JP6666156B2 - 便座装置 - Google Patents
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また、便蓋を本体部に取り付けるには、横臥姿勢の便蓋を本体部に上側から近づけて、軸部を溝部に入り込ませるようにして更に便蓋を下方に移動させると、軸部が軸部挿入凹部に入り込んで便蓋を軸部に取り付けることができる。このため、便蓋を起立姿勢とせず横臥姿勢または横臥姿勢からやや傾けた姿勢のままで本体部に取り付けることができ、便蓋を本体部に容易に取り付けることができる。
また、便蓋を本体部に取り付けるには、所定の姿勢の便蓋を本体部に上側から近づけて、第1軸部を第1溝部に入り込ませ、第2軸部を第2溝部に入り込ませて、更に便蓋を下方に移動させると、第1軸部が第1軸部挿入凹部に入り込み、第2軸部が第2軸部挿入凹部に入り込んで便蓋を第1軸部および第2軸部に取り付けることができる。このため、便蓋を第1軸部および第2軸部に同時に取り付けることができ、便蓋を本体部に容易に取り付けることができる。
このような便座装置の場合、便蓋を本体部へ着脱する際に、便蓋が一方の軸部には取り付けられておらず他方の軸部には取り付けられた状態となると、一方の軸部に取り付けられる側が他方の軸部に取り付けられる側よりも高い位置に配置された傾いた姿勢となる。このため、便蓋と一対の軸部それぞれとの間に便蓋が傾いた際のクリアランスを設ける必要がある。
これにより、便蓋は、一対の軸部に取り付けられると、上記のクリアランスによって本体部に対してがたついてしまうことがある。
これに対し、本発明では、便蓋を一対の軸部に対して同じ方向から同時に着脱できるため、便蓋と一対の軸部それぞれとの間にクリアランスを設ける必要がなく、便蓋が本体部および便座に対してがたつくことを防止できる。
このような構成とすることにより、ロック機構が便蓋に確実に係止され、ロック機構をスライドさせた際に便蓋から外れたり位置ずれしたりすることを防止できる。
このような構成とすることにより、軸線挿入凹部、溝部および軸部の先端部分が突出部の内側に配置されて露出が少ないため、これらが汚れることが抑制され清掃性を向上させることができる。
図1および図2に示すように、本実施形態による便器1は、水洗式大便器で、トイレ空間11の床面12に設置され下方に延びる排水配管(不図示)に接続された便器本体(本体部)2と、便器本体2に取り付けられた便座装置10と、を有している。便座装置10は、機能部3と、機能部3に支持された一対の軸部32,33と、一対の軸部32,33に取り付けられた便座4および便蓋5と、一対の軸部32,33による便蓋5の係止および係止解除をそれぞれ切り替える一対のロック機構6,7と、を有している。
ここで、便器1の機能部3が設けられている側を前後方向の後側とし、便座4が設けられている側を前後方向の前側とする。またこの前後方向に直交する水平方向を左右方向とする。
また、便座4および便蓋5が便器本体2にかぶさるように横臥した姿勢を横臥姿勢(図1および図2参照)とし、便器本体2の上側で起立した姿勢を起立姿勢(不図示)とする。
なお、便座4および便蓋5の横臥姿勢とは、便座4および便蓋5が図1および図2に示すように完全に倒された状態のみではなく、完全に倒された状態から前端部側を少し上側にあげて少し起立した状態についても含むものとする。
第1軸部32および第2軸部33は、同軸に配置され、それぞれ機能部3のケース31内に設けられたモータ34,35と接続されている。第1軸部32および第2軸部33の軸線36は、左右方向に延在していて、軸線方向が左右方向となっている。
第1軸部32と第2軸部33とは、それぞれ個別に軸線回りに回動するように制御されている。
第1便座突出部42と第2便座突出部43との間には、便座4が横臥状態となると機能部3の前部側が入り込むよう構成されている。
これにより、便座4は、第2軸部33が回動することによって、横臥姿勢と起立姿勢とが切り替えられるように構成されている。
便蓋本体51は、横臥状態となると便座4の上側に配置される上板部511と、上板部511の縁部から下側に延びて便座4の側方に配置される側板部512と、を有している。
一対の便蓋突出部52,53のうち左側に配置された便蓋突出部52を第1便蓋突出部52とし、右側に配置された便蓋突出部53を第2便蓋突出部53とする。
また、便座4の上に便蓋5が重なると、便座本体41と便蓋本体51とが重なり、第1便座突出部42と第1便蓋突出部52とが重なり、第2便座突出部43と第2便蓋突出部53とが重なるように配置されている。
