、温水洗浄器本体101が便器10から着脱可能な構成になっている。図8に示す従来の温水洗浄装置90bでは、便器10の後部上面に取付ベース94が2本の固定ボルト8、8によって取付られている。取付ベース94には、便器10の前後方向とはほぼ直交する方向(図8において左右方向)に摺動可能なロックレバー95が取付られている。このロツクレバー95には係止片96及び97があり、温水洗浄器本体101に設けられた突起部98及び99に係合するようになっている。また、ロックレバー95は、引っ張りスプリング91により図中右方向に付勢されており、ロックレバー95の自由状態で突起部98及び99と、係止片96及び97とが係合する。
【0008】
そして、取付ベース94から温水洗浄器本体101を取り外す場合には、まず、ロツクレバー95を引っ張りスプリング91の付勢方向とは反対の左方向(図8中矢印方向)に押す。次に、ロックレバー95を押した状態のまま、温水洗浄器本体101の突起部98及び99とロックレバー95の係止片96及び97との係合が外れる位置まで温水洗浄器本体101を手前方向(便器前方)に引く。これで、取付ベース94と温水洗浄器本体101との係止状態が解除される。この状態から更に、温水洗浄器本体101を手前方向に引くと、温水洗浄器本体101と取付ベース94とが外れ、温水洗浄器本体101は取付ベース94から離れる。
【0009】
以上により、便器10の後方上面が空き、その部分の清掃が可能となる。図8に示す従来の温水洗浄装置90bの場合、温水洗浄器本体101は便器から完全に取り外しできるので清掃範囲が広くとれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の図7に示す従来の温水洗浄装置90aの場合には、温水洗浄器本体101が便器10に固定された状態から所定の範囲まで移動可能としているので、移動後、温水洗浄器本体101は便器10の上面において、取付ベース92に係止されており、清掃の際に、温水洗浄器本体101が便器10から落下するおそれがないものの、温水洗浄器本体101の移動距離に制限があり、しかも連結機構93の下側の清掃ができないため、清掃可能範囲が制限され、清掃性が低下するという課題がある。
【0011】
これに対して、後者の図8に示す従来の温水洗浄装置90bでは、温水洗浄器本体101と便器10とが容易に着脱可能であり、温水洗浄器本体101を取付ベース94から取り外した後、温水洗浄器本体101は自由に便器10上を移動可能であるので清掃範囲が広くとれる。但し、温水洗浄器本体101を便器10上に係止できないので、便器10からの床へ落下するおそれがある。また、清掃の際は、温水洗浄器本体101を床面に置く等の処置が必要となる。
【0012】
以上のように、上述した従来の温水洗浄装置90a及び90bには、一長一短があり、温水洗浄器本体101と便器10との間の清掃を行うために、需要者はどちらか一方の清掃態様を選択せざるを得ない。このため、清掃態様について需要者の要求に充分に対応できないという課題があった。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、需要者の要求に応じた態様で清掃ができる温水洗浄装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、図3に示すように、便器10後方の上面に固定される取付部材(取付ベース2)と、該取付部材(取付ベース2)に設置される温水洗浄器本体1と、前記取付部材(取付ベース2)に対して前記温水洗浄器本体1を設置位置から移動自在に連結した連結部材(スライダ3)とを備える温水洗浄装置Aにおいて、前記温水洗浄器本体1を前記連結部材(スライダ3)に対して移動方向に案内する第1案内手段(第1係入溝16、17及び第1ガイド部33、34)と、前記取付部材(取付ベース2)に対して前記連結部材(スライダ3)を移動方向に案内する第2案内手段(第2係入溝23、24及び第2ガイド部35、36(図2参照))と、前記取付部材(取付ベース2)に対して前記温水洗浄器本体1を前記設置位置で前記取付部材(取付ベース2)に解除可能に係止する係止手段(係止突起部21、22及び係合部51、52)と、前記連結部材(スライダ3)と前記温水洗浄器本体1とを解除可能に連結する第1連結手段(第1弾性爪11、12及び係合突起部31、32)と、前記連結部材(スライダ3)と前記取付部材(取付ベース2)とを解除可能に連結する第2連結手段(ストッパ6、7及び当接端部23a、24a(図4参照))と、前記各連結手段(第1連結手段、及び、第2連結手段)による連結によって前記連結部材(スライダ3)が取付けられた状態、及び、前記各連結手段(第1連結手段、及び、第2連結手段)による連結が解除されて前記連結部材(スライダ3)が取外された状態の何れの場合でも、前記取付部材(取付ベース2)と温水洗浄器本体1とを移動可能に案内する第3案内手段(固定ボルト8及び第3係入溝14、15)とを備えることを特徴とする。
