JP2002221601A - 反射防止積層体 - Google Patents

反射防止積層体

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JP2002221601A
JP2002221601A JP2001016806A JP2001016806A JP2002221601A JP 2002221601 A JP2002221601 A JP 2002221601A JP 2001016806 A JP2001016806 A JP 2001016806A JP 2001016806 A JP2001016806 A JP 2001016806A JP 2002221601 A JP2002221601 A JP 2002221601A
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silicon oxide
oxide layer
antireflection laminate
thickness
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Application number
JP2001016806A
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English (en)
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Kazutoshi Kiyokawa
和利 清川
Tetsuya Takahashi
哲哉 高橋
Mitsuo Fujiwara
光男 藤原
Junichi Arai
潤一 新井
Haruo Uyama
晴夫 宇山
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、密着強度をさらに向上させつつ光学
特性に悪影響を与えない、密着強度と光学特性を両立さ
せた射防止積層体を提供することを課題とする。 【解決手段】透明性を有する基材上に、少なくとも第1
層に酸化シリコン層(1)、第2層に窒化チタン層、第
3層に酸化シリコン層(2)をこの順に積層した反射防
止効果を有する積層体であって、酸化シリコン層(1)
の窒化チタン層との界面が窒化されていることを特徴と
する反射防止積層体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてCRTな
どのディスプレイの表示画面等の表面に適用される反射
防止積層体およびおその製造方法に関する。より詳しく
は、導電性を有する反射防止積層体に関し、さらには係
る反射防止積層体を安価に、かつ要求性能を達成する構
成の反射防止積層体およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディスプレイの多くは、室内
外を問わず外光等が入射するような環境下で使用され
る。ディスプレイに入射した外光は、ディスプレイ表面
等において正反射され、その反射像がディスプレイ本来
の表示光と混合して表示品質を低下させ、表示画像を見
にくくする。特に、最近のコンピュータの急速な普及に
伴い、CRTやLCD(液晶ディスプレイ)と相対して
いる時間が長くなっている。そのため外光の反射像等に
よる表示品質の低下は、目の疲労等の健康障害を引き起
こす要因とも考えられ、不要な外光反射を低減させるこ
とが要求されている。更に、近年ではCRTやLCD等
のディスプレイを室外、すなわち太陽光のもとで使用す
る機会が益々増える傾向にあり、表示品質をより向上さ
せて表示画像を明確に認識できるようにするという要求
が出てきている。
【0003】一方、近年、ディスプレイの表面に貼り付
けるフィルムに電磁波シールド機能を求める傾向があ
る。電磁波シールド機能を有するフィルムをディスプレ
イの前面に貼り付けることにより、静電気の帯電を無く
すとともに、埃などの付着を防止し表示画像を見やすく
することができる。更に最近では、携帯電話を代表とす
る移動体通信網が拡大を続ける中、放出される電磁波の
ディスプレイに及ぼす影響が問題視されている。例え
ば、CRT、LCD、PDP(プラズマディスプレイパ
ネル)などにおいては、ディスプレイ自身が放出する電
磁波以外の外部からの電磁波は、ディスプレイに対して
ノイズとなる。そこで、反射防止積層体に電磁波シール
ド機能をもたせることが要求されている。
【0004】これらの要求を満たすための一例として、
可視光の広範囲にわたり反射防止効果を有し、かつ導電
性を有する反射防止積層体をディスプレイの表面等に貼
り合わせることが知られている。このような反射防止積
