JP4052448B2 - 釣竿 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣りに用いる釣竿、特に、竿体の周面に釣糸を案内する釣糸ガイドを備える釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の釣竿の中で、いわゆる外通し竿と呼ばれるタイプの釣竿は、一般に、複数の先細り筒状の竿体からなり、最も竿元側に位置しリールを竿体周面に装着可能なリールシートを有する元竿と、順次元竿の穂先側に振出形式若しくは並継形式などで連結される元上竿,中竿,穂先竿等から構成される。
【0003】
各竿体の周面には、長手方向に一定の間隔を隔てて複数の釣糸ガイドが固定される。この釣糸ガイドは、竿体周面に固定される部分である固定部分と、固定部分に連続してなり竿体周面に対して起立しているフレーム部分と、フレーム部分の先端に取り付けられるセラミックス等の硬質部材からなるガイドリングとを有する。そして、この固定部分を巻糸などで竿体周面に固定している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、このような釣糸ガイドの竿体への装着は煩雑であり、特に、竿体が小径化するとその装着作業の煩雑化が著しい。また、小径の穂先竿では釣糸の先端の仕掛けに魚が係った振動を鋭敏に釣糸から竿体に伝達するべく、釣糸ガイドの軸方向間隔も狭めて多数の釣糸ガイドを竿体に装着するので、個数的にも装着作業が繁雑化する。そして、多数の釣糸ガイドを竿体に装着する必要がある一方で、あまり多数の釣糸ガイドの竿体への装着箇所を増やすと、穂先竿の本来のなだらかな撓りを阻害する恐れも生じてくる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−309153号公報(図1,図2)
【0006】
【発明の解決する課題】
本発明の課題は、穂先竿の撓りを阻害することなく釣糸からの力を竿体に円滑に伝達し、装着作業も容易な釣糸をガイドするための部材を備える釣竿を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1の釣竿は、複数の竿体を連結して構成される釣竿である。この複数の竿体の中で最も穂先側に位置する穂先竿は、本体部と、本体部の穂先側端部に装着されるトップガイドと、本体部の周面に装着されるコイル部材とを有している。そして、コイル部材は固定部分とコイル部分とが交互に連続しており、固定部分が本体部の周面に巻糸で固定され、コイル部分が本体部の周面から一定の距離を隔てているとともに複数回螺旋状に巻回して軸方向に所定の距離を有し、前記螺旋状に巻回した空間を釣糸が挿通可能に配置されている。
【0008】
この釣竿の穂先竿の部分では、釣糸がコイル部材のコイル部分を軸方向に挿通しており、このコイル部分が釣糸を支持し案内している。コイル部分を挿通した釣糸はさらにトップガイドに案内されて穂先側方向に至る。コイル部分は軸方向に一定の範囲をもって釣糸を支持し案内しており、釣糸からの力を円滑に竿体に伝達する。また、軸方向に一定の範囲をもって釣糸を支持することで釣糸がコイル部分のセンターを通り易く、釣糸の出入りを円滑化している。さらにまた、一連のコイル部材の固定部分を竿体に固定することは、従前の釣糸ガイドを個別に固定するのに比べて容易であり作業性が向上する。また、コイル部分が軸方向に一定の距離を有するので、従前の釣糸ガイドを個別に固定するのに比べて、竿体への固定箇所の数を減少させ得、竿体の円滑な撓りも確保し易い。
【0009】
発明2の釣竿は、発明1の釣竿であり、穂先竿の本体部が中実の細棒部材である。
中実の穂先竿は小径化が可能であり、竿体の円滑な撓りを演出できるが、ここにコイル部材を装着することで、竿体の円滑な撓りをさらに容易に演出し得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一つの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本発明のある実施形態を採用した釣竿は、図1に示すように、元竿1と、元竿1の穂先側に並継形式で連結される中竿2,穂先竿3とを有している。元竿1及び中竿2はそれぞれ、炭素繊維等の強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグ素材からなる先細り筒状の部材である。また、穂先竿3は炭素繊維等の強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグ素材を引き抜き成型した後に、先細りテーパ状に研磨加工した中実の部材である。
【0011】