【0015】
この請求項1に記載の発明では、便器10や温水洗浄装置Aを清掃する場合には、まず、係止手段(係止突起部21、22及び係合部51、52)の係止状態を解除して、温水洗浄器本体1を取付部材(取付ベース2)から移動可能な状態にし、温水洗浄器本体1を便器10の前方に引き寄せる。温水洗浄器本体1は、第1案内手段(第1係入溝16、17及び第1ガイド部33、34)及び第2案内手段(第2係入溝23、24及び第2ガイド部35、36(図2参照))に沿って、連結部材(スライダ3)とともにその移動方向に案内される。連結部材(スライダ3)は取付部材(取付ベース2)及び温水洗浄器本体1に対して、それぞれ第1連結手段(第1弾性爪11、12及び係合突起部31、32)と、第2連結手段(ストッパ6、7及び当接端部23a、24a(図4参照))とにより連結状態にあるので、所定範囲以上は移動できないように制限される。
【0016】
従って、温水洗浄器本体1が便器10から落下することがなく、温水洗浄器本体1を設置位置から移動させることができる。温水洗浄器本体1の設置位置における温水洗浄器本体1の下を清掃する場合には、このように、温水洗浄器本体1を移動させて清掃する。
【0017】
しかし、この状態では、連結部材(スライダ3)の下は洗浄しにくい。そこで、需要者により、連結部材(スライダ3)の下を清掃する要求がある場合には、連結部材(スライダ3)を外したものを製品としたり、あるいは需要者が清掃時に連結部材(スライダ3)を外す。
【0018】
連結部材(スライダ3)を外す場合には、第1連結手段(第1弾性爪11、12及び係合突起部31、32)を解除して連結部材(スライダ3)と温水洗浄器本体1との連結を外し、第2連結手段(ストッパ6、7及び当接端部23a、24a(図4参照))を解除して連結部材(スライダ3)と取付部材(取付ベース2)との連結を外す。これによって、温水洗浄器本体1から連結部材(スライダ3)を容易に外すことができる。
【0019】
連結部材(スライダ3)を外した温水洗浄装置Aにおいて、温水洗浄器本体1では、清掃の際には、取付部材(取付ベース2)と温水洗浄器本体1とを係止している係止手段(係止突起部21、22及び係合部51、52)を解除すると、温水洗浄器本体1は、取付部材(取付ベース2)から取り外し可能になる。従って、温水洗浄器本体1を便器10から自由に移動できるとともに、連結部材(スライダ3)がないから、広い範囲を清掃することができる。尚、清掃後には、温水洗浄器本体1を係止手段(係止突起部21、22及び係合部51、52)により取付部材(取付ベース2)に直接係止させて固定する。
【0020】
即ち、本発明では連結部材(スライダ3)を必要に応じて、取り外すことができるため、簡易な構成で且つ容易に需要者が要求する清掃態様の温水洗浄装置Aを提供することができる。
【0021】
また、連結部材(スライダ3)を外した場合には、第3案内手段(固定ボルト8及び第3係入溝14、15)が取付部材(取付ベース2)に対して温水洗浄器本体1の移動を案内するので、連結部材(スライダ3)がない状態でも狭い範囲は移動により清掃ができるとともに、清掃後は第3案内手段(固定ボルト8及び第3係入溝14、15)が温水洗浄器本体1を設置位置に案内する。このため、狭い範囲を移動させる場合には温水洗浄器本体1を支持できるので、清掃が容易であり、温水洗浄器本体1を元の設置位置へ戻すのも容易である。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第1連結手段(第1弾性爪11、12及び係合突起部31、32)と第2連結手段(ストッパ6、7及び当接端部23a、24a(図4参照))とは、それぞれ係止部(係合突起部31、32)とこの係止部(係合突起部31、32)に係合する弾性変形可能な係合部材(第1弾性爪11、12及び当接端部23a、24a(図4参照))とを備え、係合部材(第1弾性爪11、12及び当接端部23a、24a(図4参照))を弾性変形させて連結を解除し、連結部材(スライダ3)を取り外すことを特徴とする。
【0023】