層体としては、高分子フィルムからなる基材の表面に、
ハードコート層を介して形成した、高屈折率層(ITO
など)と低屈折率層(酸化シリコンなど)からなる4層
構成の反射防止積層体が知られている。
【0005】しかし、この構成は比較的コストが高くな
ってしまうため、近年のコストダウン化のなかでより安
価な構成の反射防止積層体が求められていた。そこで光
学薄膜の分野で知られている、可視光吸収膜と低屈折率
膜を積層した反射防止積層体が着目された。この構成中
の可視光吸収膜に導電性材料を用いることにより導電性
反射防止積層体が得られる。ただし、この構成の場合、
可視光吸収膜を用いるため、従来のITOなどを用いた
4層構成の積層体に比べると光線透過率が低いという特
徴があるので、その応用対象は限定される。しかしなが
ら、層数が少ないので安価であるため非常に利用価値は
高い。
【0006】例えば、特開平10−230558号公報
に記載されているように、上記の基材/光吸収膜/低屈
折率膜の積層体を基本とし、光吸収膜としては窒化チタ
ンなど、また低屈折率膜としてはシリカを用いて、これ
らの成膜方法にスパッタリングを用いている。また、密
着層として基材と光吸収膜との間にケイ素,ケイ素窒化
物,ケイ素酸化物,ケイ素の酸窒化物のいずれかからな
る密着層、および光吸収膜と低屈折率膜との間にバリア
層を設け、実質的に基材/密着層/光吸収膜/バリア層
/低屈折率膜からなる積層体が提案されている。そし
て、上記の密着層の膜厚は0.5〜10nmが良いとさ
れている。この理由は、膜厚が薄すぎると密着力が十分
に得られず、また厚すぎると光学特性(特に吸収)に悪
影響を与えるということが記載されている。
【0007】しかし、現在、反射防止積層体の置かれて
いる使用環境では、さらなる薄膜強度、即ち密着強度が
要求されている。この場合の密着強度としては擦傷耐性
や引っ掻き耐性、また耐候性なども考慮に入れる必要が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
に鑑みてなされたものであって、密着強度をさらに向上
させつつ光学特性に悪影響を与えない、密着強度と光学
特性を両立させた射防止積層体を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、透明性を有する基材上に、
少なくとも第1層に酸化シリコン層(1)、第2層に窒
化チタン層、第3層に酸化シリコン層(2)をこの順に
積層した反射防止効果を有する積層体であって、酸化シ
リコン層(1)の窒化チタン層との界面が窒化されてい
ることを特徴とする反射防止積層体である。
【0010】請求項2に係る発明は、前記酸化シリコン
層(1)の膜厚が5〜25nm、前記窒化チタン層の膜
厚が5〜20nm、前記酸化シリコン層(2)の膜厚が
50〜150nmであることを特徴とする請求項1記載
の反射防止積層体である。
【0011】請求項3に係る発明は、前記酸化シリコン
層(1)の窒化されている部分の厚さが0.1〜5nm
であることを特徴とする請求項1または2記載の反射防
止積層体である。
【0012】請求項4に係る発明は、前記酸化シリコン
層(1)と前記酸化シリコン層(2)の組成が、それぞ
れSiOxおよびSiOyで表したとき、x<yの関係
を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
に記載の反射防止積層体である。
【0013】請求項5に係る発明は、前記酸化シリコン
層(1)に炭素が含有されていることを特徴とする請求
項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止積層体であ
る。
【0014】請求項6に係る発明は、前記透明性を有す
る基材が高分子フィルムであることを特徴とする請求項
1〜5のいずれか1項に記載の反射防止積層体である。
【0015】請求項7に係る発明は、前記透明性を有す
る基材と前記酸化シリコン層(1)との間に膜厚が5〜
20ミクロンのハードコート層が形成されていることを
特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射防
止積層体である。
【0016】請求項8に係る発明は、ハードコート層に
シリコン系微粒子が含有されていることを特徴とする請
求項6記載の反射防止積層体である。
【0017】請求項9に係る発明は、前記酸化シリコン
層(2)の窒化チタン層とは反対側の反射防止積層体の
最表面にフッ素含有有機化合物層が形成されていること
を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の反射
防止積層体である。
