JP4051740B2 - 反射防止フィルム - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、CRT画面、LCD画面、PDP画面等のディスプレーの表面、その他ガラス、プラスティック等からなるウィンドウの表面において、外光が反射して本来の情報が見づらくなることを防止し、かつそれらの表面で電磁波シールド機能を発揮する、電磁波シールド機能付きの反射防止フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスプレーやウィンドウ等の表面で蛍光灯や太陽などの明かりが反射して、本来知りたい情報が見づらくなるという現象は、古くから問題となっている。この問題に対しては、反射防止膜を使用することが知られており、かかる光学膜に関しての教本も出版されている。
【0003】
従来、この反射防止膜としては、ガラス基板上に形成されたものが一般的となっており、プラスティック、特にフィルム状のプラスティック基材に形成されたものは少ない。しかし、反射防止膜をプラスティックフィルム基材上に形成することにより、ガラス基板上に形成した場合では得られない薄さと可撓性が得られる。そこで、反射防止膜をプラスティックフィルム基材上に形成したもの、即ち反射防止フィルムが使用されるようになってきている。この反射防止フィルムは、外光の反射を防止したい面に張り付けるなどして用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、反射防止フィルムの形成が必要とされる透明基材では、近年話題となっている電磁波シールドも必要とされる場合が多い。例えば、パソコンやテレビ等の表示装置であるCRTやPDP表面には、反射防止機能だけでなく電磁波シールド機能も付与した方が望ましい場合がある。また、移動体通信網の増大などの影響に対して、透明な窓にも反射防止機能だけでなく、電磁波シールド機能を付与した方が望ましい場合が増えてきている。そこで、電磁波シールド機能を有する反射防止フィルムを開発することが課題となっている。
【0005】
一般に、電磁波シールドをするためには、導電性の物質が使用される。一方、反射防止フィルムには可視光に対する透過性が要求される。そこで、反射防止フィルムに電磁波シールド機能をもたせるためには、電磁波シールド機能を発揮する導電性の物質として、薄い金属膜か透明導電膜を使用することが考えられる。
【0006】
これまでに導電性を備えた反射防止膜として、特開昭61−168899号公報に記載されている低反射率帯電防止板が知られている。しかし、この低反射率帯電防止板に備えられている導電性は帯電防止だけを目的としたものであり、その基材としてはガラスやプラスティック等の板材だけが使用されている。そのため、この低反射率帯電防止板は、反射防止膜をプラスティックフィルム基材上に形成した反射防止フィルムとは形態が異なり、その利用範囲も極めて限られたものとなっている。さらにこの低反射率帯電防止板が有する導電性も、電磁波シールドに対して十分なものとはなっていない。
【0007】
この低反射率帯電防止板が公表された後も、導電性を有する反射防止膜に関する発明はなされているが、電磁波シールド特性をも課題とし、また、電磁波シールド特性と反射防止特性とを併せて最適なものにするべくなされた反射防止フィルムは見られない。
【0008】
本発明は以上のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、外光などの反射を極力低減し、かつ光学的に十分な可視光透過性を有し、さらに電磁波シールド性を発揮する反射防止膜を、プラスティックフィルム上に形成した反射防止フィルムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、プラスティックフィルムからなる基材上に反射防止膜を有する反射防止フィルムであって、該反射防止膜が、該基材側から第1の高屈折率層、第1の低屈折率層、第2の高屈折率層及び第2の低屈折率層が順次積層された4層積層構造を有し、該4層積層構造の該第2の高屈折率層のみが電磁波シールド性を有する導電層であることを特徴とする反射防止フィルムを提供する。
【0011】
本発明の反射防止フィルムは、プラスティックフィルムからなる基材上に反射防止膜が形成されているので、反射防止膜をガラス基板上に形成した場合では得られない薄さと可撓性を実現することができる。また、本発明の反射防止フィルムは、電磁波シールド性を発揮する導電層が反射防止膜中に組み入れられているので、電磁波シールド性を有しかつ、最大限の反射防止性能を有するように反射防止膜を調整することが可能となる。そして、本発明の反射防止膜で使用される導電層は、電磁波シールド性が100MHzの電磁波に対して5dB以上となるように調整されているので、実用上十分な電磁波シールド性を有するものとなる。