この請求項2に記載の発明によれば、第1連結手段(第1弾性爪11、12及び係合突起部31、32)と第2連結手段(ストッパ6、7及び当接端部23a、24a(図4参照))とは、それぞれ係合部材(第1弾性爪11、12及び当接端部23a、24a(図4参照))を弾性変形させることによって、解除できるので、連結部材(スライダ3)の取り外し及び取付が容易である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面の図1乃至図6を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる温水洗浄装置Aを示しており、温水洗浄器本体1が便器10に設置された状態の平面図である。図2は、図1に示す設置位置における温水洗浄装置Aと便器10との断面図である。図3は、本発明に係る温水洗浄器本体1が便器10上を移動した状態を示す平面図である。図4は、温水洗浄器本体1と取付ベース2とスライダ3との連結部を拡大して示す平面図である。尚、図1、図3、図4は、便座、便蓋等を省略し温水洗浄器本体1の下側を透視して示している。
【0026】
図1において、取付ベース2は、便器10の後部上面に固定されており、便器10に設けられた一対の穴に対向した位置で、取付ベース2に2本の固定ボルト8、8を長孔2a、2bに挿入し、ナット82、82(図2参照)により止めている。長孔2a、2bは、便器10の前後方向(図1の上下方向)に延出しており、固定位置調整が可能になっている。
【0027】
また、取付ベース2の両側部には、係止突起部21及び22が突設されており、後述する温水洗浄器本体1のロックバー5から突設した係合部51、52と係合するようなっている。
【0028】
図3に示すように、温水洗浄器本体1には、第3係入溝14及び15が前後方向に延出されており、この第3係入溝14及び15に固定ボルト8、8の頭部が温水洗浄器本体1の後部水平方向より挿入可能となっている。そして、固定ボルト8、8の頭部がこの第3係入構14及び15に係入することにより、温水洗浄器本体1は、取付ベース2に対して案内可能に係合されている。
【0029】
また、温水洗浄器本体1には、温水洗浄器本体1を取付ベース2に解除可能に係止するロックバー5と、このロックバー5の摺動を操作する解除レバー4が設けられている。このロックバー5は、便器10の前後方向に対して直交方向である左右方向(図1における左右方向)に摺動可能に設けられており、且つこのロックバー5は、スプリング9により左方向に付勢されている。また、ロックバー5には、上述の取付ベース2の係止突起部21及び22に対応する位置に係合部51及び52が突設されており、温水洗浄器本体1が設置位置で取付ベース2に係止されるようになっている。
【0030】
解除レバー4は、温水洗浄器本体1に取付られた軸13を中心に回動可能に取り付けられており、解除レバー4の作動端42はロックバー5に軸支され、操作端41は人の手によって回動操作されるようになっており、操作端41は温水洗浄器本体1の右側端付近まで伸びている。
【0031】
取付ベース2と温水洗浄器本体1とは、スライダ3により連結されており、取付ベース2に対して温水洗浄器本体1を所定の範囲まで移動可能としている。このスライダ(連結部材)3は、温水洗浄器本体1及び取付ベース2のそれぞれに対して、前後方向に摺動可能に係合されている。
【0032】
スライダ3と温水洗浄器本体1との係合は、上述の第3係入溝14及び15よりも内側に設けられた第1係入溝(第1案内手段)16及び17と、スライダ3に設けられた突状の第1ガイド部(第1案内手段)33及び34とによりなされており、温水洗浄器本体1に対して、スライダ3を前後方向に移動可能に案内している。即ち、第1係入溝16及び17は、温水洗浄器本体1の裏面側でそれぞれ前後方向に延出されており、スライダ3に対して温水洗浄器本体1が前後方向に移動可能である。
【0033】
また、スライダ3には、図4に示すように、その先端部(前方向)に係合突起部31及び32が突設されている。一方、温水洗浄器本体1にはその後端部(後方向)に弾性変形可能な第1弾性爪11及び12が設けらえており、これらの係合突起部31及び32と、第1弾性爪11及び12が相互に係合することにより第1連結手段を構成し、スライダ3に対して温水洗浄器本体1の移動が制限され、抜け止めがされている。尚、温水洗浄器本体1に対してスライダ3を外す場合には第1弾性爪11及び12を弾性変形させてたわませることにより、スライダ3と温水洗浄器本体1との連結を解除する。
【0034】
一方、スライダ3と取付ベース2とは、取付ベース2に設けられた第2係入溝23及び24と、スライダ3に設けられた第2ガイド部35及び36(図2参照)とで第2係合手段を構成しており、取付ベース2に対してスライダ3が移動可能になっている。
【0035】
スライダ3には、その後端部に弾性変形可能なストッパ6及び7が突設されており、取付ベース2の第2係入溝23及び24に形成された当接端部23a及び24aに係合するようになっている。これらのストッパ6及び7と、当接端部23a及び24aとが相互に係合することにより、取付ベース2に対してスライダ3の移動が制限され、抜け止めがされている。
【0036】