【0018】請求項10に係る発明は、前記透明性を有
する基材の酸化シリコン層(1)が形成される面とは反
対側の面に透明粘着層が形成されていることを特徴とす
る請求項1〜9のいずれか1項に記載の反射防止積層体
である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について説明する。図1は、本発明の反射防止積層体の
一例の構成を示した断面図である。図に示すように、透
明性基材2上に、順次、ハードコート層3、酸化シリコ
ン層(1)4、窒化チタン層5、酸化シリコン層(2)
6、フッ素含有有機化合物層7を積層した構成からなる
反射防止積層体1を示したものである。本発明の反射防
止積層体は、実質的に、基材/酸化シリコン層(1)/
窒化チタン層/酸化シリコン層(2)の基本構成からな
るものであり、ハードコート層3、フッ素含有有機化合
物層7は必要に応じて適宜設けることができる。以上の
ように本発明は、基材/酸化シリコン層(1)/窒化チ
タン層/酸化シリコン層(2)の基本構成を持つ反射防
止積層体で、酸化シリコン層(1)の窒化チタン層との
界面領域を窒化することにより、光学特性に悪影響を与
えず、従来よりも強い密着強度を発揮することを基本と
するものである。
【0020】本発明で用いられる透明性を有する基材2
とは、常識の範囲で可視光に対して透明性を有する基材
のことで、その光線透過率や吸収などは特に限定される
ものではない。また、フレキシビリティーが要求される
場合も多く、その場合には高分子フィルムを透明性を有
する基材として用いると良い。高分子フィルムとして
は、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテル
スルホン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロー
ス等が使用でき、目的、用途によって適宜選択される。
フィルムの厚さは、それを構成する高分子フィルムの種
類、目的、用途により選択、設定されるが、通常、70
〜200μmの厚さが好ましい。
【0021】本発明で用いられる酸化シリコン層は、通
常真空成膜で形成される。この場合、真空成膜としては
蒸着、スパッタリング、CVD法などが挙げられる。ま
た、酸化シリコン層(1)4と酸化シリコン層(2)と
では、成膜方法が同一であっても、異なっても何ら問題
ない。ただし、酸化シリコン層(1)は反射防止効果の
役割だけでなく、密着強度向上の役割も兼ねることが重
要となる。酸化シリコンは両方の点から優れた材料であ
り、本発明に適している。さらに検討を重ねた結果、酸
化シリコン層(1)と酸化シリコン層(2)の組成をS
iOxおよびSiOyと表した場合、x<yの関係が成
り立つときに光学特性とさらなる密着強度との両立がで
きることを見い出したものであり、1.3<x<y<
2.0の範囲であれば良く、さらには1.3<x<1.
8、1.6<y<2.0の範囲で、かつx<yの関係が
成立するとき一層望ましい。また、酸化シリコン層
(1)に炭素を混合させることにより、密着強度と併せ
て、窒化チタン層の膜質向上に効果があることがわかっ
た。より具体的には、窒化チタン層の導電率の向上と分
布改善ももたらした。
【0022】また、膜厚に関しては酸化シリコン層
(1)に関しては、光学的特性と密着強度の観点から、
また酸化シリコン層(2)に関しては、光学特性の観点
からそれらの適正膜厚が決定される。とくに、酸化シリ
コン層(1)が5〜25nm、酸化シリコン層(2)が
50〜150nmにある時に最も良い特性バランスを示
す。酸化シリコン層(1)の窒化チタン層との界面を窒
化する方法はいかなる方法であっても構わないが、たと
えば、窒素プラズマによる表面処理などが有効である。
即ち、酸化シリコン層(1)をスパッタリングや蒸着ま
たはCVDなどの真空成膜法により形成し、その後表面
を窒素プラズマで表面処理する。その際、水素などの添
加ガスを入れることも効果がある。また、プラズマを用
いるときは、その方式は直流であっても交流(RFな
ど)であっても良い。
【0023】窒化チタン層の形成方法としては、真空成
膜法が適している。特に、比較的薄い膜厚で所望の特性
を達成しなければならない、本発明のような場合にはス
パッタリング成膜が最も適している。また、窒化チタン
膜の形成時には、水分や酸素などの残留不可避ガス成分
により、若干の酸化が生じやすく、故意に酸化させなく
とも酸窒化チタンになっている場合もある。このこと
は、一般に知られている。それ故、本発明における窒化
チタンとはこの不可避の酸窒化チタンも当然含むもので
ある。
【0024】本発明のハードコート層3は、基材の硬度