【0012】
ここで、本発明の反射防止フィルムの電磁波シールド性を100MHzの電磁波に対して規定した理由は、次の通りである。即ち、電磁波シールド現象には、電磁波シールドとして使用する薄膜の導電性が大きく影響するが、さらに膜厚や他の諸特性等も絡み合うため、その薄膜による電磁波シールド効果は複雑になる。一方、電磁波シールド測定装置は、原理的には、測定系をシールドし、シールド材の表裏にアンテナを設置し、妥当な発信、受信装置を用いて発信された電磁波がどのくらい減衰したかを受信するというものである。また、電磁波シールド効果は周波数によって変化するところ、各周波数における電磁波シールド効果の測定値をすべて既述するのは困難である。そこで、本発明においては、測定する電磁波の周波数を、実用上及び測定の正確さの点から、数GHz以下とし、さらに、100MHzの電磁波についての電磁波シールド効果の値を電磁波シールド効果の代表値として用いた。他の周波数での電磁波シールド効果の値は、100MHzの電磁波についての電磁波シールドの値からおおよそ類推することが可能である。
【0013】
また、電磁波には電界成分と磁界成分が含まれ、さらにアンテナからの距離により電磁波は遠方界と近接界とに分けられる。本発明においては、実用上電磁波シールド効果が必要とされる近接界における電界のシールド効果を測定し、これを電磁波シールド効果を表す値として代表させた。なお、本発明によれば、遠方界と近接界のいずれの電磁波シールドも図ることができ、本発明の反射防止膜の使用方法としては、遠方界と近接界のいずれの電磁波シールドを行う場合も包含される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の反射防止フィルムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0015】
図1は、本発明に関連する反射防止フィルムの一の態様の層構成図である。
【0016】
この反射防止フィルム10は、プラスティックフィルム基材1上に、ハードコート層2、反射防止膜5、及び防汚層6が順次積層されたものとなっている。ここで、反射防止膜5は、基材1側から第1の高屈折率層3a、第1の低屈折率層4a、第2の高屈折率層3b及び第2の低屈折率層4bが順次積層された4層構造となっており、このうちの第1の高屈折率層3aは、電磁波シールド性を有する導電層Xとなっている。
【0017】
このように本発明においては、電磁波シールド性を発揮する導電層Xが反射防止膜5を構成する所定の屈折率の層の一部として形成されているので、反射防止膜5の反射防止性能を最大限にし、かつ電磁波シールド性を付与することができる。
【0018】
また、この反射防止フィルム10において、4層構造の反射防止膜5のうち第1の高屈折率層3aであり、かつ導電層Xとなっている層の構成材料としては、一般に透明導電膜の構成材料として使用されているものを使用することができる。例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛等の酸化物又はこれらの任意の2種以上の混合酸化物、さらには、Al、Ga、Y、Zr等の3価以上の原子等を添加元素として加えたものを使用することができる。なかでも、導電層Xを酸化インジウムと酸化スズとの混合酸化物から構成し、その混合酸化物中のインジウムとスズとの原子比率Sn/(In+Sn)を2〜12at.%とすることが好ましい。これにより、安定した低抵抗、即ち電磁波シールド特性が得られるようになる。
【0019】
なお、導電層Xの構成材料としては、透明導電膜の構成材料の他、透明性を保つように膜厚を薄くした金属薄膜も使用することができるが、通常は、安定性や強度等の点から透明導電膜を使用することが好ましい。
【0020】
また、導電層Xは反射防止膜5の構成層でもあるため、その光学特性によって当該導電層Xの層厚が調整され、また、反射防止膜5全体の層構成も調整される。例えば、透明導電膜は高屈折率のものがほとんどであるので、透明導電膜からなる導電層Xは、図1のように、反射防止膜5の高屈折率層として用いることができる。
【0021】
一方、反射防止膜5を構成している導電層X以外の高屈折率層3b(第2の高屈折率層)は、酸化チタン等から形成することができる。また、第1の低屈折率層4a及び第2の低屈折率層4bは、酸化シリコン、フッ化マグネシウム等から形成することができる。
