JP4052565B2 - 非接触定着用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現像に用いられる非接触定着用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触定着は、接触定着にみられるオフセット現象がなく、さらにトナーの延展が生じないため、高い解像度の画像が得られるという長所を有する一方で、エネルギー効率が悪く、定着性不良、ボイド発生等の欠点を有する。
【0003】
そこで、これらの非接触定着における課題を解決する手段として、例えば、軟化点、ガラス転移点を規定したトナー(特開2001−350286号公報)や、特定構造を有する軟化点の異なる2種以上のポリエステルからなるトナー(特開2001−100456号公報、特開2001−100459号公報)等が提案されており、それなりの効果は認められるものの、さらなる定着性の向上が望まれる。
【0004】
また、結晶性ポリエステルとエポキシ樹脂を含有したフラッシュ定着用トナーも知られているが(特開平4−250464号公報)、かかる結晶性ポリエステルは、融点が70℃前後と低融点で、かつ結晶化度が不十分であり、エポキシ樹脂への分散性も悪く十分な効果が得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、定着性に優れ、ボイドが発生することなく、高品質の画像が得られる非接触定着用トナーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が1.3より大きく4.0以下である非晶質ポリエステル及び軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が0.6〜1.3である結晶性ポリエステルを結着樹脂として含有してなる非接触定着用トナーであって、前記結晶性ポリエステルの軟化点が60〜150℃であり、前記結晶性ポリエステル及び前記非晶質ポリエステルのいずれにおいても、水溶解性成分の含有量が炭素量で3mg/g以下である(但し、水溶解性成分の含有量は、目開き1mmの篩は通過するが目開き750μmの篩は通過しないポリエステル2.5gを純水250mlと混合し、20℃で24時間振とうし、ポリエステルと水との混合液を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過した後、ろ液中の炭素濃度(ppm)を測定し、式(A)から算出する値である)非接触定着用トナーに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーは、非晶質ポリエステルと結晶性ポリエステルを結着樹脂として含有している。ここで、「結晶性」とは、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が0.6〜1.3であり、結晶性ポリエステルによる定着性の改善効果がより顕著に得られることから、0.9〜1.2が好ましく、0.95〜1.1であるのがより好ましい。また「非晶質」とは、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が1.3より大きく4.0以下、好ましくは1.5〜3.0であることをいう。
【0008】
非晶質ポリエステル及び結晶性ポリエステルは、いずれも、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させることにより得られるが、それぞれ、原料モノマーの種類や、反応条件等を適宜選択することにより、任意にポリエステルの結晶性を調整することができる。
【0009】
非晶質ポリエステルの製造に好ましく用いられるアルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等の、式(I):
【0010】
【化2】
Figure 0004052565
【0011】
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5.0である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールA、及びそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられ、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物がより有効である。
【0012】
結晶性ポリエステルの製造に好ましく用いられるアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等の炭素数2〜6の脂肪族ジオールが挙げられ、これらの中では、α,ω−直鎖アルカンジオール、特に1,4−ブタンジオールがより有効である。
【0013】
また、非晶質ポリエステルの製造に好ましく用いられるカルボン酸成分としては、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中では、アルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸がより有効である。
【0014】
結晶性ポリエステルの製造に好ましく用いられるカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物が挙げられ、これらの中では、フマル酸及びアジピン酸、特にフマル酸がより有効である。なお、脂肪族ジカルボン化合物とは、前記の如く、脂肪族ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステルを指すが、これらの中では、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
【0015】
なお、アルコール成分及びカルボン酸成分には、得られる樹脂の分子量や軟化点の調整を目的として、1価のアルコール及びカルボン酸化合物がさらに含有されていてもよい。
【0016】
以上より、非晶質ポリエステルとしては、