が低い場合に用いられるもので、特に高分子フィルムな
どを基材として用いた場合には重要である。形成材料と
しては、透明性と適度な硬度と機械的強度とがあれば、
特に限定されるものではない。例えば、電子線や紫外線
の照射により硬化する樹脂や熱硬化性の樹脂等を使用で
き、特に紫外線照射硬化型のアクリル系樹脂や有機珪素
系樹脂、熱硬化型のポリシロキサン樹脂が好適である。
これらの樹脂としては、基材と屈折率が同等もしくは近
似していることがより好ましい。また、膜厚は特に限定
されるものではないが、厚すぎると応力や割れなどの問
題が生じるため、5〜20ミクロン程度が適している。
また、ハードコート層には平均粒子径0.01〜3μm
の透明な無機あるいは有機の超微粒子を混合分散させて
もよく、この超微粒子として表面に凹凸形状を有するも
のを使用してもよい。
【0025】本発明のフッ素含有有機化合物層7は、本
発明の積層体が使用される環境から積層体表面の撥水性
及び防汚性が要求されるため形成される。その形成材料
としては、付与する撥水性あるいは撥油性の程度等に応
じて種々の有機化合物を使用することができるが、特
に、高い撥水性と撥油性とを示す好ましい形成材料とし
て、フッ素含有有機化合物をあげることができる。この
うち、撥水性を示すものとしては、例えば、フルオロカ
ーボンやパーフルオロシラン、またはこれらの高分子化
合物等をあげることができる。また、指紋拭き取り性等
の向上のためには、メチル基等の撥油性基を有する高分
子化合物が好適である。また、膜厚は目的に応じ選択さ
れるが、15nm以下が適している。また、形成方法と
しては、その形成材料に応じて真空蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、
プラズマ重合法等の真空成膜プロセスや、マイクログラ
ビア法、スクリーンコート法、ディップコート法等のウ
ェットプロセスの各種コーティング法を用いることがで
きる。
【0026】反射防止積層体をディスプレイに貼付する
場合には、請求項11に記載したような粘着層が必要に
なる。この場合、反射防止積層体全体の光線透過率を制
御するために、粘着層に若干の吸収を持たせることも可
能である。
【0027】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。 <実施例1>透明性を有する基材としてPETフィルム
(188μm厚、屈折率n=1.65)を使用し、膜厚
12ミクロンのアクリル系ハードコートをウェットコー
ティングにより形成した。次に、酸化シリコン層(1)
を形成した。成膜方法は、シリコンターゲットを用い、
酸素ガスを反応ガスに使用したマグネトロンスパッタリ
ングとした。また、目標膜厚15nmで形成した。次
に、酸化シリコン層(1)の表面をRF窒素プラズマに
より表面処理した。次に、窒化チタン層を形成した。成
膜方法は、チタンターゲットを用い、窒素ガスを反応ガ
スとしたマグネトロンスパッタリングとした。また、目
標膜厚14nmで形成した。次に、酸化シリコン層
(2)を形成した。成膜方法は、酸化シリコン蒸着材料
を用い、EB蒸着を採用した。また、目標膜厚90nm
で形成した。次に、フッ素含有有機化合物層としてフッ
素含有ポリシロキサン層を形成した。成膜方法は、加熱
式蒸着とした。また、目標膜厚6nmで形成した。
【0028】得られた反射防止積層体の平均反射率は波
長450nm〜650nmの範囲で0.37%、透過率
は550nmで68.8%であった。また、スチールウ
ール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール
株式会社製)で得られた反射防止積層体の表面を200
g/cm2の荷重で70回擦過することにより耐擦傷性
試験を行った。その結果、傷は認められず良好な耐擦傷
性を有していた。また、表面に指紋を付着させたとこ
ろ、ティッシュペーパーで容易に拭き取れた。更にA4
サイズの対角で内部抵抗を測定したところ、1.4kΩ
であった。また、耐湿度,ヒートサイクル,またUV照
射などの信頼性テスト後は、充分な性能を有していた。
【0029】以下、従来の積層体を参考にした比較例と
して3例を示す。それぞれ基本構成を基材/窒化チタン
/酸化シリコン層とし、基材と窒化チタンの間に密着層
を設けた。この密着層を3種類形成し、それぞれ、1)
シリコン層、2)窒化シリコン層、3)酸化シリコン層
の3比較例とした。また、比較であるので、密着層の目
標膜厚は、実施例の酸化シリコン層(1)と同じ15n
mとした。
【0030】<比較例1>透明性を有する基材としてP
ETフィルム(188μm厚、屈折率n=1.65)を
使用し、膜厚12ミクロンのアクリル系ハードコートを