尚、スライダ3の、ストッパ6及び7の対応する位置には、操作孔38及び39が設けられており、これらの操作孔38及び39からドライバ等の治具を挿入してストッパ6及び7を容易に外すことができるようになっている。尚、取付ベース2に対してスライダ3を外す場合には、ストッパ6及び7を弾性変形させてたわませることにより、取付ベース2とスライダ3との連結が解除されるようになっている。
【0037】
上述した取付ベース2とスライダ3とを係合した第1案内手段の摺動範囲と、スライダ3と温水洗浄器本体1とを係合した第2案内手段の摺動範囲とを合計した摺動範囲により、温水洗浄器本体1が便器10に設置された状態から移動できる範囲が決められている。
【0038】
次に、本実施の形態の動作について説明するが、まず、スライダ3を取り付けた状態における温水洗浄器本体1の移動について説明する。
【0039】
温水洗浄器本体1を図3に示す移動後の状態から図1に示す設置位置に固定する場合には、温水洗浄器本体1を図3の状態から便器10の後方へ移動させていくと、スライダ3においては、温水洗浄器本体1に連結された前部と、取付ベース2に連結された後部とが、温水洗浄器本体1に収納されるように便器10の後方へ移動する。
【0040】
そして、移動の途中では、温水洗浄器本体1の第3係入溝14及び15に固定ボルト8、8の頭部が係入され、取付ベース2と温水洗浄器本体1とが直接係合し始める。
【0041】
更に、温水洗浄器本体1を便器10の後方へ押し込むと、温水洗浄器本体1に配置されたロックバー5の係合部51及び52が、取付ベース2に設けられた係止突起部21及び22の傾斜面に沿って当接しながら移動することにより、スプリング9の付勢力に抗して、ロツクバー5が右方向へ移動する。そして、ロックバー5の係合部51及び52が、係止突起部21及び22を乗り越える位置まで温水洗浄器本体1を移動すると、ロックバー5はスプリング9の付勢力により左方向に移動し、図1で示すように温水洗浄器本体1と取付ベース2は係止状態となる。即ち、取付ベース2の係止突起部21及び22とロックバー5の係合部51及び52との係合が自動的に完了する。この間、スライダ3は、温水洗浄器本体1の下に収納され、温水洗浄器本体1とスライダ3と取付ベース2は相互に重なった状態となり、温水洗浄器本体1が便器10の設置位置で固定される。
【0042】
次に、便器10や温水洗浄装置Aを清掃する場合等に温水洗浄器本体1を図1に示す設置位置から図3に示す位置に移動させる場合について説明する。
【0043】
この場合には、図1に示すように、取付ベース2と温水洗浄器本体1の係止状態を解除し、温水洗浄器本体1を図1に示す設置位置から手前に移動させるが、まず、温水洗浄器本体1の右端付近まで伸びた解除レバー4の操作端41を手前方向に引く。そうすると、温水洗浄器本体1に設けられた軸13を中心に解除レバー4が時計方向(右回転方向)に回動し、その作動端42にリンクしているロックバー5は、スプリング9の付勢力に抗して付勢方向とは反対の右方向に移動する。これにより、ロックバー5の係合部51及び52と、取付ベース2の係止突起部21及び22の係合が外れる。
【0044】
更に、解除レバー4の操作端41を手前に引きながら、ロックバー5の係合部51及び52と、取付ベース2の係止突起部21及び22との係合が完全に外れる位置まで温水洗浄器本体1を手前方向に移動させると温水洗浄器本体1と取付ベース2の係止状態が解除される。
【0045】
更に、温水洗浄器本体1を手前方向(前方向)に引くと、図4に示すように、第1係入溝16及び17に対してスライダ3に設けられた突状の第1ガイド部33及び34が案内され、スライダ3に対して温水洗浄器本体1が移動を続ける。一方、スライダ3と取付ベース2とでは、取付ベース2に設けられた第2係入溝23及び24と、スライダ3に設けられた第2ガイド部35及び36(図2参照)とにより、取付ベース2に対してスライダ3の移動が案内される。
【0046】
そして、取付ベース2対して温水洗浄器本体1が所定距離移動して、図3に示す位置まで達すると、スライダ3と温水洗浄器本体1とでは、図4に示すように、弾性変形可能な第1弾性爪11及び12が係合突起部31及び32に相互に係合することにより、スライダ3に対して温水洗浄器本体1の移動が制限され、それ以上移動できなくなる。また、これにより抜け止めがされている。
【0047】
一方、スライダ3と取付ベース2とでは、ストッパ6及び7と、当接端部23a及び24aとが相互に係合することにより、取付ベース2に対してスライダ3の移動が制限され、それ以上移動できなくなり、これにより上述の温水洗浄器本体1の場合と同様に抜け止めがされている。
【0048】
このように、温水洗浄器本体1は、スライダ3と温水洗浄器本体1との間及びスライダ3と取付ベース2との間にそれぞれ設けられた抜け止めにより決められる移動限界位置まで移動し、移動が完了する。