本実施形態では、便蓋5が横臥姿勢となると、第1便蓋突出部52の左側の縁部(第1側板部522)と第2便蓋突出部53の右側の縁部(第2側板部532)とが前側から後側に向かって互いに近づくように(機能部3に近づくように)延びていて、機能部3と便蓋5とが合わさった外形が略長円状となっている。
以下の説明では、便蓋5が横臥姿勢であるものとする。
このため、便蓋5は、第1軸部32が軸線回りに回動すると、第1軸部32とともに回動するように構成されている。
このため、便蓋5は、第2軸部33が軸線回りに回動すると、第2軸部33とともに回動するように構成されている。
図16乃至図18に示すように、第1ロック機構6は、便蓋5のピン固定部561に固定されたピン61と、ピン61に係止され便蓋5に対して前後方向にスライド可能なスライド部62と、を有している。
ピン61は、頭部611が軸部612よりも拡径している段差つきピンで、軸部621側がピン固定部561に挿通され、頭部611側がピン固定部561から右側に突出している。
スライド部本体63は、ピン61の軸部612が挿通される長孔651が形成された長孔形成板部65と、長孔形成板部65の上側に設けられた上側板部66と、長孔形成板部65の下側に設けられた下側板部67と、を有している。
長孔形成板部65は、ピン61に係止された状態で長孔651の前後方向の長さ範囲で前後方向にスライド可能に構成されている。
長孔形成板部65には、後端部の上部側および下部側のそれぞれから左側に突出する一対の突出板部652,653が形成されている(図16および18参照)。一対の突出板部652,653は上下方向に離間している。
第1片661は、長孔形成板部65よりも前後方向および左右方向に突出している。
第1片661の長孔形成板部65よりも後方に突出する部分を第1凸部663とし、第1片661の長孔形成板部65よりも左側に突出する部分を第2凸部664(図18参照)とする。
第2凸部664は、第1ロック機構取付部56のガイド溝部564に挿入可能で、スライド部62が前後方向にスライドするとガイド溝部564に沿って前後方向にスライドするように構成されている。
下側板部67の後端部分には、長孔形成板部65よりも後方に突出し、第1ロック機構取付部56の第2凹部563に嵌合可能でスライド部62が最後部に位置すると第1ロック機構取付部56の第2凹部563に嵌合する爪部671が形成されている。
下側板部67は、左側の端部が第1便蓋突出部52の第1側板部522と当接している。
下側板部67には、前端部近傍に上側に突出しカバー部64の第3突出部645(図18参照)を係止可能な第4突出部666が形成されている。
スライド部62が最後部に位置すると、被係止片674が第1ロック機構取付部56の第3凹部565に挿入されて、スライド部62が便蓋5に対して前後方向に移動しないように拘束される。
なお、使用者が把持部675を把持して被係止部673を下側に引っ張ることで、被係止片674を第3凹部565から外すことができる。
断面形状の略L字型の屈曲部よりも一方側を第1片641とし、他方側を第2片642とすると、第1片641は、板面が略左右方向を向き、長孔形成板部65の右側に間隔をあけて配置され、第2片642は、板面が前後方向を向き、長孔形成板部65の前側に配置されている。
図18に示すように、第1片641には、後端部から左側に突出する第1突出部643が形成されている。第1突出部643の先端部には、更に前側に突出する爪部643aが形成されている。第1突出部643は、長孔形成板部65から突出する一対の突出板部652,653の間に挿入され、爪部643aが長孔形成板部65の左側に入り込んで長孔形成板部65に係止されるように構成されている。
第2突出部644の爪部644aは、スライド部62の第3突出部665に係止されるように構成されている。
第3突出部645の爪部645aは、スライド部62の第4突出部666に係止されるように構成されている。
カバー部は、第1突出部643が長孔形成板部65に係止され、第2突出部644が上側板部66に係止され、第3突出部645が下側板部67に係止されることで、スライド部本体63に固定されている。
また、図20に示すように、ピン61が長孔651の後端部に配置されるように第1ロック機構6のスライド部62が前側に移動すると、スライド部62が第1溝部55よりも前側に配置されて第1溝部55と左右方向に重ならないため、先端部分32aが第1軸部挿入凹部54に挿入された第1軸部32が第1溝部55に入り込むことができる。これにより、第1軸部32に対して便蓋5が上側に移動可能となるように便蓋5のロックが解除される。
また、図22に示すように、ピン61が長孔651の後端部に配置されるように第2ロック機構6のスライド部62が前側に移動すると、スライド部62が第2溝部58よりも前側に配置されて第2溝部58と左右方向に重ならないため、先端部分33aが第2軸部挿入凹部57に挿入された第2軸部33が第2溝部58に入り込むことができる。これにより、第2軸部33に対して便蓋5が上側に移動可能となるように便蓋5のロックが解除される。
上述した本実施形態による便座装置10では、第1軸部挿入凹部54に第1軸部32の先端部分32aが挿入され、第2軸部挿入凹部57に第2軸部33の先端部分33aが挿入された横臥姿勢の便蓋5を、第1ロック機構6および第2ロック機構7によるロックを解除した後に、上側に移動させると、第1軸部32が第1溝部55に入り込んで第1溝部55の下端部から外れ、第2軸部33が第2溝部58に入り込んで第2溝部58の下端部から外れるようにして便蓋5を第1軸部32および第2軸部33から取り外すことができる。
また、便蓋5を機能部3に取り付けるには、横臥姿勢の便蓋5を機能部3に上側から近づけて、第1軸部32を第1溝部55に入り込ませ、第2軸部33を第2溝部58に入り込ませるようにして更に便蓋5を下方に移動させると、第1軸部32が第1軸部挿入凹部54に入り込み、第2軸部33が第2軸部挿入凹部57に入り込み、第1ロック機構6および第2ロック機構7によるロックを行うことで便蓋5を第1軸部32および第2軸部33に取り付けることができる。
このような便座装置の場合、便蓋5を機能部3へ着脱する際に、便蓋5が一方の軸部には取り付けられておらず他方の軸部には取り付けられた状態となると、一方の軸部に取り付けられる側が他方の軸部に取り付けられる側よりも高い位置に配置された傾いた姿勢となる。このため、便蓋5と一対の軸部それぞれとの間に便蓋5が傾いた際のクリアランスを設ける必要がある。
これにより、便蓋5は、一対の軸部に取り付けられると、上記のクリアランスによって機能部3に対してがたついてしまうことがある。
これに対し、本発明では、便蓋5を一対の軸部に対して同じ方向から同時に着脱できるため、便蓋5と一対の軸部それぞれとの間にクリアランスを設ける必要がなく、便蓋5が機能部3に対してがたつくことを防止できる。
また、第1ロック機構6および第2ロック機構7は、第1凸部663、第2凸部664、および爪部671が第1ロック機構取付部56および第2ロック機構取付部59に係止されるとともに、スライド部62がピン61を介して第1ロック機構取付部56および第2ロック機構取付部59に係止されている。このため、第1ロック機構6および第2ロック機構7は、便蓋5に確実に係止され、第1ロック機構6および第2ロック機構7をスライドさせた際に便蓋5から外れたり位置ずれしたりすることを防止できる。
また、平面視において横臥姿勢の便蓋5と機能部3とを合わせた外形が長円形状であることにより、便器1の意匠性を向上させることができる。また、便蓋5が機能部3の外周部よりも外側に突出する形状である場合と比べて、便蓋5の小型化および軽量化を図ることができる。
例えば、上記の実施形態では、横臥状態の便蓋5を第1軸部32および第2軸部33の両方に対して上下方向に移動させて着脱するように構成されているが、いずれか一方のみに対して上下方向に移動させて着脱し、他方には、軸線方向から着脱するように構成されていてもよい。
また、便蓋5を横臥状態のまま第1軸部32および第2軸部33に対して上下方向に移動させて軸部に着脱しているため、第1便蓋突出部52の第1側板部522および第2便蓋突出部53の第2側板部523が後端部近傍において互いに左右方向の内側に向かうように延びている場合でも、便蓋5を機能部3に容易に着脱することができる。
なお、第1便蓋突出部52の第1側板部522および第2便蓋突出部53の第2側板部523が後端部近傍において互いに左右方向の内側に向かうように延びている場合とは、第1便蓋突出部52の第1側板部522および第2便蓋突出部53の第2側板部523が前側から後側に向かって漸次機能部3に互いに近づくように延びている場合や、第1便蓋突出部52の第1側板部522および第2便蓋突出部53の第2側板部523が前後方向に延びるとともに第1便蓋突出部52の後端面および第2便蓋突出部の後端面が左右方向に延びている場合などを含むものとする。
また、第1ロック機構6および第2ロック機構7は、便蓋5に対して前後方向にスライドしてロックと解除とを切り替えるように構成されているが、スライドに代わって便蓋5に対して回転するなどしてロックと解除とを切り替えるように構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、第1ロック機構6および第2ロック機構7は、便蓋5に複数の個所で係止されているが、これ以外の個所で係止されていてもよい。
また、上記の実施形態では、平面視において横臥姿勢の便蓋5と機能部3とを合わせた外形が長丸形状であるが、例えば楕円形状など他の形状としてもよい、また便蓋5の第1便蓋突出部および第2便蓋突出部が便器本体2より外方に突出していてもよい。
2 便器本体(本体部)
3 機能部(本体部)
4 便座
5 便蓋
6 第1ロック機構(ロック機構)
7 第2ロック機構(ロック機構)
10 便座装置
32 第1軸部(軸部)
32a 先端部分
33 第2軸部(軸部)
33a 先端部分
52 第1便蓋突出部(突出部)
53 第2便蓋突出部(突出部)
54 第1軸部挿入凹部(軸部挿入凹部)
55 第1溝部(溝部)
56 第1ロック機構取付部
57 第2軸部挿入凹部(軸部挿入凹部)
58 第2溝部(溝部)
59 第2ロック機構取付部
Claims (4)
- 本体部に着脱可能な便蓋を有する便座装置において、
前記本体部に設けられて軸線方向が水平方向であるとともに前記本体部から前記軸線方向に突出し前記便蓋を係止可能な軸部と、
前記便蓋に取り付けられて前記軸部による前記便蓋の係止および係止解除を切り替え可能なロック機構と、を有し、
前記便蓋には、前記軸部の先端部分を上下方向から挿入すると前記便蓋が前記軸部に係止される軸部挿入凹部と、
前記便蓋が前記便座を覆う横臥姿勢となると前記軸部挿入凹部から前記便蓋の下方に達するように延在し前記軸部の先端部分を前記上下方向から挿入可能な溝部と、が形成され、
前記ロック機構は、前記横臥姿勢の前記便蓋に対して前後方向にスライドすることで前記軸部による前記便蓋の係止および係止解除を切り替えることを特徴とする便座装置。 - 本体部に着脱可能な便蓋を有する便座装置において、
前記本体部にそれぞれ設けられて軸線方向が水平方向で同軸であるとともに前記本体部から前記軸線方向に突出し前記便蓋を係止可能な一対の軸部と、
前記便蓋に取り付けられて前記一対の軸部による前記便蓋の係止および係止解除を切り替え可能なロック機構と、を有し、
前記一対の軸部のうちの一方の第1軸部は、前記本体部から前記軸線方向の一方側に突出し、
前記一対の軸部のうちの他方の第2軸部は、前記本体部から前記軸線方向の他方側に突出していて、
前記便蓋には、前記第1軸部の先端部分を上下方向から挿入すると前記便蓋が前記第1軸部に係止される第1軸部挿入凹部と、
前記第2軸部の先端部分を前記上下方向から挿入すると前記便蓋が前記第2軸部に係止される第2軸部挿入凹部と、
前記便蓋が所定の姿勢となると前記第1軸部挿入凹部から前記便蓋の下方に達するように延在し前記第1軸部の先端部分を前記上下方向から挿入可能な第1溝部と、
前記便蓋が前記所定の姿勢となると前記第2軸部挿入凹部から前記便蓋の下方に達するように延在し前記第2軸部の先端部分を前記上下方向から挿入可能な第2溝部と、が形成され、
前記ロック機構は、前記便座を覆う横臥姿勢の前記便蓋に対して前後方向にスライドすることで前記一対の軸部による前記便蓋の係止および係止解除を切り替えることを特徴とする便座装置。 - 前記ロック機構は、前記便蓋に複数の個所で係止されている請求項1または2に記載の便座装置。
- 本体部に着脱可能な便蓋を有する便座装置において、
前記本体部に設けられて軸線方向が水平方向であるとともに前記本体部から前記軸線方向に突出する軸部を有し、
前記便蓋には、前記軸部の先端部分を上下方向から挿入すると前記便蓋が前記軸部に係止される軸部挿入凹部と、
前記便蓋が前記便座を覆う横臥姿勢となると前記軸部挿入凹部から前記便蓋の下方に達するように延在し前記軸部の先端部分を前記上下方向から挿入可能な溝部と、が形成され、
前記便蓋は、前記便座を覆う便蓋本体と、前記軸線方向に互いに間隔をあけて配置されるとともにそれぞれ前記便蓋本体から突出する一対の突出部と、を有し、
前記一対の突出部の少なくとも一方に前記軸部挿入凹部および前記溝部が形成されていて、
前記一対の突出部の間には、前記本体部の一部が配置され、
前記一対の突出部は、それぞれの互いに離間する側の側面が基端側から先端側に向かって互いに近づくように延びていて、
前記軸部挿入凹部および前記溝部が形成されている前記突出部は、前記軸部挿入凹部および前記溝部が形成されている部分の側面およびこの部分よりも先端側の側面が、基端側から先端側に向かって他方の突出部に近づくように延びていることを特徴とする便座装置。
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