【0022】
これら反射防止膜5を構成する各層の厚さは、その当該層を構成する物質の屈折率、目的とする反射防止性等に応じて適宜定められるが、通常、導電層Xとなっている第1の高屈折率層3aを45〜75nm、第1の低屈折率層4aを25〜45nm、第2の高屈折率層3bを110〜150nm、第2の低屈折率層3bを125〜155nmとすることができ、これにより反射防止フィルム10の電磁波シールド性を、100MHzの電磁波に対して5〜15dBに調整することが可能となる。
【0023】
反射防止膜5を構成する各層の形成方法には特に限定はない。例えば、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等の真空成膜法を用いて形成することができる。
【0024】
図1の反射防止フィルム10において、プラスティックフィルム基材1としては、種々のプラスティックフィルムを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート等のフィルムを使用することができる。プラスティックフィルム基材1の厚さにも特に制限はないが、通常、10〜200μmとすることが好ましい。
【0025】
図1の反射防止フィルム10において、プラスティックフィルム基材1に積層されているハードコート層2は、反射防止フィルム10に所望の硬さを付与するため、必要に応じて設けられている。このハードコート層2の硬さとしては、2H以上とすることが好ましく、3H以上とすることがより好ましい。またハードコート層2としては、所定の光学特性を備えたものであること、即ち、透明性を有し、屈折率がプラスティックフィルム基材1の屈折率と等しいかあるいはそれと同等であることが望ましい。ハードコート層2の厚さは、光学特性及び可撓性の点から、10μm以下が好ましいが、反射防止フィルム10に所期の硬さを付与できる限り特に限定はない。
【0026】
また、ハードコート層2の材質としては、例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂、シリコーン樹脂等を主体とする樹脂から形成することができる。また、これらの樹脂に添加剤を含有させることもできる。ここで添加剤としては、光を散乱させる透明顔料などの透明粉末を好ましく使用することができ、このような透明顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等の無機化合物、硫酸バリウム等の無機塩、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等のフッ化物等を挙げることができる。また、上記透明粉末として、ポリジビニルベンゼン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂粉末、これらの樹脂から構成される中空のビ−ズ、あるいはこれらの樹脂またはその中空ビーズ表面に表面処理を施した粉末なども利用することができる。このような透明粉末の大きさとしては、ハードコート層2を構成する樹脂に分散し、プラスティックフィルム基材1上に平滑かつ均一に塗布できるよう粒径3μm以下程度とすることが好ましい。
【0027】
防汚層6は、本発明において、反射防止膜5を保護し、かつ、防汚性能を高めるために、反射防止膜5上に必要に応じて設けられる。この防汚層6の特性としては、反射防止膜5の機能が阻害されず、防汚層としての要求性能が満たされる限り特に制限はないが、純水に対する接触角が90度以上のものが好ましく、100度以上のものがより好ましい。このような特性を有する防汚層6の形成材料としては、例えば、疎水基を有する化合物を好ましく使用でき、より具体的には、パーフルオロシラン、フルオロカーボン等を好ましい材料としてあげることができる。防汚層6の層厚としては、通常、20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。防汚層6の形成方法は、当該防汚層6の形成材料に応じて、例えば、蒸着、スパッタリング等の物理気相折出法、CVDのような化学気相折出法あるいは特殊な湿式コーティング等を用いることができる。
【0028】