【0049】
この移動限界位置は、温水洗浄器本体1が便器10に設置された移動前の位置で温水洗浄器本体1の下側に隠れていた部分がすべて露出する位置であり、且つ便器10から温水洗浄器本体1が外れない位置になるように設定されている。
【0050】
このような移動範囲を設定することにより、温水洗浄器本体1を充分に移動させた後に、便器10上面の清掃ができる。この時、温水洗浄器本体1はスライダ3により取付ベース2と連結状態にあり、便器10上面にその姿勢を水平に保った状態にあるので、便器10上面から落下したり、温水洗浄器本体1内部の水が漏れる等の心配はない。
【0051】
ただし、スライダ3に対する抜け止めがされているから、温水洗浄器本体1の移動距離に制限があり、さらに、スライダ3が温水洗浄器本体1と取付ベース2の間に連結状態にあるためスライダ3の下側は清掃できなくなる等、清掃可能範囲が制限されてしまう。
【0052】
これに対して、温水洗浄器本体1が便器10に設置された状態から移動可能な構成とした温水洗浄装置Aの清掃性を、さらに向上したいという需要者の要求もある。この場合、温水洗浄器本体1が便器10と容易に着脱可能な構成とすることが考えられるが、本実施の形態では、スライダ3を取り外すことにより実現できる。以下、スライダ3を取り外した場合について説明する。
【0053】
先ず、スライダ3を取り外す場合には、図4に示すように、温水洗浄器本体1を取付ベース2に対して引き寄せた状態で、スライダ3に形成されている操作孔38、39に指やドライバ等の治具等を差し込んでストッパ6及び7を弾性変形させて係入溝の当接端部23a及び24aとの係合を外す。これにより、スライダ3と取付ベース2との連結が外れるので、温水洗浄器本体1をこれに連結したスライダ3とともに更に便器10の前方に引き寄せる。次に、温水洗浄器本体1の底面側から、第1弾性爪11及び12を上述した治具を用いて弾性変形させ、スライダ3の係合突起部31及び32との係合を外し、スライダ3を温水洗浄器本体1から外す。このように、スライダ3を外した状態で、取付ベース2に温水洗浄器本体1を直接係止させておく。
【0054】
尚、スライダ3を取り外すのは、工場から製品を出荷する前でもよいし、作業者が設置するとき、あるいは需要者が洗浄する時等、必要に応じて行うものであってもよい。
【0055】
以下に、図5及び図6を参照して、スライダ3を取り外した状態における動作について説明する。図5は、スライダを取り外した状態において温水洗浄器本体1が便器10に固定された状態を示す部分断面図である。図6は温水洗浄器本体1が便器10から外された状態を示す平面図である。尚、図6は、便座、便蓋等を省略し本体の下側を透視した状態を示している。
【0056】
図5と図6において、温水洗浄器本体1と取付ベース2との係合関係や係止は、上述したように、スライダ3が温水洗浄器本体1と取付ベース2と連結している場合と同じである。即ち、取付ベース2の係止突起部21及び22とロックバー5の係合部51及び52とが係合して、温水洗浄器本体1がその設置位置において、取付ベース2に係止される。
【0057】
この状態から温水洗浄器本体1を取り外す場合について説明する。まず、上述したスライダ3がある場合と同様に、温水洗浄器本体1の右端付近まで伸びた解除レバー4の操作端41を手前に引きながら、温水洗浄器本体1を手前方向に移動させると、取付ベース2の係止突起部21、22からロックバー5の係合部51及び52が外れ、温水洗浄器本体1と取付ベース2との係止伏態が解除される。この状態から、更に、温水洗浄器本体1を手前に引くと、温水洗浄機器本体1と取付ベース2の第3の案内手段、即ち、温水洗浄器本体1の第3係入溝14及び15が固定ボルト8の頭部に対してスライドし、両者の係入が外れ、温水洗浄器本体1が便器10から外された状態となる。この状態で、温水洗浄器本体1は、自由な移動が可能である。
【0058】
このようにして、温水洗浄器本体1を自由に移動し、または取り外すことによって、便器10の後方上面が空き、清掃が可能となる。この場合、上述したスライダ3がある場合と違って、スライダ3の下側が清掃できないということはなく、また、温水洗浄器本体1は自由に便器10上を移動可能であるので清掃範囲が広くとれる。ただし、温水洗浄器本体1が取付ベース2と連結していないため、便器10からの床への落下を防止するため、清掃の際は、温水洗浄器本体1を床面に置く等の処置を施す。また、床面等に不安定な姿勢で置かれた時に、誤って温水洗浄器本体1が作動しないように防止するために、温水洗浄器本体に転倒検知スイッチ等を設けることが好ましい。