元竿1は、最も竿元側に位置する大径の竿体であって、竿元側の周面にリールを脱着自在に装着可能なリールシート4が一体的に形成されている。リールシート4の穂先側及び元竿1の竿元側端部にはそれぞれフロントグリップ5とリアグリップ6とが装着されている。また、元竿1の穂先側端部には釣糸ガイド7が固定されている。この釣糸ガイド7は周知のものであり、フレームにセラミックスなどのガイドリングが装着されたものである。このフレームを巻糸などで元竿1の周面に固定している。この巻糸には合成樹脂コーティングを施しても良い。
【0012】
中竿2は元竿1の穂先側に並継形式に連結される。竿元側端部に元竿1の穂先側端部に挿入する嵌合雄部を有している。また、中竿2の周面には軸方向に間隔を隔てて複数の釣糸ガイド7が装着されている。この釣糸ガイド7は上述の元竿1の釣糸ガイド7と同様の周知のものである。
穂先竿3は中竿2の穂先側に並継形式に連結される。中竿2と同様に竿元側端部に中竿2の穂先側端部に挿入する嵌合雄部を有している。この穂先竿3は上述のように中実部材であるが、この中実の細棒部分(本体部)の竿元側の周面には釣糸ガイド7が装着されている。この釣糸ガイド7は上述のものと同様である。また、穂先竿3の本体部の穂先側端部にはトップガイド8が装着されている。このトップガイド8は穂先竿3の本体部の穂先側先端にキャップ状に装着されて固定されている。ガイドリングが配置されており、このガイドリングを釣糸が挿通する。
【0013】
また、図2に詳しく示すように、穂先竿3のトップガイド8と釣糸ガイド7との間の本体部の周面にはコイル部材10が装着されている。コイル部材10は金属線材から構成される。この、金属線材はφ0.1〜0.25mm程度、特にφ0.15mm程度の細径のものを用いるのが好ましい。超弾性を有する形状記憶合金などを用いてコイル部材10を形成してもよい。このコイル部材10は、その両端に線状のままの固定部分12を有し、その間にコイル状に金属線を巻回したコイル部分11と固定部分12とが交互になるように加工されている。コイル部分11は金属線を3〜6回程度螺旋状に巻き上げた軸方向長さが5〜10mm程度となる部分である。このコイル部分11の螺旋状に巻回した空間を釣糸が挿通することになる。そして、このコイル部材10は固定部分12を穂先竿3の本体部の周面に当接させた上で巻糸13を巻回することで穂先竿3の本体部の周面に固定されている。巻糸13は巻回後の周面を合成樹脂でコーティングしてもよい。
【0014】
このような釣竿では、元竿1のリールシート4に装着するリールからの釣糸を、順次、釣糸ガイド7,コイル部材10のコイル部分11,トップガイド8と挿通させて穂先側に導く。即ち、この釣竿の穂先竿3では、釣糸がコイル部材10のコイル部分11を軸方向に挿通し、このコイル部分11が釣糸を支持し案内することになる。このコイル部分11は軸方向に一定の範囲をもって釣糸を支持し案内しており、釣糸からの力を円滑に穂先竿3に伝達し反応がよい。また、軸方向に一定の範囲をもって釣糸を支持することで釣糸がコイル部分10のセンターを通り易く、釣糸の出入りも円滑になる。また、コイル部材10の固定部分12を穂先竿3に固定することは、釣糸ガイド7を複数個並べて個別に固定するのに比べて容易であり作業性が向上すると共に、竿体への固定箇所の数を抑えることが可能となり、穂先竿3の円滑な撓りも確保し易くなる。
【0015】
なお、この実施形態では、穂先竿3において、コイル部材10と釣糸ガイド7とを併用しているが、コイル部材10のみを用いてもよい。
また、図3に示すように、コイル部分21が3カ所程度の比較的軸方向長さの短いコイル部材20を複数個用意して、それぞれのコイル部材20を穂先竿3に並べて装着してもよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る釣竿では、穂先竿の撓りを阻害することなく釣糸からの力を竿体に円滑に伝達できる。また、釣糸をガイドする部材の装着作業も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を採用した釣竿の全体図。
【図2】図1の穂先竿3付近の拡大図。
【図3】穂先竿3付近の変形例を示した図。
【符号の説明】
3 穂先竿
7 釣糸ガイド
10,20 コイル部材
11,21 コイル部分
12 固定部分

Claims (2)

  1. 複数の竿体を連結して構成される釣竿であり、
    前記複数の竿体の中で最も穂先側に位置する穂先竿は、本体部と、前記本体部の穂先側端部に装着されるトップガイドと、前記本体部の周面に装着されるコイル部材とを有し、
    前記コイル部材は固定部分とコイル部分とが交互に連続しており、前記固定部分が、前記本体部の周面に巻糸で固定され、前記コイル部分が、前記本体部の周面から一定の距離を隔てているとともに複数回螺旋状に巻回して軸方向に所定の距離を有し、前記螺旋状に巻回した空間を釣糸が挿通可能に配置されている、釣竿。
  2. 前記本体部は中実の細棒部材である、請求項1に記載の釣竿。
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