以上、図1に示した反射防止フィルム10について、詳細に説明したが、本発明はこの他種々の態様をとることができる。例えば、図1の反射防止フィルム10は、反射防止膜5が、基材1側から第1の高屈折率層3a、第1の低屈折率層4a、第2の高屈折率層3b及び第2の低屈折率層4bの4層構造を有し、そのうちの第1の高屈折率層3aを電磁波シールド性を有する導電層Xとしたものであるが、図2に示す反射防止フィルム10bのように、反射防止膜5を、図1の反射防止膜10と同様に基材1側から第1の高屈折率層3a、第1の低屈折率層4a、第2の高屈折率層3b及び第2の低屈折率層4bの4層構造とした場合に、その第2の高屈折率層3bを図1の反射防止フィルム10の第1の高屈折率層3aに代えて導電層Xとして構成してもよい。これにより、反射防止フィルム10bの電磁波シールド性を7〜40dBにすることができる。
【0029】
また、図3に示した反射防止フィルム10cのように、反射防止膜5を上述の反射防止フィルム10,10bと同様に4層構造とした場合に、その第1の高屈折率層3a及び第2の高屈折率層3bの双方を導電層Xとして構成してもよい。これにより反射防止フィルム10cの電磁波シールド性をより向上させ、また、より高い周波数の電磁波に対しても電磁波シールド性を高めることができる。
【0030】
また、本発明の反射防止フィルムは、反射防止膜が上述のような高屈折率層及び低屈折率層が交互に積層した層構造を有する場合に、その層数が4層に限定されるものではない。さらに、本発明の反射防止フィルムは、その反射防止膜中に高屈折率層と低屈折率層の他に中間屈折率層を有するものであってもよい。さらにまた、反射防止フィルムを構成する反射防止膜が、屈折率の徐々に変化する傾斜膜からなるものであってもよい。いずれの態様においても、反射防止膜中に高屈折率層として、低屈折率層として、あるいは所定の中間屈折率層として、当該反射防止フィルムの電磁波シールド性を100MHzの電磁波に対して5dB以上、好ましくは、7dB〜50dBとする導電層が含まれる限り、本発明の反射防止フィルムに包含される。
【0031】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、実施例1は、第1の高屈折率層が電磁波シールド性を有する導電層(ITO)であり、第2の高屈折率層が電磁波シールド性を有さない絶縁層(TiO 2 )である参考例である。また、実施例3は、第1の高屈折率層と第2の高屈折率層とが共に電磁波シールド性を有する導電層(ITO)である参考例である。
【0032】
実施例1
反射防止膜が、図1の反射防止フィルム10の反射防止膜5と同様の4層構造の反射防止フィルムを作製した。この場合、プラスティックフィルム基材としては、PETフィルム(100μm厚)を使用し、その上に、基材側からITO(導電層Xである第1の高屈折率層3a)、酸化シリコン(第1の低屈折率層4a)、酸化チタン(第2の高屈折率層3b)及び酸化シリコン(第2の低屈折率層4b)を順次積層した。また、この反射防止膜5を形成する各層はEB蒸着法によって形成した。また、各層の光学膜厚(nd)は、それぞれITO(第1の高屈折率層3a)70nm、酸化シリコン(第1の低屈折率層4a)40nm、酸化チタン(第2の高屈折率層3b)115nm、酸化シリコン(第2の低屈折率層4b)153nmとした。
【0033】
得られた反射防止フィルムの反射率は、波長550nmに対して0.5%であった。また、電磁波シールド効果は、100MHzに対して約8dBであった。電磁波シールド効果は、100MHz以下の周波数に対してはより高く、例えば、10MHzでは約25dBであった。また、100MHz以上の周波数に対して、例えば、500MHzに対しては約4dBであった。
【0034】
実施例2
反射防止膜が、図2の反射防止フィルム10bの反射防止膜5と同様の4層構造の反射防止フィルムを作製した。この場合、プラスティックフィルム基材としては、PETフィルム(188μm厚)を使用し、その上に基材側から酸化チタン(第1の高屈折率層3a)、酸化シリコン(第1の低屈折率層4a)、ITO(導電層Xである第2の高屈折率層3b)及び酸化シリコン(第2の低屈折率層4b)を順次積層した。また、この反射防止膜5を形成するITOはスパッタリングによつて形成し、その他の層はEB蒸着法によって形成した。各層の光学膜厚(nd)は、それぞれ酸化チタン(第1の高屈折率層3a)55nm、酸化シリコン(第1の低屈折率層4a)29nm、ITO(導電層Xである第2の高屈折率層3b)124nm、酸化シリコン(第2の低屈折率層4b)135nmとした。
【0035】
得られた反射防止フィルムの反射率は、波長550nmに対して0.7%であった。電磁波シールド効果は、100MHzに対して約34dBであった。また、電磁波シールド効果は、100MHz以下の周波数に対してはより高く、例えば、10MHzでは約39dBであった。また、100MHz以上の周波数に対して、例えば、500MHzに対しては約12dB、1GHzに対しては約4dBであった。
【0036】
実施例3
図3の反射防止フィルム10cと同様の層構成の反射防止フィルムを作製した。この場合、プラスティックフィルム基材1としては、PETフィルム(188μm厚)を使用し、その上にハードコート層2として、アクリル系樹脂層(4μm厚)を形成し、その上に、基材1側からITO(導電層Xである第1の高屈折率層3a)、酸化シリコン(第1の低屈折率層4a)、ITO(導電層Xである第2の高屈折率層3b)及び酸化シリコン(第2の低屈折率層4b)を順次積層した。この反射防止膜5を形成する各層のうち、ITO(導電層Xである第1の高屈折率層3a及び第2の高屈折率層3b)はスパッタリングによって形成し、酸化シリコン(第1の低屈折率層4a及び第2の低屈折率層4b)はEB蒸着法によって形成した。各層の光学膜厚(nd)は、それぞれおよそITO(導電層Xである第1の高屈折率層3a)53nm、酸化シリコン(第1の低屈折率層4a)31nm、ITO(導電層Xである第2の高屈折率層3b)136nm、酸化シリコン(第2の低屈折率層4b)132nmとした。こうして形成した4層構造の反射防止膜5の上にさらに防汚層6としてフルオロアルキルシラザン(信越化学社製、KP801M)(1180Å厚)を形成した。
【0037】
得られた、反射防止フィルムの反射率および透過率は、波長550nmに対してそれぞれ0.5%、89%であった。また、電磁波シールド効果は、100MHz以下の周波数に対しては約35dBであった。100MHz以下の周波数に対してはより高く、例えば、10MHzでは約39dBであった。また、100MHz以上の周波数に対して、例えば、500MHzに対しては約12dB、1GHzに対しては約4dBであった。
【0038】
以上の実施例により、本発明の反射防止フィルムによれば、その反射防止膜の構成を適宜変えることにより反射率や電磁波シールド効果を変えられることがわかる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、外光などの反射を極力低減しかつ光学的に充分な可視光透過性を有し、さらには電磁波シールド効果を持った反射防止フィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止フィルムの層構成図である。
【図2】本発明の反射防止フィルムの他の態様の層構成図である。
【図3】本発明の反射防止フィルムの他の態様の層構成図である。
【符号の説明】
1 プラスティックフィルム基材
2 ハードコート層
3a 第1の高屈折率層
3b 第2の高屈折率層
4a 第1の低屈折率層
4b 第2の低屈折率層
5 反射防止膜
6 防汚層
X 導電層
Claims (7)
- プラスティックフィルムからなる基材上に反射防止膜を有する反射防止フィルムであって、該反射防止膜が、該基材側から第1の高屈折率層、第1の低屈折率層、第2の高屈折率層及び第2の低屈折率層が順次積層された4層積層構造を有し、該4層積層構造の該第2の高屈折率層のみが電磁波シールド性を有する導電層であることを特徴とする反射防止フィルム。
- 導電層が、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、又はこれらの任意の2種以上の混合酸化物からなる請求項1記載の反射防止フィルム。
- 導電層が、酸化インジウムと酸化スズとの混合酸化物からなり、該混合酸化物中のインジウムとスズとの原子比率Sn/(In+Sn)が2〜12at.%である請求項1又は2記載の反射防止フィルム。
- 該第1の高屈折率層が酸化チタンからなる請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フイルム。
- 該第1の低屈折率層及び第2の低屈折率層が酸化シリコンからなる請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フイルム。
- 基材と反射防止膜との間にハードコート層が形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 反射防止膜上に防汚層が形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
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