【0059】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【0060】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、連結部材及び温水洗浄器本体は、それぞれ第1連結手段と、第2連結手段とにより解除可能に連結されているので、連結部材を必要に応じて、取り外すことができるから、簡易な構成で且つ容易に需要者が要求する清掃態様を選択することができる。
【0061】
また、連結部材を外した場合には、第3案内手段が取付部材に対して温水洗浄器本体が移動を案内するので、連結部材がない状態でも所定範囲はスライドにより清掃ができるとともに、清掃後は第3案内手段が温水洗浄器本体を設置位置に案内する。このため、所定範囲の清掃時には温水洗浄器本体を支持できるので、清掃が容易であり、元の設置位置へ戻すのも容易である。
【0062】
請求項2に記載の発明によれば、第1連結手段と第2連結手段とは、それぞれ係合部材を弾性変形させることによって、解除できるので、連結部材の取り外し及び取付が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる温水洗浄装置の温水洗浄器本体が取付ベースに係止された状態を示す平面図である。
【図2】図1における主要部の断面図である。
【図3】図1に示す温水洗浄器本体が取付ベースから移動した状態を示す平面図である。
【図4】図3に示す状態における温水洗浄器本体とスライダと取付ベースとの連結状態を拡大して示す平面図である。
【図5】スライダを取り外した温水洗浄装置において、温水洗浄器本体が取付ベースに係止された状態の断面図である。
【図6】図5に示す温水洗浄装置において、温水洗浄器本体を取付ベースから外した状態を示す平面図である。
【図7】従来の温水洗浄装置において温水洗浄器本体を取付ベースから移動させた状態を示す平面図である。
【図8】従来の温水洗浄装置において温水洗浄器本体を取付ベースから外した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
A.温水洗浄装置、 1.温水洗浄器本体、 2.取付ベース(取付部材)、2a.2b.長孔、 3.スライダ(連結部材)、 4.解除レバー、 5.ロックバー、 6.7.ストッパ(第2連結手段)、 8.固定ボルト、 9.スプリング、 10.便器、 11.12.第1弾性爪(第1連結手段)、 13.軸、 14.15.第3係入溝(第3案内手段)、 16.17.第1係入溝(第1案内手段)、 21.22.係止突起部(係止手段)、 23.24.第2係入溝(第2案内手段)、 23a.24a.当接端部(第2連結手段)、 31.32.係合突起部(第1連結手段)、 33.34.第1ガイド部(第1案内手段)、 35.36.第2ガイド部(第2案内手段)、 38.39.操作孔、 41.操作端、 42.作動端、 51.52.係合部(係止手段)、82.ナット、 90a.90b.従来の温水洗浄装置、 91.引っ張りスプリング、92.取付ベース、 93.連結機構、94.取付ベース、95.ロックレバー、96.97.係止片、 98.99.突起部、101.温水洗浄器本体。
Claims (2)
- 便器後方の上面に固定される取付部材と、
該取付部材に設置される温水洗浄器本体と、
前記取付部材に対して前記温水洗浄器本体を設置位置から移動自在に連結した連結部材とを備える温水洗浄装置において、
前記温水洗浄器本体を前記連結部材に対して移動方向に案内する第1案内手段と、
前記取付部材に対して前記連結部材を移動方向に案内する第2案内手段と、
前記取付部材に対して前記温水洗浄器本体を前記設置位置で前記取付部材に解除可能に係止する係止手段と、
前記連結部材と前記温水洗浄器本体とを解除可能に連結する第1連結手段と、
前記連結部材と前記取付部材とを解除可能に連結する第2連結手段と、
前記各連結手段による連結によって前記連結部材が取付けられた状態、及び、前記各連結手段による連結が解除されて前記連結部材が取外された状態の何れの場合でも、前記取付部材と温水洗浄器本体とを移動可能に案内する第3案内手段とを備えることを特徴とする温水洗浄装置。 - 第1連結手段と第2連結手段とは、
それぞれ係止部とこの係止部に係合する弾性変形可能な係合部材とを備え、
係合部材を弾性変形させて連結を解除し、
連結部材を取り外すことを特徴とする請求項1に記載の温水洗浄装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08941498A JP4055029B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 温水洗浄装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08941498A JP4055029B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 温水洗浄装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11264170A JPH11264170A (ja) | 1999-09-28 |