ウェットコーティングにより形成した。次に、シリコン
層を形成した。成膜方法は、シリコンターゲットを用
い、マグネトロンスパッタリングとした。また、目標膜
厚15nmで形成した。次に、窒化チタン層を形成し
た。成膜方法は、チタンターゲットを用い、窒素ガスを
反応ガスとしたマグネトロンスパッタリングとした。ま
た、目標膜厚14nmで形成した。次に、酸化シリコン
層を形成した。成膜方法は、酸化シリコン蒸着材料を用
い、EB蒸着を採用した。また、目標膜厚95nmで形
成した。次に、フッ素含有有機化合物層としてフッ素含
有ポリシロキサン層を形成した。成膜方法は、加熱式蒸
着とした。また、目標膜厚6nmで形成した。
【0031】得られた反射防止積層体の平均反射率は波
長450nm〜650nmの範囲で0.41%、透過率
は550nmで、44.5%であった。また、スチール
ウール(ボンスターNo.0000、日本スチールウー
ル株式会社製)で得られた反射防止積層体の表面を20
0g/cm2の荷重で70回擦過することにより耐擦傷
性試験を行った。その結果、表面はキズが非常に多くつ
いた。また、表面に指紋を付着させたところ、ティッシ
ュペーパーで容易に拭き取れた。更にA4サイズの対角
で内部抵抗を測定したところ、1.5kΩであった。ま
た、耐湿度,ヒートサイクル,またUV照射などの信頼
性テスト後は、充分な性能を有していなかった。
【0032】<比較例2>透明性を有する基材としてP
ETフィルム(188μm厚、屈折率n=1.65)を
使用し、膜厚12ミクロンのアクリル系ハードコートを
ウェットコーティングにより形成した。次に、窒化シリ
コン層を形成した。成膜方法は、シリコンターゲットを
用い、窒素ガスを反応ガスとしたマグネトロンスパッタ
リングとした。また、目標膜厚15nmで形成した。次
に、窒化チタン層を形成した。成膜方法は、チタンター
ゲットを用い、窒素ガスを反応ガスとしたマグネトロン
スパッタリングとした。また、目標膜厚14nmで形成
した。次に、酸化シリコン層を形成した。成膜方法は、
酸化シリコン蒸着材料を用い、EB蒸着を採用した。ま
た、目標膜厚95nmで形成した。次に、フッ素含有有
機化合物層としてフッ素含有ポリシロキサン層を形成し
た。成膜方法は、加熱式蒸着とした。また、目標膜厚6
nmで形成した。
【0033】得られた反射防止積層体の平均反射率は波
長450nm〜650nmの範囲で0.43%、透過率
は550nmで47.3%であった。また、スチールウ
ール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール
株式会社製)で得られた反射防止積層体の表面を200
g/cm2の荷重で70回擦過することにより耐擦傷性
試験を行った。その結果、傷は認められず良好な耐擦傷
性を有していた。また、表面に指紋を付着させたとこ
ろ、ティッシュペーパーで容易に拭き取れた。更にA4
サイズの対角で内部抵抗を測定したところ、1.4kΩ
であった。また、耐湿度,ヒートサイクル,またUV照
射などの信頼性テスト後は、充分な性能を有していた。
【0034】<比較例3>透明性を有する基材としてP
ETフィルム(188μm厚、屈折率n=1.65)を
使用し、膜厚12ミクロンのアクリル系ハードコートを
ウェットコーティングにより形成した。次に、酸化シリ
コン層(1)を形成した。成膜方法は、シリコンターゲ
ットを用い、酸素ガスを反応ガスとしたマグネトロンス
パッタリングとした。また、目標膜厚15nmで形成し
た。次に、窒化チタン層を形成した。成膜方法は、チタ
ンターゲットを用い、窒素ガスを反応ガスとしたマグネ
トロンスパッタリングとした。また、目標膜厚14nm
で形成した。次に、酸化シリコン層(2)を形成した。
成膜方法は、酸化シリコン蒸着材料を用い、EB蒸着を
採用した。また、目標膜厚90nmで形成した。次に、
フッ素含有有機化合物層としてフッ素含有ポリシロキサ
ン層を形成した。成膜方法は、加熱式蒸着とした。ま
た、目標膜厚6nmで形成した。
【0035】得られた反射防止積層体の平均反射率は波
長450nm〜650nmの範囲で0.37%、透過率
は550nmで69.1%であった。また、スチールウ
ール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール
株式会社製)で得られた反射防止積層体の表面を200
g/cm2の荷重で70回擦過することにより耐擦傷性
試験を行った。その結果、傷は少ししか認められず良好
な耐擦傷性を有していた。また、表面に指紋を付着させ
たところ、ティッシュペーパーで容易に拭き取れた。更
にA4サイズの対角で内部抵抗を測定したところ、2.
1kΩであった。また、耐湿度,ヒートサイクル,また
UV照射などの信頼性テスト後は、充分な性能を有して
いなかった。
【0036】上記の実施例および比較例で得られた反射
防止積層体の電気特性、密着強度、光学特性について、
◎(優)、○(良)、△(可)3段階で総合的に評価を
行った。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明は、基材/酸化シリコン層(1)
/窒化チタン層/酸化シリコン層(2)の基本構成を持
つ反射防止積層体で、酸化シリコン層(1)の窒化チタ
ン層との界面領域を窒化することにより、光学特性に悪
影響を与えず、従来では得られない強い密着強度を達成
することができる。また、本発明の反射防止積層体は、
強い密着強度を有するので、擦傷耐性、引っ掻き耐性は
勿論、耐候性にも優れるものであり、主としてCRTな
どのディスプレイの表示画面等の表面に好適に使用され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止積層体の一例の構成を示した
断面図である。
【符号の説明】
1・・・反射防止積層体 2・・・透明基材 3・・・ハードコート層 4・・・酸化シリコン層(1) 5・・・窒化チタン層 6・・・酸化シリコン層(2) 7・・・フッ素含有有機化合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/20 G02B 1/10 A (72)発明者 新井 潤一 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 宇山 晴夫 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA06 AA08 AA15 BB24 CC02 CC03 CC24 CC26 DD03 DD04 EE03 4F100 AA12C AA20B AA20D AK01A AK17E AK42 AK52E AR00A AR00E AS00E BA04 BA05 BA10A BA10D BA10E BA25B BA25C CA23E DE01E GB90 JK01E JK06 JL13E JN01A JN01E JN06 YY00B YY00C 4K029 AA11 AA25 BA46 BA60 BA62 BB02 BC02 BC07 BD00 EA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明性を有する基材上に、少なくとも第1
    層として酸化シリコン層(1)、第2層として窒化チタ
    ン層、第3層として酸化シリコン層(2)をこの順に積
    層した反射防止効果を有する積層体であって、酸化シリ
    コン層(1)の窒化チタン層との界面が窒化されている
    ことを特徴とする反射防止積層体。
  2. 【請求項2】前記酸化シリコン層(1)の膜厚が5〜2
    5nm、前記窒化チタン層の膜厚が5〜20nm、前記
    酸化シリコン層(2)の膜厚が50〜150nmである
    ことを特徴とする請求項1記載の反射防止積層体。
  3. 【請求項3】前記酸化シリコン層(1)の窒化されてい
    る部分の厚さが0.1〜5nmであることを特徴とする
    請求項1または2記載の反射防止積層体。
  4. 【請求項4】前記酸化シリコン層(1)と前記酸化シリ
    コン層(2)の組成を、それぞれSiOxおよびSiO
    yで表したとき、x<yの関係を満たすことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止積層
    体。
  5. 【請求項5】前記酸化シリコン層(1)に炭素が含有さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の反射防止積層体。
  6. 【請求項6】前記透明性を有する基材が高分子フィルム
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の反射防止積層体。
  7. 【請求項7】前記透明性を有する基材と前記酸化シリコ
    ン層(1)との間に膜厚が5〜20ミクロンのハードコ
    ート層が形成されていることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  8. 【請求項8】請求項7記載の反射防止積層体において、
    ハードコート層にシリコン系微粒子が含有されているこ
    とを特徴とする反射防止積層体。
  9. 【請求項9】前記酸化シリコン層(2)の窒化チタン層
    とは反対側の反射防止積層体の最表面にフッ素含有有機
    化合物層が形成されていることを特徴とする請求項1〜
    8のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  10. 【請求項10】透明性を有する基材の酸化シリコン層
    (1)が形成される面とは反対側の面に透明粘着層が形
    成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の反射防止積層体。
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