▲1▼ 炭素数2〜6の脂肪族ジオール、炭素数2〜8の脂肪族カルボン酸化合物等の結晶化を促進するモノマーが用いられる場合は、これらのモノマーを2種以上併用して結晶化が抑制された樹脂、即ちアルコール成分及びカルボン酸成分のいずれにおいても、これらのモノマーの1種が各成分中10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%を占め、かつこれらのモノマーが2種以上、好ましくは2〜4種用いられた樹脂、又は
▲2▼ 非結晶化を促進するモノマー、好ましくはアルコール成分として、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が、又はカルボン酸成分としてアルキル基もしくはアルケニル基で置換されたコハク酸が、アルコール成分中又はカルボン酸成分中、好ましくは両成分のそれぞれにおいて30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、特に好ましくは100モル%含有されている樹脂
が好ましい。特に▲2▼の樹脂は、その製造の際に特にビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を用いることにより、水溶解性成分の含有量を容易に低減させることができ、好ましい。
【0017】
本発明において、非晶質ポリエステルの軟化点は、定着性及び保存性の観点から、70〜160℃が好ましく、90〜150℃がより好ましい。
【0018】
非晶質ポリエステルのガラス転移点は、定着性及び保存性の観点から、50〜80℃が好ましく、55〜75℃がより好ましい。なお、ガラス転移点は非晶質樹脂に特有の物性であり、融解熱の最大ピーク温度とは区別される。
【0019】
なお、非晶質ポリエステルが2種以上のポリエステルからなる場合は、その少なくとも1種、好ましくはそのいずれもが以上に説明した物性を有する非晶質ポリエステルであるのが望ましい。特に、定着性と着色剤や離型剤の分散性の観点から、軟化点が70℃以上、120℃未満の低軟化点ポリエステルと軟化点が120℃以上、160℃以下の高軟化点ポリエステルとが、好ましくは20/80〜80/20の重量比(低軟化点ポリエステル/高軟化点ポリエステル)で併用されているのが好ましい。
【0020】
非晶質ポリエステルにおける水溶解性成分の含有量は、吸湿性及び水や水溶解性成分自身によるボイドの発生を防止するために、炭素量で、3mg/g以下であり、好ましくは1mg/g以下、より好ましくは0.1mg/g以下である。水溶解性成分の含有量は、原料モノマーにおける水溶解性化合物、特には低分子量化合物の含有量や反応率、反応手順、反応終了後の減圧トッピング等の方法により、調整することができる。
【0021】
一方、結晶性ポリエステルとしては、アルコール成分と炭素数が2〜8、好ましくは4〜6、より好ましくは4の脂肪族ジカルボン酸化合物を60モル%以上含有したカルボン酸成分を縮重合させて得られた樹脂が好ましい。
【0022】
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物は、カルボン酸成分中に、60モル%以上、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましい。特に、その中の1種の脂肪族ジカルボン酸化合物が、カルボン酸成分中の60モル%以上、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%を占めているのが望ましい。なかでも、フマル酸が、カルボン酸成分中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは80〜100モル%含有されているのが望ましい。
【0023】
また、アルコール成分には、炭素数が2〜6、好ましくは4〜6の脂肪族ジオールが含有されているのが好ましい。炭素数2〜6の脂肪族ジオールは、アルコール成分中に、60モル%以上、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましい。特に、その中の1種の脂肪族ジオールが、アルコール成分中の70モル%以上、好ましくは80〜95モル%を占めているのが望ましい。なかでも、1,4−ブタンジオールが、アルコール成分中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは80〜100モル%含有されているのが望ましい。
【0024】
本発明において、結晶性ポリエステルの軟化点は、定着性の観点から、60〜150℃であり、好ましくは70〜140℃、より好ましくは80〜130℃である。
【0025】
結晶性ポリエステルの水溶解性成分の含有量は、定着性を維持しつつボイドの発生を防止するために、炭素量で、3mg/g以下であり、好ましくは0.5〜3mg/g、より好ましくは1〜2mg/gである。水溶解性成分の含有量は、非晶質ポリエステルと同様にして調整することができるが、結晶性ポリエステルの場合は、例えば、炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4の脂肪族ジオールの含有量や反応率、カルボン酸成分に対するモル比を調整する方法が有効である。
【0026】
非晶質ポリエステル及び結晶性ポリエステルは、いずれも、アルコール成分とカルボン酸成分とを、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒、重合禁止剤等を用いて、120〜230℃の温度で反応させることにより、縮重合させて得られる。具体的には、樹脂の強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、ポリエステルの分子量を高める手段として、重合の後半に反応系を減圧、例えば10kPa以下にすることにより、反応を促進させる方法も有効である。
【0027】
本発明において、非晶質ポリエステルは、結晶性ポリエステルの分散性を高めるために、結着樹脂の主成分として含有されているのが好ましい。非晶質ポリエステルの含有量は、結着樹脂中、50〜99重量%が好ましく、より好ましくは50〜95重量%、特に好ましくは70〜90重量%である。
【0028】
非晶質ポリエステルの結晶性ポリエステルに対する重量比(非晶質ポリエステル/結晶性ポリエステル)は、50/50〜99/1が好ましく、50/50〜95/5がより好ましく、70/30〜90/10が特に好ましい。
【0029】
結着樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、非晶質ポリエステルポリアミド、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、2種以上の樹脂成分が部分的に化学結合したハイブリッド樹脂等が適宜配合されていてもよい。
【0030】
本発明のトナーには、さらに、着色剤、荷電制御剤、離型剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状成分等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、適宜含有されていてもよい。
【0031】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれにも使用することができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
【0032】
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等の正帯電性荷電制御剤及び含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ベンジル酸のホウ素錯体等の負帯電性荷電制御剤が挙げられる。
【0033】
離型剤としては、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然エステル系ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス等のワックスが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して含有されていてもよい。一般に、優れた低温定着性を得るためには、カルナウバワックス等の比較的融点の低いワックスが併用されることが好ましい。
【0034】
本発明のトナーは、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよいが、製造が容易であり、本発明の効果が顕著に発揮されることから、混練粉砕法により得られた粉砕トナーが好ましい。なお、混練粉砕法によりトナーを得る場合、結着樹脂、着色剤等をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができ、乳化転相法では、結着樹脂、着色剤等を有機溶剤に溶解又は分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。さらに、トナーの表面には、必要に応じて疎水性シリカ等の流動性向上剤等が外添されていてもよい。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
【0035】
本発明のトナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
【0036】
本発明のトナーは、非接触定着における定着性に極めて優れたおり、非接触定着に特有の課題であるボイドの発生も防止することができる。特に、輻射加熱をフラッシュ的に行うフラッシュ定着用トナーとして好適に用いることができる。フラッシュ定着では、例えばキセノン、ネオン、アルゴン、クリプトンランプ等の発光強度の高い光をトナー像に0.1〜3ミリ秒照射し、0.5〜5ジュール/cm2 程度の熱量を与えて、トナー像を溶融定着させることが好ましい。
【0037】
【実施例】
〔軟化点〕
高化式フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これによりフローテスターのプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
【0038】
〔融解熱の最大ピーク温度及びガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を求める。また、ガラス転移点は、前記測定で最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分から、ピークの頂点まで、最大傾斜を示す接線との交点の温度であり、非晶質樹脂に特有の物性である。
【0039】
〔水溶解性成分の含有量〕
目開き1mmの篩は通過するが目開き750μmの篩は通過しない試料(ポリエステル)2.5gを純水250mlと混合し、20℃で24時間振とうする。試料(ポリエステル)と水との混合液を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過した後、ろ液中の炭素濃度(ppm)を炭素量測定装置「EMIA−110」(HORIBA社製)により測定し、式(A)
【0040】
【数2】
Figure 0004052565
【0041】
により、水溶解性成分の含有量を算出する。
【0042】
結晶性ポリエステルの製造例
表1に示す原料モノマー、ハイドロキノン2g及び酸化ジブチル錫4gを窒素雰囲気下、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させた。さらに8.3kPaにて所望の軟化点が得られるまで反応させて、樹脂a〜eを得た。
【0043】
【表1】
Figure 0004052565
【0044】
非晶質ポリエステルの製造例
表2に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及び酸化ジブチル錫4gを窒素雰囲気下、220℃で8時間かけて反応させた後、さらに8.3kPaにて1時間反応させた。さらに、210℃で無水トリメリット酸を反応系に添加し、所望の軟化点に達するまで反応させて、樹脂A、Bを得た。
【0045】
【表2】
Figure 0004052565
【0046】
実施例1、3〜5、比較例1、2
表3に示す結着樹脂100重量部、カーボンブラック「MOGUL L」(キャボット社製)4重量部、荷電制御剤「T−77」(保土谷化学工業社製)1重量部、及びカルナバワックス「カルナバワックスC1」(加藤洋行社製)1重量部をヘンシェルミキサーで十分に混合した後、同方向回転二軸押出機(混練部分の全長:1560mm、スクリュー径:42mm、バレル内径:43mm)を用い、ロール回転速度を200回転/分、ロール内の加熱温度を100℃、混合物の供給速度を10kg/時に調整して溶融混練した。混合物の平均滞留時間は約18秒であった。得られた溶融混練物を、冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにより粉砕し分級して、体積平均粒子径が8.0μmの粉体を得た。得られた粉体100重量部に、外添剤として「アエロジル R−972」(日本アエロジル(株)製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
【0047】
実施例2
荷電制御剤として「T−77」の代わりに「LR−147」(日本カーリット社製)1重量部を、カーボンブラックの代わりに、シアン顔料「ECB−301」(大日精化社製)4重量部を、それぞれ使用した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
【0048】
試験例1〔定着性の評価〕
トナー4重量部とシリコンコートフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径:90μm)96重量部とを10分間ターブラーミキサーにて混合して現像剤を得た。次いで、複写機「AR−505」(シャープ(株)製)に現像剤を実装し、トナー付着量を0.6mg/cm2 に調整し、定着紙として「CopyBond SF−70NA」(シャープ社製、75g/m2 )を用いて、2cm×12cmの未定着画像を得た。
【0049】
未定着画像を、閃光ランプとしてキセノンランプを用い、パルス持続時間が1ミリ秒、閃光ランプによるエネルギーが像担持シート表面において3.0ジュール/cm2 の条件で、フラッシュ定着させた。
【0050】
得られた定着画像を、500gの荷重をかけた底面が15mm×7.5mmの砂消しゴムで5往復擦り、擦る前後の光学反射密度を反射濃度計「RD−915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(擦り後/擦り前)を定着率として求め、以下の評価基準により、定着性を評価した。結果を表3に示す。
【0051】
〔評価基準〕
定着率が
◎:90%以上
○:70%以上90%未満
×:70%未満
【0052】
試験例2〔画質の評価〕
試験例1と同様にして得られた2cm×12cmの未定着画像を、閃光ランプによるエネルギーを像担持シート表面において4.0ジュール/cm2 にした以外は、試験例1と同様にして、フラッシュ定着させた。得られた定着画像におけるボイドの発生による白抜けの有無を目視により観察して、以下の評価基準により、画質を評価した。結果を表3に示す。
【0053】
〔評価基準〕
○:白抜けはほとんどない。
△:白抜けがやや認められる。
×:白抜けが多い。
【0054】
【表3】
Figure 0004052565
【0055】
以上の結果より、実施例のトナーは定着性が良好で、ボイドによる白抜けの少ない高品質な画像が得られているのに対し、水溶解度が高い比較例1のトナーは、定着性に問題はないものの、ボイドが発生しており、結晶性ポリエステルを用いていない比較例2のトナーは、定着性に欠けていることが分かる。
【0056】
【発明の効果】
本発明により、定着性に優れ、ボイドが発生することなく、高品質の画像が得られる非接触定着用トナーを提供することができる。

Claims (5)

  1. 軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が1.3より大きく4.0以下である非晶質ポリエステル及び軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が0.6〜1.3である結晶性ポリエステルを結着樹脂として含有してなる非接触定着用トナーであって、前記結晶性ポリエステルの軟化点が60〜150℃であり、前記結晶性ポリエステル及び前記非晶質ポリエステルのいずれにおいても、水溶解性成分の含有量が炭素量で3mg/g以下である(但し、水溶解性成分の含有量は、目開き1mmの篩は通過するが目開き750μmの篩は通過しないポリエステル2.5gを純水250mlと混合し、20℃で24時間振とうし、ポリエステルと水との混合液を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過した後、ろ液中の炭素濃度(ppm)を測定し、式(A):
    Figure 0004052565
    から算出する値である)非接触定着用トナー。
  2. 非晶質ポリエステルの結晶性ポリエステルに対する重量比が50/50〜95/5である請求項1記載の非接触定着用トナー。
  3. 非晶質ポリエステルが、式(I):
    Figure 0004052565
    (式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16である)
    で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られた樹脂である請求項1又は2記載の非接触定着用トナー。
  4. 結晶性ポリエステルが、アルコール成分と炭素数が2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物を60モル%以上含有したカルボン酸成分を縮重合させて得られた樹脂である請求項1〜3いずれか記載の非接触定着用トナー。
  5. フラッシュ定着に用いられる請求項1〜4いずれか記載の非接触定着用トナー。
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