JP4055029B2 true JP4055029B2 (ja) | 2008-03-05 |
Family
ID=13970001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08941498A Expired - Fee Related JP4055029B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 温水洗浄装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4055029B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006063522A (ja) * | 2004-08-24 | 2006-03-09 | Hitachi Housetec Co Ltd | 温水洗浄装置 |
-
1998
- 1998-03-18 JP JP08941498A patent/JP4055029B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11264170A (ja) | 1999-09-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20090261697A1 (en) | Appliance Drawer and Latch Mechanism Therefor | |
JP2006281814A (ja) | メモリー付きウオークインロック機構を備えたシートスライド装置 | |
JP4055029B2 (ja) | 温水洗浄装置 | |
JP6666156B2 (ja) | 便座装置 | |
KR101258493B1 (ko) | 스팀청소기용 힌지 어셈블리 | |
JP3068775B2 (ja) | 洗浄便座装置 | |
JP2006063522A (ja) | 温水洗浄装置 | |
JP2008068674A (ja) | コネクタ接続構造 | |
JP4055027B2 (ja) | 温水洗浄便座 | |
JP5263950B2 (ja) | 食器洗浄機 | |
US2974345A (en) | Collapsible support for an ambulatory appliance | |
JP4864748B2 (ja) | スライドシャワーフック装置 | |
JP2002272646A (ja) | 便座装置 | |
JP3163958B2 (ja) | 温水洗浄便座 | |
JP3817043B2 (ja) | モップ保持具 | |
KR101417879B1 (ko) | 탈착이 용이한 비데 | |
US6234552B1 (en) | Fastening device for seats, seat benches or the like on the floor of a motor vehicle or the like | |
JPH0517112Y2 (ja) | ||
JP2009024354A (ja) | 洗浄便座装置の昇降機構 | |
JP4884250B2 (ja) | スライドシャワーフック装置 | |
JP2009142539A (ja) | 食器洗浄機 | |
JPH08326130A (ja) | 衛生洗浄装置の水抜弁開閉機構 | |
JPH06105637A (ja) | 釣竿用リールシート | |
JP3295638B2 (ja) | シートスライド装置 | |
KR100216287B1 (ko) | 헤드레스트 조작장치 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041227 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070109 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070308 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071128 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131221 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |